マニアが痺れる鈍器本(どんきぼん)
警察庁は今、裁判所ビルの真向かいの巨大なビル、合同庁舎2号館に入ってる。
合同庁舎2号館の竣工は、2001年3月。その頃すでに、私は裁判所へ通いまくっていた。裁判所の小廊下の窓から「あの地下にプールをつくる話、どうなったんだろ」など思いつつ、工事の様子を窓から眺めた、遠い記憶。
裁判所へ通い始める前、旧庁舎の警察庁へ、オートバイで私はよく行った。名画『生きる』に出てくるお役所、に近い感じの庁舎だった。
当時はセキュリティゲートなんてなく、自由に入れた。入口の守衛さんに「交通局へ」とか告げたっけ、忘れた。
交通局の交通指導課や運転免許課へよく行き、ある日、若い課長補佐氏(階級は警部補)に何か尋ねた。
すると、机にずらっと立ててあった冊子等からぶ厚いのを抜き出し、詳しく教えてくれた。
「それ、なんすか? いいなあ、えっ、市販されてるんすか、へえ!」
即日だったか忘れたが、神保町の書泉グランデか三省堂書店か、新宿の紀伊國屋書店へオートバイで行き、そのぶ厚いやつ、『執務資料道路交通法解説』(東京法令)を買った。
当時で3千円台だったか。ぶ厚くて重い、いわゆる鈍器本(どんきぼん)だ。以降、改訂版が出るたんびに買った。どうにも金がなくて買えないこともたまにあった。
最新のは20訂版、上下2段組で1539ページ、5100円+税だ。
さあ、それでだ、2007年8月17日の当ブログに私はこう書いた。
名著『執務資料道路交通法解説』(東京法令)の原著者・野下文生警視は、1976年11月1日付けの大分県警本部長・滝田一成警視長の「推せんのことば」によると、
「私の趣味は道交法。一日に一回はどこかを読み、添削しないと寝つかれない」
という人だったそうだ。さすが、極めつけのマニアが原著者だけあって、名著である。
「私の趣味は道交法。一日に一回はどこかを読み、添削しないと寝つかれない」 、まさに道交法マニア、痺れるよねっ、と手元の同書を何気に開いた。
ぎょっ、「推せんのことば」がない!
あわてて仕事場を見回した。見えるところに16-2訂版があった。見た、が、「推せんのことば」のページ自体がない。
奥付を見てみた。2007年8月時点の最新刊は13-3訂版だ。それは今ちょっと見当たらない。もしかして廃棄した?
東京法令出版さん、もしご希望でしたら、私めが喜んで「推せんのことば」を書かせてもらいます。マニアが痺れる1冊、無人島へ漂流するときはぜひこの1冊をと。原稿料は不要です。もし出るなら、野下文生氏の御墓前に捧げます。よろしくお願いします~。
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