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2025年9月の15件の記事

2025年9月29日 (月)

危険運転と「予備的訴因」

 危険きわまる運転で死傷事故を、いや、実質無差別殺傷事件をやらかしたのに、検察は危険運転で起訴しない、単なる過失の事故として起訴した、なぜだ! ひどい! という報道がしばしばある。

 たとえば「捜査員が激怒「これが危険運転でなければ、何が危険運転に当たるんだ」 酒を飲み時速140キロ、被害者を60メートルもはね飛ばしたひき逃げ犯は「過失致死」に問われた」と、これは2023年10月10日付け共同通信。

 

検察官 「頑張って危険運転で起訴して、もし認められなかったら無罪、それだけは絶対に避けたい…」

 それはないと思う。裁判傍聴マニアは知っている、「予備的訴因」てえのがあることを。

 私が傍聴した中に、こんなのがあった。

 「強姦致傷(予備的訴因 強制わいせつ致傷、強姦)
 「傷害(予備的訴因 重過失傷害)
 「建造物侵入(予備的訴因 軽犯罪法違反)
 「窃盗(予備的訴因 器物毀棄)
 「住居侵入、強姦未遂(変更後の予備的訴因(認定罪名)住居侵入、強制わいせつ)
 「業務上横領(予備的訴因 詐欺)(認定罪名 詐欺)
 「詐欺(予備的訴因 窃盗)
 「現住建造物等放火(予備的訴因 建造物等以外放火)
 「過失運転致傷(予備的訴因 業過傷害)

 こんなややこしいのもあった。

 「殺人、殺人未遂、道交法違反(第1次予備的訴因 危険運転致死傷、道交法違反 第2次予備的訴因 過失運転致死傷、道交法違反)

 

 そして、こんなものあった。赤信号殊更(ことさら)無視の事件だった。

 「危険運転致死傷(予備的訴因 過失運転致死傷)

 傍聴してないけど、こんなのもあった。

 「危険運転致死(予備的訴因 自動車運転過失致死)
 「危険運転致傷(変更後の訴因 危険運転致死、予備的訴因 過失運転致死)

 

 ならば、なぜ、たとえば冒頭の2023年の報道の事件は「危険運転致死傷(予備的訴因 過失運転致死傷)」でなかったのか。

 危険運転での起訴は、絶対完璧100%無理~! ということなのだろう。

 高速度については、「その進行を制御することが困難な高速度」(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条第2号)は、ハンド操作限定、原理主義、なようだ。 

 長く裁判傍聴をやってると、以下のようなことを感じる。

・ついうっかり過失、による死傷事件は大目に見よう。ついうっかりは仕方ない。続々と死傷事件が発生しても、ま、しょーがない。
速度の出し過ぎ、無謀な高速度については、特に大目に見よう

 

 昔、日本の道路の制限速度が100キロ以下だった頃、メーター読みで105キロを超えた辺りで、キンコンキンコンと警告音が鳴った、うるさく鳴り続けた。
 あれは、いつ頃だっけ、なくなった。

 今、日本の道路の制限速度の最高は120キロだ。国産車の速度メーターは120キロまで、そこから先は不要、余地があるなら赤く塗りつぶせばいいのに、わざわざ、たとえば180キロまでとか刻んでいる。
 サーキットを走るとき必要? へえ~、そうですか、、、

 ま、そんなことも、傍聴席からは垣間見えたりなんかする、つーことで。

2025年9月27日 (土)

不正DNA鑑定と交通取締り

 警察捜査は大変だなあ、と裁判傍聴でつくづく感じることはある。
 
一方で、捜査官の見立てを裏付けるものを得る、有罪に必要な証拠を得る、のが捜査という面もある、ともつくづく感じる。

 

 「不正DNA鑑定 県警科捜研「調査はし尽くした」県議会議員が視察【佐賀県】」と9月26日付け、サガテレビニュース。

 インチキ鑑定であっても、見立てに沿う鑑定結果なら、インチキは見過ごされるだろう。
 
見立てがいつも正しいなら、7年間、約130件、インチキ鑑定の影響は受けていない、問題はなかった、と発表できる。

 

 交通取締りのジャンルでは、都道府県公安委員会(以下、公安委)の決定がない(=違法な)交通規制、をもとに長期間たくさんの取締りをおこない、発覚、遡って取り消す、反則金を返還、というケースがときどき報道される。

 運転者が反則金を納付せず争えば、刑事手続きの扱いになる。
 公安委の決定(の写しの抜粋)は、有罪に不可欠な証拠だ。
 決定がなければ、警察、検察は気づく、げーっとなる。

 決定がないのに長期間たくさんの取締りをおこなえたのは、運転者たちがみんな唯々諾々(いいだくだく)と反則金を納付してきたから、といえる。

 

 佐賀のDNA鑑定の件も、早い時期に、見立てに反するインチキ鑑定があれば、7年間もインチキを続ける事はできなかったはず。
 うーん、なんかうまく言えた気がしない。ま、いっか。ちょと寝よう。


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2025年9月25日 (木)

判事補7年目で検事に、さらに3年で東京地裁へ

 恐怖の夏休み、週1程度しか私は裁判所へ行かなかった。

 9月22日(月)、新しい裁判官をお2人見かけた。
 裁判官は4月に一斉に移動するわけじゃない。五月雨(さみだれ)式に移動する、ことがよくある。

 

 お2人のうち1人、佐藤哲郎裁判官に私は見覚えあり。
 だいぶ前に東京地裁刑事にいて、どこかへ行き、その後、つい最近まで東京高裁の陪席裁判官だった。

 

 もう1人は小暮純一裁判官。私はどうも記憶にない。
 帰宅後、超絶マニアックデータを見てみた。ヒットがない!

 見た目、若い。初めて東京地裁へ来るのだ。いったいどんなエリート? 新日本法規の裁判官検索を見てみた。
 2015年1月に名古屋地裁で判事補スタート。その後、千葉の松戸支部へ行き、和歌山へ行き、2022年4月から検事に!

 最高裁のwebサイトで担当裁判官一覧を見ると、2025年5月19日現在、東京地裁刑事第10部の裁判官は4人だ。小暮純一裁判官の氏名がない。
 それ以降に来たんだね。

 

 東京地裁の開廷表には、裁判官氏名とともに、アルファベットの大文字が1文字記載される。
 小暮純一裁判官は「E」だ。刑事第10部の、5人目の裁判官なのだ。

 

 それでだ、私が見てきた限り、Eの裁判官が単独事件をやることは、まったくなかったと記憶する。ところが今回、小暮純一裁判官(E)の、単独事件を傍聴したんである。

 

 9月22日(月)1310~1320、東京地裁、716号法廷(20席)、「道路交通法違反」、判決。

裁判官 「主文。被告人を懲役4月に処する。この裁判が確定した日から2年間、その刑の執行を猶予する」

 訴費不負担。首都高のオービスによる超過90キロ台だなと、我々(って誰だよ、笑)は直ちに看破する。

裁判官 「…を92キロ上回る速度…危険で悪質…必要性、緊急性…ない…交際相手を早く送り届けたかった…今後運転しない…違反歴のほか、前科・前歴…ない…」

 それしか小暮純一裁判官は言わなかった。まだ若いのに、3年間を検事で暮らした、ほぉう、なるほど、などと、とりあえずマニアは受けとめるのである。

 というか、そんなもの直ちに判決でいいのに、別期日をとった。
 判決理由を聞く限り、特段の理由は何ら無さそうなのに、別期日…。

 判事補が即日判決などナマイキだ。1、2週間じっくり検討して言い渡せ、というものがあるようだと、これは他の事件からも推測できる。

 

 とまあ、そんなふうに裁判を傍聴するマニアもいるわけです。楽しい、哀しい、アホや、さてどれでしょう(笑)。

 今これを読んでる。おっもしろいよぅ。さすが岩瀬達哉さん。

2025年9月23日 (火)

前回は仲間がドジってパクられたってとこあったんで

 2020年4月1日、「覚せい剤取締法違反」が「覚醒剤取締法違反」になった。
 変わる前の、心に残る「覚せい剤取締法違反」の裁判を1件、伝説のメルマガからお届けしたい、若干の加除訂正等をして。いつものように、メモしきれなかったところは「…」でつなぐ。

 

 東京地裁刑事第3部、岡部豪裁判官、1430~1530、727号法廷(20席)。

 被告人は身柄(拘置所)。42歳、坊主頭、黒Tシャツにボーダー柄の、パジャマのようなズボン。
 開廷前、刑務官2人に挟まれて座る被告人が、手錠をかけられたまま、手の指をパキポキッと器用に鳴らし、思いっきり、のけぞった。チョー悪そ~!

 渋谷区内において、職務質問による任意の所持品検査により、アルミ箔に包まれた覚せい剤約0.064gの所持が発覚。尿を任意提出。使用も発覚。翌々日、家宅捜索。自宅に0.618g所持。

 2年前に東京地裁で、覚せい剤により懲役1年6月、執行猶予3年を宣告されている。今回、実刑(&前刑の執行猶予取消し)はもう確実だ。

 弁護人は、ちょっと見かけない年配男性。老人というほどではなさそうなのに、頭が固そう。
 弁護側の立証は、被告人質問のみ。

 この被告人質問、私は非常に感激した。珍しく、やりとりのほぼ全部を書き出す。長くなるけど、許してねっ。

弁護人 「生まれて1年足らずで、ご両親、離婚…知ったのは?」
被告人 「え~、中学校の2年か3年です」
弁護人 「お父さんは、後添えの方と…あなたは継母(けいぼ)に育ててもらった…」
被告人 「物心ついたときには(継母だった)…」
弁護人 「それまでは本当のお母さんだと?」
被告人 「当然そうです」
弁護人 「(継母だと)知ったきっかけは?」
被告人 「生みの親(実の母親)のお姉さんだか妹だかが、(実の母親が)交通事故で死んだらしくて、お墓参りに来てくれって、初耳で、意味が分からなくて、親に相談したところ、まぁ、じつは、と」

 へぇ~、そんな人生もあるんだ~。ショックだよね~。

弁護人 「それ聞いて、継母との間、おかしくなったとか?」

 弁護人は、犯行の原因はそういう生い立ちにもあるのだと、したいようだった。だが被告人は、きっぱりこう即答した。

被告人 「ないですね」
弁護人 「定時制高校は、働きながら通ったんですか?」
被告人 「仕事は、田舎なんで、そんななくて、半分くらい…」
弁護人 「それでも定時制高校へ通ったのは、どうしてですか?」

 弁護人は、不幸な境遇で全日制へ通えず、しかし頑張った、としたいようだった。だが…。

被告人 「単純に自分が勉強したくなかったんで、でもまぁ、学校くらいは出とけと…」
弁護人 「25歳くらいから、鉄筋工として働いてきたんですね」
被告人 「平成×年まで15年間…」
弁護人 「鉄筋工とはどういう仕事ですか?」
被告人 「棒状の鉄で、柱、壁、床、天井をつくる仕事です」

 なんと明解な説明。いいねっ。

弁護人 「刑務所出ても、仕事を続けられますね?」
被告人 「そうですね、雇ってくれるとこがあれば」
弁護人 「逮捕されたときは、××の××で働いてましたね?」
被告人 「はい」

 え~、それって有名な老舗ソープランドじゃん!

弁護人 「昼の12時から夜は2時、3時まで働いてたんですね?」
被告人 「はい」
弁護人 「そうすると、すぐ帰宅できない。それで(店に)泊まり込んでたんですね?」
被告人 「そうですね」
弁護人 「休みは月に2、3回…きつかったですか」
被告人 「肉体労働には慣れてますんで、時間の拘束は長いですけど、きつい感じは、さほどはなかったですね」
弁護人 「仕事きつくて、薬に手を出したとか…」

 被告人は、きつくないと言ってるのに、仕事のストレスで薬を、という形にしたいんだなぁ。被告人はきっぱり答えた。

被告人 「仕事は関係ないです」
弁護人 「(逮捕の前日に外国人から買った覚せい剤を)何回くらい使用したんですか?」
被告人 「捕まるまでに、ですか? 回数というか、(小分けした包みを)4つ持って捕まった…同じ内容量で、10…12~13回は使ってます」
弁護人 「(残念そうに)は~、そんなに…」
被告人 「(きっぱりと)イッちゃいます」

弁護人 「前日も休みでしたか」
被告人 「連休です」
弁護人 「映画を観に、渋谷へ」
被告人 「はい」
弁護人 「映画館や何かのトイレで、お札を丸めて(あぶりで)吸引…」
被告人 「煙自体は臭いはほとんどないので、バレないはずです」

 被告人は、映画を観に渋谷へ出かけるに当たり、睡眠不足で居眠りしそうだったので、覚醒するために覚せい剤を持って出かけた、というのである。
 そういえば某裁判所内で薬物の売人が商売をやってると聞いたことがある。傍聴席での居眠り防止? まさかね。

弁護人 「あなたは、自分自身で考えたとき、それなりの中毒症状になってるんですか?」
被告人 「でもまぁ、月に2、3回しかない休みのとき以外は、とくにやりたくないとか…禁断症状、出るでもないんで、そんなに中毒でもないのかな、と」
弁護人 「注射での使用は?」
被告人 「ないです」
弁護人 「パイプ吸引の理由は?」
被告人 「注射、嫌いなのと、注射だと効きがいいんで抜けたときちょっとつらいと、そういうのもあって(注射には)手を出さないように」

弁護人 「平成×年に執行猶予判決、そのとき覚せい剤についてどう思ってた?」
被告人 「単純に、そのときはヤメようと思ってました」
弁護人 「一定期間、服役することになりますが、どういうように考えてるのか、きちっと、この場で言ってもらえますか」
被告人 「そうですねぇ、前回もヤメようと思ってたんですが…年齢的に、次もその次もでは、やり直しきく歳じゃないんで、自分の中では、きっぱり手を切ろうと」
弁護人 「覚せい剤…常習…大きな犯罪…たいへん危険なものだと…」
被告人 「はい」
弁護人 「絶対これ最後に、手を出さないですね?」
被告人 「(きっぱりと)大丈夫です」

 弁護人からの質問は15分間だった。
 15時07分、次は検察官から。検察官は、黒いパンツスーツの、素敵なお姉さんだ。これが良かったス。

検察官 「35歳頃から覚せい剤を…どうして?」
被告人 「20歳くらいのとき、大麻で捕まって、そのとき留置された人(同房者)が覚せい剤で、そういうこと、話聞いて、それで、街へ行ったとき(売人から)声かけられて、モノは何だ、覚せい剤だ、じゃ、やってみようか、と」

 やっぱり、留置場や刑務所は、犯罪の種を植える場所なんだねぇ。

検察官 「そういうこと、聞いた、とは?」
被告人 「やったときの感じ…しゃきっとして、寝ないで仕事できると、その人も職人さんで…(街で)声かけられて、大麻はどういうものか分かってたんで、大麻はヤメてた。覚せい剤か、そっちもいいかな、と」
検察官 「今回も外国人から声をかけられて…かけられやすいとこ、あるんですか?」
被告人 「(声を出して笑い)なぁ~いです!」
検察官 「なんで断らなかったんですか」
被告人 「ま~、意志が弱かったんでしょ」
検察官 「いっしょに使う仲間は?」
被告人 「いません。前回はいっしょにパクられた…」

検察官 「いつもどこで使用してました?」
被告人 「自宅です」
検察官 「公共の場所で使ったことは?」
被告人 「あります」
検察官 「勤務先のお店(ソープランド)の中では?」
被告人 「わ~、ないです」

検察官 「小分けされた覚せい剤(が、たくさん自宅から発見されているが)、あらかじめこんなに小分けしとく必要あるんですか」
被告人 「ないですけど、なんか、やり始めると止まらなくなって、テレビ見ながらやっちゃうとか」

検察官 「(売人から)1回買うと、注射器がついてくるんですか」
被告人 「4本」
検察官 「4本もオマケについてくるんですね。それを2本ずつ封筒に入れて…これ、なんで?」

 そういう封筒も、被告人宅からたくさん発見されているんだそうだ。

被告人 「2本にして、絞ってポケットに入れて、仕事の帰りにコンビニのゴミ箱へ捨てようと思って」
検察官 「しかし捨てなかったのは?」
被告人 「家に帰れなくて、パクられたからです。普段(家に)帰ったら、掃除なんかしないですから、休みが連休でとれたのは久しぶりだったんで」
検察官 「1本だけの袋もあるし、8本のもあるし」
被告人 「それは、ばーっと入れたやつ。(覚せい剤を)やってキマってるときは、けっこう考えずにいろいろやってるんで」

検察官 「空のビニール袋は?」
被告人 「中身、こびりついてますんで。売人の電話番号とか聞いてなかったもんですから、ちょっと1回やりたいなって、なったとき、連絡がつかないと、けっこうガクッとくるんで」

 要するに、こびりついたものがもったいないという趣旨かと聞こえた。

検察官 「けっこう中毒になっていたと?」
被告人 「あればあるだけやっちゃいますけど、なきゃないで…」

検察官 「執行猶予中に、どうして(また覚せい剤に)手を出したんですか」
被告人 「前回は仲間がいて、仲間がドジってパクられたとこあったんで、自分が気をつけてれば捕まらないと…」

 なるほどね~。しかし、職務質問を受け、任意の所持品検査でパクられた…。いったん狙いをつけたら絶対逃がさない、プロフェッショナルな職質だったのか。


検察官 「覚せい剤で眠気を覚ましてまで、観たい映画があったんですか?」
被告人 「ありましたね。×日(逮捕の翌々日)までの映画で、そのあと、いつ休みか分かんないし、前日は買い物で忙しいし、連休の2日目に映画、観に行こうと」

 残念ながら、映画のタイトルまでは明かされなかった。

検察官 「覚せい剤、ヤメられますか?」

 ヤメると答えれば、前回もヤメると約束したではないか、と検察官は突っ込むはず。

被告人 「前回ヤメると言って、今回このザマですんで」

 次は裁判官から。
 この岡部豪裁判官は、眉毛に特徴があって、まだ数回しか私は傍聴してないけど、へ~んな人だ。←今井に言われたかねぇよっ!

裁判官 「ご両親は?」
被告人 「はい、おります」
裁判官 「連絡は取ってるんですか」
被告人 「月に1、2度は」
裁判官 「今回のこと、ご両親は知ってるんですか」
被告人 「知ってます」
裁判官 「情状証人として来てもらうことは、考えなかったんですか」
被告人 「手紙、1通出して、報せただけなんで」
裁判官 「なぜ?」
被告人 「ま、自分のやったことで、いちいち来てもらうのも悪いかなと。自分独りのことですんで、親兄弟引っ張り出すのも悪いかなと」

裁判官 「捕まるまでは、覚せい剤と映画以外、楽しみはないと?」
被告人 「同僚と酒飲んでるのも楽しいし、ま、いろいろと」
裁判官 「じゃどうして…」
被告人 「少ない休みの日に、仕事の人間、からまないところで、好きなこと、思いっきりやりたい、というのがあったんだと思います」

 うーん、なるほどねぇ。私はウンウン肯いた。
 私は、傍聴席の最前列中央付近、裁判官から見れば被告人のすぐ後ろにいる。私がウンウン肯いているのは、裁判官にも当然見えるだろう。

 もちろん、法廷に真実がぜんぶ出てくるわけじゃない。
 被告人は、覚せい剤をやってデリヘルとか呼び、自宅で大いに楽しんでいたかもしれない。小分けにした覚せい剤や注射器を、何か対価を得て譲り渡していた、かもしれない。

 そういう可能性はあるけれども、傍聴席から見ている限り、説得力のあることをずばずば言う、好感の持てる被告人だった。

裁判官 「なにか、あなたを見てると、ちょっと突っ張っているところが…」
被告人 「誰に対して、ですか」

 いいねえ、その返し。「司法の威厳に対して」とは裁判官は言わず…。

裁判官 「周囲の人に対して」
被告人 「仕事場の人間に対してですか」
裁判官 「家族、呼ばないっての…」
被告人 「関係ないですから」
裁判官 「関係ないの」
被告人 「どうしてあるんですか」

 おお~!

裁判官 「そういうふうに思ってるから、あなた犯罪をくり返す…」
被告人 「そうかもしれないですね」
裁判官 「自分がどうなっても家族に影響ないと?」
被告人 「あると思いますけど、呼ぶのは悪いかなと」
裁判官 「こうなったこと、家族に対し申し訳ないと思いませんか」
被告人 「思ってます」
裁判官 「それを直接、伝えようとは?」
被告人 「思ってます、出所してから伝えようと」

 被告人質問が終わると、被告人は被告人席に戻り、すんごくのけぞった。

 15時23分、論告。求刑は懲役2年
 15時25分、最終弁論(弁護人による最終意見)。

弁護人 「25歳から前回の逮捕まで15年間、被告人は鉄筋工としてマジメに働いてきました。前回逮捕されたことと、建築業界の不況で…×年×月、風俗店従業員となり…客観的判断として勤務が重労働だったと…」

 ここで、検察官が苦笑して異議を述べた。

検察官 「この点、被告人は否定してますが」
弁護人 「だから弁護人の意見です」
検察官 「それ、本人が違うと」
弁護人 「だけども弁護人としてのひとつの評価と…」
裁判官 「ま、そういうことで(笑)」

 弁護人は、昔ながらのテンプレートで弁論をまとめようとし、どんな弁論だろうが判決にそう影響しないのに、マジメなお姉さん検察官は引っかかった…そういう“図”が見えて、私は可笑しくて可笑しくて。

 そして被告人の最終陳述。被告人質問のときとは違う、なーんか妙な節回しをつけ、軽やかにきっぱりと述べた。

被告人 「はいっ、これを機にきっぱり断ち切るようにしたいと思いますので、よろしくお願いしますっ、以上ですっ!」

 7月5日(月)、判決も傍聴した。懲役1年6月、未決10日算入。
 前刑(懲役1年6月)の執行猶予(3年)が満了するまで、あと約1年。控訴、上告で満了を迎えるのは、困難だろう…。

2025年9月20日 (土)

日本の埋葬は土葬が基本

 俺様は偉い! これが本源の者がいる。以下、「偉ぶる魂」と格好良く呼ぼう。

 

 偉ぶる魂は、当然ながら、偉くない。偉くないから、偉ぶる、のである。

 客観的な事実をもとには、偉ぶれない。しかし偉ぶりたい。
 じゃあ、どうする。偉ぶるためには、デマやうそを拠り所とせざるを得ない。単純な話だ。

 

 「クルド」「イスラム」の方面を蔑み、憎み、差別して偉ぶる人たちが、日本は土葬の国じゃない、火葬の国だとか、偉ぶりわめいているようだ。
 その人たちに何を説明しても、偉ぶるばかり、まったく無駄。相手にしてはいけない。

 

 だが、現時点で偉ぶる魂は持たないけれども、「レイシストの言い分にも一理(いちり)あるんでは?」となりかけそうな人たちに対し、客観的な事実を示して、レイシズムへ堕ちるのを防ぐ、そういうのが大事なんだろうな、と私は思う。

 

 つーことで、以下は日本国の「墓地、埋葬等に関する法律」の、第1条(目的)と第2条(定義)である。

第一条 この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。

第二条 この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。
2 この法律で「火葬」とは、死体を葬るために、これを焼くことをいう。
3 この法律で「改葬」とは、埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう。
4 この法律で「墳墓」とは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設をいう。
5 この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けた区域をいう。
6 この法律で「納骨堂」とは、他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設をいう。
7 この法律で「火葬場」とは、火葬を行うために、火葬場として都道府県知事の許可をうけた施設をいう。

 

 第2条第1項、埋葬とは死体を土中に葬ることをいう。土葬が基本なんだね。

 同第4項、墳墓(つまりお墓)とは、死体を埋葬し(つまり土葬し)、または焼骨(つまり火葬後のお骨)を埋蔵する施設をいう。

 

 第10条第1項がこう定めている。

第十条 墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。

 

 第10条に基づく「都道府県知事の許可」に関して、東京都の場合だと「墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例」がある。
 以下は同条例より。

(墓穴の深さ)
第十三条
 土葬(死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。)を土中に葬ることをいう。以下同じ。)を行う場合の墓穴の深さは、二メートル以上としなければならない。

 

 墓地を経営しようとする者が土葬を行う場合、墓穴の深さは2m以上とすべし…。

 レイシストが騒がなければ、私はこんな法も条例も知らなかった。勉強になりました。

 

 ちなみに私は、土葬の墓地へお墓参りに行ったことがある。
 お参りしたお墓だったか、その近くの親戚のお墓だったか、少し盛り上がっていた。年月とともに沈むのだと教わった。へえ。

 現在は圧倒的に火葬が多いらしい。


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2025年9月18日 (木)

恋愛感情がからまないストーカー

 略して迷惑条例が、各都道府県にある。 ※国は法律、地方は条例

 都道府県によって名称が若干異なることがある。東京都のは「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」だ。

 

 迷惑条例違反の刑事裁判は、昔はピンクビラ貼りやダフ屋がときどきあった。 ※私は主に東京高地簡裁で傍聴
 キャバクラなどの客引きは、今もたまにある。おっパブ(おっぱいパブ)の客引きは長く見かけない。

 昔から電車内痴漢が多く、だから迷惑条例違反は傍聴人に人気だ。
 スマホの普及とともに、盗撮がどかんと増えた。

 

 そうして、迷惑条例違反に、つきまといが、たま~に登場し始めた。
 以下は東京都の迷惑条例、第5条の2、の全文だ。太字は私。

※ 「の2」に違和感を覚える方もおいでだろう。内容的に第5条に近い条項を新設するに当たり、6条としたのでは、既にある6条を7条に、押されて7条を8条に、条ずれが起こる。そこで「の」、なのだ。
 道交法はどんどん新設するんで、第108条の32の4、なんてのまであるょ。

 

(つきまとい行為等の禁止)

第五条の二 何人も、正当な理由なく、専ら、特定の者に対する妬み、恨みその他の悪意の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、不安を覚えさせるような行為であつて、次の各号のいずれかに掲げるもの(ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成十二年法律第八十一号)第二条第一項に規定するつきまとい等、同条第三項に規定する位置情報無承諾取得等及び同条第四項に規定するストーカー行為を除く。)を反復して行つてはならない。この場合において、第一号から第三号まで及び第四号(電子メールの送信等(ストーカー行為等の規制等に関する法律第二条第二項に規定する電子メールの送信等をいう。以下同じ。)に係る部分に限る。)に掲げる行為については、身体の安全、住居等(住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所又は通常所在する場所をいう。以下この項において同じ。)の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限るものとする。

一 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居等の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。

二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。

三 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。

四 連続して電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、文書を送付し、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。

五 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。

六 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。

七 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。

八 その承諾を得ないで、その所持する位置情報記録・送信装置(当該装置の位置に係る位置情報(地理空間情報活用推進基本法(平成十九年法律第六十三号)第二条第一項第一号に規定する位置情報をいう。以下この号において同じ。)を記録し、又は送信する機能を有する装置で東京都公安委員会規則で定めるものをいう。以下この号及び次号において同じ。)(同号に規定する行為がされた位置情報記録・送信装置を含む。)により記録され、又は送信される当該位置情報記録・送信装置の位置に係る位置情報を東京都公安委員会規則で定める方法により取得すること。

九 その承諾を得ないで、その所持する物に位置情報記録・送信装置を取り付けること、位置情報記録・送信装置を取り付けた物を交付することその他その移動に伴い位置情報記録・送信装置を移動し得る状態にする行為として東京都公安委員会規則で定める行為をすること。

2 警視総監又は警察署長は、前項の規定に違反する行為により被害を受けた者又はその保護者から、当該違反行為の再発の防止を図るため、援助を受けたい旨の申出があつたときは、東京都公安委員会規則で定めるところにより、当該申出をした者に対し、必要な援助を行うことができる。

3 本条の規定の適用に当たつては、都民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。

(平一五条例一三七・追加、平二九条例三三・平三〇条例四七・令三条例九九・令四条例一〇五・一部改正)

 

 だから、恋愛感情(からくる怨恨等)がからまないストーカー、といえる。

 つきまとい行為等の迷惑条例違反が法廷へ出てくるのは珍しい。たまたま遭遇するたびに、私は伝説のメルマガでレポートしてきた。

 たとえば…。
 ある新聞社の記者が、取材で知り合った女性にストーカー行為をしたとされ、執行猶予付き懲役刑を受け、会社は解雇された。それを恨んで会社に無言電話をかける等した…。判決は懲役1年4月、未決70日算入。

 投資コンサルのせいで1億円の損害を受けたとつきまとい、脅迫…。判決は罰金50万円。あっ、これはメルマガ終了後の傍聴だった。

 たまにそんなものあるが、迷惑条例違反はほとんどぜんぶ痴漢と盗撮だ。

2025年9月16日 (火)

15歳の闇バイトは欺罔電話をかけるか

 「闇バイトに応募」と、タイトルも含め3回出てくる。「闇バイト」のヤバさが伝わる、そこは良いと思う。しかし…。以下は9月5日付けABCニュースだ。

「遊ぶ金欲しさに闇バイトに応募」 15歳専門学生を逮捕 80代女性からキャッシュカードだまし取ったか

 警察官になりすまして、高齢女性からキャッシュカードをだまし取ったとして、15歳の専門学生の少年が逮捕されました。少年は、「闇バイトに応募した」などと話しているということです。

 詐欺の疑いで逮捕されたのは、大阪府内に住む、専門学生の少年(15)です。

 少年は1日、大阪府警布施警察署の警察官になりすまし、府内に住む80代女性の自宅に「口座から現金が不正に引き出されている。キャッシュカードを裁判所に持って行くので自宅に行きます」などと電話で告げた上で、女性宅を訪問し、キャッシュカード3枚をだまし取った疑いが持たれています。

 警察によりますと、少年はその後、ATMで女性のキャッシュカードを使用し、現金200万円を引き出していたということです。

 少年は警察の調べに対し、「遊ぶ金欲しさに闇バイトに応募した」と容疑を認めています。

 警察は余罪も含め捜査しています。

 

少年は…警察官になりすまし…などと電話で告げた上で、女性宅を訪問し…だまし取った…

 ここである。少年自身が欺罔(ぎもう)電話をかけたとしか読めない。そう報じている。

 もし本当なら、高度な分業で成り立ってきた特殊詐欺業界が、かけ子と受け出し子(受け子と出し子が分業なことも)を合体させたわけで、大きな構造変革が起こったことになる。

 だが、欺罔電話は特殊詐欺の勘所(かんどころ)といえる。「遊ぶ金欲しさ」に闇バイトに応募した程度の15歳に務まるかな。
 特殊詐欺の統括者(裁判的にはいつも氏名不詳者)がそんな間抜けな変革を実行するとは考えにくい。

 

 その15歳の少年は、高額バイトに応募 → 荷物の受取りで高収入と言われ → 住所氏名、親の氏名等の個人情報を取られ → 秘匿性の高い詐欺犯御用達の通信アプリをインストールさせられ → 服装を指定され → 電車でどこそこの駅へ行けと言われ → どこで待機しろと言われ → どの家へ行けと言われ → この身分と偽名を名乗れと命じられ → 指示されたとおりにキャッシュカードを受け取り → どこのATMへ、次はどこのATMへ行けと命令され → 暗証番号を告げられ、次々に現金を引き出し → 指定されたコインロッカー(番号式)へ現金とカードを入れ(又は公衆トイレの個室に入って待機、ドアの上部から現金運搬役に現金とカードを渡し) → 次の指示を待ち → 逃げれば家族も殺すと脅され → 同様のことを繰り返し → 必ず逮捕され → 「末端とはいえ不可欠な役割を果たしており刑事責任は重大」とか言われ、特殊詐欺の共犯者(刑法的には正犯)として詐取金全部の責任を問われ → 刑務所へ → 出所後、「大変だったな。今度のは絶対大丈夫だから」と言う者が寄ってきて、、、

 ということになるんだとは、報道からは全くうかがえない、想像もできない。
 逆に、「遊ぶ金欲しさ」の者たちをして、こう安心させるんじゃないか。

「俺はそんな電話かけねーし、知らねーし、荷物運ぶだけだもん、大丈夫だよな?」

 

 「オレオレ詐欺の“受け子”調達は…ニュース報道が支えている?|裁判傍聴マニアからのひと言|」と私は2021年5月に書いた。変わってないね~。

 どうしてこうなのか。やっぱ、警察にとっては上述のとおり受け出し子は共犯者(正犯)なのだから詐欺全体の責任を当然に問い、一方、記者クラブメディアの報道は、警察発表(記者レク)の内容を要約して発表するのみ、なんにも考えずそこに徹する、今井みたいによけいなことを言うのは邪道であり避けねばならない、そゆことかなあ、と。

 

 私はどうして以上のようなことを言えるのか。ずばり、(交通違反マニア、開示請求マニアであると同時に)裁判傍聴マニアだから、だ。うむ。

 この本は2014年初犯もとい初版だ。今でも十分に面白い読み物とは思う。外国語に翻訳され、毎年ちょっぴりだけど印税が入る。そうして今、これを遥に超える、時代的にベストセラー狙いの本を執筆中だ。急がねば、じゃねっ。

2025年9月15日 (月)

奈良の市議会選挙、改めて見てみた

 奈良市議会の柿本元気議員(立憲民主党)のnote、9月13日付けの「vsへずまりゅう」を拝読。
 内容も書きぶりも、へ~! ほ~! である。

 

 新人議員のための研修をさぼり、議案書を読まずに議会に出て、迷惑系YouTuberのノリなのか怒声を発する、そんな者にしかし投票し、当選させる市民が、奈良市にいたんだねえ。

 というわけで、奈良県のwebサイトから、2025年7月20日執行の奈良市議会議員選挙の、投票状況、開票状況を見てみた。忙しいので、ちらっとね💦

 当日有権者数  29万2710人
 投票数(投票率) 18万4023人(62.87%)

 

 ふむふむ。参考のため、2021年も見てみよう。

 当日有権者数  29万8780人
 投票数(投票率) 15万2131人(50.92%)

 2025年は投票数が3万人以上も増え、投票率がだいぶアップしたわけだ。へえ。

 

 さらに参考のため、「選挙ドットコム」で、2021年のとき(定数39、候補者数47)の当選者、上位5人を見てみた。敬称略。

 1位 山岡としき(日本維新の会) 7264票
 2位 大西あつふみ(日本維新の会) 6549票
 3位 林政行(無所属) 5970票
 4位 やなぎだ昌孝(日本維新の会) 4748票
 5位 佐野かずのり(日本維新の会) 4506票

 あらら~。

 

 以上を踏まえて、また「選挙ドットコム」で、2025年(定数39、候補者数55)の当選者、上位5人はこうだ。

 1位 尾崎のぶこ(参政党) 1万0985票
 2位 中川こう(日本維新の会) 8780票
 3位 へずまりゅう(無所属) 8320票
 4位 柿本元気(立憲民主党) 6968票
 5位 江川ゆり(国民民主党) 5581票

 うわ~、そうでしたか!

 ま、こう見ると、へずまりゅう議員は、自身が輝きを放てる市を選んで立候補した、と言えるんじゃないか。

 

 ちなみに、2025年の有権者数は29万2710人。へずまりゅう議員の得票は8320票。約2.84%。

 百田尚樹氏の名言「1割の善良なバカを騙せば国会議員になれる」が思い出され…いや奈良市の有権者の約2.84%が全員「善良なバカ」とは私は思わないす。愉快犯層とかさまざまだろうと想像します。

 ともあれ今後、目立ちたがり系、自己顕示欲系のYouTuberが、あちこちの市議会へ乗り込んでくるかもね。

2025年9月14日 (日)

特別傍聴席とは

 私は「取置席」なんて呼んだりするが、正しくは「特別傍聴席」のようだ。

 2012年3月14日の「裁判員制度に関する検討会(第9回)議事録」にこう出てくる。

 被害者の方が 傍聴したいというときには 特別傍聴席というものを用意して,被害者の傍聴ができるように,席の関係はありますけれども,通常,被害者の数はそんなに多くないですから,必ず確保しているようにはいたしておりますし,傍聴席で一般の方からの視線がどうしても気になるという場合には遮蔽ということで,周りの方から見えないような措置も採っております。

 

 以下、東京地裁の“非裁判員裁判”で見てきた限りでは…。

 この特別傍聴席を、検察官はよく取る。しかし、最初から最後まで空席のことが多い。かなり多い。
 「もし傍聴されるならどうぞ。席を取っておきますので」という感じで取っているのだろう。

 特別傍聴席には、あらかじめ、なんだっけ、着席不可とか何か書いた紙または札を、その席に書記官が置く。

 

 それでだ、たとえば傍聴席20席の法廷だと、傍聴席はこうなっている。以下、数字に意味はない。

 1⃣ 2⃣ 3⃣ 4⃣ 5⃣   6⃣ 7⃣ 8⃣ 9⃣ 0⃣
 1⃣ 2⃣ 3⃣ 4⃣ 5⃣   6⃣ 7⃣ 8⃣ 9⃣ 0⃣

 一部の法廷は、前列左右、つまり検察官側と弁護人側の、バー(傍聴席の前の木の柵)の端っこに小さな紙が貼られていることがある。紙にはこう書かれている。

 この2席(A・B)は、証人・関係者等のある場合には、席を譲ってもらうことになりますので、ご了承下さい。

 A・Bの席はこうだ。

 A  B  3⃣ 4⃣ 5⃣   6⃣ 7⃣ 8⃣  B   A
 1⃣ 2⃣ 3⃣ 4⃣ 5⃣   6⃣ 7⃣ 8⃣ 9⃣ 0⃣

 満席の法廷へ3分前に家族等が来て、AまたはA・Bに10分前から座っていた傍聴人が退出、というシーンを私は1回か2回見たかな、定かじゃない。
 紙があっても、特別傍聴席の札を置いて席を確保する、そういうケースがほとんどかも。

 すべての20席の法廷にその紙が貼られているわけじゃない。
 ある書記官が貼り、はがさないまま移動(転勤)し、次の書記官は紙を意識してない、そんなこともあるかと。

 

 弁護人は、特別傍聴席を滅多に取らない。取る弁護人は少数派だ。

 東京地裁は傍聴人が非常に多く、ほとんどみんな刑事裁判を傍聴する。
 色情事件や、被告人が女性氏名の事件は大人気。早々と行列ができることがよくある。傍聴席数を超えることもよくある。

 ところが、、、

 開廷30分程前に弁護人と被告人の家族数人(うち1人は情状証人)が来て、そばの待合室へ。
 開廷10分前にドアの施錠が解かれ、傍聴人が雪崩れ込む。たちまち満席。
 開廷3分前、弁護人と被告人の家族数人が待合室を出て、法廷へ。

 家族は座れず、情状証人も座れない。立ち見は許されず、出ていくしかない。東京地裁のあるあるだ。

 

 弁護人は特別傍聴席をなぜ取らないのか。

 裁判は刑事より民事が圧倒的に多い。民事の代理人ばっかりやり、刑事の弁護人はやったことがない弁護士もいるという。
 民事の傍聴席は、何か特別な事件以外は、いつもがらがらだ。
 傍聴人が押し寄せ、家族や関係者が傍聴席に座れないことがあるあるだと、普通の弁護士は知らない、、、

2025年9月12日 (金)

Appleの「iPhone不老不死」、爆売れ必至か!

 「史上最薄「iPhone Air」発売へ 厚さ5.6mm 価格は約16万円から」と9月10日付けテレ朝NEWS。

 

 9月10日付けの日経新聞「 iPhone17発表、19日発売 最薄「Air」も拡充 5.6ミリ、日本15万9800円から」を紙媒体で私は読んだ。朝刊1面左上の大きな記事だった。

 Appleは米国内で販売するiPhoneを中国とインドで生産しており、トランプ関税で生じたコストを、ラインアップを調整して最低価格を押し上げることで「吸収する戦略とみられる」そうな。
 要するに、トランプ関税のおかげで、世界で販売するぶんも割高になっている、ように読める。

 

 私は驚いた。約16万円といえば、日本製のノートPC(パソコン)の良いやつが買えるよ、信じらんない!

 とはいえスマホは、通話ができるうえ、ショートメールも便利だ。電車の乗り換え案内、雨雲レーダーも便利だ。被告人氏名で即検索できるのも便利。ガラケーよりモニター画面が大きいのがやっぱ良い。あそうそう、写真を撮れるのも便利…。
 という程度にしか私はスマホを使っていない、ゆえに「信じらんない!」となるんだろう。

 常時片手にスマホ、首も背もスマホ仕様に曲がってしまい、人生のほぼ10割がスマホ内に在り、みたいな感じの人をよく見かける。そゆ人は、トランプ関税込みでも、すぐにも欲しかったりするんだろうか。

 

 電車内で、スマホに強度に没頭、周囲とは隔絶、みたいな人がよくいる。
 その様子を見ながら、いつも私は思う。頭蓋のスリット(細い隙間)に差し込み、指での操作が不要なスマホ、そゆのがあれば馬鹿売れだろうなあ。

 いやいや、いっそ人間がスマホの中に入ってしまえばいいんでは。
 人間をデータ化し、スマホにインストールする、可能じゃん?

 「iPhone eYL(eternal youth and life)」、日本版は「iPhone不老不死」、売れそうっ!  


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 古来より悪玉の王がよく求めたと聞く「不老不死」、Appleが実現する日はそう遠くないぞ、と思って映画『マトリックス』を観るとまた格別かもね。

2025年9月10日 (水)

89円の紙パックコーヒーが179円に!

 1㍑の紙パックのコーヒー(ブラック)を、何年か前まで89円(+税。以下同)でよく買った。セールで79円のとき2本買ったもんだ。

 ところが数年前、109円になり129円になり。全く買わなくなった。そのコーナーへ行かなくなった。

 昨日久しぶりに見て驚愕、179円って!

 

 歯ブラシは消耗品だ。ドラグストアで1本38円のを5本ずつ買い、じゃんじゃん使っていた。
 富山県内で18円てのを見つけ、狂喜して10本買ったり。

 ところが数年前、58円になり、65円の店もあり。
 かといって歯磨きの回数や時間を減らすわけにもいかず。

 

 トイレットペーパーはセールで198円のとき買っていた。
 ところが数年前、セールでも218円、238円へと上がっていった。

 やがてセールは滅多になくなり、288円が一番安いか、もうしょーがねーなと嘆いていたら、298円に。

 

 先日、あるスーパーの折り込みチラシを見ていて気づいた。
 そのときたまたまかと思うが、「8」の数字が見事に1個もない!
 98円は99円に、198円は199円に、189円も199円に、なったんだねえ。

 

 こう見えて私は、明色の制服を着てネクタイを締め、スーパーで働いていたことがある。
 レジが、手打ちじゃなく、ほら光学式というのか、バーコードを読み取る装置が登場した頃、レジ係をやったことも。

 加えて、劇画原作者を目指しての貧乏時代が長かった。
 残りの金で、大きなキャベツとか買って空腹を満たすか、はたまた約1週間ぶりに銭湯へ行くか、考え込んだり。

 そんなこともあって、スーパーやドラグストア(以下、スーパー等)のチラシに執着しがちなんだろう。
 見切り品で半額の惣菜、弁当、サンドイッチがあると我慢が効かなくなるのも(笑)。

 

 一方、猛暑のなか、自販機で、缶やペットボトルの炭酸甘味飲料、お茶やコーヒー、水を買う人を、ときどき見かける。

 見て、私は思うのだ、近くのスーパー等なら数十円安いのに。なぜ自販機で?

 コンビニだって、スーパー等より、だいぶ高い商品が多い。私は滅多に行かない。なのになぜ…?

 これもまた多様性か。面白いなあ、と思う。

 こういうのを店内でくすね、勝手に惣菜に貼って捕まり、という裁判を傍聴したことがある。

 被告人は51歳男性。万引きの前歴3件あり。
 半額シールを店内でくすね、惣菜4点に貼ってレジで精算した「詐欺」、焼酎4㍑ペットボトルの万引き「窃盗」、他人の郵便物を盗んだ「郵便法違反」で起訴され、判決は懲役1年6月、執行猶予4年だった。

2025年9月 9日 (火)

しばしこの世に生を受け、陽炎または蜻蛉のように消える、そこが醍醐味じゃん

 いつ書いたのか、未公開の記事群から、以下のようなのを見つけた。

  🎀  🎀  🎀

 ちょと捜し物があって、過去のメルマガを何本かチェック。
 2010年6月26日発行号である第179号「前回は仲間がドジってパクられたってとこあったんで」、その編集後記に私はこんなことを書いていた。

 諸君! 最近、何を肴(さかな)に飲んでる?
 私が最近凝ってるのは、レタスとトマト。
 今が旬(しゅん)なのか、安くてうまいんだね。

 レタスを適宜の大きさにちぎり、マヨネーズを細くかけ、
 じゅくじゅくのトマトを切って載せる。
 もう、いくらでもバリバリ食べられるょ。

 「じゅくじゅくのトマト」と言ってるところからして、農家の直売所の、畑で完熟のトマトなのだろう。そんな食べ方、すっかり忘れてた。その後、いつ頃か、酢タマネギとオリーブオイルに私は痺れたの。
 編集後記は続く。

 そうこう言ってるうちに、そろそろ枝豆とトウモロコシの季節だ。
 そうこう言ってるうちに、7月1日、近所のコミセンの屋外プールが始まる。

 1年は、あっという間だ。
 人の一生も、あっという間だ。

 そのことで最近、思うんだけど、

 芸術作品とか業績とか、生きた証(あかし)を残したい、
 という考え方があるでしょ、
 あれは私、なんて弱っちい根性かと思うの。

 人は、しばしこの世に生を受け、多少は未練を残しつつ、
 陽炎(かげろう)または蜻蛉(かげろう)のように消える。
 消えてなくなる。
 それでいいじゃん、そこが醍醐味じゃん、と。

 こんなふうに思うようになったきっかけは…またの話にしとこう。


  🎀  🎀  🎀

 なるほど、おっしゃるとおり、と言いたいところだが、虐殺者により虐殺される人たちからすれば、のんきに過ぎる妄言か。


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2025年9月 8日 (月)

被告人を拘禁刑5月に処する。お~!

 2025年6月1日、拘禁刑がスタートした。 ←リンク先は法務省矯正局

 法務省から聞いたところによれば、犯行日が6月1日以降の被告人が拘禁刑に処され、それとはまた別に、刑務所内の拘禁刑の処遇は6月1日から始まるそうだ。

 

 シンプルな刑事事件は、検挙からだいたい2カ月程度で法廷へ出てくる。8月には相当数が出てきたはずだ。
 しかし8月は恐怖の夏休み! 私は週1程度しか裁判所へ行かなかった。

 

 そして9月5日、とうとう遭遇しました!

 東京地裁、「道路交通法違反」、新件(第1回公判)。
 被告人は非身柄、58歳男性、会社員。

 2025年6月14日の、シンプル極まる無免許運転だった。
 前科・前歴・違反歴は一切なし。昔は略式により罰金30万円で済んだ事件だ。
 いつ頃からだっけ、済まず公判廷へ出てきて執行猶予付き懲役刑に処されることが多くなった。全件ってことはなかろうと思うが、わからない。運用上の厳罰化、である。

 検察官がこう述べた。

検察官 「被告人を拘禁刑5月に処するを相当と思料します」

 お~! これまではこうだった。

検察官 「被告人を懲役5月に処するを相当と思料します」

 「懲役5月(ごげつ。以下同)」が「拘禁刑5月」になった。「刑」の1文字がくっついた。なぜ?
 その理由は刑法にある。以前の刑法はこうだった。太字は私。

(刑の種類)
第九条 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

 それがこうなった

(刑の種類)
第九条 死刑、拘禁刑、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

 だから「拘禁刑5月」と言うんである。
 でも「罰金刑30万円に」とは言わない。なんか私はおケツがかゆい(笑)。

 

 シンプルな事件なので直ちに判決が言い渡された。

裁判官 「主文。被告人を拘禁刑5月に処する。この裁判が確定した日から2年間その刑の執行を猶予する」

 お~!
 こういうところに感慨を覚えるタイプの、私は裁判傍聴マニアなのである。よしっ。

2025年9月 5日 (金)

通勤電車内で執拗な痴漢、他の乗客たちは…

 だいぶ前、東京地裁で「強制わいせつ」、電車内痴漢の判決を傍聴した。当ブログの下書きに見つけた。

 

 ただの痴漢事件じゃない。
 東京地裁で無罪とされ、検察控訴、東京高裁は原判決(無罪を)破棄、東京地裁へ差戻した。その判決なのだ。

 被告人は非身柄。暗色スーツにレジメンタルのネクタイ、小顔でスリム、40歳代か、日焼けして、ちょいヤンキー風に見える。

裁判長 「主文。被告人を懲役2年6月に処する。この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予をする」

 

 裁判所の事実認定によれば…。

 埼京線とともに痴漢の多い湘南新宿ラインで、被告人は痴漢行為をした。被害者(小柄な女性)は逃げて場所を移動。すると被告人は追い、連結部付近に追い詰めた。

 ブラジャーの間から手を差し入れて乳房を直接触り、固まってうつむく被害女性の口に指を入れ、被害女性の手を掴んで自分の陰茎を衣服の上から触らせようとし、着衣の隙間から手を入れ、前から、後ろから膣に手指を挿入…。

 その間、他の乗客たちは、スマホをいじるか、イヤホンで音楽を聴くか、誰も気づいてくれなかったという。

 

 被告人は10年前、痴漢行為をし、目撃されたが、なんとか逃げのびた。
 3年前、駅のトイレで痴漢行為、これは嫌疑不十分で不起訴に。
 2年前、電車内での「強制わいせつ、器物損壊」、認めて示談し、不起訴(起訴猶予)に。

 よって前科なし。

 前科なしの、たかが痴漢なので、執行猶予判決。
 でも、執行猶予は通常3年だ。4年は重い判決なのだと、世間は分かってくれるだろうか。

2025年9月 1日 (月)

「嵌まり族」と「弾かれ族」

 けっこう重い服役前科、がある被告人の事件を、3件続けて傍聴した。


 懲役6年懲役9年懲役11年

 刑務所は懲(こ)りたろうに、なぜまたやるのか。
 たとえば、これをしたらどうなるか、先を想像するのが、脳の構造、機能的にひどく苦手な人は、これは間違いなくいると思われる。

 それとはまた別に、ものすごく大雑把だけど、「嵌まり(はまり)」「弾かれ(はじかれ)族」ってのがあるんじゃないかと、主に刑事裁判を1万1600事件ほど傍聴してきて、いや、1万事件になるずっと前に、なんとなく感じ始めた。

 

 すなわち、日本の学校教育は、要するに、まあ、公務員又はサラリーマンを育てる方向にある。
 そこに嵌まる人は、全員一律じゃないだろうけど、だいたい、おおむね、スムーズに生きられる。試験に勝ち上がって検察官や裁判官になったりもする。

 一方、うまく嵌まらない人もいる。

 そういう人は、なんかこう、日本の学校教育から弾かれてしまう形になりがち、かも。ものすごく大雑把な話ですよ。

 

 弾かれ族は、嵌まり族の逆をいこうとしがち、かも。
 くだらん校則に従順な連中を鼻で笑う。遵法精神なんか、くそ食らえ。ルールは守るためにある? アホか。
 やんちゃが格好いい。切れてムチャクチャ暴れる者が一目置かれたり…。

 かくして、嵌まり族の被告人より、弾かれ族の被告人のほうがずっと多い…。
 そんなものが、どうも見えてくる、ような気がするのだ。

 いろんな要素が、さまざまな濃淡であって、互いに影響しあうんだろう、と思うけれども。


 なーんてめんどくさいこともちらっと考えつつ、私は裁判傍聴をしている。楽しい、疲れる、どっち?

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