フォト
2025年12月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 放置違反金の電子納付「駐禁Pay」に中国が不快感 | トップページ | 未必の故意による無差別殺傷事件、なぜ危険運転でさえないのか »

2025年11月 6日 (木)

無罪の証拠を隠して有罪、しかし逆転無罪に

 髙野傑弁護士のTweet(現ポスト)を拝見し、あっ、そういえば、となった。

 伝説のメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代」、2010年8月19日発行の第225号「証拠隠しが濃く疑われる事件 逆転無罪!」を、適宜加除訂正のうえここにアップしよう。

   🐱  🐱  🐱

 8月17日(火)16時から東京高裁506号法廷(岡田雄一裁判長)で「公務執行妨害」の判決。

 

 原審は東京地裁(江見健一裁判官)。午前3時頃の新宿歌舞伎町で、警察官多数と被告人の仲間多数とで混乱状態となり、応援に駆けつけた警察官に対し被告人が暴行、という公訴事実だった。

 被告人のほうは「暴行なんか加えてない。こっちが理不尽にも投げ飛ばされた」旨の主張をしていた。
 後述するように、冤罪っぽい事件なのだが、原審判決を私は傍聴してない。とくに前科とかなければ、懲役1年、執行猶予3年ぐらいだろう。
 その後、被告人は控訴した。

 

 控訴審は、第1回が今年3月25日。今日の判決が、控訴審として6回目の公判になるはず。

 「これ、おかしいっスよ!」と、阿曽山大噴火さんがずっと追っかけていた。私も何度か傍聴してきた。どこがおかしいって…。

 歌舞伎町は、監視カメラ(俗称防犯カメラ)のメッカともいえる地域だ。現場はコマ劇場の前付近であり、当然、複数の監視カメラにさらされている。検察官はその録画映像を出し、法廷で取り調べ(再生)がおこなわれた。私も見た。

 ところがっ! 本件犯行と関係ない映像も提出されてるのに、ズバリ、本件犯行とその直前の映像が約38秒間だけ、ぬわいのだ!

 あの監視カメラの映像は、1週間で上書きされ、警視庁の生活安全課で管理され、捜査員は、理由を告げて映像のコピーをもらう、というふうなシステムになっているところ、本件のその約38秒間についてだけ、出てこないんである。

 理由は? 警察官が証人出廷して以下の旨を述べた。

警察官 「本件犯行の立証には不必要だった。プライバシーに関係するものが映っていた。どんなプライバシーかは言えない」

 なんだそれ。再生映像には、当然にいろんな人が映っていた。犯行(があったとされる)場面の約38秒間だけ、とんでもないプライバシーが映っていた? んな阿呆な話があるかいナ(笑)。


 被告人は控訴した。で、今日、控訴審判決なのである。

 被告人は、私が初めて傍聴したときからずっと、非身柄で黒スーツ。頭髪が、ホスト風というのか、「お前、その前髪、切れよっ!」と私は小一時間、説教したくなる感じ(笑)。

 16時00分、傍聴人はぜんぶで11人だったかな。16時01分、裁判官3人が登壇し…。

裁判長 「主文。原判決を破棄する。被告人は無罪

 おお~! 無罪が無罪になったことに驚く私(笑)。

 同時に、3人ほど傍聴席から出た。阿曽山さんによると、うち1人か2人は検察庁の職員らしく、間もなく傍聴席に戻ったという。
 検察庁としても、この事件はムリスジと承知してたわけかな? それでも有罪主張で押しまり、「やっぱ無罪でした!」と御注進、哀れだ。

 裁判長は、当法廷で取り調べられた証拠を説明し…。

裁判長 「被告人が公務執行妨害を行ったことを十分認められるようにも見える」

 とまぁ、いちおう検察側と一審の江見裁判官の顔も立てたうえで、こう続けた。

裁判長 「しかしながら子細に検討してみると…」

 映像の「欠落部分」について、こう述べるのだった。

裁判長 「(欠落部分には本件と)高度な関連性が認められ、重要な意味合いを持つ映像が含まれていると…(欠落部分を証拠採用するかは)当事者双方の弁論を経て決められるもの…捜査段階で消去してしまうのは許されない…」

 そうして…。

裁判長 「個人のプライバシーが含まれる映像もあったかと思われるが、他の部分にはまったく関係ない人物が含まれている…(警察が言う)理由は、いささか説得力を欠くと言わなければならない。意図的かどうか…妨げられたと言わなければならない…(欠落を)被告人に不利な形で考慮することはできないというべきである。被告人の供述を信用できないものとして排除するのは困難である。被告人が暴行を行ったことを、合理的な疑いを超えて認定できる証拠はない…犯罪の証明がないことに帰する。よって…」

 16時28分、言い渡しは終わった。被告人は「ありがとうございます」と頭を下げた。

 この逆転無罪は、この逆転無罪は、警察による証拠隠しが濃く疑われる、ニュース性のある事件と思うのだが、被告人氏名ではもちろん、「東京高裁 無罪」で検索しても拾えない…。

   🐱  🐱  🐱

 こんなヤバイ事件を検察官はなぜ起訴したのか。原審はなぜやすやす有罪だったのか。

 検察が無罪の証拠を隠して有罪を勝ち取ることは合法、そこが日本の刑事司法の背骨に、普通に連綿とあるから、との認定は論理則、経験則等に照らして合理的と言わなければならない。 ←高裁判決によく出てくる言い回し(笑)。いやちょと待て、ここ1年ほど聞かないかも。偶然かな。今後、気にしてみよう。

« 放置違反金の電子納付「駐禁Pay」に中国が不快感 | トップページ | 未必の故意による無差別殺傷事件、なぜ危険運転でさえないのか »

刑事/その他刑事」カテゴリの記事