スマホに脇見して時速80キロで突っ込んだ!
「首都高で事故、2歳児死亡 3台玉突き、東京・板橋」と2025年4月19日付け秋田魁新報。 ※魁=さきがけ。
12月10日13時15分~、東京地裁でその第4回公判、「過失運転致死傷」の判決言渡し、を傍聴した。
被告人は保釈中。濃く伸びた坊主頭でずんぐり系の若者だ。黒スーツに黒系ネクタイ。背中がむっちりしている。
事故歴5回、なのに前科なし。「過失運転致傷」で立件されたが、不起訴で終わったのか。被害者のケガの程度が2週間以内、治療費等が保険で出るケースを、検察はほぼすべて不起訴にしているのだ。
そうして本件をやらかした。準中型貨物で首都高(※)を運転中、片手に持ったスマホに脇見。渋滞で減速走行中の車列に、時速約80キロで突っ込んだ…。 ※首都高は自動車専用道路。裁判官は「高速道路」と言った。
それをやれば大変なことになると決まってることを、あえてやり、大変なことになったわけで、事故では全くない。少なくとも未必的な故意が優に認められ、故意に欠けるところはない。交通無差別殺傷事件、私はそう思うのだが。
裁判官 「主文。被告人を懲役3年に処する…」 ※求刑は懲役4年。禁錮ではなく懲役!
主刑が3年までなら執行猶予を付すことができる。もしや懲役3年、執行猶予5年かも、と被告人はちらり思ったろうか。裁判官は続けた。
裁判官 「…もう一度くり返します。懲役3年に…」
裁判官は――それがこの人の個性と思う――決まりの短文をひらひら棒読みする感じで読み上げ、溜めをつくらずソク上訴権を告げた。言渡しは3分で終わった。
傍聴席から2人の男性が立ち上がり、バー(傍聴席の前の柵)の中へ。保釈を取り消し収監するのだ。こんな者が何年、何十年刑務所へ行こうと、失われた命は戻らない。
検察官の後ろの席にいた被害者参加人(死亡男児の両親)のうち女性が、憤怒の表情のまま涙があふれた!
私はすぐに法廷を出て、そばの非常階段を駆け上がった。真上の法廷で13時20分から「過失運転致傷」の判決。
こちらの被告人(非身柄)は、いかにも年寄り年寄りしたお年寄りだった。80歳代か。耳が遠い。
裁判官 「主文。被告人を拘禁刑1年に処する。この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予する」 ※2025年6月1日から懲役、禁錮が拘禁刑になった。
過去に同種の罰金前科があり、多数の交通違反歴があるが、体刑の前科はナシ。脇見して赤信号を看過、右折してきた二輪車に衝突、重傷を負わせた…。
裁判官 「免許証返納の意思はなく…猶予は最長の5年としました」
廊下へ出て壁の開廷表をメモっていると、被告人と弁護人が出てきた。
弁護人 「5年は長い…免許、返納しないと言ったから…」
被告人 「免許…取消し…」
被告人の頭には取消しのことしかなく、返納が入り込む余地はなかった、そう聞こえた。私は傍聴ノートに「話が通じてないみたい」と赤ペンで書いた。
ちなみに、運転免許の返納は、取消し処分の対象者はできない。この被告人が返納するためには、取消し処分の欠格期間が明けてから、再度運転免許証を取り直し、それから返納することになる。
13時40分から東京高裁で、被告人氏名秘匿の「住居侵入、不同意性交等致傷」の判決を、14時から高裁の別の法廷で「殺人、死体遺棄、旅券法違反、出入国管理及び難民認定法違反、公文書偽造」の判決を傍聴した…。
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