公然わいせつ、ではなく軽犯罪法違反
ご存知のとおり(知らねーよっw)、もう20数年前、「道路交通法違反」以外へ裁判傍聴の手を広げた頃、私は「公然わいせつ」に嵌(は)まった。当時、東京簡裁にその事件がけっこうあった。
陰茎露出の事件をずいぶん傍聴したもんだ。素敵な娘さんから「公わい名人ですね、きゃっ」とか言われたりした(笑)。
「公然わいせつ」かと思いきや、そゆのは「軽犯罪法違反」なんだ、へえ、というのを2020年に傍聴した。以下、当時のメルマガから。
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東京高裁・第4刑事部(後藤眞理子裁判長)で「軽犯罪法違反」の控訴審判決。
被告人は不出頭。主文は控訴棄却だった。
軽犯罪法第1条は、刑罰(30日未満の拘留または1万円未満の科料)の対象とする行為として第34号まで列挙している。本件は第20号だった。
二十 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者
いったいどんな「仕方」で何を「露出」したのか。
裁判官 「午前3時30分頃…Tバック下着…ミニスカート…尻、腿を露出した…」
「女装」という語が出てきた。被告人は男性なのだ。年齢は不明。
弁護人(中堅男性。それが地なのか、つまらなさそうな目つき)は、あらゆることを主張していた。
ことさらに露出する意図はなく、臀部は下部を露出したに過ぎない。第20号の構成要件に該当しない…。
誰も注視しておらず、嫌悪の情をもよおす者はいなかった。不愉快に思う者は皆無と考えられる…。
女装は被告人にとって性欲発散行為であり、これを咎めることは自由を侵害する…。
自宅で女装を楽しんでいたところ、たまたま急遽(きゅうきょ)手紙を投函する必要があって外出しただけ…。
裁判長はいちいちぴしゃっと退けた。「通常人の風俗感情のうえで不快の念を…」という言い回しも出てきた。
外出については、捜査段階でか原審の法廷でか、被告人自身がこんな供述をしているそうな。
供述 「欲望を抑えられず、もう少し歩きたいと遠回りして帰宅した」
原判決は拘留10日だという。以下は当時の刑法より。
(刑の種類)
第九条 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。
弁護人は科料(かりょう)が相当と主張したが…。
裁判官 「いずれも同種…平成29年10月、平成30年7月、科料の略式命令を受け…本件犯行は(平成30年7月の科料から)わずか8カ月後…」
それじゃあ量刑相場的に拘留でおかしくないわねぇ。
執行猶予? それは無理だ。刑法第25条第1項により、拘留や科料には執行猶予が付かない。拘留も科料も、いわゆる実刑しかないのだ。
裁判長はこんなことも言った。
裁判官 「もはや監督する立場の者は存在しないと認められる…」
「もはや」ってことは、離婚されたか、親御さんが亡くなったか、被告人を見放して去ったか。孤独を深めてますます女装徘徊(はいかい)が生き甲斐になったりしないか、ちょっと心配な気がした…。
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2023年には、精液かけ等で懲役3年、執行猶予5年、その猶予中に駅前やホームで尻腿を露出しまくり、という「軽犯罪法違反」の控訴審判決を傍聴した。原判決は拘留25日×4、控訴棄却だった。
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