前科調書を検察官が証拠請求し忘れた!?
無免許か飲酒運転で執行猶予付きの懲役(犯行日が2025年6月1日以降なら拘禁刑)の判決を受け、その猶予中に易々(やすやす)とまたやり、「今度こそ本気で反省しました。どうか再度の執行猶予を」と懇願…。
高裁の「道路交通法違反」はそのパターンが最も多い。
先日、東京高裁の805号法廷(細田啓介裁判長)で、そのパターンの飲酒運転の控訴審をまた傍聴した。
だが! 非常に珍しい部分があった。興奮しつつご報告しよう。
裁判長 「弁護人は控訴趣意書を陳述…量刑不当の主張…事実調べ請求…弁1から3と、被告人質問…」
これを検察官は、すんなり同意、然るべくとした。へえ。
裁判長 「一方、検察官からも事実調べ請求…」
ええっ、量刑不当の飲酒運転の控訴審で、検察官が追加立証をするって、あり得ないっしょ!
裁判長 「前科調書…略式で、罰金の…」
はあ? そんなのなんで控訴審で出すの。原審で出せなかった「やむを得ない事由」、ないでしょ。弁護人は不同意でしょ。
ところが弁護人は同意した。
被告人質問が始まった。刑務所へ行くと困る理由をこう述べた。
被告人 「仕事(建設業)に穴を開けてしまう…世間一般に恥ずかしい…仕事とか家族とか、とても迷惑、かけてしまう…」
飲酒運転の危険性についてどう思うか、については沈黙した。
弁護人 「免許とって数週間で…」
免許取消処分を食らい、欠格期間が明けて免許を取り直し、数週間で本件飲酒運転を?
被告人 「深く、反省してます」
弁護人からの主質問は数分で終わった。次は検察官だ。「ございません」かと思いきや…
検察官 「××の地裁で…そのとき、検察官、あなたの前科、1犯と…(しかし)平成27年と平成31年…罰金刑…今日出した…自動二輪の飲酒運転…」
被告人 「はい」
平成27年は2015年の意味だ。平成31年は、2019年の1月1日~4月30日までをいう。
なんと、原審で立会(りっかい)検察官は、2犯分の前科について立証しなかったんだね。
今回弁護人が同意したってことは、何か驚きの「やむを得ない事由」があったのだろう。その疎明資料を出したのかな。
来年1月の判決は、そのことに触れるはず。ぜぜ絶対傍聴しなければ!
判決の期日を被告人に告知して、裁判長は言った。
裁判長 「控訴審は、出席の権利はありますが、出頭の義務はありません」
出席と出頭、おお~! 「出頭の権利」っておかしいから「出席」と言ったのかな。そんな使い分け、初めて聞いたよっ!
私はね、有名芸能人の薬物裁判より、こういうシーンにこそ興奮するのだ、痺れるのだ、素敵でしょ(笑)。
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