外国人の不起訴率、調べてみたら
アメリカのトランプ大統領の影響かどうか、日本でも排外主義と陰謀論が大流行、選挙で勝ちたいなら外国人を叩け、みたいな感じらしい。
「外国人は7割が不起訴!」と盛り上がっている。7割が不起訴、ほんとなの?
2024年(それが現時点で最新)の検察統計年報から、交通違反、事故を除く犯罪の、外国人被疑事件の既済(きさい)人数を見てみる。※印は内数だ。
起訴 9759人
※公判請求 8287人
※略式命令請求 1472人
不起訴 1万2723人
※起訴猶予 9348人
※嫌疑不十分 2914人
公判請求とは、つまり正式な裁判への起訴。通常は懲役、禁錮、拘禁刑を科す。
略式命令請求とは、いわば罰金処理だ。法廷を開かない。
シンプルに「不起訴 ÷(起訴+不起訴)= 不起訴率」でもって計算すると、外国人の不起訴率は56.5%。あれっ? 7割じゃないょ。
なお、外国人の場合、日本人にはない犯罪、オーバーステイ(法廷へ出てくるときは「出入国管理及び難民認定法違反」)がある。同年のその起訴は2068人。そのことは今回は大胆に捨象する、申し訳ない。
年報には来日外国人被疑事件のデータも載っている。そっちも見てみよう。
起訴 7989人
※公判請求 7153人
※略式命令請求 836人
不起訴 1万0054人
※起訴猶予 7478人
※嫌疑不十分 2273人
同様に計算すると、こっちの不起訴率は55.7%。ほぼ変わらない。どうなってんの? 排外主義の基本はデマだから、「基本どおりにデマをばらまきました。わめきました」で、ま、いいのか。
ところで、来日外国人とは、警察庁によれば「我が国にいる外国人から定着居住者(永住者等),在日米軍関係者及び在留資格不明の者を除いた者」だそうだ。主に、いわゆるインバウンド、主に観光で、ほか学会やイベントなどで来日した方々か。
ちょっと待て、検察のデータは、外国人と来日外国人と別々のデータなの? もしや…。
どうにも気になり、法務省へ電話してみた。外国人のデータには来日外国人を含む、言い換えれば、来日外国人分は内数だという。へえ、そうなんですか。私はこの統計が大好きなんです、毎年楽しみにしてます、ありがとうございますと、つい口走ってしまった。受けたようだ、わはは。
💤 💤 💤
酒飲んで寝て、起きて気づいた、ちょっと待てよ、内数? 外国人のデータから、来日外国人分を引いた、つまり警察庁の用語を借りれば「定着居住者」の分はどうなるの?
起訴 9759-7989=1770人
※公判請求 8287-7153人=1134人
※略式命令請求 1472-836=636人
不起訴 12723-10054=2669人
※起訴猶予 9348-7478=1870人
※嫌疑不十分 2914-2273=641人
定住居住者の不起訴率は60.1%。来日外国人の55.7%より若干高い程度だ。
てゆっかさ、外国人の起訴の81.9%、不起訴の79.0%を、来日外国人が占めてるんだね。へえ~、知らなかったです。
いちおう、念のため、全体のデータ(交通違反事故を除く)を見ておこう。
起訴 10万5817人
※公判請求 6万8141人
※略式命令請求 3万7676人
不起訴 15万6264人
※起訴猶予 10万6499人
※嫌疑不十分 3万5784人
ここに外国人が含まれるのか、また法務省に電話。含まれるんだという。外国人は内数で、そのまた内数が来日外国人なわけだ。お忙しいところ何度も電話してごめんなさいね~。
全体の不起訴率は、59.6%。ほぼ変わらないじゃん。
だからつまり検察は、少なくとも起訴or不起訴に関しては、日本人、外国人、来日外国人、特に区別も差別もせず普通に処理している、といえるんでは。
このデータ、排外主義者に教えてあげる? うーん、無駄だと思いますよ。排外主義の闇に堕ちてしまった人は、デマにしがみついてヘイトを叫ぶばかり、山本リンダさんじゃないけど、もおどっおにっもっ止っまらっない、でしょ。
ただ、排外主義、ヘイトのデマを信じちゃいそうな人に対し真実を教えてあげるのは、それは良いと思う。
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