不出頭罪と未出頭
「【速報】「遊戯王」カード仕入れを偽装し横領した金で豪遊三昧「アニメイト」子会社の元社長裁判に未出頭で逃亡 宮崎県内で逮捕 警視庁」と10月3日付けFNNプライムオンライン。
不出頭罪。以下は刑事訴訟法だ。
第二百七十八条の二 保釈又は勾留の執行停止をされた被告人が、召喚を受け正当な理由がなく公判期日に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。
遊戯王の件は、被害金額が大きい。懲役の実刑が予想される。
逃げて捕まり、刑期がのびると、しかしそこまでの想像力は働かない。ちらっと思い浮かんでもすぐ消える。それは人間の基本的特性のひとつかなと。私だって、ある場面ではそうかも。
不出頭罪については別の刑事裁判が先行している。そっちは、現時点では、文句たらたら徹底的に抵抗する被告人のように見え、次回は警察官3人を尋問予定だ。
ところで、上掲ニュースのタイトルに「未出頭」とあるでしょ。
「未」は、未だ(いまだ)という意味だ。未定、未完、未熟…。
未出頭はおかしいでしょ。まだ出頭しない、じゃなく、出頭せず、不出頭でしょ。ニュース本文には不出頭とある。
シートベルト違反も、メディアはよく「未着用」と報じる。
座席に座ったばかりでまだ、じゃないでしょ。
そもそもシートベルトは器具の類いだ。衣服じゃない。
道路交通法では「装着」という語をつかってる。
衣服を身につけるのは着用、器具を身につけるのは装着。不装着でしょ。
日本語がおかしい、といえば詐欺メールである。
現在はどうなのか、ちょっと前までは、詐欺メールの日本語はおかしな部分がちらちらあり「ははあ」と分かったもんだ。
未出頭とか未装着とかやってると、「メディアは外国の工作員に乗っ取られてる!」という陰謀論者が勢いづいちゃいますよ。
どう変異したか、この新書、面白いです。
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