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2024年9月18日 (水)

交通事故じゃなく「交通殺人」「交通傷害」

 「遺族「到底納得できない」 過失致死傷罪で起訴 群馬3人死亡事故」と9月16日付け毎日新聞。
 「伊勢崎「家族3人死亡事故」、なぜ地検は酔って分離帯乗り越えたトラック運転手を危険運転致死傷罪に問わないのか」と9月18日付けでJBpressに柳原三佳さんが。

 

 飲酒による危険運転は2種類に分かれる。
 「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」第2条、

(危険運転致死傷)
第二条
 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。

 この第1項第1号が1つめだ。

   アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

 

 2つめはこれ、第3条第1項。

第三条  アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。

 

 有期懲役の上限は20年(刑法第12条)。だから、2条危険より3条危険のほうが少し軽いんだね。
 そして、普通の交通事故には第5条が適用される。

(過失運転致死傷)
第五条
 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

 

 伊勢崎での「家族3人死亡事故」は、この第5条で起訴された。罪名的には、飲酒運転も加わって「道路交通法違反、過失運転致死」かと思われる。

 つまり、運転開始前に焼酎440㎖(たぶんペットカップ2本)を飲み、制限60キロの道路で、90キロまで急加速し、ハンドル操作をどう誤ったか中央分離帯を乗り越え、対向車線に突っ込んだのだけれど、

・アルコールの影響により正常な運転が困難な状態での走行とはいえない。
・アルコールの影響により走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で運転したとはいえないか、または、よってアルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥ったとはいえないか、あるいは両方ともいえない。
・運転上必要な注意を怠ったにすぎない。

 と、前橋地検は判断したわけだ。

 

 私はねえ、「交通殺人」「交通傷害」というカテゴリーを夢想する。

「事故なんて起こしたくない。普段は気をつけている。ところが、ついうっかり、注意を怠り…」

 それが「交通事故」だ。

 だいぶ飲酒して、高速度を出し、しかも前をよく見ていない、となれば事故を起こす可能性が高い、当たり前である。
 なのに、あえてそれをやった、事故を起こす可能性を未必的には認識していたということができ、故意に欠けるところはない。

 過失じゃない、故意による殺人、傷害、、、現時点では私の夢想、もうずいぶん以前からの夢想だ。いつまでも夢のまま、か。

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