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カテゴリー「駐車違反/民間委託後」の142件の記事

2019年1月11日 (金)

駐禁の違反金滞納、フィギュアを差し押さえ

 警察庁の交通指導課が全国都道府県警に対し送付する「交通指導だより」というのがある。9月に私は、保存期間内のものをすべて開示してくれと請求した。
19010510 普通は30日以内に開示決定が出るが、これは延長決定をくらい、11月と12月に分けてた~っぷり開示された。マニアな私としては、しぇーっ、うれぴー! である。 ←なにがぴーだ、あほんだら(笑)。

 現在発売中の『ラジオライフ』で、11月に開示された5件を紹介した。メルマガでも速報した。新型オービスについてびっくり文書が含まれていた。こういうことがあるから開示請求はヤメられないのですょ。

 てか思ったのは、もしも私が私でなく、『ラジオライフ』のその号を買わず、メルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代」も知らず、無料のネット情報だけ見ている者だったら、あのびっくり文書のこと、永遠に知らずいるわけだ。
190105 そんなこと言ったらきりがない、のだけれども、テレビも新聞も全社、もっぱら同じことを同じように報じ、ネットの多くはそれをもとにあれこれ騒ぐばかり、というのは如何なものかと。西日本新聞はそこから脱しようとしているのか! と。

 今月下旬に発売の『ラジオライフ』では、12月に開示された14件のうち、全国の交通総務課長宛ての3件を紹介した。画像上が、その3件のタイトルが分かる部分だ。
 タイトルは堅苦しいが、中身は面白いのだよぅ!

 来月下旬に発売の号では、特に何か起こらない限り、全国の駐車対策課宛ての文書を紹介しようと思っている。
 画像下は、その文書の一部だ。「放置違反金の滞納処分業務における警察庁指定広域技能指導官の指定について」。へえ~! と読んでいたら、以下は1月9日付け京都新聞の一部。

差し押さえフィギュア、ネット転売 京都府警、違反金滞納で
 路上駐車の放置違反金を滞納する人が後を絶たない中、京都府警が、滞納者に対する財産の差し押さえを強化している。従来の車や預貯金だけでなく、昨年から全国に先駆けてゴルフクラブセットやフィギュアなど趣味の品々まで対象を広げたところ、慌てて支払いに応じる人が続出。インターネットのオークションサイトで想定以上に高値で売れる物もあり、府警担当者は「『逃げ得防止』の有効策になっている」と手応えをつかんでいる。
 「現金がなければ、代わりにゲーム機を差し押さえますが、どうします」。昨年10月下旬、違反金を滞納する30代女性の自宅を府警の職員4人が訪問した。女性は約20回にわたる納付命令や督促を無視し続けていた。しかし、職員の通告に対して「ゲーム機は手放したくない」と渋々、支払いに応じたという。
 放置違反金の滞納額は全国で累積約37億円(2006~17年度)に上り、府内でも約9100万円(同)に膨らむ。府警は悪質滞納者に対し、車や預貯金を差し押さえて対応してきたが、昨年からは対象をゲーム機やギター、フィギュアなどにまで拡大。こうした品々はネットオークションで高値で売れることが多く、中には想定の80倍で売却できた物もあるという。

 お~、京都のその警部補さんの指導により、頑張っているのですね!
 警察庁の方針に従い、差し押さえは広がり、広がる以上に大きく報道されるだろう。それはどういう意味か、『ラジオライフ』に書く予定。

 もったいぶってる、と見えるかもしれない。でもね、いわば当てずっぽうで開示請求をしまくり、交通費をつかって裁判所へ通い、好きなことをマニアックにやっていられるのは、原稿料、メルマガの購読料(の6割)、あとたまにテレビやラジオの出演料、週刊誌等のコメント料があるおかげなのだ。
 ギャラを払ってくれる媒体を、月108円とはいえ購読料を払ってくれるメルマガ読者を、裏切るわけにはいかない。そこはご理解いただきたい。もちろん、たぶんネットの奥底の深いところにある当ブログを見つけてくれた読者諸氏にも感謝しており、裏切らないよう頑張りたいと。

 ←1月11日1時10分現在、週間INが100で3位~。

2018年10月20日 (土)

放置違反金、滞納処分と報道宣伝

 交通違反の不出頭者をまとめて何人逮捕しました、と同様、放置違反金の滞納処分をしました、という報道も年に何回か必ず見かける。
 以下は10月19日付け読売新聞の一部。

違反金滞納なら…漫画やフィギュアも差し押さえ
 京都府警は今年から、駐車違反の放置違反金の滞納者に対する差し押さえの対象を比較的、安価な漫画本やフィギュアなどにも拡大した。オークションサイトに出品して滞納金の回収に充てる。こうした物品まで差し押さえるのは全国でも珍しいといい、府警では「逃げ得は絶対に許さない」としている。
 放置違反金の滞納額は、昨年度までの累積で全国で約37億3000万円。京都府内でも約9100万円に上る。これまでは給与や車などを差し押さえていた。今年はすでに昨年の10倍以上、101件(12日現在)の差し押さえを実施し、競売サイトに出品するなどして換金している。
 競売での落札額は計約10万円にとどまるが、愛着のある物品を手放すのを嫌って差し押さえ前に支払うケースも多く、約300万円の回収につながっている。
 19日は京都市伏見区の集合住宅の一室を府警交通指導課員が訪問。住人の30歳代女性は約3年にわたって府警の納付命令や督促を計19回無視し、放置違反金と延滞金計3万8200円を滞納しており、ゲーム機などを差し押さえることを伝えると、知人に金を借りて支払ったという。

 「フィギュアも」というところがインパクトがあって良い記者発表だと思う。京都府警さん、二重丸です。警察庁の評価も高いはず。

 この方面のネタを私が書くとどうなるか。2013年9月に『ドライバー』に書いた原稿を、若干筆入れして以下に。 面白いよっ。だって本人がチョー面白がって書いてるもん

 交通警察官向けのマニア雑誌『月刊交通』(東京法令出版)。その6月号に、駐車取り締まりについての特集が載っている。
 新しいペナルティ「放置違反金」(以下違反金)の未納額が100億円を超え「順次、消滅時効を迎えている状況」にあるので、気合いを入れて頑張りましょう! という特集なのだ。どうです、わくわくするでしょ(笑)。

 まずは現状について基本的なデータをいくつかご紹介しよう。
 2012年6月1日時点で、駐車取り締まりの民間委託をやっているのは全国387警察署の管内。
 ちなみに警察署の総数は、これは今、警察庁に電話してみた。今年4月1日現在、全国に1173署だそうだ。交番は6248カ所、駐在所は6614カ所。駐在所のほうが多いとは、へぇ~。クイズ番組にいいんじゃないですかね。

181018 民間委託の入札に参加したい業者は、あらかじめ公安員会に登録する。新制度のスタートは2006年6月。「新しい仕事でイッパツ儲けよう」と、いろんな業者が登録した。2006年の登録数は1470件。
 しかし警察は、当初は1年間だった契約をだんだんと3年、5年へ変え始めた。小さな業者は参入しにくくなった。登録はめきめき減り、2011年はたった371件に。

 入札をクリアした契約業者は、2012年10月1日現在60社にすぎない。
 60社の内訳は「警備業」が40、「ビル管理業」が13、「特殊民法法人」が2、「その他」が8…。
 全国展開の大手警備業者が全国で多数の契約を取っているのが現状のようだ。
 ちなみに警備業法は警察庁所管の法律。警備業者は警察庁傘下ってことになるのだ。

181018_2 そんな業者に「駐車監視員」(以下監視員)として雇われるためには「資格者証」の交付を受ける必要がある。高額の講習を受けたり、3万数千円かかる。
 制度スタートの前年、1万41人が資格者となった。更新がなく生涯有効なこともあり「新しい資格をいっちょ取っておくか」って人が多かったのだろう。じつは私も資格者証を持っている。きゃっ。
 その後、年ごとの交付数はぐんぐん減り、2011年末現在の累計は2万6079人だ。
 それでも多すぎるくらい多い。現在、実際に監視員として稼働してるのはたった2014人とは、これもクイズのネタになりませんかね。

 さてさて、興味深いのは「放置違反金の未収対策」という記事だ。警察庁交通局の課長補佐氏がこう書いている。

収納未済件数は、平成23年度末の累計で約80万件、金額にすると約107億円にのぼり……徴収権が時効を迎えたため不納欠損したものは、平成23年度末で約5万8000件、金額にして約8億円になる

 一定期間がすぎると債権(金を徴収する権利)は消滅する。消滅時効という。放置違反金(以下違反金)の消滅時効は5年だ。
 違反金の誕生は2006年6月。5年後は2011年(平成23年)5月末。この間、消滅時効はない。
 つまり、消滅時効による不納欠損が生じ始めてから11カ月間の不能欠損が8億円ってこと。今後、必死になって徴収しなければ、不納欠損はどんどん累積していく。

 もちろん警察は、預金を差し押さえたりして強制徴収ができる。それを「滞納処分」という。だが、課長補佐氏は続けてこう書いてる。

平成24年中の滞納処分の実施数は、前年よりも1353件増加しているものの、全体で1万7088件にとどまり、未収件数に比べると遙かに少ない

 収入未済の累計が約80万件に対し、2011年中の滞納処分は約2%。マジやばいのである。
 じゃあ、どうするか。滞納処分を効率的に実施することはもちろん大事だが……。

それ以上に、滞納処分を積極的に広報し、他の滞納者に警鐘を鳴らすなどの効果を最大限に引き出す方策や、滞納処分に至る前段階で、いかに任意納付を促すことができるかがポイントとなる

  警察庁は今年の道交法改定で、銀行や郵便局だけでなく24時間営業のコンビニでも違反金を払えるようにした。

任意納付の機会が拡大されることにより、任意納付の大幅な増加が期待できる

 なるほど~。
181018_3 さらに、「催告状」や「最終催告状」の封筒を赤や黄色にして注意を喚起している警察もあるそうだ。
 もうひと工夫を加え、「財産の差押えについて」という赤紙を同封している警察もあるという。納付しなければ「財産を差し押さえる」こととなる、その際、「財産調査をした上、事前連絡することなく実施」すると告知。差し押さえの対象は「不動産、自動車、銀行貯金等、給与等、その他財産」だと記載して。これはだいぶ効果的だそうな。
 やっぱり滞納処分は手間がかかる。自発的に払うよう仕向けるのがベストだよね。

 ところで、歩行が不自由なお年寄りなどに交付され、標識による禁止場所に駐車しても違反とされない「除外標章」、その不正使用がけっこうあるんだという。
 特集記事の1本は、それをどう検挙したかという愛知県警のレポートだ。

 有名な繁華街、名古屋市中区錦3丁目、通称「錦三」に、怪しい除外標章を掲示したクルマが3台あった。調べると偽造だった。「張込み、尾行捜査等を深夜に及ぶまで継続して実施した結果」、運転者3人を特定できた。
 だが、「偽造有印公文書行使」で立件するためには、偽造であるとの確実な認識が必要となる。知らなかったと言い訳されては困る。そこで……。

仮に偽造性を否認されても被疑者に言い逃れをさせない方法として、被疑者の行為が駐車監視員の確認事務(※駐禁ステッカーの取り付け)の妨害に当たる行為だとして……検察庁との協議を重ね、偽造の認識の有無を必要としない偽計業務妨害罪にて強制捜査で臨むこととした

 難しいケースは検察庁と協議して、確実に有罪にできるやり方をとるのだ。
 3人を逮捕すると、案の定、「拾ったもので偽造とは知らなかった」と弁解。しかし偽計業務妨害罪でばっちり送検。3人とも罰金30万円とされたそうだ。

 大阪府警のレポートも載っている。「車検拒否制度」により無車検・無保険となったクルマを運転した13人を逮捕。同時に、13人分合計415件、625万6000円の違反金を徴収したなどと。
 そして結びにこうある。

テレビ、新聞等のマスコミに大きく報道され、放置違反金の滞納や除外標章の不正使用について社会の警鐘を鳴らし、滞納していた放置違反金を自主的に納付する者も現れる等大きな反響を得た

 悪質なケースをガツンと逮捕し、高額の違反金を強制徴収し、大きく報道させる。その宣伝効果で、違反金の未納や新たな犯罪を抑止する、そういう作戦なんだね。
 私としては、そもそも駐禁規制の対象を悪質な迷惑駐車だけとし、「このルールはみんな守らねば」との認識を社会が共有するようになるのがいちばんいいと思う。
 でもそれだと大量に取り締まれず〝収益事業〟として成り立たない。うーん、警察もつらいよ。私もつらいです。 ←お前は関係ないだろっ(笑)。

 放置違反金の納付命令の件数は、「約束が違うじゃーん!」と地方自治体が泣きたくなるほど減少している。交通取締り全体も減少し、交通安全協会は火の車、という原稿は間もなく発売となる『ラジオライフ』に書いた。
 運転免許の更新時講習等のテキスト『交通の教則』はタイトルが変更され、なんと…! という話はメルマガ最新号、第2167号の編集後記に書いた。

 ところで諸君、大変なニュースがある。
 究極の居酒屋「昭和」が、嗚呼、諸行無常、11月30日で閉店、終了となる。昭和という時代が終わるのである。
 11月30日までの間、ひんぱんに「昭和」へ通いたいが、しかし単行本原稿があり…。単行本はいつでも書ける、「昭和」は今しかない、と言っては編集長氏からぼっこぼこ叱られる。ほらね、私もつらいのですよ。

 画像3点は10月18日の「昭和」の酒肴だ。
 画像上は、煮物と、フライドチキン。画像下はサンマ焼き。いずれもチケット1枚。画像中は、まぐろ刺身とシメサバ、の食べかけ。これはチケット2枚。チケットは10枚綴りで1200円。消費税なし。こんな店がなくなる、日本国にとって大きな損失と言わざるを得ない。諸行無常と分かっちゃいるが、でも悲しい。

 ←10月20日8時10分現在、週間INが150で2位~。

2018年7月 2日 (月)

駐車監視員制度、お祭りの初日!

 いま、『ラジオライフ』の原稿を書いている。ネタは自転車取締りと自転車講習の最新データだ。
 じつは警察庁は2006年4月、自転車取締りを強化するよう全国都道府県警察に通達を発出している。2006年といえば、その6月1日に警察庁は駐車取締りの民間委託をスタートさせている。興味深い。

 当時、警察庁は何と言っていたのか、私が過去に書いた原稿を探した。そしたら、なかなか面白い記事を発見した。
 以下は、2006年7月発売の『ドライバー』に書いた記事だ。一部加筆等する。12年前、そんなことがあったのだ。懐かしい。

 たぶん私の出番が増えるんだろう、とはぼんやり予想していた。4月ころから雑誌、新聞のインタビュー、原稿依頼が多くなった。5月に入ると、ラジオ、テレビからの出演依頼が増えてきた。それは日を追うにつれ激しくなった。

1703282 やがて、予想をはるかに超え、もうひっきりなしになった。スケジュールをやりくりするだけで精一杯。自分がいまどの番組のインタビューを受けているのか、ほとんどわからなくなる始末だった。

 でも、私のコメントの内容は、いつも同じだ。それは、本誌やブログなどに書いてきたことだ。奇をてらって事実や認識に反することを言うわけにはいかない。不安になり、いくつかの番組スタッフに尋ねてみた。
「あのう、私、すでにいろんな番組にお答えしてまして、同じことしか言えないんですけど、いいんでしょうか」
「ぜんぜんOKですよ。こういうことでコメントできるのは、今井さんしかないんですよ」
 そ、そうなのか? うむぅ…。

1703284_2 そしてついに6月1日。駐車違反取り締まりの民間委託の、いよいよ初日がきたのだよぉ!

 朝5時50分、お迎えのハイヤーに乗車。6時すぎ、道端に停まってもらい、車内からFM東京に携帯電話で生出演。赤坂に着き、TBSラジオに生出演。同じハイヤーで渋谷警察署前へ。早く着いたので、向かいの立ち食いそば屋で、きつねそば、350円。これが、夜帰宅するまでの唯一の食事になろうとは、そのときの私は知るよしもなかった…。

 8時をすぎ、マスコミ各社が集まり始めた。渋谷署の正面玄関前で、担当警察官が「お願い事」を伝えた。
「勤務中の監視員へのインタビュー取材はお断りします。車道には出ないでください。皆さんが轢かれてしまうとニュースになってしまう。歩行者、自転車にはご注意を」
 いよいよ始まるのだ!

1703285_2 集まったマスコミ陣のなかで、私がいちばんわくわく興奮していたと思う。
 だぁって、警察はこの種の制度にしたいと90年、93年、94年に大きく発表していたのだ。私は94年に『週刊金曜日』に記事を書いてからずっと、機会あるたびに批判してきた。それが、ようやくこんな形で華々しくスタートするのだ。かわいい子どもが小学校に入学するような、なんともいえない興奮を私は感じるのだった。

 8時36分ころ、おおう! 渋谷署の正面玄関からぞろぞろ出てきたよ、駐車監視員(以下「監視員」)が!
 緑を基調とした制服に、携帯端末と携帯プリンターなどを装備して。数は15ユニット、30人か。マスコミ各社が一斉に撮影。私も昨年買ったデジカメで撮りまくったよぅ。

 監視員たちはすぐに2手に分かれ、さらにまた分かれた。私は道玄坂方向のユニットを追った。歩く、歩く、すたすた歩いていく。あちこちに違法駐車があるが、目もくれない。取り締まり開始場所が決まってるんだろうか。

 109(マルキュー)の前で、3ユニットが止まった。携帯端末をなにやらいじっている。資格者証のデータを入力している。出発前にやっとけばよさそうなのに…。
 茶髪にサングラスのおじさんが通りかかり「こんなの愛国心じゃねえ!」と、しゃがれ声で監視員らに怒鳴った。

 道玄坂を上り、途中の信号のところでまた止まった。ここがスタート場所か?
 だが、なかなか出発しない。リーダーらしき若めの監視員が、携帯電話でしきりに連絡をとっている。「いま、監視員といっしょに××しておりまして」と聞こえた。目つきが冷酷そうで、他の監視員とは明かに感じが違う。元警察官? だとすれば、若いのになんで退職したのか。ヤバイことをやったのか。

 「1回落として…」とも聞こえた。電源を落とせということらしい。どうも携帯端末が不具合のようだ。若いカップル(ラブホテル帰り?)が「あっ、あれだ、駐車監視員だ」と通りすぎる。

  9時10分、1ユニットずつに分かれ、動き出した。私は、怖い目つきの監視員がいるユニットを追った。
 しかし、ぜんぜん確認事務(新しい取り締まり)を行わない。歩道上にでーんと置かれたジャマな大型スクータも素通り。そして結局、渋谷署へ戻ってしまった。他にも戻るユニットがあった。やっぱりどうも携帯端末が不具合らしい。なんだよ。

 他の記者らとともに玄関前でうろうろしてると、いつの間にか、そばに1台の乗用車が路上駐車していた。駐停車禁止の標識のすぐ下。路面は赤くペイントされている。取り締まってくださいと言わんばかり。ヤラセか? などと記者らと話すうち、1ユニット出てきた。おうっ、やっと確認事務を見られるよ!

 けれど、監視員が写真を撮ってデータを入力している間に、ドライバーが戻ってきた。新しい取り締まりは、その場でプリントアウトした確認標章(新しいステッカー)が貼りつけられる前にドライバーが戻ればセーフなのだ。

 それからそのユニットは、明治通りを広尾方向へ歩き始めた。やっとまともな巡回活動が始まるのか。テレビが2局に、紙媒体の記者、正体不明の男が2人と私、合計10人くらいがくっついて進む。

 銀行の前に、ハザードを点けたタクシーが駐車していた。運転手の姿は見えないがすぐ戻ってくるだろう。ところがそのタクシーに対し、監視員は確認事務を始めた。
 「運転者が車両を離れて直ちに運転できない状態の違法駐車」を「放置車両」といい、確認事務の対象になるのだが、それにしても、こんなタクシーを? とくに迷惑にはなってないのに。私は思った、「見境ねーな!」と。
 当然、運転手がすぐに戻ってきてタクシーは発車。確認事務はまた空振りだ。
 まあね、民間が取り締まるのだから、法が決めたとおり見境なくやるのが正しい、とはわかる。個々の業者、監視員の恣意が入っては困る。

 けど、そうであれば、そもそもの規制は、場所ごとの迷惑性を十分に考慮するなど、よほど合理的でなければならない。
 なのに今回の新制度は、一部の例外を除いて、従来の不合理な規制のまま「時間の長短に関係なく取り締まる。取り締まったらかならずカネ(反則金または放置違反金)を徴収する」という制度だ。それで見境なく取り締まったのでは、ドライバーたちの憎悪がたまるばかりではないのか。

 さらに歩いていくと、道端にタクシーが。あれ、さっきのタクシーでは? と思う間もなく運転手が降りてきて、監視員に食いついた。
「銀行の1分でもダメですか! ほんの1分でも!  やりすぎだよ!」
 殴りかからんばかりの勢いだった。
 監視員はみなし公務員とされ、殴れば公務執行妨害だ。初日にすごいシーンを撮れるぞ。テレビカメラが集まった。もちろん私もデジカメを向けた。
 タクシー運転手は気圧されたか、殴ることなく去った。

 そのあとも監視員は、宅配のトラック、納品の1BOX、工事車両、ダスキンの軽自動車など、運転者が乗ってないとわかると見境なく確認事務を始めた。が、みな運転者が数分で戻るため、ぜんぶ空振りのまま、渋谷署へ戻ってしまった。

 午後に1件だけ、高級そうなBMWに確認標章を取り付けるところを目撃できた。間もなく戻ってきた運転者は、子どもをピアノ教室へ送った若い奥さんだった。複数のテレビカメラの前でコメントを求められ、おどろいていた。

 私はその日、たしか6つのテレビ番組のインタビューに応じ、途中で少し渋谷を離れてニッポン放送のラジオに生出演。夜はNHKラジオに携帯電話でコメントした。
 気温は30度を超え、今年初めての夏日だという6月1日はこうして終わった。女房殿から言われた。
「あんた、痩せたわね」
 仕方ないよ。これを皮切りに交通社会は大きく変わる。その〝お祭り〟の初日なのだから。

 制度スタートの前に私は、駐車監視員資格者講習を受け考査に合格、所定の手続きを経て駐車監視員資格者証を取っていた。
 インタビューでスタジオで見せまくった。「えぇい、頭が高い、控えおろう、この資格者証が目に入らぬか!」という調子で、というのはウソですけど(笑)。
 自転車取締り、スピード取締りもいずれ民間委託されるだろう。その資格者証も取らねば。大変だっ。

※画像は、ナンバーを隠した駐車中のバイクの確認標章(黄色い駐禁ステッカー)を取り付けたという珍しい写真。読者氏からの頂き物だ。

 ←7月2日17時10分現在、週間INが160で2位~。

2017年3月 7日 (火)

湾岸署の取締件数にびっくり!

 さてお待ちかね、マニア的びっくりデータのコーナーです~。

 画像は警視庁の「保管場所法違反取締状況(交通・地域)」、2016年の1~12月の累計だ。
 まず、11条1項、11条2項とは何か。以下は「自動車の保管場所の確保等に関する法律」(略称:保管場所法)。

(保管場所としての道路の使用の禁止等)
第十一条
   何人も、道路上の場所を自動車の保管場所として使用してはならない。
   何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
   自動車が道路上の同一の場所に引き続き十二時間以上駐車することとなるような行為
   自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為
   前二項の規定は、政令で定める特別の用務を遂行するため必要がある場合その他政令で定める場合については、適用しない。

Img_1170 「第十一条」のあとにあるのが1項、「」が2項だ。
 2項は、ごく普通の、と言っちゃなんだが、夜間にあっては8時間以上の、夜昼問わず12時間以上の、長時間駐車のこと。
 昔から、保管場所法違反の取締りといえば、ほとんどが2項違反だった。

 ところが2016年のデータを見ると、警視庁の1項違反の取締り40件は、すべて東京湾岸署(以下湾岸署)の、それも地域課(つまり交番勤務の警察官)によるんである!
17030720164 かつ、2項違反の取締りについても湾岸署はぶっちぎりトップだ!
 いったいどうなってるのか。

 湾岸署といえば、その玄関からASKAさんが釈放されたことで有名だ。また、東京23区内で女子の留置場があるのは、西が丘分室のほかに湾岸署と原宿署だけと聞く。酒井法子さんが湾岸署の玄関から釈放されたこともある。
 しかし、ASKAさん、酒井法子さん、女子留置場と、保管場所法違反の取締り件数との間に、因果関係は見出し難い。 ←そりゃそだろっ(笑)。

17030720165 これは全くの憶測になるが、湾岸署の管内には、乗用車または貨物車を長時間置きたくなる道路、置ける道路があり、長時間置きたい事情のある人または事業所がある、つまり湾岸署に特有の事情がある、そういうことじゃないのかな。
 でなきゃこの突出状態は説明がつかないように思う。

 ところで、じつは保管場所法違反の取締りは、2006年に駐車監視員制度と放置違反金制度がスタートして以降、めっきり減った。駐禁レッカー移動ほどではないが、ほとんど壊滅状態だ。
 そのことも併せ見ると興味深いのだが、長くなる。またの機会に。  

 ←3月7日16時00分現在、週間INが190で1位~。

2017年1月18日 (水)

放置違反金、10年間で2166億4520万1844円!

 メルマガ「裁判傍聴バカ一代」の第1836号「闇の組織からきた前代未聞のSM強姦魔」の、その編集後記に以下のようなことを書いた。
 裁判傍聴と関係ないじゃん? いやいやこういうことを背景に、駐車監視員に対する公務執行妨害とか、犯人隠避・隠避教唆(身代わり出頭)とか出てくるわけで。

              

 2006年6月1日から、駐車取締りの民間委託とあわせて「放置違反金」の制度がスタートした。
 放置駐車違反(運転者が車を離れて直ちに運転できない状態の違法駐車)と認められ、駐車監視員または警察官または交通巡視員により、確認標章(黄色い駐禁ステッカー)を取り付けられた場合、違反者が警察へ出頭して違反切符を切られることもできるが、出頭せず、車の持ち主が放置違反金を払って終わることもできるようになった。

 2015年のデータでいうと、8割強が放置違反金で決着してる。
 その放置違反金の、全国の収納額はこうだ。 ※警察庁のデータ。2006年は6月から7カ月間分。1円単位があるのは滞納処分で利息等が加算されたりするから。間違いがないよう慎重に書き写す。

 2006年 197億1518万9829円
 2007年 300億9512万7763円
 2008年 288億6449万8504円
 2009年 257億8751万5766円
 2010年 215億1912万6877円
 2011年 213億7293万3037円
 2012年 198億3191万2336円
 2013年 182億5582万9172円
 2014年 165億4138万4395円
 2015年 146億6168万4165円
 合計  2166億4520万1844円

 2007年=制度スタートの翌年、をピークにどんどん減ってる。
 「約束が違うよっ!」と泣いてる方々もおいでだろう。

 放置違反金は、反則金や罰金と違って、取締りをやった都道府県の収入になるのである。なぜそんなことになったのか。毎度引用するが、以下は2003年12月6日付け毎日新聞の一部。太字は俺。

 小泉純一郎首相が指示した国から地方への補助金一兆円の削減を実現するため、駐車違反の反則金(年三百億円程度)を国から地方に移管し、二〇〇四年度の補助金削減実績に算入することが六日分かった。政府は年明けの通常国会に道路交通法など関係法改正案を提出、成立を前提に補助金削減実績に計上する。制度として反則金が地方自治体の財源となるのは〇六年度からの見通しだ。

 この報道は、翌年の国会へ法案が提出される前であり、当時は放置違反金という名称がなかった。
 新制度の前の反則金が(もっと正しく言えば反則金の約8割が)放置違反金と名を変えて都道府県の財源になる、ということだ。

 年間300億円、その8割としても240億円。約束が違うじゃーん!
 ただ、都道府県によってどえらいばらつきがある。10年間の合計の、ベスト3はこうだ。

 東京都   618億7248万4590円
 大阪府   342億7683万0186円
 神奈川県 212億7314万2744円

 この3都府県で、全国の総収納額の半分を超えるのである。
 最下位は山梨県で、なんと5579万9000円。ひ~。

 補助金がそれぞれどれだけ削減されたのか知らないが、一見してあまりに不公平。
 ここはひとつ、速度違反についても、車の持ち主に「速度違反金」とか払わせて都道府県の収入とすべきではないか。

 そんな動機ばかりではなかろうけれども、「速度違反金」制度のスタートと、速度取締りの民間委託へ向け、警察庁は今年ゴゴゴと動き出すはず。
 マニア的には楽しみでもうっ(笑)。

              

 以上が編集後記の内容。ごく一部加筆等した。
 ちなみに間もなく、東京航空計器のLSM-300の、契約書と仕様書が手に入る。将来「速度監視員」が使うことになるだろう、三脚に載せるレーザー式の新型オービス、いわば「どこでもオービス」だ。
 マジ楽しみぃ~。

    

 寒くなったね~。俺が昔オートバイ乗りだった頃、弟は夕焼けだった、じゃなくてぇ、ライダー用の高価な手袋を買えず、作業用品店の各種手袋を愛用してた。夏は皮クレスト、雨に備えてゴム引きの手袋を携行してた。皮クレストを常用してると手が黄色くなって…。

 ←1月18日11時10分現在、うわぉ、週間INが270で1位~。

2016年12月17日 (土)

佐川が可哀想な気もするのだ

 この事件、メルマガ第1819号「夫のゴルフの鞄からコンドームがぽろり」の編集後記で書いたとおり、俺は佐川の人たちが可哀想な気もするのだ。
 以下は12月13日付け東京新聞の一部。

佐川急便社員ら6人再逮捕 身代わり出頭事件
 佐川急便東京営業所(江東区)の社員らによる駐車違反の身代わり出頭事件で、警視庁交通捜査課は13日、犯人隠避と同教唆容疑で、東京営業所係長の■■■■容疑者(35)=■■区=や同●●●●容疑者(41)=●●市●●区=ら計6人を再逮捕した。
 交通捜査課によると、身代わり出頭事件で13日までに、犯人隠避や同教唆容疑で逮捕や書類送検された佐川急便社員らは計34人となった。14日も別の運転手ら6人を書類送検する。

161217_1 2006年6月1日、駐禁取締りの民間委託とあわせて放置違反金制度がスタートした。黄色い駐禁ステッカーを貼られたうち、だいたい8割くらいが放置違反金で決着している。
 放置違反金は、車の持ち主へ納付書が送付される。誰が払ってもいい。違反者が誰であろうが関係ない。

 放置違反金は、罰金反則金のように国庫へ行かず、取締りを行った都道府県の収入になる。ダイレクトに稼げる。行財政改革により大幅な補助金カットの代わりに地方に与えられた収益事業なのである。財政難のおり、天恵だ! と報じられたこともある。
 したがって当然、都道府県は予算を立てて取り締まる。2015年度の東京都の放置違反金予算額は58億8978万3000円だ。

 

 だから、べつに危険も迷惑もない短時間の駐車でも取り締まる(=金を稼ぐ)んである。配達の車両とか、少し多めにみないと社会がまわらなくなる駐車も、見境なく取り締まる(金稼ぎの対象にする)んである。
 駐車監視員を恨んでも仕方ない。こういう制度なのである。駐車監視員からこんな話を聞いたことがある。

駐車監視員 「彼ら(宅配)は仕事でやってるわけだし、べつに迷惑になってない駐車なら、我々だって無闇に取りたくないわけですよ。しかし見逃しはできない。我々は恨まれてますからね、見逃せば『あいつら業者から金もらってんじゃねえか』とか警察に電話が入りかねない。たまに警察が私服で我々を尾行してますし」

 それでだ、あるトラックが何度も何度も放置違反金の納付命令を受けることになると、そのトラックが20日間とか30日間とか「使用禁止命令」を食らう。その命令を受けたことは前歴となり、次からの基準が厳しくなる。
 これは会社側としては困る。

 使用制限命令を心配しないためには、放置違反金で終わらせるんじゃなく、佐川男子(又は女子。以下同)が警察へあえて出頭すればいい。
 そうすると、佐川男子は違反切符を切られ、反則金の納付書を交付される。これも、誰が払ってもいい。とにかく反則金が納付されれば、駐車違反の処理は終了する。

161217 ここで大事な注意をしとかねば。「とくに迷惑のない短時間駐車でなぜ取り締まるんだ!」とか争って不起訴になっちゃダメですょ。
 なぜなら、違反者が不起訴になると、トラックの持ち主である会社へ放置違反金の納付命令がいくから。
 そんなバカな? 俺がバカなんじゃない。こういう制度なのだ。不起訴でも放置違反金の徴収はOKという判例もとっくにある。

 駐車の迷惑性とか正義とか、その方面はタテマエまたは幻想。とにかく「カネ取ったるどぉ~!」という制度なんであるこれは。

 違反切符を切られると、違反者(佐川男子)に違反点数が登録される。不起訴でも登録される。点数が累積すると、運転免許が停止になってしまう。
 これは佐川男子側としては、いや会社側としても困る。

 使用制限命令も受けず、佐川男子が点数登録されることもないためには?
 そう、ペーパードライバーとかを身代わり出頭させればいいんである。
 会社は困らない。佐川男子も困らない。ペーパードライバーは、少し謝礼をもらえばラッキー。

 取締りそのものを逃れるため“2人乗車”とかすれば経費がかさみ、宅配料が値上げになるかも。その意味では消費者も恩恵を受ける(※)
 都道府県は放置違反金の収入がそのぶん減るけれど、減収続きの反則金収入が増えるんで、ま、大きくはプラマイゼロだ。
 てゆっか、違反点数が登録されることで、詳細は省略するがいろいろ潤う者が国家の側にいる。

 近江商人は売り手よし・買い手よし・世間よしという「三方よし」の精神だという。今回の佐川がやったことは、その意味では、三方どころか四方も五方もヨシなのである。
 ところが! 法律的には犯人隠避、犯人隠避教唆の罪になる。
 なんとバカバカしい事件、と俺はとらえてる。この裁判、絶対傍聴しようっ。

 駐禁取締り対策で集配の効率が悪くなった業者、との関係で佐川はズルイ、という見方もあると思う。そこを検察官は突くか、突くことを予想して弁護人が何か準備しているか、そこがこの裁判の見所の1つかな。

 画像は新型パーメ! 某氏のスクープ撮だ。俺もあとで撮りに行こう。 

 今年も俺は左の手帳を買った、新宿の紀伊國屋書店で。ネットじゃロープライス758円だと? ちっきしょ~。
 『反差別と暴力の正体』は、ヘイトスピーチがどうとか方面の本で、取材が深くて衝撃の内容らしい。読もうかな。

 ←12月17日18時30分現在、週間INが240で1位~。

2015年10月23日 (金)

駐車監視員の車両に初心者マーク、高齢者マークはあるか

1510221 究極の居酒屋「昭和」へ近づき、底知れぬ不安に襲われた!
 わりと最近、水曜か木曜に突然休みってことがあったのだ。そんときは、裁判所を出て間もない時点でマニア氏から連絡をいただき、助かった。今回、念のため「昭和」へ電話して確認を、と思いつつ、呼吸や運動などに制約がある高齢者が、歩行が不自由な61歳女性を強姦した事件(否認)、に続けて交通事故の差戻審の被告人質問などを次々傍聴し、ころっと忘れたの。

151022 裁判所を出てから徒歩と電車で約40分、板橋区内の路地を、不安のうちに歩き、「昭和」の灯りが見えた瞬間、俺は心で叫んだね。
 翼よ、あれが「昭和」の灯だ!
 世界で初めてニューヨーク・パリ間の無着陸飛行に成功したチャールズ・A・リンドバーグ氏、の歓喜に、俺的には勝るとも劣らぬ…。

 22日(木)は「昭和」はかなり空いてた。聞けば、金曜と木曜は混み、火曜~木曜はばらばらなんだそうだ。
 そういえば俺はいつも金曜に行ってた気がする…。
 「昭和」は22日(木)も旨かった。オリンピックへ向け増えるであろう外国人の、誰か1人のSNSで「昭和」が紹介されたら、大変なことになる! 俺はそれを最も怖れる…。

※ 画像上は、鱧(はも)の蒲焼き風とハムカツ。画像中はチキンソテー。画像下はお好み焼き。真ん中に焼きそばが挟まれてる。これらが1品110円。俺のメルマガは週4号発行で1カ月108円。どっちもしょんなバカな!

 ところで…。
 普通はブログなんて以上で終わるんだろうけど、俺はもっと書くのだ。忙しくって2つに分ける余裕がないのだ。 ←なんだそれ(笑)。

 駐車監視員の車両に、いわゆる初心者マーク、高齢者マークが貼られてるのを見たことある? 俺はない。

 初心者マークの違反は罰則がある。一方、高齢者マークは、ちょとややこしい規定なんだね。以下は道路交通法。太字は俺。

第七十一条の五  第八十四条第三項の普通自動車免許を受けた者で、当該普通自動車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年に達しないもの(当該免許を受けた日前六月以内に普通自動車免許を受けていたことがある者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない。
 第八十五条第一項若しくは第二項又は第八十六条第一項若しくは第二項の規定により普通自動車を運転することができる免許(以下この条及び次条において「普通自動車対応免許」という。)を受けた者で七十五歳以上のものは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない。
 普通自動車対応免許を受けた者で七十歳以上七十五歳未満のものは、加齢に伴つて生ずる身体の機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがあるときは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて普通自動車を運転するように努めなければならない。
   (罰則 第一項及び第二項については第百二十一条第一項第九号の三、同条第二項)

 70歳以上75歳未満については、「加齢に伴つて生ずる身体の機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがあるとき」のみ、高齢者マークを付ける“努力義務”がある。75歳以上については、そんな条件なしに罰則付きの義務がある…。

 ここで、「なんじゃそりゃ?」という方がおいでだろう。
 「加齢に伴つて生ずる身体の機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがあるときは」って、誰がどう判断するのか。
 『執務資料道路交通法解説16訂版』は、「高齢者自らの判断によるべきものとし…」と解説してる。てかさ、マーク(標識)がどうこう以前に、そんなお年寄りが運転しちゃマズイんではっ? 妙な規定のように思える。

151022_2 それでだ、75歳以上の駐車監視員は、俺は特段の根拠なしに言うんだけど、たぶんいないんじゃないか。ま、これからぽつぽつ出てくるかもしんないけど。
 70歳以上75歳未満の駐車監視員は、これはそこそこいるように聞いてる(あくまで伝聞)。駐車監視員がらみのトラブルについて開示請求すると、「加齢に伴つて生ずる身体の機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれ」があったというべきなんじゃないの? とも思える事故がまぁまぁ起こってる。
 加えて、50歳代とかで初めて運転免許を取得したって人も、中にはいるだろう。

 取り締まられる側が、駐車監視員の車両にそんなマークが付いてるのを見たら、「なんだこいつらは!」とかムカついて、よけいなトラブルが生じかねない。
 しかも、注目すべきは、駐車監視員に限らず警察官も、杓子定規に「違反は違反だ」と取り締まるくせに、自分たちの交通違反には無頓着だってこと。

 そんなことで、初心者マーク、高齢者マークを、ほんとは取り付けなきゃいけないのに、取り付けずに運転してるケースもあるんじゃないか。どうなんでしょね。

 ちなみに、駐車監視員の不祥事が発覚すると、確認事務(=駐車監視員による駐禁取締りを請け負う業者。主に大手警備会社)の失点になり、その失点は次の入札で、何百万円分不利だ! とかいう形で影響するんだそうだ。
 駐車監視員にムカついてる人は、駐車監視員が立ち小便してるのを目撃したらスマホで撮影して通報すれば、ざまぁみろってことになる。ま、立ち小便はさすがにしないと思うけど(笑)。

    

 これからまた寒くなる。ココアパウダーを牛乳に溶いて暖めたのを飲むと、ぐっすり眠れるからと、ガスコンロの前で小鍋をしゃかしゃかやる、嗚呼、そんな季節がまた来るのだ。俺は冬は正直苦手です~。

 ←これを1回クリックいただくと「週間IN」が10ポイント増え、1週間にわたり順位に影響する、そういうシステムらしい。順位は刻々と変わり、10月24日10時00分現在、「週間IN」の合計が270ポイントで5位~!

2015年9月30日 (水)

駐禁取締りの女性警察官はなぜクズなのか

Img_0391 9月30日(水)も朝から夕方まで裁判所に居続けた。
 痛風は、前日に比べればだいぶ良くなった。いま、大盛り複数野菜の米酢と黒胡麻とマヨネーズまぶし、能登のにんにくで焼いた豚肉のせ、を肴に、薬草を溶かした焼酎甲類をレモン果汁と炭酸で割って飲みながらこれを書いてる。旨いな~。
 食べ終わってから、いろんなエキスが混じったたっぷりの米酢をじゅじゅ~っとすするのが、また旨いのですょ。
※画像は、奈良地裁へ行ったとき、商店街の「御茶乃子」で喫茶したもの。大和紅茶に、なんだっけ漢方にも使う木の実をトッピングしたやつ。小さい菓子付き。お洒落でしょ? 俺はお洒落なおじさまなのさ、ふふ。

 今日は東京地裁で、俺的に重要事件がいっぱいあった。
 1件は、被告人の承諾なしには、なぜ重要か公開の場所では言えない。のだけれども、その被告人質問、俺は感心したねっ!
 当時何があったのか供述するとき、被告人も証人も「こういうふうに…」と身振りで伝えようとする。それはダメなのだ。裁判の舞台は“紙の上”なのだ。『紙の上の有罪書き』って演劇、映画があったでしょ。 ←わけ分かんねーこと言ってんじゃねーよっ(笑)。

 ところが今回の被告人は、身振りではなく、紙に書ける言い方をするのだった。一般社会的には奇妙な言い方なのだが、裁判的にはバッチリ。これには俺は驚いたょ~。

 あと、「築地署と検察の「偽造公務執行妨害事件」 築地市場で仕入れ後、暴行・傷害でっちあげで逮捕、19日間勾留」と林克明さんが報じてる国賠(国家賠償訴訟)、その本人尋問も一部傍聴した。
 俺はすっかり忘れており、しかし裁判所内で、国賠ネットの方々とか、なんと大河原宗平さんにまでお会いし、今日それがあると教えてもらったのだ。

 関連して思うのだけど、駐禁取締りの女性警察官って──我が身を棚にあげてこんなことを言うのも心苦しいが──ほんとクズな奴がよくいると思う。
 もともとクズな奴が駐禁取締りにあてがわれるのか、駐禁取締りばっかやってるうちにクズになっていくのか。うーん、俺は後者が強いように思うけど、どうだろう。
※ 参照:ミニパトの悲しき駐車違反

 10月1日(木)は、申し訳ないけど裁判所行きを休む。ご家庭の御用もありまして。
 休んで、メルマガ 「裁判傍聴バカ一代」の、遅れてる9月の最終号を書く。例の、ZOOの元メンバー氏の「覚せい剤取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反」をレポート予定。
 メルマガの発行部数は、おかげさまでどんどん伸びてる。ありがとございます~!

    

 『屋根の上の赤ちゃん』は、俺は中学か高校のとき劇場で観た。てか当時ホームビデオとかDVDとか存在しなかったし。
 ま、俺は『屋根の上のバイオリン弾き』のパロディとして『紙の上の有罪書き』と言ったんだが、「机上の空論」ならぬ「紙上の有罪」のほうが良かったか。どっちもダメ? あーん。

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2015年6月13日 (土)

新東名の最高速度が120キロになるとき…!

 俺的には非常に興味深い報道だ。以下は6月11日付け日経新聞の電子版、の一部。

最高速度120キロ検討 「新東名」で地元の意見割れる  
 静岡県内を走る新東名高速道路の最高速度を現在の100キロから120キロに引き上げるか否かの検討が続いている。地元自治体では、首都圏から所要時間が短縮することによる観光客増加に期待する声の一方、事故が増える懸念や経済効果を疑問視する声もある。警察庁は今年度、引き上げの是非を判断するため調査を始める方針だ。

 理由等は省いてごく簡単に言えば、120キロなんて一蹴するはずの警察庁が、今回は120キロへの引き上げをやっちゃいそうな雰囲気だ。普通、そんな調査、始めないでしょ。
 はは~! と俺は思う。

  ・新型の可搬式オービス導入
  ・青キップの取締りもオービスでやる
  ・新しいペナルティ「速度違反金」(俺の仮称)を導入
  ・違反者を出頭させず、車両の持ち主から「速度違反金」を徴収
  ・その取締りを民間委託、「速度監視員」(俺の仮称)が登場
  ・巨大な市場が新たに誕生!

 その“大改革”にあわせ、警察庁は速度規制について是々非々で真剣に取り組んでます、という趣旨で、新東名の120キロ引き上げを持ち出すんだな?
 「立入禁止のリアルなニュースサイト RZONE」に俺が書いた「自転車違反金」も、同時期に打ち出すつもりなのかも。
 とすれば、来年度、テレビ・新聞はたいへなお祭りになるぞっ。時代の変わり目にナマで立ち会えることに、んもぉ、わくわくどきどきっ(笑)。 ←困ったやつだ。

 「RZONE」には、駐禁ステッカーの都道府県別貼り付け件数についての面白い記事も書いてるです。今、オチを読んで、我ながら吹き出しちゃった。バカだね~と。

    

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2015年5月15日 (金)

免停も車両使用制限命令も避ければ犯人隠避

 以下は5月13日付け産経新聞。

駐車違反、会社ぐるみで身代わり出頭 元役員ら21人送検
 駐車違反した従業員の免停処分やトラックの使用制限処分を免れるため、会社ぐるみで身代わり出頭を繰り返したとして、大阪府警西淀川署は13日、犯人隠避教唆容疑で、兵庫県宝塚市の配送会社「エスエスサービス」の元役員の男(46)=同県西宮市=を逮捕し、犯人隠避容疑などで身代わり出頭した従業員ら20人を最終送検したと発表した。
 同署によると、元役員は「車の使用制限や従業員の免許停止処分を免れるためにやった」と供述し、起訴後に保釈された。従業員ら20人も容疑を認めているという。会社ぐるみで駐車違反を身代わり出頭したケースは極めて珍しいという。
 元役員の逮捕・送検容疑は、平成24年2月から26年12月、会社名義のトラックで駐車違反した従業員の身代わりとして、計26回にわたり、別の従業員を同署へ出頭させたとしている。
 この会社では複数の従業員による駐車違反が繰り返され、行政処分でトラックの使用を制限される恐れがあった。また違反した従業員が正直に出頭すれば、免停処分を受ける可能性があったため、組織ぐるみで身代わり出頭を繰り返していたという。

 このニュース、お茶の間の方には意味分かんないんじゃないか。
 よろしい、産経新聞と大阪府警から謝礼金が振り込まれることを期待して(うきゃっ)、でも忙しいので、ほんとごくごく簡単に俺が解説しよう。

 違法駐車して黄色い駐禁ステッカー(正しくは放置車両確認標章)を貼られた場合、違反者が警察へ出頭すれば、原則、違反キップを切られる。違反点数が登録され、重なれば免許停止・取消の処分を食らう。

 一方、出頭せずに放っておけば、後日、ナンバーから判明した車両の持ち主へ、「放置違反金」についての郵便がいく。

 誰であれ放置違反金を払えば、その駐車違反の処理は終了する。つまり、誰にも違反キップは切られずに終わる。それがいいよね、普通は。

 ただし、である。同じ車両の駐車違反を、何回も放置違反金で決着してると、その車両に対し「使用禁止命令」というのが出る。
 基準は通達があり、警察庁のサイトに新しいのが載ってる。

 業者としては、会社の車両が「使用制限命令」を食らっては困る。
 かといって、違反者(=運転従業員)を出頭させ、違反キップを切られさせれば(※変な日本語?)、免停を食らうかも。それはそれで困る。

 両方を避けるためにはどうすればいいか。答えは簡単。たとえば、運転の業務に携わらない、ペーパードライバーの従業員とかを出頭させればいいんである。

 ただし、違反してない者が違反したと出頭すれば、隠れ家を提供する以外の方法でほんとの犯人(違反者)を検挙(違反キップ)から逃れさせたとして、「犯人隠避」の罪になる。指示した者は「犯人隠避教唆」だ。

 取り急ぎそういうことで。
 俺は今、ムチャクチャ忙しいのだ。名著『警察の盗撮・監視術―日本的管理国家と技術 』の著者、筆名:浜島望さんのもとへ2日連続行かねばならぬ事情もあり。
 当ブログ、次の更新は5月19日(火)午前10時頃になるかと。

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