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2024年6月 4日 (火)

保釈被告人の不出頭罪!

 今年1月18日、東京地裁の20席の法廷で「常習累犯窃盗」の判決を傍聴した。
 被告人が来ない…。

裁判官 「(被告人は)不出頭…前回の期日以降、連絡して、話し合えたことは…」
弁護人 「ないです」
裁判官 「朝方、(被告人の)お母さんが起床されたときは、家にいなかった…以降、戻ってきていないと」
弁護人 「はい」
裁判官 「召喚状は」
弁護人 「父親が受け取りました。(被告人に)渡してません」

 被告人は保釈されており、しかし不出頭なのだ。
 おお! と私は興奮した。

 

 「常習累犯窃盗」で執行猶予なんてちょとあり得ない。判決は懲役の実刑に決まってる。
 そんなのを、なぜ保釈したのか。

 「人質司法」といって、否認する者を長く勾留して心を折り、自白調書にサインさせて有罪とする(自白調書は有罪の王)、日本の刑事司法の伝統が、諸外国から見ればマズイってことで、保釈のハードルを低くしたと聞く。

 

 そのかわり、裁判への不出頭に罰則を設けることにした。以下は刑事訴訟法。これだ。

第二百七十八条の二 保釈又は勾留の執行停止をされた被告人が、召喚を受け正当な理由がなく公判期日に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。

 

 改正法の公布は2023年5月10日、施行は同年11月15日だっけ。
 本件被告人は、これを適用され、刑訴法違反で追起訴されることになるわけだ、生きて捕まれば。
 だから「おお!」なのである。

 

 今年4月23日か、この被告人が逮捕されたと某TVニュースが報じた。逮捕日は不明だ。
 そうして! 6月3日に公判期日があると、これはマニア氏が教えてくれた。ありがとーん❗

 

 

 しっかり傍聴させてもらいました。
 開廷表の事件名は「常習累犯窃盗、覚醒剤取締法違反、刑事訴訟法違反」になっていた。事件番号は、1月18日のときの番号に「等」が加わった。裁判官は、通常の移動によるのだろう、交代した。

 52席の法廷が使用された。傍聴人は10人ちょいか、司法修習生と関係者らしき人が多かった。

裁判官 「まず、常習累犯窃盗について、すでに弁論、終結しておりますけど…公判手続きを更新…」

 人定質問によれば、被告人は40歳、保釈制限住居は父親方、仕事は「インターネット広告業」だという。
 「常習累犯窃盗」は「私は盗んでいません」でありその主張に変更はないという。

裁判官 「じゃ本日は、覚醒剤取締法違反について…」

 

 3月19日付けの起訴状によれば、2月28日、新宿の某「ネットルーム」へ――私の粗いメモによれば――保釈決定取消しの特別執行の担当者がおもむいたところ、パソコンのキーボードの上に、覚醒剤0.089g入りのチャック付きビニール袋と注射器が発見されたという。
 現行犯逮捕して調べたところ、携帯電話に「歌舞伎町 売人 シャブ」の検索履歴があったという。

 

 証拠意見(検察官が被告人を有罪にするため取調べを請求した書証について、の弁護人の意見)は留保。続行となった。

 

 「常習累犯窃盗」の弁護人(若め男性)とは別に、「覚醒剤取締法違反、刑事訴訟法違反」の弁護人(スリムなご婦人)がついた。
 そっちの弁護人は、証拠意見留保でかつ「刑事訴訟法違反」はスタートさえしてないのに、次回で被告人質問までやりたがり、ごちゃごちゃ何分もかかった。んもぅ。
 しかも、声が小さいうえ立体マスクを着け、よく聴き取れない。
 大事な不出頭罪の珍しい裁判なのに、困る。閉廷してから伝えるチャンスがなかった。弁護士会にお願いしようかと。

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