この先の手続きについて私のほうでちょっと。
以下は10月2日付けTBSNEWSだ。
N国・立花党首、脅迫容疑で書類送検
東京の中央区議会議員を脅迫したとして、警視庁は参院議員で「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首を書類送検しました。
「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首は、東京・中央区の二瓶文徳区議が党の公認を得て区議選で当選したにもかかわらず、無断で離党したとして批判し、今年7月上旬、「徹底的に人生をつぶしにいく。ぶっ壊す」などと発言した動画をインターネットに投稿しました。
警視庁は、先月、立花党首から事情を聴いていましたが、2日、脅迫の疑いで書類送検しました。
「送致したにすぎないので、決めるのは裁判官。この人たちが“有罪ですよ”となれば道義的に僕は犯罪者になるので、それは議員を辞めるべきでしょうと」(「NHKから国民を守る党」立花孝志 党首)
立花党首は「脅迫にはあたらない」と話していますが、有罪となった場合、議員辞職するとしています。
まず、以下は刑法だ。
(脅迫)
第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
現時点で私は上掲報道の「などと」がなにか具体的に知らないけれども、報じられた部分だけで十分に脅迫に当たるように思える。ま、こうしたニュース報道はイコール警察発表なので、そう思えるのは当然といえば当然だが、当たるとして話を進めよう。
検察官は、懲役刑が相当か罰金刑が相当か、あるいは不起訴(起訴猶予)が相当か、考える。ま、考えるまでもなく、相場表みたいなと照合するのだろう。
被害者に対し立花議員が何ら慰謝の措置をとらず、被害感情が強かったりするなら、不起訴はないだろう。
罰金刑は通常は略式で処理する。検察官は略式起訴(略式命令請求)をする。
裁判官は、略式不相当と認める事情がなければ略式命令(罰金の支払命令)をだす、たとえばこんなふうに。
裁判官 「主文。被告人を罰金20万円に処する。これを完納できないときは金5千円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。その罰金額を仮に納付することを命ずる」
2週間たつと略式命令は、正式な裁判の有罪判決と同等の扱いになる。
ただし、である。略式は被疑者の同意が必要だ。
ニュースを見る限り、立花議員が同意するとは思えない。
そうすると検察官は、略式ではなく正式なほうの裁判へ起訴することになる。ま、ほんとにしょぼい事件では略式に応じなければ不起訴ってこともあるわけだが、本件はなかなかそうはいかないだろうと思う。
罰金刑の事件は原則東京簡裁へ出てくる。でも本件は東京地裁の法廷へ出てくるかも。
懲役刑が相当と検察官が考えれば東京地裁だ。裁判所法の規定により、懲役求刑の脅迫を簡裁は扱えないので。
んまぁ大騒ぎになるのだろう。傍聴券抽選となり、例によって並び屋さんが何百人も雇われるはず。千人を超えるかも。抽選に外れても現金が出る場合で1人2千円とか聞く。全員2千円で千人なら200万円だ。
で、裁判はどうなるか。
どうなるもなにも、日本の刑事司法を仕切るのは検察だ。本件文言は刑事罰が必要なほどの脅迫に当たると検察が判断したから起訴したのだ。裁判官はその判断を大いに尊重するというか、検察官の判断に法的なお墨付きを与えるのが裁判というか。
ニュースの裏によっぽどとんでもない事実が隠れていない限り、無罪はあり得ない、どう転んでも立花議員の先には有罪しかないように私には見える。
有罪を避けたいなら、謝罪文を発表し、脅迫の罰金の上限の30万円とか被害弁償し、宥恕(ゆうじょ。つまり許し)を得る、そうして不起訴にしてもらうしかない、ように私には思えるのだが。
なお、起訴されてから被害弁償等をしても遅い。有罪は動かないはず。求刑が罰金20万円のところ、判決が罰金15万円に、といった可能性はあるだろう。求刑が懲役のところ、判決が罰金刑に? うーん、しっかり被害弁償して宥恕を得て、大反省して再犯しないことを固く誓えば、絶対ないとまではいえないと思う。
←10月3日9時30分現在、週間INが130で2位~。
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