立花孝志党首は刑務所で電気羊の夢を見るか
「N党の立花党首を書類送検 兵庫、元百条委員長名誉毀損疑い」と6月4日付け共同通信。こうある。太字は私。
斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題で、県議会調査特別委員会(百条委)委員長だった奥谷謙一県議を交流サイト(SNS)上で中傷し、事務所前で「出てこい奥谷」と演説したなどとして、県警は4日、名誉毀損や脅迫、威力業務妨害の疑いで政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(57)を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。神戸地検は刑事責任を問うかどうか慎重に判断する。
以下、大さっぱなところをちらっと。
■書類送検とは
警察は事件を検察へ送る(送致する)。
書類送検と、逮捕・勾留して送る身柄送検とがある。
■罰金刑か懲役刑か
書類送検=罰金刑、身柄送検=懲役刑ってことはない。
後述するように、同種を含む前刑の執行猶予中、という点からは、懲役刑かなあ、と想像できる、起訴の場合は。
■立花党首の前刑
2022年1月20日、東京地裁は立花孝志被告人に対し「脅迫、不正競争防止法違反、威力業務妨害」(R2特わ1011)で「懲役2年6月、罰金30万円、懲役刑につき執行猶予4年」の判決を言い渡した。私は傍聴しなかった、というか傍聴券抽選に並ばなかった。
執行猶予4年とは、判決が確定した日から4年間、刑の執行を猶予する、という意味だ。
その4年間に、新たに懲役刑の有罪判決が確定することがなければ、その2年6月の刑が執行されることはなくなる。
立花孝志被告人は東京高裁へ控訴し、さらに上告した。
2023年3月23日に東京スポーツが「立花孝志氏の懲役2年6月、執行猶予4年の判決が確定へ 最高裁が上告棄却」と報じた。
控訴、上告したため、刑の確定が1年2カ月以上延び、猶予期間の満了は2027年3月になった。現在、ばりばり猶予中なわけだ。
■執行猶予の取消し
執行猶予の取消しには、必要的取消し(刑法第26条)と裁量的取消し(同第26条の2)がある。
原則、執行猶予中に懲役刑の実刑(執行猶予なし)判決が確定すれば、前刑の猶予は取り消される。
原則、執行猶予中に罰金刑(普通は猶予なし)が確定しても、前刑の猶予は取り消されない。
前刑の猶予満了を狙って今回の実刑の確定を延ばそうと、被告人側がずるずる裁判を長引かせることがある。
そんな場合など、検察のほうで「刑の執行猶予言渡の取消請求」をやることがある。その期日を私はだいぶ傍聴した。
■執行猶予中の、再度の執行猶予
前刑の猶予中にまたやって懲役刑の判決となる場合、原則は実刑だけども、再度の執行猶予が付くことがある。
条件は、今回の刑が1年以下の懲役刑であること。この部分、今年6月1日から「2年以下の拘禁刑」となった。
もう1つの条件は、「情状に特に酌量すべきものがあるとき」(刑法第25条第2項)。ただし前刑の猶予が保護観察付きのときは駄目。
■まとめ
立花党首の場合、懲役刑とされる可能性が高く、「情状に特に酌量すべきもの」などなさそう。なので、懲役2年6月のいわゆる「弁当」を持って刑務所へ行く、その可能性が高そうかな、と。
なお、私が法務省に電話で聞いたところによれば、拘禁刑の言渡しは、犯罪をおかした日が今年6月1日以降の事件について、だという。
一方、刑務所での処遇は、6月1日から拘禁刑の処遇になるという。
立花党首は刑務所で電気羊の夢を見るのだろうか。
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