フォト
2025年7月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ

カテゴリー「刑事/色情犯」の280件の記事

2025年7月12日 (土)

わたし、いま、汚いからシャワーを浴びる

 「英会話教室経営の52歳男 音読中の女子高校生に後ろから抱きつき…携帯電話で撮影か 「数人の教え子に同様の行為などをした」趣旨の供述 千葉県警」と7月12日付けTBS NEWS DIG。

 「教室」となってるけど、要するに塾かと。
 当方の超絶マニアックデータの備考欄に「塾」の1文字があるものを見てみた。
 いろいろあるなかで、性犯罪は以下だ。

■陰茎露出で中学教師を懲戒免職になり、上京して塾を共同経営。中学生男女に年60~80回見せた。

■28歳で大学8年生。塾講師のアルバイトで知った女性に対し。よくしゃべりまくる被告人。

■学習塾講師、別の学習塾の女児9歳をエレベータで触り。犯人性を否認。

■自分が経営する塾の小3男児2人に、自己の陰茎を露出して手淫をさせ、写真を撮らせ…。

■75歳、学習塾で女児を触った。頼まれてマッサージをしたと。

■妻子あり、書道塾経営。娘と同じ年頃の少女に強制わいせつ未遂。

 

 こんな変わり種も。塾長と塾生3人、合計4つの裁判を傍聴した。

■リアルナンパアカデミー(ナンパ塾)、ウオッカで泥酔させ集団強姦、みな女性を獲物としてしか見ていない。

 

 そして、、、

■68歳塾講師が11歳女児の胸を3回触り、女児が可哀想!

 この事件について、当時のメルマガから一部、飛び飛びに拾おう。

 

 被告人は身柄(拘置所)。例の官給品のジャージ。シチュエーションのせいか固く怖い感じの高齢男性だ。
 被告人席(弁護人席の前のベンチ)に刑務官に挟まれて座るとき、体を、さらに頭部を、ぐいっと裁判官のほうへ向けた。傍聴席から顔を見られないように、だろう。

 検察官の冒頭陳述によれば、被告人は大卒。会社員の後、塾講師に。婚姻歴あり。異種の罰金前科4犯。
 甲3号証は被害女児の調書だった。検察官が読み上げた。

甲3号 「(本件の2カ月ほど前から)被告人の授業を受けるようになった…自分に近づき、左胸に手のひらを…帰宅後、母親に…■■先生に胸を触られたと…恐怖を思い出して涙が出そうになり、目がうるうるしてしまった…」

 そして…。

甲3号 「(事件後)眠れない日が多くなった…信用している男の人以外の男の人を見ると、怖くなる…逆恨みされるかもしれない…」

 甲6号証は母親の調書。

甲6号 「被告人から2回、お菓子をもらった…2回目はチョコ…この先生、私に好かれようとしている…チョコいらない、ママにあげる…」

 そんなことが前にあり、本件当日、被害女児はこう母親に言ったのだという。

甲6号 「シャワーを浴びたら話があると(娘が言い)…先に話して…わたし、いま、汚いからシャワーを浴びる…(話を聞いてから)初めてなの? 2、3回目と答えた…」

 

 被告人質問で、被告人はよくしゃべった。

 被告人としては、被害女児が授業に集中してないと思い、注意しようと胸を触ったのだそうだ!
 3回目、被害女児はリュックを胸の前に抱えていたという。だが! 被告人によれば、それは教室の冷房が効きすぎて寒かったせいと思い、リュックの間から手を差し込んで胸を触ったのだという。なんだそれっ!

 ただ、大半が聴き取れない。発した声を、なるべくマスクの内側で消す、背後の傍聴席に届かせない、そういう特殊な発声術を用いているようだった。

 

 被害女児の親権者からの意見陳述書を、検察官が読み上げた。

陳述書 「…以来、生活が一変しました…被告人が否認したことでさらに…報道され…小学生の女の子ならこれくらいの嘘はつけると…」

 それ、Yahoo!ニュースの匿名投稿かもね。

陳述書 「警察、検察…(への出頭)以外は一歩も外出できなかった…娘は…先生が辞めさせられると思ってなかなか話せなかったと…」

 相手の立場を思いやり、責任感のある、良い子だったのか。

陳述書 「…塾に防犯カメラはなく…巡回は80分に1回まわってくる…眠れず、食が細くなり…ストレスから体を掻いてしまい…反抗期が悪化した…検察へ行く日…階段から落ち、骨折寸前の…発覚して4カ月、否認し続けた…保身のために…娘も裁判に出なければいけないかもと言われ…」

陳述書 「私も娘を車で送迎…まさか送り届けた先でこうなるとは…お菓子…自分のお勧めの曲をホワイトボードに書き、ノートに書かせていた…警察に2回、検察に3回、トータルで12時間…極度の緊張…具合が悪くなり…受験(中学受験)…どうなるかわからない…受験の妨害をされた…正しい判断をしていただきたいと思います」

 

 求刑は懲役何年だと思う?
 懲役6月(ろくげつ)だった。たった6月って!

 じつはこの事件、罪名は「強制わいせつ」でも「不同意わいせつ」でもなく「暴行」なのだ。
 わいせつ目的を被告人は徹底的に否認し、「強制わいせつ」で起訴すれば女児の証人尋問は必至…そういう検察の判断だったのかも。

 

 判決も傍聴した。
 普通に懲役6月、執行猶予3年
 被害の重さ、ではなく、罪の重さ、を検察も裁判所も大事にするのだな、と思えた。

 判決までずっと勾留したのに、未決算入(未決勾留日数の算入)はなかった。
 相場的に算入するほどではなかったのか、20日程度算入が相場なのに、裁判官がムカついて算入しなかったのか、わからない。

2025年6月28日 (土)

教師、教諭、教員の性犯罪17件

 「盗撮教員グループは約10人で結成か 秘匿性の高いアプリを使用「いいですね」と称賛し合う」と6月25日付け東京新聞。
 「女子児童盗撮事件「極めて遺憾」 文科相、服務規律徹底促す」と6月27日付け同紙。

 教員による生徒らの盗撮がいま話題になってる。

 

 盗撮自体については、盗撮魔たちの飽くなき執念、盗撮アラカルトともいえる記事を、私は以前書いた。

 いま、ふと思いついた。
 超絶マニアックデータその1から、備考欄に「教師」「教諭」「教員」とあるものを、性犯罪に限って拾ってみよう、と。
 「保育士」「ベビーシッター」は除く。

 どんなのがあったっけ。

 

■陰茎露出で中学教師を懲戒免職になり、上京して塾を共同経営。中学生男女に年60~80回見せた。 ※公然わいせつ

■中学教師と偽り、小細工を弄して、15歳少年を車で連れ回し。イカレてるっ!

■44歳独身の家庭教師、出会い系アプリで募集した17歳処女と次々性交。処女好きの理由は! 下手と言われない。

■元高校教師(非常勤)、教え子に徹底執着。最後は殺すかも! ※ストーカー、名誉毀損等

■10歳女児の家庭教師が陰部に指を。一審後に500万円で示談し逆転執行猶予5年。業横の猶予前科あり。 ※業横=業務上横領

■2007年の痴漢で教諭を懲戒免職。その後窃盗と痴漢を重ね服役3回。否認。

■私立女子校数学教諭、女子高生のスカート内盗撮。知的。

■40歳小学校教諭(独身)、山中湖への移動教室で、就寝中の男児の陰茎を勃起させデジカメで撮影。

■高校教諭、教え子(高1)から悩み事相談を受け、恋愛感情を持ち、池袋のホテルで陰茎を舐めさせるなど性交類似行為。

■20年前に教諭だったとき生徒へのわいせつ行為で実刑。今回従業員への強制わいせつで。

■公立小学校教諭、女性宅の玄関ドア郵便受けからスマホで盗撮。懲戒免職。

■小学校教諭が女子の胸を触り、盗撮。

■小学校教諭が12歳生徒を? 別の女とホテルにいたと無罪主張。

■元高校教員の盗撮魔、執行猶予中の差し向け行為。3カ月後に防犯カメラから逮捕。

■小児性愛(男児)の若い教員。実刑に決まってるのに就職の採用内定通知がきたと情状立証!

■中学教員、公式テニスサークルの顧問、女児(15→16歳)と2度性交。アベアキエと親交。

■元教員が12~16歳の元教え子と性行為。

 

 「道路交通法違反」の裁判は、スピード違反だけで570件ほど傍聴してるのに、教員等の性犯罪は、こうして拾ってみると少ない。
 そもそも教員等の性犯罪が公判廷へ出てくること自体が、全体としては少ないのだろうと思う。

 

 教員等の性犯罪の裁判は基本的に、被告人氏名は開廷表では秘匿される。
 公判廷では、被害児童の氏名はもちろん、学校名も、地域も秘匿される。

「あの学校のあのクラスのあの先生だ! 被害女児は、突然登校しなくなったあの子だ! 遠足のときの画像を発掘!」

 などとYouTuberに商売させないためもあるのだろう。

 

 結局、男の数%は性犯罪者(悪質性の程度はさまざま)で、自己の欲望のままに、人間社会では犯罪とされることをやらかす動物は、手近な獲物を狙う。
 通勤電車内にいる女性、娘、養女、生徒、、、そういうことなのだなと私は思う。
 公判廷へ出てくるのは、まさに氷山の一角か。

 なお、「小児性愛」という語は良くない! というご意見をTwitterで見た。
 確かに! そこに愛などない。愛という語をそんなとこに使うな、である。

 さらに言えば、女児狙いの性犯罪及び性犯罪者を「ロリコン」「ロリータ コンプレックス」とは、とんでもない話だ。ウラジミール・ナボコフ氏に謝れ! である。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ロリータ (新潮文庫 新潮文庫) [ ウラジーミル・ナボコフ ]
価格:1,155円(税込、送料無料) (2025/6/28時点)

2025年6月19日 (木)

懲役・禁錮刑の84%は3年未満、大半が執行猶予

 2023年(それが最新)の司法統計の「第34表 通常第一審事件の有罪(懲役・禁錮)人員――罪名別刑期区分別――全地方裁判所」を見てみる。

 「有罪(懲役・禁錮)人員」は4万423人。

 刑期区分別で最多は「1年以上」(2年未満)だ。

実刑 4386人
 (うち一部執行猶予 284人)
全部執行猶予 1万1944人

 次に多いのは「2年以上」(3年未満)。

実刑 3489人
 (うち一部執行猶予 217人)
全部執行猶予 5501人

 次は「6月以上」(1年未満)。

実刑 2212人
 (うち一部執行猶予 28人)
全部執行猶予 6302人

 

 懲役・禁錮は、6月(ろくげつ)以上3年未満だけで約84%を占める。
 傍聴マニア諸氏の実感と一致するだろう。
 そんな中…。

 

 東京高裁で「不同意性交等、強制性交等、強制わいせつ、児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反」の控訴審判決を傍聴した。

 これはねえ、少年野球のコーチが複数の少年らに対し、陰茎を触り、肛門を触り、陰茎を口淫したという、サイテーな事件だ。
 被告人から不出頭願いが出ているという。控訴審は被告人の出頭を要しない。

裁判長 「主文。本件控訴を棄却する。当審における未決勾留日数中120日を原判決の刑に算入する」

 原判決は懲役7年(求刑は8年)。前科なし、重すぎて不当、5年に処すべし、との控訴だった。
 少年たちの調書にこんな部分があるそうだ。

少年 「嫌でした。我慢していました」
少年 「本当は恥ずかしくて、誰にも話したくなかった」
少年 「コーチからべたべたされるのが嫌でした」

 

 続けて東京高裁の別の法廷で「建造物侵入、強盗致傷、窃盗」の控訴審判決を傍聴した。

 被告人は身柄(拘置所)。濃いぃ坊主ヘアで眉は黒々、顔面はのけぞり。証言台を前に「ヤンキー立ち」をした。

裁判長 「主文。本件控訴を棄却する。当審における未決勾留日数中160日を算入する」

 万引窃盗6件をくり返したうえ、数人で(本件被告人がリーダー的立場)侵入強盗をやらかし、店主(ガンダムプラモなどを販売)をボコボコにしたそうだ。
 前科なし。原判決は懲役8年(求刑は9年)。

 動物界の者が、動物流に暴れ、動物の檻(おり)へ行く、申し訳ないけどそういうものをちらり感じてしまった。訴費不負担。

 

 続けて東京地裁の法廷で「準強制性交等」の審理(論告弁論)を傍聴した。

 前科者等を支援するNPO法人の理事長(犯行時55歳)が、25歳女性の身元引受人になり…。被害女性の調書にこうあるという。

調書 「あなたには悪霊が憑いている…除霊しなければならない…ベビーオイル…おっぱい舐めていい? 嫌です…舐めてきた…頭が追いつかず、されるがままに…頼れる人は被告人しかいない…言いなりになるほかないと思って…陰部を舐めたあと、キリストを受け容れないと悪霊から解放されないと言い…」

 被告人は1990年に強姦致傷で懲役4年、1995年に強姦で懲役6年6月、2003年にわいせつ誘拐と強姦で懲役9年の判決を受けているという。
 筋金(すじがね)入りの強姦男、ではないか。

 求刑は懲役9年
 被告人席に小さく座った被告人は、左手が小刻みに揺れていた。脳卒中か何かの後遺症か。独特な表情、雰囲気で、闇に落ちた動物、のようなものを失礼ながらちらり感じてしまった。

 

 懲役7年、8年、9年、こういうのを私はあんまり傍聴しない。続けて3件傍聴したのでここに書いてみた次第。

 逆に、主刑が懲役2月(にげつ)ってのを3件傍聴したことがある。
 2件は実刑、1件は懲役2月、執行猶予2年。チョー珍しいでしょ。

2025年6月15日 (日)

性犯罪で懲役16年、出所してまたやり放題!

 今回、性犯罪を2件ご報告する。タイトルの事件は2件目のほうだ。

 

 「強制わいせつ致傷」、東京高裁、判決。

 「不同意わいせつ」ではなく「強制わいせつ」、つまり本件犯行は2023年7月13日より前なわけだ。
 2025年6月に控訴審判決とは、だいぶ長く争ったと思われる。傍聴してみた。

 

 被告人は身柄(拘置所)。紺色の甚平(じんべい)を着て、頭髪も顔立ちも非常に特徴的だ。
 あなたもやってみてほしい。目は眠そうに、眉をつり上げ、口元を突き出し、口角を下げてへの字に。眠そうな横目で傍聴席をキョロキョロ見る…。

 弁護人は、大柄で如何にも癖が強くて迫力ありそうな感じの年配男性が2人。私選でしょ。

裁判長 「主文。本件控訴を棄却する。当審における未決勾留日数中130日を原判決の刑に算入する」

 2021年の暑い盛りに、畑へ歩く被害女性A(70歳)の足首をつかんで転倒させ、ズボンとパンティ(ママ)を脱がせ、好きだからするのだ…1回やらせろ…膣に指を入れ、陰部を舐めるなどし、全治まで約1カ月の全身打撲の傷害を負わせた…。

 「強制わいせつ行為はしていない」と真っ向否認。判決の理由は、あらゆる点について微に入り細に入り、長々と長かった。私選弁護人が徹底的に争ったのだね。
 要旨こんな部分があった。

裁判長 「Aの原審証言は虚偽(と弁護人は主張)…Aは以前から…よそ者だから出て行けと…殴打された…虚偽の申告を行う十分な理由がある(と弁護人は主張)…」

 しかし、と裁判長は続けた。

裁判長 「しかし…殴られて(?)…地面に転倒させられたなら、そのまま申告すれば足りる…好奇の目にさらされかねない、性被害の申告をするとは…」

 うーん。
 判決理由は長々と長く、私は別の傍聴予定が迫り、そっと出た。
 原判決は不明だが、現在も勾留中ってとこからして、懲役の実刑だったのだろう。

 

 もう1件、性犯罪を。

 「16歳未満の者に対する面会、不同意性交等、不同意わいせつ、大阪府青少年健全育成条例違反、児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反」の第1回公判を東京地裁で、まずは2024年2月に傍聴した。

 被告人は身柄(留置場)。40代、マスク着用だが目と眉の感じからは、男前か?
 要するに、SNSを利用して女子中学生とやりまくったらしい。

 前科は2犯。うち1犯は、2003年の「強姦、強姦致傷」、懲役16年!
 追起訴が続々とあるそうで、すぐに続行となった。

 

 同年4月、第3回公判を傍聴。罪名に「新潟県青少年健全育成条例違反」と「福井県青少年愛護条例違反」と「性的姿態等撮影」が加わっていた。
 その後、私は傍聴しなかった。
 阿曽山大噴火さんによると、判決は2025年2月、懲役8年、未決280日算入、携帯電話等没収。

 

 そうして2025年6月、東京高裁の法廷へ出てきたのである。
 罪名が2つ増えていた。「性的映像記録提供等」と「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反」だったかな、ちょと定かじゃない、申し訳ない。

 控訴審の判決は7月だ。傍聴しようと思う。罪名をちゃんとメモるためにも。

 にしても、「強姦、強姦致傷」で懲役16年を服役し、出てきてまたやり放題とは。
 そういうモンスター、モンスター予備軍がひっそりうようよいるってこと、ほとんど傍聴マニアしか知らないなら怖ろしい話だ。

2025年5月31日 (土)

手コキ30分1.5万円の15歳少女をレイプ、中出しで妊娠させ

 マニア氏から情報をいただき(ありがとうございます!)、5月30日(金)13時30分~14時30分、「占有離脱物横領、邸宅侵入、窃盗」の新件を傍聴した。

 すでに報道されている。「涙ながらに「家の買い換えや老後の不安が…」警視庁蒲田警察署の元巡査部長が起訴内容認める アパートから現金計約3000万円盗むなどした罪 東京地裁」などと。

 警察官の犯罪を、狙ってだいぶ私は傍聴してきた。10年以上前、何件かまとめてレポートさせてもらったこともある。

 今回の事件は、まじめな警察官が本当に「その瞬間、魔がさした」ということだったのか。
 どうなんだろ、組織内でイジメられていた、なんて事情があったのでは、とは私独自の妄想的深読みである。

 求刑は懲役2年6月。判決は執行猶予がつく、とは私独自の予想である。


 

 それが終わって同じ法廷で14時30分~15時30分、「道路交通法違反」の新件があった。
 続けて傍聴した。たまげた!

 首都高9号線下り、江東区木場付近の固定式オービス(TKKのループコイル式)による、なんと63キロ超過(測定値123キロ)の事件だった。

 求刑は罰金10万円! 判決も罰金10万円、しかも訴費(8万円ほどか)負担!

 もう30年近く、首都高のオービス裁判を傍聴し続けてきた私にとって、ちよと震撼する事件だった。 ※ちよと池波正太郎さんの時代小説風。

 

 15時30分~17時、3つ下のフロアの法廷で「不同意性交等、児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反」の新件があった。

 帰り際、ボーチン(冒頭陳述)まで聞いて帰ろう、とっとと帰らねば、と傍聴してみた。
 しかし出られなくなり、17時07分まで傍聴してしまった。

 要するに、X(Twitter)に「プチ30分1万5千円、今からこられる人」とか手コキの客を、15歳少女が募集。
 被告人(長身でイケメン。現在保釈中)はこれに応じ、自宅(渋谷のタワーマンション)へ呼び、要するにレイプ、中出しで妊娠させたという、いやはやなんともな事件だった。

 求刑は懲役6年。だいぶ高額を支払って示談したというが、実刑は動かないのではないか。たとえば…。

裁判官 「主文。被告人を懲役3年に処する…」

 執行猶予は主刑が3年以下のとき付することができる。3年まで下げ、執行猶予5年、実刑ぎりぎりで助かった、ほっ、と普通は安堵する。ところが…。

裁判官 「主文は以上です」

 どうなるか、次回判決は見届けたい。
 あとで、被告人氏名でネット検索してみた。報道ヒットなし。被告人の仕事のヒットは複数あった。

 

 私はねえ、なるべく裁判所行きを減らしたいと思ってるの。あれもこれも、いろんな期日をあきらめてるの、強い心で。
 しかし、なかなか、そういうことってあるよね💦

2025年5月29日 (木)

どこの地獄から出てきた動物!?

 最近傍聴したのを少し。

 

 「わいせつ略取、準強制性交等、準強制わいせつ、強制わいせつ、児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、準強姦」、東京地裁、審理。

 「傍聴速報 睡眠薬を用いて女性に暴行した美容クリニック院長初公判 | 高橋ユキの事件簿 #188」、この事件である。

 初公判は2022年10月4日だ。追起訴、追起訴、追起訴の期日が続いた。
 2023年1月20日の期日を傍聴して、被告人について私は傍聴ノートに書いた、「魂が抜けたよう」「目力(めじから)、生気がない」と。

 さらに追起訴が続き、2025年5月28日。
 脇のドアから刑務官2人に伴われ、手錠・腰縄で出てきた被告人、を見て私は驚いた。
 どこの地獄から出てきた動物!? 人としての外形も崩れつつある、そんな感じがした。

 この日は被害者数人の意見陳述が行われた。パーティションの中から本人が述べたり、参加代理人の弁護士が述べたり。
 うち1人は「21番目の被害者」だった。
 次回は論告弁論。もしかして求刑は20年を超えるか。

 

 「窃盗、銃砲刀剣類所持等取締法違反」、東京簡裁、判決。

 身柄(拘置所)。頭髪は剛毛密集、背が丸い。
 飲料水の万引きと、穴あき包丁1本(刃体長12.9cm)の携帯。罰金30万円、未決勾留日数の1日を5千円に換算して満つるまで算入。

 前科4犯なのに罰金刑で済んだ。なぜ? 前科はいずれも薬物犯罪なのだそうだ。

 

 「詐欺」、東京高裁、判決。

 原判決は懲役3年6月、未決480日算入。控訴棄却、当審未決80日算入。訴費不負担。

 詐欺の中身は不明だが、前科なしってところと、量刑と未決算入の多さからして、特殊詐欺の受け子、出し子を相当に多数回やったのかも。
 詐取金または報酬は、借金返済や競艇代に当てたという。
 競艇で勝った金で被害弁償を考えたんだという。そうですか…。

 

 「不同意性交等、強制性交等、強制わいせつ、児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反」、東京高裁、第1回。

 被告人は不出頭。原判決は懲役7年。量刑不当の主張。事実調べ請求はなく、判決の期日を決め、3分足らずで閉廷。
 スポーツインストラクターの男が男子中学生にキスをしたとか報じられたが、懲役7年だったとは。
 事件報道のほとんどは、逮捕止まり。逮捕=犯人、逮捕=刑罰…。

2025年5月19日 (月)

中居正広氏と「不同意性交等」

 元超有名芸能人、中居正広氏の行為について「性暴力」じゃないとかネタになっているようだ。

 裁判傍聴マニアの立場から、ちらっと。

 

 私が傍聴マニアと自称できる日々を勝ち取った頃、刑法第177条はこうだった。以下、太字は私。

(強姦)
第百七十七条 暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

 

 13歳未満に対しては「暴行又は脅迫を用い」なくてもアウトだぞってことね。
 「3年以上」は無限じゃない。刑法第12条により上限は20年。併合罪で上限は30年だ。

 加えて「準強姦」というのもあった。それは第178条第2項で、こうだった。

2 女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。

 

 ゲームと称してテキーラ等をショット飲みさせ泥酔させ、あるいは女子がトイレに立ったすきに飲み物に睡眠剤を入れ、という「性犯罪あるある」はアウトだぞってことね。

 

 2017年7月13日から、第177条は変わった。

(強制性交等)
第百七十七条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

 

 「女子」という2文字が消えた。
 漠然と「姦淫」だったのが「性交、肛門性交又は口腔性交」、まとめて「性交等」とされた。
 かつ、「三年以上」から「五年以上」になった。
 第178条の「準強姦」は「準強制性交等」になった。

 

 そうして2023年7月13日、第177条はさらに大きく変わった。こうだ!

(不同意性交等)
第百七十七条 前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。
 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
 十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

 

 「前条」とは第176条。こうだ。びっくりするよ。いちいち太字にしません。

(不同意わいせつ)
第百七十六条 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
  暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
  心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
  アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
 四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
  同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
 六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
  虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
  経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
 十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

 

 どうですか、びっくりするでしょ。
 そもそもそれらは人としてアウトなところ、2023年7月13日から突然、刑法的にアウトになったわけだ。

 人としてアウトだから処罰する、とはいかない。罪刑法定主義の観点から。
 そこで2023年7月13日、こんなふうにしたわけだね。

 

 中居正広氏の行為は「性暴力」かどうか、以上、ご参考になれば。
 「暴行又は脅迫」さえなければオッケー、それが大手を振る時代ではないのだ。

2025年5月 9日 (金)

サイクルトレーラーの事故に遭遇!

 締切り原稿と裁判所通いで超忙しくしておりまして💦

 最近傍聴したのを少し。

 

詐欺、強要、不同意性交等、道路交通法違反、犯人隠避教唆、恐喝」、東京地裁、新件、合議。

 2026年~2019年、こと名暁千琥」の「詐欺」の裁判が東京地裁であった。その人物の再犯である。
 人定質問で職業を「経営コンサルタント」と称した。身柄、拘置所。

裁判長 「今後は東京地裁で…いろんなとこにかかっている事件を…従前…福岡地裁で審理していた…第1回公判…7月29日付けと、8月9日付け、起訴…認否…間違いありませんと…改めてききたい…変えておきたいこと…」
被告人 「ないです」
裁判長 「それでは引き続き…」

 ここで弁護人が発言し、おやおや?な展開になった。
 今いる弁護人は国選だが、被告人は私選弁護人と契約したと言い…。

被告人 「今年1月15日に契約したので…1月末には印紙…契約書を交わして…」

 ところが、その私選と連絡がとれなくなってしまったという。
 どうもおかしなことをいろいろやっているのか、5人の弁護人の姓が出た。が、1月末に契約書を交わしたという弁護人の名は、記録に綴じられていないという。
 弁護人のことをはっきりさせてから起訴状朗読からやりましょう、ということで12分間で閉廷。 

 一般論として、世の中には、嘘をつくとかじゃなく、存在全部が嘘の中にある、とでもいうようなケースがあるやに思われる。もしや本件もその方面か?
 「道路交通法違反、犯人隠避教唆」があるので、これは追っかけようと思う。

 

監護者性交等、児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反」、東京高裁、判決。

 被告人(身柄、拘置所)は、じつに独特な容貌、容姿の、見た感じ50歳ぐらいの男性だ。
 控訴棄却当審未決50日算入。原判決は懲役9年、その未決算入は不明。量刑不当の主張。

 遅くとも養女が小学5年生の頃から、性的行為をくり返し、本件は14歳から15歳にかけての、性交5件、児童ポルノ作成3件。
 「誰かに報せれば自分は死ぬ」「離婚になる」と養女を黙らせたのだそうだ。
 本件に救いがあるとすれば、実父でないことか。鬼畜な養父、実父が次々に法廷へ出てくる。暗数は数千、数万か!

 

過失傷害」、東京簡裁、新件。

 この時刻これを傍聴するのをころっと忘れ、別の法廷をうろうろ。あっと気付き26分ほど過ぎて入った。
 甲号証の要旨告知をやっているところだった。

 また犬の咬み付きか? 違った! なんと、歩道上での、サイクルトレーラー(被告人)と自転車(被害者)との事故だった。そんなの初めてだ!

 弁護人は刑事裁判が得意と思しき2人(男女)。証人を何人も呼ぶことになるらしい。追っかけさせてもらいます!

 

麻薬及び向精神薬取締法違反」、東京地裁、判決。

 被告人は非身柄。私の表現では「わっかい可愛い娘ちゃん」。
 2021年に、某有名芸能人の交際相手がコカインで逮捕と報道あり。いっしょに逮捕され、相被告人となり、ともに懲役1年6月、執行猶予3年とされた、のが本件被告人なのだ。

 その猶予は明けている。本件は自首が成立するという。ならば執行猶予かな。いや…。

裁判官 「主文。被告人を懲役1年2月に処する。主文は以上です」

 大伴慎吾裁判官である。しらっとこういう判決をしそうに見える裁判官ではある。
 いや、再度の執行猶予とするには、刑訴法の定めにより、主刑を1年まで下げねばならない。そこまでは…?

 なんにしても、被告人は深く後悔したろう、嗚呼、自首なんてするんじゃなかった!

 

道路交通法違反」、東京地裁、新件。

 被告人は非身柄、75歳。脳の機能が一定程度停止してるんじゃなく、刑事司法、官僚司法とかみ合う回路が脳内にないんでは? と思えた。ある意味、健全かも。

 同種前科3犯、それを検察官はこう述べた。

 昭和59年7月20日、懲役6月執行猶予4年
 平成29年12月29日、略式で罰金30万円
 令和5年3月29日、略式で罰金30万円

 昭和、平成、令和、この検察官、馬鹿だろ! 間に何年あったか、早見表で調べろってかぃ!

 いやいや、検察官個人を責められない。極右カルトというべき団体が、草の根運動を展開して自民党を動かして元号法を制定させ、公務員は元号の呪縛から逃れられなくなったらしい、私はそう理解している。
 統一教会の選挙支援を得にくくなった自民党は、その極右カルトにだいぶすり寄ってるように、私には見える。

 政治的なことを書くな? いやぁ、私も70歳、ちらっと書くのも社会的責任かなと。ごめんね~💦

2025年4月23日 (水)

闇バイト、バールで殴ってホストをさらえ

 最近傍聴したのを少し。

 

 「恐喝」、東京地裁、判決。

 懲役2年、執行猶予4年
 職場の同僚女性と不倫。交際解消の同意書を交わし、それを破ったからと、性交画像などをラインで送りつけて脅迫、3回にわたり現金合計22万円を喝取…。

 

 

 「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例防止条例違反」、東京地裁、判決。

 懲役1年2月、未決320日算入訴訟費用(証人の旅費日当分)負担。
 痴漢や盗撮じゃない。つきまといだった。
 「インスタグラム」「フォロー」「リクエスト」「ラジオ番組」「SDGsの活動」「5つのアカウント」などの語が出た。
 逮捕され、示談、しかしまたやり懲役1年、執行猶予4年、その後もやったのだという。 

 つきまといはストーカーでしょ。なんで迷惑条例? 普通そう思うよね。
 じつは、つきまといを処罰する法令は3つある。

 ・ストーカー行為等の規制等に関する法律
 ・都道府県の迷惑条例
 ・軽犯罪法

 N党、立花孝志党首の書類送検は軽犯罪法違反だった。

 

 

 「窃盗、森林法違反」、東京高裁、判決。

 控訴棄却。当審未決80日算入、訴費不負担。原判決は懲役3年6月
 生活上のストレスを発散させたいと、山林に放火、連続6件、焼損面積は合計4900㎡、と聞こえた。
 窃盗はスーパーでの万引だという。

 2023~2024年の年末年始頃、栃木県の足利市付近で山火事報道があったなら、この被告人かもしれない。

 

 「傷害、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」、東京地裁、新件。

 被告人(非身柄)はスーツにネクタイ、普通にきちんとした50代男性だ。
 公訴事実は、午前1時半頃、路上で、34歳女性の背後からいきなり抱きつき、押し倒し、ま、いわゆる痴漢行為をして、加療約2週間の両ひざ打撲、挫創の傷害を負わせた、と検察官。
 ところが…。

被告人 「あのう、私は、転倒してしまい。前を歩いていた女性に、倒れ込むような形で、ぶつかってしまったことは間違いありません。傷害、痴漢、一切しておりません」

弁護人 「転んで、巻き込んでしまっただけ…ですので、無罪であると思料します」

 うわお! そんな否認は初めてかと。追っかけねば!

 

 「営利略取未遂、傷害」、東京地裁、新件。

 16歳のときから数年間、建築関係の現場仕事でマジメに有能に働いていた、のだが借金を重ね、彼女と住むため高い家賃の住居へ引っ越し、間もなく別れ、家賃も払えなくなり、Twitterで闇バイトを探した。

 「運び」で検索、これなら捕まらないだろうと連絡。シグナルをインストールさせられ、顔写真を含め個人情報をとられた。
 指示されるがまま最初の仕事へ出かけると、初見の共犯者2人と合流、あれよあれよという間に、バール、結束バンド、ガムテープを使って新宿のホストをさらうことに。

 闇バイトはだいたいそういう展開になるようだ。最初から「さらい」での募集はないと思われ。

 この若者君、バールを振り回して殴ったり、途中まで指示どおりやったが、なんと! どうにも嫌になり指示役との通信を切ったという。すごい!
 借金を重ねて闇バイトまでは、考えなしの短絡人生だったといえるかも。だけど、短絡ゆえのシグナル切断か! そこは誉めて然るべきと思う。

 んが、検察官は、試験エリート風の正義でごぢゃごぢゃ責めたてるのだった。格好悪いと私は思う。
 こんなシーンがあった。

検察官 「250万円…いちばんは…」
被告人 「ケータイのキャリアです」
検察官 「それに、いくら…」
被告人 「170万円ほどです」

 ケータイのキャリアが170万円、なんだそれ。検察官は戸惑ったようだが、突っ込まなかった。
 なんだろ。もしや詐欺商法に引っかかったとか?
 次回、論告弁論。弁護人は中止未遂を言うのだろうか。

 闇バイトは絶対駄目! 金欲しさに手を出してしまっても、途中でヤメて警察へ駆け込めば、御上にもお慈悲はある、広くそう伝えることは大事と、私は思うんですけどね。

2025年3月26日 (水)

女性を殺して殺されそうになった男、出所してまた女性を

 なんだかんだでもう年度末(会計年度末)。
 26日(水)、東京高裁に判決がやたら多かった。

 

強制性交等」、永渕健一裁判長、被告人氏名は「非表示」。

 原判決は懲役5年6月。被害女児D(12歳)について、犯行日とされる日には静岡のそのホテルで別の女性といっしょいた、と事実誤認の主張。
 「小学校教諭と性交したとSNSに…母親に発見され、本件が発覚」というふうに聞こえる部分があった。
 被告人は小学校教諭で女児Dは生徒、かも。控訴棄却、当審未決120日算入。

 

傷害」、伊藤雅人裁判長。

 正面から来た歩きスマホの男と衝突しそうになり、被告人は体をかわして背後へ回り、蹴って転倒させ、その右膝を思い切り踏みつけた。被害者は全治まで約113日間を要する右膝蓋骨骨折等。
 踏みつけていないし、仮に踏みつけたとしても正当防衛、過剰防衛…。

 私は途中でそっと出た。原判決は不明。控訴棄却。原判決をご存知の方、教えてください~。

 

傷害、強制性交等、暴行、脅迫、教養、覚醒剤取締法違反」、辻川靖夫裁判長。

 今日はね、これ1件のために裁判所へ出張ってきたのだ。
 被告人氏名でネット検索すると、2006年の報道(の転載)がヒットする。
 ホテルで18歳少女を殴って死亡させ「傷害致死」の被告人となった男(本件被告人)を、少女の恋人と称する男が殺そうとし、裁判所へ包丁を持って来て逮捕された、という報道だ。

 

 今回、東京高裁の法廷へ現れた被告人は、身柄(拘置所)。黒スーツ。しっかりした鼻の、ちょっと男前系のおじさんだ。50歳ちょいか。

 弁護人席に3人もいて、開廷するや1人が、訴訟指揮に対してか異議を述べた。傍聴人や裁判所に対し手錠腰縄を見られない利益を被告人は侵害された、弁護人の隣に座らせてもらえず防御権、弁護権が侵害された…。

 被害女性の髪を引っ張り首元にボールペンを突きつけ「1回やられるか100回やられるか変わらねーからな」などと言って抵抗を封じ、覚醒剤を吸引させ、口腔性交をし、全治約20日間の打撲傷および全治不詳のPTSDを負わせた…。
 累犯前科があるんだという。前記「傷害致死」で服役、出所して5年経ってないのか、そのあとにも何かあるのか。控訴棄却、当審未決250日算入。

 弁護人はあらゆる細部を徹底的に争ったようで、言渡しは長かった。この日、開廷表に私は大変な事件を見つけており、途中でそっと出た。

 

ストーカー行為等の規制等に関する法律違反」、伊藤雅人裁判長。

 伝説のメルマガ第2507号「「あなたたちは人を愛したことがないのですか!」とストーカー犯は叫び」などでレポートしてきた、あの大変な事件の被告人が、出所後に、別の女性(アイドル?)に対し…。
 原判決(懲役1年2月)を破棄、懲役1年、原審未決140日算入。 ※原判決を破棄したので、その未決算入を改めて言うのだ。

 2月(にげつ)を減じた理由は、原判決後に250万円を被害弁償したから。250万円でたった2カ月かよ、と被告人は大いに不満だったろう。
 破棄判決なので当審未決は全部算入となるが、本件の事件番号は「平成7年(う)第159号」。控訴受理から判決までだいぶ急いだと見える。250万円で2カ月のことと併せ、裁判所はこの被告人に対し厳しい姿勢を示したとマニア的には思える。

 

常習累犯窃盗」、伊藤雅人裁判長。

 高齢男性の常習万引。原判決は懲役2年、量刑不当の主張、控訴棄却、当審未決30日算入。
 終わって弁護人(ヤメ検らしきツル禿げの男性)が被告人に鋭く言った、「上告するなっ」。
 上告しても間違いなく退けられ、上告審に未決算入はないから、ということらしかった。
 

 

傷害致死」、伊藤雅人裁判長。

 老人ホーム内で、被告人(72歳)が廊下の椅子に座って読書していたところ、被害男性(89歳)が6回にわたり段ボール箱をぶつけ、被告人は頭にきて蹴った。男性は倒れて頭蓋内損傷で死亡…。
 原判決(懲役2年6月)を破棄、懲役3年、執行猶予5年。原判決後、見舞金300万円を支払ったそうだ。

 

業務上過失致死傷」、伊藤雅人裁判長。

裁判長「主文。原判決を破棄する。本件を水戸地裁に差し戻す

 工場での溶接工事における、2人死亡の爆発事故だった。
 原判決は禁錮1年6月、執行猶予3年。その認定は論理則経験則等に照らして不合理と何度もでてきた。今年中に、水戸地裁で無罪になるのでは。

 

 こんなとこにしとこう。もう寝なければ。明日も忙しいのだ。
 4月の1週目と2週目は、私の手帳に傍聴予定がない。助かるっす~!

より以前の記事一覧