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2024年7月の13件の記事

2024年7月30日 (火)

蓄冷ジェル枕を首の後ろに当てたら全身が冷やーっと

 発見した!

 

 昨夜、気温30℃ぐらいか。でも冷房(クーラー、エアコン)を使えない事情があった。
 寝られないというか、寝たらやばいことなるかも。どうする?

 

 思いついて起き上がり、冷蔵庫へ。

 ほら、洋菓子等々についてくる蓄冷材、ああいうのを溜めてる冷凍の引き出しがある。
 あそこから蓄冷材を何個か出し、、、出してどうしようか、とにかく引き出しを開けた。

 

 そしたらっ、あれは「蓄冷ジェル枕」とでもいうんですか、冷凍庫に入ってるのに、カチカチに凍ってなくて、なんか柔らかい、重くて薄い、枕っぽいやつ、下は私のアフィリエイト、こんなようなやつがあったわけ。

 

 

 こんなようなやつを、タオルでくるくる巻き、ベッドに横になり、後頭部、首の後ろ付近に当てたわけ。

 ひゃーっ、気持ちいい~!
 錯覚だろうと思うが、全身が涼しくなった。もう直ちにぐっすり眠った。

 

 脳への血液が冷やされ、脳は涼しいと感じる。けど、じつは体は熱中症、、、だったらヤバイかも。
 でもあの冷感、快感は忘れられない。今夜も、と思ってます。

2024年7月29日 (月)

世界で年間数百万台のノートPCがこれでアウトになってるのでは

 かつてのメルマガ第2508号「芸能人のストーカーもYouTuberも実刑判決、でもネット検索ではヒットなし」、その編集後記に書いたこと、作者(私だよぅ)の許可を得て転載しよう。

 

 背の高い大きなグラスのお茶を右手で持ち上げ、つい手がすべった。ノートパソコンのキーボードへほぼぜんぶ、だぼぼっとこぼしてしまった!
 以前、もっと少ない量の焼酎でノートパソコンを1台、アウトにしたことがある。

 しかし今回は助かった。
 前回で懲り、新たに買ったノートPCは、キーボード部分に厚紙をあて、マスキングテープで覆い、その上に別売りのキーボードを置いていたのだ。

 画像からは、この厚紙とテープ、小学生の工作かと思うでしょ。でもこれのおかげで10数万円、確か17万円ぐらいが助かったのである!

 ただ、別売りのキーボードはびっしょりお茶をかぶり、アウトになった。画像にあるのは新しく買ったELECOMのやつ、2千数百円だっけ。新しいキーボードは気持ち良いね~。

 世界で1年間に少なくとも数百万台のノートPCが、飲み物とかだばっとこぼしてアウトになっているんではないか。
 世界中が私のように厚紙等とマスキングテープでガードしたら、世界の経済は少なからぬダメージを受けるのではないか。日経新聞さん、調べてください。

 

 当ブログはもう容量ぎりぎりで、新たに画像を載せられないみたい。
 なので、この記事をTweetしてそこに画像を貼っときます

 

 ノートパソコンのキーボードを覆う、薄く透明なシリコンシート、みたいなやつを使ったこともある。
 アイデア商品ではあるが、でもあれは、少なくとも私は使いにくくて。
 ELECOMの別売りキーボードが最高ですわ。

2024年7月27日 (土)

国と利権と秤にかけりゃ、利権が重たい男の世界

 昔、ってもう30年ぐらい前か、確かテレビ東京の、大前研一さんの番組に、交通違反・取締り専門のジャーナリストとして出演させてもらった。

 ちょうど1994年のデータでいうと、当時は今より2千万人ほどか運転免許人口が少なく、取締りは今より2.3倍ほど多かった。私のような者にも出番がまわってくるわけだ。
 また、当時はテレビも栄えていたというか、ギャラがめちゃめちゃよかった。びっくりした。
 いや、あの番組だけが破格で、それは大前さんの考えによるのだと、あとでどこか別の局でか、聞いたような気が…。

 

 その番組中で、今回この記事に述べる趣旨のことを、私は普通に言った。
 そしたら! 石井苗子さんが、鼻にしわを寄せる感じで「はあ?」と発し、なんちうかちょっとモメてしまった(笑)。

 私はいったい何を言ったのか…。

 

   ☕  🍸  🍺

 

 要するに、ものすごくシンプルに言うとだ、これをやったら社会は国民の暮らしは画期的によくなる、ということがあるとしよう。
 ま、それを単に「良いこと」としよう。シンプルでしょ(笑)。
 あなたの専門のジャンルにも、その種の良いことがあるんじゃないか。

 

 しかし、その良いことをやると、自民のパー券を大量に買い、長年献金し、選挙のときは特別に裏金も出した、そういう企業、また業界が、困る。

 一方、良いことをやる者たちは、パー券を買わない、献金も裏金も出さない。

 良いことをやると、高級官僚たちの長年の天下り先が、困る。

 一方、良いことをやる者たちは、天下りをとらない。

 

 さあ、どうするっ?
 良いことを、つまり社会も国民の暮らしも画期的によくなるほうをとるか、はたまた利権のほうをとるか、2つに1つ、どっちかを選ばねばならない。究極の選択だ。

 そんな岐路に立たされれば、我が日本国は、間違いなく、良いことを捨てる、利権をとる。
 政権を、天下りポストを捨ててまで、国民(結局愚かな大衆)の幸せを選択する、そんな馬鹿がいるはずがない。

 その選択を、長年にわたり普通に重ねてきて、いまの日本国がある。
 結局、日本国の衰退の本源、根幹はそこなのだ。

 以上が私の考え、私見である。ま、試見といってもいいかも。

 

 

 関連して、最近、すごいことが起こったようだと私は見ている。たとえばなしでいこう。

1、ある官庁が、巨大市場をつくろうとした。それ自体は悪いことじゃない。もっと早くやってもよかった。

2、その事業には特殊な、まあ、たとえていえば特殊な高性能アプリが必要だった。

3、ところが、そのアプリを唯一つくれる業者が、天下りをとらないとわかった。

4、官庁は、普通に天下りをとる業者になんとかアプリをつくらせようと頑張りに頑張った。が、どうにもこうにも駄目だった。

5、巨大市場は消えた。

 

 もったいない! いやしかし、無理もなかったんじゃないか、とも私は想像する。

 広く使用され高額な税金が支出されることになる重要なアプリについて、天下りを嫌う業者と契約するなんぞ霞が関の恥さらしだ、財務省は予算をつけんぞ! と怒られたとか?

 また、その高性能なアプリを採用すると、これまで普及していた同種のアプリが馬鹿みたい見えて、すべて、天下りをとらない業者のアプリに置き換わってしまう、という問題もあるのだろう。

 

 国の将来・国民の暮らしと、自民と官僚の利権、どっちが重いか、秤(はかり)にかけりゃ、利権が重たい男の世界。背中(せな)で吠えてる唐獅子牡丹。なんか妙なオチになっちまったよぅ。

2024年7月24日 (水)

知らない者は損をする、本当だなあ!

 初めての裁判傍聴は40年以上前、横浜簡裁、光電式かレーダー式の、速度違反の刑事裁判だった。
 それから、交通違反がらみの刑事裁判、民事裁判を傍聴に、全国あちこちへ行った。

 やがて、交通違反がらみ以外の裁判(主に刑事)も傍聴するようになり、そこから瞬く間に、裁判傍聴マニアを自称できる傍聴ぶりとなった。

 

 傍聴マニアになって21年目、痛感することがある。

「こんなこと、以前は全く知らなかった。知らない者は損をする、本当だなあ!」

 たとえば…。

 

💥 人と車の死傷事故は青信号の横断歩道でこそ起こりやすい。

💥 制限50キロ、60キロの首都高を速度130キロ超え、140キロ超えで走ってオービスに捕まると、原則罰金では済まない。執行猶予付き懲役刑とされ、いろんな国家資格が取り消される。公務員は失職。人生が変わる。

💥 自転車の事故、個人賠償責任保険が天国と地獄を分ける

💥 玄関ドアに施錠しない女性はけっこういて、色情犯は無施錠のドアを狙う。

💥 色情犯は夜の駅やコンビニで、好みの女性を物色、尾行する。

💥 特殊詐欺は、高齢者の財産と、末端の使い捨ての受け子、出し子の人生を食って太る。

💥 「荷物の受取を頼まれただけ。詐欺とは知らなかった」は通りません

💥 意思の力では犯行を制御できず、治療こそ必要な者が確かにいる。しかし刑事司法は病識を剥ぎ取り再犯へ導く。

💥 「これこれの理由でこの判決にした」という報道は概ね嘘。外形的事実により量刑の相場がある。シャブの初犯は所持量が普通なら懲役1年6月、執行猶予3年で決まり。界隈の人たちは「イチロクサンネン」と呼ぶ。

💥 供述調書の取られ方…。

 

 あとなんだっけ、あそうそう、傍聴人が押し寄せて傍聴席を埋め、被告人の家族が傍聴できなくなるのは“あるある”だとか。

 夏休みの東京地裁の傍聴についてはWEB記事を最近書かせてもらった

2024年7月20日 (土)

傍聴人に対する退廷命令とは

 「【速報】東京高裁の法廷で傍聴人10人以上が大声を出し退去命令 反東京オリンピック関連の訴訟」と7月19日午後3時40分付けFNNニュース。

 私は19日(金)は休んだ。報道で見た範囲でだが、言えることを、ちらっと。

 

 勝手に声を発しそうな傍聴人がいるとき、また、傍聴人が勝手に声を発したとき、裁判官は「勝手な発言をしちゃダメ。したら退廷させる場合がある」旨の、警告の告知することがある。
 「退去」という語を法廷で聞いた記憶が私はない。「退廷」は普通に何度も聞いている。

 傍聴人が勝手に声を発しそう、と予想できる事情がちょっとでもある場合、警備の職員(以下単に職員)を呼んでおく。
 職員は傍聴人の数を軽く超えることが普通にある。

 さて、そのうえで、傍聴人が声を発するや…。

裁判官 「退廷!」

 すると、傍聴人1人につき職員が数人、わっと取り囲み、退廷させる。
 傍聴人の抵抗を封じるに当たっては、ズボンの後ろの部分をぐいっと持ち上げるのがコツらしい。
 足の踏ん張りがきかなければ、大した抵抗はできないのだなと、そのシーンを何度も見るうち私は気づいた。

 

 そんな事態になる予想がちょっとでもできる場合、いわゆる警備法廷を使い、傍聴人を減らす目的の傍聴券抽選を行うのが普通、と私は長年にわたり見てきた。
 蟻が一匹出そうなら、象を百頭連れてくる、若干大げさにいえばそれが裁判所の警備の要諦なのだな、と見てきた。

 しかし今回、傍聴券交付情報のページに、本件は載っていなかった。
 わざと載せなかった、可能性はあるかないか、うーん。

 

 退廷させられた人、複数人から聞いたところによれば、「退廷」というから法廷の外へ、つまり廊下へ連れ出されるのかと思いきや、中央廊下南端の貨物用のエレベーターで1階へ下ろされ、通常は人の出入のない南門から、敷地外へ追い出されたそうだ。へえ~。

 

 以下は裁判所法だ。

第七十一条(法廷の秩序維持) 法廷における秩序の維持は、裁判長又は開廷をした一人の裁判官がこれを行う。
 裁判長又は開廷をした一人の裁判官は、法廷における裁判所の職務の執行を妨げ、又は不当な行状をする者に対し、退廷を命じ、その他法廷における秩序を維持するのに必要な事項を命じ、又は処置を執ることができる。

第七十一条の二(警察官の派出要求) 裁判長又は開廷をした一人の裁判官は、法廷における秩序を維持するため必要があると認めるときは、警視総監又は道府県警察本部長に警察官の派出を要求することができる。法廷における秩序を維持するため特に必要があると認めるときは、開廷前においてもその要求をすることができる。
 前項の要求により派出された警察官は、法廷における秩序の維持につき、裁判長又は一人の裁判官の指揮を受ける。

 

 第71条の2は、けっこう味わい深いと思う。
 所轄の丸の内警察署じゃなく、警視総監(いわば東京都警察本部長)に派出を要求するんだね。
 実際に出張るのは丸の内警察署の警察官かもしれないが、法手続上はそういうことなんだね。

 その第2項、派出された警察官は、裁判官の指揮を受けるんだ、へえ、なるほどね~。

 退廷させた者を裁判所の敷地の外へ追い出すのは、庁舎管理規則だっけ規程だっけ。

 

 以上、ニュースを見るときの参考になれば。

2024年7月16日 (火)

衆院東京15区補選における選挙妨害の事件が出てきた

 まあ、聞いてちょうだい。

 今日の狙いは14時30分、東京高裁、「暴行」の判決と、16時、東京地裁、「道路交通法違反」の判決。

 

 しかし例によって早めに行った。
 1階のタブレット開廷表を見て、まずはこういうのを傍聴しようと決めたわけ。

 13時20分、東京地裁716号法廷(20席)、「過失運転致傷」の判決。
 13時30分、東京簡裁534号法廷(20席)、「暴行」の新件。

 

 13時00分頃に716号法廷前へ。
 すでに行列があった。なんか大変な交通事故なのか? けどスマホ検索ではノーヒット。

 壁の開廷表を見ると、13時30分から「強制わいせつ」の審理が入っていた。ははあ、皆さんそっち狙いなのか?
 そっちの被告人は2人。1人はノーヒット。2人目がヒットした。選挙妨害? つばさの党? えーっ、あの連中、わいせつ犯罪もやってたのか? そりゃあ狙うわ!

 

 13時13分頃にドアの施錠が解かれ、10数人が傍聴席へ。
 座って数分後、私はギョッとなった。この「強制わいせつ」の被告人は1人だ。2人目と思ったのは、同じ13時30分、東京地裁726号法廷(20席)「公職選挙法違反」の被告人だ!!!
 なぜそんな間違いを犯したのか、なぜ気づいたのか、話せば長くなる、省略する。

 

 私は直ちに立ち上がり、「公職選挙法違反」の726号法廷へ走った。
 法廷前に腕章の職員がいた。しまった、もう満席か!?

 ところがびっくり、夏休みの男子生徒諸君(高校生かな)が7人と、ほかに3人がいるのみ。不人気~! ま、ぎりぎり13時30分、女性記者が1人来たけども。

 

 被告人は身柄(拘置所)。夏の定番の服装(官給品)、上は濃紺半袖ポロシャツ、下は例の洒落たデザインのジャージ。
 4月21日、衆院東京15区補選の乙武洋匡候補者の街頭演説の路上で、運動員に対し手で押す等の暴行を加えた、とされる事件だった。

 犯行の態様や故意について争いがあるってことで、次回は9月中旬となった。2カ月間、拘置所で無為徒食の日々を送るのか。

 

 帰宅後、しっかりネット検索。
 つばさの党については、選挙妨害つながりでそんな文字が表示された、にすぎなかった。
 5月1日付けの「FRIDAY」記事「衆院補選の乙武氏に暴漢が…「他候補妨害」の余波で「警備が手薄」乱入男を取り押さえる瞬間の現場写真」に、以下のような部分がある。この事件だ。

〈オイッ!乙武。テメェー何しに来たんだっ!〉

4月21日午後7時頃、JR亀戸駅前に乙武氏の選挙カーが横づけされ、歩道に乙武氏、応援に駆け付けた小池都知事、玉木代表の3人が並び立ち街頭演説が始まった。開始から30分ほどが過ぎ、玉木代表の演説中に、通りがかった男が怒鳴りながら乙武氏に詰め寄ったのだ。

「乙武氏陣営のスタッフが2人の間に割って入り男を遠ざけたが、次の瞬間、男は乙武氏をめがけて突進しました。一瞬の出来事で、止めに入ったスタッフが男に押し倒されると周囲から『現行犯!現行犯!』という声が響き渡りました」(聴衆の一人)

スタッフ数人で男を取り押さえ、警察に通報。出動したパトカーのサイレン音と演説の声が混じり合い、現場は騒然となった。男は駆け付けた警官に対しても興奮した状態で「乙武の演説を止めさせろ!」と怒鳴りながらもみ合いとなり、激しく抵抗するが、パトカーに押し込まれ連行。暴行容疑で逮捕された。


 追っかけようか、どうしよう、、、

 

 ところで、帰りの電車で唐突に思った。
 もしも、もしも安部晋三元首相が、銃撃されたとき、銃弾が耳を貫通しただけで済んだら、どうなっていたか。

「弾道がはっきりと逸(そ)れている! 物理に逆らって逸れた! 靖国神社から神風が吹いて安部先生を守った、英霊たちが力を合わせて護ったのだ! やっぱり日本(にっぽん)は神国(しんこく)だ!」
「宮内庁の古い資料を徹底精査したところ、天皇の本当の血筋は安部先生と判明した。安部天皇の就任が閣議決定した!」

 少なくとも、そっち方面の盛り上がりが大変なことになったんではないか、その場合、銃撃犯はどんな気持ちになるだろう! と唐突に思った次第。
 そんなことは皆さん当然に思っており、私が遅すぎ、鈍すぎ、だったりして。とほほ。 

2024年7月14日 (日)

被告人をあからさまに見下す弁護人

 最近傍聴した事件を少し。

 

 東京簡裁で「窃盗」の判決。

 開廷時刻、被告人だけがいない。
 弁護人(中堅男性だったかな、珍しく私は人着をメモってない)が携帯電話を持って廊下へ。

 すぐに被告人とともに戻った。
 あれっ、汚れた感じの黒色半袖Tシャツで痩せたその被告人、10分ほど前から廊下にいましたけど?

 

 なぜか裁判官は人定質問をおこなった。
 生年月日からするに54歳。職業を尋ねられ…。

被告人 「仕事も、見つからない…とにかく病気(の治療)が先なんです。今、何てんですか、○○病、2週間に1回血液検査いかないと…」

 裁判官は遮り、判決を言い渡した。

裁判官 「主文。被告人を懲役10月に処する。次に理由を述べます」

 実刑だ。
 累犯となる前科も含め同種3犯。生活保護を受けていたが、タバコやスマホゲームの課金に費消して所持金が少なくなり、スーパーで万引きしたそうな。

 

 訴訟費用(国選弁護人の費用)は不負担。言い渡しが終わり、帰り支度をしながら弁護人が被告人に冷たく言った。

弁護人 「控訴します? 今回で私、任務終わりなんで、決めてください」
被告人 「だからどうしようか、困ってんです」

 累犯含め同種3犯では、控訴したってどうにもならんでしょ。下獄の日を先延ばしするだけでしょ。しかしそんな説明を弁護人は一切せず…。

弁護人 「(控訴を)しなければ収容されます」
被告人 「収容されると、困る…」
弁護人 「じゃ分かりました、不服申立しときます」

 そう言って弁護人はさっさと出て行った。
 私は傍聴ノートに、ペンの色を変えてこう書いた。

ノート 「なんだこの弁護人、ひっでーな、あからさに見下し、どうでもいい感、丸出し」

 こういうシーンをしっかり目撃し、必要に応じて報告する、それが裁判傍聴師の役割である。

 

 続いて「窃盗」の判決。

 2週間ほど前の前回期日を私は傍聴した。被告人は見た感じ80歳ぐらいの女性。万引きで執行猶予中の万引きだ。
 前回、何を問われても弾かれたように「もうしません!」「ハイしません!」と繰り返した。
 動脈硬化ならぬ思考硬化、あるいは、他者を拒絶する生き方なのか。
 求刑は懲役1年6月。無残に実刑判決となるのを見届けようと、私はこの法廷へ来たのだ。

 ところが、被告人が現れない。裁判官は10分待つという。たぶん来ないだろう。

 

 間もなく、東京地裁のほうの某法廷で「道路交通法違反」の判決が始まる。
 どうにも気になる理由があり、私はそっちへ急いだ。

 こっちの被告人は、現場仕事風の年配男性だ。

裁判官 「主文。被告人を懲役6月に処する。この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。訴訟費用は被告人に負担させない」

 相場的に無免許運転か、にしてはちょっと軽いな…。

 判決理由に驚愕の4文字があった。「一般原付」の無免許運転だという!

 

 2023年7月1日、いわゆる電動キックボードを道路交通法に取り入れ、「原動機付自転車」の定義(第2条第1項第10号)が変わった
 「一般原動機付自転車」と「特定小型原動機付自転車」に分かれ、従来の原付バイクは前者に、電動キックボードは後者に含まれることとなった。

 そうして今回、東京地裁の無免許運転の裁判で、「一般原付」という4文字を初めて私は耳にしたのである!
 この興奮、みんなわかってくれるよね、うんうん。 ←わっかんねーよっ(笑)

 

 このあと、原審無罪の「殺人」の控訴審を少し傍聴した。
 精神鑑定を行った医師(ハキハキと頭良さそうな中年女性)の尋問をやっていた。
 殺人の動機として被告人が語ること等々が、まあとんでもない内容だったりして、女医さんは何度も「正常な判断ができる状態ではなかった」と述べた。

 

 なんでもそうだが、はまる人、はまらない人がいる。
 裁判傍聴に、私ははまったね。

 今年6月20日、私は70歳になった。今の調子で傍聴できるのは、せいぜいあと10年か。
 いやいやもっと傍聴して、世界最高齢の裁判傍聴マニアとして世界傍聴マニア大会で記念講演をする、そこを目指そうじゃないか。

 そうしてある日、ルキノ・ヴィスコンティ監督の名画『ベニスに死す』のラストシーンをまね、傍聴席で静かに息を引き取る。

 なぬ、迷惑だから傍聴席で死ぬな? 裁判所の敷地を出て歩道で行き倒れろ?
 ま、それもいいよね。とにかく、長患いとかせず、ぽっくり死ねと、家人からきつく言われているのだ。

2024年7月12日 (金)

私立探偵さんからメールがきたよ

 日々着信する電子メールの、半分以上かな、詐欺メールだ。
 今朝、面白いのがきた。

 

私は私立探偵で、金融機関から、以前亡くなった人物とあなたの関係を確認するよう依頼を受けました。

彼は遺言書を残さずに亡くなり、財産を残しました。私たちは、あなたが故人と関係があると考える理由があります。

詳細については、私または鑑定人に連絡して確認してください。

敬具、
ビクター・チェン

 

 差出人は「victorchein@counsellor.com」となっている。
 いろいろ思いつくねえ。

 

 好奇心半分、何らかの返信をすると、まずはカモ認定される。
 そのうえで、遺産は日本円で何百億円相当だ、あなたの取り分は何億円だ、手続きのため特別な口座を設定する必要がある、その費用は何万円か何十万円だとくる。

 これに応じて振り込むと、超馬鹿なカモに認定される。
 詐欺師は超馬鹿なカモにちからを集中する。
 これこれの鑑定費用がかかる、政変が起こり金融機関が変更になった、特別な振込方法になった、補償金が必要だ、あなたの操作ミスでシステムに支障が生じた、復旧に何十万円かかる、次々といろんな理由をつくって(あらかじめすべて用意されている)、カモが気づいて送金をストップするまで、とことんむしり取る、、、のだろうと私は想像する。

 

 最初のひっかけメールが巧妙だと、まともな人もひっかけてしまう、まともな人は早い段階で詐欺と気づいて逃げる、効率が悪い。
 なので、最初のひっかけメールは、わざと馬鹿っぽくつくっている、馬鹿をひっかけるのが詐欺なのであると、どこかで読んだ。

 

 馬鹿ばか言うけど、今井はお利口なのか?
 私の場合、これは詐欺メールではないと認められる事情があるメール、それ以外はすべて詐欺メール認定し、弾いちゃってる。
 詐欺じゃないメールも、弾いちゃってるかもしれない、馬鹿でしょぉ(笑)。

 でもね、ネットを利用するにはそれぐらいがちょうどいいんではないかと。

2024年7月11日 (木)

「一般傍聴を排除する意図はなく」って(笑)

 「傍聴ブロックの発端つくったNPO法人「一般傍聴を排除する意図はなく困惑」 横浜市教員の性犯罪事件裁判」と7月10日付け東京新聞。


 私は裁判傍聴マニアを自称することが許されるだろう者になって早20余年。この「席埋め事件」には興味がある。
 「NPO法人が横浜市教育委員会に送った要請文書」なるものの画像を、よぅく見てみた。

 なんだこれ。
 席を埋めろ、このように埋めるべしと書いちゃってるじゃん。


 殺人事件で「殺すつもりはなかった」と、被告人がいくら強弁しても、たとえば鋭利頑丈な刃物で身体の枢要部を深々と複数回突き刺すとかしたなら、要するに、相手が普通は死亡するようなことをやったなら、「殺すつもりはなかった」とどんなに強弁しても、まったく通らない。殺人の故意があったと優に認定される。


裁判長 「…にもかかわらず『一般傍聴を排除する意図はなく困惑』と強弁するとは、反省、悔悟の情は皆無と言わざるを得ない。悪質ぶりは甚だしく、社会内での更生は、もはや期待できない…」

 なーんて断罪されますぞ。

 

 そのこととはべつに、「性被害傍聴マニア」とある。
 性犯罪の裁判ばっかり好んで傍聴するマニア、と解される。

 そういう傍聴マニアは確かにいる。
 壁の開廷表に性犯罪の事件が3件連続しているのを見て、喜色満面、喜び全開、もうニッコニコだったり。

 横浜地裁にもそういう傍聴マニアがいると、そのNPO法人は認識しているのだね。
 1人か、2人か、誰のことを言ってるんだろう。

 

 それでだ、NPO法人は、無理な自己正当化に終始せず、あっさりこう謝罪すればいいのに、と私は思う。

NPO 「学校の教員等が生徒に対し性犯罪をおこなったような事件は、刑事裁判では、被害女児の氏名等はもちろん、被告人氏名も学校名も普通は秘匿される、心配なら被害者特定事項の秘匿を裁判所に請求してくれと、検察官に言えばよい、とは当方はまったく知らなかった。知らずに、被告人氏名を匿名掲示板に大量に晒す者も現実に存在しており、また、面白がって、あるいは広告収入を得るため、被害女児の氏名や学校名等を晒し、被害女児を自殺へと追い詰める、そのような匿名者がネットにはうようよいると考え、そのような者が含まれる可能性のある一般傍聴人、の傍聴を阻止しなければならない! と考えてしまったものである。深く反省し…」

2024年7月 9日 (火)

たまげをキンタマの毛と私は理解しました!

 「保釈中に公判不出頭容疑 改正刑訴法適用し40代男を逮捕 スマホに逃亡計画メモ 警視庁」と2024年(以下同)4月23日付け産経新聞。

 1月15日、「常習累犯窃盗」の判決に出頭しなかった、というが、それは1月18日かと。
 1月15日は私は裁判所へ行っておらず、1月18日の判決期日(被告人は不出頭)を私は傍聴したので。

 

 ともあれ、警察官らが2月28日、被告人が滞在する北新宿のネットカフェへ踏み込んだ。
 その際、被告人は覚醒剤約0.089gを所持していたという。

 

 6月3日、被告人を勾留して「常習累犯窃盗、覚醒剤取締法違反、刑事訴訟法違反」の期日があった。傍聴した。
 覚醒剤の認否は留保。刑訴法の起訴状朗読まで進まず、終わった。

 

 そして7月8日(月)13時30分、新しい罪名での第2回の期日があった。
 被告人は私選弁護人の選任を希望しているってことで、続行。8分ほどで終わってしまった。
 んもぉ、今日はこのためだけに出てきたのにぃ!

 

   ☕  🍸  🍺

 

 いやいや、さっき1階フロアの開廷表で「ええっ!」な事件を私は見つけたんである。

 同じく13時30分開廷で、98席の103号法廷を使って、原告は漢字4文字の個人氏名、被告は一般社団法人Colaboと、少なくとも半分は女性名の個人10人、筆頭はColaboの仁藤夢乃さん、という「損害賠償請求事件」の、本人尋問なのだ!

 

 10分ほど遅れて法廷へ。
 証言台のところに男が1人いて、原告代理人弁護士から尋問の最中だった。

 これが原告本人だった。年齢はどうなんだろ30歳前後か、メタボ系の男性だ。

 原告代理人からの尋問に対しては、すらすらと、如何にも正当なことをしたんだというふうに述べていたが…。
 被告代理人弁護士からの尋問に対しては、ぼろぼろというか…。
 仁藤夢乃さん及びcolaboに対して、んまあ、ひっどいことをやったんだねえ!

 仁藤さんが何かのお祭りで皆とフランクフルトを食べてる写真か何か、そういうのを見つけてきて勝手に掲げ、「疑似フェラ自撮り画像」とかゲスな中傷をしたんだという。
 東日本大震災の復興支援で地元の高校生が、おいしくてたまげる(魂消る)、「たまげ大福だっちゃ」というのを開発し、Colaboが支援したことについて、尋問が終わり際、はっきり大きな声で言ったね。

原告 「たまげをキンタマの毛と私は理解しました!」

 

 5分休廷して14時50分、仁藤夢乃さんに対する本人尋問が始まった。
 仁藤さんは、くすんだピンクのシルク風な半袖上衣に、濃紺のパンツ。なんちゅうか、しゅっとして、素敵な娘さんなんだね。

 

 しかし15時20分、私はそっと出た。
 15時30分から5階の刑事の法廷で「傷害、道路交通法違反」の審理がある。
 これ、なんと自転車同士の交通トラブルの事件なのだ。今井的には見逃せないでしょ、仕方ないでしょ。

 

 原告のフルネームをネットで探すうち、すんごいのを見つけてしまった。

本件原告は、原告側書面のみならず、被告側の答弁書についても自身のブログ上で販売しております

 上記リンク先にある無料の文書の中に、本件原告のフルネームがある。

 

 たとえばさ、有名芸能人に対し、とんでもない民事訴訟をふっかけ、有名芸能人側が出してきた答弁書や準備書面等を販売する、そんな者も出てくるかも?

2024年7月 7日 (日)

固定式は大幅減、可搬式は微増、都知事選は?

 雑誌やwebサイトに書く前に、我慢しきれず、ちらっともらしてしまおう。 ←おもらしの定義に合致(笑)

 

 今年もまた、情報公開法の手続きを踏み、手数料を収入印紙で納付して、手に入れた、「固定式」と「可搬式」の「速度違反自動取締装置」(いわゆるオービス)の、2023年分(年度又は歴年)の都道府県別のデータを。

 

 固定式の整備数(2023年度末)は292台。前年度末は344台だった。

 その撮影枚数(2023年中)は2万8549枚。前年中は4万0342枚だった。

 

 可搬式の整備数(2023年度末)は149台。前年度末は132台だった。

 その撮影枚数(2023年中)は3万2880枚。前年中は3万1555枚だった。

 

 どうです、これだけでも「へ~!」でしょ。
 そのうえ、私の場合、固定式については1996年分から、可搬式については2019年分から、情報公開法により入手し続けてきた。
 全体のデータを、また都道府県別のデータを見比べると、楽しくてたまらないのである。

 

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 ところで、都知事選。今日が投開票日だ。
 私はとっくに期日前投票をした。

 「公職選挙法違反」にならない範囲でちらっと言えば…。

 複数の候補が横一列で並んでる、なんて場合は、政策を比べるなり、好きな候補に投票するなり、でいいと思う。
 だけど、そうじゃない場合もある。

1、現知事にさらにまた4年間を任せるか
2、次の4年間を新しい知事に期待するか

 ふたつにひとつの場合、どうする?

 1を選ぶなら、現知事に投票すればいい。
 都知事選で現知事は圧倒的に強い、現知事が破れたことはないと言われるんで、ま、投票しなくてもいい。お騒がせ系の候補者に、冗談で投票してもいい。

 2を選ぶなら、好き嫌いとか捨て、極端な話、政策がどうこうにも目をつぶり、とにかく現知事にいちばん勝てそうな候補に投票するほかないでしょ。

 新しい知事には成れそうもないけど、人柄が好きだから、政策が良いから、そういう理由での投票は、都知事選びに関係のない、無駄票、捨て票、死に票である、私はそう思うんですけど、どうですかね。

 

 あそうそう、「公職選挙法違反」といえば、最近こんな記事を書きました~。

日当5000円できれいな女性を集める…「政治離れ」が進む日本で密かに行われている"選挙のサクラ"の実態  結局、女性たちは1人も投票に行かなかった

2024年7月 3日 (水)

速度違反、「またかよ!」な話

 定かじゃないが、今年に入って3カ月間か5カ月間か、東京地裁で固定式オービスの事件に全く遭遇しない、という事態が起こった
 偶然の要素を十二分に考慮しても、これは異常だ。

 

 ところが、2、3週間ほど前からか、ぽつぽつ出始めた。

 相変わらず首都高・中央環状線、山手トンネル内、外回りと内回り、いずれも住所的には目黒区内の、天井付近に設置の東京航空計器、オービスⅢLkかLxが大活躍だ。

 制限速度は外回りも内回りも60キロ。あのオービスにより140キロ(超過80キロ)以上と測定・撮影された事件が、また続々と東京地裁の公判廷へ出始めたってことだ。

 

 先日傍聴した事件の被告人は、司法書士だった。
 執行猶予付きでも懲役刑を食らうと、司法書士の資格を失う。
 多くのスタッフを抱えて手広くやっていたそうだが、事務所は閉鎖だ。

 なので100万円の贖罪寄付をしたが、量刑相場は絶対だ。 ※超珍しい例外を私は傍聴したことがあるけれども。
 100万円が無駄になったケースを、私は何件も傍聴してきた。 ※寄付を受けた交通遺児育英会などは大いに助かったろう。その意味で被告人らは良いことをしたと私は思う。

 詳細は省くが、他の多くのケース以上に、本件は執行猶予付き懲役刑とされるだろう。

 

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 2000年の前後数年間か、東京簡裁にオービス事件がめっちゃ多かった。私は大興奮し次々傍聴しまくった。
 それとは別に、東京地裁のオービス事件を傍聴し始めて20年を超える。

 車雑誌『ドライバー』等に私はこう書き続けてきた。

 

 首都高のオービスに捕まり、超過速度が80キロを超えると、絶対じゃないけれども、公判請求(正式な裁判への起訴)をされ、懲役刑を求刑される。

超過80キロ台 懲役3月
超過90キロ台 懲役4月
超過100キロ台 懲役5月

 求刑のこの鉄板相場は、私が長年にわたり大量のオービス事件を傍聴し続け、わかったものだ。当局の発表ものじゃない。

 何かで執行猶予中だとかでない限り、必ず執行猶予が2年か3年つく。たとえばこう。

裁判官 「主文。被告人を懲役3月(さんげつ)に処する。この裁判が確定した日から2年間その刑の執行を猶予する。以上が主文です」

 

 執行猶予付きでも、懲役前科は重い。さまざまな国家資格、知事免許を失う。公務員は失職の対象となる。
 それは重すぎる、不公平でしょ、という考えを裁判官は持たない。

 無職の者も、司法書士、不動産業者、医師、自衛官等々も、「平等」に扱う。
 たまに、「国家資格を有する者はそれだけ責任が重いのだ」旨を重々しく言う裁判官(自身、国家公務員)もいる、たまに。

 

 ところがしかし! そうとは知らない人たちが、続々と東京地裁の公判廷へ出てくるんだね、首都高の固定式オービスによる超過80キロ以上の罪で、続々と、続々と。

 もちろん、私の記事を読んでムチャなかっ飛ばしを控えるようになった方もおいでだろう。
 しかし、読んでない方々が、続々と出てくる。

 またかよ! なのである。

 

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 どうしてこうなるのか。
 結局、テレビが扱わないから、かなという気がしてきた。

 こういうのは警察マター、検察マターだ。警察、検察が発表するとか、こういう報道をしてくれと話を持ち込むとかなければ、テレビが勝手に扱うわけにはいかないのかな、と私は見ている。
 交通三悪のうち速度違反だけが極端にペナルティが軽いことも、警察が発表するまではスルー、、、いやこれは単に気がついてないだけという可能性を否定できない。

 

 これをやったらこんなめにあうよ。
 交通違反マニア、裁判傍聴マニアはよぅく知ってるのに、世間の方々は知らず、というこの構図、速度違反だけとは限らないんじゃないか。
 その話は長くなる。また今度。

2024年7月 1日 (月)

蓮舫さんは教本利権へ突っ込んだ

 蓮舫さんが、もしかして都知事になるかもしれない!
 そのとき、前都知事時代の不正な契約等はがんがん暴かれ、東京は、いや日本は変わるかも!
 私はすでに蓮舫さんに期日前投票した。

 

 ところで、じつは、2010年の8月号だったか、車雑誌『ドライバー』に書いたコラムに、蓮舫さんが登場する。懐かしい。
 若干の加除訂正等をして、ここに再掲しよう。データとかすべて2010年時点のものですからね。

 画像は、容量の関係でこのブログには載せられない。X(旧Twitter)のほうに載せときます

 

 じつは私、初めてのテレビ出演は20年くらい前。テレビ朝日の深夜の討論番組の、交通違反がテーマの回で、そのときメインの司会が蓮舫さんだった。
 緊張のせいか咳の発作が出て、セットの裏でゲホゲホ。涙目で椅子へ戻ると蓮舫さんが言った。

「それで、今井さんはどう思いますか?」

 なっ、なんで俺にふるんだ! 話、聞いてねっつーの!
 あんときゃ焦ったが、あれは私をいじってくれたんですね、ありがとうございます。

 

 その後、蓮舫さんは国会議員になった。いま大活躍の「事業仕分け」へ、私も行ってきた。
 「事業名:運転免許の更新時講習」という、まさに私向け(笑)のネタの仕分けがあったのだ。

 運転免許人口は現在、約8100万人。免許の有効期間は3~5年。更新するには講習を受けねばならない。受講者数は2008年は約1531万人。講習は都道府県の交通安全協会(以下、県安協)に独占委託されている。

 

 講習は法令により「教本を用いて」行うことになっている。教本代は講習費に含まれている。
 あれは
タダではない。各受講者が費用を負担しているのだ。年間15231万部発行、超弩級のベストセラーだ!

 その教本の作成・発行を、全日本交通安全協会(以下、全安協)と県安協が長年にわたり独占してきた。そこにメスを入れようというのが、今回の事情仕分けだ。

 会場はもう大混雑の大にぎわい。テレビカメラが何十台いたか。
 傍聴者はぎっしり百数十人。誰でも傍聴できるのだ。裁判傍聴仲間の阿曽山大噴火さんもいてびっくり。

 

 最初に警察庁側が概要を説明してから“仕分け人”が質問する形で進行した。
 白く映えるスーツの蓮舫さんが、きりっと前を向き、ハリのある声でこう尋ねた。

「安協が教本をすべての都道府県で独占している状態は解消されたと強調されましたが、平成20年度は全部(独占)でしたよね。で、21年度には競争入札ありましたが、結果として、安協がつくった教本以外を導入してる県は1つでもありますか?」

 警察庁側が答えた。

「え~、お答えさせていただきます、全安協がつくりました教本以外の教本を、6府県で導入をいたしております」

 事業仕分けに備え、なんとかそんな形をつくったのだろう。6府県の半分は全安協の教本も使っているという。蓮舫さんはニコニコとこう尋ねた。

「この教本はどれくらい読まれてその結果、どういう効果があると分析をされているのかをまず教えていただけますか」

 交通局長は、講習の概要について長々と説明し始めた。ぱっちり大きな目で見ていた蓮舫さんが、マイクを手にした。

「すみません、すみません、競争制を導入してもほぼ安協が独占している教本が、どういう効果があるのかご説明いただきたいと申し上げているんです」

 別の説明員が、毎年末に約1000名の「サンプリング調査」をしていると答えた。

「だいたいここ数年の傾向としまして、昨年は64.7%の方がお持ち帰りになっております……」

 最近は「お持ち帰り」が増えていると、誇らしげに言ったつもりなのだろう。だが、蓮舫さんは苦笑して手を挙げた。

「すみません、持ち帰らない人もいるということですか?」
「そういうことです。ただ昨年は64.7%の方が現実に……」
「ちょと待ってください、非常に深刻なことを、ありがとうございます、教えていただいて」

 逆に言えば、35.3%ものドライバーがそもそも持ち帰らず、捨ててしまうわけだ。蓮舫さんがキュッと厳しい顔になって言った。

「何か改善策は講じてますか!」

 警察庁側は、たいへん内容の濃い教本だからぜひ読んでもらいたい、読んでもらえれば効果があると言うばかり。あれあれ。

 そうして、64.7%のうち教本を読んだのはその半分にすぎないことが明かされた。
 
つまり、じつは有料の超弩級ベストセラーを、3分の1の人は持ち帰らずに捨て、3分の1は持ち帰っても読まないわけだ。ひ~! である。読んだという3分の1も、どの程度読んだのか。反則金と違反点数の一覧表を見た程度ではないのか。

 それなのに、全安協だけで教本により毎年約10億円の利益を上げ、理事長の年収は約2000万円、専務理事は約1700万円、常務理事は約1400万円、みな天下り……んなバカな。会場からドッと笑いがもれた。


 年配の方はご記憶だろう、10年ほど前まで、もっとも多くの更新者が受ける「優良運転者等講習」は「非定時流れ式」といって、運転シミュレーターがあったり交通安全ビデオを流していたりする講習室を、素通りするだけでよかった。
 何冊もの教本が入った封筒は、1度も開けずゴミ箱にポイ捨てしてもぜんぜんオッケー。じっさい、今も昔も教本は封筒ごとゴミ箱にばさばさ捨てられている。

 1999年、私は「ムダな教本代を返せ」と訴訟を起こした。これはちょっと不備があって取り下げ、2000年、他の2人の原告とともに提訴し直した。裁判的には負けたけれども、そのころから突然、講習は法令どおり30分間みっちりやるように、つまり現在のようなスタイルになったんだね。
 教本のほうも、何十年も同じ体裁で扉ページの国家公安委員長の挨拶文くらいしか変わらなかったのに突然、そのときどきのトピックスが巻頭にカラーで載るようになった。


 今回、警察庁側は、巻頭のカラーページに法令の改正点を載せており、だから教本は必要だと主張した。おいおい、バカ言っちゃいけない。更新は3~5年に1回。道路交通法は毎年のように目まぐるしく変わってますぞ。

 しかも、前年度から教本は競争入札にしたというが、警察庁は「講習において使用する教本」は全安協作成のもの、またはそれと「同等以上のものとする」という「通知」を出し、ちゃっかりハードルを設けている。
 結局、講習の本当の目的というか存在理由は、講習の委託と教本で安協が儲けること自体にあると、そう解さざるを得ない。

 

 安協の教本利権を公開の場所へ引き出し、交通局長らの説明のばかばかしさに会場をわかせ、全国に報道、放送させた、そこは前代未聞の空前絶後、大いに評価できると思う。

 翌日、私は警察庁へ行き、全国の教本の契約状況について開示請求した。教本利権に食い込めるスキを探そうかと思ってさ。
 蓮舫さんはとうとう大臣になった。私は教本で儲けて“お大尽”になろう、てへっ。 ←オヤジがてへって言うな!💢

 

 空前絶後、前代未聞の「事業仕分け」ができたのは、政権交代のおかげだ。
 政権交代は、前政権(日本においては独裁政権)が築き、温存してきた利権構造にメスを入れることを可能とする。

 ゆえにこそ、政権交代、事業仕分けのあの一時期は、利権の甘い汁を吸ってきた者たちにとって「悪夢の時代」だった。民主党政権は徹底攻撃を受け…。

 

 今回の都知事選、蓮舫さんが当選すれば、東京都は変わり、日本全体も変わる、その可能性は大いにあると思う。

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