乗客らの視線を浴び、おっさんは目を閉じた
伝説のメルマガ、第1163号「コアマガジン、わいせつ図画頒布、1人目!」(2013年10月7日発行号)の編集後記に、地下鉄電車内での珍しいエピソードを見つけた。
ブログのほうではどうも書いてないらしい。いま転載しよう、若干の加除訂正をして。ちなみ「加除訂正」は供述調書の録取に関する用語だ。
💓 💓 💓
ある日の昼下がり、裁判所へ午後出勤する途中の地下鉄は、座席は全部埋まり、立ってる人がほんの少し、という状況だった。
そこへ、何だろ、男性歌手の切ない歌声が、車内に流れ始めた。
誰かが携帯機器の操作を誤り、外へ音を出しちゃったんだろ。すぐ気づいて止めるだろ。
いや、切ない歌声は、ぜんぜん止まらない。てか歌声は大きくなる、感動を誘うシーンへ入っていく!
誰? 乗客がみんな、チラチラ見回す。
50代ぐらいの、わりとマトモ風で人の良さそうなおっさんが、なんつーの、白くて薄くて小さな電子機器を手に持ち、そこから伸びた白いイヤホンを両耳に入れてる。
乗客達のチラチラ視線が、そのおっさんに集まる、集まる。
おっさんは、視線に気づいたのか、白い小さな電子機器を懐(ふところ)に入れた。
切ない歌声は止まらない。どう考えても、切ない歌声の音源はそのおっさんのその白い電子機器としか思えない。
おっさんは、さらなる視線に気づいたか、片耳のイヤホンを外して、しげしげ見た。
だが、もう片方のイヤホンから、どでかく歌声が聞こえてるんで、電子機器本体が発する歌声には気づかなかったんだろう。
おっさんは、外したイヤホンを耳に戻した。
乗客らの視線がおっさんに集中する、集中する。
おっさんは、、、目を閉じた。おい~!
私はその種の電子機器を持ってないけど、紛れもなく、私もおっさんのお仲間だわ。とても特殊な気分を味わった、そんな昼下がりがあってもいいじゃないか。
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