2008年7月17日 (木)

あと1滴であふれて実刑

7月16日(水)その3

 さて午後は、13時15分から東京地裁426号法廷(江見健一裁判官)で、6月26日に第2回公判(かな?)を傍聴した「道路交通法違反」、の判決。飲酒運転で運転者と同乗の子ども2人が死亡した事故の、その同乗者とともに飲酒して車を提供した、かつ死亡した子ども2人の母親でもある女性が被告人、の事件である

sleepy 昨晩6時間しか寝てない。その前は、たしか2時間半だっけ。昼食後の傍聴は猛烈に眠くなるはず。少し居眠りしておこう、と12時30分頃、426号法廷のそばの待合室へ行くと、何かの事件の被告人の母親らしき年配女性と、被告人の友人らしき30代くらいの男性が2人いて、何やら話してた。
 ペンキ屋さんは1日1万8000円…稼ぐねぇ…60歳を超えると市役所のシルバー何とかに登録できて、仕事を紹介してくれる…ペンキ塗り、草むしり、植木…草むしりは時給800円くらい…市役所がいくらか抜くのよ…等々。
 あ~、眠れない。3人の話が面白い、のもさることながら、疲れすぎて神経が立ってるんだな、きっと。

punch 13時前に、待合室の外にドアの開閉音。もう法廷を開けたのか? 行ってみると、開いており、すでに数人の傍聴人が座ってた。後からあとからやってくる。あれ? この法廷(広い法廷)の傍聴席、前後に4列あるはずが3列しかない。なんだ? しかも、半分近くの席に白いカバーが。司法記者クラブの記者用だ。
 中央最前列はもう埋まっており、検察官席に近いほうの最前列、法廷画家氏の隣の隣に私は座った。
 13時05分、さっき待合室にいた3人が入ってきた。この「道路交通法違反」の関係者? いや、その前に何かの判決が入ってるんだっけ?

clip そのとおり、13時10分から「詐欺」の判決が入っていた。
 被告人は2人。なんと、やはり6月26日に傍聴した、交通事故の保険金詐欺の、別の被告人の判決だった。これで私は、首謀者と、その手下(てか)2人と、接骨院(整骨院?)の経営者と、3つの裁判をちらっとだけど傍聴したことになる。
 こっちの被告人は2人。1人は懲役1年4月、未決30日算入。もう1人は懲役2年、執行猶予4年。実刑のほうは再び手錠・腰縄をつけられ、猶予のほうはつけられることなく、記者席を除いて満席の傍聴席の前を、脇のドアから出て行った。すぐに、さっきの待合室の3人が席を立った。どっちの被告人の母親だったんだろう…。

clip そうして、13時15分からだいぶ遅れて、「道路交通法違反」の判決。
 被告人は、膝上の丈の、黒い洒落たワンピース。膝の下まで、黒い洒落た網模様のタイツというかストッキング。足首のところをストラップというかベルト、が1巻きする、ヒールの高いサンダル。そして、長い茶パツ。
 懲役3年、執行猶予5年、猶予の期間中、被告人を保護観察に付する。
 執行猶予をつけられるのは、懲役3年まで。猶予期間の最大は5年。しかも保護観察付き。だからこれは、コップに水を満々とたたえて、あと1滴でも足したらあふれて実刑だよ、という判決なわけだ。
 「車で行こうよ」とは言ってない、と被告人は主張してたわけだが、それは信用できないとされた。理由は、要求・依頼の言葉をダイレクトに発してなくても、経緯からは要求・依頼があったと認められるから、だったか、単に検察の主張を鵜呑みにするだけだったか、わからない。途中から全身の血管内に睡魔が満ちて…。
 13時40分閉廷。

clip 14時から高裁720号法廷で、6月11日に控訴審第1回を傍聴した「窃盗、強盗未遂」の判決。
 被告人は、アルコール症(だった)そうだが、趣(おもむき)あるヒゲをたっぷりたくわえ、坊主頭で、正直で優しそうな、ちょっと少林寺の僧のよう。台東区の武道店で、店の者が他の客に対応している間に、模造刀数振り(うち2振りは約4万円)を万引きして逃走、その後、そのうち1振りの切っ先をコンビニの店長に突きつけるなどして強盗しようとしたが、店長は強盗が来たら撃退してやろうと腹構えしており…。
 前科・前歴なしで、原判決は懲役3年、未決30日算入。
 控訴審の判決は、控訴棄却、当審における未決70日算入、訴訟費用不負担。
 田中康郎裁判長は、上告はできるけれども、上告審は未決算入の考慮がない、上告棄却までに4カ月かかれば4カ月まるまる出所が遅れる、一方、日本には仮釈放の制度がある、刑期の8割を努めたところで仮に釈放する運用がある、あなたは前科・前歴のない、真っ当な人なんだと思いますから…と長々説明してた。
 罪名に「強盗」の2文字さえ入らなかったら、間違いなく執行猶予のケースだったんだろう。

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初めての酒気帯びで公判請求!

7月16日(水)その2

clip 11時から東京地裁・刑事11部(江見健一裁判官。この人、落語家の誰かに似てるよね)426号法廷で、「道路交通法違反」の新件。

 今年3月の、酒気帯び0.56ミリグラム。26歳で会社員(建設業)。4年前に大麻所持で懲役6月、執行猶予3年の前科あり。交通違反歴は5件。スーツにネクタイ姿だが、ロン毛。何か尋ねられると、答の頭に「わー」をつける…。
 そう書くと、悪そうに聞こえるかもしれないが、なかなか良さそうな青年と思えた。
 犯行当日、駅の耐震工事を午前3時頃に終え、4時から6~7時まで同僚らと飲酒。タクシーで会社へ戻り、自分の車で同日昼過ぎまで寝てから、帰宅のため運転したのだという。
 将来はどうするつもりかと弁護人から問われ、
「普通にこのまま働いて、他人に迷惑かけないで、普通に生活できればいいと思ってます」
 と答えてた。素晴らしい! 普通に働いて、普通に生活する、人生の極意だ。

 それにしても、初めての飲酒運転で公判請求? 前刑の執行猶予が満了してから約1年しか経ってないとはいえ、重すぎない?
 しかも、求刑は懲役7月。重っ!
 これはアレだ、飲酒運転の厳罰化が、こういう形で現れてるってことなのかな。

 でも、江見裁判官も、情状の良い事件と思ったのだろう、直ちに判決となった。
 懲役6月、執行猶予3年、訴訟費用負担。
 江見裁判官が最後に言った。
「飲酒運転は絶対に許さないという、雰囲気に社会がなってる。今回もいきなり懲役…これ、重くなってるんですよ」
 やっぱそうなんだ~。
 11時50分閉廷。

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080716_12130001 restaurant 今日もまた、厚生労働省(などが入ってる合同庁舎)の地下の食堂へ。
 今日は、未体験のオムライス480円。ご飯の部分はイマイチだったが、ふわふわの卵がたっぷり載って、それなりに満足。野菜たっぷりのスープも旨かった。私ゃもう、ここの食堂へ通うのが楽しみで(笑)。

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2008年6月26日 (木)

車両提供罪・同乗罪の裁判

clip 13時20分から東京地裁422号法廷で、6月17日に傍聴した「不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反」の判決。
 懲役1年、執行猶予3年。
裁判官 「自分の思い通りにならなかったとき、どう対応するのか、それが、その人がほんとうはどういう人であるか、試されるときです。もう一度、冷静に物事に対応するという原点に立ち返って、よく考えてもらいたい」
 おお~、前段は、その趣旨のことを、我が偉大な領導主様であらせられる女房殿が昔から言ってるょ。

clip 13時30分から東京地裁・刑事11部(小池勝雅裁判官)405号法廷で、「道路交通法違反」の新件。
 13時29分に法廷に入ったら、もう起訴状を朗読し終わるところ。当事者が全員揃っても、開廷時刻までじーっと待つ裁判官もいるが、最近、早く揃えば早く始めるか、あるいは数分遅刻して始めるか、そういうこと多くない? たまたまそういうのに最近よく当たってるのか?
 事件は、3月26日の酒気帯び0.3mg。2007年9月19日に酒気帯び厳罰化が施行されてから、酒気帯び単独の事件は初めて傍聴するかも。量刑相場はどう変わったのか、気になってたのだ。
 前科は、2007年11月の酒気帯びで罰金20万円のみ。普通なら、略式で罰金25万円でもおかしくないはず。上司と飲酒して、上司といっしょに一旦は電車に乗ったのに、駐車料金が気になって車へ戻ってしまった、という事実は、いくらか良い情状でもあるだろうに。
 求刑は懲役5月。以前は懲役4月ってこともあったっけ。
 直ちに判決。懲役5月、執行猶予3年、訴訟費用負担。
 うーん、これだけでは何とも言えないが、「罰金2回→公判請求」だった原則を、「罰金1回→公判請求」に改めた? いや、そう解するのは早計かも。

clip 14時30分から東京高裁・刑事8部(阿部文洋裁判長)715号法廷で、「自動車運転過失致死・道路交通法違反」の控訴審第1回。いわゆる、ひき逃げ死亡事故。控訴するからには、原判決は懲役実刑だったんだろう。
 被告人質問が行われた。原審後の情状立証かと思ったら、そういう感じもなく、供述がころころ変わる、ように見えるのだった。刑責を逃れようとしてるのではなく、説明が整理されてないんだろう、と私はまず想像するけれども、それは裁判所には原則として通用しない。裁判所は、誰もが机上で完璧に整理された説明をする(あるいは現場でそのような行動をとる)ものと信じ込んでる、ように思われる。
 次回判決。控訴棄却だろう。

clip 15時から同じ法廷で、左右陪席を替えて、「強盗未遂・銃刀法剣類所持等取締法違反・強盗予備」の判決。私は普段、こういうのは傍聴しないのだが。
 被告人(身柄、拘置所)は、小柄なお爺ちゃん。額のしわがやたら深く、口をもぐもぐさせていた。カネがないのにパチンコしたくて調剤薬局を、という、報道された事件だった。調剤薬局を狙った理由の1つは、「女性ばかり」だからだそうだ。前科なし。
 原判決は懲役4年。控訴棄却、当審における未決30日算入。
 裁判長が上訴権を告げる途中、「いや、(上訴するつもりは)ありません」と被告人は言ってたが、終わって弁護人に「何年?」と尋ね、「控訴棄却だから(刑期は)減ってない」「減ってない?」「減ってない」とのやり取りがあった…。

clip 15時30分からのを傍聴に、早めに東京地裁426号法廷(刑事19部・江見健一裁判官)に入ると、前の事件の証人尋問をやっていた。傍聴人がけっこう多かった。
 どうやら、被告人は接骨院経営で、交通事故の保険金詐欺の片棒を担いだらしい。請求証明書と明細書に、交通事故の件との記載がなく、欺罔(ぎもう)にならないから検察官は訴因変更も考えてほしい、とかそんなことを裁判官が言ってた。なんのことか、さっぱりわかんない。あとで開廷表を見ると、14時30分から始まってる「詐欺」の新件だった。

clip それが終わり、さぁいよいよ15時30分から、と思ったら現れた被告人(身柄、拘置所)は、もろヤクザ風の男性。あれ? なんと、さっきの詐欺を持ちかけた人物の「詐欺の公判だった。懲役1年8月、未決50日算入。一連の事件の、こっちの判決が先に言い渡されたわけだ。うわ~。
 被告人が再び手錠・腰縄をつけられ、傍聴席の誰かに力強く会釈して去り、傍聴席から茶パツの女性らが立って出ると…。

clip …新たな傍聴人が続々と入ってきて、15時40分頃、15時30分からの予定の「道路交通法違反」がようやく始まった。
 これは、飲酒運転者への車両提供罪、同乗罪という、2007年9月19日から施行された新しい罪種の事件だ。阿曽山大噴火さんが、6月4日の第1回公判を傍聴している。
 被告人は、黒のハイヒール(しゃれたバックル付き)に、黒のストッキング(模様入り)に、黒のワンピース、に見える衣服(スカート部分はフリル様)で、さらりと長い茶パツの、水商売風のいでたち。自分の子ども2人と隣に住む男性とが亡くなった事件の法廷に、その格好はないだろう、と私なんぞは思うのだが、当人にとっては精一杯、喪に服する格好だったのだろう、きっと。考えの齟齬(そご)、とでもいうべきことはある。
 16時40分頃まで、被告人質問が続いた。これがねぇ、いやはやなんとも、若い学生風の傍聴人諸氏は、どう感じたんだろうか、私は、検察官と裁判官の“机上エリート”ぶりを、そして最近考えてる“裁判とはそもそも何か”を、存分に感じさせるやり取りと思えた。
 求刑は懲役3年。次回判決。

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2008年5月15日 (木)

2度仕掛けた盗聴器を2つのTV番組に暴かれ

 11時30分から東京高裁・刑事8部(阿部文洋裁判長)717号法廷で、5月1日に第1回を傍聴した「道路交通法違反」(酒気帯び保護観察付き執行猶予中の酒気帯び)の判決。

 早めに着いたのでぶらり近所の法廷を見にいったところ、地裁・刑事17部・718号法廷が、当事者がいて傍聴人も2人(背広の男が並んで2人)いるのに、ドアが施錠されてた。あれ? とガチャガチャやってたら、向こうのドアから書記官が出てきて、「非公開ですので一般の方は傍聴できません」と。廊下の開廷表には何も書かれてない。へぇ~、非公開の何かを、大きいほうの法廷を使ってやるんだ~。

 酒気帯びのほうは、11時29分から始まり、控訴棄却(原判決は懲役7月)。
 会社へ(から?)帰る途中に飲酒し、迎えに来てもらったのに、バイクで帰るのは寒いし、と誰かを乗せて普通乗用車を運転したんだそうだ。0.35mg。00年に酒気帯びで執行猶予付きの懲役刑を受け、その猶予が満了した翌04年、酒気帯びで懲役6月、保護観察付き執行猶予5年の判決を受け、本件酒気帯びは05年なんだそうだ。
 11時32分閉廷。

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 11時45分から、高裁・刑事4部(門野博裁判長)803号法廷で、「窃盗」の判決。
 ちょっと早めにと始まった。被告人は、女医のような婦長のような教員退職者のような、たぶん60代の、わりと大柄な女性。グレーのスーツに、薄茶のタイツ。
 05年3月に、スーパーでの食料品の万引きで、懲役1年、執行猶予3年の判決を受け、07年10月にまたスーパーでロールパン1袋ほか899円を万引きしたんだそうだ。
 原判決(懲役10月)ののち、夫(いかにもお金持ちそうな恰幅のよいオジサン)とともに被害店へ謝罪に行き、精神科へ通院して治療し始めたとかで、原判決破棄、懲役10月、執行猶予3年、原審における訴訟費用負担。おぉ~。
 実刑の場合、訴訟費用(自白事件なんだろうから国選弁護人の費用)は負担させないのが通例のようで、だから原審では不負担だったが、控訴審で猶予にしたから負担させると、そういうことなんだよね。
 11時47分閉廷。
 外へ出て被告人は泣きながら「ありがとう…」と弁護人に言ってた。

 地下のそば食堂で、たしか初めてかな、かき揚げ100円をつけて、かけそば大盛り280円を食った。やっぱ、かき揚げをつけると、そばの味が違うな~。

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 13時15分から、東京地裁・刑事17部(市川太志裁判官)718号法廷で、4月22日に第1回を傍聴した「電波法違反・住居侵入の判決。

 12時13分、718号法廷のそばの一般待合室へ。
 昨夜5時間足らずしか寝てないので、少し居眠りしようと行ったら、弁護人&被告人らしき2人が話してた。午前中に別の法廷で終わった“粗暴犯”の事件、の弁護人&被告人かな? 「故意はもう認めるということでいいのかな」「僕はそのつもりはなかったんですけど、ただ、人から見られたらそう取られても仕方ないかなと…」などと話してた。なるほど、それってたしか、『冤罪File (ファイル) 2008年 06月号』のインタビュー記事で田中森一さんが語ってた被告人の心境だっけ…とか思ってるうちに、寝てしまう。
 12時50分頃、ふと目を覚ますと、718号と720号法廷の間の廊下に、もう数人集まってた。早すぎるよぅ。
 開廷表を見ると、720号法廷(高裁・刑事2部・安廣文夫裁判長)は13時10分から、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」の判決(「等」がついてたかな)。
 ふぅん…。そっちを先に傍聴しようかと、720号法廷へ。すると、坊主頭に黒スーツの若者たちがぞろぞろ入ってきた。今日はこの若者たちを、あちこちで見た。警察関係だろうか。
 13時7分、やっぱ欲張っちゃダメだ、この判決が3分で終わって718号のほうが定時に始まるとは限らない、と立ち上がり、718号法廷へ。何やってんだか。

 13時15分からの718号法廷は、弁護人の1人(年配のほう)と被告人が遅れ、13時19分開始。んもぉうっ。
 懲役1年、執行猶予3年
 ま、それ自体は普通だと思うが、驚いたのは、被害者宅へ仕掛けた盗聴器を、「偶然テレビ局からの情報により」発見され、つまり盗聴器探しの番組で発見され、そのあとまた盗聴器を仕掛けたところ、「別のテレビ局の情報により」発見されたってこと。そっ、そんな偶然ってあるのか!?
 いや、番組スタッフはロケの効率を考えるはず。被害者宅の付近は、盗聴電波がよく傍受される地域だったのか? 現場は世田谷区の…。
 13時25分閉廷。

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 念のため720号法廷を覗いてみると、まだ判決をやってた! 否認だったのだ。電車内の痴漢で、事実誤認の主張だったらしい。しかし控訴棄却
 それが13時29分閉廷。

 すぐに次の弁護人と被告人(身柄、拘置所)が入ってきた。「覚せい剤取締法違反・傷害致死」。なんとなく傍聴することに。
 いや~、これがね~、被告人控訴なのはいいとして、被害者の死亡についての慶応大学と東北大学の鑑定が違っていて、弁護人はどっちの大学にも関係ない第三者的立場の医師に、どっちの鑑定が信用できるか鑑定を依頼しているので続行してほしいと言うのだが、安廣裁判長は、一審でできたはずだと難色を示し、かなりモメたのね。安廣裁判長の言うことも、弁護人の言うこと(無茶な主張じゃなさそう)も、なるほど、なのだが、全体にどうも、裁判ってのは、「事実誤認によりもしかしたら無罪の者を有罪にするんじゃないか」というヒリヒリ感よりは、法律の条文に形式的に従ってとにかく早く終わらせることにばっかり、こだわるものなの? という印象を受けた。
 結局、弁護人がすでに相当準備しているらしいこともあり、また事実認定に関わることでもであり、なのだろう、続行となった。安廣裁判長でなければ、「迅速」のほうを優先させたかも、と思った。
 14時8分閉廷。

 途中、霞っ子クラブのユキさんがきた。同じ法廷で次に、なんだっけ、もう忘れたよ、ユキさん好みの重い事件があるのだ。覚せい剤&傷害致死なんて、今井が普段傍聴しない事件の傍聴席に今井がいるもんだからビックリした~、旨言われてしまった。あはは。そういえば、法廷で会うことってまぁずないよね。
 ユキさんを残し、私は某弁護士事務所へ…。

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2008年3月20日 (木)

歌舞伎町のキャバクラで薄い水割り4杯

3月19日(水)13時30分~

 簡裁のオービス判決が終わり、地裁723号法廷(佐々木直人裁判官)、「道路交通法違反、自動車運転過失傷害」の新件へ。

 13時32分、もう罪状認否まで終わってるかな~と思ったが、まだ始まってなかった。検察官が遅れたのだ。よかった~。

 被告人は40代の調理師。身柄(拘置所)。長身で、手が大きく指が長かった。
 新宿歌舞伎町のキャバクラ(そのHPによれば、19時~19時59分は60分6000円、20時以降は8000円、税・サービス料が通常20%、指名料3000円、場内指名料は2000円)へ、ある女の子の誕生日だからと、隣県から車を運転して行き、車を運転して帰るのだからと、ウィスキーの水割りを薄く薄くして4杯飲むにとどめ、外でラーメンを食べ、検問をやってそうなところを避けて帰る途中、足立区内の道路(環七?)で、左側車線の車が寄ってくるように感じて、なんだろう、大丈夫か? と脇見したとき、前のタクシーが信号待ちで停止し、そこへ追突し、玉突き事故となり、運転手らおよび乗客らに軽傷を負わせた、という事件。

 飲酒運転の罰金前科が2犯あり、その後、本件までの4年間に30回近く(本人供述)、飲酒運転したそうで、若く体格の良い検察官が、被告人を責めるのなんの。
 私の傍聴ノートに、「偉そう! なんじゃこの若造!」と朱書あり。

 検察官は、悲惨な事故を扱ったことがあり、「これだけ飲酒運転の根絶が叫ばれてるのに、この野郎っ!」という気持ちもあったのかもしれない。
 私だって飲酒運転者をかばうつもりは全くない。
 でもね、酒を飲みたい(またはお姉ちゃんに会いたい)、運転して帰りたい、と両立できない願望を持つのも、飲む量を少なくして、検問を避け、注意して運転すれば大丈夫だろう、と本人なりに配意・努力を試みるのも、最初の1回、または数回、捕まらずに帰ることができれば、その後も続けてしまうのも、人間として自然なことだろう。
 とくに私としては、30回の間に1回くらいは検問に遭っており、しかしオッケーで通され、あるいは検査(何度も言ってるように非常にいい加減)の結果が0.15mgに届かず、「あ、これくらいなら大丈夫なんだ」と思い込んでいたんじゃないかと、そこが気になる。本件検査値は基準ぴったりの0.15mg。

 そういうのを、たまたま事故って発覚したからと、偉そうに高圧的に責める、また、法律をいじってひたすら厳罰化する…のではなく、車はそもそも、とんでもない凶器であり、かつ、事故原因の大半は、脇見などちょっとした不注意、人間なら誰でもやり得る不注意なのであり、そんな凶器を、酒気を帯びて運転するなど論外なのだ! という事実を、広く深く絶え間なく周知徹底させていくことが、飲酒運転・飲酒事故の防止のためには、そして飲酒以外の事故防止のためにも、もっとも重要ではないのか…との思いをまた深くした。

 求刑は懲役1年。
 直ちに判決。懲役1年、執行猶予4年、訴訟費用負担。
 直ちに判決とした理由を、裁判官が述べた。なるほど~。
 14時39分閉廷。

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 15時までに少し時間があり、農林水産省地下・そば食堂で、カレーそば280円+大盛り40円。

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2008年3月14日 (金)

八王子支部で光電式ネズミ捕り事件

3月13日(木)午後 八王子支部

 新宿から京王線の準特急で京王八王子へ。
 ぐっすり眠ってしまい、目を覚ましたのは、乗り換えの北野駅ですでにドアが閉まったときだった。次のめじろ台で降り、反対方向の電車が早めにきたのは良かったが、めじろ台駅のホームは線路がやけに近くに見えると思ったら、じっさいホームは低くて、電車の入り口は1段高くなってるんだね。気づかず、つまづいて無様(ぶざま)に転びかけ、車内へドタドタドタッと入り込んだ。「このオッサン、大丈夫?」との視線を浴びる。

 腹へったな~。と裁判所へ歩く途中、「伝説のすた丼屋」を発見。店外の食券販売機等を、うむむぅ~と見て、すたみなカレー600円を食ってみることに。
 ご飯少なめと注文したが、農林水産省地下・第5食堂の半食の3倍くらいあった。ランチタイムだとかで、ミニサラダがついた。味噌汁もついた。
 お味は、うぅむ、だったが、これは面白い飯屋と思った。次はミニすた丼450円を食ってみよう。てゆっか、あのニンニク臭い豚焼肉でビールを飲んだら旨そう。

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  八王子支部は久しぶりだ。
 開廷表を見たら、13時20分~14時で「道路交通法違反」が入っていた。205号法廷、松原里美裁判官。
 それを、13時30分すぎから傍聴。
 被告人(在宅)は、飲酒運転で「高額の罰金」を払った前科があり、本件も飲酒運転なのだという。
 同種罰金前科1犯で公判請求?
 2件、近接してるんだろうか。本件の検査値が高かったんだろうか。酒気帯びではなく酒酔いなんだろうか。そのへん、途中からの傍聴なんで、ぜんぜんわからなかった。
 検察官は当然、いつも飲んで運転してるんだろと責めるが、被告人は、捕まった2回しか飲酒運転してないと言い張る。←ほんとかウソか知らないが、そういうシーンはよくある。
 求刑は懲役10月。うわ! 昨年9月19日に改定道路交通法が施行されて飲酒運転が厳罰化される前は、酒気帯びの相場はせいぜい懲役5月。
 その後の飲酒運転を私は傍聴してない。厳罰化以降の懲役の量刑相場を私は知らない。東京地裁の「道路交通法違反」は無免許がやたら多くて、飲酒運転は少ないのだ。「懲役10月」は、酒気帯びなのか酒酔いなのか、次回の判決を傍聴に来ようかどうしようか…。
 私にとっては霞が関より八王子が近いことが今回わかった(いつも八王子支部へは車かバイクで来てたので、電車の速さを知らなかったのだ)。これから八王子支部へ通うことにしようかどうしようか。

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 そして14時から、202号法廷(小原春夫裁判官)で、「道路交通法違反」の審理。
 被告人は、3月4日に東京簡裁の傍聴席にいた彼。
 こっちの弁護人も、スレンダーな若めの女性。
 検察官は、おばさんになりかけ風の(ってごめんよぅ)の女性。
 まずは3月4日と同じ日本無線のヨシナガアキオ証人を尋問。
 装置はJMA-181。香典式もとえ公電もとえ光電式。ネズミ捕り。43キロ超過(測定値83キロ)。測定値を否認。
※ 古いパソコンに記憶させたATOKの機能を新しいパソコンに引き継いでない(やり方わかんない)ので、「光電式」とすぐ変換されないとか、「証人」ではなく「承認」とまず変換されるとか、めんどくさい。文字変換をとおして、私ってよっぽど変な世界に居るんだろうか、という気になってくる(笑)。

 ヨシナガ証人は、証人出廷は「約30回近くございます」と言ってた。
 私はメーカー社員の証言をずいぶん聞いてきた。こう言っちゃ何だが、東京航空計器より三菱電機より、良い。
 証言の内容が明瞭でわかりやすいし、専門用語については速記者が尋問調書をつくりやすいよう、どの漢字を当てるか付言するし。頭が良くて気働きがある、そんな漢字じゃなくて感じ。
 3月4日と違い、こっちの法廷では、光電式は前輪が2本の光路を遮断したときと2本の光路が復帰したときの時間を計ってることを述べてた(拙著『改訂新版 なんでこれが交通違反なの!?―警察では教えない126の基礎知識』のQ017参照)。
 それだと、枯葉とタイヤによる遮断とでは遮断時間が違うから、枯葉による誤測定はあり得ないことになる。
 …が、枯葉は垂直に落下してくるとは限らない。風で路面を這い、タイヤを模擬することになる場合も、あり得ないとは言えないんじゃないか。…でも、そんな可能性だけを突然に持ち出しても、説得力はないよね。

 あと、オービスの場合、被告人車両の速度について、写真に焼き付けられた測定値以外に一切なにも残さず、かつ、測定した速度をちゃんと写真に焼き付けたかのチェックを定期点検でやらないわけだが、日本無線の光電式は、そのへんどうなのか。
 たとえば、2本の光路を遮断した時刻、あるいは1本目と2本目の光路を遮断する時間、復帰の時間を、記録として残してる(測定値と照合できるようになってる)んだろうか。あるいは、現認係、記録係のところに表示された測定値を記録する(プリントアウトされた測定値と照合できる)ようになってるのか、なってないのか。
 それらがなくて、速度記録紙の数字だけを信じろというのは、人に刑罰を科して前科者とするための装置として、如何なものか。
 まぁね、ネズミ捕りの測定機は、警察官による現認・検挙を助ける、補助的なものといえるから、そこまでの念入りは不要だと、言おうとすれば言えないこともないんだろうけど。
 オービスと、ネズミ捕りの測定機とは、根本的に違うんだよね。

 続いて被告人質問。
 被告人は、なんつーかだいぶ変わったタイプ。
検察官「雨は降ってなかったんですね?」
被告人「え~~~、1ミリ以上の雨は降ってなかったです」
 なんて答えてた。
 現場で取られた調書は、署名する部分までに余白があり、それだと改ざんのおそれがあるため棒線で余白を埋めるよう求めたが、前例がないからと応じてもらえず、余白がない調書を改めて取られ、署名したんだという。
 検察官は、そんなことで調書を2回取るとは考えられないようで…。
検察官「訂正を求めてないんじゃないですか?」
被告人「え~、棒線で空白を埋めることを訂正と表現するんですか?」
 なんてやり取りがあったり。
 こういう正確さは気持ち良い。
 裁判って、どうとも解釈できる曖昧な言葉をやり取りするとこ、けっこうあるんだよね。甲が言ってる意味と、乙が受け取って答えた意味と、似てるけど違うんじゃない? とか。それでも裁判が成り立つのは、拙著『裁判中毒』の「あとがき」で書いたことも関係するんだろうか。
 次回、論告・弁論。
 16時21分閉廷。

 外へ出て、ある方とある意味ばったり。そして…。
 何があったか、書かないことにしよう。こんなふうに書かないことは、ほんといっぱいあるのyo。
 書かずに申し訳ないが、いや~、今日は朝から楽しい1日だった。道路交通法違反で1日を埋め、これだけ喜べる私は、幸せだ~。帰りの電車でまたぐっすり眠り、遠くの駅まで行ってしまった(笑)。

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2008年1月14日 (月)

福岡の事件 もしも検査値が0.5mgだったら

 あともう少しで、とりあえず、まえがき→本文→あとがき、まで終わる。あともう少し!
 この間、世の中ではいろんなことが起こってるみたい。
 というか、「北陵クリニック事件」の、仙台拘置支所で最高裁の判断をもう1年以上待ってる守大助さんの、面会報告をしなきゃいけないんだが…。

 その前にとりあえず、これについてだけ急ぎちょっと言及しておきたい。

福岡3児死亡、地検が週明けにも控訴…危険運転罪求めて
 2006年8月、幼児3人が犠牲になった福岡市の飲酒運転追突事故で、福岡地裁で業務上過失致死傷罪と道交法違反(酒気帯び運転、ひき逃げ)を適用されて懲役7年6月の判決を受けた元市職員■■■(■■■)被告(23)について、福岡地検は11日、危険運転致死傷罪を適用しなかった判決を不服として週明けにも控訴する方針を固めた。

 と1月12日付け読売進軍もとえ新聞、の一部。■部分は記事では実名。
 さらに厳罰化の法改定をする予定があれば、そこへの世論を煽る意味もあって控訴棄却、予定がなければ、原判決を破棄して危険運転致死傷を適用、というのは考えすぎか。

 そうじゃなくて、私が言及しておきたいのは…。
 これって、呼気中アルコールの検査値は、0.25ミリグラムなんだって?
 その前提で話をすると…。
「酒気帯びではなく、酒酔いで検挙するには、酔いの立証もさることながら、やはり検査値も大事になってくる。0.5ミリグラム以上でないと、酒酔いでは取らない。原則そういう運用だ」
 という話を、ある元警察官氏から聞いたことがある。
 福岡の事件が、もしも0.5ミリグラム以上だったら、裁判官は危険運転のほうを適用していたんじゃないか。

 ところが!! 福岡の事件ではどうだったか知らないが、私が知る限り、呼気検査は1回しかやらない。それは、2回やったら検査値の正確性が保てないから(=じつは検査値にはバラツキがあるから)だというのは、当ブログでもさんざんご紹介してきたとおり。

 福岡の被告人(被告じゃなくて被告人)は、だいぶんな量を飲んだそうな。
 飲酒開始時から終了時までの飲み方によっては、ほんとは0.5を超えてたんじゃないか。警察官は、いつもの決まりで1回しか検査をしなかったが、3回やったら2回は0.5を超えたんじゃないか。0.48ミリグラムでも、判決に影響を与えたんじゃないか。
 当ブログでも、さんざん言ってきた。
 いい加減な検査は、
  ・ほんとは基準値に満たないのに厳罰に処されて懲戒解雇される者
  ・ほんとは基準値を超えてるのに見逃される者
 のどちらかを生む、と。
 この判決について、世間は裁判官をこき下ろすことに夢中になってるように見えるが…ちぅ話でした。

 もしも、これはたいへんな事件だということで、福岡の警察官が、「息を吐いたふりして吸う」とかいう小ワザをさせないよう、よく見張り、3回とか10回とか慎重に検査していたなら、上記は私の妄想、ごめんなさい。

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 これらはまだリンク先が存在するんだろうか。
オービスの誤差否定 秋田速度違反 仙台高裁差し戻し審」 1月10日付け河北新報
<オービス>装置の正確性を認め秋田の男性の控訴棄却」 同毎日新聞
オービスの信用性認め有罪   速度違反の差し戻し控訴審」 同共同通信
オービスの信用性認定、男性に有罪 速度違反差し戻し審」 同秋田魁新報
 この事件の自速機は三菱電機の高速走行抑止システムRS-2000Bなんだけども、これだけオービス、オービスと書かれると、オービスの本家(自社の自速機の商品名がオービスⅢ)である東京航空計器としては、どんな気分なんだろうか、ねぇ。

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2008年1月 5日 (土)

酒気帯び、車両提供、同乗の罰金額の相場

 第3章の2節にさしかかったところで、『ラジオライフ』の連載原稿へちょと移動。今回のも面白いよぅ。自分で書きながら面白くてしょーがないんだもの。

 ところで、以下は1月3日付け中日新聞。

飲酒運転で罰金140万円 愛知・一宮、合コン帰り男女6人
 愛知県一宮市で昨年10月、飲み会帰りで乗用車に6人乗りしていた20代の男女が摘発され、道交法違反で計140万円の罰金を科されていたことが分かった。昨秋の道交法改正で、酒気帯び運転を知りながら同乗した人に対して最高30万円の罰金刑が導入されたため高額となった。県警交通指導課は「車1台で100万円を超える罰金は、非常に珍しい」と話している。罰金の内訳は▽運転手=30万円▽運転手に車を貸した同乗者=30万円▽他の同乗者4人=各20万円。
 愛知県小牧市に住むパチンコ店店員(26)ら男4人と女2人。昨年10月29日午前零時ごろ、パトカーの制止を振り切って約1キロ逃走した後、摘発された。
 運転していた店員からは呼気1リットル中0・25ミリグラムのアルコール分が検出され、道交法違反(酒気帯び運転)の現行犯で逮捕された。同乗者のうち3人は、現場から走って逃げた。
 その後の調べで6人は一宮市内の居酒屋で開いた合コンからの帰宅途中で、同乗者全員が、運転手の飲酒を知っていたことが判明。逃げた3人の身元も分かり、全員が罰金を支払うことになった。乗用車は5人乗りで定員を超えていた。

 非常に興味深い記事だ。
 2002年6月1日の飲酒運転厳罰化のとき、「同乗者も罰金30万円。5人で150万円取られたらしいよ」といったデマが広く伝えられたが、2007年9月19日の飲酒運転厳罰化により、とうとう現実になったんだね。
 デマが現実になる…なんとも味わい深い。
※このリンク先の記事は、近いうち削除します。もう古すぎるので。

 で、その罰金の額。
 2007年9月19日の飲酒運転厳罰化、の前は、酒気帯びは上限30万円のところ、普通車で前科なしで20万円が相場だった。
 2007年9月19日以降の相場は、まだわかってない。
 上限50万円になったんだから、相場は30万円かなぁ、35万円かなぁ、改定前の上限が30万円なんだから、改定後の相場は30万円が適当かなぁ、と思ってたわけ。
 そこに、中日新聞のこの記事。
 ま、前科は不明だし、車両提供者は同乗者でもあるが、いちおうの参考データにはなる。

   酒気帯びの上限 50万円  記事の罰金額 30万円
   車両提供の上限 50万円  記事の罰金額 30万円
   同乗の上限    30万円  記事の罰金額 20万円

 そうすると、酒類提供(上限30万円)の相場も20万円なのかな、と推測できる。
 なんにしても、相当の大金だ。
 罰金は国の収入(一般財源)になる。
 2008年は、1000億円をだいぶ超えるのかな。2007年の執行額をまだ知らないけれども。

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2007年12月20日 (木)

法廷へ出てくるのは真実のごく一部

 今日の東京地裁は、めっちゃ事件が多く、10時から「モーターボート競争法違反・自転車競技法違反・競馬法違反」という、非常にレアな罪名の新件まであった。
 ノミ屋の事件かなぁ、傍聴マニアは集まるだろなぁ、阿曽山大噴火さんは(他に注目事件がなければ)絶対傍聴するだろなぁ、と思いつつ、しかし私は行かなかった。
 やっぱ私は、交通違反関係と、そして原稿に集中しようと。

 昼すぎ、えいっ!! と思い切って有酸素散歩約1時間。
 足の筋肉ポンプで血液を全身に巡らせる。

 そして15時から、東京簡裁826号法廷で、2月20日が第1回だった酒気帯び否認事件の、ようやく判決(今日が第10回)。

 8分ほど前に法廷へ行ったら、開廷表にお初の裁判官氏名が。春名克男さん。誰? 検察官も、いつもの町井裕明さんじゃない人。でも以前、見かけたような気がしないでもないでもない。←どっちだよ。
 入ると、前の占有離脱物横領・窃盗の、証人尋問をまだやってた。
 被告人(30歳前後かなぁ。身柄、警察留置場)の母親だった。
「立ち直らせるための努力は、再三しました。どうして働かないのか、こっちが聞きたいくらいです」
 と証言してた。
 続いて被告人質問。
 3月に福岡刑務所を出所し、福岡で人材派遣で働いたが、仕事はあったりなかったり、ないことのほうが多く、実家(どこ?)へ帰ったが、母親を殴ってカネを持ち出し、カネが尽きて実家へ戻るため自転車を盗んで(占脱?)検挙され、そのあと泥酔者を狙って財布をすり盗り逮捕された、そんなふうな事件らしかった。
「仕事が見つからなくて。罪悪感にさいなまれますけれども、そうしないと食べていけませんから」
 という趣旨を何度も述べてた、きっぱりと。
 盗みは悪いとわかってるけど、その悪いことをやったのは俺のせいじゃない、仕方ない行為だった…と聞えた。
 窃盗など前科5犯(累犯前科2犯)で、求刑は懲役2年6月。
 最後に陳述の機会が与えられると、
「どうもすみませんでした!」
 と即答し、再び手錠腰縄をつけられ、母親を一切ふり返らず出て行った。

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 さて、18分遅れで、いつもの後藤征弘裁判官と町井裕明検察官に交代し、酒気帯び否認の判決。
 罰金15万円。車両が自二だから、相場どおりだ。訴訟費用は全部負担。
 判決の下書き用のメモをもとに言い渡してる、という感じがする言い渡しだった。そのぶん、わかりやすかった、とはいえるかも。

 今日は、被告人の友人か何からしい男性が2人、傍聴に来ており、その1人が、始まる前、被告人席に座った被告人に後ろから、
「メシ食った? メシ食った?」
 と小声で尋ねてた。午後3時頃に、これから判決を言い渡される被告人に「メシ食った?」って、ものすごく可笑しかった。私は昼メシ食うヒマなくて腹がくぅくぅ鳴ってたよ(笑)。

 それでだ、判決が終わってわかったのだが、この傍聴人のお2人は、ロフトプラスワン・ネイキッドのイベント(霞っ子クラブのかな?)へ来てて、霞っ子クラブのブログ経由で私のブログを見て、「ありゃ? この酒気帯びの被告人って、あいつじゃねーか?」となり、被告人に尋ねたら、「そんじゃ、毎回傍聴に来てるアレが今井亮一か?」となり、それで今日、傍聴に来たと、どうもそういうふうなことらしかった。
 はは~、これが「世間は狭い」ってやつ? ちょと違う?
 最近、この人とあの人は知合いだったのか、へぇ、そんなところで我々はつながってたのか、となることがよくあるんだけど、こういうつながりもあるとは、まぁびっくりしたよぅ。ありがとね。

 そんなわけで、被告人も含めて4人でしばし談笑したんだが、それとは別に最近感じ始めていたことを、ますます強く感じた。
 すなわち、裁判とは何かってこと。
 法廷に出てくるのは、事件の真実(この言い方はあまり正確じゃないかも)の、ごく一部、それも往々にして真実とはかけ離れた一部、にすぎないんじゃないか。
 じゃあ、それはどんな一部かというと、弁護人にとっては弁護活動をするための一部、検察官にとっては被告人を有罪にするための一部、裁判官にとっては紙の上でそれなりに整合性のある有罪判決を書くための一部じゃないのか…。
 裁判官のほうでも、
「真実は結局わからん。わからんけれども、刑事裁判に和解はないから、判決せにゃならん。とりあえず法廷に出てきたあれこれを見て、国の治安や秩序ってものも考えると、有罪にするしかないよ。こういうルールで国は成り立ってるんであって、これ以上は裁判官にはどうしようもない」
 と、無力感を感じつつの有罪もあるんじゃないか。
 ときどきそういう有罪もあるのに耐え、日々の裁判をていねいにこなしていくのは、まだ良心的なのであって──もちろん、死刑や無期懲役や無期でなくても懲役実刑に処される側はたまんないけど、そこは捨象しての話──弱い人は、
「真実は明白だ! 起訴事実のとおりだ! したがって被告人は虚偽の弁解を弄しているのだ! 許せん!」
 と興奮し、自己を、裁判を、正当化しようとするんじゃないか…。
 このこと、もっと考えていきたい。
 え? そんなのとっくに法律学者が言ってて、論文もたくさん出てる? うっそ!
 もしそうなら、傍聴席から手探りでようやく気づき始めたってことで、カンベンしてください。 

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2007年11月 9日 (金)

主文。双方同体につき引き分けに処する

11月8日(木)

 絶対どうしても傍聴に行かなきゃ、ってわけでもないんだよね。
 行かなくても、あとでそこそこカバーできるっちゃできるんだよ。もう少し寝て、有酸素散歩して、原稿を書くほうが、よっぽど良いような気もするんだが。
 でも、出かけちゃうんだな~、バカだな~俺は(笑)。
 と、なんかここんとこ、いっつも自嘲しつつ出かけてる…。

 13時30分から、826号法廷(東京簡裁・刑事1室3係)で、11月1日の第7回が判決だったはずの酒気帯び否認事件の、第8回公判。被告人質問。

 10分ほど前に行くと、法廷前の廊下に、警察官証人の旅費日当についての民事裁判の、原告氏が。
 あれ? 今日はどうしたんですか?
 なんたる偶然! お隣の825号法廷(東京高裁・民事10部。吉戒修一・藤山雅行・萩原秀紀裁判官)で同じ13時30分から、あの事件の控訴審の第1回弁論があるのだった。

 民事は書面のやり取りだけだろう、すぐ終わるだろう、と、まずは「不当利得返還等控訴事件」のほうへ。
 12月27日判決と決め、3分で閉廷。
 原告および原告代理人弁護士のお話をうかがうことなく、すぐ826号法廷へ。

 酒気帯び否認事件の被告人質問は、14時12分まで続いた。
 町井裕明検察官、あの“個性”を、いつに増して存分に発揮。
 強烈なキャラがカンペキ立ってた。小池一夫さん絶賛だろうと思う。
 月曜のネイキッドのイベントの、ゲストのサユリさん(22歳ってマジ?)に見せたかった。って内輪ネタですみません。

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 ま、それはそれとして、だ、以下のようなことを思った。
 警察のやり方に腹を立て、「ンなこと覚えてねーよ!」とぞんざいな答え方をする被疑者はいるだろう。
 警察官はそれを調書に取り、署名押印を求める。
 被疑者は、「真実は後で話せばわかるさ」と、また、署名押印の求めがあまりにしつこくて嫌気がさし、署名押印する。
 そうして、後で話せば、
「おやぁ? 覚えてなかったのではぁないのですかぁ? 急に思い出したのですかぁ? おかしいですねぇ~?」
 とネチネチ責められる。
 こういう構図のなかで、被疑者が腹を立てて「ンなこと覚えてねーよ!」と言いたくなるような聴取の仕方、聴取者のキャラは、有罪を確かなものとするためには非常に有用だな…。
 と思ったことがひとつ。

 それから、こういうことも思った。
 野球で審判が、ミスジャッジっていうの? 間違うこと、あるでしょ。
 あとで録画をスロー再生して、あらら、ミスジャッジじゃん、てことあるでしょ。
 でも、野球は、審判が宣したアウト・セーフは絶対なんだよね?
 そういうルールのもとで、ゲームしてるんだよね。
 相撲は、双方同体で取り直し、ってことになるんだっけ?
 裁判はどうか。
 警察・検察と被告人の主張、というか現場であったことの説明が、真っ向から食い違うってことはある。
 たいがいの証拠は、アウトにもセーフにも、どっちにも解し得る。
 だけど裁判には、引き分けはない。
「判決を言い渡す。主文。双方同体につき、引き分けに処する」
 とは、いかない。
 アウト(有罪)かセーフ(無罪)か、決めなきゃならない。
 それも、きっぱり決めなきゃいけない。
「主文。被告人は、無罪臭いけど、とりあえず有罪」
 とは、いかない。
 きっぱり有罪と決めた以上は、自信をもって、
「しかるに被告人は悪逆非道にも、刑責を逃れるため虚偽の弁解を弄し、反省・悔悟の情が皆無である。被害者の心の傷をさらに深めた」
 とか非難し、量刑を重くする、ちうこともせにゃならん。
 これって、考えてみりゃ、スゴイ話じゃん?
 アウトかセーフか、多数決で決めるってのも、スゴイ話だよねぇ。
 そもそも、有罪か無罪かに多数決を持ってくるって、考えてみればスゴすぎない?
「じゃーん! 有罪(死刑)5票、無罪4票! よって死刑っ!」
 惜しかったなぁ…ってオイオイ。
 2009年には、そんなジャッジを、あなたも私も強制的にさせられることになるわけだ、裁判員制度だもの。
 どうすればいいのか。
 とりあえず、
「ミスジャッジでも、僅差の多数決でも、死刑と決まったら死ぬ、それがルールです。みんなでルールを守りましょう」
 と、裁判所ビルの正面玄関の上に、垂れ幕を垂らし、裁判員の心理的負担を軽減する?
 う~ん、それもちょっとねぇ…。
 なに? んなことを考える必要はそもそもない? なぜなら、「(検察立証が)疑わしきは被告人の利益に」「100人の犯人を逃しても1人の無辜を罰するなかれ」といった原則があるから?
 そっか、そりゃそうだ、双方同体なら無罪なんだから。
 …とはしかし、いかないところが、ねえ。

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2007年11月 2日 (金)

野々村真さん本人尋問

11月1日(木)

 13時30分から、東京簡裁826号法廷(後藤征弘裁判官・町井裕明裁判官)で、10月1日に第6回(?)公判を傍聴した(第1回は2月20日で横川保廣裁判官)酒気帯び否認事件の、判決。

 7分前に法廷に入ると、前の業務上過失傷害の判決(13時20分~13時30分)をやってるところ。
 被告人(在宅)は、体型は細めで、濃いグレーの、折り目がしっかりついたズボンに、夏物の軽そうなベージュのブレザー、チェックのボタンダウンシャツ(地は白)、おしゃれなオジサンだった。
 罰金50万円、訴訟費用不負担。
 普通なら略式で終わるところ、略式に応じなかったか、応じたけれども裁判官のほうで略式になじまない、としたか、または、略式に応じて罰金50万円の支払命令を受けてから、本人のほうで正式を請求したのか、不明。

 今年1月の午前8時頃、普通貨物を運転中、太陽光線で信号灯火が見えない状態で、漫然10~20キロの速度で進行。青信号の横断歩道を右方から左方へ横断中の男児(7歳)を4mの距離で初めて認め、制動の措置を講じたが間に合わず、右側前部等で衝突…。
 等はタイヤ。タイヤで男児を踏んだのだそうだ。うわぁ!
 しかし男児は骨折等、加療3週間ですんだそうで、ほっとする。

 私は昔、積雪の朝、トラックを運転中に裏通りで、左側から乗用車が出てきて、後輪付近に衝突されたことがある。乗用車の運転者は「前が見えなかった」と言った。それもそのはず、乗用車のフロントガラスには霜か氷がびっしり張り付いていた…。
 前が見えないのに走ってくる車はいるのだ。
 これはおそらく、「前が見えない=危険な状態が見えない=安全」という、じつに人間らしい脳内情報処理によるのだろう。

 その言い渡しに時間がかかり、13時36分から、酒気帯び否認の判決。
 ところが、町井検察官が、「補充立証をしたく、弁論再開を…」と求めた。
 ええっ!? 私は14時までに警視庁へ行く約束なのに。
 しかし、警察官(在廷)の証人尋問が始まってしまった。
 事件当時、リモコン(警察署の指揮所?)からの連絡を受けて最初に現場臨場した巡査部長だという。
 けっこう年配なのに、証人出廷は初めてだとか。ま、そんなもんなんだろうね。
 なかなか興味深い内容だった。
 この日は傍聴席に、私服の若い女性が2人と1人、計3人いた。ずっと傍聴していた。簡裁の法廷では珍しい。

 その証人尋問が、なんと14時53分までかかり、次回また被告人質問をやることに決め、14時58分閉廷。
 メモを終えて顔を上げると、次の被告人が目の前にいた。
 次は窃盗の新件。14時20分からの予定なのだ。
 被告人(身柄、警察留置場)は、細くて髪(黒)が長く、女性かと思ったら、41歳の男性だった。

 ネットカフェで被害者(風俗嬢)を指名し、東麻布のホテルで遊興中、被害者のショルダーバッグから現金8万3843円ほか携帯電話など5点、時価合計5400円相当を窃取したんだという。当時、被害者は目隠しされた状態だったんだという。
 被告人は以前にも同じことをやっており、待ち構えていたホテル従業員により110番通報されたんだという。
 余罪があり追起訴するということで、続行。15時半頃閉廷。

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 1階ロビーのソファに、礼田計さんとトさんとその連れらしき男性がいて、709号法廷で野々村真さん(本名も似ている)を被告とする民事裁判があり、本人尋問をやってるとのこと。大きい法廷なのにガラガラだから、傍聴してってよ、との趣旨のことを言われ、わかったよぉ、行くよぅ、と709号法廷へ。
 事件名は「建物所有権移転登記抹消登記等」。
 法廷に入ると、原告(?)の代理人弁護士と目があった。
 ぎょっ、昔よく会議のあとに酒を飲んだことのある弁護士さんだ。こんなところでお会いするとは。
 野々村さんの尋問はもう終わったようで、別の女性(原告の側?)を被告代理人弁護士が尋問しているところだった。
 野々村さん(黒いスーツ)は傍聴席で、姿勢良く聴いていた。
 座高が高くて足が長い(つまり背の高そうな)、格好いい人だね。

 途中で出て、警視庁へ。面白い文書が手に入った。都内某所のオービスⅢLkを某所へ移設する工事の契約書。契約金額は1207万5000円。
 この文書がなぜ面白いか、そのうち『ラジオライフ』で発表するかも。
 帰りの電車が、人身事故で途中ストップ。げ~。人死にでなければいいが。
 夜、防臭監視もとえ某週刊誌編集部へ2週間前に入ったという方と、打ち合わせというか顔合わせ。 

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2007年10月21日 (日)

酒気帯び車への同乗罪は20万円?

飲酒運転同乗の男に罰金20万円の略式命令
郡山市で起きた飲酒運転車両への同乗事件で、郡山区検は道交法違反(同乗)罪で郡山市大槻町字三ツ坦、遠藤洋一会社員(25)を略式起訴した。
郡山簡裁は17日までに、罰金20万円の略式命令を出した。
命令などによると、遠藤会社員は5日未明、運転手が酒気帯びであることを知りながら運転を依頼して車に同乗した。
郡山署は5日、飲酒運転車両の同乗者だった遠藤会社員を逮捕。
9月の改正道交法後、全国初の同乗罪摘発だった。

 と10月18日付けKFB福島放送。
 運転者が飲酒していることを知りながら、その運転者に対し、自己を運送することを要求または依頼して同乗することは、今年9月19日から禁じられ(道路交通法第65条第4項)、その場合において、同乗者は、

 運転者が酒酔いの場合は、
   3年以下の懲役または50万円以下の罰金(同第117条の2の2第4号)
 運転者が酒気帯び(制令値酒気帯び。以下同)の場合は、
   2年以下の懲役または30万円以下の罰金(同第117条の3の2第2号)

 の対象とされる。
 それ以前、運転者に対する酒気帯びの罰金の相場は、上限30万円のなかで、普通車で初犯の場合、20万円だった。
 酒気帯び車への同乗罪も、原則20万円が相場らしい、と推測させる報道だ。

 2002年6月に、酒気帯びの罰則が、3月・5万円から1年・30万円へと大幅強化されたとき、実際の相場について最初はわからず、新聞報道や、全国の運転者諸氏からのご報告や、裁判傍聴により、初犯の場合は普通車は20万円、自動二輪は15万円、原付は10万円という相場がだんだんとわかってきたわけだが、今回も、まずは福島放送の報道で少しわかり、これからだんだんと詳しくわかってくることになるんだろう。

 福島のこの件は、10月5日検挙で、10月「17日までに」略式命令(罰金の支払命令。通常は仮納付命令付)だという。
 「までに」が17日だとしても、検挙から略式命令まで12日間。
 普通に赤キップを切られて在宅で処理されるより、8日間ほど速いといえる。
 逮捕後、勾留されたまま略式…だったのかなと推測することも、ま、できる。

 なお、この同乗者は、重大違反唆(そそのか)行為(道路交通法第90条第1項第5号または第103条第1項第5号)を行ったとされ、運転者と同じ量定の、運転免許の行政処分の対象とされるかもしれない。

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2007年10月13日 (土)

酒気帯び検査もオービスも

10月12日(金)

 横浜地裁のレーダ事件へも、東京地裁の民事の2件へも傍聴に行かず(二兎を追いたくて一兔をも追わず)、傍聴ノートの整理とエクセルへの入力と、睡眠の補給に充てる。
 途中、奥歯の詰め物が外れ、自転車で歯科医へ行ったり。
 よくブラッシングされており歯茎の状態も良好と、お褒めいただいたyo。

 16時から東京簡裁728号法廷で、9月28日に第4回公判を傍聴した酒気帯び否認、の判決。
 罰金25万円(求刑30万円)、訴訟費用負担。
 言い渡しは12分ほどかかり、長坂和仁裁判官が被告人に問うた。
「内容でわからなかった点はありますか?」
 わからないもナニも…! と文句を言うのかと思ったが、被告人はしばし黙り、ほとんど聴き取れない声で、「とくに…」か何かつぶやいた。

 要するに本件被告人は、それまで何度か飲酒運転で検問にひっかかり、検査値が0.1mg程度だったことから、
「酒を飲んで運転しても、これくらいなら0.15まで出ない。平気だ」
 と、常習的に飲酒運転をしていたようだ。
 そして、
「同じくらいしか飲んでないのに、今回だけなぜ0.5mgなんだ! 検査のやり方に不備があったに違いない!」
 という趣旨で、否認したわけだ。

 傍聴していて、私は思った。
 ほんとは、いつも0.15~0.3mgくらい出るはずなのに、「検査の正確性を保つために1回しか検査しない」という狂った検査であるため、それまで何度か見逃され、そして本件で、多目に出た、そういうことなんじゃないかと。

 飲酒運転が、厳罰に処さねばならないほど危険だというなら、見逃されている間に、重大事故を起こしていたかもしれない。
 飲酒運転でどんなに悲惨な事故が起ころうが、どんなに厳罰化されようが、飲酒運転者は続々いて、悲惨な事故は続々起こる、その一因として、本件被告人のようなケースがあるんじゃなかろうか。
 とすれば、デタラメ検査の悪質性は重大だ。

 同時に、嗚呼、酒気帯び検査もオービスも同じだね、と痛感した。
 たとえば「被害者の血痕が大量にあった」とする場合、その血痕のうち1mgほどを検査して、「たしかに被害者の血痕だった」という報告書をつくり、検体および残りの血痕は、きれいさっぱり消し去ってしまう。検察の信頼性を高めるために、再鑑定に付すために、残しておこうとは、はなから露ほども考えない。
 で、「じつは被害者の血痕ではないかも」となったとき、裁判所は、何だかんだと法律的に理屈をつけて、検査結果を追認する。
 だからこそ! そのような検査は当たり前になり、確率された捜査手法となり、結果、真犯人を逃したり、無辜(むこ)を処罰したりする…。
 この構造(長く安定した構造)において、誰がいちばん悪いかといえば、民も含めて誰もが悪いけれども、制度的には、やっぱり裁判所なんじゃないか。そんなことを思ったよぅ。

 そういう構造のもとでは、たしかに、「検査は正確だ」とするためには、1回しか検査せず呼気が残ったフーセンは廃棄するほうがいいし、オービスは写真に焼きつけられた測定値以外に測定の痕跡を残さないほうがいいよね。
 世の中は、狂ってるとしか見えないものも、それなりに合理的に出来上がっているってことか。