11月20日(水)10時~17時、東京地裁で、裁判員裁判の第1回公判があった。
TBS NEWS DIGは「教え子に性的暴行した罪などに問われた区立中学校元校長(57) 起訴内容を否認 東京地裁」と報じた。記事中にこうある。
元校長は準強姦傷害の罪について起訴内容を否認しました。
FNNプライムオンラインは「中学校の元校長・北村比左嘉被告(57)が女子生徒に性的暴行の起訴内容を一部否認「受け入れられていると認識していた」 東京地裁」と報じた。記事中にこうある。
性的暴行を加えてけがをさせた罪や、別の教え子のわいせつな動画や画像を所持した罪などに問われています。
その日、私は東京地裁にいた。この裁判員裁判を私は傍聴しなかった。ほかにどうしてもな事件がいろいろあったので。
開廷表はメモった。
事件名の欄に「準強姦致傷、児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反」とあった。
上掲のとおり、TBSは「準強姦傷害」と報じている。
「致傷」も「傷害」も実質あまり変わらないし、TBSに限らずテレビは基本的に、想定視聴者にとって「致傷」は初めて聞く言葉、読めないし理解できない、なら「傷害」にしとけ、おおむねそういうものらしい、と私は見ている。
べつに皮肉じゃない。責めるつもりもない。物事を、善悪や主義主張に関係なく、客観的に見るのは大事と思う。
「児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反」については、そんな長いのは論外だし(笑)、なんか生々しい。
いっそ、事件名は出さないことにしよう。裁判傍聴マニアじゃあるまいし、想定視聴者は事件名などどうでもいいでしょ、というところか。
私は「児ポ法」と略す。
児ポ法の第2条第1項に「児童」の定義が、同第3項に「児童ポルノ」の定義がある。その部分だけ抜き出そう。 ※第1項は「1」と記さない決まりだそうだ。
(定義)
第二条 この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
3 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
報道の範囲でぼんやり推測するに、そんな否認(性犯罪者特有の歪んだ妄想)が通るはずもなく、懲役の実刑は免れないんじゃないか。いや事件名だけでなく中身の報道も事実とは違う場合があるんで、報道から受ける印象であれこれ言うのは危ない、という前提での推測です。
20日(水)は、ほかに裁判員裁判が3件あった。いずれも審理の期日だった。それらも私は傍聴せず、開廷表だけメモった。
「殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反」。2022年に「騒音トラブルあった男性の首をはさみで刺した疑い 殺人未遂容疑で理美容室経営の女を逮捕」などと報じられた事件か。
「殺人未遂、傷害、建造物侵入、窃盗」。「「2度と練馬を歩くな! 見かけたら殺す」他の客への”ほっぺチュー”だけで逆上した65歳被告の”身の毛もよだつストーカー行為”【フィリピンパブ殺人未遂事件裁判】」などと報じられた事件か。
「監禁、強盗致傷、拐取者身の代金要求・同取得、電子計算機使用詐欺、出入国管理及び難民認定法違反」。ベトナム人グループの犯行か。
この日は東京地裁に合計4件の裁判員裁判があり、それぞれに裁判員6人と、補充裁判員がたぶん2人、(6+2)×4=32人の「国民」が法壇から刑事裁判を見たわけだ。 ※東京地裁の場合、補充裁判員は法壇の、裁判員と裁判官の背後に座るのが通例のようだ。判決期日はまた違う。
「俺はあっちの裁判が良かったなあ」「わたしはこっちで良かった」なんて思ったりするんだろうか。
1階のタブレット開廷表(東側、西側に各9台)でメモをとっていると、近くへ制服の女生徒が10人弱来た。中学生か。
別のタブレット開廷表、2台か3台をみんなで見ながら、きゃっきゃと楽しそうに「強制わいせつ」とか「強姦」とか口々に発した。
可愛いけれどもしかし、「君たち、事件の当事者も裁判所にはいるんだから、あんまり楽しそうにしないほうがいいよ」と言おうか、どうしよう。
顔を上げて女生徒たちを見やったら、グループの後ろのほうに立っていた女生徒とばっちり目が合った。
私はにっこり微笑んだ。
何も言わずメモを続けていると、その女生徒がクラスメートたちに声をかけたか、みんなすぐに去った。私はメモを続けた。
現在、22日(金)の未明。
「400字詰めで70枚の小説、締切りは今日ですよ。任せてください、楽勝ですって今井さん、言ってたけど、大丈夫なんですか。1ページも書けてない? えーっ? 頭の中にあるから、脇目もふらずに書けば大丈夫? って今井さん、提出期限まであと1時間切ってますよ、どんなに急いでも物理的に無理では?」
「いや大丈夫、すぐかかります!」
と言ってから、ど、どうしよう、どうする? となって午前3時頃、ぱっちり目が覚めた。無意識の焦りが夢に出たみたい、と気づくまでに10秒ほどかかったか。
もう眠れずこれを書いてる次第。今日は朝一(あさいち)から傍聴したいのがあるけど、無理かも💦
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