フォト
2025年11月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

« 2025年9月 | トップページ | 2025年11月 »

2025年10月の16件の記事

2025年10月30日 (木)

県職員の超過70キロ、裏金で弁護人の費用を

 完全に忘れてました! 2006年9月10日付け朝日新聞の記事を。以下はその一部。太字は今井。


裁判費用にも裏金? 岐阜県、交通違反の元職員に渡す

 岐阜県の裏金問題に絡み、約2億8000万円の裏金が隠された県職員組合の元役員が、悪質な速度違反を繰り返して有罪判決を受けた職員に対し、集約された裏金の中から20万~30万円の現金を渡していたことが、弁護士による検討委員会の調査などでわかった。この職員は刑が確定する前の01年11月に依願退職した。

 関係者によると、裏金を受け取ったのは、健康福祉環境部にいた30代の男性職員。00年に長野県内の国道で最高速度を70キロ上回る120キロで走行したとして、道路交通法違反(速度超過)の罪で在宅起訴され、岐阜地裁で01年に懲役5カ月(執行猶予2年)の有罪判決を受けた。それまでに2回にわたって速度違反で検挙された前歴もあったという。
 職員は判決を不服として名古屋高裁に控訴したが、刑が確定。裏金はこれらの裁判費用に充てられたといい……

 

 「岐阜県の裏金問題」、そんなのあったっけ。いまネット検索したら、2006年8月12日付けのしんぶん赤旗の記事がヒットした。
 内部告発があり、しかし知事は「悪質な中傷だ」として犯人(告発者)探しをやり、自殺者が、、、なんてことがあったりしたんだろうか。

 

 交通違反マニアとして気になるのは、国道での超過70キロが懲役5月(ごげつ)、執行猶予2年だった、という部分であるっ!

 ここで念のため言っておくと、執行猶予が付くとき、主刑は求刑と同じ、それが原則だ。なのでこの事件、求刑は懲役5月と推認できる。

 

 速度違反の法定刑は現在「6月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金」。2025年5月末まで、拘禁刑の部分は懲役だった。
 懲役の時代、東京の首都高だと、量刑相場はこうだった。

  超過60キロ台 罰金9万円
  超過70キロ台 罰金10万円
  超過80キロ台 懲役3月、執行猶予2年か3年(近年はほぼ2年)
  超過90キロ台 懲役4月、執行猶予2年か3年

 これは法令にもとづくんじゃない。私が長年にわたり速度違反の裁判を大量に傍聴してきて分かった相場、である。

 一般道(都内の複数車線の幹線道路)だとワンランクずれる。超過70キロ台で懲役、というふうに。地方の一般道は、もっと厳しいようだ。

 だが、超過70キロ(台)が懲役5月なら、こうか?

  超過30キロ台 罰金9万円
  超過40キロ台 罰金10万円
  超過50キロ台 懲役3月

 いや、そんなはずはない。

 上掲報道には「それまでに2回にわたって速度違反で検挙された前歴もあった」とある。
 前科でも違反歴でもなく、前歴…。検挙というからには、反則金ですまない事件だったのか。

 

 金沢地裁で、似た事件を傍聴したような記憶が…。超絶マニアックデータに当たってみた。

 制限50キロ、オービスの測定値は120キロ、つまり70キロ超過の事件を2017年に私は金沢地裁で傍聴していた。
 求刑は、おお、懲役5月。
 判決の日は金沢へ行けず、電話で主文を尋ねた。主文は秘匿だった。

 その被告人は前科が複数あった。直近は、3年ほど前の速度違反、罰金6万3千円。
 3千円は、免許不携帯の反則金3千円を納付せず刑事手続きへ移行し、速度といっしょに起訴された、そう読むことができる。

 

 というわけで、冒頭の報道の職員は、「前歴」が影響して主刑が懲役5月となった。「前歴」がなければ主刑は懲役4月か、もしかして3月だった、と推認できる。
 そんなことをマニアはすぐにごちゃごちゃ考えてしまうのですよ💦

 あそうそう、「裁判費用」に裏金を20~30万円、という点について。

 報道記事を読む限り、自白事件かと。自白で生じる裁判費用といえば弁護人の報酬だけだ。
 そんな事件、私選でも国選でも、弁護人なしでも、求刑も判決も変わらないはず。

 しかし、執行猶予付きでも懲役刑を受けると、公務員は失職の対象になる。なので私選弁護人をつけ、頑張って罰金判決を目指し、控訴もした、のかな。
 で、懲役判決が確定して失職だと、退職金に影響するとかで、確定前に依願退職したのかな、わかんない。

 参考記事 → 失職を免れた公務員…「弁護人が無能だった」から助かった? 速度違反で激レア逆転罰金刑への顛末

2025年10月28日 (火)

明け方に襲えそうな泥酔女性を探して街を

 奈良地裁で今日から始まった裁判員裁判は、正しくはどんな罪名(事件名)なのだろう、銃刀法の何条何項の違反とされたのだろう。傍聴席は何席で、特別傍聴席はどんな立場の人にそれぞれ何席ずつ振り分けられたんだろう。裁判員と補充裁判員の、性別とおおよその年齢はどうなんだろう。

 それらを知りたかったら、私が自分で傍聴するほかないんだわね。
 裁判員の選任で、検察官と弁護人はそれぞれ何人ずつ、どんな理由ではじいたのか、知りたいけど、そういうのは司法機密なのかな。

 などと思いつつ私は東京地裁(東京高地簡裁合同庁舎)へ。

 

過失運転致傷」、東京地裁、判決

 被告人は非身柄。暗色スーツに地味なネクタイ。きちーんとしてる。
 禁錮1年、執行猶予3年。またまた横断歩道上の事故だった。

裁判官 「罰金刑を選択するのが相当な事案とは言えない」

 被告人は、執行猶予付きでも禁錮刑だと資格や仕事を失うため、罰金刑を求めていたんだろうか。
 それは原則無理だ。どうしても罰金刑を望むなら、起訴前に検察官に対して主張・立証しなければ。

 

賭博開帳図利」、東京地裁、判決

 被告人は身柄(拘置所)、長身の中年男性だ。
 拘禁刑10月、未決60日算入。 ※今年6月から懲役、禁錮が「拘禁刑」になった。
 港区内のカジノ賭博店で、キャッシャーとして現金の管理などをしたんだという。そんなのなぜ実刑なのか。2019年11月に「賭博開帳図利幇助」で懲役8月、執行猶予3年を食らってるんだという。

 

建造物侵入、窃盗未遂」、東京簡裁、審理

 法廷前(私の歩測で約100mの中央廊下の最南端)に人だかりが。裁判所の職員も複数人。何だナンダ? と傍聴してみたの。
 被告人は身柄(拘置所)、痩せて可愛い感じのいかにもお爺さんだった。

 弁護人は、親兄弟はもう誰もいないことを、叔父(伯父?)さんはいるが90歳ぐらいなことを言わせ、こう尋ねた。

弁護人 「持病は?」
被告人 「………知的障害………4度…」

 施設で育ち、18か19歳から42歳まで「病院に入院」し、本件は福祉施設か保護施設か、そういうとこの倉庫への侵入だった。
 そうして、あの放浪の画家、山下清氏がいたのと同じ施設名が、その所在地名ともに出た! ノーベル書房の『裸の大将放浪記』を過去に私は全巻読んだのですよー! 

 

住居侵入、不同意性交等、性的姿態等撮影、不同意わいせつ」、東京地裁、新件。

 「乗客に睡眠薬、性的暴行容疑=元タクシー運転手を再逮捕―50人被害か・警視庁」と今年5月21日に時事通信が報じた事件だ。
 この情報をいただき、タクシー運転手なら私の守備範囲といえる、てことで今日はこれを傍聴に来たのだ。

 まずは3件の起訴状が読み上げられた。被告人の認否は…。

被告人 「分かりません…憶えてません…」

 たくさんやったのでいちいち憶えていないのか、と思ったら違った。

弁護人 「故意は争いません。しかし当時、心神喪失…無罪であると主張します」

 被害女性の1人(18歳)を、タクシー車内でレイプし、性交場面や性器を撮影し、コインパーキングにか放置、見つけた通行人が通報、昏酔強盗事件として警察は捜査を開始、8日後に被告人方を家宅捜索、動画等が入ったUSBメモリが発見され…。
 明け方に、襲えそうな泥酔女性を探して、タクシーで街を流していたらしい。

 弁護人は証拠意見を留保、追起訴が複数あるそうで、続行。

 

過失運転致傷」、東京高裁、判決。

 被告人は不出頭。中型貨物で居眠り運転をして信号待ち車両に激突…。
 前科なし。原審は罰金70万円、量刑不当の主張、控訴棄却

 量刑不当といっても「罰金70万円より執行猶予付き禁錮刑のほうがよっぽどいい!」という主張ではなかったようだ。

 

過失運転致傷」、東京地裁、判決。

 被告人は非身柄。きちんとして、如何にもただものじゃない感じの年配男性だ。
 禁錮1年、執行猶予3年。一時停止後に発進、安全確認不十分なまま漫然時速2~3キロで進行したところ、左方から自転車が突っ込んできたんだという。前科なし。

 弁護人席には、いかにも私選な感じの弁護人が2人。こんなの執行猶予以外あり得ないのに、何十万円か弁護人は受け取るんだろうか。

 帰宅後、被告人氏名でネット検索してみた。なんと、もともと名があるうえ、ある事件でどーんと有名になった人だった。
 職業とか、どんな事件かとか、言えば即バレそう。

 

 それが終わったのが15時04分。まだまだいろいろ開廷はあったが、私は転げるように逃げ帰った、のであった。

2025年10月26日 (日)

一時不停止の取締り、警察官は述べた!

 その日、東京地裁の民事の開廷表に、久しぶりに見つけた。

 事件記録符号は「(行ウ)」。原告は個人名、被告は「東京都外」の、「処分取消請求事件」の「弁論(本人・証人)」の期日を。

 「処分」といっても情報公開の不開示決定処分とかいろいろある。運転免許の行政処分かもっ。「外(ほか)」は公安委員会かもっ。

 

 開廷は13時30分。東京地裁の刑事の法廷群でいろいろ新件が始まる時刻だ。傍聴したい刑事もある。しかし私は民事のほうへ。

 原告席には、代理人弁護士らしき中年男性と、原告本人らしき年配男性。被告席は、前列に3人、後列に3人。
 傍聴人は、こんな時刻だもの、私と、中年男性が1人のみ。

裁判長 「弁論準備の結果を…(本日は)××さん(証人)と、原告ご本人から…〇〇さん(原告)、最近、お誕生日…」
原告  「ありがとうございます」

 そんなふうにして、被告側証人の尋問から始まった。

 傍聴席の中年男性が立って証言台のところへ。警視庁荏原警察署地域課、交番勤務の警察官だという。一時不停止の取締りがらみだった、よしっ!

 

 「外」は東京都公安委員会。以下、その指定代理人からの尋問の一部だ。私のメモの文字が蚯蚓(みみず)ののたくりに似てよく読み取れない箇所がある。そこは「たぶんこうだろう」という文言で埋める。

公安委 「わずかに(停止線を)踏んだ場合、徐行で通過…取締りは…」
証人  「しません」
公安委 「なぜしないのですか?」
証人  「え…悪質の度合いが低く、危険度が低い…」
公安委 「それは証人独自の判断ですか」
証人  「そのように指示を受けています」

 ほぉう。
 かつて私は、合計4千件台だったか、全国の運転者諸氏からのご相談等に対応してきた。

相談  「すっかり安全が確認できたので徐行で通過したら、隠れていた警察官が出てきて、一時不停止で捕まった」
相談  「警察官がつくった書類に、時速20キロぐらいで通過したとあった。自転車がびっくりして急停車したとかも…」

 そんな声がよくあったのを思い出したス。

 

 「待ち伏せ取り締まりの罠にハマり、素敵な若奥さんがブチ切れ。違反切符を破いた理由とは」(私の記事)から以下に一部抜粋しよう。

被告人 「警察の方に停められ、駐車場へ入るよう誘導されました。私は初め、飲酒運転の検査か何かかと思いました」
弁護人 「一時停止を無視したのですか?」
被告人 「いえ、私は停まりました」
弁護人 「停止したという根拠は?」
被告人 「強めのブレーキを踏んでしまい、後ろ(後部座席)の娘の、お菓子が床に落ちて泣いたので…」
弁護人 「そのことを言うと、警察官は何と言いましたか?」
被告人 「警察官は『私が見たときは徐行だった』と…」

 「ここはどうせみんなきちんとは一時停止しないんだ」との考えで待ち伏せ、隠れることを優先して現認がおろそかになる、それはままあるようだ。

2025年10月24日 (金)

備忘メモ

 美貌もとい備忘メモ。2006年8月16日に以下の旨を書いた。

 

 2001年8月14日、初めて自分のPCから発信した、最初は滑稽なほどショボすぎたホームページ「今井亮一の交通違反相談センター」、おかげさまでどうにか5年を経過した。
 2006年8月14日早朝のアクセスカウンタは83万4千弱だったか。

 こっちのブログを始めたのが2006年2月
 こっちの「アクセス解析」によると、「累計アクセス数」は8月16日午前4時頃現在で9万7982。「1日あたりの平均」は507.68だそうだ。

 相談センターのほうはたちまち廃れるかなぁ、と思ったが、交通違反でお困りの方への情報提供は、やはりあっちが適当で、なんとかときどき更新している。
 今年いただいたご相談等は、新規・継続あわせて、8月15日までに約500件

 

 以上の旨を2006年8月16日に書いた。

 8カ月半で約500件って、毎日休まず1日2件弱だ。2006年といえば6月1日に駐車監視員、放置違反金の制度が誕生して私はむちゃくちゃ忙しかったのに、よっくもそんなことをやったもんだ、信じられない。若かったんだねぇ。

 

 相談センターは、もうだいぶ前、so-net がHP事業をやめたんだっけか、いきなりすぱっと全部消えた。

 こっちのブログ、アクセス数は現在349万9707

 2024年の後半だっけ、画像を載せられなくなった。容量(2GB)をちらっとオーバーしていることが判明。画像がやばい(重い)ようで、少しずつざくざく画像を削除した。もう残ってないかと思う。

 ただ、テキストのみの記事をこうして書き続けており、何十本かで画像1点に相当するのか、容量は2GB未満にならない。全然ならない。

 記事中の蛇足部分を削除しはじめたが、それじゃ足りない。無駄にマニアックでやや意味不明な記事を、ざくざく削除することとした。

 

 それでも、いつか、テキストの記事さえアップできない状態になるかも。なりそう。何事にも寿命はあるってことか。

2025年10月22日 (水)

黒霧島EXから桜島へ、宝山へ

 芋焼酎である。以下は私の個人的な好み、私見だ。万人に共通の普遍的な真理ではないことを、予(あらかじ)めお断りしておく。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

霧島酒造 黒霧島EX 25度 チューパック(1800ml)
価格:1,870円(税込、送料別) (2025/10/21時点)

 「黒霧島EX」、これが美味くて、1年ほどかもっとか飲み続けた。

 しかし、続けると、慣れてしまい、ありがたみが薄れるっていうか…。

 

 立ち飲み、晩杯屋で、私はいつも、「一刻者(いっこもん)」のロックをひとくちすすり「ああ、美味い!」と声が出る。

 自宅でも一刻者を。とドンキへ行った。が、たまたまか、なかった。
 「桜島(さくらじま)」てえのを買った、飲んだ。うん、いいじゃないか。

 それを飲み終え、今度は別のを試したくなった。「宝山(ほうざん)」てえのを買った、飲んだ。香りが強い。いいね。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

西酒造 いも焼酎25度 薩摩宝山1.8L×1ケース(全6本) 送料無料
価格:12,702円(税込、送料無料) (2025/10/21時点)

 芋焼酎をロックでちびちび飲みながら、清酒をちびちびやるのが極楽だ。今は「米一途(こめいちず)」が気に入ってる。

 そろそろ寒くなってきた。また「純米どぶろく 御殿桜(ごてんさくら)」を注文しよう。こうして人生は過ぎていくのだ。Sustainable Drinkers Goals、持続可能な飲酒を。

2025年10月20日 (月)

冤罪を生み続けるオービス無謬神話

 今はすっかりゼロだが、昔はめちゃめちゃ多かった、何がって、東京簡裁にオービス裁判が。
 東京簡裁へ来て20年に満たない裁判官、書記官、職員の皆さんは、信じられないでしょ。

「警察に取材しても分からないことが、刑事裁判の法廷へはボロボロ出てくる。うわあ!」

 と当時私は大興奮。東京簡裁へ通いまくり、やがて、交通事件以外もあれこれ傍聴する「裁判傍聴マニア」になった次第だ。

 

 オービスの、半年に1回の定期点検の、その成績書にずらっと並んだ、丸囲みの「良」、これは、点検に着手したときの状態ではなく、点検・調整等を終えて「良」の状態になったことをあらわす、なんてだ~れも知らないっしょ。

 要するに、誤測定(誤った測定値の表示。以下同)が1度出れば、以降、定期点検で発見されるまでずっと出続ける。点検後には「良」となる。
 誤測定が突発的に単発で起こることはあり得ない、そもそも誤作動があればオービスはストップする(撮影をしない)、だから絶対大丈夫、なのである、オービスは。

 

 そしてもうひとつ、定期点検における走行試験。

 オービスは、写真に焼き付けられた測定値、焼き付け値が証拠の根幹。ところが、100台の通過車両に対して行う走行試験は、信じられないことに、焼き付け値を完全スルー!

 2006年3月6日付けの当ブログ記事「湾岸・羽田オービスⅢLk びっくり定期点検!」、同月9日付けの「オービスⅢLk 肝心のチェックを省いた定期点検!」でも書いてきたとおりだ。びっくりするよね。

 

 オービスが日本の道路に登場して取り締まりを始めたのは、1970年代後半だ。

 以来、測定値(焼き付け値)が信頼できないとして無罪が出たのは、私が知る限り1件のみ。無罪の証拠があった事件だ。
 その後の裁判で、メーカー社員に対し弁護人がその無罪について突っ込むシーンはあった。メーカー社員は、あれは誤判ゆえ検討も改善もしてない旨述べて薄笑い…。

 

 オービス裁判を傍聴しまくってきて、はっきりと浮かび上がってきたのは、焼き付け値を信用できる根拠はない! ということである。
 オービス無謬(むびゅう)神話、としか言いようがない。
 長年にわたり、どんだけぇの冤罪が垂れ流され続けてきたのか、気が遠くなる。

 新聞、テレビには決して出ない話だ。でも、だからって「マスゴミだぁ~!」とは私は言わない。誰にも都合や限界がある。記者クラブメディアにも記者クラブメディアの都合や限界がある。もちろん私にも。

 世の中そんなもんなのだ。そんな世の中で、私は、あなたは、どう生きていくか、そういうことなのだ。
 「マスゴミだぁ~!」とか叫んでYouTubeやらの陰謀論に飛びつくのは、やめましょうね。それは完全に阿呆なので。

2025年10月18日 (土)

飲酒運転、メディア報道にコメントしてみる

 交通違反マニアで裁判傍聴マニアの私めから少し解説、コメントしてみます。

 

 「「被害者や放送局に迷惑かけた」。知人手配のタクシーに乗らず飲酒運転、トラックと衝突――元フリーアナウンサーの女(43)に執行猶予判決 鹿児島地裁 」と10月17日付け南日本新聞。こうだ。

 酒気を帯びてトラックに衝突する物損事故を起こしたとして、道交法違反(酒気帯び運転)の罪に問われた、東京都渋谷区、元フリーアナウンサーの会社員女被告(43)の裁判で、鹿児島地裁は17日、懲役8月、執行猶予3年(求刑懲役8月)の判決を言い渡した。この日が初公判で、即日判決となった。

 検察は冒頭陳述で、「知人宅でワインボトル1本、焼酎を1、2杯飲んだ。知人が手配したタクシーに乗らず、近くに止めていた車を運転した」と述べた。被告は起訴内容を認め、被告人質問で「被害者に、お世話になった放送局に迷惑をかけた」と謝罪した。

 検察は論告で「運転に緊急性はなく、危険かつ悪質」と指摘。弁護側は「前科もなく反省しており、社会的制裁も受けた」として寛大な判決を求めた。

 判決によると、2月27日午後11時ごろ、鹿児島市下荒田2丁目の市道で、基準値の0.15ミリグラムを超える酒気を帯び、乗用車を運転した。

 

 「元フリーアナウンサー会社員女被告」とある。

 【元フリー】 特定の放送局の社員ではないので「フリー」。どこかの事務所に所属していたが、そこを辞めたので「元フリー」、つーことなんだろうか。

 【】 被害者や一般人は「女性」、加害者や被疑者、被告人は「女」、使い分けるのが記者クラブメディアのルールらしい。

 【被告】 刑事は「検察官vs被告人」、民事は「原告vs被告」のところ、記者クラブメディアは刑事裁判の被告人を徹底的に「被告」と報じる。長年にわたり続けてきたせいか、週刊誌等も「被告」と書く。なんとびっくり、被告人を「被告」と呼ぶ刑事裁判官もたまにいる。私は被告人を「被告人」と書く、徹底的に(笑)。

 

 【懲役8月】 これに私はおどろいた。実際の言い渡しはこうだったはず。

裁判官 「主文。被告人を懲役8月(はちげつ)に処する。この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する」

 「8月」は刑の重さ。「8カ月」は長さをあらわす。懲役1年というが、懲役1ヶ年とはいわない。私はそう理解している。懲役5月は「ごげつ」、懲役1年6月は「いちねんろくげつ」だ。

 ところが記者クラブメディアは、「8カ月」と報じるのがお約束だ。メディア報道に親しみ過ぎたか「懲役8カ月」と言い渡す裁判官もたまにいる。
 ああそれなのにそれなのに、南日本新聞の今回の記事は「8月」、おお~、非常に珍しいぞ!

 

 【即日判決】 結審して直ちに判決は、道交法違反のような謂わば定型的な事件では珍しくない。

 【懲役8月】 飲酒運転は、酒気帯びか酒酔いか、物損事故ありか、前科はどうか、によって懲役(犯行日が2025年6月1日以降は拘禁刑)6月から1年ぐらいが多いかな。

 【執行猶予3年】 普通だ。初犯の速度違反は執行猶予2年が今や一般的といえる。

 【基準値の0.15ミリグラムを超える酒気を帯び】 以上ってどんだけだよと、もどかしく感じる方もおいでだろうけど、呼気1ℓ当たりのアルコール0.15mg以上が刑罰の対象なので、そう書くのだ。

 

 アルコールは危険な合法薬物。飲酒運転に限らず、傷害、器物損壊、威力業務妨害等々、アルコールで脳の前頭葉のどこかが一時的に壊れ、とんでもないことをやらかして仕事をしくじる、自他の生命、健康に取り返しのつかないダメージを与える、そんなケースが刑事裁判の法廷へ続々と出てくる。

 アルコールは危険な合法薬物だってこと、せめて成人式で、がつんと周知させたらいいのに、と思う。

 アルコール12%、ちびちびと噛んで飲む、この2本セットは最高、安い! どぶろくはお肌に健康に良いそうだ。

2025年10月17日 (金)

乙1号証は決まって身上調書、なぜ?

 伝説のメルマガの第603号「精液様の白色液体を路上に遺留し…」(2011年の11月に発行)の編集後記に書いたこと、少しここへ。

 

検察官 「乙1号証は被告人の身上関係です。冒頭陳述で述べたとおり…。乙2号から4号証は犯罪事実に関する被告人の供述調書で、犯行の動機、侵入の手口など…」

 とか毎度言うでしょ。
 乙1号証は必ず身上調書だ。身上関係だけなぜ独立の調書とするのか。

 

 被疑者(メディア語で「容疑者」)の供述は、変遷をくり返したり、否認から自白に転じたりする。
 法廷へは、真実を語った自白調書、だけを出せばいい。要らん書証を出すことを裁判官は喜ばない。裁判官は証拠を減らしたがっている。

 そこにおいて、身上関係と犯罪事実に関することをまとめて録取すると、身上関係の調書といっしょによけいなものを法廷に出してしまうことになる。
 そこで、身上調書は必ず別立てで録取しておく…。

 

 といったことを分かりやす~く簡潔に指導しているのが、2004年から2007年にかけて東京簡裁・刑事1室1係の公判立会(りっかい)をやっていた木村昇一検察官の『新交通事件供述調書記載例集』(立花書房)だ。

(現在の肩書きは東京地検交通部検察官副検事)

 私は東京地裁(東京高地簡裁合同庁舎)の地下の至誠堂書店で買った。

 道交法違反と自過死傷、危険運転致死傷に加え、成りすましや身代わり出頭も解説されてる。
 こっち方面のマニアには必読、って私だけですか~(泣)。

2025年10月15日 (水)

高校のスクールカウンセラーがカウンセリング室で女生徒の唇にキス

 10月14日(火)、この日私の手帳にあるのは刑事の判決1件のみ。こもって原稿を書こうか、どうしよう、どうする?

 刑事の判決に近接して民事の判決が1件あると、これはネットで知った。ええい、ぐずぐずしないで、行ってしまえ。

 

 13時10分、東京地裁・民事26部、421号法廷(武部知子裁判長の合議)で「損害賠償請求事件」の判決。

 原告は普通に男性氏名(こと名・暇空茜)、被告は太田啓子弁護士
 傍聴人は私を含め4人。うち少なくともお2人は、暇空方面の傍聴席によくお見かけする方かと。どこかでレポートしてるんだろうか、読みたい。

 原告席は無人。被告席には2人。民事の判決は双方不出頭が多いけど、ちゃんと来るとは偉い、と私は思う。

裁判長 「主文。原告の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告の負担とする」

 この原告はネットで無茶苦茶をやらかし、反論、批判されると訴訟をやりまくる、というビジネスモデルで商売してるみたい、とは私の印象だ。

 

 続けてあと2件、判決言い渡しがあった。
 1件は「本件控訴を棄却」だった。民事は地裁が控訴審になることもある。なんだっけ、開廷表をメモし忘れた。

 もう1件、ちょっと不正確かもしれないが…。

裁判長 「主文、被告らは原告に3736万9038円を支払え…平成6年12月12日から…年3分の…訴訟費用は被告らの負担とする」

 被告らは訴訟に対し無反応、ゆえに原告が全部勝訴となったらしい。
 開廷表の原告は女性名、被告は女性名外(ほか)。あとでネット検索してみた。うーん、よくわかんない。

 

 そして13時20分、東京地裁・刑事10部、514号法廷で「電磁的公正証書原本不実記録、同供用、免状不実記載、有印私文書偽造、同行使」の判決。

 執行猶予前科が2犯あり、2犯目の猶予満了前に、有名高額外車(いわゆる金融車)の登録を偽造等したという事件だ。求刑は懲役2年6月。
 再開して検察官、弁護人が証拠請求。検察官はある書証について立証趣旨の拡張を。弁護人は日弁連への贖罪寄付10万円を…。

 この小暮潤一裁判官は、手続きの1つひとつを念入りに確認するタイプだ。時間を食う、食う。私は傍聴ノートに「強迫症なのかね~」と書いた。
 いや確認は悪いことじゃない。私のように確認が疎かでしょっちゅう行政職員の方々にご面倒をかけるより断然良い、とは思うのだが…。

裁判官 「主文、被告人を懲役1年4月に処する。主文は以上です」

 判決の理由を裁判官は丁寧にていねいに述べ始めた。

 私は12時50分頃に裁判所へ来て、1階の開廷表(タブレット)で午後の開廷をざっとメモした。13時30分からいろいろある。けどこれじゃあ13時30分を軽く過ぎてしまう。どうしよう。

 

 13時28分、えいやっと私は法廷を出た。出て、いちばん近い法廷へ小走りで。

 13時30分、東京高裁・第4刑事部、506号法廷(家令和典裁判長)で「不同意わいせつ」の控訴審判決。
 13時30分は地裁のほうでいろんな新件が始まる時刻だ。そのせいか傍聴人は私1人だった。被告人は不出頭。

裁判長 「主文。本件控訴を棄却する。訴訟費用は被告人の負担とする」

 なんと、スクールカウンセラー(男性)が高校のカウンセリング室で女生徒の唇にキスをしたという事件だった。
 女生徒は、なんつーかトラブルのある生徒だったらしいが、被告人から女生徒へのメッセージにこんな部分があったという。

メッセージ 「可愛すぎて次会うときまで我慢できない、会いに行っていいですか」

 原判決は不明。訴費負担てとこからしても、執行猶予判決だったのだろう。

 あとで被告人氏名でネット検索してみた。ある小学校の数年前の発行物に、新しいスクールカウンセラーが来たとして同姓同名があった。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

裁判官はなぜ葬られたか 絶望の弾劾裁判 [ 岡口 基一 ]
価格:1,980円(税込、送料無料) (2025/10/15時点)

 ほかに、「「ネタバレサイト」逮捕の経営者 ライター複数雇用し事業化か」など傍聴し、地下の書店・至誠堂さんで『裁判官はなぜ葬られたか』を買い、とっとと帰ったのでありました。
 私は本はなるべく至誠堂さんで買うことにしている。なぜ? 買えばすぐわかりますって。

2025年10月13日 (月)

辛い、辛い、止める、止める、行った、行った

 こんなことが、いつまで放置されるのか、日本語、漢字の読みである。

 

 辛い:つらい
 辛い:からい

 止める:やめる
 止める:とめる

 行った:いった
 行った:おこなった

 どっちの読みか、弁論の全趣旨から推認する?  そういう言語は駄目だと思う。
 放置は恥ずかしい。大げさにいえば、自国の言語に対するネグレクト、虐待だ。

 

 あと、憲法改正、改憲。

 日本会議(ニッポンカイギ)、統一教会、勝共(しょうきょう)連合、自民党、あのへんの悲願は、明白に、国民にとっての「改正」じゃない。現在の憲法をぶっこわーす! との言い方ができる。

 でも、改正、改正と言われる。改悪とすべき? 改変?
 「改」は「あらためる」という意味だ。新しくて良いものに変えるニュアンスが感じられる。
 じゃあ、憲法壊変? うーん。

 ここはひとつ有識者会議を招集し、適切な日本語を定めたい。

 

 それと、元号ね。

 皇室の行事を元号でおこなうことに違和感はない。

 けど、日々の行政文書を元号でやるって、どうなの。
 なんだっけ、大正、昭和、平成、令和にまたがる歴年の統計(一覧表)を最近見た。だーっとデータがあり、左端に縦に、飛び飛びに元号があるのだ。大正何年は何件でした、昭和何年は何件でした、いわゆるアタオカだゆ。

 天皇の代替わりのたびに何々元年で始める行政行為ってあり?

 検察官は公訴事実を、平成31年4月30日の覚せい剤使用と、令和元年5月1日の覚せい剤所持、としっかり述べる、アホかと私は傍聴席で呆れる。

 元号に固執するぶん、日本の国力は確実に削(そ)がれてるんじゃないかな。
 このようにしたのは、日本会議(ニッポンカイギ)方面の大変な努力によるらしい。当該方面は、元号の強要を成功体験とし、次は日本国憲法をぶっこわすべく尽力しているらしい。

 

 以上、改めます、「俺の公約」です。

2025年10月11日 (土)

俺の公約:企業献金(パー券を含む)と天下りを廃止!

 えーとね、いろいろ捨象(しゃしょう)して、ものすごくシンプルに言うと、ですよ、、、

 

 選挙は金がかかる。自民党は金をかける選挙が得意。なので企業に献金をお願いする。

 いつだっけ、すっごいスキャンダルが明るみに出て、企業献金は無しになった。そのかわり、税金から政党交付金というのをもらうことにした。

 ところが、さすが自民党。税金からの政党交付金をがっちりゲットしたうえで、政治家個人への企業献金を無くすかわりに、政治家の政党支部なんかへの献金はOK、という形にしたんである。やるねえ。

 また、たとえばキャパ5百人の会場で、しょぼい料理の立食パーティをやり、千人、2千人にパー券を売る、つまりパー券名下(めいか)の献金集めも大規模にやった。その稼ぎの一部を裏金にしたり。 ※私はそのパーティへ行ったことあり。

 

 首尾良く選挙で勝ち、政権を取ったら、当然に、献金、パー券でお世話になった企業、業界を利する政策、恩を返す政策へ傾く。次の献金、パー券もよろしくお願いしますと。

  政策A: 国民は得するが、献金、パー券企業は損する。
  政策B: 国民は損するが、献金、パー券企業は得する。

 二者択一なら、どうしてもBへ流れる、当然だよね。

 

 加えて、天下り。

 定年が近くなり、新しい事務次官(官僚のトップ)が決まると、同期の官僚はだいたいみんな辞職(退職?)、それが慣例だという。
 高額な退職金(に相当する金)を得て辞職したら、関連企業の高額ポストへ天下る。事務次官も、後に天下る。皆さん、たとえば年俸1千万円のポストに2年いて、年俸2年分の退職金を得て、次のポストへ天下る、そゆのを渡り鳥とかいうんだっけ。

 企業の側は馬鹿みたい? いやいや、

  政策A: 国民は得するが、天下り先企業は損する。
  政策B: 国民は損するが、天下り先企業は得する。

 二者択一の場面があれば、どうしても行政はBへ流れる、当然だよね。

 

 企業献金(パー券を含む。以下同)と、天下り、この2つが、日本をこう弱らせてきたのではないか。

 そこで! 私めの公約としまして、企業献金はどの企業がどの政党または政治家へ、どんだけ注ぎ込んできたか、まずは洗い出します、遡れる限り洗い出します。

 そうして、企業献金は完全廃止とします。パー券は、たとえばキャパ5百人の会場なら5百枚しか売ってはならず、金額に見合った酒食等を提供すべし、と厳しくやります。

 天下りは廃止。どうしても老後の蓄えが不安なら、退職金を倍額にしましょう、でも天下りは禁止。どうしてもまだまだ働きたいなら、シルバー人材センターの枠を広げましょう、賃金は最低時給で。

 

 ま、そんな簡単なもんではなかろう、と思う部分もありますが、シンプルにはそういうことで、舌足らずながら私めの公約として提案させていただきたいと、かように存ずる次第で御座います。

2025年10月 9日 (木)

乗客らの視線を浴び、おっさんは目を閉じた

 伝説のメルマガ、第1163号「コアマガジン、わいせつ図画頒布、1人目!」(2013年10月7日発行号)の編集後記に、地下鉄電車内での珍しいエピソードを見つけた。

 ブログのほうではどうも書いてないらしい。いま転載しよう、若干の加除訂正をして。ちなみ「加除訂正」は供述調書の録取に関する用語だ。

 

   💓  💓  💓

 

 ある日の昼下がり、裁判所へ午後出勤する途中の地下鉄は、座席は全部埋まり、立ってる人がほんの少し、という状況だった。

 そこへ、何だろ、男性歌手の切ない歌声が、車内に流れ始めた。

 誰かが携帯機器の操作を誤り、外へ音を出しちゃったんだろ。すぐ気づいて止めるだろ。
 いや、切ない歌声は、ぜんぜん止まらない。てか歌声は大きくなる、感動を誘うシーンへ入っていく!

 

 誰? 乗客がみんな、チラチラ見回す。

 50代ぐらいの、わりとマトモ風で人の良さそうなおっさんが、なんつーの、白くて薄くて小さな電子機器を手に持ち、そこから伸びた白いイヤホンを両耳に入れてる。

 乗客達のチラチラ視線が、そのおっさんに集まる、集まる。

 

 おっさんは、視線に気づいたのか、白い小さな電子機器を懐(ふところ)に入れた。
 切ない歌声は止まらない。どう考えても、切ない歌声の音源はそのおっさんのその白い電子機器としか思えない。

 おっさんは、さらなる視線に気づいたか、片耳のイヤホンを外して、しげしげ見た。

 だが、もう片方のイヤホンから、どでかく歌声が聞こえてるんで、電子機器本体が発する歌声には気づかなかったんだろう。
 おっさんは、外したイヤホンを耳に戻した。

 乗客らの視線がおっさんに集中する、集中する。

 

 おっさんは、、、目を閉じた。おい~!

 私はその種の電子機器を持ってないけど、紛れもなく、私もおっさんのお仲間だわ。とても特殊な気分を味わった、そんな昼下がりがあってもいいじゃないか。

2025年10月 7日 (火)

騒乱罪、首謀者、指揮者、率先助勢者、不和随行者

 昔、「騒擾罪」という語があった。

 日比谷公園に群衆多数蝟集(いしゅう)して騒擾(そうじょう)これあり、なんて言ったんだっけ。

 

 今、騒乱罪がある。以下は刑法。

 

(騒乱)
第百六条 多衆で集合して暴行又は脅迫をした者は、騒乱の罪とし、次の区別に従って処断する。
 一 首謀者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
 二 他人を指揮し、又は他人に率先して勢いを助けた者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
 三 付和随行した者は、十万円以下の罰金に処する。

(多衆不解散)
第百七条 暴行又は脅迫をするため多衆が集合した場合において、権限のある公務員から解散の命令を三回以上受けたにもかかわらず、なお解散しなかったときは、首謀者は三年以下の拘禁刑に処し、その他の者は十万円以下の罰金に処する。

 

 首謀者、指揮者、率先助勢者、不和随行者に分けてるのが興味深い。
 特殊詐欺罪をつくって首謀者、班長、架け子、受け子、受け出し子、見張り役、リクルート役、振込先口座調達役、などに加えて名簿提供役も、ってありかも。

 とまれ、「○○人を殺せー!」等々を叫ぶヘイトデモは、完全に騒乱罪に当たりそうに思えるけど。

 つーことで原稿に戻ります~💦

2025年10月 5日 (日)

何を隠そう私は高校生の頃からパチンコをやっていた

 ときどき過去をふり返っておこう、かなと思う。

 

 当時の玉貸しは5個10円からだった。パチンコの話である。

 傾斜がついた円盤状の玉貸し機に、縦に溝があり、玉が5個ずつ装填されている。
 客が10円玉を1枚渡し、店員がハンドルを1目盛り動かすと、玉が5個、じゃらっと出る。

 客が100円白銅貨または100円札を渡し、店員がハンドルを10目盛り動かすと、玉が50個、じゃららーっと出る。
 客はその玉を、両手をお椀状にして受け取る。

 高校3年の頃には、無人の自販機タイプが主流になった、ように記憶する。

 

 高校3年の頃、朝10時の開店時に、全台チューリップが1つずつ開いている、というサービスがあった。
 チューリップに玉が1個入れば閉じ、15個、じゃらーんと出る。

 開店前に行列をつくり、軍艦マーチととにも雪崩れ込む。忙しくチューリップを閉じて回る。
 効率よくチューリップが閉じれば、軽く100個を超える玉を得られる。お得である。

 雪崩れ込んだ客が貸し玉機に殺到し、殺傷事件になっては困る。
 なので開店前、玉50個を入れた小さなプラ箱を、店員が行列の客に100円で売って回ったもんだ。

 

 その行列や、新装開店の行列に、高校の授業をサボってよく並んだ。

 制服のワイシャツと黒ズボンで。冬は、詰め襟の学生服の襟を内側に折り込み、学校指定の黒いコートを着た。足元は、私の場合は春夏秋冬、朴歯(ほおば)の高下駄だった。

 誰からも何も言われなかった。
 若いカップルが補導員に捕まるのを、くわえ煙草(当時はチェリー)で玉を打ちながら「あーあ」と見やったりしたもんだ。

 

 大学1年生になりパチンコ屋でアルバイトをした。

 店主も従業員も、なんかヤクザっぽい人たちだった。
 「よう、カネ貸してくれよ」とニヤニヤ、地回りのヤクザから言われたりもした。

 

 しかし! 30歳代前半のいつ頃だったか、きっぱりヤメた。

 警察がヤクザからパチンコ利権を乗っ取る、引き換えに射幸心をやたら煽る台を許可した、と私は解釈している。
 ここから、パチンコは庶民の遊戯からギャンブルに、ぐんぐんなり始めた。

 当時、私は月にだいたい9万円平均だったか、パチンコで稼いでいた。こまめに手帳にメモっていたのだ(笑)。
 けど、ギャンブルの台(遊戯台)が増え、地味に稼げる台が減り、かつ「パチンコの時間は人生の浪費だ」みたいなことを思うに至り、きっぱりヤメたのだ。

 ギャンブルの最大、最強のコツは、勝っているときに逃げること。私はうまく逃げられたと思う。

 

 逃げてつくづく思う。あんなのやってるのは馬鹿だ、と。もちろん、やっていたときの自分も含めて。

 だってさ、繁華街や交通量の多いロードサイドの、大きな“箱”の家賃、地代、従業員らの給料、新台の入れ替え費用、私なんかの稼ぎ分、社長のベンツ、愛人のお手当、パチ系議員への献金、パー券購入、ぜんぶ誰が払うの?

 ぜーんぶ、客が払うんだよ!

 

 2020年10月の末頃、私は完全禁煙した。それから言い続けている、煙草飲みは馬鹿だと。
 どっぷり浸かっていたところから、逃げて初めてわかる、自分は馬鹿だったと。そんなもんだよね~💦
 


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

コアミ おどしパチンコ (100玉入) 有害鳥獣撃退
価格:980円(税込、送料無料) (2025/10/5時点)

 こゆのを熊対策に携帯してる人もいるんだろうか。

2025年10月 3日 (金)

ヘイトスピーチ解消法

 ヘイトが真っ盛りである。

 ヘイトで私なんかがすぐ浮かぶのは、ジョージ・オーウエル氏の『1984年』(Nineteen Eighty-Four)に出てくる、ヘイトウィーク(hate week)、「2分間憎悪」だ。小説で何度も読み、映画も観た。

 集会室に人がぎっしり集められ、正面の巨大スクリーンに「敵」(その時々によって異なる)の悪辣、残忍、暴虐ぶりがコレデモカと映し出され、人々は激しく興奮。満腔(まんこう)の憎悪を叫び続ける。
 そうして最後に、心を洗う厳かな音楽ととも、Big brotherの力強い顔(慈顔)が現れる。人々は感動し、泣く。

 

 じつは日本には、略称:ヘイトスピーチ解消法、なるものがある。
 短い法律なので全文を載せとこう。前文付きの法律だ。今回の記事は「俺の公約」のカテゴリーに入れとこう。

 

 

平成二十八年法律第六十八号
本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律


 我が国においては、近年、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、適法に居住するその出身者又はその子孫を、我が国の地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動が行われ、その出身者又はその子孫が多大な苦痛を強いられるとともに、当該地域社会に深刻な亀裂を生じさせている。
 もとより、このような不当な差別的言動はあってはならず、こうした事態をこのまま看過することは、国際社会において我が国の占める地位に照らしても、ふさわしいものではない。
 ここに、このような不当な差別的言動は許されないことを宣言するとともに、更なる人権教育と人権啓発などを通じて、国民に周知を図り、その理解と協力を得つつ、不当な差別的言動の解消に向けた取組を推進すべく、この法律を制定する。

 

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消が喫緊の課題であることに鑑み、その解消に向けた取組について、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、基本的施策を定め、これを推進することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。

(基本理念)
第三条 国民は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性に対する理解を深めるとともに、本邦外出身者に対する不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない。

(国及び地方公共団体の責務)
第四条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を実施するとともに、地方公共団体が実施する本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を推進するために必要な助言その他の措置を講ずる責務を有する。
2 地方公共団体は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする。

第二章 基本的施策

(相談体制の整備)
第五条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するよう努めるものとする。

(教育の充実等)
第六条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。
 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。

(啓発活動等)
第七条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、国民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。
 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、住民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。

附則
(施行期日)
 この法律は、公布の日から施行する。
(不当な差別的言動に係る取組についての検討)
 不当な差別的言動に係る取組については、この法律の施行後における本邦外出身者に対する不当な差別的言動の実態等を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする。

2025年10月 1日 (水)

人を殺すのは、端的に言って気持ち悪いことですから

 「「助けてくれと叫んでいた」東京・町田市で70代女性が腹など刺され死亡 40歳の男を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕 「誰でもいいから殺そうと…」と供述 警視庁」と9月30日付けTBS NEWSDIG。合掌。

 

 過去に傍聴した刑事裁判「銃砲刀剣類所持等取締法違反」を私は思い出す。
 正当な理由なくナイフ1本を携帯、の事件だ。携帯のうえ何をやらかしたかは措き…。

 

弁護人 「毎日働くことは考えなかったですか?」
被告人 「いろいろ考えましたが、完ぺきに自己否定になってしまい、情けないんですが自虐的な生活に……表へ出るのが怖くなってしまい……血湧き肉躍るような仕事をいつもしたいと! しかし仕事やってると嫌~な気分になり、誰にも会いたくない、いつもいつも逃げ回っている……」

弁護人 「自殺したいというのは?」

 被告人は大きな声でハキハキと答えた。

被告人 「自らを捨てたかったんです、破棄ですっ! 僕は理想がものすごく高いんです! ケチな人間のくせに、たえず人と自分を比べてしまうんですね!」

 うーむ、極端な自己誇大感と劣等感との間で苦しみ抜いてたったことなんだろうか。

弁護人 「死刑になるような重大事件も考えたということですが……」

 当然、考えたんだろうねぇ。

弁護人 「やめたのはどうしてですか?」
被告人 「人を殺すのは、端的に言って気持ち悪いことですから、できませんでした」

 人を殺して己の人生を仕舞いたい、そんなことを考える者が一定数いて、うち一部が実際に、、、

 こういう人たちを、レイシズム、ヘイト、ニッポン凄いぞ、などが掬(すく)い上げ、伸張する、そんな面もあるように思えて。

« 2025年9月 | トップページ | 2025年11月 »