陰謀論者が集まって自説を開陳するイベント!
「訪日客戻らぬ地方空港 半数でコロナ前下回る 日中関係悪化で減便」と5月10日付け日経新聞、を紙の新聞(朝刊)で読んだ。1面トップの記事だ。
こうある。
日中関係や中東情勢の悪化で国際線の減便・運休が広がり、空港の収益下振れ圧力が強まる。
「高市発言や、イスラエル・アメリカのイラン攻撃による情勢の悪化」とは書かない、書けない、誰にも都合がある、商売がある、忖度がある、そして空には雲がある、よし、うまくまとまった(笑)。
この記事で私が「えっ…?」となったのは、結びの部分、こうだ。
地方空港に詳しい慶應大学の加藤一誠教授は「空港だけで外国人客を誘致するのは限界がある。地元自治体や経済界などが一体となって魅力ある地域づくりをする必要がある」と指摘する。
「限界がある」って、そもそも外国人客の誘致を、空港だけでやろうとしてたの? それが普通なの?
空港から誘われ、空港へ来る外国人、レストランとか売店とか、季節のイベントなんかを目的に? そんな旅行需要ってあったのか…。
交通違反、裁判傍聴、情報公開にばっか夢中になってると、世間のことに、こんなにも疎くなるのか。いやいや、あらびっくり新聞のほうが間違ってることも、ないわけじゃなかろうよ、だって、たとえば刑事裁判の被告人を、頑として「被告」と誤報し続けるし、反則金を払わないとどうなるか、ほんとのことを徹底的に避けるし、ねえ、と強がっておこう(泣)。
とりあえずこの件は、「よくわかりません」の引き出しに入れときますわ。
そんな日経新聞は夕刊の最終ページに週1回、書評のコーナーがある。
いつの夕刊だったか、「ファンタジー作家 小谷真理」氏が『陰謀論百物語』(荻原浩著、文芸春秋刊、2200円)を取り上げていた。
「大変貌する現代をあざやかに切り取る短編集」だそうで、小谷氏はこう書いている。
一番の傑作は、やはり表題作だろう……陰謀論者が集まって自説を開陳するイベントが企画されるという設定……そのバカバカしさ、おもしろさを存分に紹介しつつ、陰謀論現象自体を陰謀論的に検証していく。この痛烈なる社会風刺の鋭さとレトリックには、心底痺れた。
こう結ばれている。
このほか、「忖度」の意味を探求する「ああ美しき忖度の村」や、コロナ時代に浸透したマスクを素材にした「モンクコング対ゴネラ2021」など、抱腹絶倒。笑いを引き出す洞察力に、脱帽だ。
うぅ、めちゃくちゃ私が好きそうじゃないか。東京地裁地下の至誠堂書店に注文しようか、どうしよぉ。
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