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カテゴリー「報道にコメント」の100件の記事

2019年2月24日 (日)

乳腺外科医の無罪と准看護士の無期懲役

 「準強制わいせつ疑惑の乳腺外科医に無罪判決」と2月20日付け日経メディカル。そこにこうある。

 本事件の大きな争点であったDNA量については、証拠鑑定を行った科学捜査研究所(科捜研)が、DNAの増幅曲線や検量図のデータを残していないこと、さらにDNA抽出液も証拠鑑定後に破棄したと主張したことから、客観的証拠が不足しており、弁護団がその証拠能力に疑義を唱えていた。
 弁護団は、「今日の判決は、今後の科捜研の鑑定に対し大きなインパクトを持つだろう。仮に素晴らしい鑑定を行ったとしても、再現性や客観的証拠がなければ科学としては受け入れられないもの。しかし、科捜研はこれまでそういう鑑定をしてこず、さらにその鑑定結果を刑事事件は受け入れてきた。今後は客観的証拠をきちんと残し、再現実験もできるようにしていくべきだ」と話した。

 直ちに思い浮かぶのが「仙台筋弛緩剤点滴殺人」とか競って大報道された「北陵クリニック事件」(逮捕は2001年)だ。
 あの事件で科捜研は、筋弛緩剤が検出されたとする検体(点滴液、血液、尿)を全量廃棄したとし、再鑑定を防いだ。多くの医師も、またなんと当該筋弛緩剤マスキュラックスの製造元さえ、そんな「検出」はあり得ないとした。警察の発表とリークに基づく大報道の裏で、それを報じるテレビ番組もあった。国家に楯突く報道なので、裏取り取材は念入りで慎重だ。
 しかし「仙台筋弛緩剤点滴殺人」の凶悪殺人鬼とされた元准看護士(※)守大助さんは今、無期懲役の牢獄につながれ、無罪を訴え続けている。 ※「士」は当時。

 上掲記事中の「再現性や客観的証拠がなければ科学としては受け入れられない」という部分について少し。
 オービス裁判で測定値の信用性を検察官はどう立証するか。そのオービスの製造販売会社の社員を法廷へ呼び、「我が社のオービスはこれこれの機能になっておりましてプラス誤差は絶対にありません」と証言させるのである。裁判官は満足げにうなづき、有罪とするのである。
 だいぶ以前、「科学的根拠がない」とか強く述べた被告人がいた。あのとき裁判官は言ったもんだ、「裁判は科学ではない」という趣旨を。ん?
 のちに私は意味が分かった。裁判は科学者や医学者の実験室ではない。有罪のために拾えることを拾えば十分。そういう意味なのだなと。

 さてメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」は、2月は以下の9号を発行した。

第2219号 万引き病に逆転執行猶予、でも判決理由を信じちゃダメですぞ!
 高齢女性の万引きが続々と出てくる。原判決は「窃盗」では珍しい一部執行猶予。そして控訴審の判決は逆転全部執行猶予。要するに刑務所へ行かずに済んだわけだ。裁判長はもっともらしい理由を述べたが、しかしそれは白々しいウソだと私は…。

第2218号 住居侵入、強制性交等未遂、「認知のゆがみ」の典型例か
 深夜、自転車の女性を尾行。女性がコンビニに入ると自転車の空気を抜いて待ち伏せた。外へ出て怪しいと気づいた女性が店内へ戻ると、今度は自転車を店裏へ隠し…。別の女性宅へ押し入った事件については「胸をもんで逃げようと思った。セックスはしないと決めていた」と弁解し…。

 以下の2号は2月18日にお知らせした

第2217号 強情そうな万引きお婆ちゃん、ひどい手抜きの弁護人
第2216号 放火無罪で大報道されたあの男は、刑務所で女性下着の夢をみるのか

 以下の3号は2月13日にお知らせした

第2215号 「ヤクザ弁護士」の担当事件、ビシッとした男らで傍聴席は埋まり
第2214号 認知症の事実に一切触れず実刑、だってこれは裁判だから
第2213号 元同僚の女性宅へ度々侵入、目的は下着で「自慰行為」

 以下の2号は2月8日にお知らせした

第2212号 道交法違反、犯人隠避等の裏に、まさかのとんでも事件が
第2211号 新型オービス、たぶん本邦初の裁判、探して狙って傍聴しました!

 いま購読登録すると、以上11号がどどっと送信される。そして2月末まであと3号が順次送信される。
 第2211号でレポートした、外国製(Sensys Gatso Group、以下センシス社)の新型オービスの、たぶん本邦初の裁判は、3月に検察側の証人尋問がある。国産オービスにどうしてもなかった機能、私が前々から「ないのはおかしい!」と言っていた機能が、もしかしたら本件の外国製の新型オービスには備わっており、法廷で明かされるかも!
 だってさ、以前スエーデン大使館で話を聞いたところによれば、センシス社は70カ国以上に累計5万台の装置を販売。11カ国にオフィスがあり、170人を雇用しているという。そんな企業の装置が、日本のガラパゴス裁判にだけ通用する機能しか備えていないとは思えないもん。
 もし明かされたら国産オービスの立場がやばい。日本の裁判のガラパゴスぶりが浮き彫りになる。そこを考えて、あえて明かさないってこともあり得るか。いやいやそんなことを報じるのは世界で私1人だろうから、べつにいいとか?
 いったいどんな尋問になるか、ドキドキわくわくだ。なんせ私は、2000年の少し前からオービス裁判に熱中し、『ビックコミック・スピリッツ』に連載された『交通被告人 前へ!!』の原作をやったマニアなので。

 全国の警察のみなさん、第2211号を踏まえて3月のメルマガをお楽しみに。新型オービス、東京航空計器とセンシス社とどっちを購入するか、大いに参考になるかもしれませんぞ。

 ←2月24日17時10分現在、週間INが100で3位~。

2019年1月23日 (水)

民事の判決後に裁判官が当事者を突き飛ばした!

 ええっ、これは裁判傍聴師こと裁判傍聴マニア、裁判傍聴バカがコメントせざるを得まい。以下は1月22日付けNHKニュース。

裁判官が傷害と暴行疑い書類送検
 神戸地方裁判所姫路支部の裁判官が去年、民事裁判の当事者どうしの言い合いを仲裁しようとした際に、一方を突き飛ばしたなどとして傷害などの疑いで書類送検されました。
 捜査関係者によりますと、書類送検されたのは、神戸地方裁判所姫路支部に所属する村上泰彦裁判官(56)です。
 警察によりますと、去年11月、裁判所の敷地内で、民事裁判の判決後に当事者どうしが言い合いになっているのを見つけ、仲裁しようとして一方の男性を突き飛ばしたということです。
 さらに男性と一緒にいた女性も巻き込まれて転倒し、けがをしたということで、警察は22日、傷害と暴行の疑いで書類送検しました。
 裁判官は、この日、子どもの引き渡しを巡る裁判で男性の主張を退ける判決を言い渡していました。
 捜査関係者によりますと調べに対し、「男性が子どもを引き渡す様子がなく、判決の実効性が担保されていないと思い、仲裁に入ったが、突き飛ばしてしまった」と話しているということです。
 神戸地方裁判所の宮崎英一所長は「極めて遺憾で、今後、捜査などの進捗(しんちょく)を踏まえたうえで、適切に対処したい」とコメントしています。

 申し訳ない、私は知らなかったが昨年12月3日、兵庫のサンテレビが「神戸地裁姫路支部の裁判官 もめ事仲裁で傷害か」と報じてたんだね。

 世間的、ネット的には、次の3つに分かれるんじゃないか。
A 無関心
B 裁判官たる者がなにをやってんだ。けしからん!
C その男性はよっぽどヤバイ奴なんだろ。仕方ないよ。

 Bについて言えば、東京地裁の裁判官なら(全員とは言わないが)、たとえ手遅れになりかねない状況でも、自らが止めに入ることなく、職員または警備員を呼ぶのではないか。
 本件の村上泰彦裁判官は、あまり官僚的ではない人だった可能性があると思う。

201810 新日本法規出版がネットに置いている経歴によれば、村上泰彦裁判官は京都地裁スタート。その後、検事(国賠訴訟で国側代理人をやる訟務検事?)をやったことがあり、なんと支部勤務が一度もない。
 ところが高松高裁のあと、姫路支部へ。なにがあったんだろう、と私なんかは考えてしまう。高松時代に部総括判事とか上司と折り合いが悪かったのか。なにかしでかしてしまったのか。いや、親御さんが介護が必要となり、実家が姫路だったとか、そんな事情かもしれないですょ。

 Cについて言えば、そこは、私みたいに妄想的深読みをしたがるタイプからすれば、分からん話だと思う。
 前出のサンテレビの報道では「男性と一緒にいた20代の女性が転倒し軽傷を」となっている。20代の女性、それは娘で、親権をめぐる争いだったのかも。もしそうだとすればの話、報道から見るに、娘さんは父親に有利な供述をしたはずで、そこに何があったのか。

 神戸地方裁判所の宮崎英一所長、この人はかなりのエリートだ。今後の移動にどう影響するのかしないのか。もともと宮崎さんを疎ましく思っていた者が最高裁にいるかどうか、そのへんによるんじゃないか。
 一流の裁判傍聴師はそこまで妄想するのですょ、焼酎を飲みつつ。 ←こらっ(怒)!

 おっと、本件の刑事処分については、不起訴でもぜんぜんおかしくないだろうと。

※画像は、石川県金沢市内の、えと大聖寺だっけ、ど忘れっ。

 ←1月23日00時50分現在、週間INが110で3位~。

2019年1月21日 (月)

もしやあれが常盤貴子さん?

 私はね、こう見えて正社員になったことが1度もない。 ←そう見えるょ(笑)。
Img_1723 20といくつかのアルバイトを経験した。いちばん長く楽しく続いたのは便利屋ゴリラ便だ。バブルの時代、んまぁいろんな依頼があった。昼間、若い主婦のお宅へ行ったら「夫が私を裏切り続けるんです。私も夫を裏切りたい…」と言われたり。

 そのとき一緒に働いていた、私よりだいぶ若い女子から、さっき突然メールをもらった。嗚呼、君とは昔、車で2人で伊香保温泉かそっちへ行ったことがあったょね。宴会場か体育館のようなだだっ広いところで寝たんだっけ? ※ただし性的関係は一切ナシ!

 その女子がなぜ突然メールをくれたのか。Yahoo!ニュースで見て懐かしくなったのだという。なんのこと? ネット検索してみた。それらしきヒットがあった。以下は1月20日付けのNEWSポストセブン、の一部。

常盤貴子が6年間の裁判所通い 「役作り」超越した筋金入り
「最近、傍聴マニアの間で“常盤貴子さん(46)を見た”という目撃情報を聞いていましたが、まさか本物だったなんて……」
 そう語るのは、『裁判中毒』の著者で裁判傍聴歴36年のジャーナリスト・今井亮一氏だ。常盤が出演した1月1日放送の『関口宏のフレンドパーク2019』(TBS系)で「裁判傍聴にハマっている」と明かし、法曹関係者が色めき立っているという。

 何年前だったか、1度じゃなく2度、3度だったか、今思えば「もしかしてあれが常盤貴子さん?」ということがあった。
Img_1722 それは2人連れの、見た感じ30代の後半かな、女性の2人組だった。事件の関係者じゃないようで、2人とも姿勢がよくて服装の、というか全体のセンスがよくて、しっとり美人というか、なんで裁判所にいるの、絶対おかしい、絶対ただ者じゃないだろ、と感じた記憶がある。
 お顔はよく見なかった。よく見ても、常盤貴子さんとは気づかなかったかも。私は芸能方面は疎いのだ。

 その2人組は何を傍聴していたか? ぎっしり満席の法廷で見かけた記憶はないので、「強制わいせつ」とかそっち方面ではなかったと思う。
 常磐さんには是非、メルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代」をお勧めしたい。これを読むと読まないとでは、裁判傍聴の深みが違うと思います~。よし、うまく宣伝できたかな。

 ←1月21日11時20分現在、週間INが140で3位~。

2019年1月 9日 (水)

警察官の小遣い稼ぎ、西日本新聞は!

 当ブログの画面右側に「人気記事ランキング」ってのがあるでしょ。2006年3月13日の記事「駐車監視員資格者講習 ばっちり合格体験記」がおかげさまで長くベストテン入りしている。
 2日間(終了考査も含めれば2日半)のあの講習時、初日の受付で「駐車監視員資格者必携」を、テキストとして配布された。著者については「駐車対策研究会編」となっていた。
 本でも記事でもそういうのはよくある。あまりに普通なので、私は特には気にしていなかった。

 ところが! 1月8日、西日本新聞がぶっちぎりスクープを打った! 以下は同日午前6時00分配信の記事、の一部だ。

「小遣い感覚だった」警察官と出版社、根深い癒着 昇任試験問題集執筆に現金
 警察官が昇任試験の対策問題集の設問や模範解答を執筆し、民間の出版社から現金を受け取っていた。多くは警察庁出向時に上司のキャリアなどから依頼され、一部は所属先の警察本部に戻った後も続けていた。関係者によると、同社は各警察に影響力がある有力OBを顧問に招き、紹介された現職幹部を飲食接待するなどして関係を深めていたという。昇任試験を舞台に、民間企業と一部警察官がもたれ合う構図が浮き彫りになった。

 続々と記事を打った。
「まずいな、おおっぴらにできないな」関与認めた警官 昇任試験問題集執筆に現金
警官467人に執筆料1億円超 副業禁止抵触か 昇任試験問題集の出版社
「小遣い稼ぎ」昇任試験問題集、執筆認めた警官たちの”言い訳” 原稿料、部署の夜食代にも
【速報】「事実確認する」と国家公安委員長 警察官、出版社から報酬授受
警官執筆料「事実確認へ」 各警察本部が経緯聴取
警官執筆料「事実確認する」 国家公安委員長が表明

Photo 現時点ではそれくらいかな。
 へぇ、たかが1億円超でスクープなの? とか言う人は、スピードワゴンさんじゃないけど甘~~~いっ!!!
 記者クラブ加盟社は、警察が自ら発表した「不祥事」は報じていいけども、埋もれている組織的日常的不正を掘り起こすことはタブーだ。いやこれ私は善悪の観点から言ってるんじゃない。んなことは業界では当たり前の常識だし、誰にもどんな立場にもいろんな制約、しがらみってもんがある、そういう話にすぎない。

 なのに西日本新聞はその制約、しがらみ、約束事をぶっ飛ばしてしまった。
 今後、読者がいちばん喜ぶ凶悪犯罪報道について、競合誌ばかりが続々とスクープを打つことになる…そこにとどまらないかもしれない。衝撃の本、『真実 新聞が警察に跪いた(ひざまづいた)』のようなことになるかも。

真実 新聞が警察に跪いた日 (角川文庫) [ 高田昌幸 ]
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 西日本新聞の今回の一連の記事の多くの末尾にこうある。

 西日本新聞は、暮らしの疑問から地域の困り事、行政や企業の不正告発まで、情報提供や要望に応え、調査報道で課題解決を目指す「あなたの特命取材班」を創設しました。「知りたいこと」を取材し、正確に深く報じる「ジャーナリズム・オンデマンド」に挑みます。

Photo_2 今のままではどこも衰退一直線。西日本新聞はそっちへ舵を切ったのか。すなわち、官庁発表に頼らず、社会の問題を自ら見つけて掘り起こして正確に深く報じるジャーナリズムへと。もしそうなら素晴らしい! 注目だ!

※画像はいずれもマニア氏からのいただきもの。上の画像は、昨年の元旦早朝の飛田新地。下の画像は前日つまり大晦日の釜ヶ崎だそうです。

 ←1月9日0時40分現在、週間INが100で3位~。

2019年1月 6日 (日)

ゴーン氏の勾留理由開示、どうなる

 超絶マニアックデータによれば、勾留理由開示の裁判を私は34件傍聴している。その立場から少しコメントしてみよう。
 以下は1月4日付けTBSニュースの一部。

ゴーン前会長8日出廷へ、勾留理由開示手続き
 再逮捕された日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者の弁護士が勾留の理由を明らかにするよう東京地裁に求め、認められました。手続きは8日に公開の法廷で行われ、ゴーン容疑者も出廷して意見を述べるということです。

 「…求め、認められました」とある。けど、被疑者または弁護人が求めれば原則認められるんじゃないのかな。そうだとすれば、ゴーン氏に有利な判断を裁判所がしたかに読める書き方は如何なものかと思う。どうなんだろ。

 勾留理由開示の裁判は、まぁだいたいこんな感じだ。

1、被疑事実を簡単に読み上げ、その疑いが認められると裁判官が言う。
2、一件記録に照らせば罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれが漠然とあると裁判官が言う。ここまで約1分。
3、弁護人が求釈明をすることがあるが、要するに明かせば捜査に支障があるしそもそもこれは勾留理由(上記1と2)を言う場にすぎないからと、裁判官は全部蹴る。
4、被疑者と弁護人が各10分間以内で意見陳述をする。しない場合もある。
5、4が終わると裁判官は直ちに閉廷を宣する。

Img_1245 何件も傍聴していると「世の中に勾留の理由がないケースなんて存在しないぜ」と笑えてくる。「裁判所はなーんも考えず、検察が請求したものは認めるんだな」と、司法の本質がちらり見えたような気分にもなる。
 さらに何件も傍聴していると「あっ、そうか。こういうシーンを公開の法廷で国民に見せるところが日本国はまだ偉いんだな」と思えてくる。なに言ってるか分かりますかね。

 それでだ、勾留理由開示の裁判は通常、30分間の枠でやる。ゴーン氏の場合、通訳が入るなら60分間の枠をとるかも。
 令状部とかいわれる刑事第14部がやるのだろう。

 法廷はどこを使うのか、そこである。
 通常は401号法廷(傍聴席は20席)を使う。しかしゴーン氏の勾留理由開示は司法記者クラブ(15社のはず)がだいぶ特別傍聴席(白いカバーの取り置き席。以下記者席)を請求するだろう。
 メルマガ第2193号「靖国神社で逮捕、中国人の勾留理由開示!」のあれは、警備法廷(※)としての427号(20席)を使い、なんとその半分、10席が記者席だった。 ※警備法廷という言葉が正式にあるのか知らないが、要するに警備の職員多数が傍聴人を厳重監視するのに都合がよい形になっており、裁判官から退廷を命じられた者を裁判所の敷地外へ放り出すのに都合が良いエレベータに近い。東京地裁における退廷は、法廷から出ろってことではなく、敷地外へ出ろってことなのだ。

Img_1247 ゴーン氏のケースは、15社全部が記者席を請求するだろう。雑誌や外国の報道も請求するだろう。日産も三菱もルノーも傍聴したがるだろう。
 いくらなんでも20席はなかろう、と思う。ま、いくらなんでもそれはなかろうと思うことをやってのけるのが裁判所ってものではあろうけれども。

 じゃあ、98席の法廷を使うのか。
 いや、38席の、せいぜい42席の警備法廷を使う可能性は大いにありだと私は思う。
 近年、すばらしく秘匿、偽装できるカメラや録音機が発達している。記者クラブの記者は裁判所を裏切らないだろうが、それ以外の記者や一般人が手錠・腰縄のゴーン氏を撮影し、あるいは意見陳述を録音し、世界に発信してたぶん大儲けすることがちらり考えられる。
 ちらりとでも考える余地があれば(※)裁判所は、記者クラブの記者以外の全員の手荷物を預かり保管し、かつ高感度のハンディ金属探知機で全身をチェックし、ボールペンや財布や煙草の箱の中身も念入りにチェックする。 ※「蟻が1匹出そうなら象を百頭用意する」の法則という。
 大人数に対してそれをやるのは大変だ。なので98席の法廷は使わない可能性があると思う。
 当然、傍聴券抽選。一般傍聴人の当たり券は10数枚。そこへ何百人、あるいは千何百人の並び屋さん(※)が押し寄せる。そういうことになるんじゃないか。 ※1人2千円が一般的な相場らしい。金銭の報酬がない場合もあるらしい。

 傍聴券抽選の締切りは何時だろ。あれっ、東京地裁の傍聴券交付情報のページに、それらしい情報がない! 普通はだいたい1週間前にアップされるのに、なんで?

 以上を踏まえて8日のニュースを見れば、味わいが深まるだろうと、そういう話でした。長々とすみせん。

※画像はいずれも東京高地簡裁合同庁舎、通称東京地裁。

 ←1月6日20時00分現在、週間INが120で3位~。

2018年12月29日 (土)

福井県警、やっちまったか?

 こっ、これはいろいろ見所のある“事件”だ! 以下は12月29日付け読売新聞。

「僧衣で運転」に青切符、法事行けぬと宗派反発
 福井県内の40歳代の男性僧侶が9月、僧衣を着て車を運転したことを理由に、同県警に交通反則切符(青切符)を切られていたことがわかった。県の規則が「運転操作に支障がある衣服」での運転を禁じているためだが、僧侶の多くは日常的に僧衣で運転しており、男性は「法事に行けない」と反則金の支払いを拒否。所属する宗派も反発する異例の事態になっている。
 県警や男性の説明によると、9月16日午前10時過ぎ、福井市内の県道で、男性が軽乗用車を運転していたところ、取り締まり中の警察官に制止された。警察官は「その着物はだめです」と告げ、青切符を交付。違反内容は「運転に支障のある和服での運転」と記され、反則金6000円を納付するよう求められた。男性は法事に行く途中で、裾がひざ下までの僧衣を着ていた。20年前から僧衣で運転しているが、摘発は初めて。
 男性に適用されたのは、福井県道路交通法施行細則にある「運転操作に支障を及ぼすおそれのある衣服を着用して車両を運転しないこと」との規定だ。
 警察官は、男性が着ていた僧衣の袖や裾が運転に支障があると判断したとみられるが、県警交通指導課は「僧衣がすべて違反ではなく、状況による」と説明。基準は明確ではない。

 まず、「福井県道路交通法施行細則」(公安委員会規則)の第16条第3号、これに違反するとされたわけだね。

 下駄、スリツパその他運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物または衣服を着用して車両(足踏自転車を除く。)を運転しないこと。

 これに違反すると、道路交通法第71条第1項第6号の違反、すなわち「公安委員会遵守事項違反」になるのである。反則金は普通車で6千円。違反点数はナシだ。

 この公安委員会規則は各都道府県にある。どこもだいたい同じだが少ぉし違う。積雪とか地方の特徴的な気候状況を反映した部分とかあったりする。
 福井の第16条3号に相当するのは、「東京都道路交通規則」だと第8条第2号、これだ。

木製サンダル、げた等運転操作に支障を及ぼすおそれのあるはき物をはいて車両等(軽車両を除く。)を運転しないこと。

 東京は「衣服」についての言及がない。福井と東京、何が違うのか。福井といえば永平寺! だが…。

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181229 と書きつつ気づいた。この話、長くなる。「取り締まり中の警察官」は、なぜ本件で違反切符を切ったのか、最終的に本件はどう決着するか、検察官は困るだろうなぁ、等々見所がいろいろある。そこまで書いてる時間がない。ごめん、またの機会にっ。

※ 十穀がゆは私のアフィリエイト。画像は今朝農家の直売所を自転車でまわって買い集めた野菜。白菜とブロッコリーは各150円。キャベツとほうれん草と大根は各100円。合計600円だ。冷蔵庫にネギがだいぶあるので、これで年越しできる。ちなみに大根は葉っぱと首の部分が凍っていた。寒いね~。

※12月30日追記  福井の件、私の読みをメルマガ最新号(第2197号)の編集後記に書いてしまった。一部言えば、福井の公安委員会規則の「衣服」の部分はしらっと消え去るんじゃないかと。消し去ったうえでの落としどころ等にも言及しましたので、福井県警の方はお読みいただければと。

※1月8日追記  「日本の僧侶が投稿、「#僧衣でできるもん」動画がネットで拡散」と1月4日付けBBC NEWS JAPAN。

 ←12月29日17時00分現在、週間INが140で3位~。

2018年12月24日 (月)

国破れて正義あり?

 遅い朝食を摂りながらテレビのワイドショーを見ていたら、日産のゴーン氏の事件について元特捜部だっけいわるヤメ検の人が言っていた。検察に国家を守るという考えはない、検察は「国破れて正義あり」ですと。格好いい~。

Photo_2 しかし私は、刻み大葉をまぶした納豆(50g)を食べながら思ったね、検察破れて国も正義もあらへん、でしょと。
 私が見るところ、良い悪いは抜きに、官僚組織は自省庁の利権やメンツを何より重んじる。聞くところによると遅くとも戦時中にはそうだったらしい。

 なので今回、「もしかしたらゴーン氏は無罪かも」と考える必要はないと思う。仮に真実は無罪でも、いったん逮捕してここまでマスコミを盛り上げた以上、検察は何がなんでも有罪を勝ち取る。大阪の特捜部は厚労省の村木厚子さんの件で下手を打ったが、最高裁、最高検のお膝元、東京の特捜部が大阪ごときの二の舞は断じて許されない。七転八倒、艱難辛苦を乗り越え、見事ゴーン氏の首をとり、それ、その増上寺へお入りになるよう、陰ながら…。なんか「赤穂浪士 勧進帳」が混じってしまった。

Photo_3 ただ、勾留延長の請求を東京地裁が却下したのは、検察としてはびっくりだったんじゃないか。この野郎、てめえだけ欧米向けにいい顔しやがってと。
 却下してもどうせ検察は別件で逮捕するだろうと踏んでのことだったかしれないが、それにしても…。却下したのは刑事第14部勾留係の裁判官かな、この先ずっと検察から嫌がらせを受けたりしないのか、いがみあいはよくないので最高裁のほうで配慮して、その裁判官はこの先ずっと支部回りだとか、ないのかな。心配だ。

 ところで、フランスの人たちは日本の勾留が長いとか文句を言っているらしいが、日本の検察には、伝家の宝刀、無罪の証拠隠しがあるってこと、ご存じなんだろうか。
 警察、検察が強制捜査権をもって集めた証拠の数々から、有罪に必要なものだけ法廷に出し、無罪の証拠、有罪が揺らぐ証拠は出さない、隠す、それは日本では合法なのだ。まさかフランスも同じだとか?

 裁判は東京地裁の刑事第8部がやるのか。8部は経済部だっけ、脱税などの事件をよく扱っている。
 本件は日産も三菱もルノーも、もしかしてフランス政府も傍聴したがるだろうから、傍聴席が98席の法廷を使うかも。傍聴券の抽選にはどれくらい並ぶだろう。有名芸能人の場合と同様、並び屋さんだけで軽く千人を超えるかもね。大変だ!

※ 画像上は埼玉県内の、下は岐阜県内の、センシス社の固定式オービス「SWSS(Speed Warning Safety System)」。マニア氏からのいただきもの。ありがとうございます!
 岐阜の背後の電柱に「クスヒコ」とある。学生服、作業服等のクスヒコさんかと。大日本帝国の大礼服ってのがすごいね。

 ←12月24日13時00分現在、週間INが140で3位~。

2018年11月28日 (水)

グッドウイル、折口雅博元会長の87キロ超過

 今日判決と聞いていたが、どうにも忙しく、傍聴しないっ。
 以下は11月13日付け(同月14日更新)の時事通信、の一部。

首都高87キロ速度超過で起訴 グッドウィル元会長
 東京都中野区の首都高速中央環状線で今年2月、法定速度を87キロ超える時速147キロでベンツを運転したとして、東京地検が道交法違反の罪で、人材派遣大手の旧グッドウィル・グループ(GWG)の折口雅博元会長(57)を在宅起訴していたことが13日、分かった。9月20日付。
 東京地裁(西野吾一裁判官)で13日に初公判があり、折口被告は起訴内容を認め「大変深く反省している。二度と車には乗らない」と述べた。検察側は懲役3月を求刑し結審した。判決は28日。

 「13日、分かった」とあるところからして、司法記者クラブの記者氏が当日の開廷表を見て折口さんの氏名を見つけ「おおっ!、同姓同名の別人じゃないだろな?」と傍聴したんじゃないか、という推測が成り立つ。
 「あれっ、今井の野郎、傍聴席にいないよ」と思ったかも。そうなのです、12日(月)と14日(水)は行ったのに13日(火)は私はお休みをいただいたのです。

 あれを山手トンネルというんだっけ、あのトンネル内の中野区と目黒区のオービス、本体部は天井に設置され、ループコイル式で電子式(画像伝送式)の東京航空計器のオービスⅢ、Lk型かLx型は、よく活躍している。

18061120172 超過速度が80キロ以上なら、原則として公判請求(正式な裁判への起訴)をされる。超過速度が80キロ台なら、求刑は懲役3月で決まりだ。判決は懲役3月、執行猶予が、最近は2年が普通、同種罰金前科があったりすると3年、そのへんで決まりだ。
 「二度と車には乗らない」と述べようが述べまいが、求刑も判決も変わらない。早ければ30分で判決まで終わる事件だ。

 折口さんのケースで不思議なのは、なぜ即日判決でなかったのか、である。
 私選弁護人をつけ、反省文とか嘆願書とか贖罪寄付の領収書とかいろいろ出し、犯行車両であるベンツを売却させてその書類も出し、情状証人を尋問する等、重々しくがっつりやったので、それに応えて裁判に威厳を持たせるため、約2週間後としたのか、裁判傍聴師的にはそんな想像ができる。
 弁護人は、執行猶予がついたからと成功報酬を何十万円もとるんだろうか。もしそうならおいしいなぁ、私にも1万円くれ、と思う。 ←意味分かんないです(笑)。

 とにかく今日の判決は私は行かない。残念だが諸君にお任せします。

 ←11月28日7時40分現在、週間INが90で3位~。 

2018年11月25日 (日)

軽犯罪法と業務妨害の間には

 また新しい謎に遭遇してしまった。以下は11月23日付け時事通信。太字は私。

大阪府警に虚偽メール疑い 「家に樋田淳也被告」、埼玉の男
 大阪府警富田林署から逃げだした無職樋田淳也被告(30)=加重逃走などの罪で起訴=が逃亡中だった当時、元交際相手の女性を装って「私の自宅にいる」と虚偽のメールを同府警に送ったとして、埼玉県警東松山署は23日までに、軽犯罪法違反の疑いで同県東松山市の男(35)を書類送検した。署によると「いたずら目的だった」と認めている。
 書類送検容疑は9月、府警に「逃走中の樋田淳也の元彼女です。(彼が)今、私の自宅にいます」などと虚偽のメールを送った疑い。埼玉県警の捜査員がメールに記載されていた住所に向かうと、別人が住んでいた。
 メールの発信情報などから男が浮上した。

181018_2 「書類送検」とある。記者クラブマスコミのルールからして、逮捕はなかったのだろうと推測できる。逮捕がないケース、また被疑者に精神的、知的なハンディキャップがあるケースは、匿名報道とするようだ。

 ま、それは措き、以下は電子政府の総合窓口にある「軽犯罪法」だ。附則を除き短い法律なので全文を転載しよう。青字は私だ。

第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
 一 人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者
 二 正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
 三 正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
 四 生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの
 五 公共の会堂、劇場、飲食店、ダンスホールその他公共の娯楽場において、入場者に対して、又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、飛行機その他公共の乗物の中で乗客に対して著しく粗野又は乱暴な言動で迷惑をかけた者
 六 正当な理由がなくて他人の標灯又は街路その他公衆の通行し、若しくは集合する場所に設けられた灯火を消した者
 七 みだりに船又はいかだを水路に放置し、その他水路の交通を妨げるような行為をした者
 八 風水害、地震、火事、交通事故、犯罪の発生その他の変事に際し、正当な理由がなく、現場に出入するについて公務員若しくはこれを援助する者の指示に従うことを拒み、又は公務員から援助を求められたのにかかわらずこれに応じなかつた者
 九 相当の注意をしないで、建物、森林その他燃えるような物の附近で火をたき、又はガソリンその他引火し易い物の附近で火気を用いた者
 十 相当の注意をしないで、銃砲又は火薬類、ボイラーその他の爆発する物を使用し、又はもてあそんだ者
 十一 相当の注意をしないで、他人の身体又は物件に害を及ぼす虞のある場所に物を投げ、注ぎ、又は発射した者
 十二 人畜に害を加える性癖のあることの明らかな犬その他の鳥獣類を正当な理由がなくて解放し、又はその監守を怠つてこれを逃がした者
 十三 公共の場所において多数の人に対して著しく粗野若しくは乱暴な言動で迷惑をかけ、又は威勢を示して汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物、演劇その他の催し若しくは割当物資の配給を待ち、若しくはこれらの乗物若しくは催しの切符を買い、若しくは割当物資の配給に関する証票を得るため待つている公衆の列に割り込み、若しくはその列を乱した者
 十四 公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者
 十五 官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章その他の標章若しくはこれらに似せて作つた物を用いた者
 十六 虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出た者
 十七 質入又は古物の売買若しくは交換に関する帳簿に、法令により記載すべき氏名、住居、職業その他の事項につき虚偽の申立をして不実の記載をさせた者
 十八 自己の占有する場所内に、老幼、不具若しくは傷病のため扶助を必要とする者又は人の死体若しくは死胎のあることを知りながら、速やかにこれを公務員に申し出なかつた者
 十九 正当な理由がなくて変死体又は死胎の現場を変えた者
 二十 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者
 二十一 削除
 二十二 こじきをし、又はこじきをさせた者
 二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
 二十四 公私の儀式に対して悪戯などでこれを妨害した者
 二十五 川、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をした者
 二十六 街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者
 二十七 公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者
 二十八 他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者
 二十九 他人の身体に対して害を加えることを共謀した者の誰かがその共謀に係る行為の予備行為をした場合における共謀者
 三十 人畜に対して犬その他の動物をけしかけ、又は馬若しくは牛を驚かせて逃げ走らせた者
 三十一 他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者
 三十二 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者
 三十三 みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし、若しくは他人の看板、禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚した者
 三十四 公衆に対して物を販売し、若しくは頒布し、又は役務を提供するにあたり、人を欺き、又は誤解させるような事実を挙げて広告をした者
第二条 前条の罪を犯した者に対しては、情状に因り、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科することができる。
第三条 第一条の罪を教唆し、又は幇助した者は、正犯に準ずる。

 冒頭の報道の事件は第1条第31号に当たるように読める。場合によっては同第6号かも。
 しかし、である。以下は刑法。

(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条
 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(威力業務妨害)
第二百三十四条
 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

181018 ネットでの大量殺人予告、爆破予告などは、警察官をして徒労の警戒業務に就かせ、本来の業務を妨害したとして「威力業務妨害」で法廷へ出てくる。
 冒頭の報道の事件は徒労の捜査を行わせている。なぜ「軽犯罪法違反」なのか。謎とはそこである。

 「威力業務妨害」で検察送致することもできたが、何か事情があって「軽犯罪法違反」にとどめたのか。
 たとえば第2号の「刃物」は、刃体長が6cm未満か以上かで「銃砲刀剣類所持等取締法違反」か「軽犯罪法違反」か、扱いが異なる(※)。「威力業務妨害」か「軽犯罪法違反」かにも線引きがあり、本件は「軽犯罪法違反」側だったのか。 ※扱いが異なることから起こった可愛そうな事件、レポートをあとでアップしよう。

 そうだ! もしかして警察、検察、法務省、裁判所が、第1条の各号について検挙人員、送致人員、拘留又は科料に処した人員のデータを持っているかも。
 調べてみようかどうしよう、その前にメルマガを発行しなければ。次号は、とんでもないことをしでかしたと大報道された男が、じつは過去にもっととんでもないことをしていた、うわ~! という事件です。

 画像は、法務省から数寄屋橋方向へ向かって日比谷公園の外側の歩道を、10月中旬に歩いたとき撮影したもの。少し前の巨大台風で大きな樹木が倒れたんだね。周囲をコンクリート等で固められ、根を張りにくかったのだろうか。
 あんな巨大台風は二度とこない、とはまったくいえず、歩道の樹木は危ないから全部伐採とお役人が決める日がいずれくるかも。

 ←11月25日19時00分現在、週間INが130で3位~。 

2018年11月22日 (木)

新型オービス、流れが変わった?

 新型オービスについて警察文書を大量に開示請求し続け、また記者クラブ報道も興味深く見てきた者にとって「おおっ!」である。
 以下は11月20日付け読売新聞の一部。

事故防げ 移動オービス稼働
 生活道路などでのスピード違反を摘発することで重大事故を防ごうと、県警が昨年4月、移動式の速度違反自動監視装置(オービス)の本格運用を始めてから、1年半以上が経過した。今年4~10月、移動式オービスによる摘発件数は197件と、昨年度の1年分(211件)に迫る。県警の担当者は「従来できなかった生活道路で取り締まれる利点は大きい」としている。
 県警によると、移動式オービスは、三脚の上に機械が設置されており、幅33センチ、奥行き28センチ、高さ1メートル30。人の手で持ち運べるのが特徴だ。

1811211 元記事にある画像は、センシス社の可搬式オービスだ。
 「新型オービスとは何か!」の前後編で述べたように、センシス社は当て馬、警察庁は、特に可搬式については東京航空計器のレーザー式でイクのだなと私は見ていた。その後の契約状況も記者クラブ報道等々も、可搬式=東京航空計器、との印象を強めるものばかりだった。

 ところが11月13日付けの東海テレビのニュースでセンシス社の可搬式が突然に取り上げられ、11月20日付けの読売新聞でまた!
 そのふたつの報道は、この時期にわざわざやる必要のないものといえる。センシス社の可搬式も役に立つぞ、立ってるぞ、警察庁はセンシス社のオービスの契約も推奨するぞという、全国都道府県警察に対するアピールではないのか。にしても、こういう変化は解せない。もしや警察庁内部でもカルロス・ゴーン氏を追い出すような何かがあったりして? などとマニアの特殊な妄想アンテナは感じ取るのである、ピコーン、とね(笑)。

 もうひとつ、上掲読売新聞の記事は、見出しで「移動オービス」、本文で「移動式オービス」となっている。
 埼玉県警にはまだ確認してないが、岐阜県警の場合とは異なると認める理由は何らない。
1811212 なるほど、「可搬式」は世間大衆向けじゃないし、ネットでは「移動式」が主流なのでネットにあわせ、「移動式」とした。「式」も結婚式や成人式でしか世間大衆は使わない漢字なのでトルツメ(校正用語)した、のかな。
 それは分かるけれども、警察発表、記者レク(レクチャー)を無視、逸脱していいのか。それなりに分かる理由があれば無視、逸脱OKってのは、記者クラブ制度の巨大ダムの“蟻の一穴”になるんじゃないか。
 いや、新型オービスが世間大衆に受け容れられるなら、呼称などどうでもいいのか。いやいや、世間受け、大衆受けばっかり狙っていると、あとで混乱を招くことになるんじゃないか。ほらね、マニアの妄想は尽きないのですょ(笑)。

※ 画像は、警察庁交通局交通指導理事官が2017年4月4日に発出した事務連絡より。その事務連絡の主たる宛先は「警視庁交通部交通執行課長」と「各道府県警察本部交通部長」だ。
 警視庁(東京都警察本部)の交通執行課長は、東京以外の警察本部の交通部長と同格なの? 本社の課長は支社の部長と同格、みたいなもの?

 ←11月22日1時10分現在、週間INが150で2位~。 

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