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カテゴリー「刑事/色情犯」の228件の記事

2024年2月16日 (金)

16歳未満の者に対する面会罪!

Screenshot-20240216-at-042936-egov 私はよく、へーんな裁判所の夢をみる。
 あり得ない罪名を開廷表に見つけて興奮する、そんな夢もみる。

 今回、一瞬、夢かと思った。
 2月15日(木)、東京地裁の開廷表にこんなのがあったのだ。

16歳未満の者に対する面会、不同意強制性交等、不同意わいせつ、大阪府青少年健全育成条例、児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反

 

 「16歳未満の者に対する面会」、なんだそれー!
 以下は刑法。夢ではないのだ。

 

(十六歳未満の者に対する面会要求等)
第百八十二条 わいせつの目的で、十六歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
 一 威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること。
 二 拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。
 三 金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をして面会を要求すること。
 前項の罪を犯し、よってわいせつの目的で当該十六歳未満の者と面会をした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
 十六歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為(第二号に掲げる行為については、当該行為をさせることがわいせつなものであるものに限る。)を要求した者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
一 性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること。
二 前号に掲げるもののほか、膣又は肛門に身体の一部(陰茎を除く。)又は物を挿入し又は挿入される姿態、性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部をいう。以下この号において同じ。)を触り又は触られる姿態、性的な部位を露出した姿態その他の姿態をとってその映像を送信すること。

 

 傍聴した。
 被告人は身柄(警察留置場)。なんか暗ーい感じだ。
 生年は「おじゅうよねん」、たぶん昭和54年。現在44歳かと。仕事は「していません」。

 

 A(12歳女子)とグループラインで知り合い、個人のラインでメッセージをやり取りするようになり…。
 イキそうにさせながらイカせない…エーダッシュのドエムを開発しないとだからね…。
 閲読させ、もって誘惑し、大阪の駐輪場前の路上で面会し…ホテルの客室内で性交をし、撮影した…。
 東京の西武池袋線、電車内でB(17歳女子)に対し着衣の上から、さらに下着内に手を入れて、わいせつ行為を…。

 起訴状朗読の最後に検察官が「罰条」を言う。私は必死にメモった。
 確かに「182条2項」と出てきた。

 

 被告人は2003年に「強姦致傷」などで懲役16年を食らってるという。
 被告人氏名でネット検索すると、それらしい判決報道の転載がヒットする。
 そっちの被害者は複数名の少女と女児だ。

 

裁判長 「今後の進行ですけど、1月末に追起訴(の分は)…次回、審理に入りたい、それ以上は…」

検察官 「現在、被疑者勾留…2月末に…3月末までございます。そのあとにつきましても余罪捜査…」

 被告人はスマホにか、Aの名と「12歳」と記したフォルダに、動画のほか、Aの教科書の画像なども保存していたという。
 “獲物の記録”から次々発覚するってことはよくあるようだ。本件がそうか、まだわからないが。

 
 長く服役すると、なんにも考えず命令に服従することだけを叩き込まれ、脳にすり込まれ、出所しても抜けず、自分で自分を律することが困難になりがち、という話も聞く。
 本件犯行の背景に、そんな事情もあったりして。
 とにかく、被告人はまた10年を超える刑を服役することになりそうだ。 

 ←2月16日4時50分現在、週間INが30で2位。

2024年2月10日 (土)

求刑10年は軽すぎと被告人が述べて判決10年、量刑不当で控訴

1812274-2_20240210193101  「検察側の10年求刑に被告「短すぎる」 女子高校生への性犯罪事件」と昨年5月18日付けテレ朝news。
 冒頭部分はこうだ。

 女子高校生に対する強制性交等致傷などの罪に問われている男の裁判が横浜地裁で行われ、検察側が懲役10年を求刑したのに対し、男は「短すぎると思う」と述べました。

 5月24日の判決(横浜地裁)についても報道がある。求刑どおり懲役10年…。

 

 求刑10年が「短(みじか)すぎる」と被告人(被告ではなく被告人)が言わなければ、逮捕報道だけで終わっていたはず。

 裁判傍聴マニアをやっていると、犯罪のほとんどは報道されず、報道されてもそのほとんどは逮捕のみ、と分かってくる。

 

 

 その「強制性交等致傷、強制わいせつ致傷」の控訴審判決が今年2月9日、東京高裁であった。 
 ちょうど時間が空き、かつ開廷6分前の行列が5人しかなかった、ので傍聴した。

 被告人は身柄(拘置所)。逮捕以降ずっと勾留されてるんだろう。
 例の官給品のジャージ上下を着て、その上衣の裾から、薄汚れてくたびれた白Tシャツか何かがハミ出している。そのハミ出しが印象的だった。髪は密集して濃く、やや長めだ。

 通常の被告人席(弁護人席の前の黒いベンチ)ではなく、バー(傍聴席の前の柵)を背にして置かれた黒いベンチ、そこに被告人は座った、両側を刑務官に挟まれて。
 被告人の前に長机がある。
 黒いベンチと長机の間に被告人を立たせたまま、判決が言い渡された。
 被告人の動きを封じる必要があったのかと、普通には推測される。

 

裁判長 「主文。原判決を破棄する。被告人を懲役9年に処する。原審における未決勾留日数中260日をその刑に算入する…充電ケーブル1本を没収する」

 

 「10年は短すぎる」と述べて懲役10年とされた被告人の、その刑を9年に下げたとは!

 前科はないが、3人に対する悪質な犯行で、何らの被害弁償もなく、原判決は相当である…。
 しかし、当審(控訴審)での取り調べによれば、被害者3人に対しそれぞれ一定額の被害弁償をしており、現時点においては原判決はやや重きに失するに至った…。
 裁判長は、でかい声でパキパキとそう述べ、言渡は2、3分で終わった。 ※被害弁償の金額を裁判長は述べた。けど伏せる。何円であれ具体的金額を出すと、被害女性を中傷したがる連中を刺激するおそれがあるので。

 

 「10年は短すぎる」と言いながら、量刑不当で控訴し、刑を短くするため被害弁償をしたのか?
 そうじゃなく、控訴は弁護人がしたらしい。被告人も弁護人も控訴ができるのだ。
 被害弁償は、原審の時点では、被害者側が受け取らなかったのかもね。

 

 なことより、「強制性交等致傷」である。
 これは未遂と出てきて、私はほっとした。
 「強制性交等未遂」という罪名はあるが、未遂で負傷させても「強制性交等未遂致傷」とはならない。
 未遂は飛んで「強制性交等致傷」になる、そういうところが私は気になる。

 

 気になるといえば「ほとんど」だ。
 今回私は、1つのセンテンスで「ほとんど」を2度使った。
 「んど」で終わるって変なの。「商人(あきんど)」「蔵人(くらんど)」「グラウンド」、どれも異なる方面の言葉だ。
 ほとんどって何なの?
 ほらね、そういうところにどうも私は引っかかる。

 ここ数日、寝る前に少しずつ、自閉症関係の本を読んでる。自閉症の特徴に私は、まあその、少し当てはまる。
 「んど」に引っかかるのも、それかと思われる。

 ネットで「ほとんど」を調べた。
 「語源由来辞典」がヒットした。ははあ、なるほど、と思った。便利な時代になったねえ。

 ←2月10日22時00分現在、週間INが70で3位。

2023年12月19日 (火)

清掃員が女子トイレに盗撮カメラを秘匿設置、発見した女生徒は

18050925  今年7月13日施行の新法、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」により、盗撮の法定刑はぐんと重くなった。

 どれぐらい重くなったか、新法の裁判をなるべく傍聴したいと思っている、時間が空けば。
 先日、時間が空き、驚きの事件に遭遇した。  ※右の画像はどこかの商業施設の男子トイレ。

 

 東京地裁、「性的姿態等撮影未遂、性的姿態等撮影」、新件。

 被告人は身柄(警察留置場)。車椅子で入廷した。
 上下グレーのジャージで、マスクをつけ、私が言うところの“目隠しヘア”だ。
 前髪の奧の目をぎょろりと動かし、傍聴席を見渡した。
 始まる時点で傍聴人は合計7人。始まってからわさわさしゃかしゃか何人来たか、3人までしか私は記録してない。

 

 人定質問によれば被告人は50代男性、仕事は「今してません」。
 犯行時は「清掃員」だったそうな。

 派遣先の高等学校で、各階のトイレの清掃業務中、3階の女子トイレに入り、個室の汚物入れに小型カメラを隠匿設置した。

 午後0時28分頃、被害者A(17歳)がその個室で用便しようとしてカメラのレンズに気づき、向きを変えた。これが未遂分。
 その後、被告人が戻り、向きを戻した。

  (途中ちょっと省略)

 午後3時30分頃、被害者Aは友人とともにカメラを見に行き、見つけて学校に申告した。
 調べると、計9台の小型カメラがあちこちのトイレに隠匿設置されていた。
 学校内は騒ぎになり、被告人が所在不明となった。
 学校の防犯(監視)カメラに、学校から出て行く被告人の姿が録画されていた…。

 追起訴があり続行。

 

 被告人は前科3犯、うち同種が2犯。
 2017年6月に東京地裁で「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反、児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反」により懲役1年8月(※)の刑を受け、服役したという。 ※女性検察官の声が小さく「…ちげつ」としか聞こえなかった。「はちげつ」、8月と解される。

 

 被告人氏名でネット検索すると、逮捕報道がヒットする。事件的に時期的に年齢的に、本件被告人の前刑の事件の逮捕報道かと思われる。
 電車内の痴漢で逮捕され、パソコン等にトイレの盗撮画像が発見され、清掃員として出入りしていた小学校、の女子トイレに小型カメラを隠匿設置し女児を盗撮したことが発覚した、のだそうだ。

 検察官がいつも強弁する「徹底した矯正教育を行なう矯正施設」=刑務所を出て、また同じことをやる、あるあるだ。
 しかし検察官は「徹底した矯正教育を行なう矯正施設」と強弁し続ける。あるあるだ。

 

 上掲は私のアフィリエイト。
 居酒屋とかカフェとか、トイレが男女共用のことがよくある。
 そういうトイレに動体検知カメラを秘匿設置し続け、若い女性が映った部分のみ編集し続け、ロシアのサイトに売って878万円稼いだ被告人もいた。

 自分の楽しみのために、若い女性が多そうなお洒落なカフェの男女共用トイレに、という者は普通にいそうだ。
 盗撮発見器を持ち歩き、探してみる? また鞄が重くなる、てか私はお洒落なカフェへ行かないし💦

 男の“盗撮欲”は、性犯罪者たちの執拗さはどれほどか、女性誌で特集記事を、もうやってる?

 ←12月19日3時20分現在、週間INが50で2位。

2023年12月17日 (日)

支援女性に好意を抱き強制性交等致傷

Screenshot-20231216-at-082622-92-5117-tb  ちょっと時間が空いたので、もうダメかなあと思いつつ開廷15分前、東京地裁815号法廷(52席)へ。
 すでに大行列!
 法廷前の小廊下は、軽く60数人、たぶん70数人の大行列で埋まっていた。生徒さんのグループが多く見えた。
 「殺人」(裁判員裁判)の判決があるのだ。

 

 一瞥(いちべつ)して直ちに私は東京地裁531号法廷(52席)へ。
 「殺人」と同時刻から、こっちは「強制性交等致傷」(裁判員裁判)の判決だ。

 こっちの傍聴人はパラパラ程度だった。
 あっちの大行列の後ろのほうの人、どうせ傍聴できないんだから、こっちへ来ればいいのに、とはしかし、初めて裁判を傍聴に来る人たちは、夢にも思わないのだろうなあ、世の中そんなことがいっぱいあるわけで。

 「強制性交等致傷」の被告人は身柄(拘置所)。濃いめのグレーのジャージ上下。禿げめで坊主刈りで長身だ。年齢的には50歳前後だろうか。
 目つき、悪っ! その目つきと姿勢、動作等に、なんというか、如何にも尋常ではないという印象を私は受けた。

 

 裁判員が6人全員、男性だった。見た感じ20代から70代の、男ばっか。補充裁判員2人(書記官の隣に着席)もだ。
 裁判官3人も男性。こんなところで“男祭り”とは。

 

 法廷中央、証言台のところに被告人を立たせ、裁判長が主文を告げた。

裁判長 「主文。被告人を懲役8年に処する。未決勾留日数中320日をその刑に算入する」

 1年以上も勾留されているわけだ。

 いったい何をやったのか。
 夜中に1人歩きの女性を尾行、後ろから襲いかかってそばの駐車場へ連れ込み、という事件かと私は思った。そういうのが多いので。

 ところが!

 被告人は軽度の精神遅滞…。
 被害者(女性か)は、精神障害者の支援に従事しており、被告人を担当していた…。
 被告人は被害者に好意を持ち、自殺未遂のことで相談したいと被害者を被告人方へ呼び出し…。
 交際を求めたが断られたことに一方的に腹を立て…。

 アイスピックの先端を向けて「俺の言うことをきけ、死にたくなければ…」などと脅し、転倒させて馬乗りになり、首を絞め「殺すぞ、言うことをきけ」などと脅し…。
 約1時間にわたって性交や口腔性交をし、被害者に全治まで約1カ月を要する陰部裂傷等の傷害を負わせた…。

 なっ、なんだそれ!
 被害者は心身が不調となって退職を余儀なくされ、今もなお通常の生活に戻れていないそうだ。 

裁判長 「同種ではないが粗暴犯の前科がある…」

 私は帰宅後、超絶マニアックデータを調べてみた。
 2011年2月に東京高裁で、同姓同名の被告人の「傷害」の控訴審判決の期日あり。傍聴してない。

 

 

 この被告人氏名でネット検索しても完全ノーヒットだ。
 「軽度の精神遅滞」ゆえ匿名報道なのか。そう考えていろいろ検索してみたが、何も見つからなかった。

 「殺人」のほうは「東京・北区の老人ホームで入所者(当時92)殺害 元職員(51)に懲役17年判決 東京地裁」(12月15日付けTBS NEWSDIG)などと報道されている。上掲画像はそのスクリーンショットだ。

 ←12月17日5時50分現在、週間INが50で2位。

2023年11月25日 (土)

ストーカーに対する「警告」「禁止命令」とは

17111711  警視庁(いわば東京都警察本部)で2022年のいろいろ統計をコピーしてきた。

 第68表「ストーカー規制法違反等の措置状況」に、「ストーカー行為等に係る相談」は1207件(前年は1102件)とある。
 東京都内で2022年の1年間に1日平均3.3件の相談があったってことだ。
 相談といってもさまざまなんだろうけど、けっこう多いね。

 その先を、裁判傍聴の参考になればと、ちょっと詳しく見てみよう。めんどくさい部分は読み飛ばしていただければ。

 

 「警告書の交付(第4条)」が504件(前年は483件)。
 以下、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(略称:ストーカー規制法)を引く。

 「2」「3」とあるのは第2項、第3項だ。
 『法令作成の常識』(日本評論社)によれば、この番号は昔はなかった。昔は改行で分けていた。しかしその後、行の頭に番号を付すようになった。項の順番を調べ探す便宜のための符号なので、第1項には「1」という項番号をつけないのだそうだ。勉強になるねえ。ならねえよ? うっそ。


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 以下、私のほうで本文の一部を太字とする。


(警告)
 第四条 警視総監若しくは道府県警察本部長又は警察署長(以下「警察本部長等」という。)は、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をされたとして当該つきまとい等又は位置情報無承諾取得等に係る警告を求める旨の申出を受けた場合において、当該申出に係る前条の規定に違反する行為があり、かつ、当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときは、当該行為をした者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、更に反復して当該行為をしてはならない旨を警告することができる
 一の警察本部長等が前項の規定による警告(以下「警告」という。)をした場合には、他の警察本部長等は、当該警告を受けた者に対し、当該警告に係る前条の規定に違反する行為について警告をすることができない。
 警察本部長等は、警告をしたときは、速やかに、当該警告の内容及び日時を第一項の申出をした者に通知しなければならない。
 警察本部長等は、警告をしなかったときは、速やかに、その旨及びその理由を第一項の申出をした者に書面により通知しなければならない
 前各項に定めるもののほか、第一項の申出の受理及び警告の実施に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

 

 「禁止命令等(第5条)」が164件(前年は139件)。
 第5条は第15項まであってやたら長い。第2項までのみ以下に。漢数字は号、第1号、第2号だ。

(禁止命令等)
 第五条 都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、第三条の規定に違反する行為があった場合において、当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときは、その相手方の申出により、又は職権で、当該行為をした者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項を命ずることができる
 一 更に反復して当該行為をしてはならないこと
  更に反復して当該行為が行われることを防止するために必要な事項
2 公安委員会は、前項の規定による命令(以下「禁止命令等」という。)をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

 

 「援助の実施(第7条)」が742件(前年は619件)。警察がやったこととしてこれがいちばん多い。


(警察本部長等の援助等)
 第七条 警察本部長等は、ストーカー行為等の相手方から当該ストーカー行為等に係る被害を自ら防止するための援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるときは、当該相手方に対し、当該ストーカー行為等に係る被害を自ら防止するための措置の教示その他国家公安委員会規則で定める必要な援助を行うものとする。
 警察本部長等は、前項の援助を行うに当たっては、関係行政機関又は関係のある公私の団体と緊密な連携を図るよう努めなければならない。
 3 警察本部長等は、第一項に定めるもののほか、ストーカー行為等に係る被害を防止するための措置を講ずるよう努めなければならない。
 第一項及び第二項に定めるもののほか、第一項の申出の受理及び援助の実施に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

 国家公安委員会規則とは「ストーカー行為等の規制等に関する法律施行規則(平成十二年国家公安委員会規則第十八号)」だ。その第15条がこう定めている。

(警察本部長等による援助)
第十五条 法第七条第一項の国家公安委員会規則で定める援助は、次のとおりとする。
  申出に係るストーカー行為等をした者に対し、当該申出をした者が当該ストーカー行為等に係る被害を防止するための交渉(以下この条において「被害防止交渉」という。)を円滑に行うために必要な事項を連絡すること。
  申出に係るストーカー行為等をした者の氏名及び住所その他の連絡先を教示すること。
  被害防止交渉を行う際の心構え、交渉方法その他の被害防止交渉に関する事項について助言すること。
  ストーカー行為等に係る被害の防止に関する活動を行っている民間の団体その他の組織がある場合にあっては、当該組織を紹介すること。
  被害防止交渉を行う場所として警察施設を利用させること。
  防犯ブザーその他ストーカー行為等に係る被害の防止に資する物品の教示又は貸出しをすること。
  申出に係るストーカー行為等について警告、禁止命令等又は禁止命令等有効期間延長処分を実施したことを明らかにする書面を交付すること。
  その他申出に係るストーカー行為等に係る被害を自ら防止するために適当と認める援助を行うこと。

 文言としてずいぶん被害者に親身だなあと思う。こういうの、私が普段見る法令の中では珍しい。

 

 そして、「ストーカー行為罪(第18条)」による検挙は166件(前年は102件)。


(罰則)
 第十八条 ストーカー行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 

 「禁止命令等違反(第19・20条)」による検挙は16件(前年は15件)。


第十九条 禁止命令等(第五条第一項第一号に係るものに限る。以下同じ。)に違反してストーカー行為をした者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
 前項に規定するもののほか、禁止命令等に違反してつきまとい等又は位置情報無承諾取得等をすることにより、ストーカー行為をした者も、同項と同様とする。
第二十条 前条に規定するもののほか、禁止命令等に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 

 「ストーカー行為」「つきまとい等」「位置情報無承諾取得等」とはそもそも何か。
 少し戻ってストーカー規制法の第2条に定義がある。「つきまとい等」については第1項がこう定めている。

第二条 この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
  つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所若しくは通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
  その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
  面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
  著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
  電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、文書を送付し、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。
  汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
  その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
  その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。

 そんな感じで、「位置情報無承諾取得等」については同第3項に、「ストーカー行為」については同第4項に定義が定められている。

 ちなみに私は各種法令を「e-Gov法令検索」で見ている。
 このサイト、広告がない。どこから資金が出ているのか、サイト内を調べてもどうもわからない。総務省か内閣府かどこかが親玉と以前聞いたような気がするが定かじゃない。さすがに闇の組織ってことはなかろうと(笑)。

 

 「ストーカー行為等の規制等に関する法律違反」の刑事裁判も私はずいぶん傍聴してきた。
 こんな趣旨を言う被告人が多い。

被告人 「恋愛感情とか怨恨の感情とか、そんなものはありません。別れの理由を本人から聞きたかった、それだけです、ほかになにもないです」

 その言い分は全く通らない。
 裁判は、本人の内心ではなく、やったこと、事実をもとに認定、判断するのである。
 「殺すつもりはなかった」とどんなに言い張っても、鋭利頑丈な刃物で身体の枢要部を複数回深々と突き刺したなら、殺意が認定される、同じようなものだ。

 しかし、少なからぬストーカー犯は、自分は当たり前のことを普通にやっただけ、ストーカー犯と決めつけられ逮捕され、警察がおかしい、検察官、裁判官がおかしい、自分こそ被害者だ、脳内ではそのようになっているらしい。

 とはいえ逮捕以降ずっと勾留されており、早く出たい。法廷で逆らっても損なだけ、程度のことはわかる。
 そこで「自分が間違っていると今度こそ理解した。被害者には二度と連絡しない、近寄らない」と誓って執行猶予判決をゲット、すぐにまたつきまとい等を開始する者がいる。

171024 いったん執着したら離れない。脳が執着で固まる。リアル生活の不安とか悩みとか入り込む余地はない。非常な安定状態、目的に向かって一直線、気持ち良い、のではないかと私は見ている。
 宗教なんかも安定をもたらしてくれる。

 私はどうなのか。
 裁判傍聴へ出かけたい。でも原稿を書きたい。あれこれ開示請求したい。健康のため有酸素散歩もしたい。そうこうするうち日が暮れてきた。今夜は何を肴(さかな)にどの酒を飲もう。やっぱり冬は姫柚子をたっぷり搾って焼酎甲類をだばっと注ぐ、あれに限る。よだれが出てきた、うふふ。
 そんなふうに日々が飛びすぎていく。良きかな、である。

 ←11月25日13時40分現在、週間INが30で2位。

2023年11月21日 (火)

身につけたパンツの性器を覆っている部分

2303224_20231121214901  裁判官、検察官、新しい人が増えましたね。 ※右の画像、案内表示の向こうに見えるのが東京地裁(東京高地簡裁合同庁舎)の巨大ビル。

 

 姉さん、あんた宝塚歌劇から抜け出てきたでしょ! と見とれてしまう女性立会(りっかい)検察官に遭遇した。
 その検察官が読み上げた起訴状に、私は仰天した。 ※以下、文言どおり完全ではない可能性あり。

 

検察官 「被告人は、正当な理由なく、令和5年9月×日午後9時頃から午後9時10分頃までの間、東京都××区…飲食店…更衣室として使用…倉庫内…動画撮影機能付きの携帯電話…A当時17歳が身につけたパンツの性器を覆っている部分、B当時17歳が身につけたブラジャーの胸部を覆っている部分を撮影した…」

 なっ、なんだそれ! 身につけたパンツの性器を覆っている部分って、そんな言い方、初めて聞く!

 

 初めてなのは当然、これは今年7月13日施行の盗撮新法こと「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」違反の事件なのだ。

 開廷表では「性的姿態等撮影、性的姿態等撮影未遂」となっていた。
 翌日も携帯電話を仕掛けたが発覚して未遂に終わり、そこから前日の本件犯行が発覚したのだという。

 

 検察官が「2条1項1号イ」と言うのを私はしっかりメモった。そういうとこ偉いでしょ。
 第2条は第3項まであり、第1項は第4号まである。第1号はロまである。
 以下は第2条の第1項の第1号までだ。ロは本件に関係ないが、ついでに。

 

(性的姿態等撮影)
第二条 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
  正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
   人の性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
   イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態

 なるほど、第2条第1項第1号イのとおりに検察官は読み上げたわけだ。

 今回の裁判は、追起訴があるとのことで続行となった。
 次回は12月中旬。追起訴の検察立証と、弁護人の立証をやり、結審するんじゃないかな。

 7月の当ブログで述べたように、法定刑は従来の迷惑条例(東京都)の3倍になった。
 そんなこと知らなかったよねと弁護人は被告人質問で質問するだろうか。

 なお、本件被告人に拘禁刑は科されない。以下は同法の「附則抄」より。

(刑法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)の施行の日(以下この条及び次条において「刑法施行日」という。)の前日までの間における第二条から第六条までの規定の適用については、これらの規定(第二条第二項及び第三項、第五条第二項及び第三項並びに第六条第二項を除く。)中「拘禁刑」とあるのは、「懲役」とする。刑法施行日以後における刑法施行日前にした行為に対するこれらの規定の適用についても、同様とする。

 「刑法等の一部を改正する法律」の施行は2025年6月1日と、日経新聞が報じている。
 その前日までは「拘禁刑」ではなく「懲役刑」とされるのだ。

 

 今回、たまたま時間が空いたので「性的姿態等撮影」を傍聴できた。
 同じ7月13日施行の「不同意わいせつ」「不同意性交等」は、開廷表には何度も見つけながら、傍聴できずにいる。
 そのうち傍聴してご報告しよう。

 ←11月21日21時40分現在、週間INが40で2位。

2023年11月 9日 (木)

地面に寝そべって手淫させ、射精した

2301065_20231109211201  その日の私の狙いは、13時30分、東京簡裁728号法廷(20席)で「道路交通法違反」だった。
 これ、超絶レアな運転免許条件違反なんである。見逃してたまるか! なのである。

 でも、13時30分は東京地裁の午後の新件が一斉にスタートする時刻だ。簡裁の道交法なんて超不人気に決まってる。
 じゃあ、その前に何か傍聴しよう。

 

 おっ、13時15分から東京地裁416号法廷(42席)で「傷害致死」(裁判員裁判)の新件がある。
 なんだろ、スマホ検索。逮捕報道なし。被告人は、渋谷に本社のある大きな会社の社長と同姓同名だ。なんだろ。
 よし、起訴状朗読を聞き、検察冒陳(冒頭陳述)の途中で出よう。

 

 そう考えて12時52分頃に416号法廷前へ行った。
 すでに行列があり、私は29番目だった。続々と傍聴人が来て、軽く42人を超えた。

 やがてドアの施錠が解かれ、傍聴人が雪崩れ込む。直ちに満席だ。
 私はまあまあ良い席に座れた。

 全員座ってしーんと待つ。裁判官3人も裁判員6人もなかなか来ない。
 13時14分、念のため、私は鞄(皮革の高級レトロ鞄)から手帳を出し、確認した。
 げーっ、簡裁728号の「道路交通法違反」は13時20分からじゃん! やばっ!
 私は直ちに立ち上がり、出た。
 ドアの外には10人ほど、空き待ちの行列ができてた。

 

 急ぎ728号法廷へ。ところがっ! 「道路交通法違反」がない。「窃盗」とか別の事件ばっかり入ってる。
 待て、東京簡裁が使う法廷はもうひとつある、534号だ。法廷を間違えたか。
 そばの非常階段を駆け下り、急ぎ534号法廷(20席)へ。やっぱりない。がーん。
 この日、そいつがなければ、裁判所へ来なかったのにぃ。来ずにいろいろやることがあったのにぃ。

 あとで書記官室で確認してわかった。今日じゃなく明日だった。私が間違えたのだ。もう…。

 

 こういうとき、素早く頭を切り替えねばならない。
 さっきいくつも被告人氏名でスマホ検索したとき、自転車同士の事件の、なぜか「道路交通法違反」の新件が13時30分から東京地裁422号法廷(52席)であったな。措置義務違反(ひき逃げ)かも。

 そっちへ急ぎ行った。少し行列があり私は7番目だった。
 だが、開廷表を見ると「不同意わいせつ」だ。げっ? しまった、法廷を書き間違えたか!

 いや、待て!
 あわてて開廷表を見直した。被告人氏名に見覚えがあった。この事件でいいのだ。なんで自転車事故が「不同意わいせつ」なのか。
 もう今からじゃどこも間に合わない。しょーがない。これを傍聴しよう。

 

 と傍聴した「不同意わいせつ」は、とと、とんでもない事件だった。 ※それをなぜ「道路交通法違反」と私はメモったか、今となってはもう分かりません💦

 深夜、中年男の自転車と20歳前の女性の自転車が衝突。
 男はこれを奇貨として女性を脅し、震え上がらせ、路上で立ったままズボンとパンツをおろし、自己の陰茎を手淫させた。
 自動車のヘッドライトが見えるや、付近の駐車場へ移動。男は地面に寝そべって手淫させ、射精した。
 なんだそれ、サイテー野郎!

 被告人質問が圧巻だった。弾かれたように直ちに、上っ面の反省・悔悟をまくしたてる、というか。
 過去に同種で逮捕されたことがあり、そのときは被害弁償をして不起訴で済んだという。
 なのに今回、弁護人は被害弁償に一切触れず、最後まで具体的な金額等は出なかった。

 弁護人、検察官、裁判官の様子からして、この程度なら執行猶予で決まりなの? と感じた。
 判決、絶対傍聴しよう。

 そのあとに傍聴した、マイナカードを拾得したのを奇貨として…という事件も、いやはやなんだそれ、だった。

 

 翌日は休む予定だったが、免許条件違反は超絶レアなんである、ためらうことなくまた出かけた。
 ところが、なんと、被告人は不出頭。数日前から風邪により高熱を発しているのだという。
 刑事通常第一審の判決は、被告人の出頭がなければ言い渡せない。

 あら~、そんなこともあるよね~(笑)。 ←こういう反応の者は運が良くなるんだそうだ。よし。 

 ←11月9日19時50分現在、週間INが50で2位。

2023年10月20日 (金)

「傍聴アイドル」が近々デビュー?

 恐怖の夏休み(※1)が終わり、ここ数週間か、東京地裁(※2)は傍聴人がめっきり減った。

※1 7月20日頃から8月末頃までの約40日間、開廷がおおよそ半分ほどになる。そこへ夏休みの小中高生、付き添いの親御さん、大学生諸君が押し寄せる。恐怖の傍聴席争奪戦争、なのだ💦

※2 東京高地簡裁合同庁舎。でも一般傍聴人の方々は、やっぱ地裁へ集中しがちだ。

 

Screenshot-20231020-at-203222-tbs-news-d  ところが今日、傍聴人がめっちゃ多かった。
 中年のご婦人が目立った、ように思われた。

 歌舞伎俳優が被告人とされる「自殺幇助」(13時30分開廷)の傍聴券締切が11時20分だっけ11時40分だっけ。右はTBSニュースのスクリーンショットだ。

 お友達といっしょに来て抽選に外れたご婦人方が、「せっかく来たんだから何か傍聴していきましょうよ」となったのか。

 ご婦人方の会話に中に、裁判傍聴は前にもした、という部分があった。
 並び屋さんとして過去に何度か雇われたことがあり、そのときついでに何か傍聴したことがある、とか?

 

 ちょっと尋常じゃなくお洒落な若い美女グループもいた。
 アイドルグループの事務所が、近々「傍聴アイドル」をデビューさせることになり、それで…?

 

 やがて私は気づいた。
 ご婦人方、また若い美女グループの手に、同じ書式の紙が。
 期日情報、開廷表の記載事項がだーっと列挙されている。それを見てこんなことを言うのがちらり聞こえた。

傍聴人 「あ、(13時)15分、これ行こうか」

 別の書式の紙を持つ女性もいた。

 少なくとも2つの、女性を中心とする、それなりに大人数のグループが、今日は居た、論理則、経験則等に照らしてその推認は合理的というべきである。

 

 今日の私は、午後一から16時半頃まで、びっしり傍聴した。

 「被害にあった声優アイドルは活動休止に…ストーカー容疑男「スマホに複数の女性画像」戦慄の素顔写真」と7月25日『FRIDAY』が報じた事件、の第1回公判も傍聴した。
 歩道を歩く被害女性の後方から動画撮影しながら徒歩で追従したのだという。

 ストーカー事件も私はだいぶ傍聴してきたけども…。
 執着犯、思い込み犯、依存症犯には、刑罰は無力、そう感じるケースが目立つ。

 相場どおりの執行猶予判決とか、実刑判決で刑務所行きとか、全く無駄とまでは言わないけどもさ、強制入院&強制治療の方向を考えないと、被害は増えるばかりなんじゃないか。

 そんな感想、提言を述べるのが裁判傍聴師の役割だ。
 検察も裁判所も国会議員も聞かなくても、述べるべきことは述べる、そゆこと。

 ←10月20日22時00分現在、週間INが502位。

2023年9月24日 (日)

ミニスカ&Tバックで尻、腿を女装露出

Screenshot-20230924-at-195030  なかなか興味深い、読み応えのある記事だと思う。
 「「アンダーブーブはファッション、ビキニは軽犯罪か」…あいまいな過多露出基準=韓国(1)」と8月21日付け中央日報/中央日報日本語版。 ※画像はその記事のスクリーンショット。

 こんな部分がある。

 キム代表が話した「昨年の似たこと」とは7、8月にインフルエンサーのイム・グリンとユーチューバーのBOSS Jがビキニ姿で江南駅と梨泰院(イテウォン)駅周辺でバイクに乗ったもので、当時、参加者は軽犯罪処罰法上の過多露出罪で立件され、同年11月に送検され、5月に略式起訴された。
  (中略)
 該当条項は公開された場所で性器・尻など身体の主要部位を露出して他人に恥ずかしい思いをさせたり不快感を与えた者は10万ウォン(約1万円)以下の罰金または拘留、過料の刑で処罰すると明示している。

 「過料」は「科料」の誤記かも。いや、わかりませんけど。

 

 日本の軽犯罪法にもそういうのがある。以下は第1条の柱書と、第34号まであるうちの第20号のみだ。

第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
 二十 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者

 20号露出とでもいうべき「軽犯罪法違反」の刑事裁判を、私は何件か傍聴した。
 うち1件、東京高裁の控訴審判決について、メルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」(2022年11月末の第2697号をもって終了)から、一部転載しよう。
 被告人は不出頭、裁判長は後藤眞理子裁判官、主文は控訴棄却だった。

 

 刑法の「公然わいせつ」ではなく「軽犯罪法」、いったいどんな「仕方」で何を「露出」したのか。

裁判官 「午前3時30分頃…Tバック下着…ミニスカート…尻、腿を露出した…」

 「女装」という語が出てきた。被告人は男性なのだ。年齢は不明だが。
 弁護人(中堅男性。それが地なのか、つまらなさそうな目つき)は、あらゆることを主張していた。

 ことさらに露出する意図はなく、臀部は下部を露出したに過ぎない。第20号の構成要件に該当しない…。
 誰も注視しておらず、嫌悪の情をもよおす者はいなかった。不愉快に思う者は皆無と考えられる…。
 女装は被告人にとって性欲発散行為であり、これを咎めることは自由を侵害する…。
 自宅で女装を楽しんでいたところ、たまたま急遽(きゅうきょ)手紙を投函する必要があって外出しただけ…。

 裁判長はいちいちぴしゃっと退けた。「通常人の風俗感情のうえで不快の念を…」という言い回しも出てきた。
 外出については、捜査段階でか原審の法廷でか、被告人自身がこんな供述をしているんだという。

供述  「欲望を抑えられず、もう少し歩きたいと遠回りして帰宅した」

 原判決は拘留10日だという。弁護人は科料が相当と主張したが…。

裁判官 「いずれも同種…平成×年10月、平成×年(翌年)7月、科料の略式命令を受け…本件犯行は(平成×年7月の科料から)わずか8カ月後…」

 それじゃあ量刑相場的に拘留とせざるを得ないわねぇ。
 拘留の執行猶予? それは無理だ。執行猶予を付けられるのは「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金」についてだけと刑法第25条第1項が定めているので。

 裁判長はこんなことも言った。

裁判官 「もはや監督する立場の者は存在しないと認められる…」

 「もはや」ってことは、離婚されたか、親御さんが亡くなったか、被告人を見放して去ったか…。
 孤独を深めてますます女装徘徊が生き甲斐になったりしないか、ちょっと心配な気がした。

 

 こんな哀愁の(?)レポートもメルマガには書いていたのですよ。懐かしい。
 被告人の氏名で今ネット検索してみた。完全ノーヒットだ。どんな人生をお暮らしやら。

 

 ヘンリー・マンシーニのこの曲が聞こえてしまうのは、いくらなんでも不謹慎だろうか。

 ←9月24日19時50分現在、週間INが402位。

※追記  以下は刑法。

(拘留)
 第十六条 拘留は、一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する。
(科料)
 第十七条 科料は、千円以上一万円未満とする。

2023年9月15日 (金)

気が弱い、もっと触れると思い、さらに女児の胸を触った

2303224_20230915050501  東京地裁で「邸宅侵入、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」。

 略して「迷惑条例違反」の部分は、盗撮とか、恋愛感情ではなく悪意の感情によるつきまといとか、いろいろあるけど、「邸宅侵入」との組み合わせでいちばん多いのは、あれかな。
 傍聴してみた。やっぱりそれだった。

 

 被告人は30歳代、髪が濃い。犯行時は会社員。
 午後から夜遅くまでの勤務で、19時頃に1時間の休憩あり。
 日常に何か刺激がほしい…。
 前の道路を、塾帰りの女児が2人、通りかかった。
 途中で2人は別れた。1人のほうを被告人は尾行。早く触りたいと興奮しつつ。

 女児はマンションへ。
 オートロックを2つクリアして被告人は尾行。
 女児はエレベータに乗った。タワーマンションかと思われ。

 女児に続いて被告人も乗った。
 被告人は、女児がボタンを押した階より上の階のボタンを押した。
 女児は、先に下りるため、エレベータのドアの近くに立った。
 後ろから被告人は、女児の「お尻の割れ目のところ」を触った。
 女児は振り向いて「やめてください」と言った。
 被告人は「すみません、寂しくて」と言い、寂しそうな顔をした。
 女児の声が小さかったことから、気が弱い、もっと触れる、と被告人は思い、さらに女児の胸を触った。

 そのとき女児の背後でエレベータのドアが開いた。
 女児は走って逃げ、自宅へ。
 迎えた母親によれば、女児は涙を浮かべ、見たこともないおびえた顔をしていたという。

 追起訴があり続行。

 

「信じられない、とんでもないクソ野郎がいたもんだ!」

 と世間の方は驚かれるだろうか。
 しかし裁判傍聴マニアからすれば、脳に性欲の寄生虫がわき、相手の気持ちはもちろん、自分が捕まってどうなるかも、全く思いつかない、考えられない、そんな男はうようよいる。
 夜間に女性(女児)を尾行し、マンションのエレベータ内で体を触る、それはあるあるだ。

 そういうものだとは女性たちは知らず、今夜も同様の被害、似たような被害が起こる、起こり続ける。
 裁判所は、淡々と、相場どおりの有罪判決を言い渡し続ける、飽きることなく。
 世の中どうなってんだ、という思いを深く味わえるのが、裁判傍聴の醍醐味か。


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 ←9月15日5時00分現在、週間INが402位。

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