フォト
2026年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ

« “有名人”の本人尋問を2件傍聴した件 | トップページ | おいしい仕事へうほうほ出かけたら »

2025年12月 6日 (土)

特殊詐欺の架け子と話した件

 いつだっけ、昼間の詐欺電話をメモった。

 メモ紙とペンを取り出す前にどんなやり取りがあったか、ごめん、忘れた。
 以下、メモをもとに。だいぶ抜けがあるし、このとおりの文言ではない。■■、●●を伏せる理由は言わない。

 

架け子「■■■■を知っていますか…知人にいますか…」

 断っておくが、私は最初っから詐欺電話と確信している。架け子と話すのは裁判傍聴の役に立つ。

今井 「さあ、どうだろ、わかりません。関係ないと思います」

架け子「■■■■はマネーロンダリングのグループです…他人名義のキャッシュカードを…楽天銀行に口座がありますか」

今井 「楽天…どうだっけ」

架け子「あなたは■■■■グループに加担した…カードを紛失したことがありますか…あなたの口座が振込詐欺の口座として使われています…被害者が出ています…資金洗浄の可能性…あなたあてに被害届けが出ています」

今井 「えーっ、知りません知りません…被害届け…いくらの被害ですか」

架け子「金額は言えません…口座の売買は…」

今井 「加担、してません、してません」

架け子「調書をとります…調書…よくある取調室で、調書を…そこにハンコがあれば証拠になります」

今井 「えーっ、調書ですか、いつですか」

架け子「リモートも可能です。リモートの環境、ありますか」

 リモートで調書、面白すぎっ。爆笑をこらえて…。

今井 「リモート、どうやるんですか」

架け子「■■■■グループ詐欺事件…事件番号があります…令和7号、平仮名のわ、××××…」

 一般に地裁刑事の通常第一審の事件番号は「令和7年(わ)第×××号」だ。「令和7号(わ)…」なんてない。架け子のマニュアルの作成者は起訴状を受け取った経験がある、けれどもよく憶えてない、のかな。

 電話でも調書をとれるという。奇想天外な発想、面白いよね~。

架け子「転送するので、切らずにお待ちください」

 このあと、しーんとなってしまった。保留音も呼出音もない、あれっ? なにかボタンを押したら、切れてしまった。

 ここまでの通話は16分25秒、架け子の電話番号の頭は「+969」だった。

 

 すぐにまたかかってきた。今度の番号の頭は「+1877」。●●●●と名乗った。今度は19分7秒も通話した。

架け子「警視庁から転送…楽天銀行…開設してない? ■■■■、全く知らない人? なるほど…■■■■は、偽名かもしれませんが、年齢は45歳、身長は175cm前後、やせ型、顔の、正面、鼻の右側に、小豆(あずき)大のほくろ…」

 それって変装用のほくろでは。「鬼平犯科帳」にそんな話があったよ、などと私は言わず、話を聞いた。

架け子「記憶がないのですか…不特定多数と接するお仕事ですか?」

 その意味がよくわからない。

架け子「楽天銀行に開示をかけたら、あなたの電話と住所が出てきました。6千万円…19人が300万から数千万円…被害届けが出ています…強制捜査がかかると大変です…あなたは嘘を言ってる傾向がないかな…ご足労をかけるのも…」

 だから温情で、リモートか電話でやってあげる、ということか。なのに私は阿呆なことを口走った。

今井 「暇だから行きますよ」

架け子「あなたは大丈夫そうだから、では被害届けの先を■■■■か誰かへ向けます…丸の内署へ来られますか」

今井 「いつ」

架け子「丸の内署へ、月曜、4時に」

 普通は行けない、怖いとか言うのだろう。私はこう言ってしまった。

今井 「月曜、16時ですか、行きます。丸の内署のどなたに?」

架け子「署内へ行けば…生活安全課…捜査2課が出てくると思う。電話は、03-3581-4321、これは警視庁、丸の内署は03-3213-0110…4時を過ぎたら電話しますよ」

今井 「私がかけるんですか」

架け子「こちらから電話します」

今井 「あのう、これ詐欺でしょ」

架け子「ああ、なるほど」

 電話はぷつんと切れた。丸の内署へ行くと言い出すなどおかしいと思い、それで「なるほど」だったのかな。
 月曜日、ころっと忘れて丸の内署へ行かなかった。電話はなかった。

 結局、なに名下(めいか)で金を詐取するのか、そこまで話が進まなかった、残念~。

 

 ところで、私はねえ、どうも架け子を罵倒する気になれない。
 「海外で良い仕事がある。こんな日本から飛び出し、稼いでみないか」とか言われたら、若い頃の私なら行っちゃいそう

 ところがタコ部屋に囲われ、個人情報をとられて「裏切ったら殺す。家族も殺す」と脅され、ノルマを課されて毎日日本へ電話をかけまくってるんでは。逃げようとして凄絶なリンチの果てに殺された者もいて、目撃してるんでは。生きて日本へ帰れないのでは。

 今の私は熟練の(笑)裁判傍聴マニアだからそんな想像をするが、若い頃の私だったら、ねえ。

« “有名人”の本人尋問を2件傍聴した件 | トップページ | おいしい仕事へうほうほ出かけたら »

刑事/詐欺」カテゴリの記事