日本国憲法に隠された秘密の義務
憲法といえば、国民の三大義務、とよく聞くでしょ。全国民が知ってるかも。
日本国憲法(前文、第1条~第103条)のうち「第三章 国民の権利及び義務」(第10条~第40条)、そのなかにこうある。
第二十六条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
② すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
第二十七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
② 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
③ 児童は、これを酷使してはならない。
第三十条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
教育は、教育を受ける義務じゃない。「その保護する子女に普通教育を受けさせる義務」なんだね。
「第三章 国民の権利及び義務」には、もっと前のほうに、大事な義務というか考え方が、がつんと定められている。
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
なんと、あれこれ自由や権利を憲法が国民に保障しても、国民が「不断の努力によつて、これを保持しなければ 」、せっかくの自由も権利も絵に描いた餅だよと、そう言ってるんである。
それが人間社会の真実であり、がつんと定めておくぞよ、つーことか。凄いよねえ。
でもこの第12条、ニュースやワイドショーではタブーじゃないかな。
だって、「事実に反する誹謗中傷攻撃、民族差別はダメ? 表現の自由を侵害するのかあ!」みたいな勢力(たぶんカルト政治団体)から怒濤のクレーム攻撃が、おそらく番組のスポンサーに対しても、ありそうだから。
ところで、私のキーボードには、優れた便利機能が備わっている。
CtrlキーとFキーを同時に押すと、画面左下に文字検索の窓が出て、そのときモニターに表示されている画面内の検索が、じつに簡単にできるのだ。
検索窓に「義務」と入力。日本国憲法の本文に、4つの義務がヒットする。
3つは上掲のとおり。4つめはこれだ。
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
国民一般の義務、ではないので「国民の三大義務」には数えられないけれども、なんと、大臣も国会議員も、日本国憲法を尊重し擁護する義務を負っちゃってるんである。びっくりするよねえ。
これも、憲法記念日にニュースやワイドショーが取り上げることは、どうだろ、かつてあったのかどうか、私は記憶がないかな。
あと、崇高な前文をどう実現するかについては、2022年12月に「日本が世界から賞賛、信頼される日」として述べた。是非ご参照いただきたい。
ちなみに、いつ頃からだろう、「日本凄いぞ、韓国・中国人も絶賛する日本の…」みたいなネット記事が急に増えたよね。
その時期って、日本が衰退途上国へまっしぐらと分かり始めた頃、だったりして。
そうだとすると、ニッポン、哀しすぎますぞ、って他人事のように言ってごめん。
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