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2025年12月の17件の記事

2025年12月30日 (火)

自民党の強さを松浪健四郎議員が語った件

 2007年1月15日に書いたことの一部、今も重要と思え、少し加筆等してこっちへ移そう。
 以下、当時の私の文章を青い文字に、「きっこのブログ」からの引用部分を緑色の文字にする。

 

 ずるずると「きっこのブログ」を流し読みしてたら、「なりふりかまってらんない自民党(笑)」という記事に、自民党の松浪健四郎議員がこんなことを書いてるとあった。太字は今井。

 国会が終幕したが、与党議員は走りまわっている。自治体や関係機関が、予算編成にともなって御礼まわり、私も同行を依頼されて多忙。関西空港に関する予算は、ほぼ満額。府知事や大阪市長、関経連会長に関空社長が上京され、自民党3役に挨拶。さらに国土交通省に赴いて大臣ほか幹部に御礼まわり。面倒くさい仕事だが、予算獲得に汗した実感を得る。与党議員の特権であろうか。自民党大阪府連所属議員と知事および市長との懇談会も行なわれた。19年度予算は、比較的自治体に歓迎されるものとなっている関係でか、全員ともにニコニコ顔。交付金にしても各事業につけられる補助金も満額。財政難に苦しむ首長にとっては、安倍内閣サマサマであろう。これも好景気のおかげだ。

 

 松浪健四郎議員といえば、2000年の「国会水かけ事件」で有名だ。なんと、今も動画が見られる

 「安倍内閣」(のちに第1次安倍内閣と呼ばれる)は2006年9月に誕生した。2007年は7月に参院選がある。そういう時期に、松浪健四郎議員は「なりふりかまってらんない自民党」と書いたというんである。
 そうして、こう続くんである。

 くわえて、来年は参院選挙、各自治体も与党を応援せねばならないように追い込む予算。民主党や野党を応援するとなると、しっぺ返しがあると理解せねばならない・・・。(後略)

 続けてきっこさんは、こう論評している。

 この駄文の最後の部分、「各自治体も与党を応援せねばならないように追い込む予算。民主党や野党を応援するとなると、しっぺ返しがあると理解せねばならない・・・。」、これこそが、自民党のヤリクチであり、今回の宮崎での自民県連主催の新春懇談会でも炸裂した「票をお金で買う」って方式だ。それも、自分たちのお金じゃなくて、あたしたちから巻き上げた血税が、自民党や公明党の候補者の票を買うために、湯水のごとく使われてるってワケだ。

 ぃえ~~~っ? いっくらなんでも、そんなあからさまな本音つか真実を、現職国会議員が書いて公表するかぁ? 申し訳ないけど、ちょと信じ難くて、松浪議員のHPを見てみた。
 すると、あらまぁなんと!! 「健四郎代議士日記」の06年12月22日「師走」に、マジでそんなことがハッキリ書かれてるではないか!! おっどろいたっス…。

 

 以上、2007年1月15日の当ブログ記事、の一部である。青、緑、黒、ややこしい? すみません~。 ※松波議員のHPと日記のリンク、をクリックすると、ゲームなのか妙なのが出る。よくよく見ると、ウプス、そんなページは見つからねーよ(今井訳)とある。

 

 献金、パー券で自民に貢献してくれた企業、業界に対し、有利な政策をおこなう、税金事業を与える、それだけが自民じゃない。交付金や、地方事業に与える交付金で、地方を操る、そんな面もあるのだ。
 しかも自民は、政策がどうこうで四分五裂などせず、選挙勝利のため結束する、強いわけだよね。それをひとは安定感というのでしょうか、愛と呼ぶのでしょうか、お願い、教えてあなた

2025年12月28日 (日)

殺人未遂、娘の首を絞めた理由は

 東京地裁、「殺人未遂」(裁判員裁判)。被告人の氏名欄に「甲」とある。少年法上の少年か、被害者が生徒や子か。
 審理の期日を途中から傍聴してみた。

 被告人は非身柄。太めの女性だ。40代かな。
 社会福祉士、介護福祉士などの資格を持つ女性、に対する証人尋問が始まるところだった。以下のようなことを私はメモった。

証人 「事件の背景…生育環境…実父が極度の…(アルコール)依存症…暴力…どういうお子さんに育つか…両親…離婚…母親の交際相手と同居…無視やイジメを受け…いないものとして扱われていた…10代で独立…就労…自力で定時制…大学へ…」

 頑張ったんだね~。

証人 「その中で、男性と…支配的で…別れて…長男を出産…シングルマザー…働きながら…1歳のとき、元夫(直近の夫)と知り合い…再婚…夫…飲酒すると暴力で支配…常に男性に支配され…お酒がからむ…無力感の幼少期…長女を出産…書面上、離婚…同居を続け…暴行、暴力…収まらず…度々警察が介入…児童相談所が介入…別居に至る…無意識のなかで無力感、あきらめ感が増幅…」

証人 「一方で、働いていた…15年間…○○会社を経営…従業員たちの雇用も長い…給与の支払い…遅れることなく…社会保険も…株式会社…担当税理士…15年間…(しかし)役員報酬は月8万円…」

 そうして…。

証人 「長女の発達障害…2歳のとき…生まれつき持っている…ADHD…境界知能…反抗性ASD…診断名…詳細には告知されていない…育てにくさ…」

 そのへんで私はそっと退出。同じフロアの東京高裁の法廷で「道路交通法違反」の判決があるのだ。
 無免許運転で確定判決(執行猶予付き懲役刑)ありぃの、確定前の無免許運転。原判決(懲役7月、執行猶予4年)を破棄して…。

 

 3日後、「殺人未遂」のほうの判決を傍聴した。

 開廷25分前、法廷前には1人のみ。私は2番目。それから続々と傍聴人が集まってきた。
 開廷2分前、ほぼ満席の傍聴席(52席)へ男が1人来て、席に座る前に、合羽(かっぱ)のような上衣を脱ぎ始めた。色もデザインもお洒落、ゴム引きなのか、ゴシャワシャクシャワシャゴシャワシャゴシャゴシャクシャクシャゴシャワシャ、法廷内に響き渡った。

 

 裁判官3人と裁判員6人が登壇。法廷中央、証言台のところに被告人を立たせ、判決が言い渡された。

裁判長 「主文。被告人を懲役3年に処する。この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予し、その猶予の期間中、被告人を保護観察に付する…タオル1枚を没収…」

 左陪席裁判官(育ち良さそうな聡明そうなお嬢さん)がじーっと被告人を見据えるなか、こんなことを私はメモった。

裁判長 「元夫との間の…Aさんの養育…しばしば諍(いさか)い…(9カ月ほど前の夜)…自宅…Aさんが中卒後は実父のもとで暮らしたい…裏切られたと思い、感情を高ぶらせ…Aさん…15歳…頸部をタオルで締め付け…我に返り…犯行を自ら中止…」

 被害者(Aさん)は加療約9日間の顔面、頸部など「てんじょう出血」(と聞こえた)の傷害を負ったという。
 言渡しは12分間で終わった。

裁判長 「何かわからないことはありますか?」
被告人 「ないです」

 

 それから私は、近くの非常階段を4フロア駆け下り、東京高裁の法廷へ。「窃盗」の控訴審判決を傍聴した。
 被告人は非身柄。口元をへの字にして、のけぞり、悪そうな感じの中年男性だ。

裁判長 「主文。本件控訴を棄却する」

 同種前科2犯。直近は執行猶予付き懲役刑。その猶予の期間中、自慰行為に使用する目的で、被害者2名からスニーカーを合計3足、総額6500円相当を窃取。原判決は懲役1年(求刑1年6月)…。

 

 ハイヒール、制服、スカート、水着、携帯ストラップ、いろんなものを自慰行為目的で盗む男たちがいる。
 女性方に侵入、パンダ柄のパンツを盗み、臭いを嗅ぎながら自慰行為をしたが、じつはそれは女性の交際男性のパンツだった。逮捕後に警察官から告げられ、どう思ったか、被告人は即答したっけ。

被告人 「バチが当たったと思いました!」

2025年12月26日 (金)

前科調書を検察官が証拠請求し忘れた!?

 無免許か飲酒運転で執行猶予付きの懲役(犯行日が2025年6月1日以降なら拘禁刑)の判決を受け、その猶予中に易々(やすやす)とまたやり、「今度こそ本気で反省しました。どうか再度の執行猶予を」と懇願…。

 高裁の「道路交通法違反」はそのパターンが最も多い。

 

 先日、東京高裁の805号法廷(細田啓介裁判長)で、そのパターンの飲酒運転の控訴審をまた傍聴した。
 だが! 非常に珍しい部分があった。興奮しつつご報告しよう。

 

裁判長 「弁護人は控訴趣意書を陳述…量刑不当の主張…事実調べ請求…弁1から3と、被告人質問…」

 これを検察官は、すんなり同意、然るべくとした。へえ。

裁判長 「一方、検察官からも事実調べ請求…」

 ええっ、量刑不当の飲酒運転の控訴審で、検察官が追加立証をするって、あり得ないっしょ!

裁判長 「前科調書…略式で、罰金の…」

 はあ? そんなのなんで控訴審で出すの。原審で出せなかった「やむを得ない事由」、ないでしょ。弁護人は不同意でしょ。
 ところが弁護人は同意した。

 

 被告人質問が始まった。刑務所へ行くと困る理由をこう述べた。

被告人 「仕事(建設業)に穴を開けてしまう…世間一般に恥ずかしい…仕事とか家族とか、とても迷惑、かけてしまう…」

 飲酒運転の危険性についてどう思うか、については沈黙した。

弁護人 「免許とって数週間で…」

 免許取消処分を食らい、欠格期間が明けて免許を取り直し、数週間で本件飲酒運転を?

被告人 「深く、反省してます」

 弁護人からの主質問は数分で終わった。次は検察官だ。「ございません」かと思いきや…

検察官 「××の地裁で…そのとき、検察官、あなたの前科、1犯と…(しかし)平成27年と平成31年…罰金刑…今日出した…自動二輪の飲酒運転…」
被告人 「はい」

 平成27年は2015年の意味だ。平成31年は、2019年の1月1日~4月30日までをいう。

 なんと、原審で立会(りっかい)検察官は、2犯分の前科について立証しなかったんだね。
 今回弁護人が同意したってことは、何か驚きの「やむを得ない事由」があったのだろう。その疎明資料を出したのかな。
 来年1月の判決は、そのことに触れるはず。ぜぜ絶対傍聴しなければ!

 判決の期日を被告人に告知して、裁判長は言った。

裁判長 「控訴審は、出席の権利はありますが、出頭の義務はありません」

 出席と出頭、おお~! 「出頭の権利」っておかしいから「出席」と言ったのかな。そんな使い分け、初めて聞いたよっ!

 私はね、有名芸能人の薬物裁判より、こういうシーンにこそ興奮するのだ、痺れるのだ、素敵でしょ(笑)。 

2025年12月24日 (水)

福祉関係の職員に対し暴れる人たち

 開廷表の被告人氏名でネット検索してみた。えっ? となった。
 生徒の頃、行政に働きかけてニュースに? 英検? 司法試験? 何とか政治塾? 選挙に関与? 大した経歴がやたら出てくる。 

 

 そんな「公務執行妨害」を東京地裁の20席の法廷で傍聴してみた。

 被告人は身柄(拘置所)。なんか、のけぞってる。生年月日をメモし、あとで確認した。上記ヒットの多くに生年月日があり、この被告人と一致した。

 じつは子持ちで、児童福祉法、児童虐待の防止等に関する法律の関係で家庭訪問した3人(児童相談所の職員とか児童心理司)に対し、顔を殴ったり髪をつかんでひっぱったり蹴ったりしたんだという。

裁判官 「起訴状の内容にどこか間違ってるところはありますか?」
被告人 「いえ、間違いありません。すべて認めます。申し訳ありませんでした」

 検察官によれば、生活保護を受給。詐欺と文書偽造か何かで前科1犯。

検察官 「午後5時40分頃…居住実態の確認…家庭訪問…突然『死んでやる』と言いだし…ハサミを…『お前ら、止めようとしないのか』…ベランダ…飛び降りる素振り…止められると、反転…『ぶっ殺してやる』…止められると…髪をつかんでひっぱり…『(警察に)通報するのか』…罵声を浴びせ…」

 とにかく大暴れしたらしい。

 今回の期日は、検察官の立証(書証の要旨告知)までで終わった。その間、被告人は、のけぞって検察官を見据えたまま、ぴくりとも動かなかった。瞬きぐらいは、したのかな。
 次回は来年2月。弁護人は、精神保健福祉士の証人尋問を考えているそうだ。

 児相とか役所の福祉課とか、大変な人物を相手にしている(場合がある)んだなあ、と思えた。

 

 そのあと私は少し時間が空き、東京地裁の42席の法廷で「器物損壊」の、審理の期日をちらっと傍聴してみた、どんな事件だろ、と。

 被告人は身柄(拘置所)、白髪混じりでメタボ系の、60代ぐらいかな。
 被告人と証人との間にだけぶ厚い板のパーティションを立て、証人尋問をやっていた。

検察官 「××区役所へ…(被告人が)午後3時頃に来庁…」
証人  「だいぶ顔が紅潮…目つきも鋭く…イラついているようでして…通常、来庁者カードを書いていただく…(被告人は)拒否して…中央待合室で、どかっと座り…貧乏揺すり…目つきが鋭い…」

 別の職員が生活保護の説明をしていたところ…。

証人  「(被告人の語気は)終始強く、威圧的…にらみつけるような…」
検察官 「そのあと…」
証人  「『いっちょやってやるか』…アクリル板に、いわゆるパンチを…」

 役所の福祉課へ来て暴れる、そういう事件はけっこうある。生活保護の受給者であることに深く引け目を覚えるタイプの人がいて、偉ぶり強がり暴れがち、そんな面もあるのかなと、私は漠然と感じたりなんかしている。

 

 15分ほどでそっと退出。東京地裁の52席の法廷で「偽造有印公文書行使」の判決を傍聴。
 これ、「不同意性交等」でも「殺人」や「傷害致死」でもないのに、合議事件なのだ。もしや? と思って。

 被告人は非身柄。暗色スーツにネクタイ。シャツの襟をラフに開けてる。がっちり太って、目つきがヤンキー系か。なんか偉そうな感じ。

裁判官 「主文。被告人を懲役1年に処する。この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する…駐車違反…除外標章様のものを没収…」

 ビンゴ、やっぱり、駐車取締り逃れの偽造の除外標章の事件だった。8月15日、中日スポーツが「「セコすぎる」「ショック」大相撲元幕内の照強、偽の駐車禁止除外標章使用疑い逮捕にネットは驚きや悲しみ「つまらん罪状で栄光に泥を」「何してんだよ」」と報じてる。この事件だ。

 除外標章の事件は、私はこれで3件目だ。
 1件目は、前科のほうで有名な社長氏の事件。2件目は、元時津風親方の事件。3件とも、犯行現場は墨田区内だ。ふむぅ。

2025年12月22日 (月)

刑務所志願の達人に、司法は無力なり!

 調べに対して容疑者は「逮捕されて刑務所に行きたかった」などと供述している、てな報道を見かけるでしょ。
 被告人氏名でスマホ検索したら、ずばりそういうのがヒット。傍聴してみた、東京地裁で「銃砲刀剣類所持等取締法違反」の新件を。

 

 被告人は身柄(拘置所)、濃い白髪の67歳。被告人席でなんか手と膝を動かし、口元を尖らせ、ふてくされぇな、居直ってるぅな感じだ。

 いかにもわっかい(若いの感嘆表現)検察官が堂々と起訴状を読み上げた。
 東京は原宿、竹下口交差点に近いコンビニで、刃体長6.3cmのカッターナイフを携帯したものであるっ。

 累犯2犯を含む前科4犯。累犯とは要するに、刑の終了(仮釈放は関係ない)から今回の犯行までに5年間の空白がない、という意味だ。「常習累犯窃盗」の累犯とはまた違う。

 

 この事件、いやはや驚いた。
 メルマガでなら4、5時間かけて詳細にレポートしたところだが、今回ここではさわり(要点)のみとしたい。

 要するにだ、年金と生活保護で施設暮らしが嫌になり、10月15日支給の年金13万数千円を受け取るや、北海道から新幹線で上京。 ※13万数千円ってことは、ちゃんと働いていた期間がけっこうあるってことだ。

 「グルメと風俗」で使い果たし、「刑務所で金を貯めよう」と、コンビニへ行き、少ない残り金でカッターナイフを購入し、開封し、刃を出さずに店員に突きつけ「警察を呼んでください」と申し向けたんだそうだ。なにそれ、である。

 冒頭の、ヒットした報道は、16年も前のものだった。匿名掲示板の、メディア報道の転載を、まんま転載したものが、残っていたのである。被告人は同種の犯行をくり返していたのである。

 

 今回、新幹線は2万5千円ほど、函館駅までのタクシー代が3千円ほど。グルメが何を意味するか、明かされなかったが、1万2、3千円を遣ったという。
 風俗は、嬢を2人呼び、3時間半と90分、合計7万円。ラブホ代が1万4千円…。そうした金額をテキパキ答えた。

被告人 「持ってるぶんを使い切ろうと思ってましたので」

検察官 「(逮捕時の)所持金は1757円…全財産…」
被告人 「あと通帳に500円ぐらい」

 なぜ新幹線に乗ってまで東京へ。

被告人 「東京は…そういう店が多いですし、可愛い子、美人の子が…けっこう選べるので」

 ああ、この事件は、てかこの被告人は、私の長い傍聴人生でもベストテンに入るだろうインパクトだった、ゆえにちょっと書いても長くなる。強い心で短くまとめたい。

 「刑務所で金を貯めよう」とはどういうことか。そこである。

 2カ月に1回、偶数月に13万数千円が振り込まれる。刑務所では衣食住が保障され、金を遣わずに暮らせる、年金は丸々貯まっていく。100万円ほど貯めて娑婆へ戻りたい、そういうことなのだった。
 カッターナイフの刃を出さなかったのは、刑期をいわば調節するためなのだった。

 わっかい検察官も、しっかりエリートな裁判官(部総括判事)も、まったく無力と思えた。この被告人は本格の達人だ。

「あなたには参りました。現在のところ司法は無力です」

 と検察官も裁判官言ってしまえばいいのに、私は傍聴席でつくづくそう思った。
 無力さを認めない者は、いつまでも無力なまま落ちぶれる。無力さを真摯に認めてこそ未来がある。

 

 求刑は拘禁刑1年。相場的には、判決は拘禁刑8月(はちげつ)か。起訴前の勾留期間も含め、ちょうど100万ほど貯まるはず。
 もしも、もしもですよ、判決が罰金10万円、年金の通帳から差押え(自動引落し)を食らったら、被告人は「ぎゃふん!」でしょ。

 なんとしても判決を傍聴したい!

2025年12月20日 (土)

芸能関係の事件を1日に3件傍聴した

 この「過失運転致死」の被告人、1年半前にも別の「過失運転致死」で有罪判決を受けてるんでは? 二度も死亡事故をやらかすとは、どんな奴!?

 という「過失運転致死」を見つけ、頑張って傍聴した、東京地裁で。この日は弁護人の立証からだった。

 被告人(非身柄)は60歳ぐらいか、音楽系の芸能方面の人だという。
 事故後、毎月現場に供花してきたという。

弁護人 「来年3月で7年間になりますね」
被告人 「はい」

 なっ、7年、どゆこと? なんと、不起訴2回を経て東京地裁に起訴され、禁錮2年6月を言い渡され、控訴。
 そしたら東京高裁は、飲酒と睡眠薬と両方がどう影響したか、その影響についての予見可能性はどうか、審理が尽くされていないと、破棄&差戻し!
 1年半前の期日は、差戻し前の第一審だったんだね。

 

 飲酒したあと、マイスリーを、本来1錠のところ2錠(20mg)服用し、寝ようと思ったら知人女性から電話があり、会って話さねばと午前2時過ぎ、運転を開始。朦朧として、時速40キロ以上で左折、対向車線へ逸脱。自転車を押して横断歩道を渡っていた73歳女性に衝突し、多発外傷、脳挫傷で死亡させた、というふうな事件なのだった。

 差戻し後の当審では、埼玉医科大学の教授と准教授、薬剤師の証人尋問を行ったという。

 求刑は禁錮4年。死亡事故で4年はめちゃくちゃ重い!
 判決は2月某日が指定された。差戻し前の一審と同じく禁錮2年6月になるんだろうと想像するが、なぜ2度も不起訴になったんだろう。よっぽどの事情があったのか。傍聴しなければ!

 

 この日は、ほかに2件、被告人が芸能方面の事件をたまたま傍聴した。

 1件は、酒気帯び、0.74mg。アイドルとファンとの交流の会を実施し、普段は酒を飲まない被告人は、必要なあれこれを車で会場へ運び交流会を仕切る役割だったが、なぜそうなったのかだいぶ飲酒し、交流会が終わり、「同僚」を助手席に乗せて送る途中、中央分離帯に衝突して横転…。

 もう1件は、芸能事務所のプロデューサー。大事な取引相手とのゴルフに遅れそうになり、午前3時半頃、首都高の稼ぎ頭というべき中央環状線、目黒区付近のオービスにより141キロ(超過81キロ)と測定撮影され…。

 

 私はね、有名芸能人の裁判を狙って傍聴する(傍聴券抽選に並ぶ)ことは、ほぼない。

 しかし、たとえば超有名お笑い芸人さんのマネージャーの事件とか、超有名女性歌手の“パパ”の事件とか、某テレビ局の有能ディレクターの事件とか、十分に有名なお笑い芸人さん本人の事件とか、傍聴券抽選じゃない事件は、まあまあ傍聴してきた。

 誰も知らない、知れば「ええっ!」となる、そういうのを傍聴するのが、芸能関係に限らず、私は好きなんだね。

 無罪判決より、罰金刑の執行猶予に痺れる、そんな奴が1人ぐらいいてもいいじゃないか。いや、これは私1人ではなかろう。ほかに複数人いるようだと私は見ている。頼もしいです。 ※無罪を軽く言うものでは毛頭ないです。

2025年12月18日 (木)

強い心で裁判所行きを減らしたい

 もう20年ほど前か、もっと前か、東京高地簡裁合同庁舎、通称:東京地裁のエレベータで、素敵な事務官さん(女性)と2人きりになったことがある。
 事務官さんはにっこり微笑んで言った。

「毎日、来てるんですか?」

 うっ。私は困った顔で言った。

「毎日は来ないようにしてるんです~」

 

 私の場合、帰宅したら傍聴ノートの整理がある。超絶マニアックデータへの入力作業がある。裁判所への往復と傍聴と、それら作業だけで1日が終わる。
 原稿を書く暇も、交通違反関係の開示請求をやる暇もない。
 日々、裁判所へ行かない理由を探す、強い心で「今日は行かない!」と覚悟を決める、そんな感じだ。

 

 ところが! 12月に入り、いつに増して通ってる。マジやばい。なんでこうなるのっ? 裁判官たちは年内に入れられる期日をなんとか入れようとする、という普通のこととは別に、思い当たることとしては…。

1、オービスの否認裁判がちらほら出てきた。

2、モペッド(ペダル付き電動バイク)の事件が少し出てきた。

3、なんかどうも一昨年、昨年に比べて全体に刑事の事件数が増えた。

 

 オービスの否認やモペッドの事件を傍聴に裁判所へ行けば、どうしても他の事件もいろいろ傍聴する。
 数件に1件、「うわお、これは追っかけよう」となる。
 開廷表の被告人氏名等をメモって帰り、「この過失運転致死の被告人、1年半前にも別の過失運転致死で有罪判決を受けてるんでは?」となったり。

 今年はもうあきらめて通うしかない、でも来年こそ、なるべく裁判所行きは休もう、強い心で、とは思うがしかし、1月の手帳はすでにだいぶ埋まっている。うぅ。

 「強い心で」というのは、昔、被告人か裁判官か誰かが言い、私の心に焼き付いたのだ。

追記: そんなに行きたくないならこれ今井に教えるのはよそう? あっ、そんなこと言わないでー! 私が傍聴しなくてどうする!という事件は別です。JRCTKKの可搬式オービスの第1回公判なら、遠方の裁判所でも行きます行きます! 交通以外でも、私が傍聴しなくてどうする、な事件はあるのです。先日も、ある弁護士さんから電話をもらい、その日は休む予定だったのに出かけました、感動しました。

2025年12月16日 (火)

32歳の女性被告人に刑務官6人、うち4人は厳重装備!

 前記事からの続き、である。

 

 続いて東京高裁の別の法廷で14時から、被告人が女性氏名の「殺人、死体遺棄、旅券法違反、出入国管理及び難民認定法違反、公文書偽造」、の判決。
 非常階段を駆け下り13時47分頃に行くと、行列はまだ短かった。私は21番目だった。行列はどんどん伸びた。

 

 13時53分、法廷のドアの施錠が解かれた。

 傍聴席42席のうち、最前列の11席が塞がれていた。残りは31席。非常階段ではなくエレベータを選択していたら、傍聴できなかったかも。

 しかも、主に傍聴席を取り囲んで裁判所の職員が8人も。ん?

 

 奧のドアから被告人(身柄、拘置所)が現れた。なんと、同行の官(たぶん刑務官。通常は2人)が6人! それも、うち4人は警察の機動隊のような厳重装備だ! 濃紺色のヘルメットの後ろに、同色のネックガードが垂れている!
 被告人は有名な殺人マシーン? あるいは、熊ですか?

 いや、上は白色系、下は黒色系のスエット、ちりちり(?)ヘアがお洒落に広がった風の若め女性だった。じつはよっぽど凶暴なのっ?

裁判長 「主文。本件控訴を棄却する。当審における未決勾留日数中580日を原判決の刑に算入する」

 「母親の頭や顔になた状のナイフ振り下ろして殺害しベランダに遺棄、懲役16年判決…宇都宮地裁」と2024年3月16日付け読売新聞。懲役16年(未決算入は報道タブー)が維持されたってことだ。
 余談だが、こういうのをメディアはよく「高裁も懲役16年を言い渡した」と報じる。

 読売記事に出てくる「なた状のナイフ」は、刃体長約39.5cmのマチェートナイフ、と聞こえた。マチェット、マシェットか?

 争点は主に責任能力だった。被告人は精神状態が尋常じゃなかったらしい。しかし…。

裁判長 「多少、異常な…にあったとはいえるが…事理弁識能力…行動制御能力…相応に有していた…」

 14時37分閉廷。被告人を被告人席に座らせたまま、まず傍聴人が退廷(意味的には避難?)させられた。

2025年12月15日 (月)

アイドル宅へファンが侵入、催涙スプレーをかけ!

 某日13時40分から東京高裁で、「被告人氏名秘匿」の「住居侵入、不同意性交等致傷」、の判決を傍聴した。

 被告人は身柄(拘置所)。年齢は、どうだろ、30代ぐらいか、ちょーっと分かんない。

裁判長 「主文。原判決を破棄する。被告人を懲役5年10カ月(※)に処する。原審における未決勾留日数中180日をその刑に算入する。原審における訴訟費用は被告人の負担とする」 ※10月(じゅうげつ)ではなく10カ月と言った

 控訴審における未決勾留日数は、原判決破棄なので全部算入となる。

 いったい何をやったのか。

 2024年9月某日、被害者A(22歳)宅へ、正当な理由なく玄関から侵入。
 6日後、A宅に今度は窓から侵入、Aに催涙スプレーをかけて抱きつき、性交しようとしたが、Aが抵抗してその目的を遂げなかった。Aは逃げる際か、引き倒され、全治まで約7日間の化学性顔(がん)損傷と下腿打撲等の傷害を負った。

 性交等の部分は未遂だったのだ。私はほっとした。「致傷」の部分が既遂だと、事件名に「未遂」の2文字が付かない、昔からそうだ。

 

 いきなり催涙スプレーという点以上に、以下の部分に驚いた。

裁判長 「被告人は、芸能活動をするAのファンであった…Aの親族を尾行して自宅を突き止め…侵入…下着を含む私物を写真撮影…その数日後…Aと性交しようと…拘束具等を準備し…計画的犯行…Aは、ファンから性被害…仕事を続けるのが苦痛…」

 えーっ。そんな報道があったっけ。被害女性はアイドル? 犯行日などでいろいろ検索してみたが、私の能力と執念が足りないせいか、ヒットは得られなかった。

 何を、なぜ、破棄したのか。原判決は懲役7年、原判決後、刑事損害賠償命令手続きにより和解金として金300万円(※)を支払ったが、Aは許したわけでなく、精神的損害が回復するものでもない…。 ※千300万円?とも聞こえたけど、まさかね。

 被告人は両サイドを刑務官に挟まれ、両ももに両手を置いたまま、じーっと聞いていた。姿勢も表情もずっと変わらなかった。13時46分閉廷。

 なお、原判決破棄なので、控訴審における未決勾留日数は全部算入される。

 

 私はすぐに法廷を出て、非常階段を駆け下り、東京高裁の別の法廷へ。そっちのレポートも続けて書き、いったんアップしたのだが、いやいや待て待て、あれこれ続けて書くのは私の悪い癖、と思い直し、削除した。そっちのレポートは翌日回しとします~。

2025年12月14日 (日)

俺のマイナカード

 マイナカード(マイナンバーカード)には懲りた! という話をしとこう。

 

 あれはもう10年も前か、もっとずっと前か、複数の出版社から、経理の関係でマイナンバーが必要と通知がきた。

 当方の経理担当からもうるさく言われ、ま、どんなものかいっぺん試してみるか、という冒険心もあり、手続きに出かけた。
 顔の写真が必要だそうで、写真の自販機というか、ほら、あれに500円か投入し、マイナ用の写真をゲット。

 申請者はあまりおらず、スムーズだった。
 暗証番号を2つ決めるよう言われたっけ。大切に保管してください、非常に重要なカードなので、無闇に持ち歩かないように、などと言われた。

 

 マイナカードがあればコンビニで住民票をとれる、役所の窓口より手数料が100円だか安いという。
 よぅし、と冒険心で挑戦。痛感した、こいつは、仕組みを熟知している者向けの仕組みだ、素人は手を出すな、と。降参して窓口へ戻った。

 

 さて、この非常に重要なカードをどうする。

 冷凍庫の底に隠すか。台所の引出しの、スプーンや何かの下に?
 いや、手慣れた侵入盗犯(空き巣狙い)はそういうところを真っ先に探すとも聞く。うむぅ。

 そこで私は、どんな侵入盗犯も、想像もつかないだろう場所に隠した。ふふ。

 

 そうして、侵入盗の被害を受けないまま、数カ月が過ぎ、数年が過ぎ、あるとき、マイナカードが必要になった。
 諸君のご想像どおり、忘れた、隠し場所を。私が思いつきそうな場所を必死に探したが、人間は成長するものだ、昔の私と今の私と、やっぱり考えが違ったようだ。どうにもこうにも見つからない。
 ちなみに2つの暗証番号は、とっくの昔、たぶん10億年前に忘れたよ(笑)。

 

 役所に電話した。再発行のためには、警察に遺失届けを出さねばならないという、ええっ。

 私は交番へ行った。無くしてはいない、隠し場所を忘れただけだ、必ず自宅内にある、なのに遺失届けを強要されたのですと、必死に説明した。だぁって、虚偽の届け文書を作成し、公務所に提出して行使したと逮捕されては困るもん。

 遺失届けの原本か副本を出したら、たっぷりの書類が届いた。最新の顔写真を貼付(ちょうふ)し、新たに申請書を郵送せよと。
 写真の自販機は、だいぶ値上がりしていた。私はデジカメで自撮りし、量販店の何ちゅうのあの機械で安くプリントし、貼付した。

 1週間か2週間経ち、また書類が届いた。顔写真に不備があるのでやり直せ、と。背景に柱の一部か何か映っていたのが駄目らしい。
 もうね、私はね、すぽーん、となった。マイナカード、要らねっ!

 

 出版社等からの書類や、税務署の書類には、住民票に小さく記載されたマイナンバーを書き写して対応した。何ら問題ない。

 とりあえず以上、覚え書きとして。

2025年12月12日 (金)

スマホに脇見して時速80キロで突っ込んだ!

 「首都高で事故、2歳児死亡 3台玉突き、東京・板橋」と2025年4月19日付け秋田魁新報。 ※魁=さきがけ。

 12月10日13時15分~、東京地裁でその第4回公判、「過失運転致死傷」の判決言渡し、を傍聴した。
 被告人は保釈中。濃く伸びた坊主頭でずんぐり系の若者だ。黒スーツに黒系ネクタイ。背中がむっちりしている。

 事故歴5回、なのに前科なし。「過失運転致傷」で立件されたが、不起訴で終わったのか。被害者のケガの程度が2週間以内、治療費等が保険で出るケースを、検察はほぼすべて不起訴にしているのだ。

 そうして本件をやらかした。準中型貨物で首都高(※)を運転中、片手に持ったスマホに脇見。渋滞で減速走行中の車列に、時速約80キロで突っ込んだ…。 ※首都高は自動車専用道路。裁判官は「高速道路」と言った。

 それをやれば大変なことになると決まってることを、あえてやり、大変なことになったわけで、事故では全くない。少なくとも未必的な故意が優に認められ、故意に欠けるところはない。交通無差別殺傷事件、私はそう思うのだが。

 

裁判官 「主文。被告人を懲役3年に処する…」 ※求刑は懲役4年。禁錮ではなく懲役!

 主刑が3年までなら執行猶予を付すことができる。もしや懲役3年、執行猶予5年かも、と被告人はちらり思ったろうか。裁判官は続けた。

裁判官 「…もう一度くり返します。懲役3年に…」

 裁判官は――それがこの人の個性と思う――決まりの短文をひらひら棒読みする感じで読み上げ、溜めをつくらずソク上訴権を告げた。言渡しは3分で終わった。

 傍聴席から2人の男性が立ち上がり、バー(傍聴席の前の柵)の中へ。保釈を取り消し収監するのだ。こんな者が何年、何十年刑務所へ行こうと、失われた命は戻らない。

 検察官の後ろの席にいた被害者参加人(死亡男児の両親)のうち女性が、憤怒の表情のまま涙があふれた!

 

 

 私はすぐに法廷を出て、そばの非常階段を駆け上がった。真上の法廷で13時20分から「過失運転致傷」の判決。

 こちらの被告人(非身柄)は、いかにも年寄り年寄りしたお年寄りだった。80歳代か。耳が遠い。

裁判官 「主文。被告人を拘禁刑1年に処する。この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予する」 ※2025年6月1日から懲役、禁錮が拘禁刑になった。

 過去に同種の罰金前科があり、多数の交通違反歴があるが、体刑の前科はナシ。脇見して赤信号を看過、右折してきた二輪車に衝突、重傷を負わせた…。

裁判官 「免許証返納の意思はなく…猶予は最長の5年としました」

 

 廊下へ出て壁の開廷表をメモっていると、被告人と弁護人が出てきた。

弁護人 「5年は長い…免許、返納しないと言ったから…」
被告人 「免許…取消し…」

 被告人の頭には取消しのことしかなく、返納が入り込む余地はなかった、そう聞こえた。私は傍聴ノートに「話が通じてないみたい」と赤ペンで書いた。

 ちなみに、運転免許の返納は、取消し処分の対象者はできない。この被告人が返納するためには、取消し処分の欠格期間が明けてから、再度運転免許証を取り直し、それから返納することになる。

 

 13時40分から東京高裁で、被告人氏名秘匿の「住居侵入、不同意性交等致傷」の判決を、14時から高裁の別の法廷で「殺人、死体遺棄、旅券法違反、出入国管理及び難民認定法違反、公文書偽造」の判決を傍聴した…。

2025年12月10日 (水)

強制執行妨害と、しっとり黒髪の女生徒8人

 「ん?」となった、東京地裁の1階のタブレット開廷表を見て。

 公務執行妨害、じゃない、「強制執行妨害」、なんだそれ、めちゃくちゃ珍しいぞ!

 

 なのに傍聴人は私だけ? と思ったら背後に「前から詰めて座って」との声が聞こえ、ぞろぞろと女生徒らが入ってきた。女生徒が8人。同行の男性が2人。

 黒(または黒紺)のブレザーの制服、スカートは全員膝丈、そして全員、長い黒髪!
 その黒髪が、しっとり艶があって濃密というか重量感がある。私は額上部に艶があって髪は軽やか、ほっとけ!

 

 被告人は身柄(拘置所)、例の官給品のスエット上下。40歳代か、マイルドな顔立ちだ。

裁判官 「主文。被告人を拘禁刑8月に処する。この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する」

 正確じゃないと思うが、メモできたところでは…。

 民事の裁判で、居住する建物の明渡しを、仮執行付きで命じられ、しかし、控訴中なのに強制執行ができるのかと、退去しなかった。
 訪れた執行官の公務を、ナイフを示して妨害した。前科前歴なし。認めて反省…。

裁判官 「執行官が110番通報すると言い、被告人は同意した…110番通報を余儀なくさせたものではない…(との主張)…仮に被告人が同意したとしても、執行官が危険を感じて通報せざるを得なくなったことに変わりはない…」

 審理の期日を私は傍聴していない。なぜ民事訴訟で負け、強制執行に至ったのか、不明だ。裁判官は最後に言った。

裁判官 「これから、おうちのこと…持ってるお金…社会的な制度を利用して…生活をしていってもらえれば…その真面目さがあなたにあると思っています」

 こういうの、心に染みる被告人もいるだろう。心の支えになる被告人もいるだろう。
 一方、「けっ、たかが親ガチャで勝ち組の、世間知らずの試験エリート野郎のくせに、見下しやがって!」と怒りを燃やす被告人もいるかも、なんて私はちらっと想像するのだ。

 

 帰宅後、超絶マニアックデータ内を検索してみた。
 なんと、「その2」のほうに「強制執行妨害」は9件もあった。現時点で約5万7230件中9件。今回ので10件。10件もあれば、めちゃくちゃ珍しい、とまでは言えないんではないか。

 「その1」には不見当。だからつまり、今回のが私は初めての傍聴なのだ。

 しっとり黒髪の女生徒らは、おそらくは初めての裁判傍聴で、相当程度に珍しい判決に遭遇したわけだ。諸君は強運だぞよと声をかけることを、私はしなかった。行動制御能力がそれなりに認められる(笑)。

2025年12月 8日 (月)

おいしい仕事へうほうほ出かけたら

 「海外で良い仕事がある。こんな日本から飛び出し、稼いでみないか」とか言われたら、若い頃の私なら行っちゃいそう、と12月6日に書いた。

 今、思い出した。私は行っちゃったことがあるのだ、若い頃、外国じゃなく千葉へ。その話をしとこう。

 

 社長の運転手で月30万円だっけ、そんな求人を何かで見たわけ。私が20代前半で、日当7500円のトラック運転手のアルバイトを週に3日ほどやってた頃だったか。

 30万円なんて大金、どう使う? ビールの大びんを2ケース買っちゃうか? なーんて舞い上がったもんだ。
 それで、まずは都内の某ビルへ面接に行き、千葉の某旅館へ行けと言われた。交通費として2千円か、出た。おお~、と思った。

 私はホンダCB250RSを運転して、行ったさ。

 

 安そうな和風旅館の一室に、こたつを囲んで、私のような男たちが数人。要するにこんな話を聞いたと記憶する。

「外国製の腕時計やオーストリッチの財布を安く仕入れ(親玉から買い)、車で田舎へ行き、売る。5千円で仕入れて1万円で売れば5千円の儲け。2万円で売れば1万5千円の儲け。■■■■(有名芸能人)は(有名になる前だったか、人気が萎んでからだったか)この仕事で稼ぎ、リンカーンコンチネンタルを買った」

 安価で仕入れたまがい物、模造品を、高額で押し売りしてまわる、そういう仕事なのだ。
 どの地域へ売りに行くか、指示された。すでに荒らした地域じゃなく、無垢(むく)な地域をまわれというのだ。

 なんだそれ~! 社長の運転手と違うじゃーん! 私はCB250RSに乗り、逃げ帰った。他の男たちはどうしたか、知らない。

 

 なぜ私は逃げ帰ったのか。やっぱ、農家の爺ちゃんたちを騙して現金をつかむ、そういう自分が想像できなかった。死語かもしれないが、良心(りょうしん)、てやつか。

 因みにリンカーンコンチネンタル。見栄っ張りな男たちの、あこがれのアメ車(アメリカ車)だったよね~。リンカーンコンチネンタル、響きがいいよ。

2025年12月 6日 (土)

特殊詐欺の架け子と話した件

 いつだっけ、昼間の詐欺電話をメモった。

 メモ紙とペンを取り出す前にどんなやり取りがあったか、ごめん、忘れた。
 以下、メモをもとに。だいぶ抜けがあるし、このとおりの文言ではない。■■、●●を伏せる理由は言わない。

 

架け子「■■■■を知っていますか…知人にいますか…」

 断っておくが、私は最初っから詐欺電話と確信している。架け子と話すのは裁判傍聴の役に立つ。

今井 「さあ、どうだろ、わかりません。関係ないと思います」

架け子「■■■■はマネーロンダリングのグループです…他人名義のキャッシュカードを…楽天銀行に口座がありますか」

今井 「楽天…どうだっけ」

架け子「あなたは■■■■グループに加担した…カードを紛失したことがありますか…あなたの口座が振込詐欺の口座として使われています…被害者が出ています…資金洗浄の可能性…あなたあてに被害届けが出ています」

今井 「えーっ、知りません知りません…被害届け…いくらの被害ですか」

架け子「金額は言えません…口座の売買は…」

今井 「加担、してません、してません」

架け子「調書をとります…調書…よくある取調室で、調書を…そこにハンコがあれば証拠になります」

今井 「えーっ、調書ですか、いつですか」

架け子「リモートも可能です。リモートの環境、ありますか」

 リモートで調書、面白すぎっ。爆笑をこらえて…。

今井 「リモート、どうやるんですか」

架け子「■■■■グループ詐欺事件…事件番号があります…令和7号、平仮名のわ、××××…」

 一般に地裁刑事の通常第一審の事件番号は「令和7年(わ)第×××号」だ。「令和7号(わ)…」なんてない。架け子のマニュアルの作成者は起訴状を受け取った経験がある、けれどもよく憶えてない、のかな。

 電話でも調書をとれるという。奇想天外な発想、面白いよね~。

架け子「転送するので、切らずにお待ちください」

 このあと、しーんとなってしまった。保留音も呼出音もない、あれっ? なにかボタンを押したら、切れてしまった。

 ここまでの通話は16分25秒、架け子の電話番号の頭は「+969」だった。

 

 すぐにまたかかってきた。今度の番号の頭は「+1877」。●●●●と名乗った。今度は19分7秒も通話した。

架け子「警視庁から転送…楽天銀行…開設してない? ■■■■、全く知らない人? なるほど…■■■■は、偽名かもしれませんが、年齢は45歳、身長は175cm前後、やせ型、顔の、正面、鼻の右側に、小豆(あずき)大のほくろ…」

 それって変装用のほくろでは。「鬼平犯科帳」にそんな話があったよ、などと私は言わず、話を聞いた。

架け子「記憶がないのですか…不特定多数と接するお仕事ですか?」

 その意味がよくわからない。

架け子「楽天銀行に開示をかけたら、あなたの電話と住所が出てきました。6千万円…19人が300万から数千万円…被害届けが出ています…強制捜査がかかると大変です…あなたは嘘を言ってる傾向がないかな…ご足労をかけるのも…」

 だから温情で、リモートか電話でやってあげる、ということか。なのに私は阿呆なことを口走った。

今井 「暇だから行きますよ」

架け子「あなたは大丈夫そうだから、では被害届けの先を■■■■か誰かへ向けます…丸の内署へ来られますか」

今井 「いつ」

架け子「丸の内署へ、月曜、4時に」

 普通は行けない、怖いとか言うのだろう。私はこう言ってしまった。

今井 「月曜、16時ですか、行きます。丸の内署のどなたに?」

架け子「署内へ行けば…生活安全課…捜査2課が出てくると思う。電話は、03-3581-4321、これは警視庁、丸の内署は03-3213-0110…4時を過ぎたら電話しますよ」

今井 「私がかけるんですか」

架け子「こちらから電話します」

今井 「あのう、これ詐欺でしょ」

架け子「ああ、なるほど」

 電話はぷつんと切れた。丸の内署へ行くと言い出すなどおかしいと思い、それで「なるほど」だったのかな。
 月曜日、ころっと忘れて丸の内署へ行かなかった。電話はなかった。

 結局、なに名下(めいか)で金を詐取するのか、そこまで話が進まなかった、残念~。

 

 ところで、私はねえ、どうも架け子を罵倒する気になれない。
 「海外で良い仕事がある。こんな日本から飛び出し、稼いでみないか」とか言われたら、若い頃の私なら行っちゃいそう

 ところがタコ部屋に囲われ、個人情報をとられて「裏切ったら殺す。家族も殺す」と脅され、ノルマを課されて毎日日本へ電話をかけまくってるんでは。逃げようとして凄絶なリンチの果てに殺された者もいて、目撃してるんでは。生きて日本へ帰れないのでは。

 今の私は熟練の(笑)裁判傍聴マニアだからそんな想像をするが、若い頃の私だったら、ねえ。

2025年12月 4日 (木)

“有名人”の本人尋問を2件傍聴した件

 「偽の駐禁除外標章の使用認める 元時津風親方、1月判決」と12月3日付け東京新聞。この期日を私は、マニア氏から教わって傍聴した。
 罪名は「有印公文書偽造・同行使」、偽造と行使、求刑は懲役1年6月だった。

 

 じつは昨年、犯行現場が同じ墨田区内の、除外標章の事件を私は傍聴したことがある。そっちは全く偶然に遭遇、興奮したよっ。
 公訴事実は使用のみで「偽造有印公文書行使」。求刑は懲役1年。判決は懲役1年、執行猶予4年だった。

 

 12月3日は、元親方の事件のためだけに東京地裁へ行ったわけだが、なんと偶然、“有名人”の民事の本人尋問を2件も見つけた。

 

 11時30分~12時15分、「損害賠償請求事件」、原告欄には「株式会社日本文化チャンネル桜」、被告欄には「西村博之」と。でも傍聴は数人。
 これ事件番号に「令和4年」とある。ずいぶん長く続いてるね!
 

 原告席には、きちーんと白髪スリム長身のお年寄り(原告代理人弁護士。バッヂあり)と、だいぶメタボな年配男性が。被告席には、青色系シャツに緑色系ネクタイ、白髪混じりのおっ立てヘアの中年男性が。バッヂなしだけど被告代理人弁護士でしょ。
 被告代理人弁護士と書記官が「フランス語」がどうとか話してた。なんだろ。

 原告席のメタボな男性が証言台のところに座り、本人尋問が始まった。
 氏名を私は「みずしま、たけお? たてお?」とメモった。あとでネットで調べると、画像的に水島聡氏かと思われる。私の聞き違いか、まさかよく似たご兄弟?

 有名な「ひろゆき」氏が、チャンネル桜か水島氏を「エセ保守」「ビジネス保守の人たち」とか言い、統一教会に対する批判は緩い旨を言ったのかな、証人は非常に憤慨しているふうで、尋問を超えて迫力たっぷり勝手にだーっとしゃべりまくるシーンが多かった。
 そもそも弁護人の問いが漠然としていて、演説のきっかけを与えるような、とも感じられた。 

 今日は「みずしま」氏の尋問だけで終わり、終結、次回判決、2月18日と指定された。あっさり請求棄却か、いくらか被告に支払を命じるのか、傍聴したいけど…。

 

 13時30分~14時15分、同じ法廷で別の「損害賠償請求事件」、原告欄には「山中裕」、被告欄には「山本一郎」と。こっちも傍聴は数人。

 原告席には、ラフな格好で長身の、口先が何か不満とか言いたげな形の中年男性(バッヂは見えないが原告代理人弁護士か)。存在感がある。ネットでちらっとお見かけしたような。

 被告席には、黒ジャケット、インナーは黒のTシャツか、チノパンの被告代理人弁護士(バッヂあり)と、白髪混じりでややメタボな、なんか感じの良い中年男性。
 その中年男性の今日は本人尋問で、「やまもといちろう」と名乗った。

 あとでネット検索、「山本一郎氏による虚偽の情報発信に関する名誉毀損訴訟提起のお知らせ」というのがヒットした。あっ、原告席のあの人が福永活也弁護士なのだ。

 金銭貸借なんとかについての偽造や暴力団との関係等について、複数の関係者にこれこれこう取材していると証言し、一部の取材源については(もちろん同意があるのだろう)氏名を明かした。
 「選挙妨害つばさの党ガサ入れの奥深さを知るための補助線」などがヒットする。

 終結して次回判決、2月25日。これも主文を傍聴したいよね~。

2025年12月 3日 (水)

悪いことしたら牢屋へ行くんだぉ

 前記事からのつづき。

 

 続けて別の法廷(大川隆男裁判官)で、やはり女性被告人の「窃盗」の判決を傍聴した。

 被告人は保釈中。白黒格子柄の長袖シャツに、白っぽいズボン。肩までの長さの焦げ茶色の髪は、染めたんだろう、50代くらいのおばさんだ。
 弁護人が再開請求、被告人の夫からの書面を証拠請求した。検察官は同意。

書面   「6月25日の裁判(第1回公判)以降、体調が優れず…癌は闘う病気で、妻がいなければ私は負けてしまう…ベッドのそばのトイレへも1人では行けない…娘は大学卒業後、海外勤務が決まり…最後の抗癌剤治療…家族と過ごさせてください…」

 再開したので、再度結審するにあたり、被告人の最終陳述、こう述べた。

被告人 「あの、主人が、やっぱり、おととい退院して、癌の最後の治療、これから大変だから、毎月、点滴打って、抗癌剤、あたしが…ぜんぶやってるから…わたし自身、クリニック、ミーティング、更正の道を…治療させてください」

 裁判官は壇上で少し書類をチェックして、判決を言い渡した。

裁判官 「主文、被告人を懲役10月に処する。主文は以上です」

 2012年に万引きで罰金30万円。2014年5月に万引きで懲役1年、執行猶予3年。そして今回、2015年4月、スーパーで婦人靴等9点、販売価格合計2万7518円を万引き。
 前回の期日で、癌の夫が証人出廷したという。

裁判官 「裁判所としても、配偶者の方の証言には心を動かされるけれども…犯した罪の責任を取ってもらうというのが…」

 言渡しが終わり、満席に近かった傍聴人がぞろぞろ出ていく頃、若い男女職員がバー(傍聴席の前の柵)の中へ入った。保釈を取り消し収監するのだ。

 最後まで傍聴席に残る2人…あっ、娘と夫なのだ! 夫は、顔色がものすごく悪く、完全に無表情だった。被告人は、被告人席に座ったまま斜めに夫へ体を向け、泣きそうな、強く叱られた子どものような表情をしていた。被告人が刑務所にいる間に、夫は独り死ぬのだろうか。

 

 絶対に再犯しないと、どんなに激しく誓っても、再犯すれば自分の家族も破滅と分かっていても、万引きできる瞬間がくれば全部吹っ飛ぶ。理性なんぞではどうしようもない、窃盗症、クレプトマニア、私は万引き病と呼ぶ。

 しかし、何も分からない幼稚園児は無邪気に言うだろう、「悪いことしたら牢屋へ行くんだぉ」。それを別の言い方で言えば「犯した罪の責任は取ってもらう」になる…。

 『塀の中のおばあさん』、これ東京地裁地下の至誠堂書店に注文しよう。

2025年12月 2日 (火)

次はもう実刑と言われたのにまた万引き

 伝説のメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代」から、心に残る裁判を少し。以下は2015年7月の第1522号「次はもう実刑と言われたのにまた万引き!」の一部である。

 

 2014年11月4日(火)、東京簡裁534号法廷(20席、大阪高裁部総括を定年退官して簡裁判事になった松尾昭一裁判官)で「窃盗」を傍聴した。

 私は傍聴ノートに絵を描かない。文字でスケッチする。本件についてはこうだ。被告人は非身柄。洒落た黒のスカートスーツ、たっぷりフリル付きのブラウス、髪はきれいなボブカットで、痩せて鼻が尖って目が大きめ…。そして率直な印象をこう書いた、整形美人。

 川沿いを歩いて「風呂」へ行く途中、コンビニで石けん(ボディソープ)163円を万引きしたのだった。松尾裁判官はこう言った。

裁判官 「万引きはくり返す人が多いんです。捕まったときは、もうやらないと言うでしょ。それはウソ言ってるわけではない。ところがまたくり返してしまう…もうあなた、あとがないですよ」

 求刑は懲役1年。松尾裁判官は理由なく懲役10月に下げ、執行猶予3年とした。そしてさらにこう言った。

裁判官 「あなたは盗み癖がある。ないとは言えない。今後、相当の決意がないと、またやってしまうのでは、という心配がある。1回だけは社会内で立ち直る機会を与えることにしました。次はほぼ間違いなく実刑判決になります。聞いてませんは通用しませんよ」

 被告人は深く頭を下げた。

 

 

 そうして2015年、また「窃盗」の被告人として、今度は東京地裁の法廷(丸山哲巳裁判官)へ出てきたんである。

 7月9日、判決言渡し。私はこうスケッチした。身柄(拘置所)。濃い髪はつやがあり、適度にルーズなクリーム色のサマーセーター、おっぱいの形が良く、しかし白黒縦縞のミニスカートから伸びた足は、やけに血色が悪い。年齢は50代前半のはずなのだが、年寄りの足のよう。整形美人風。

裁判官 「主文、被告人を懲役1年に処する。未決勾留日数中20日をその刑に算入する」

 夕方のスーパーでTシャツ1枚等5点、販売価格合計1万7992円を万引き。

裁判官 「同種前科…平成25年(2013年)4月、罰金50万円…平成26年(2014年11月懲役10月、執行猶予3年…わずか5カ月余りでまたもや…高齢の父親がいることを考慮しても…」

 松尾裁判官からああ言われ、深く頭を下げたのに、またやって今度は実刑判決。前刑の猶予は取り消され、2つ併せて(続けて)服役することなる。
 こうなることを見越して松尾裁判官は、求刑1年を理由なく10月に下げたのか…。

 つづく。

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