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2024年5月22日 (水)

市教委が裁判の公開性を封じたわいせつ裁判、やり直し?

 「横浜市教委 わいせつ事件裁判で職員動員 傍聴席埋める」と5月21日付けNHK。
 「教員の性犯罪公判に職員を多数動員、横浜市教委が謝罪 第三者の傍聴妨げる」と同日付け神奈川新聞。
 「教員のわいせつ事件裁判に職員大量動員 「傍聴機会失わせた」と釈明」と同日付朝日新聞。

 各社一斉に報道した。各社ほぼ同じ内容だ。記者クラブ加盟社に対する教委の記者発表(記者レク)を受けての記事、毎度毎度の、いわゆる発表ものだ。

 

 これ、裁判傍聴マニアからすると、ちょっと奇妙なのね。

 刑事裁判の開廷表には、被告人の氏名欄がある。
 その欄に、氏名の記載がなく、すかっと空欄だったり、氏名ではなく「非公開」「非表示」「被告人氏名非公開」「被告人の氏名省略」、あるいは「甲」「A」などと記載されていることがある。
 傍聴マニアは直ちに思う。

マニア 「ははあ、被告人が父親か、学校教師か、少年なのだな」

 

 そうして、刑事訴訟法第290条の2第1項の柱書にこうある。

第二百九十条の二 裁判所は、次に掲げる事件を取り扱う場合において、当該事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、被害者特定事項(氏名及び住所その他の当該事件の被害者を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。)を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。

 開廷表に被告人の氏名があってもなくても、色情事件、ストーカー事件などでは、審理の冒頭で裁判官が、被害者特定事項について秘匿決定をしたことを告げる、よくあるシーンだ。

 

 今回、横浜市教委が裁判の公開性を封じたわいせつ裁判はすべて当然に、開廷表に被告人氏名がなく、被害者特定事項について秘匿決定がなされたはず。
 そのへんのこと、知らずに動員をかけたのか、知ったうえで動員をかけたのか、意味合いが違うでしょ。
 ところが、そのへんについての報道が全くない。ふむーん? と傍聴マニアは思う。

 

 加えて、2019年からのそんなことを、市教委はなぜ今回突然に発表したのか。何かあったはずなのだが…。

 

Screenshot-20240522-at-064211-tokyo-web  ふむーん、と思っていたら、なんと、がーん、「なぜか満席の横浜地裁…記者は1人の傍聴者の後を追い、確信した 横浜市教委の「傍聴ブロック」発覚の経緯」と5月22日付け東京新聞。 ※画像はその一部のスクリーンショット。

 そそ、そんな経緯で発覚したとは、なんと、がーん! ←表現が貧困やねえ(笑)

 21日の市教委の発表直後にその記事を打っていたら、他社の報道はちっさかったろう。
 22日になって打つ、いいね。

 

 ところで私は、公開の裁判でなかったからと原判決破棄、というのを傍聴したことがある。
 要するに、身柄の被告人に同行の警察官3人、のうち1人が傍聴席に座り、なにげに傍聴席のドアを内側からロックしてしまったのだ。
 被告人の身内はすでに傍聴席にいて、審理中に他の傍聴人が法廷に入ろうとすることもなかったという。北関東の支部の裁判ゆえ、そんなもんでしょ。

 なので、ドアロックに気づいたが、審理をやり直さず、そのまま進行した。
 んが、あとで問題になったんだね。判決後、検察官が控訴、東京高裁へ出てきた。それをたまたま私が傍聴したのだ。

 公開の裁判ではなかったからと、原判決破棄、その支部の本庁のほうへ差戻しになった。

 

 そうするとだよ、市教委により動員をかけられた者たちが、1時間前から、傍聴席数を超えて張り付き、仲間以外を傍聴させない、これって裁判の公開性からして問題では?

 民間でも、傍聴の動員がかかることはある。反マスクのカルト団体の裁判なんてすごかったよ。主に素敵な感じの中年女性ばっか、42席か52席の法廷へ、200人は押し寄せた。コロナ真っ盛りの頃に、全員ノーマスク、圧巻だった。
 けど、あれは公務として義務としての動員ではないし、そもそも一般人の傍聴を妨害するためではない。

 横浜地裁の事件、再審か何かの方法で、裁判をやり直す?
 いやあ、どうだろ。傍聴席のドアが無施錠でさえあれば裁判の公開性はオッケー?

 ま、とりあえずそんなことで。

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