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2026年7月26日 (日)

クレカで金地金81.2万円を購入、してません!

 夕方だっけ、通称家電(いえでん)、刑事裁判的には加入電話に着信あり。発信者不明…。

 普通、発信者不明の電話など詐欺かと思って出ない人が多いでしょ。出ないような者は相手にしない。詐欺は効率よくやらねば、第1のふるい、そゆことかと。私は出た。

 

 三井住友フィナンシャルグループを名乗る電子音声が言った、クレジットカード(以下、クレカ)の未払いがある、さらに聞きたい方は8番を押せと。押せばオペレーターにつながると。

 おう、詐欺だ詐欺だ! 私は8を押した。だいぶ呼び出し音があり、人間の男が出た。声からして30歳代かなあ。

 未払いがあるという、ご本人様確認が必要と言われ、かねて準備の偽名等をすらすら告げた。
 名前の部分に何か引っかかったか、確認すると言われ、けっこう待たされた。

 再度名前を確認され、きっぱりと偽名を私は告げた。架け子側は、名簿屋の名簿が少し間違ってると受けとめたか、詐話(詐話)は続くことになった。

 

 いわく、3月9日に私は三井住友のクレカを新規契約し、3月26日に田中貴金属から金地金(きんじがね)82万2千円を購入、その金が支払われていない…。

今井 「購入してませんけど」
架子 「えっ、購入されてない?」
今井 「してません」
架子 「クレカの下4桁は6290…三井住友銀行の大阪中央支店で、運転免許証で契約…請求書やお手紙をお送りしているはずですが」
今井 「えっ、届いてませんが」
架子 「ご住所は…」

 この流れで私の住所を私に言わせるのかな、と私は思った。が、架け子のほうで言った。

架子 「大阪府門真市中町1-12」
今井 「いやそれ違います」
架子 「お電話番号の市外局番は東京ですよね」

 近年全国的に多発しているクレカ詐欺だろう、放置すると81万2千円を請求される、金融機関の信用情報にも影響がある、あなたが不正契約の被害者であれば、被害届けを出してほしい、受理されると受理番号が発行され、法的な証明になる…。

 

 大阪へ来られるか、すぐには行けない、交通費は出ますか、出ません、というやり取りのあと、電話で被害届けを出せるという話になった。

架子 「緊急マニュアルを持ってきますので、30秒ほどお待ちください」

 保留音になり、しかしすぐにまたつながった。架け子は三井住友カード、東京本店の××と名乗り、警察に伝えるべき7項目をメモするよう言った。

 おうおう、すでにメモしながら対応していた私は、新たなメモ紙を用意し、言われるがままにメモった。

1、ファイルナンバー、765786、これで情報を警察と共有できる
2、カード名義人、×××(偽名)
3、新規申込日、2026年3月9日
4、申込み店舗、三井住友銀行、大阪中央支店
5、カード番号、下4桁、6290
6、申込者住所、大阪府門真市中町1-12
7、未払い金額、81万2千円、2026年3月26日、大阪市の田中貴金属、心斎橋店、クレカで購入

架子 「では復唱してください」
今井 「え、いいっすよ。ちゃんと書きましたから」

 あくまで復唱するよう言う。詐話に信憑性を持たせるためか。しょーがない、私は復唱した。

架子 「被害届けを受けてくれる警察署が定められています…防犯カメラとか調べる必要があるので…管理捜査権…大阪府警…」

 

 そうして…。

架子 「遠方での被害が多発している…全国の警察と連絡をとり…緊急通報…専用回線へつなぐことができます…緊急回線ならその電話ができます…必ずこう伝えてください…『偽造された運転免許証で、三井住友銀行のクレカを不正契約されたので、被害届けを出したいです』と…先ほどの1から7を伝えてください」
今井 「ははあ、なるほど」
架子 「契約していないことを、きちんと…個人情報が漏れていると、きちんとお伝えしてください」

 

 ここらで、その緊急回線へつながれ、架け子が交替した。今度の男(やはり30歳代ぐらい)は「大阪府警刑事部捜査2課の××」と名乗った。

架子 「なぜ個人情報が漏れたか、心当たりはありますか」
今井 「さあ…マイナンバーカードでしょ、あれは漏れるでしょ」

架子 「すぐに被害届けを出したほうがいいケースだと思います」

 携帯電話の番号を問われた。私はすらすらと偽の番号を言った。

架子 「録音録画…証拠保全のため…1対1で…第三者の声が入ると証拠能力がなくなってしまいます…お近くにどなたかおいでますか?」

 なるほど、本格的な詐話に入る前に、そこは確認しておくのだな。誰もいない、1人だと私は答えた。

架子 「録音録画をとるのは…近年、遠方の方が多い…犯罪防止特別協定…様々な企業が…警察の専用システム…」

 なるほど、架空の舞台設定というか詐欺ワールドのようなものが、しっかり構築されてるんだね。

 で、携帯電話のメーカーだっけ契約先だっけ問われ、録画通話のためのアプリが入っているか問われた。

今井 「え? ケースタイプ? フェースタイプ? よく聴き取れなくて…ズームサン? zoom? サンはsanですか?」

 FaceTime、Zoom、LINE、らしい。

 

 ここらでもう私は疲れてしまった。右手でメモしながら左手に受話器、その左手が痺れてきた。そこで投げやりにこんなことを私は言った。

今井 「もう、なんかめんどくさいです。もういいです。捜査するならそっちが(東京へ)来ればいいじゃないですか」

 その投げやりな態度を、架け子は高圧的に叱ってきた。私は、ついこう口走ってしまった。

今井 「最終的に(私は)いくら払えばいいんですか、それが知りたいんですよ」

 架け子は「じゃ来て下さいね、お願いします」と言い、ふつっと電話は切れた。

 

 2人の架け子とも、言葉尻等にヤンキー臭はなく、人間的には普通に真面目そう、と思えた。日本へ帰れるんだろうか、最後には殺されてしまうんじゃないか、私は重い気分になった…。
 こういう電話、やっぱり出ないほうがいいかも。

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