刺激に身を委ねるばかりで熟考の習慣を失った人々
紙の日本経済新聞、8月11日付け朝刊の、一面の裏面、社説の隣にどでかい記事が載ってる。
合理的なはずの人間が時として非合理な行動をとるメカニズムを考察してきたという、カナダ・トロント大学の哲学者、ジョセフ・ヒース教授、その人に対するインタビュー記事だ。
「〈直言×テクノ新世〉情報中毒から理性守れ ジョセフ・ヒース氏 トロント大教授」とネットにある。これかと思われる。
長い記事中から、少しだけ拾う。
ビッグテックの企業群がスマートフォンの画面からとめどなく流してくる刺激的なサービスについて…。
刺激に身を委ねるばかりで熟考の習慣を失った人々は非合理な判断に傾きやすい。思考停止、他者への攻撃的な態度、そして摩擦と分断。情報技術がもたらしたそうした状況を見るにつけ、今の社会は正気を失っていると思う。
こうも言う。
人間の認知の特性を研究したテック企業は様々な手法を用い、時間や注意力という私たちの貴重な資源を収奪する。だらだらネットを見続けるのがよくないことは誰だってわかっているが、弱点につけこまれあらがえない。まずこの現実に目を向ける必要がある。
おお、まさにその趣旨のことが、『スマホはどこまで脳を壊すか』(朝日新書)に詳しく説明されている。
スマホを全く使わない(たぶん持ってない)生徒より、1日1時間以内の生徒のほうがテストの正答率が高く、スマホを使う時間が長くなればなるほど、どんだけ勉強しても、どんだけ睡眠をとっても正答率は明らかに下がっていく…。
1日1時間以内の生徒は、自己コントロール力が鍛えられるから、との言及があった。
おお、私は空腹時にスーパーの惣菜や焼きたてパンのコーナーを巡り、食欲と闘って自己コントロール力を鍛えている。やっぱりこれは大事なことなんだね! ※残念ながら全戦全勝ではない。
結婚相手を探している方、あるいは企業の採用担当の方、以上のようなことも参考にしてみては如何か。
おおそうだ、スマホ耽溺といえば、「この世界で君も僕みたいに迷子なの?」、この秀逸の動画、是非ご覧いただければ。
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