金曜、まずはこの2件を私は傍聴したかった。以下、506号のみ東京高裁。ほかは東京地裁だ。
13時20分~ 506号法廷(42席)で「占有離脱物横領」の控訴審判決。被告人氏名に記憶あり。誰だっけ。
13時30分~ 811号法廷(20席)で「住居侵入」の新件。この罪名は性犯罪の可能性がある。スマホ検索によれば、被告人は某弁護士と同姓同名。まさか…。
13時30分からの新件は一般傍聴人に人気が高い。「占有離脱物横領」の控訴審判決が3分で終わるとして、それから行ったんじゃもう満席かもっ。
だが、ちょっと待て、開廷表をよく見れば…。
13時15分~ 531号法廷(52席)で「殺人」(裁判員裁判)の審理。
13時15分~ 815号法廷(52席)で「殺人」(裁判員裁判)の審理。
13時30分~ 716号法廷(20席)で「準強制わいせつ」の新件。
この3つが傍聴人の9割を抱えてくれるはず。今日、100人いるとしても残りは10人。よし、大丈夫だろう!
私は「占有離脱物横領」から傍聴した。傍聴人は私のみ、だったかメモってない。
裁判官3人の登壇が1分遅れた。弁護人が再開を請求。被告人は5千円を被害弁償したと書証を出し、のったり被告人質問を始めた。おいーっ。
直ちに判決。控訴棄却。
現金3万円等入りの財布1個のネコババだった。前科2犯、原判決は懲役7月、量刑不当の主張。
そこまで聞いて13時25分、私はそっと、あわてて法廷を出た。
13時30分からの「住居侵入」は、制服の女生徒が9人と引率らしき中年男性が1人、傍聴席後列の10席をがちっと埋めていた。
ほかマニアらしき男性が1人のみ。ふう。
被告人(身柄、拘置所)は20歳の建設作業員。弁護士ではなかった、が、なんとも呆れた事件だった。
歌舞伎町の遊び仲間の1人Kから「翌日返す」と言われて被告人は12万円を貸した。翌日、Kは返済せず、仲間の1人Mが留守にしている、現金がある、希少なカードもあるから盗んで売ろうと。
午前2時頃、数人でタクシーに乗り、途中でコンビニへ寄って軍手やガムテープなどを買い、Mのマンションへ。
被告人ともう1人でか配水管をよじ登り、3階のMの部屋へ。窓ガラスにガムテを貼り、被告人が持っていたモンキーレンチで割ったところ、中からスマホのライトが照らされ、外国人女性が「誰ですか!」と。部屋を間違えたのだった。
待たせておいたか、タクシーに乗車して逃走。車内で「奧に婆ァがいた」「指紋大丈夫だろうな」とか会話する様子が、タクシーのドラレコにばっちり録画されており…。
13時38分にそっと出て、急ぎ719号法廷(20席)へ。ここは、こうなっている。
13時30分~14時、「暴行」の審理。どうやらマンションのモンスター住人らしき事件。
14時~15時、「電子計算機損壊等業務妨害」の新件。なんとこれ「出版社にDDoS攻撃容疑で逮捕 海外サービス利用、国際捜査で発覚」などと報道された事件だ!
13時40分頃から、修習生と思しき若者が6人、間を空けて後列の席を占め、14時からの事件でも占め続けた。
バーの中に、普段修習生が座る席が6つあるのに、なぜか傍聴席を占め続けた。
一般傍聴人はパラパラ程度だった。
前出の「殺人」2件と「準強制わいせつ」がまだ続いているはずなうえ、14時から別の法廷で「性的姿態等撮影」という刺激的な罪名の新件があるのだ。こういう“重なり”は、こう言っちゃなんだけど、本当に助かる。
「電子計算機損壊等業務妨害」の被告人は身柄(拘置所)、25歳、配管工。
上掲報道の「出版社」は、日刊ゲンダイだった。
DDos攻撃の代行サイトがあり、有料だと高度な攻撃ができるんだという。
被告人は高校生の頃、DDos攻撃を知って興味を持ち、攻撃するようになったという。
今回は、自己顕示欲が主な理由だったらしい。
14時19分、検察官の立証(書証の要旨告知)が終わり、弁護人の立証は被告人質問のみ。
最初に裁判官が注意事項を伝えた。
裁判官 「質問に、簡潔に」
被告人 「…………?」
弁護人 「簡単に」
被告人 「あー、わかりました」
簡潔(簡潔)という語を知らなくても、または聞き慣れなくても、逮捕されるほどのDDos攻撃はできる。恐ろしい時代…。
とか思いつつ、残念ながら私は退出した、どうしても外せない用事が16時から遠くであり。
以下は刑法。
(電子計算機損壊等業務妨害)
第二百三十四条の二 人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、五年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪の未遂は、罰する。
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