固定電話は詐欺ホットライン
「特殊詐欺の電話がぜんぜんこない。つまんない」
WHOの基準では65歳以上が高齢者らしい。もう少しか、なんて思った、65歳になる前は。
65歳を過ぎても、なかなかこない。
特殊詐欺の裁判を傍聴すると、被害者は70代、80代が多い。やっぱ70歳を過ぎないと駄目かなあ。
そうして昨年6月、70歳になった。でもあんまりこない。どうなってんだ。
ところが今年、急に、詐欺電話が押し寄せ始めた。1日数回のことも!
年齢、プラス何か、理由があるんだろう。
「保健医療局」を名乗るやつについては先日レポートした。
いちばん最近のは、国税の査察部だっけ「監査委員会」を名乗る電話だ。番号は「非表示」だったかな。
名乗りを聞いた時点で「詐欺きた~」である。
というか、固定電話が鳴った瞬間、「おっ、詐欺だ!」となる。
電話の声は、中年男性だった。
途中、やたら途切れた。ミャンマーから? とは尋ねずふむふむと聞いた。以下、メモから少し拾おう。
男 「今回…税金未納の…昨年度の給付金…」
私 「えっ、給付金、去年もありましたっけ」
男 「定額…2万円…申告しなければ…ハガキが届いているはず…」
私 「いや分かんない…気がつかなかったみたいです」
男 「確定申告をしましたか…135万円以下なら…以下でも給付金は…以上だと税金がかかります」
私はその申告をしていない、というのである。さらに…。
男 「不動産を購入されてますね」
私 「ふどうさん? いつ?」
男 「2024年の8月25日…足立区…不動産…マンションの一画(いっかく)を購入…」
ここは妙なことを口走らず、正直にいかねば。
私 「マンション、えーっ、買ってないです」
男 「カードとか個人情報をなくしたことがありませんか」
私 「えーっ、あるけど、すぐ戻ってきましたよ」
男 「なくしたとき、個人情報が漏れたかと…一度、ご相談を」
私 「はあ…相談って、いつ…」
男 「検察庁の特捜部と…緊急ダイヤルへおつなぎできます」
私 「えーっ」
そのまましばらく待たされ、確認のためにと、男は私の現住所を言った。
あっ、こいつら、住所付きの電話番号の名簿を持ってるんだ。
ま、そんなのは漏れ放題、べつに驚くほどのことじゃないか。
男 「(住所は)間違いないですか」
私 「ちょと、違いますよ」
男 「違う?」
男はだいぶ戸惑ったようだった。
私 「違います。なんかおかしいと思ったら、別の人と間違えてますね、なーんだ、もぉう」
私はね、交通違反マニアで開示請求マニアであると同時に、裁判傍聴マニアでもある。
詐欺の裁判もたっぷり傍聴してきた。
ゆえに、詐欺電話と見破る、というのじゃなく、高齢者へ昼間かかってくる電話、特に固定電話は、ほぼぜんぶ詐欺と確信しちゃってる。
固定電話は今や、詐欺ホットラインと言っていい。
地域のお年寄りのグループとかあるでしょ、趣味のグループとか。いっぺん裁判傍聴へ行ったらいいと思いますよ。
ただ、役に立つ傍聴をするには、予備知識が必要だ。私が事前レクをしましょうか? 2時間3万円、うふふ。いやしばらくは無料でいいっす。私も勉強になるので。
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