『取調室のハシビロコウ』(江口大和著、時事通信社)!
要するにだ、
1、建築関係の若い社長が、もっと若い社員Aに、会社の車を無免許運転させた。これは無免許者への車両提供罪に当たる。
2、Aは助手席に同僚Bを同乗させ、激突事故を起こした。Bは死亡した(合掌)。
3、Aは「会社の車は自分が無断で運転した。Bがふざけてハンドルをつかみ事故った」と供述。しかし良心の痛みに耐えかねたか、裁判で真相を自白。実刑判決を受け下獄した。これを【第1裁判】としよう。
4、Bを「犯人隠避」の、社長を「犯人隠避教唆」のそれぞれ被告人とする【第2裁判】がおこなわれ、Bは短い実刑、社長は執行猶予付き懲役刑とされた。
5、社長の車両提供罪を隠すよう入れ知恵したとして江口大和弁護士が「犯人隠避教唆」で逮捕され、【第3裁判】で有罪、執行猶予付き懲役刑とされた。
私は偶然に【第2裁判】の判決を傍聴し、【第3裁判】を途中から傍聴、さらにその控訴審を4期日傍聴した。
控訴審(控訴棄却)の有罪論法に私はひっくり返ったね。
裁判長 「しかし…だからといって…あり得ないとは必ずしもいえない」
裁判長 「およそあり得ない事態とはいえない」
裁判長 「現実的に考えられないとまでは必ずしもいえない」
そんな論法を持ち出されちゃ誰だって有罪だ。というか、そんな論法を持ち出すしかない、ずたぼろの有罪だったんだね。
【第1裁判】も【第2裁判】も江口犯人説で有罪を確定させちゃったんで、司法的にもう後戻りできなかったのだろう。
「無免許死亡事故、そこに隠されたまさかの冤罪!」というweb記事で私はレポートした。【第2事件】の判決言渡し後、法廷内ですんごいことがあったんだよ。
そうしてだ、【第3裁判】の江口大和氏(※)が本を書いた。『取調室のハシビロコウ 黙っていたら、壊された。ある弁護士の二五〇日勾留記』(時事通信社)である。 ※執行猶予付きでも懲役刑が確定したので弁護士資格を失った。
私は2025年12月、東京地裁地下の至誠堂書店に予約し、2026年の初登庁日である1月13日に現金で購入した。
「はじめに」に、こんな部分がある。
本書には、いくつかの新しさがある。
まず、検察官の取調べの実態について、当事者としての体験をもとに…。
刑事弁護をよくやっていた弁護士が、自ら逮捕、勾留、冤罪の被害者を体験するんである。場面場面で奥さん、担当弁護人の独白も出てくる。こんな言い方、申し訳ないけど、おもしろっ!
上記web記事にも書いたように、世間のすべての人は本件の報道を見て「ひっでえ弁護士がいたもんだ」と強く思ったろう。
誰も知らない、呆れた冤罪の、その被害者である、なんと弁護士が、リアルに淡々とレポート、お勧めしますわ。
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