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カテゴリー「その他刑事・民事」の25件の記事

2023年9月22日 (金)

「ガーシー被告」を解剖する

Screenshot-20230922-at-090452-3000-3-8ne  「ガーシー被告」、今年の流行語大賞にノミネートされるんじゃないか。 ※画像は9月21日付けのTBS NEWS DIGのスクリーンショット。

 

 東京地裁・刑事第6部、9月19日(火)13時30分~17時、広いほうの警備法廷425号法廷を使って「暴力行為等処罰に関する法律違反、名誉毀損、強要、威力業務妨害、証人威迫」の第1回公判があった。

 傍聴券抽選、11時50分締切。傍聴席は42席のところ、抽選の当たり券は18枚、そこに560人が行列をつくったという。
 行列の多くは、各番組等が雇った並び屋さんかと思われる。

 19日(火)、私は東京地裁へ行った。が、行列に加わろうとは思わなかった。
 「威力業務妨害」「証人威迫」は傍聴したい事件ではあるけど、有名人には特に興味がない、どうせ大行列、馬鹿馬鹿しい、時間がもったいないので。

 

 立花孝志氏が傍聴券をゲット、と報じられている。
 並んだマニア氏によると、立花氏は抽選に外れ、しかしどこかのメディア(テレビだっけ)から当たり券をもらったのだという。
 そのことは報じられてるのかな。

 

 さて、「ガーシー被告」である。
 開廷表の被告人氏名はこうだった。

 ガーシーこと東谷義和

 「ガーシー」の部分を「こと名(ことめい)」というらしい。
 2013年10月14日に解説記事を私は書いた。
 その記事以外に、現時点で「こと名」のヒットはない。おお~、である。

 次に、「被告」の部分。
 正しくは被告人だ。被告は、単に短くしたとか略したとかでは済まない。
 立派な誤用、誤報だ。

 刑事裁判 検察官vs被告人
 民事裁判 原告vs被告

 被告は民事の一方の当事者なのである。
 有名な話として、こんなのがある。

 民事の弁論期日で、裁判官が普通に「次に、被告から答弁書を陳述…」と言った。
 聞いた被告が怒った、「私を犯罪者扱いするのか!」。

 世間の人とって「被告=犯罪者」なのである。
 以前、裁判所内で、退官したばかりの元裁判官氏にばったりお会いしたとき、元裁判官氏はこう言うのだった。

 「刑事の被告人を『被告』とやるのは、あれはどうにかならんもんですかね(笑)」

 ほんとそうですよねえ(困)。

 

 なぜ被告人を被告と報じるのか。
 「ひこくにん」だと「ひこくみん(非国民)」に聞こえるから、という説がある。

 刑事の公判で裁判官が「では開廷します。被告人、前へ出なさい」と言った。
 聞いた被告人が激怒、「俺を非国民扱いするのかあ!」。

 戦後間もない頃、そんなことがあったんですかね。
 だけど、今どき非国民なんて語が頭にあるのは、一部の大日本帝国好きな方々と…って感じでは。

 ま、なんであっても、被告人を被告とする誤用、誤報は、永遠に改まらないだろうと私は予想する。
 そんなことはいくらでもあるでしょ。

 世間がどうであろうと、私は被告人を被告人と、被告を被告と書く。
 未決勾留日数の算入も、把握できれば書く。
 可搬式(オービス)を正しく可搬式と書く。
 マイナー街道まっしぐらだ、あはは。

 ←9月22日11時10分現在、週間INが402位。

2023年8月31日 (木)

刑務官が陰茎を触った事件、民事訴訟に

Screenshot-20230831-at-052810-tbs-news-d  「東京拘置所 男性収容者が刑務官から下半身を触られる性被害「拘置所が適切な対応を取らず」国賠訴訟を提訴へ 東京地裁」と8月30日、TBS NEWS DIGが報じた。以下はその一部だ。

東京拘置所で男性収容者が男性の刑務官から下半身を触られる性暴力を受けた事件で、「拘置所が適切な対応を取らなかった」として、収容者が国に対し損害賠償を求める訴えを起こすことが分かりました。

訴えを起こすのは、東京拘置所に収容されている男性の被告(33)です。この男性収容者はおととし12月、20代の男性刑務官からズボンと下着を脱ぐよう指示されたうえ、食器口から手を差し入れられ、下半身を触られたということです。

男性刑務官はその後、特別公務員暴行陵虐罪で有罪判決が確定しています。

 その刑務官を被告人とする刑事裁判「特別公務員暴行陵虐」(東京地裁)の第1回公判を私は傍聴。メルマガ(当時)に「第2692号 東京拘置所の刑務官が被収容者の陰茎を露出させて触り」とレポートした。

 その号の編集後記で、東京地裁に対する爆破予告について、騒動をリアルレポート。

 

 「特別公務員暴行陵虐」の第2回公判(判決)も傍聴。
 さらに私は、その被害者、上掲ニュースでは「男性収容者」を被告人とする「強盗致傷、強盗未遂、詐欺、窃盗、住居侵入、強盗」(東京地裁、裁判員裁判)の判決も傍聴。
 2つの判決を「第2693号 あの特別公務員暴行陵虐の、なんと被害者の裁判も傍聴した!」でレポートした。

 「特別公務員暴行陵虐」は2022年11月9日、懲役1年6月、執行猶予4年。
 「強盗致傷、強盗未遂、詐欺、窃盗、住居侵入、強盗」は同年11月7日、懲役11年、未決600日算入。

 2本のびっくりレポート、埋もれさせるのももったいない、ちょと手を入れてどこかに再掲できれば、と思うんだけど、なかなか。

 

 あそうそう、上掲ニュースにこんな部分がある。

訴えを起こすのは、東京拘置所に収容されている男性の被告(33)です。

 東京拘置所に収容されてるってことは、東京高裁に控訴して、まだ終わってないわけ?

 とすれば現在まだ「被告人」の立場なわけだ。
 民事の訴えを起こしたなら「原告」だ。「被告」は国、代表者法務大臣かな。

 ところが「被告人」でも「原告」でもなく「被告」と報じる。面白いよねえ。 ※TBSが特別おかしいんじゃない。これはテレビ・新聞の決まりなのだ。

 ←8月31日6時30分現在、週間INが302位。

2023年7月20日 (木)

ノンバイナリー、女装して温泉施設の女湯へ

2109078  最近東京地裁で傍聴した事件、のうち一部をちらっとふり返っておこう。

 

建造物侵入」 判決

 温泉施設の女性脱衣所へ、女装して侵入。脱衣、入浴することなく脱衣所にいて女性客の裸体をスマホで撮影したという事件。
 自分はトランスジェンダーでノンバイナリー、どのような扱いを受けるか試すために入ったと無罪主張。
 同種を含む服役前科3犯。本件は懲役2年、未決110日算入。
 LGBT方面を攻撃したい人が大喜びしそうな事件か。

 

強制わいせつ、児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」 審理

 7~9歳の女児3人に対し、よからぬことをして動画撮影、見返して自慰行為、という事件。
 これをやったらどうなるか考えていなかった、後先考えずに行動するのを直していく、もう女児を見ない、視界に入れないと、知的に本気で誓う、そこに私は病の深さを感じ、いや病(やまい)ではないか。
 求刑は懲役4年。

 

不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反、私電磁的記録不正作出・同供用」 判決

 濃いタワシヘアの若者。自分の生活の劣等感、寂しさから、生活が充実していそうな女性13名のSNSのアカウントを、想像したパスワードを入力する手口で乗っ取った、という事件。
 9名に各10万円を支払って示談。
 判決は懲役2年、執行猶予3年。

 

詐欺、窃盗」 審理

 かなり珍しい氏名だ。ネット検索では、俳優、ダンサー等で有名な若者がヒットする。
 現れた被告人(身柄、拘置所)は、小顔でスリムな、とっても感じの良いイケメン君だった。
 今日は追起訴。特殊詐欺の受け出し子だった。
 さらに追起訴が続々予定されているという。間違いなく刑務所行きだ。
 転落の落とし穴へ、いつどこで落ちたのか落とされたのか。

 

webサイト削除請求控訴事件」 第1回口頭弁論

 これは東京高裁。控訴人は個人名、それらしき検索ヒットなし。被控訴人は「一般社団法人Change.org.Japan」。なんだ?
 しかし内容はさっぱり分からず。8月下旬の某日判決。
 その日は右翼団体がらみの刑事控訴審の判決もある。行こうか、、、

 ←7月20日12時00分現在、週間INが303位。

2023年7月 7日 (金)

外務省へ車で突っ込んだあの事件だった!

2306281-2  最近東京地裁と東京高裁で傍聴した事件の一部をちらっと。 ※画像はマニア氏からいただいた面白ボールペン。

 

軽犯罪法違反」 控訴審判決

 氏名検索でヒットあり。何年か前に電車内で女性に精液をかけて逮捕された人物と同姓同名だ。
 本件は、寂しさやストレスを解消するため約3カ月間、4回にわたり、駅のホームや駅前などで、下半身に衣服を着けず陰部に手を当てて座る等し、もって尻や太腿等をことさらに露出したのだという。
 以下は軽犯罪法の第1条の柱書(はしらがき)と、第34号まであるうちの第20号のみだ。

第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
 二十 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者

 原判決は、4回の犯行につきそれぞれ拘留25日。控訴審の判決は控訴棄却。未決算入については言及がなかった。
 何年か前に「公然わいせつ、強制わいせつ、迷惑防止条例違反、軽犯罪法違反」で懲役3年、執行猶予5年、拘留15日の判決を受けており、まだ猶予期間の最中なのだった。

 

殺人、覚醒剤取締法違反」(S被告人) 控訴審判決
殺人、死体損壊、死体遺棄、大麻取締法違反」(T被告人) 控訴審判決

 これは検察控訴。「男性殺害協力で起訴の元組員らに無罪判決 薬物事件は有罪 千葉地裁」などと報じられた事件だ。
 一般論として、被告人側の控訴より検察控訴のほうがずっと認められやすい。無罪の部分がひっくり返されるんじゃないか、と傍聴してみた。
 控訴審の判決は、いずれも控訴棄却だった。

 正しい原判決が分かった。
 S被告人: 懲役1年10月、未決450日算入。
 T被告人: 懲役10月、満つるまで算入、執行猶予3年、付保護観察

 未決勾留が長すぎたんで、実際は服役しなくていいけども、刑の重さとしては保護観察付き執行猶予の懲役刑なんだよ、ということだね。
 こんなこともあるのだと初めて知った。

 殺人はひどい話だった。そんな理由で殺すと決め、そうやって殺すのか、そんな道具で遺体を解体するのか、、、

 

強制わいせつ致傷」 控訴審 審理

 逮捕報道がヒットする。若い自衛官が10代の女子に突然抱きつき、打撲などの軽い傷害を負わせたと。
 なんと! 一審では徹底的に無理ムリ否認を貫き、懲役2年の判決を受けて控訴。東京拘置所へ移って新たな弁護人と接見を重ねるうち、ちゃんと罪を認めてつぐなおうと思い、自白に転じたんだという。
 実刑判決にびびり、執行猶予狙いで、と普通は思うよね。
 1時間9分にわたる被告人質問で、検察官、裁判官の興味の中心はそこなのだな、とよく分かった。

 医師によれば被告人は自閉症系だそうだ。
 被告人質問を聴く限り、執行猶予狙いの内心を隠してうまく立ち回ることを、検察官、裁判官のようにはとてもできないだろうと思われた。

 自白に転じたきっかけは何か、裁判官は執拗に尋ねた。
 きっかけは弁護人のキャラだろ、と私は思った。言葉の調子もたたずまいも、哀しげで儚(はかな)げで、誠実そうで、なんとも言い難い女性なのだ、、、

 

運転免許取消処分取消請求訴訟」 弁論(証人尋問)

 1階のタブレット開廷表でこれを見つけ「きたーっ」と私は足をばたばたさせ…るわけないじゃないか(笑)。

 上記事件が長引き、開廷から12分ほど遅れて私は法廷に入った。
 証人尋問の最中。証人は警察官らしい。
 交通違反による免許取消処分ではなかった。

 昨年3月、外務省に車が突っ込んだと報じられた、あの事件の45歳男性が本件の原告(本人訴訟)なのだった。被告(被告席に5人)は東京都だ。
 警察官はこんな調書を取ったらしい。

調書 「左方に外務省の銘板を見ながら、約35キロの速度で走っていた…外務省に突っ込むかどうか迷っていた…ここで(図面上のこの地点で)決心がつき、いきなりハンドルを左に切った…ここで黒っぽい車と衝突した…体が揺さぶられるような大きな衝撃…(黒っぽい車の乗員は)ケガをしていておかしくないと…事故は分かったが、そのまま外務省の中へ…」

 処分歴なしでも違反点数15点で免許取消処分に該当するところ、救護義務違反等(いわゆるひき逃げ)の違反点数は35点だ。建造物損壊は45点か55点だ。
 そっちで免許取消処分を執行されたらしい。
 処分執行の何に不服なのか、外務省へ突っ込んだ理由は何か。本人尋問はもう終わっているんだという。
 しまったなあ、傍聴したかったなあ、と思うけどそれ言ってちゃきりがない。

 この事件、報道を見たような記憶がある。テロか? 動機は何だろ! と思ったような記憶がある。
 報道の基本は逮捕まで、の原則に従い、この事件も続報はなかったのかどうか、なかったんじゃないかと。

 しかしこんな形で遭遇することがある。裁判傍聴はヤメられない、止まらない、かっぱえびせんの法則である。 

 ←7月7日20時10分現在、週間INが702位。

2023年7月 1日 (土)

YouTube動画の削除請求

2303085  6月30日(金)、朝から裁判所へ。次々に傍聴したうち一部を。

 

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」 控訴審判決

 被告人は体調を崩したとかで不出頭。弁護人は3人。いちばん法壇寄りにはあの有名弁護士が。
 寝室(被告人宅?)にカメラを仕掛けての盗撮。主文は控訴棄却
 珍しい争点だった。
 被害女性は海外居住で、一時帰国の際に証人出廷することになったが、検察官に対し住所を明かすことを拒否し続けたという。
 検察官に明かせば弁護人に伝わり、被告人に伝わってSNSなどで暴露されるおそれがあるから、と。
 一審は被害女性の証言を得て被告人を有罪とした、それは違法だと弁護人は徹底的に争ったのだった。被告人は相当なお金持ちかと推察され。

 

窃盗」 控訴審第1回

 被告人は身柄(拘置所)。77歳。白髪まじりの、いかにもお婆ちゃんだ。
 万引き病のあるあるパターン、万引きで執行猶予中の万引きにより実刑判決を受け、どうか再度の執行猶予を、のパターンだった。

弁護人 「あなた窃盗症…病院に1回も行ってない。なんで行かないの。前の裁判でもそんな話、出てたでしょ」
被告人 「やっぱり、おっくう、ていうか、ついつい…足がない、てのも、あって」
弁護人 「1回くらい行ったらどうですか」
被告人 「ハイ行きます」
弁護人 「あなた結局ね、またくり返して刑務所の中で死んでしまうと思いますよ。どう思います? そーなっていーんですか」
被告人 「刑務所で、死ぬ、ことは、やっぱり、嫌だし、ね、これから、残された、人生を、一生、懸命、つぐないながら…」
弁護人 「裁判官3人に誓えますか」
被告人 「ハイもう絶対やりません誓います」

 治療が必要でも本人任せ、自己責任、国は刑務所(徹底した矯正教育を行なう矯正施設)へ送り込めば責任を果たしたことになる。刑務所を出た翌日、同じ店でまた万引きをしたお婆ちゃんもいたっけ。これでいいのだ
 次回判決、こういうのを見届けるのが私の社会的役割と、まあ、感じてます。

 

 

削除等請求」 地裁民事 弁論(本人尋問)

 原告は女性名、代理人のみ出頭。被告は男性名、本人のみ出頭。 ※この被告は正しい意味での被告であり、テレビ新聞が毎度誤っていう「被告」とは全く違う!

 ネットの投稿を削除せよ、という事件かなと傍聴してみた。
 「デンタルオフィスエックス」「歯科」という語が出てきた。あとで原告氏名でネット検索。「マウスピース矯正で追加提訴 請求総額は4・5億円規模に」と、これは6月6日付けの産経記事がヒットした。
 被告はYouTuberかYouTuber的な人物らしい。その事件と関係があるのかどうか、公開した動画が問題になっているらしい。

 こんなやり取りが出てきた。

裁判官 「今、動画は」
被告  「あの裁判の日に消しました。もう公開してません」
裁判官 「限定公開にまた戻したと」
被告  「はい」

 動画からプリントアウトした紙(たぶん甲号証)を被告は持ち、原告代理人に言った。

被告 「なんでこれ知ってんですか」
原告側「URLをクリックしたら見れる。あなた拡散したから、いろんなとこに、これ残ってるんですよ」
被告 「……………」

 今後の進行について原告被告それぞれと打ち合わせることになり、傍聴人(私のみ)は退廷を命じられた。

 とりあえずここまでとしとこう。

 ←7月1日11時20分現在、週間INが402位。

2023年6月16日 (金)

美しきたたずまいのデヴィ夫人、そしてトンでも自衛官!

230616  東京地裁(東京高地簡裁。以下同)のタブレット開廷表は、いったいどんな業者とどんな契約をしたのか、しょっちゅう不具合が生じる。 ※画像は2017年8月15日付けテレ朝news

 

 いや、最近はだいぶ調子が良い。
 18台中3台だっけ、その程度の使用不可だけで済んでいる。
 使用可のやつも、少し使うと画面がビョビョビョビョッと揺れるとか、私が知る限りぜんぜんない。
 少し前までに比べ、圧倒的に調子が良い。

 

 しかも、紙の開廷表に比べて圧倒的に便利だ。
 民事の証拠調べ(本人・証人の尋問)の期日だけ、だーっと表示させることができる。

 私は東京地裁へ行く度にそれをチェックする。
 運転免許の行政処分の訴訟で証人尋問とあれば、証人は取締りの警察官である可能性が極めて高いから。

 

 今日、429号法廷(通称警備法廷)を使って「損害賠償等請求訴訟」の、本人及び証人尋問の弁論期日があった。
 原告の氏名に私はギョッとなった。
 ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ、いわゆるデヴィ夫人!?
 被告は2人、普通に日本人女性風の氏名だ。  ※刑事裁判は【検察官vs被告人】、民事裁判は【原告vs被告】。テレビ新聞は刑事の被告人を徹底的に「被告」というが、被告人と被告はぜんぜん違う!

 期日は10時30分~17時。
 私は11時29分頃から午前のぶんをちらっと傍聴した。

 若い女性を尋問していた。
 原告席にデヴィ夫人がいた。
 おっそろしい美女! と私は傍聴ノートに書いた。
 顔立ちもさることながら、ヘアスタイル、衣服、表情、姿勢、たたずまいが、もう尋常じゃない、驚きました。

 あとで知った。傍聴券抽選だったのだ。
 しかし定員割れだったのだろう、法廷前へ来た者に傍聴券を交付して傍聴させる、というスタイルだった。

 午後は13時10分からだという。デヴィ夫人本人の尋問をやるかも。
 もらった傍聴券をポケットに、私は法廷を出た。

 

 しかし、なんとなく興味を持てなかった。
 午後、通りすがりの、傍聴マニアと思しき女性に声をかけ、傍聴券を差し上げた。すごく喜んでくれた。良かった。

 

 そうして私は、ある刑事裁判を傍聴した。
 被告人は小柄小顔な若い女性で、筋肉がっちり大柄な自衛官と結婚を前提に交際し、結婚し、、、ちょっとどう書いていいのか、とと、とんでもない事件だった!

 ニュースからは、自衛隊ってパワハラにセクハラ、自殺へ追い込むイジメもやり、ろくでもねー連中が幅を利かせ、あとは黙って見ている傍観者(実質共犯者)ばかりなの? なんてつい感じてしまいそうになる。
 そこへ今回の刑事裁判。じつにマッチするというかなんというか。

 具体的な中身の話は、ごめん、またの機会に。
 急ぎ書かねばならぬ原稿が何本もあり、JMA-520の取説等も読み込まねばならず、、、

 ←6月16日20時40分現在、週間INが502位。

2023年3月17日 (金)

青汁王子が私より格好良かった件

 16日(木)、駅や電車内でノーマスクは14日(火)より増えた。

 黒マスク着用で入廷してきた被告が、本人尋問に際して、他の者は全員マスクを正しく着用しているなか、1人だけあごマスクで尋問に応じ、裁判官はマスクについて何も言わない、というシーンがあった。おお~、と私は傍聴席で思った。

 民事裁判は原告vs被告、刑事裁判は被告人vs検察官。「被告」は民事裁判の一方の当事者なので。あと「本人尋問」も民事の手続きなので。

 

 16日(木)に東京地裁、高裁(控訴審)で傍聴した事件の一部を。

 

暴行」 審理
 被告人(女性)が不出頭で何度も流れたが、今日はとうとう、30分ほど遅刻したけど出廷!
 人の話を聞かず、思い浮かぶことを勝手にどんどんしゃべるしゃべる、というタイプかに見えた。緊張のせいもあるのだろう。

 

強制わいせつ」 控訴審判決
 「準強姦、傷害」で懲役3年6月の判決が確定しており、その確定前の余罪。本件の原判決は懲役1年4月。
 マンション1階のエレベータ前で背後から女性に抱きつき「殺すぞ」と脅して共用廊下へ連れ込み、女性の下着を引き下げて臀部を露出させ、露出した自己の陰茎を押しつけた…。
 控訴棄却。

 

過失運転傷害」 判決
 検察官は右折開始前の安全確認の怠りを過失の中心としたが、裁判所はそれを認めず、右折開始後の安全確認の怠りのみを認め、罰金100万円とした。換刑1日1万円。訴訟費用負担。
 被告人の資力を私は知らないが、もしや普通に執行猶予付き禁錮刑がよっぽど軽かったんじゃないか。

 

偽計業務妨害」 判決
 スーパーを辞めることになった理由、職場内のトラブルを根に持ち、そのスーパーの売り場に陳列されていた弁当6個に、犬の糞様のものを付着させ…。ええっ!

 

Screenshot-20230317-at-140145-3過失運転致死」 控訴審判決
 「川崎の3人死傷事故、脇見運転か 容疑者「インコに気をとられた」」と報じられた事件。画像は朝日新聞DIGITALのその記事のスクリーンショットだ。
 左へ緩やかにわん曲する道路で、助手席に置いた鳥かごのインコに3、4秒間脇見して、対向車線に侵出(進出)して対向自転車に激突、自転車の女性(39歳)を死亡させ…。
 さらに対向車線の歩道へ。ちょうど自転車から母親(29歳)が男児(3歳)を下ろそうとしていたところへ突っ込み、男児を死亡させ、母親を車底部に巻き込んで約20m引きずり…。
 原判決は禁錮3年。控訴棄却。被告人(事故時50歳女性)には小学生の子供が2人いるという。

 

住居侵入、強盗、詐欺、窃盗、電子計算機使用詐欺、傷害、道路交通法違反」 新件
 特殊詐欺のうち還付金詐欺で高齢女性から合計150万円ほど詐取したのち、どうも氏名不詳者の命令はなかったらしいのに、後日その高齢女性宅へ強盗に押し入り…。だとすればその部分は珍しい!
 「道路交通法違反」の部分は無免許運転だという。

 

強盗致傷、窃盗」 裁判員裁判 判決
 仕事で稼いだ金をギャンブルで浪費、生活に困窮し、ひったくり。後日自転車を盗んで職務質問を受け、強盗のほうも発覚…。
 被害弁償なし、前科なし、懲役3年6月、未決210日算入。

 

損害賠償請求事件」 弁論(本人尋問)
 今日は被告本人を尋問。反対尋問も含め15分足らずで終わった。被告の主張に疑いはなく、原告敗訴でもう固まってるのかな、とは素人感想だ。
 帰宅後、ネット検索。「「青汁王子」も怒った意図的乱脈経営 回収見込みのない先へ融資、子会社を300円で売却…… 」など多数ヒットあり。
 今日出廷した被告はその三崎優太氏だった。私よりずっと長身で格好よくて若い男性だ。比べるなよっ。
 一件、贅沢(外見の飾り立て)には興味がないのかな、と思えたが、あれがニューヨークで流行のファッションだったりして。

 

常習累犯窃盗」 控訴審第1回
 この被告人(女性医師)は東京簡裁、地裁、高裁の法廷へ何度も出てきている。私が初めて傍聴したのは2016年2月だ。
 完全に万引き病の女性を検察、裁判所は、彼らなりのお慈悲を示しつつ、量刑相場の階段をのぼらせてきた。司法の無能ぶりを浮き彫りに見せてきたといえる。
 今回、被告人は生まれ変わったかようにスレンダー美女だった!
 林大悟弁護人、なんと木谷明弁護人の弁論に私は感動した。次回判決、果たしてどうなるのか。裁判所的には量刑相場には抗拒不能かと思うが、万引き病についてどこまで言及するか、絶対見逃せない!

 ←3月17日16時10分現在、週間INが30で3位

2023年2月11日 (土)

愛した男のリンス容器に脱毛クリームを

2112102-2_20230211204201  画像は2021年12月10日撮影。「裁判所」の文字の庁名板がなぜ白いシートで覆われているのか、その下にあるこれは何なのか等々、ちらっと関係する裁判が東京簡裁で現在進行中だ。

 この庁舎(東京高等地方簡易裁判所合同庁舎)の刑事法廷で最近傍聴して印象的だったもの、の一部を以下に少し。

 

傷害、暴行
 被告人はお金持ちご子息風で青年実業家風で、どこか偉そう。拷問DV男なのだった。判決は懲役2年、執行猶予4年。
 心療内科へ通うと約束していたが、通うとは思えない。次の女性を見つけて同じようなことをやるか、今回の被害女性に腹を立てて殺しに行くか、悪い方向にばっかり想像してごめんなさい。

 

詐欺
 新型コロナの持続化給付金の詐欺だ。最近よく出てくる。
 共犯者らと6件、総額約800万円。被告人(だいぶ高齢)の取り分は10%。でも共犯=正犯のルールにより800万円全部の責任を問われ、懲役2年6月、未決100日算入。

 

住居侵入、強盗・強制性交等」(裁判員裁判)
 通りかかってドアの覗き窓から見ると、傍聴人は10数人ぽっち。なのでちらっと傍聴してみた。来客を装ってインタホンを鳴らし、押し入って、という事件だった。
 弁護人は最終弁論で、被告人がやったことは同種の中では軽いほうだ、被告人にも事情があった等々等々、どんだけ被告人を持ち上げるねん、と私は感じた。

 

公務執行妨害
 被告人は身柄(拘置所)、大学生。だいぶ飲酒して帰宅、実母とケンカして皿や家電製品などを壊し、家族の110番通報により駆けつけた地域課巡査のマスクを剥ぎ取り、制帽を弾き飛ばし…。

 

名誉毀損」(控訴審)
 ネットで暴れたのか? と傍聴してみた。違った。
 被告人は個性的でお洒落なお年寄り。ある者の氏名を出し「3つの罪で逮捕された」などと路上で大声をあげたのだそうだ。
 原判決は罰金30万円。量刑不当の主張。控訴棄却。

 

特別公務員職権乱用損害賠償等請求事件」(民事)
 なんと、原告はタクシー運転手で、一時不停止の取締りに不満があり、という事件だった。
 今日は本人・証人尋問。取締り警察官の尋問から始まった。
 一時不停止なんて刑事の法廷へは滅多に出てこない。ところが民事だと、珍しい尋問を聞けることがたまにある。

 

住居侵入、ストーカー行為等の規制等に関する法律違反
 被告人(身柄、拘置所)は若く可愛い感じの女性だ。被害男性と交際を始めたが、自己中な態度から別れを告げられ、しかし復縁を求めた。やがて男性をうらみ、鍵のシリアル番号を知って合鍵をつくり、侵入。スケジュールアプリから引っ越し先を知り、そっちへも侵入。小型カメラを仕掛けたり、リンス容器に脱毛クリームを入れたり…。

 

強制わいせつ
 午前2時頃に自転車で徘徊、すれちがった女性(徒歩)の胸を見たいと尾行、自転車を降りて追いかけ、ブラジャーの中に手を入れて胸を触った。
 「頭おかしいのか?」と普通、思うでしょ。でも、深夜に独り歩きの女性を尾行して襲い、いきなり胸を触るってのは、裁判傍聴的にはあるある、あるある中のあるある、略してアル中だ。
 またこれか、くだらね~と私はすぐに法廷を出た。そういう傍聴姿勢は良くないですぞ。

 



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 前(ぜん)90日間の「成果報酬」は39円。
 どなたが何を購入したのか、当然ながら私には分からない。ご安心を。
 今後、39円がどう動くか、日々のささやかな楽しみだ。

 そんなことより『コロナ利権の真相』である。週プレの書籍紹介のコーナーにこんなことが書かれている。

 2022年までに日本政府が投じたコロナ対策予算は約104兆円。東日本大震災の復興予算が約32兆円だったことを考えれば…

 自民政権がただ無闇にじゃぶじゃぶばらまくはずがない。身内が太るよう、次の選挙に勝てるよう、しっかり留意したはず。
 ばらまいた税金の約1割が自民に環流する、なんて言われる。とすれば約1兆円かあ! マジ?
 いやこれ批判とかじゃないです。主義主張とか排して、普通のことを普通にほんわか言ってるだけなので。
 とにかくこの新書、読みたい。

 ←2月11日20時20分現在、週間INが502位。

2023年2月 5日 (日)

死亡事故、逮捕されコロナ感染が判明、39.9度

1705244-2  いつものように開廷表をメモっていたら、、、
 ええっ! 「卵の採卵に関する法律違反」、なんだそれ、聞いたこともない! 「卵の採卵」って何だよ!
 13時30分から? うっわ、俺はその時間、粗暴犯前科だけで22犯の、独り暮らしが寂しく料理はやったことがなく、夕食につい居酒屋へ行ってしまう酒乱71歳の被告人質問を傍聴してたよっ、ちっきしょう!

 さらに、、、
 事件番号が、なに? 「1わそのとき申述予定の…」ってなんだそれ! 「わ」ってことは地裁の公判請求事件なんだろうけど、単に「1」ってなんだよ、「そのとき…」ってあり得ない、どうなってんの!
 開廷は何時? まだ間に合う! けどもう大行列かも、やべっ!

 焦って目が覚めた。夢だった。

 最近傍聴した中から一部を記しておこう。 ※画像は究極の居酒屋「昭和」のオム焼きそば。チケット1枚。チケットは10枚1200円。

 

覚せい剤取締法違反
 「警視庁保管の証拠データ破損 覚醒剤事件、逮捕日のカメラ動画」と報じられた事件だ。マニア氏から情報をいただいて傍聴した。
 車両のエンジンを切ったとき19秒後に動画撮影が中断、2分経過してエンジン始動、その23秒後に撮影開始、瞬時に画面が変わっている、と聴き取れる部分があった。
 ちなみに2020年4月からだっけ「覚せい剤取締法」が「覚醒剤取締法」になった。本件の事件名は「覚せい剤」だ。

 

インターネット記事削除、謝罪文掲載等請求事件
 地裁民事の判決。原告・山口敬之氏の請求が一部認められた。

 

損害賠償請求事件
 地裁民事の判決。「SNSの投稿めぐり殺人事件遺族が岡口基一判事を訴えた裁判 岡口判事に対し賠償命じる」などと報じられている。

 

国家賠償請求事件
 原告は石元太一氏。横浜刑務所の刑務官を証人尋問…。


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傷害、名誉毀損
 「《元患者も告発》傷害・覚せい剤で逮捕の“黒コートの精神科医”の驚くべき“前科”「劇薬リタリンを102万錠処方で社会問題」「薬物依存の末に患者が死亡」と2022年3月の週刊文春。この事件だ。
 処方薬によるオーバードーズの蔓延、を感じさせ…。



過失運転致死
 自宅前の路地へバックで入る際、体調が悪く、アクセルを踏みすぎて事故。逮捕され警察で検温、39.9度も。急ぎ病院で検査、コロナ陽性って、なんちゅう事件だ!

 

 コロナで死亡事故の事件、あの風邪引き運転のような過労運転の罪には問われていなかった。
 アクセルとブレーキの踏み間違いではなく、単にアクセルを踏みすぎたのだという。出た速度は約20キロ。後ろに駐車していた車両の前部に衝突、その後ろでハッチバックのドアを開けて何かしていた人が死亡って、そ、そんなことがあっていいもんか!

 ←2月5日5時30分現在、週間INが702位。  

2023年1月 7日 (土)

2023年の傍聴初めは

 1月6日(金)、今年初めて裁判傍聴に出かけた。
 タブレット開廷表によれば、刑事裁判の公判期日は、東京簡裁が9件。東京地裁は普段はだいたい50件台なのに、たった14件。東京高裁はゼロ。

 東京地裁の民事の弁論期日は、普段はだいたい400件台なのに、なんと9件ぽっち!
 弁護士さんたちの正月休みが長いってことなんだろうね。
 庁舎内は閑散としていた。昔の表現では閑古鳥が鳴いていた。

 せっかくなので9件の事件名を全部メモってみた。

 10:00 未払いレンタル料等請求
 10:30 不当利得返還請求
 13:15 不当利得返還請求
 13:15 立替金等請求
 13:15 建物明渡等請求
 13:30 地位確認等請求
 14:00 不当利得返還請求
 16:00 未払賃金請求
 16:00 損害賠償請求

 最後の事件の原告名は「Amdika Budha Singh」、被告は国と東京都。なんだ? 宗教関係?
 帰宅後、ネット検索。「準備書面(1)」がヒットした。事件番号が一致。ほ~。

 

 傍聴初めは「大麻取締法違反」、いやはやこれがねえ!
 中学生の頃から精神的に具合が悪く、不眠症、視線恐怖、学習障害、うつ病、家庭崩壊、ひきこもり等々、本当にいろんなことがたくさんあったが、大麻を使用してからは、体調が改善して安定し、睡眠薬が不要になった…。
 大麻は依存性があると聞いていたが、逮捕から5カ月弱、依存に苦しむとか全くなくて…。

 しかし、大麻の所持は日本では犯罪なのである。罰金刑の選択肢のない、重い犯罪なのである。
 支配者に文句を言えば殺される国もあるらしい。大麻を犯罪とする国もある。人間社会に理不尽はつきもの。そういうことと、とりあえず私は受け止めている。

 2023年の傍聴初めがこんな事件とは、今年も、、、と思った次第。

 

 この日の私の狙いは16時からの「道路交通法違反」だ。
 「20年以上無免許“ひき逃げ犯”44歳が逮捕 菅義偉、仲本工事ら著名人との交友をひけらかした“ほら吹き人生”」と昨年11月に週刊文春が報じた事件なのである。
 被告人質問の間、私の傍聴ノートのあちこちに赤いペンで「よくしゃべる男」「よくしゃべる!! 中身ねー!!」「よくしゃべる次から次へと!!」「よくしゃべるー!!」と。

 夜間、降雨のなか、無免許で、制限60キロの道路を111キロでかっ飛ばし、道路左端を同方向へ進行中の自転車に激追突、逃げたのだという。

 

 さあ、来週は傍聴予定がだいぶ詰まっている。その前に原稿を2本書かねば…。

 ←1月7日6時40分現在、週間INが402位。