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カテゴリー「民事の裁判」の77件の記事

2025年6月25日 (水)

DVで妻子が警察へ駆け込み秘匿避難、夫は銃砲所持関係の資格が不認定に

 怖い話を2021年1月、伝説のメルマガに書いた。以下、一部を転載する。若干加除訂正して。

 

  ☕  ☕  ☕

 

 東京地裁の民事の開廷表に、免許についての処分の取り消しを求める訴訟の、本人・証人尋問の期日を見つけた。
 もちろん傍聴しましたともさ!

 原告席には中年男性が1人だけ。本人訴訟なのだ。
 ヘアはサイドが刈り上げ(ツーブロック)で、フード付きトレーナー、濃紺マスク。ま、格好いい系かな。

 被告は東京都。処分者が公安委員会でも警視総監でも、被告は東京都になるのだ。
 被告席には、前列に3人、後列に3人、傍聴席に4人、ま、運転免許の行政訴訟のいつもの陣容だね。

 

 すぐに証人尋問が始まった。

 証人は黒スーツの中年男性だ。被告指定代理人の1人が立ち上がった。つまり被告側の証人なのだ。
 まず代理人は、平成29年(2017年)当時の、証人の所属を尋ねた。取締りまたは処分は、だいぶ前だったんだね。

 証人は、××警察署の「生活安全課、生活安全係…警部補」と答えた。

 ん? なんで生安(せいあん)が? 代理人が業務の内容について尋ねた。

証人  「近隣トラブル、DV(ドメスティックバイオレンス)、つきまとい、ストーカー、必要に応じて相手方に注意や警告を…」
代理人 「平成29年×月×日、○○○○氏から夫の暴力について相談を受けましたね」
証人  「はい、私が受けました」

 ○○○○は女性名で、姓の部分は原告と同じだ。

 んん? DVがらみの暴力的運転をして危険性帯有(道交法第103条第1項第8号)による行政処分(最大180日停止)を受け、それで争ってるのか? だとすれば超珍しいのに当たったぞ、たっ大変だ! 私は興奮した。

証人  「平成29年×月×日、夜の宿直…子どもを連れた女性が現れ、夫から暴力を受けている…結婚当初から暴力…毎日、夫からの暴力におびえている…自宅の鍵を取り上げられ…帰るつもりはない…いちばんひどかったのは、殴られ、蹴られ、髪を引っぱられ、打撲とあざ…子どもの前で手を出すことはないが、殴るぞ、殺すぞと、子どもの前でもよく言っていた…」

 妻は、夫(原告)が逆上するおそれがあるのでどこにも相談できずにいたが、夫の父親からうながされ、ついに警察へ来た、そういうことらしい。

代理人 「措置は…」
証人  「第1希望が秘匿避難…シェルターへ避難させました…シェルターはスマートフォンが使えず、外出できない…(相談者)の表情も踏まえ、信憑性があり、大変危険で切迫性があると判断しました」
代理人 「シェルターへは」
証人  「自分が連れて行きました」

 もちろん、警察は夫からも事情を聞いたという。

証人  「(夫は)自分にも言い分がある…自分もだまされた…(詳細は)特に言いたくないので黙秘すると…」

 夫に対して警告し、暴力等を継続するなら逮捕もあり得る等を告げたところ、夫は「はい、分かりました」と言ったそうな。

代理人 「夫の父親からは」
証人  「相談受理の翌日、警察署で直接、話を聞きました…(父親は)自分も相談を受けた…息子が暴力をふるっていると思われると…」
代理人 「××警察署、少年係から児童(児相?)通告…」
証人  「はい、子どもの面前で、殴るぞ殺すぞ…心理的虐待に当たり…」

 

 続いて原告から反対尋問、ではなく右陪席裁判官が尋問した。ほぼ事実関係の確認だった。省略する。
 そして…。

右陪席 「(原告に対し)×月×日付けの書面…質問になることは私が聞きました(尋問した)…どうもおかしい、とかいうのは意見になるので…」

 はは~、本人訴訟における尋問は、証人に対し意見をぶつけることになりがちだ。そこで裁判所は、原告が尋問したいことを書面にして出させ、尋問手続きになじむことを右陪席が代わりに尋問した、そういうことなんだね。

右陪席 「(さらに証人に)聞きたいことはありますか?」
原告  「ありますっ!」

 原告本人からの尋問がおこなわれた。
 私は傍聴席で覚悟を決めた。間もなく別の法廷で重要な刑事裁判が始まるが、そっちはあきらめよう。DVと運転免許の行政処分がどう関係するのか、こっちのほうが重要だ!

 要するに原告としては、DVなどやってない、証人が妻に会ったか疑わしい、という認識のようだった。
 私は本件の真相を知らないが、一般論として、その認識はDV夫には普通のことかと思われる。

 重要な刑事裁判の開廷時刻をだいぶ過ぎ、次の警察官の尋問が始まった。

代理人 「平成30年(2018年)×月×日…」

 ん? DVの相談があった日から約1年が経過してるじゃん。なんなの?

代理人 「…○○さん(原告)が射撃教習を受ける…調査をした…」
証人  「はい」

 ここで私は傍聴ノートに、ペンの色を変えて「あー!!」と書いた。

代理人 「平成31年(2019年)×月×日付け、公安委員会…教習資格を不認定…当時、証人は…」
証人  「××署、生活安全課、生活環境係…巡査部長…主に銃砲の許認可事務を担当…平成29年×月×日、○○さんの妻が…相談処理結果表を…」
代理人 「銃砲の許認可を担当…送られてきた書類を確認して…」

 なんと、免許は免許でも、運転免許ではなく、銃砲方面の免許に関する訴訟なのだった。がーん!!!
 私はそっと法廷を出て、重要な刑事裁判のほうへ急いだのであった。

 

 重要な刑事裁判とは、総理官邸での傷害事件か、歩行トラブルにより傘で目を突き刺し失明等の重傷を負わせた事件か、だったと思う。


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 以上を書いたメルマガ第2505号、そのタイトルは「DVで妻子が警察へ駆け込み秘匿避難、 夫は銃砲所持関係の資格が不認定に」だ。

 

 時期的に本件とは異なるが、「射撃教習資格不認定処分取消等請求事件」というのがネットで拾える。
 銃砲を所持する男が、何をやらかすか怖ろしい男であると警察は認め、資格を取り消す、そういうことが、じつは行われているんだねえ。私はぜんぜん気にしてなかった。

2025年6月13日 (金)

新宿署留置場における暴虐事件

 報道を見て「あっ、それ傍聴したよ」となることが多い。今回のこれもだ。

 

 6月11日、朝日新聞が「留置場で手足拘束したまま排尿、排便後に手で拭かせる 都に賠償命令」と報じた。
 記事の冒頭はこうだ。

 警視庁新宿署の留置場に収容された20代男性が、手足を拘束された状態で排尿させられるなど非人道的な扱いを受けたとして、東京都に損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、東京地裁であった。篠田賢治裁判長は「合理的な理由なく男性の品位と尊厳を著しく傷つけた」として、都に33万円の賠償金を支払うよう命じた。

 

 どこから話そう。時系列に沿うなら、始まりは2023年2月だ。

 その日、東京地裁で「強盗致傷、詐欺未遂、窃盗」(裁判員裁判)の判決を傍聴した。
 新宿歌舞伎町で、「朝ホス」というのか朝のホストクラブへ行く30代女性を襲ったと、2022年に報道された事件だ。
 その逮捕報道では被疑者は、住所不定、無職、21歳だった。

 

 起訴され法廷に現れた被告人(身柄、拘置所)について、私は文字でこうスケッチした、「えっ、格好いい男じゃーん。真っ黒たっぷりヘア。目は優しげ」。

 30代女性に対する強盗致傷と、特殊詐欺(のうちオレオレ)などで…。

裁判長 「主文、被告人を懲役5年に処する。未決購入日数中200日をその刑に算入する」

 

 そして2024年10月、東京地裁の民事の開廷表に「国家賠償請求事件」(国賠法による民事訴訟。本件の被告は東京都)の、弁論(証人尋問)の期日を見つけた。

 原告の氏名にうっすら見覚えがあり、直ちにスマホ検索、「あの事件の被告人か!」となり傍聴した、ように記憶する。 ※刑事は検察官vs被告人、民事は原告vs被告。

 

 13時15分~16時30分の期日だ。まずは証人2人の宣誓から始まった。

 上背はそうないが横に巨体で短い坊主刈りの男性と、メガネのスリム男性、2人ともスーツにネクタイ。
 2人並んでの宣誓は、宣誓書を同時に読み上げるのが一般的だが、本件では1人ずつ読み上げた。ほぅ。

 巨体男性のほうは、ハンカチで汗を拭きふき、呼吸が苦しそう。「体調不良」ということで、こっちから尋問することになった。

被告指定代理人 「令和4年(2022年)…留置業務…」
証人 「11年ほど」

 ええっ? と私は思った。11年間も?

被告指定代理人 「留意していることは」
人 「逃走防止…自殺させない…留置場の秩序、平穏を守ること…」
被告指定代理人 「戒具の使用は」
証人 「毎月、各4係…使用訓練を実施…」

 私は、ほかにどうしても傍聴したい刑事裁判があり、14時23分に出た。14時56分に戻り、15時52分、また出て、今度は戻らなかった。
 傍聴ノートはB5サイズでぎっしり16ページにわたる。

 トラブルが起こったときはビデオカメラで撮影することなっており、本件でも撮影したと言うのだが、原告が暴れている(と被告は主張する)場面だけが、上手い具合にというか、スイッチの調子が悪かったりして、録画されていないのだった。なるほど~。

 

 そうして2025年6月11日、その訴訟の判決が出たわけだ。

 

 当時の傍聴ノートに、証人の氏名がある。漢字は不明だ。いま、警視庁新宿警察署とそのカナ氏名でネット検索してみた。
 新宿署の留置場がらみの、別の事件がヒットした。取り急ぎそこまで。

2024年12月30日 (月)

こと名「暇空茜」の民事判決、たまたま傍聴

 先週傍聴したのを少し。

 

 東京高裁、「窃盗」、判決。
 被告人は身柄(拘置所)。30歳前後か、お洒落かつ個性的な上衣で、目立つタトゥーあり。

裁判長 「主文。本件控訴を棄却する。当審における未決勾留日数中30日を原判決の刑に算入する」  ※メモは「キキャク、30日」のみ。あとは定型文なので。

 原判決は懲役1年(未決算入不明)。所持金が乏しく、小腹が空き、コンビニで「おむすび」等2点を万引…。

 マニア諸氏はすぐ思うでしょ、前科があるな、と。
 そのとおり、半年ほど前に何か(「カンキ」としかメモってない。監禁等だったかも)で懲役1年6月(ろくげつ)、執行猶予5年が確定してるんだという。
 その猶予は取り消され、あわせて服役することになるわけだ、最高裁で救済されなければ。

 執行猶予中でも、軽い犯罪なら罰金で処理することはよくある。罰金なら前刑の執行猶予は取り消されない。
 本件はなぜ?

裁判長 「罰金刑の選択は相当でなく…更生環境が整えられていない…執行猶予…確定からわずか半年後…」

 それは表向きのタテマエ、前刑がほんと実刑ぎりぎり、崖っぷちの執行猶予だった、のかなと。

 一般論として、「優等生の規範などちゃんちゃらおかしいぜ」と突っ張らかり、結局刑務所へ、というパターンはあるように思う。

 

 東京高裁、「過失運転致死」、判決。
 被告人は不出頭。控訴審は被告人の出頭を要しない。

裁判長 「主文。本件控訴を棄却する。主文は以上です」

 原判決は禁錮1年10月(じゅうげつ)。
 速度違反で懲役4月(よんげつ)、執行猶予2年の判決を受け、その猶予期間の満了からわずか1週間で、普通貨物を運転して信号交差点を漫然右折、横断歩道を横断中の歩行者に衝突して重傷頭部外傷の傷害を負わせ、3日後に死亡させた…。

 速度違反の現場が首都高で、犯行車両が普通車なら、懲役4月=超過90キロ台だ。
 超過90キロ台って、常軌を逸してると私は思う。しかしこの国は速度違反をなぜか優遇するのだ。軽いのだ。優遇政策でなければ、その事故は起こらず、その人は今も普通に生きていたんではないか。

 

 東京地裁、「損害賠償請求事件」(民事)、判決。

 一般待合室を出るとき、入れ替わりに、ちょと個性的な中年男性が2人、入ってきた。
 何の人たちだろ。私は付近の法廷前に掲示された開廷表をちらっと見てみた。
 間もなく始まるのはこれ1件だった。ふうん。

 いや、ちょっと待て、原告と被告のこの氏名!
 原告の氏名は、こと名「暇空茜」の、そういえば実名だっけ?
 被告は…ええっ? 望月衣塑子さん!?
 こと名「暇空茜」が望月衣塑子さんを訴えた事件の、判決なわけ?

 急遽、予定変更、この判決を傍聴することにした。

 原告席も被告席も無人。民事の判決は、多くはこんなもんだ。
 傍聴席には、私のほかに5人。
 1人は、喜多村洋一弁護士じゃないかな。私は昔、ある事件の関係でちょっとお会いしたことがある。
 2人は、さっき待合室にいた男性。

 あと2人も男性で、うち1人は傍聴人全員について“筆記スケッチ”している風だった。
 原告の仲間か、そうじゃなくてこの裁判を注目している人か。
 緑色系ネクタイで昭和ファッションの素敵な紳士、何者!? と戸惑ったはず。私ですよぅ。

裁判長 「主文。第一、原告の請求を棄却する。第二、訴訟費用は原告の負担とする。事実及び理由の朗読は省略します」

 この判決、Twitter(現X)で速報されている

 

 12月26日が私の傍聴納めだった。
 裁判所を出て警察庁へ寄り、お宝文書をたっぷり開示してもらった。むっひっひ、である。本年もお世話になりました。考えてみればもう23年間ですか、お世話になりっぱなしです。

 2025年の手帳は、すでに傍聴予定が詰まっている。困った困った。 ←こいつ喜んでるだろっ😠

2024年12月21日 (土)

裁判傍聴の平等ルールに女児は泣いた

 追っかけてる民事裁判、今日は本人尋問の期日だ。
 刑事裁判じゃないし、有名芸能人がらみでも宗教がらみでもない、どうせがらがらだろう、しかし念のため早めに行った。

 傍聴席のドアは開いており、なんとぎっしり満席?
 んなわきゃないよね、空いてる席がぽつぽつあった。

 ところが! 空いてると見えた席には、どの席にも、ふんわり暖かそうなコートやマフラーが置かれていた。すでに満席なのだ!
 若い女性が多い。仲間なのだな。ちっきしょぉ!

 3~4歳ぐらいの女児と2歳ぐらいの男児が、それぞれちょこんと座ってる。傍聴席を占めている。
 そばの席にはコートが。親はトイレへでも行ったのか。ちっきしょぉ!

 そのとき女児が、男児の世話をしに席を立った。
 席が空いた! 私はそこに座りかけた。
 いくら何でも大人げない? し、しかし…!

 

 どうするどうする? いろんなことが頭の中を駆け巡り、目が覚めた。夢だったのだ。

 布団の中で考えた。
 そうだ、迷うことなく、空いた席に座ろう。

 女児は驚き「そこ、あたしの…」とか言うだろう。
 見ていた書記官がこっちへ来て、何か言うかも。

 しかし私は、毅然とこう言い放とう。

今井 「事件を追っかけている者も、ぜんぜん興味がない者も、平等に傍聴できる、それがルールです。席が空いていなければ退出する、空いていれば座れる、それがルールです!」

 女児は泣くかもしれない。仕方ない。ルールなのだ。

 もう眠れなくなった。午前1時半過ぎだった。
 そういえば21時過ぎに寝たんだっけ。嗚呼、起きよう。

 

 「楽天・三木谷浩史オーナー、パレスチナ問題で5億円寄付「もっと早く行動に移すべきだった」」と12月12日付け日刊スポーツ。
 私はもう長くネットの買い物は楽天だ。Amazonは利用してない。良かった~。

2024年4月24日 (水)

今日のパンティ何色? 今まで彼氏何人いる?

Img_1090  東京地裁で先日、原告が「公明党外」、被告が「株式会社新潮社外」の「損害賠償請求事件」の弁論(証人尋問)を少し傍聴した。 ※外=ほか

 15分ほど遅れて行くと、証人尋問の最中だった。
 証言台のところに黒スーツ(上位の袖は肘下まで)の、スリムで小顔な感じの女性がいて、被告代理人からの質問にハキハキパキパキと答えていた。

 公明党の国会議員から深夜に電話があり…。

証人 「今日のパンティ何色? 今まで彼氏何人いる? いちばんセックスが良かった人の名前を言え。精子を顔にかけたい。自分のを舐めてねと連呼しながら電話を切りました。とてもとても気持ちが悪くて、その夜は眠れませんでした」

 

 「熊野氏を巡るセクハラ報道 公明党、文藝春秋と新潮社を提訴 党幹部「口封じ」は虚偽 損害賠償、謝罪広告求める」と2022年9月11日付けで公明党のwebサイトに。
 「公明、文芸春秋と新潮社を提訴 セクハラ疑惑隠し報道は「名誉毀損」」と、これは2022年9月9日付け毎日新聞。

 事件番号は、令和4年(ワ)第22915号、第32965号だ。これがその「セクハラ」事件の裁判なのだろう。 ※令和4年=2022年

 

 途中、意外な話が出てきた。
 アメリカでは男女が(とは限らないか)交際するにあたり、性病検査のチェックシートを互いに見せ合い、それからセックスをする?
 一般的なことなのか、先進的な人たちに限ってのことなのか。

 

証人 「私は今日とても怖い思いをして…(公明党の)山口代表…も堂々とこうして話してほしい…」

 被告代理人は証人を、氏名の氏で読んだ。途中、氏名の名がちらっと出た。
 私は帰宅後、聴き取れた氏名でネット検索してみた。ノーヒットだった。

 

 有名人、有名団体が当事者の民事訴訟が、東京地裁へはよく出てくる。

 ちらっと司法統計を見てみた。
 民事の通常訴訟の新受は、全国で12万6664件。うち東京地裁は3万7043件。多いねえ。
 大阪は? 大阪は1万3470件。東京のほうが3倍近く多いとは、東京一極集中ぶりがこんなデータにも見えるってことか。

 ←4日24日6時30分現在、週間INが50で2位。

2023年10月24日 (火)

知財高裁へ初めて行った件!

 東京地裁の八王子支部が、立川市へ引っ越して立川支部となったのは、いつだっけ。
 私が初めて立川支部へ行ったのは、だいぶ何年も経ってから、2016年1月だった。

 確かあのとき、深野英一裁判官が「覚せい剤取締法違反」で、すげえ無罪をやってのけたのだ。

 

 東京都目黒区中目黒に、東京の知財高裁の新庁舎が誕生したのは、2022年10月らしい。
 2023年10月23日、私は初めてその知財高裁へ行った。

 

 東急東横線、中目黒駅(渋谷から急行で1駅)で降り、山手通り内回り側の歩道を南下、駒沢通りとの交差点を過ぎて、コンビニの角を左折…。

 東京の幹線道路のひとつ、山手通りのあの付近を、トラックでもオートバイでもなく徒歩で今井が通行すると、かつて誰も想像すらできなかったろう。
 人生の妙、である。

 

 知財高裁の法廷階は、東京地裁(本庁)に比べると、天井が低い。無駄に権威ぶらない設計、といえるか。
 とことんきれいで、ほぼ無人。本庁慣れしたマニアから見て、素晴らしい!

 法廷内は、黒とグレーと淡い木材色で統一されてるんだね。お見事だ。
 傍聴席の椅子の感じも良い。本庁に比べて席幅が若干広いように感じる。

 

23102310  この日、私の狙いは、原告:三宅勝久、被告:株式会社朝日新聞出版、「著作権侵害損害賠償請求事件」の第1回弁論期日だ。

 傍聴席は、4席×4列×3島=48席。
 法壇の両端と、右陪席の背後辺りと、合計3つの大きなテレビモニターがあった。

 

 今回の裁判は…。
 「大学教授の著書「著作権侵害」にあたらず「26か所の対比表」提出ジャーナリストの訴え棄却」と2022年2月25日付け弁護士JPニュース。
 この事件の控訴審かと思いきや、事件番号は「令和5年(ワ)第70559号」。ワは地裁の通常訴訟事件だ。どゆこと?

 

 「知財高裁」という語に私は騙されていた。この庁舎は、「ビジネスコート」といってビジネス系の通常訴訟事件もやるんだね。
 その証拠に、というか、「発信者情報開示請求」のワの事件が4件も入っていた。
 4件とも、個人vs通信会社ではなく、企業vs通信会社またはそれ系だった。

 

 三宅勝久さんの事件はどうだったか?
 この裁判長、捌き方が、良い感じで、あったま良さそ! と感じられた。
 私にはとてもマネできない。能力の差ってあるんだなあと。

 事件の中身については、どうも上掲弁護士JPニュースと同じ内容のように思われた。
 じつは私は、よくわからないまま、この機会に知財高裁へ、ほとんどそれだけで来たのだ。三宅さん、申し訳ないです~。

 

 それが終わって隣の法廷で、ワの「損害賠償請求事件」の尋問の期日を傍聴した。
 会社の金を使い込んでいた者が、同業の別会社を興し、もとの会社の幹部10数名を一斉に引き抜いた、という事件らしかった。

 

 1階の、広くて無人のフロアに、本庁とはまた異なるタイプのタブレット開廷表が何台もあった。
 この庁舎の裁判の事件番号は、5桁の頭の桁が7、らしい…。

 

 帰りは別の道を、できるだけ目黒川に沿う道を、歩いた。
 途中、何かのアイドルと思しき女性数人の、撮影が行われていた。
 アイドルオタクを集めての撮影会ではなく、仕事の撮影と思われた。

 

 知財高裁、あんだけスカスカなんだから、本庁の脱税事件をみんな持っていけばいいじゃん? と思う。
 すでにだいぶ移行してるのかどうか、申し訳ない、不知だ。 ※不知=民事裁判用語。

 特殊詐欺の専門部、なんてあってもいいと思う。

 

 中目黒駅から、横浜地裁へ行くか、東京地裁へ行くか、そんな考えを振り切って帰ることに私は成功した。
 ただ、乗換の渋谷で、生ビール、ハイボール、酎ハイ、160円という居酒屋に引っかかってしまった。真っ昼間から。
 結論としては、うーん、失敗だったかな。

 でも、失敗を重ねて我々は大人になるのだ、間違いない。

2023年4月29日 (土)

誰、刑弁教官、調べりゃわかる、法廷に立ってもらおうか

 刑事の一審・横浜地裁と、二審・東京高裁を傍聴し、当ブログでは以下を書いてきた。

江口大和弁護士を被告人とする「犯人隠避教唆」 2023年4月15日
「考えられないとまでは必ずしも言えない」で有罪  2022年9月13日
江口大和弁護士、普通に考えて無罪では 2022年3月17日
江口大和弁護士はハメられたか? 2020年2月4日

 今年4月5日、毎日新聞が「取り調べ映像、異例の提出 地裁勧告、被告の民事裁判で」と報じた(共同通信の配信)。記事中にこうある。

 横浜地検の独自捜査により犯人隠避教唆の疑いで逮捕、起訴された弁護士江口大和被告(37)が、担当検事から「ガキ」と侮辱されるなど違法な取り調べがあったとして国に1100万円の損害賠償を求めて訴訟を起こし、取り調べの録音・録画データの一部が今年2月に証拠として東京地裁に提出されたことが5日、分かった。地裁が国に勧告していた。

 重要な証拠となる「録音・録画データ」、そんなの国側は隠し通したいだろうに、出せと裁判所が「勧告」したとは、ほぉー! である。

 

191031  その民事の弁論期日を傍聴した。
 4月27日、13時30分、東京地裁421号法廷で。

 令和4年(ワ)第5542号「損害賠償請求事件(国家賠償請求事件)」、原告:江口大和、被告:国。
 東京地裁民事第37部合議E係、貝阿彌亮、中井彩子、山嵜優介裁判官、瀨川陽子書記官。

 裁判官3人と書記官、きっぱりノーマスクだった。そゆの私は初めて見る。人間って感じがするよね。
 ちなみに私はマスク着用だ。コロナ感染のリスクを、減らせるところは減らしたいと。

 

 傍聴席は42席か52席か、確認を忘れた。なんと、かなり埋まった。注目されてるんだねえ!
 傍聴席側のドアを開け、ほとんど満席なのを見て去る人が、何人もいた。

 原告席は、前列に3人。あの人が宮村啓太さんだっけ代理人弁護士と、江口大和原告と、趙誠峰代理人弁護士。後列に1人。よくお見かけする男性代理人弁護士。

 被告席には、弁護士かどうか国側の指定代理人だろう2人。グレーの立体マスクの中年女性と、やたら髪が多くて私の位置からはお顔が見えない人物。女性かと思われ。

 

裁判長 「裁判所の構成、かわりましたので、弁論の更新を…原告から4月20日付けの準備書面カッコ1…口頭で…

 宮村啓太さんと思しき代理人弁護士が証言台のところへ出てきて、力強く述べ始めた。
 以下、私の傍聴メモから一部拾う。

原告側 「被疑者の黙秘権行使の意思が明確なのに…江口氏…これから黙秘権行使に入りますと明確に…(それに対し取調べの検察官は)罵詈雑言を浴びせ続けた…説得のため取り調べることは許されるとの見解…誤っている…カワムラマサシ検察官…10月26日…おこちゃま発想だったんでしょうね、ガキだよねあなたって、子どもなんだよね、発想が子どもなんすよね…10月27日…どうやったらこんな弁護士が出来上がるの…誰、刑弁教官…調べりゃわかる…(刑弁教官に)法廷に立ってもらおうか…10月28日…僕チャン強いから何とかしてやる…もう資格あきらめてください…何も言い返してこないことをいいことに、一方的に罵詈雑言を浴びせて、精神的に崩して…

 原告席に座る江口原告が、じーっと見上げている。

原告側 「カワムラ…(勾留請求に対する)準抗告申立てのコピーを持って取調べ…ミヤムラ先生の評価落ちてるんだから…黙秘権侵害、何言ってんの…ぜんぜん理屈になってねーじゃねーか…弁護人と被疑者の信頼関係を崩して…(国側は)いずれも適法な取調べと主張している…僕チャン呼ばわり…真摯な…真実を供述することをうながすものであり…この見解が実務ではびこり…アベショウタ氏…黙秘権…憲法がわざわざ明文で保障している…

 甲号証として学者の意見書を出してるのかな、私は知らない。

原告側 「取調べの録音録画の再生…カワムラ検察官の証人尋問…この公開法廷で行われるべき…発言の意図や目的を訊くべき…取調べのリアルな実態に即した判断がなされるべき…

 

 準備書面(1)を踏まえての主張と、録音録画およびカワムラ証人についての意見を、被告側は次回までに書面で出すよう裁判長は求めた。

被告側 「7月14日を締切りとさせていただければ
裁判長 「少し長いですね
被告側 「連休を挟む関係等ございまして

 この指定代理人の権限なんて知れており、上のほう、上の上のほうとごちゃごちゃやらねばならぬのかと私は妄想。

 7月25日(火)に進行協議の期日をもつことになった。進行協議は傍聴できない。
 傍聴できる弁論期日は、早くても9月になりそう。

 被告側はどうするんだろうね。
 録音録画の法廷での再生と、カワムラ証人の尋問は、なんとしても阻止したいはず。
 再生と尋問を裁判長がやると決めれば、被告側は認諾する?
 とすれば、私が被告側なら、やると決めないよう、そこに国力のすべてを注ぐね、うん。

※2023年10月15日追記: Web記事「無免許死亡事故、そこに隠されたまさかの冤罪!」として書きました。

 ←4月29日11時40分現在、週間INが402位。

2022年5月23日 (月)

発信者情報開示の裁判が普通にぽつぽつある件

220314-2  民事の事件名について、ひとつ言い忘れてた。

  発信者情報開示請求

 これ、普通にぽつぽつある。

 東京地裁の場合、民事の弁論期日が1日だいたい400件台か。
 それぜんぶをチェックすることを、私は全くしていない。
 主に刑事裁判を傍聴する途中、通りかかった民事の法廷の開廷表もさっと見る。そこから「ぽつぽつある」と言ってるのだ。

 

 うち一部を私はメモし、超絶マニアックデータに入力、原告氏名でネット検索する。
 原告は、個人もあれば法人もある。有名だったり無名だったり。
 現在「ひろゆき氏」と呼ばれている彼が被告(※)の期日は、3件を傍聴した。2004年と2006年だ。 メディアがいう「被告」ではなく正しい意味での「被告」ですよ!

 

 400件台のうち、どうなんだろ、1日10件ぐらい、「発信者情報開示請求」の期日かも。
 1日5件としても(それぐらいは優にあるだろう)、月~金の5日間で25件だ。4週間で100件だ。もっと多いかも。

 ネットで匿名で誹謗中傷して本人が特定された、損害賠償を請求された、とニュースになるのはごくごく一部。
 たとえば数十万円を支払うことで和解したとか、なんであれ埋もれてる事件が、もうたーくさんあるんだろうなと想像される。

 

 匿名の陰に隠れて好き放題の誹謗中傷は、ヤバいですぞ、と言っておきたい。
 でも、そういう人は「正義の説教をしてるだけ。みんなやってる」程度にしか思ってないのだろう。

 性犯罪の被告人は「相手は嫌がっていない」と思い、特殊詐欺の受け子は「荷物を受け取りに行くだけだから」と思う、犯罪者はみんな自分に都合のいいような認知の仕方をするのだ。

 いや、自分に都合のいいように考えるのは人間の特質のひとつであり、犯罪者は特にその傾向が強いということか?
 などと、裁判傍聴マニアにならなかったら考えもしなかったかもね。

 画像は、確か六本木付近を歩くうち「おお!」となって撮影したもの。中空の白い小さなものは月だ。

 ←5月23日22時10分現在、週間INが40で2位。

2022年4月28日 (木)

控訴人岡本夏生さん、被控訴人ふかわりょうさん、判決

 27日(水)、マニア氏から情報をいただき、東京高裁・第5民事部(木納敏和裁判長)511号法廷で「各謝罪広告等請求控訴事件」の判決を傍聴した。

 控訴人は「岡本夏生こと○○○○」。控訴人席に座った。
 被控訴人は「ふかわりょうこと○○○」。出頭せず、被控訴人席には、代理人弁護士と思しき中堅男性が2人。 
 以下は私のメモより。「21日」は違うかも。

裁判長 「…1、(1)主文、第1項…変更…(2)被控訴人は控訴人に…80万円及び…元年5月21日から…年5分の割合…支払え、2、控訴人の追加請求…いずれも棄却…3、訴訟費用は5分して、その1を控訴人…その余を被控訴人の負担とする」

 訴費の分担割合から単純に計算すると、訴額は100万円だったのかな。

 

 この日もいろんなのを傍聴した。

 スマホのアニメの音量でいわゆる兄弟げんか、地下格闘技の経験もある兄を、弟が包丁とフライパンで…。
 幼少時より虐待、DVが激しかった父親に、息子の憤怒がついに爆発!

 

 異種事件で保護観察付き執行猶予中、だから法律上もう執行猶予は付かない立場で、けんか相手を刃物で刺し「傷害」で公判請求された若者に、検察官は罰金50万円、満つるまで算入を求刑! そんな感動的なシーンも目撃した。
 東京地裁の公判立会(りっかい)では珍しい、年配の検察官だった。

 

 27日(水)、東京地裁の刑事の公判期日は110件もあった。100件を超えることは滅多にない。
 前日、ノーマスク集団の訴訟があり、午前一杯は“休業”を強いられたせいだろう。
 陰謀論の流布は敵国にダメージを与えるために有効な手段だなあ、と思う。

 

20220428  疲れて夜、時事通信のこの報道を見つけた。以下は一部だ。

ふかわりょうさんに80万円賠償命令 岡本夏生さんへキス―東京高裁
 タレントの岡本夏生さんが、同業のふかわりょうさんから意に反するキスをされたなどとして損害賠償や謝罪広告掲載などを求めた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。木納敏和裁判長は賠償額を1円とした一審東京地裁判決を変更し、ふかわさんに80万円の支払いを命じた。

 ←4月28日6時30分現在、週間INが70で2位。

 

2021年12月19日 (日)

裏ガネ訴訟、認諾

 「赤木さん妻「認諾は不意打ち」「私も夫も許さぬ」 財務省に抗議文」と12月17日付け朝日新聞。右はそのWeb記事の一部だ。 ※当ブログ容量オーバーが判明。画像は削除。

 

 認諾。

 認諾には、こう言っちゃなんだが懐かしい思い出が私にはある。
 「弁護士佃克彦の事件ファイル」の「赤坂警察署裏ガネ疑惑事件」、この3ページ目に認諾という語が出てくる。
 非常にわかりやすく的確にまとめられている。さすが佃さんだ。

 私のほうで雑ぱくにまとめると…。

 ジャーナリスト・寺澤有さんが、恐るべき取材により、裏ガネの事実をすっかり暴いた。
 違法に支出した金(判明分で50万円弱)を東京都に返せ、という住民訴訟が始まった。私が原告になった。

 警察は、違法はないと抵抗した。無駄な抵抗だった。
 逃げられないと悟った警察は、違法はないと言いつつ、訴額と同額の金を都に返した。

 幕引き?
 いや、佃さんたち代理人弁護士団は、幕引きをさせなかった。
 違法を認めず払ったのは、訴訟とは関係ない寄付の類いだ、と。

 そうして、違法支出をいよいよ具体的に立証するぞという段になった。
 すると警察は突如「認諾」した。あんときゃびっくりしたよね~。
 警察は訴額と同額を、今度は違法に支出した金を都に返す形で、また払った。

 

 あの裏金づくりに嫌々加担させられていた現場警察官諸氏は、少しはスカッとしてくれたんじゃないか。もう20年以上前のことである。

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