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2025年5月17日 (土)

大麻は麻薬となり懲役5年→7年

 13時20分~13時30分、東京地裁の813号法廷(52席)で「偽計業務妨害、威力業務妨害」の判決。

 被告人が5分遅刻した。反対方向の電車に乗ったとかで。

 主文は懲役1年6月、執行猶予4年
 犯罪事実は、2023年8月のが1件、同年12月のが2件。

 「三菱UFJに爆破予告疑いで逮捕 ネット投稿、25歳男」と、なぜか報道日の明示を避けるかに共同通信。この事件だ。以下はその一部。

 逮捕容疑は昨年8月24日、警視庁ホームページ(HP)のお問い合わせフォームに、東京都内のゲーム関連会社を名指しし「同時爆破テロを実施させていただくナリ」と投稿。同12月6日には三菱UFJ銀行のHPに「我々恒心教は三菱UFJ銀行本社を爆破する」と書き込み、警視庁や同銀行の業務を妨害した疑い。

 恒心教。カルト?
 「「恒心教」の元大学院生に懲役3年の有罪判決 爆破予告など繰り返す」と昨年6月13日朝日新聞。以下はその一部。

恒心教は、特定のネット掲示板で弁護士らへの中傷を繰り返す人たちの行為を指す言葉。

 なんだそれ~。

 

 言渡しが終わったのが13時31分。
 13時30分から別の法廷(20席)で傍聴したいのがあったが、もうだめ。どうしよう。

 続けて813号法廷で「麻薬及び向精神薬取締法違反」の新件があった。おお、と思って傍聴した。

 

 被告人(身柄、拘置所)は大柄な35歳。「暴力団」の所属らしい。
 今年2月の、「麻薬である大麻」39.859gの所持だった。麻薬である大麻!

 起訴状朗読の最後、罰条の部分、「66条1項」とばっちりメモ、しゃっとアンダーラインを引きましたぞ!
 以下は麻薬及び向精神薬取締法の第66条だ。

第六十六条 ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第六十九条第四号若しくは第五号又は第七十条第五号に規定する違反行為をした者を除く。)は、七年以下の懲役に処する。
 営利の目的で前項の罪を犯したときは、当該罪を犯した者は、一年以上十年以下の懲役に処し、又は情状により一年以上十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。
 前二項の未遂罪は、罰する。

 

 第1項には原則として項番号をつけない。詳しい理由は『法令作成の常識』(林修三著、日本評論社セミナー叢書)に。

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 第1項の丸カッコ内の第69条第4号とかいうのは、麻薬営業者、麻薬輸入業者、麻薬製造業者、麻薬製剤業者なんかの規定であり、一般人には関係ない。

 大麻も麻薬と定義されている。大麻は「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬」に当たる。よって大麻の所持は、麻薬及び向精神薬取締法により7年以下の懲役なのだ。

 

 以前の大麻取締法では、こうだった。

第二十四条の二 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。

 2024年12月12日、所持の罰則は麻薬及び向精神薬取締法のほうに取り込まれ、7年以下の懲役とされた。
 そして、大麻取締法は「大麻草の栽培の規制に関する法律」にかわり、所持の罰則はこうなった。

第二十四条の二 削除

 

 交通死傷事故は「業務上過失致死傷」から「自動車運転過失致死傷」になり「過失運転致死傷」になった。「強姦」は「強制性交等」になり「不同意性交等」になった。

 裁判官たちは次々に移動する。新井紅亜礼(くあら)さんは久しぶりに東京地裁へ戻ってきた。園原敏彦さんは今、東京簡裁に!

 昔は東京簡裁にあれほど多かったオービスの否認事件は、いつしか皆無となり、東京地裁へ稀(まれ)に出てくる程度となった。

 さまざま移り変わり、傍聴マニアだけが傍聴席に居続ける、楽しいよねえ(笑)。

 

 メモ:「東京地方裁判所刑事部の概況(令和3年12月期)」なるものを発見した。

 第5表「刑事訴訟事件新受人員の推移」が興味深い。
 1993年からぐいんぐいん増え、2004年をピークに、崖から落ちるように急減している。この異様なカーブは何なの。

 そういえば2004年5月21日、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が国会で可決成立した。
 裁判員法の成立へ向かって刑事裁判はぐいんぐいん増え、成立したら真っ逆さまに急減、偶然かなあ、、、

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