『特殊詐欺と連続強盗 変異する組織と手口』から『レイシズム』へ
主に裁判所への往復の電車内で『特殊詐欺と連続強盗 変異する組織と手口』(久田将義著、文春新書)を読み終えた。面白くて分かりやすくてぐいぐい読めた。
カバーの折り返し部分にこうある。
ネット上で実行部隊を集め、海外の拠点からITを束って詐欺や強盗を行わせる……こうした犯罪グループは、突然、出現したのではない。地上げ、アウトローと経済事件の取材を重ねてきた著者が、変異し続けるワルとカネの実態を暴く!
特殊詐欺がどこでどう生まれたか、へえー!である。
ネットやニュース(=警察発表)で、あるいは裁判傍聴で見聞きしていた断片が、ぜんぶつながる。本の良さ、である。
さあ、裁判所へのお出かけの皮革製鞄に、次は何を入れよう。
候補がいっぱいある中、私は『レイシズム』(ルース・ベネディクト著、阿部大樹訳、講談社学術文庫)を手にした。
ご存知『菊と刀』のルース・ベネディクト氏である。
読み始めてすぐ、声を上げそうになった。うっわ、おっもしろい!
阿部大樹氏の訳が良いのか、分かりやすくてストレートで、これも、なるほど、へえー!の連続なのである。
奥付を見た。ルース・ベネディクト氏はアメリカの文化人類学者で「1887-1948」。私が生まれる前に亡くなっているのだ。
なのに、現代をいっしょに体験しているかに感じられ、ちょっと驚いた。レイシズムは不変、普遍ってことか。
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