蟻1匹のため像を100頭連れてくる、その理由は!
だいぶ前に買った『檻の中の裁判官』(瀬木比呂志著、角川新書刊)を今読み進めてる。
面白い。
それで、ふと思った!
私は前々から言っている。
裁判所の警備態勢は「蟻(あり)が1匹出そうなら、像を100頭連れてくる」だと。
あれは、単に臆病だとか、行政(※)にありがちなやり過ぎだとか、馬鹿だとか、そうじゃないのかもっ。 ※裁判所も実質は行政の一部かと私は見てます。
そうじゃないなら、じゃあ、なんなのか。
・被告人が勝手に発言し、傍聴人(支援者)が呼応して収拾が付かなくなる
・裁判を隠し録音、隠し録画されて、ネットに公開される
たとえばそういうことが起こったら、裁判官の、人事上の大きな失点になる、失点は何としても避けたい!
仮に騒動が惹起されても「そうですか、像を100頭も並べたのですか。なら仕方ないですね」と言ってほしい!
そういうことなんではないか、と考えると、しっくりくるのだ。
裁判員が最高裁のアンケートに対して、
「裁判長の説明がわかりにくかった」
「陪席裁判官のあの男が裁判員を小馬鹿にしてる風で、なのに裁判長は知らん顔した」
「評議室のエアコンが効きすぎて(効かず)、お菓子がしょぼかった」
なんて回答したら、たーいへん!
素人裁判員のおもてなしには細心の注意が必要。
裁判員制度が始まった頃、書記官氏が、裁判員制度はものすごく手間がかかる、勘弁してほしい、と言っていたのは、そういうことだったのかも。
かのメルマガ第1171号「前屈みでぴょんぴょん飛び跳ねて去った!」(2013年10月21日発行号)の編集後記に私はこんなことを書いた。以下、若干の加除訂正をして。
10月17日(木)14時50分頃、高裁民事の424号法廷(42席か)の外に警備の職員が数人いた。なんだ?
壁の開廷表では、事件名は「選挙無効等請求」。満席だった。
私は向かいの422号法廷に入り、「窃盗」の新件を傍聴した。
弁護人の立証が始まった頃、廊下のほうから怒声が聞こえてきた。シュプレヒコールのようなものも!
あれは何だったの?
帰宅後、メモしといた控訴人氏名で検索。ヒットがあった。
「311の地震も津波も自然災害ではない」「何者かが日本を攻撃」「不正選挙裁判祭り」「ユダヤ朝鮮裏社会」等々の文言が。うわあ…。
同年10月22日、朝日新聞がこう報じた。
法廷撮影した動画がネット流出 東京高裁の選挙無効訴訟
東京高裁で17日に開かれた選挙無効訴訟の口頭弁論を撮影した動画が、インターネット上に流出していることがわかった。高裁も把握しており、この動画を流しているサイトの運営会社に削除を要請する方針だ。
高裁によると動画は、今年7月の参院選に「不正があった」として、東京都在住の原告らが東京選挙区の無効を求めた訴訟の第1回口頭弁論の様子だという。
傍聴席からの撮影とみられ、裁判官や当事者がやりとりする様子や、法廷を後にする裁判官に抗議する声などが13分以上にわたって記録されている。民事訴訟規則では、法廷内での無断撮影は禁止されている。
その流出動画を私はネットで見た。
傍聴席の、法壇に向かってやや左側、最前列より少し後ろから、ジャケットの胸ポケットにさしたペン型の盗撮カメラによる動画かと思われた。
あの弁論期日を担当した裁判官には、大きな失点がついたんじゃないか。可哀想…。
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