2008年7月 9日 (水)

飲食店で嫌がらせ嘔吐

clip 10時から東京簡裁534号法廷で、7月2日に第1回を傍聴し、判決もどうしても傍聴したかった「道路交通法違反」(無免許)、の判決。
 相場どおり、罰金25万円、満つるまで算入、訴訟費用不負担。どうってことないのだが、どうしても傍聴しておきたかったのだ。

clip 同じ法廷で10時15分から、同じく7月2日に第1回を傍聴した、「窃盗」(仮睡盗。被害額2万3千円相当。累犯前科あり)の判決。懲役1年6月、未決算入が5日間と聞こえたが、い、5日ってそんな、聞き間違い?
 それはそうと、生意気な傍聴人に勝手なことを言わせてもらうなら、この八木澤秀司裁判官の説示は、だらだら長すぎると思う。心を砕いてあげるのは良いけれど、捜査段階の報告書や供述調書は、裁判官が有罪判決を書きやすいよう警察・検察がツボを押さえて「つくる(作る、創る)」もんであり、公判廷での被告人の供述だって、ざっくばらんに本心を語るものではないうえ、なんつーか裁判官と被告人とではそもそも言語が違う、みたいな面もあるんだから、そういうものをもとに心を砕いても、かえって、「けっ、税金で高級もらってるエリート様は、なんにもわかってねぇ」となりかねないんじゃないか…。

smoking 一服しに1階へ降りると、いつもは無口な阿曽山大噴火さんが、「道路交通法の教唆、見ました?」と、興味津々風に尋ねてきた。教唆? って犯人隠避教唆? そんなのあったっけ。でも、道交法で犯人隠避教唆といえば、オービスで身代わり出頭を頼んだとかで、べつに珍しくもない。なんでわざわざ尋ねるの? 傍聴してないよと答えると、「え~っ!?」と驚かれてしまった。阿曽山さん、どうしたの?

chick 11時から、東京地裁・刑事12部(石井俊和裁判官)402号法廷で、「器物損壊・威力業務妨害」の新件がある。
 早めにドアの小窓から覗くと、グレーの超ミニスカートの制服女子高生8人と、同じような頓狂な髪型の男子高生数人と、その付き添い教師なのか、ちょっとヤクザか警察官っぽい若い男、その他が、20席の傍聴席を15席以上埋めてた。
 審理中のは、10時からの「道路交通法違反」の新件。
 うーん、この団体、もしかして次の「器物損壊・威力業務妨害」も続けて傍聴する気だとすると、11時ちょい前には他の傍聴人もやってきて、ぎっしり満席になるおそれがある。しょーがない、いまのうちに入っとくか、となかへ。
 ドアを開けると、そばの女子高生が、私の足先から顔まで、可愛い目を見開いてまじまじ見た。学校へ戻って、キャーキャー言うんだろうなぁ、見た? あのオッサン、下駄だったょ! と(笑)。 

clip 10時39分、裁判官からの被告人質問をやってるところ。
 被告人は、黒いダブルのスーツで、長めの髪を後ろで縛り、まつげが濃く、なかなかに良か男だった。友人とカラオケ屋で飲酒し、物損事故を起こして逃走しようとした、という事件。0.4mg。前科なし。求刑は懲役5月。
 途中から聴いた限りでは、当て逃げはあまり問題にされてないようで、そうだとすれば、略式で罰金でも良かったろうに、公判請求で懲役求刑って、扱いが重くない? はは~ん、他の事件と総合すると、2007年9月19日から飲酒運転が厳罰化されたが、通常は量刑を重くせず、「罰金前科2回→公判請求」を、「罰金前科1回または0回→公判請求」という形で重くした? この根拠薄弱な仮説は、当たってるのか外れてるのか…。
 それはそれとして、本件の扱いが相場より重いなら、直ちに判決となる可能性がある。そうやって被告人の負担を軽くして、ま、差し引き、バランスを取る、ということがあるように思われる(『裁判中毒』参照)。
 と思ってたら、5分ほど休廷して判決、となった。すると、団体さんはどっと出て行った。なんで? この公判は、開廷表では10時~11時となってる。いま10時50分。予定の時間内でイッキに判決までわかる、ってラッキーなのに、なぜ帰ってしまう? ま、おかげさんで私は、最前列の良い席に移動できたけど。
 10時56分、裁判官が戻り、判決。懲役5月、執行猶予3年。

clip そして11時から、「器物損壊・威力業務妨害」の新件。
 昨年、飲食店へミツバチ数百匹を飛散させたという「威力業務妨害」を傍聴したけど、本件もかなりのビックリ!
 被告人(黒系スーツ)は25歳、仕事は建築関係。犯行場所は、足立区内の、某牛丼店つーことにしとこう。前年12月に、丼にビニールが入っていたことで、「店長を呼べ」とか「すったもんだ」し、丼と紅生姜入れを床に落として割る、というトラブルを起こしていた。その店へ今年5月、よそで飲酒後に友人と行き、××丼を飲食。味噌汁をさらに飲みたくなり、カウンター越しに勝手に味噌汁を注ごうとしたところ、店員から注意され、腹を立て、「お前、生理現象って知ってるか。××丼、マズイから吐いて当然だよな」と言って上着を脱ぎ、自己の口内(腔内)に手指を突き入れて、ことさらに嘔吐を催し、カウンター内の汁椀へ向けて胃内容物を嘔吐し、汁椀4個、552円相当を汚損し、清掃作業などのため約5時間にわたり閉店を余儀なくさせるなど、業務を妨害したというのである。
 被告人は、椅子に浅くかけて背もたれに背の上部をあずけ、顔面を若干上向き(あご部が額部より前へ出ている状態)にし、どこか当事者感のない表情だった。
 11時21分から、被告人の父親の証人尋問が始まり、父親は「ちょっと情緒不安定な面がある。ま、小学校のときから…」と言っていた。

clip 11時25分、この調子なら被告人質問の前に戻れるかも! と私は出て、高裁・刑事9部(原田國男裁判長)805号法廷の、11時30分からの「軽犯罪法違反」の判決へ。高裁で「軽犯罪法」って、いったい何だろう、何なのか、どうしても確認しておきたい、と。
 被告人は不出頭。弁護人は、どこかで見た弁護士。
 判決は控訴棄却。当審における訴訟費用不負担。
 言い渡しを聴いてるうち、「ぎょっ!!」となった。これ、3月19日に東京簡裁で科料9000円を言い渡された、催涙スプレーの事件ではないか! 控訴してたんだ~!
 原田裁判長(なんだかすごく不機嫌そう)は、被告人が運動のため深夜に自転車で出かけたことを、「自ら欲して危険な行動をした」とし、それも、催涙スプレー携帯の「正当な理由」に当たらない理由に数えていた。
 被告人の氏名に見覚えあってよさそうなのに、なぜ気づかなかったのか。じつは知人(同性愛者)の氏名と一字違いで、そっちの印象に支配されてたんだね~。

clip 11時35分、急いで地裁402号法廷へ戻ると、証人尋問はとっくに終わり、もう検察官からの被告人質問が終わるところだった。
 11時39分、論告。求刑は懲役1年。
 11時41分、弁論。「精神的に不安定で、謝罪文の作成に困難を要したが…」と弁護人が言ってた。情緒不安定、精神的に不安定って、いったいどういうことなんだろう。

shock 1階へ行くと、某氏からも「道路交通法違反の教唆」を傍聴したかと問われた。なんと、簡裁の事件だという。簡裁で「教唆」!? そんなバカな! あわててカウンターの開廷表を見ると、10時から728号法廷に「道路交通法違反教唆」の新件が入っていたのだった。
 どっかーん! 月曜に開廷表はチェックしたのに、見落としたらしい! 5年以上、東京簡裁に通ってて、初めての罪名だ。それで阿曽山さんがあんなことを言ったんだ~。だだだっ大失敗。痛恨の見逃しだ!
 ま、無免許運転か何かを、唆(そそのか)してやらせたってことなのかな。簡裁の法廷へ出てくるってことは、否認なんだろう。次回期日は9月だというから、捜査機関の者か誰か、公務員を尋問するのかもしれない。

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riceball 某氏が厚生労働省の建物へ行くというので、私もついでに、久しぶりにそこの食堂へ。
 日替わりパスタ(菜の花載せクリーム味)大盛り450円。どえらい大盛りだった。50円増しでこれってことは、400円の普通盛りもかなりの量と思われ。八宝菜の定食も良さそうだった。これからここへ通うことにしよっかな。
 ちなみにこの食堂は、とっくに食べ終わってるのに席を立たず談笑してる若い女性(職員だろう)のグループが多かった。広いんで、べつに邪魔にならないんだね。
 厚生労働省の食堂で、そんなこと言って女性客をちらちら見てる男がいたんですよぉ。なぁにぃ~いっ! やっちまったなぁ! 男は黙って、第5食堂! 男は黙って、第5食堂! 農林水産省のあの第5食堂は、もう存在しないよぉ

smoking 裁判所へ戻り、『裁判中毒』にも登場する元裁判官の弁護士さんに、またばったり。一昨日の「警視庁築地警察署留置番号1号こと氏名不詳の男」の求刑罰金20万円のこと、ああいうとき裁判官はどうするんでしょう、と尋ねたら、事も無げに、罰金の徴収(刑罰の執行)は検察官の問題であって、裁判官は粛々と罰金20万円の判決とすればいいのだ、とのこと。そっかぁ、なるほどね~、とすっきり。

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 裁判員制度、裁判員に選ばれたら「参加したい」が、とうとう10%を切ったそうな。うわ~。 →裁判員制度はいらない!大運動

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2008年6月26日 (木)

車両提供罪・同乗罪の裁判

clip 13時20分から東京地裁422号法廷で、6月17日に傍聴した「不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反」の判決。
 懲役1年、執行猶予3年。
裁判官 「自分の思い通りにならなかったとき、どう対応するのか、それが、その人がほんとうはどういう人であるか、試されるときです。もう一度、冷静に物事に対応するという原点に立ち返って、よく考えてもらいたい」
 おお~、前段は、その趣旨のことを、我が偉大な領導主様であらせられる女房殿が昔から言ってるょ。

clip 13時30分から東京地裁・刑事11部(小池勝雅裁判官)405号法廷で、「道路交通法違反」の新件。
 13時29分に法廷に入ったら、もう起訴状を朗読し終わるところ。当事者が全員揃っても、開廷時刻までじーっと待つ裁判官もいるが、最近、早く揃えば早く始めるか、あるいは数分遅刻して始めるか、そういうこと多くない? たまたまそういうのに最近よく当たってるのか?
 事件は、3月26日の酒気帯び0.3mg。2007年9月19日に酒気帯び厳罰化が施行されてから、酒気帯び単独の事件は初めて傍聴するかも。量刑相場はどう変わったのか、気になってたのだ。
 前科は、2007年11月の酒気帯びで罰金20万円のみ。普通なら、略式で罰金25万円でもおかしくないはず。上司と飲酒して、上司といっしょに一旦は電車に乗ったのに、駐車料金が気になって車へ戻ってしまった、という事実は、いくらか良い情状でもあるだろうに。
 求刑は懲役5月。以前は懲役4月ってこともあったっけ。
 直ちに判決。懲役5月、執行猶予3年、訴訟費用負担。
 うーん、これだけでは何とも言えないが、「罰金2回→公判請求」だった原則を、「罰金1回→公判請求」に改めた? いや、そう解するのは早計かも。

clip 14時30分から東京高裁・刑事8部(阿部文洋裁判長)715号法廷で、「自動車運転過失致死・道路交通法違反」の控訴審第1回。いわゆる、ひき逃げ死亡事故。控訴するからには、原判決は懲役実刑だったんだろう。
 被告人質問が行われた。原審後の情状立証かと思ったら、そういう感じもなく、供述がころころ変わる、ように見えるのだった。刑責を逃れようとしてるのではなく、説明が整理されてないんだろう、と私はまず想像するけれども、それは裁判所には原則として通用しない。裁判所は、誰もが机上で完璧に整理された説明をする(あるいは現場でそのような行動をとる)ものと信じ込んでる、ように思われる。
 次回判決。控訴棄却だろう。

clip 15時から同じ法廷で、左右陪席を替えて、「強盗未遂・銃刀法剣類所持等取締法違反・強盗予備」の判決。私は普段、こういうのは傍聴しないのだが。
 被告人(身柄、拘置所)は、小柄なお爺ちゃん。額のしわがやたら深く、口をもぐもぐさせていた。カネがないのにパチンコしたくて調剤薬局を、という、報道された事件だった。調剤薬局を狙った理由の1つは、「女性ばかり」だからだそうだ。前科なし。
 原判決は懲役4年。控訴棄却、当審における未決30日算入。
 裁判長が上訴権を告げる途中、「いや、(上訴するつもりは)ありません」と被告人は言ってたが、終わって弁護人に「何年?」と尋ね、「控訴棄却だから(刑期は)減ってない」「減ってない?」「減ってない」とのやり取りがあった…。

clip 15時30分からのを傍聴に、早めに東京地裁426号法廷(刑事19部・江見健一裁判官)に入ると、前の事件の証人尋問をやっていた。傍聴人がけっこう多かった。
 どうやら、被告人は接骨院経営で、交通事故の保険金詐欺の片棒を担いだらしい。請求証明書と明細書に、交通事故の件との記載がなく、欺罔(ぎもう)にならないから検察官は訴因変更も考えてほしい、とかそんなことを裁判官が言ってた。なんのことか、さっぱりわかんない。あとで開廷表を見ると、14時30分から始まってる「詐欺」の新件だった。

clip それが終わり、さぁいよいよ15時30分から、と思ったら現れた被告人(身柄、拘置所)は、もろヤクザ風の男性。あれ? なんと、さっきの詐欺を持ちかけた人物の「詐欺の公判だった。懲役1年8月、未決50日算入。一連の事件の、こっちの判決が先に言い渡されたわけだ。うわ~。
 被告人が再び手錠・腰縄をつけられ、傍聴席の誰かに力強く会釈して去り、傍聴席から茶パツの女性らが立って出ると…。

clip …新たな傍聴人が続々と入ってきて、15時40分頃、15時30分からの予定の「道路交通法違反」がようやく始まった。
 これは、飲酒運転者への車両提供罪、同乗罪という、2007年9月19日から施行された新しい罪種の事件だ。阿曽山大噴火さんが、6月4日の第1回公判を傍聴している。
 被告人は、黒のハイヒール(しゃれたバックル付き)に、黒のストッキング(模様入り)に、黒のワンピース、に見える衣服(スカート部分はフリル様)で、さらりと長い茶パツの、水商売風のいでたち。自分の子ども2人と隣に住む男性とが亡くなった事件の法廷に、その格好はないだろう、と私なんぞは思うのだが、当人にとっては精一杯、喪に服する格好だったのだろう、きっと。考えの齟齬(そご)、とでもいうべきことはある。
 16時40分頃まで、被告人質問が続いた。これがねぇ、いやはやなんとも、若い学生風の傍聴人諸氏は、どう感じたんだろうか、私は、検察官と裁判官の“机上エリート”ぶりを、そして最近考えてる“裁判とはそもそも何か”を、存分に感じさせるやり取りと思えた。
 求刑は懲役3年。次回判決。

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2008年6月24日 (火)

農林水産省の一般食堂、本日オープン!

 今日も朝から裁判所。傍聴レポートを、忙しいから簡潔に、と思いつつ、今日はいろいろ興味深いことがあったので長々書いてるうち、待て待て、こんな面白いレポートは25日締切りの『ドライバー』の連載ページに書こうよ、となった。ほんとはね、最近あれこれ開示を受けた文書のうち、とくに面白いのを拾っての記事を予定してたんだけどね。
 ちなみに現在発売中の同誌には、Nシステム訴訟について書いてる。Nシステム訴訟がいまどんな展開になってるか、ばっちりわかりやすくわかるょ。

 というわけで、ここでは、今日傍聴した事件を列挙するのみとするです。

clip 10時から東京高裁・刑事6部(永井敏雄・稗田雅洋・矢数昌雄裁判官)410号法廷で、「道路交通法違反」の控訴審第1回。
 これは、横浜地裁で2006年12月13日、2007年4月24日、2007年9月11日に傍聴した、日本無線のレーダ式測定機、JMA-230の事件だ。
 ソク結審かと思ったら、マニア的には驚きの展開に。

clip 10時から東京簡裁・刑事1室2係(永瀨進裁判官)826号法廷に入ってる、「占有離脱物横領」の新件を、途中から傍聴。台東区役所へ、生活保護の申請に行った際の、(生活保護を受けてる人の?)無料乗車券(が入った財布か何か?)のネコババ。弁護人は横顔がちょっとエド・はるみさんに似てるような。

clip 同じ826号法廷で11時から、「窃盗」の判決。勤務先から53万744円を窃取。懲役1年6月、執行猶予4年、訴訟費用負担。言い渡しの間、被告人は震えてた。

clip 同じ826号法廷で11時15分から、4月10日に第1回を傍聴した「銃砲刀剣類所持等取締法違反」(秋葉原でのナイフ所持)の審理。
 第1回のとき傍聴席にいた、犀川博正さん似の弁護士が、弁護人席にいた。若い女性のほうが主任弁護人。万世橋署の警察官を証人尋問。

clip 途中そっと出て、東京高裁・刑事8部(阿部文洋・堀田眞哉・野原俊郎裁判官)717号法廷へ。11時30分から、「有印公文書偽造・同行使・公務員職権濫用」(長野地検・諏訪支部の検察事務官が知人女性の住民票等を不正に入手した事件)の控訴審第1回。

clip 終わって急ぎ826号法廷へ戻る。被告人質問をやってるところだった。

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clip 午後は13時05分から、東京地裁・刑事8部(川本清巌裁判官)716号法廷で、「業務妨害」の判決。これは報道された事件だ。懲役1年6月、未決20日算入、執行猶予4年、訴訟費用負担。

clip 同じ法廷で13時15分から、なんとなく「所得税法違反」の判決を傍聴。びっくり、これも報道された事件だった。懲役10年10月、罰金800万円、懲役刑について執行猶予3年。

clip 13時30分から、東京高裁・刑事8部(阿部文洋・吉村典晃・堀田眞哉裁判官。午前中と構成が違うよ)717号法廷で、「殺人」の控訴審第1回。これも報道された事件

clip 14時から、東京高裁・刑事12部(長岡哲次・姉川博之・松井芳明(?)裁判官)715号法廷で、「強盗致傷・道路交通法違反」の判決。向かいの717号法廷へ、いつものとちょっと感じが違う傍聴人がぞろぞろ入っていった。開廷表を見ると「業務上横領・背任」。なんだろうと被告人氏名をメモし、あとで検索すると、これも報道された事件だった。
 715号法廷のほうは、原判決は懲役6年で、控訴棄却、未決50日算入。この弁護人が、以前地裁の奇妙なオービス事件で知り合った、けっこう有名な、豪放磊落なところのある元検事さん。終わって廊下で、裁判員制度についてちょと立ち話。

cafe 14時40分から日比谷松本楼で、なんつーか、私とは接点がなさそでありそな方々と面談することになっており、途中、農林水産省の北別館をちらっと見たら、なんと! 一般が入れる新しい食堂のグランドオープンは今日だというではないか! やっぱテレビが取材に来てたょ。

restaurant 松本楼で1時間ほど面談して裁判所へ…しかし戻らず、再び北別館の食堂へ。うーむ、あんなふうになったのかぁ、へぇ~! スタッフの方にちょと話を聞いたところ、開示文書の内容とは若干異なる部分もあるような?
 そのうち詳しくご報告しましょ!

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2008年6月23日 (月)

2chに無差別殺人予告

 土日で片付けようと思ったことがぜんぜん片付いてないし、そうこうするうち原稿4本の締切りも迫ってくるしで、今日は裁判所へ行くのはヤメようか…と思いつつ、しかし行く。

 11時50分から、6月16日に傍聴した道路交通法違反」(無免許の常習)の判決。
 ところが、期日取消! がーん。
 普通に推理すれば、なんとか再度の執行猶予を取るため、または刑期(求刑は8月)を短くするため、とうとう7台のバイクを処分する覚悟を決め、処分が終わりきらないので判決を延ばした…?

 今日出てきた目的の1つは、今週の東京簡裁の予定のチェック。
 今週は「窃盗未遂」が3件、入ってる。
   25日(水)10:00~10:45 728号法廷 新件
   25日(水)10:45~12:00 728号法廷 新件
   25日(水)13:35~?    826号法廷 判決
   26日(木)10:30~?    728号法廷 新件
 そのほか、第2回公判を傍聴できなかった「銃砲刀剣類所持等取締法違反」(秋葉原でのナイフ所持)の審理も入ってる。

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 13時30分から、東京地裁・刑事13部(中村昌史裁判官)510号法廷で、「威力業務妨害」の判決。
 13時15分から別の法廷で「道路交通法違反」の判決があり、以前ならそっちを傍聴してから、とするところだが、近頃は気まぐれな団体傍聴人が早々と傍聴席を埋めてしまうことがあるので、「道路交通法違反」はあきらめ、早々と「威力業務妨害」のほうへ。
 ところが、傍聴席40数席の法廷に、傍聴人は私のほか、被告人の家族と思しき女性2名を含めて5人きり。そういえば今日は団体さんの姿を(私は)見かけなかった…。

 被告人(身柄、拘置所)は、レンズ面の大きなメガネをかけ、肘から下の腕が筋肉質でやけに逞しかった。起立の姿勢がやたら良かった。右の指先が左より若干下がっていたけれども。
 事件は、4月11日の午後、秋田県内のドコモショップのお試し携帯電話から2ちゃんねるに、ある女性タレントのことで事務所(?)は謝罪しろ、さもなくば東京都新宿区内の小学校の小学生を無差別に殺す旨、書き込み、その小学校の教諭らに、約1週間にわたり、警護しながら引率して集団下校させるなどして、もって威力を用いて同校の業務を妨害した、というもの。女性タレントの件は、「独自の思い込みに基づ」くものだという。
 前科・前歴はなく、判決は懲役2年、執行猶予4年、訴訟費用不負担。

 10時から17時の予定で、地裁421号法廷に、“後期高齢者”による「殺人の新件が入っており、小窓から覗いてみると、被告人質問の最中。傍聴席に千葉正義さんがいた。
 15時(15時30分?)から地裁419号法廷で「会社法違反」の新件。珍しい罪名もナニも、会社法は2005年にできた法律(979条まであるよ!)なのだね。これは某氏が傍聴するという。
 なので、未練を残さず帰ることに。
 いろいろ理由をこじつけて、裁判所に居る時間を減らさねば。簡裁の「道路交通法違反」にだけ集中してるときは、どんな生活を送ってたのか、もう思い出せない…。
 と外へ出ると、見知りの弁護士さんにばったり。「あなた、毎日来てるのぉ?」と言われ、複雑に微笑むのであった…。

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2008年6月17日 (火)

レーダ式速度違反の否認に遭遇!

clip 13時30分から東京簡裁・刑事2室1係(武内晃裁判官)534号法廷で、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反」の審理。
 これは、4月8日に第1回を傍聴した、キャバクラの無許可営業の事件だ。第2回の5月13日は、いろいろごちゃごちゃあって裁判所行きをサボった。手帳を見ると、その後の期日が入ってないので、だから今日が第3回だろうと思う。

 ほんとは同時刻からの、東京高裁の「脅迫、名誉毀損」の判決を傍聴してからこっちへ来ようと思ったのに、コロッと忘れて最初からこっちを傍聴した。
 ちなみにその「脅迫、名誉毀損」は、被告人氏名で検索してもヒットなし。高裁判決を見逃したらもう、闇の底に沈んだようなもの。大失敗である。

 で、風営法の今日の期日は、論告・弁論。
 第1回公判よりも多くのことがわかった。被告人(女性)は2002年に、キャバクラ営業も可能と言われて開店しようとしたら、近所に学校法人の幼稚園があり、しかしすでに開店のために借金しており、後戻りできず開店した。何度か警察から警告を受け、2007年5月には、もうダメだ、ダイニングバーに切り替えようと思い、店の造作も変えた。が、店を任せていた店長はキャバクラ畑の人間だった。しかも、オーナーである被告人に月々50万円払うことになっており、売り上げ減少が直に響く立場にあった。そこで店長は、ずるずるとキャバクラ営業を続け、2009年9月に店は摘発された。店長はすぐに認めて略式で罰金50万円。被告人も、オーナーとしての責任を感じて略式に応じたところ、罰金100万円の略式命令を受けてしまった。100万円なんてないし、そもそもキャバクラ営業をヤメようとした自分がなぜ!? と正式裁判を請求した…とまぁ、縮めればそんな事件のようだった。
 すべての発端は、キャバクラ営業は可能と警察が言った、と少なくともそう被告人が思った、ことにある。警察は、間違ったことを断言調で言い切ることがときどきある、鵜呑みにしちゃいけないと、私は交通違反のご相談者にはよく言ってるんだが。
 求刑は罰金100万円。
 14時1分閉廷。

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restaurant 地下のそば食堂へ。
 昨日気づいたんだが、かき揚げそば大盛りは、注文の仕方(食券の買い方)によって値段が違うんだね!
   かけそば210円 + 大盛り80円 + かき揚げ100円 = 390円
   かき揚げそば370円 + 大盛り80円 = 450円
 前者のかき揚げは、小皿でもらい、自分でそばの上に載っける。
 後者のかき揚げは、最初からそばの上にあり、その上に汁がかかり、かつ、ワカメがつく。かき揚げ自体は同じようだ。
 うーん。特別空腹員食券濫用罪…す、すんません。
 今日は、
   かけそば210円 + 大盛り80円 = 290円
 とした。通風の痛みがまだ完全には退かず、ときどきヤバイ痛みを感じるので。

clip 15時から東京高裁・刑事6部(永井俊雄裁判長)410号法廷で、「道路交通法違反」の審理。被告人氏名に見覚えナシ。
 ま、どうせ無免許か酒気帯びの常習で実刑を食らい、情状証人の都合か、車の売却かでずるずる続行になった…程度だろう。でも、空振り覚悟で傍聴を重ねないとね。
 と法廷に入ると、暗色のスーツの男性が証人カードに記入してた。はは~、会社の上司が情状証人で出るのかな、と思ったら、ぬゎんと! 3月に東京簡裁と東京地裁・八王子支部で尋問を傍聴し、7月3日には東京地裁で尋問予定の、日本無線のヨシナガアキオさんではないか! これは日本無線のレーダ式測定機、JMA-240の否認事件だったのだ。大ヒット! こんなこともあるんだよね~。
 私はたいてい、検察官席に近いのほう傍聴席に座る。ヨシナガさんもそばに座り、私は我慢できずに(笑)尋ねた、一審でも証人出廷したんじゃないですか? と。答えはイエス。一審で尋問した証人を、高裁でも尋問する、しかもスピード違反の事件で。相当レアなことでは?
 審理が始まってわかった。一審は横浜地裁・川崎支部だという。控訴審での証人申請は、検察官のほうからだった。スタートスイッチの押し遅れが、どうも争点になってるらしかった。私は、そんなことで誤測定しないだろうと思うんだけど…。
 次回判決。最初に裁判官が提案した期日は、弁護人が差し支えとのこと。そして決まった期日は、上述の東京地裁での尋問の途中。なんだよ~。しょーがない。途中で抜けてこっちの判決を傍聴し、すぐ戻ることにしよう。
 15時19分閉廷。
 検察側の証人と親しそうにしてる私を見て、被告人はどう思っただろうか。まさかアレが今井亮一とは、夢にも思わないよねぇ。そのへん、語ると楽しいのだが、またにしとこう。

clip 15時30分から、東京地裁・刑事9部(秋葉康弘裁判官)422号法廷で、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反」の新件。
 若い奴がネットでインチキしたのか、と思ったらぜんぜん違った。
 これは、どうレポートしていいのか、うわぁ…。ばりばり週刊誌的な事件と思うが、ネットでちらっと検索した限りでは、どっこも報道してないような。
 私は傍聴中ずっと、堤未香さんのあの本を思い出していた。

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 あの本に出てくる、アメリカ流のえげつない医療ビジネスを。被告人はその、一種の犠牲者なのか…と。検察官もそう思ったのかどうか知らないが、被告人質問はゆるかった。普通、
「その言い訳を聞いてると、ぜんぜん反省してるとは思えないんですよ!」
 とか偉そうに突っ込みまくるとこなのに。
 ま、すごいのを傍聴してしまった…。
 今日は昨日と違って充実してたなと、私は傍聴席を出たのだった。

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2008年6月11日 (水)

検事さんよォ、人を騙してよォ、笑ってんじゃねーぞ、この野郎!

 昨日書いた、「ストーカー判事」のメールの件。産経ニュースほど詳細ではないが、朝日新聞でも内容が一部紹介されており、そこに「検察発表資料から抜粋」とある。ふぅん。もしかして検察は、メールの詳細な内容等を、つまり捜査資料乃至書証(とする予定の文書)の少なからぬ一部を、記者らに撒いてたわけ?
 被告人が書証の写しを求めても、「写させて良いとの法律がないからダメ」と断り、被告人の防御を妨害するくせに、記者には出すわけ? ふぅん…。
※ 2007年11月11日の記事「裁判員制度の本質とは」も関連。

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 さて、9時50分から東京地裁510号法廷で(中村昌史裁判官)で「公務執行妨害」の判決。
 4月8日、公園のベンチの前で、無灯火の自転車に乗って警察官2人から職務質問を受けた際、右手に持っていたシュークリームを1人の警察官の顔面に押しつけ、もう1人の警察官に投げつけたんだという。被告人は身柄(拘置所)。前科・前歴なし。
 判決は、罰金30万円、未決勾留中40日を、その1日を金5000円に換算して、その罰金額に算入。払うのは10万円でいいよってことだ。
 だけど、ええっ!? 地裁で罰金!? 確認したところ、求刑も罰金だったそうだ。そんなの簡裁でやればいいのに、なんで!? 起訴後に何か事情が変わった~とか?

           ★

 10時から地裁724号法廷(合田悦三裁判官)で「道路交通法違反」の判決。
 2月18日に(そのときも審理を)傍聴して、ひき逃げ死亡事件なのに、なぜ「道路交通法違反」なのか、ナゾだった事件だ。
 理由がわかった。被害者(5歳男児)は被告人の車(報道によれば米国製の四輪駆動車。戦争用のアレ?)に衝突されて転倒、背部から頭部を少なくとも1回轢かれて死亡した(可愛そうに! 戦争用の米車で日本の街路へ乗り入れるな!)が、それについては起訴されておらず、救護義務も報告義務も怠ったという「道路交通法違反」のみの、本件は起訴だったのだ。被害者は、米国製四輪駆動車の直前へ飛び出し、被告人には過失すらないとされたんだろう、と推測するのが最もストレートか。
 被告人は、衝突・礫過したことに気づかなかった、と否認していたわけだが、合田裁判官は、未必的認識はあったと認め、有罪とした。
 懲役2年、執行猶予4年。訴訟費用(証人費用)負担。
 黒いスーツの被告人は若く、小泉純一郎元首相の息子にどこかしら似てる。顔立ちやたたずまいが、根っからの“金持ち階級”そう、に見えた。

           ★

 約5分遅れて、10時30分からの「窃盗未遂」の審理を傍聴に、東京高裁803号法廷(中山隆夫裁判長)へ。拙著『裁判中毒』で一審・東京簡裁の様子を書いた、スリ未遂の真っ向否認だ。
 今日は弁護人、検察官、双方の最終意見。
 被告人の妻が、いつもの最前列で、顔を赤くして泣いていた。
 壇上の裁判官らは、気のせいか、なーんか、つまらなさそうというか、ま、これはものすごい妄想的憶測だが、無実らしいのに控訴棄却とせざるを得ない気持ちを黙って噛みしめているような…。
 次回判決。

           ★

 約11分遅れて、11時からの「器物損壊」の新件を傍聴に、東京地裁409号法廷(小川賢司裁判官。去年、高裁刑事3部、中川武隆裁判長のとこで陪席をやってた)へ。
 被告人(身柄、警察留置場)の氏名は女性風なのに、男性だった。
 入ると、第2の起訴事実についての甲号証の要旨告知が始まるところで、起訴事実は第5まであった。ぜんぶ、コンビニ等のトイレの電気コードを切断したというもの。“トイレ壊し魔”か。無職でイライラがつのっており、最初は犯行時ビクビクしていたが、切断したら気持ちがスッと楽になり…。
 店側は、水が流れなくなって気づいたんだという。電気仕掛けで水を流し、そのコードが露出してる? よくわかんなかったが、他に14件、同種のことをやっており、かつ、現在は偽計業務妨害で再逮捕中で、追起訴をどこまでやるか、続行。
 11時32分閉廷。
 終わってから、隣の傍聴人が霞っ子クラブの毒人参さんだと気づいた。被告人氏名が女性風だったので傍聴に来たんだという。私もだよ~。

 霞っ子クラブといえば、ユキさんが書いてる昨日の「犯人隠避、組織犯罪処罰法違反」って、私が2006年7月28日に第1回を傍聴したやつじゃないかな。私は昨日は武蔵野区検と府中刑務所へ行ってて…。

           ★

 13時10分から、地裁425号法廷(林正彦裁判官)で「化製場等に関する法律違反」の判決。
 懲役6月、執行猶予3年。「猟犬飼育の個人的な趣味乃至興味から…」と林裁判官は言ってたが、そうだったの? 前回5月19日は、上記「窃盗未遂」と完全にダブり、傍聴できなかった…。

           ★

 さぁ、もう帰ろうか、眠くて眠くて。
 けど、もうちょっと、と13時30分から、高裁720号法廷(田中康郎裁判長)で「犯人隠避、証拠隠滅」の判決。隠避と隠滅、ダブルの罪名は東京地裁では見たことないはず、原審は地方なんだろう、と。
 入ってきた被告人(身柄、拘置所)を見て驚いた。あれ、この人知ってる!! どこで会ったんだっけ。すぐにわかった、5月12日に第1回を私は傍聴してたのだ。なぜ私的な知人と、一瞬とはいえ勘違いしちゃったんだろう。
 さらに驚いた、同時刻から高裁410号法廷で「傷害致死、証拠隠滅教唆」の第1回があり、どっちを傍聴しようかと悩んで720号へ来たのだが、こっちの被告人の申告により410号の事件が発覚したのだった。
 もう少し詳しく言うと、被告人が銃刀法違反(実弾付き拳銃所持)で鹿児島地裁に服役しているとき、ある人物の死亡はじつはある男(410号の被告人)が金属バットで殴打する等して死なせたものであり、被告人も協力して証拠となる車に灯油をかけて燃やしたことを、白状し、それにより、410号の被告人および一緒に車を燃やした2人は逮捕された…と。
 判決は、控訴棄却。
 被告人は判決理由を聞きながら首をひねり、終わって裁判長に食いついた。
被告人 「じゃ、自分が言ったことは、バカみたいことだったんですか!」
 被告人と裁判長とで、けっこう長いやり取りがあった。
被告人 「刑事、検事は、俺の事件を解決して、地位が上がってるんですよね」
 いっしょに車を燃やした2人は懲役1年、自首した自分は懲役1年2月、納得いかないわけだ。裁判長は、1年は証拠隠滅の分であり、死亡した被害者について病院や警察に虚偽の説明をした犯人隠避のほうは2カ月、ものすごく軽くしてあると言い、更生のためのプロフェッショナルぽい人生訓みたいなものを言うのだが、被告人は納得いくはずもない。だって、一審で自首の主張がなかったのでと、控訴審での自首(刑法42条1項)の主張は封じられてるわけだし。
 13時48分、被告人は再び手錠・腰縄につながれ、
被告人 「検事さんよォ、人を騙してよォ、笑ってんじゃねーぞ、この野郎!」
 と出て行った。
 私は傍聴していて、思った。自首すれば、自首により逮捕された者(本件では暴力団員)から激しく恨まれるはず。自首なんかしないほうがいいよね…。
 痴漢やスリ未遂の疑いをかけられたら、やってなくても直ちに認めてヘコヘコしまくるほうが絶対にお得だよとか、裁判傍聴を重ねてると、そんな知恵ばかりついてくる。いいのか!?

 同じ法廷で、「住居侵入、暴行」の判決と、「窃盗、強盗未遂」の第1回を傍聴して、私も帰る…。

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2008年5月28日 (水)

特定の女性を狙ってのひったくり

5月27日(火)

 通風発作の痛みはだいぶ和らぎ、しかし靴はまだ履けず、下駄でひょこひょこ裁判所(東京千代田区霞が関の裁判所ビル)へ。あ~恥ずかしい。
 めっちゃ忙しいのだけど、簡単に報告を。

clip 9時55分から簡裁728号法廷で、働かない弟から逃れようと警察官を殴りに行った「公務執行妨害」の判決。罰金30万円、満つるまで算入
裁判官 「むしゃくしゃするってことは、社会でよくあると思いますが、警察官、ぜんぜん関係ないですからね」
 終わって、
弁護人 「あの、罰金全部チャラだからね」
被告人 「あっ、ありがとうございます!」

clip 同じ728号法廷で10時00分から、「道路交通法違反」(無免許)の判決。罰金25万円、満つるまで算入。
裁判官 「去年の10月に略式、無免許で受けてますよね。幸い、人身事故は起こしてないようだけども、違反もいっぱいあるようなんで、十分注意してください」

clip あと午前中に傍聴したいのは、10時45分から簡裁534号法廷の「窃盗未遂」のみ。 10時05分から「住居侵入、建造物侵入、窃盗」の判決が728号法廷であり、ついでに傍聴。
 若くて背が高く、イメージ的に悪そうな被告人。でもラーメン屋を開く夢があるんだという。無施錠のドアから侵入して盗むという手口で、被害総額約100万円。累犯前科あり。懲役1年4月、未決50日算入。

clip いったん728号法廷を出たが、廊下の開廷表に10時30分から「暴行」があるのを見つけ、傍聴してみることに。いやはや、これが、驚いた。10時45分から簡裁534号法廷の「窃盗未遂」はパスすることに。
 マンション下の公園で小学2年生女児に対し、からかってやろうと、足払いして倒し、馬乗りになって手をひねり、罰金20万円の略式命令を受けたが、不服があって正式請求した、という事件。10時45分からの「窃盗未遂」はパス、こっちを最後まで傍聴することに。
 被告人は、なかなか良い感じともいえる45歳なのに、アルコール依存症で、罪状認否や被告人質問でのやり取りが、漫画的というかなんというか、被害女児の母親の証言も含め、私の傍聴ノートは13ページにもわたってしまった。傍聴本の第2弾を出せるなら、ぜひ載せたい事件だった。
 求刑は罰金20万円。次回判決。
 11時15分までの予定だったのに、11時42分閉廷。

clip すぐに、11時15分からの予定の「窃盗・窃盗未遂」の被告人が、手錠・腰縄で入ってきた。ひどく待たされて、刑務官も被告人も可哀想。
 入ってくるなり、被告人は傍聴席の男を見て、
被告人 「あれっ、係長、どうしたの!」
 と、うれしそうにニッコリ。傍聴席の男は警察官のようだ。
 なんとなくこれも傍聴することに。
 起訴事実は2件。1件は、高田馬場の書店でのコミック本8冊の万引き。そしてもう1件が、びっくり。新宿で氏名不詳の男から、ある女性のバッグをひったくるよう、その女性宅の門が写った携帯電話写真を見せられて依頼され(報酬は1万円)、夜、待ち伏せたが女性は帰宅せず、翌朝、出かける女性をつけ、世田谷の代田橋の駅前でひったくろうとし、抵抗され、たまたまバスを待っていた会社員に私人逮捕された、というのだ。そんなひったくりって、あり? 氏名不詳の男の狙いはなに?
 検察官のほうで調べることがあるそうで、続行となった。
被告人 「うわ、めんどくさ! また来なきゃいかんよ」
 再び手錠・腰縄をつけられるとき、傍聴席の男に振り向いて言った。
被告人 「カトーレンゴーのケーが捕まっとるよ」
 そして、「早く終わらせてくれよ」とつぶやき、「3年だろ?」と検察官に声をかけ、刑務官に挟まれて奥のドアから出て行った。うわ~。
 12時20分閉廷。

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clip 13時15分から地裁725号法廷で、第1回を見逃した「公務員職権濫用・強制わいせつ」の判決。
裁判官 「被告人を懲役2年に処する……」
 なんだこの“間”は。執行猶予をつけるのか? 被告人は期待したに違いない。
裁判官 「……主文は以上です」
 実刑である。内容は報道されてる
 この片岡理知裁判官、私はお初。なんと言っていいのか、だいぶ変わった人だと思う。被告人は保釈で、実刑判決により保釈が取り消されることになったのか、検察庁の職員2人に連れられ、奥のドアから退廷。

clip 同じ法廷で、続いて13時30分から「業務上横領」の判決。営業主任をやっていた会社から、17回にわたり、総額1千万円を超えると思われるアルミニウム板、総計19トン弱を横領し、スクラップ屋に140万円くらいで売却したんだという。懲役2年、未決30日算入、訴訟費用不負担。

noodle さぁ、これで今日の傍聴は終わり。腹へった。1階へ降りると、例の娘さんがいて、毒人参さん(今発売中の『ドライバー』の「女一人で海外裁判傍聴の旅 世界の裁判ここにあり!」参照。北欧、東欧あたりのパトカー写真満載)と、某大学院生君にも会い、4人で国土交通省の食堂へ。途中、警視庁と警察庁へ寄り道して…。
 食後、合同庁舎2号館と3号館の間の、あの公園みたいなところで、4人で休憩。日差しが暖かく、幸せ~。

foot 帰宅して仮眠。足はもうだいぶ良くなった、明日には快癒だろう、と思ったのは一瞬、今度は同じ右足の、親指の付け根付近に嫌~な痛みが。だんだんと痛みは増し、赤く腫れてきた。息をするのも苦しいくらい。これってば、本格的な通風発作だ~! 中指の次は親指って、そんなのあり!? 28日(水)は11時45分から405号法廷で、5月21日に第1回を傍聴した「脅迫」の判決があるのに…。

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2008年5月21日 (水)

正義ぶった検察官もいつか真人間に

 時刻を間違えて人定質問に遅れ、ヤメようかどうしようかぎりぎりだったのだが、某氏が立ったあとの席(良い席)に座らせてもらえたこともあり、結局最後まで傍聴してしまった、13時15分から東京地裁・刑事10部(野村賢裁判官。私はお初)403号法廷(狭い法廷)の、「脅迫」の新件、落語協会を脅したと報道されてたやつ

 傍聴ノートは8枚半に渡り、やり取りを逐一書いていくと非常に興味深いと思うのだが、今回の記事は是非とも短くしてくれと、仕事等が押せ押せになり焦り始めたもう1人の私が言うもんだから(笑)。

 ま、ちょっとだけ挙げるなら、報道に出てきたのは、事件のごくごく一部なのだな、ということがひとつ。とくに、被告人はなぜ「破門」になったのかという部分。そこは阿曽山大噴火さんがレポートしてくれるんじゃないかな。
 それから、「ナメとったら命落とすど(ぞ?)」「全員殺すぞ」「お前らも巻き添えや」とか電話をかけまくったことについて、被告人は「ちょっと言い過ぎた」と反省し、それに対し検察官、裁判官は、「あなたにとってあれらの言葉は『ちょっと言い過ぎ』という程度なのか」旨、しつこく突っ込んだのだが、「あんたらの業界では『殺しちゃうよ』とかごく普通の言葉なのか」とは誰も問わなかったことが、私は不思議に感じた。
 あと、この検察官(私はお初)は、キャラが立ってたよぅ。“正義の執行者”ぶった、嫌らしいエリート小僧風のキャラが。表情や仕草にも、存分に現れてた。証人や被告人が言うことを、自らの語彙に置き換えて固定し、その置き換えた言葉をもとに、勉強秀才風の理屈で突っ込むという、ありがちなシーンも見受けられた。
 しかし、若いときにこれほどキャラが立つってことは、逆に大いに見込みがあるといえる。そのうちどかんと挫折を経験して、私のような真人間になれる可能性がある、うむ、頑張りなさい、どわはははははっ。
 ちなみに野村裁判官も、だいぶんに個性的だよねぇ。このペアの公判には、傍聴マニアが張り付くことになるぞと、予言しとこう。
 求刑は懲役1年。14時20分閉廷。

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 14時30分から東京高裁・刑事7部(植村立郎裁判長)717号法廷で、「傷害致死」の判決。ちょうど時間が良かったので、なんとなく傍聴したのだが、びっくり。
 知的障害で自閉症でアスペルガーで、感情をコントロールできず衝動的に暴れたりする弟(42歳)に対し、病院は満員だと断られて入院させることもできず世話してきた兄(犯行時47歳)が、とうとう、凄まじいまでの暴行をふるい、左肋骨3本、右肋骨6本骨折、骨折端が胸膜を突き破って肺に達し、右血胸(けっきょう)等で死亡に至らしめた…簡単に外形だけいえばそんな事件。これも詳細を書くと「ええ~っ!?」なのだが。
 一審は情状を酌んで、傷害致死の下限の懲役3年としたが、

刑法第二百五条  身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

 検察官が控訴したのだった。で、控訴審の判決は、原判決破棄、懲役4年6月、原審の未決90日算入。保釈中だが、控訴審でも勾留期間があり、その期間は法律の定めに従って全部算入されるんだとか、植村裁判長が言ってた。あとで法律を確認しとこう。
 植村裁判長は、
「公判前整理手続きの、よりふさわしい形での運用が示唆される事案ともいえる」
 なんてことを言ってた。植村さんは本をいろいろ書いてるのだ。

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 3時から民事のほうで「ひろゆき」の控訴審第1回…と思ったら明日だった。
 来週の予定を木曜分までチェックし、15時30分から地裁・刑事17部(市川太志裁判官)723号法廷で、「道路交通法違反」の判決。
 2005年1月に無免許で罰金刑を受け、同年5月に無免許で懲役4月、執行猶予4年となり、それから新車を買い、本件は2008年3月の無免許。
 判決は懲役6月。被告人(72歳!)の保釈は取り消されることになり、大きな荷物を持って、検察職員とともに奥のドアへ消えた。

 続いて15時35分から「公務執行妨害」の判決。
 これ、16時15分までとノートにメモがあり、「40分全部使わないまでも、公妨の判決としては長すぎない!? 無罪!?」と傍聴してみたのだ。
 んが、通訳付きの事件だった。通訳付きは長くなる。被告人は、外国人氏名。そんなこと、メモするときチェックしとけよっ。

 とはいえ、「ええっ!」となる事件だった。被告人(身柄、拘置所)は、何歳ぐらいなんだろう。妙な表情をしていてわかりにくいのだが、ま、30歳前後なんだろうか。永住資格あり。昨年12月25日の昼前、千代田区永田町、総理官邸付近で、職場を解雇され生活が不安定なことを(通訳の言語はどうも中国語)、総理大臣に訴えようとし、警戒に当たっていた警視庁警部の大腿部などを多数回蹴り、胸を多数回殴打したんだという。その直前には議員会館へ民主党のオザワという議員に訴えに行き、会えなかったんだという。しかし、暴行に当たることをしてないし、公妨の故意もない、という主張だったらしい。
 判決は、懲役1年、未決60日算入、保護観察付き執行猶予3年。あの付近には監視カメラがたくさんあるのに、その記録画像のことは、判決理由には出てこなかった。
「適切な監督者の存在がうかがわれないことを考慮し、保護観察を付することとしました」
 と市川裁判官。しっとり柔らかそうな長い髪のお姉さんの通訳が、それなりに早口なのだけど、おっそろしく長かった。
 15時58分閉廷。

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 それから警視庁へ寄り、今日は9件開示請求。昨日は8件。アフィリエイトのポイントを監禁もとえ換金せねば! じつは最近、アフィリエイトのことで、サイトを見たり電話をかけたり、某娘さんに教えを乞うたり、いろいろ頑張っているのです、私なりに。遠くふり返れば、当ブログの主たる開設目的は「アフィリエイトで1億円!」だったのだから。

 23日(金)の昼間、日比谷野外音楽堂でイベントがあるよ~

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2008年5月20日 (火)

包丁は夫の肺、横隔膜、胃袋を貫通

 今朝は、ものすごい風雨。横浜地裁・川崎支部の裁判官が、強風で通勤の電車が遅れ、向精神薬「リタリン」の詐欺の判決言い渡しに約40分遅れたそうな
 私の場合、午前9時半までに新宿着の急行等、の先頭が女性専用車両の扱いになる路線で、「9時50分ちょいに新宿着だから大丈夫」と先頭車両に乗ったら、見渡す限り女性ばっか、ぎょわっ!? ということがあった。そういえば電車が1時間ほど遅れてるとの案内があったっけ。遅れがなければ8時50分ちょいに新宿着、だから女性専用? との可能性を考えて隣の車両に移ったが、あとで表示をよく見たところ、そうは読めなかった。あれは何だったのか。たまたま偶然、見渡す限り男性がいなかっただけ、なのか…。

 今日は、東京簡裁・刑事2室2係(小川利行裁判官。この人、映画俳優の誰かに40%くらい似てない?)728号法廷で、10時30分から「公務執行妨害」の新件、11時15分から「道路交通法違反」の新件。
 どうしても傍聴したい事件が、こうして同じ法廷で2件続くのは、非常にラッキー。
 公妨をなぜ、どうしても傍聴したいか? それは、公妨も道交法違反と同様、簡裁の公判廷へ出てくるってことは否認の可能性が、他の事件に比べてどどんと高いからだ。そのへん『裁判中毒』で詳述。

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 けど、両方とも否認ではなかった。そんなこともあるよね~。
 公妨のほうは、働かずに同居する弟から逃れたくて、酒を飲んで交番へ警察官を殴りに行ったという事件。交番内の防犯カメラの映像によると、被告人のいきなりの渾身のストレートパンチを、警察官は巧みな体裁きで防御し、現行犯逮捕したという。おお~。
 求刑は罰金30万円
 道交法違反のほうは、罰金前科1犯ありの無免許。
 求刑は罰金25万円
 いずれも被告人は41歳で、身柄(拘置所)。犯行日は3月の23日と28日。職業は、無職ではないものの不安定。逮捕・勾留して「満つるまで算入」(またはかなり算入)、の事件なのだろう。←その意味も『裁判中毒』で詳述。
 道交法違反の閉廷は11時40分。

 今日はどうも体がだるくて重くて眠くて。土曜と日曜、有酸素散歩約1時間を頑張りすぎたせいか。昨夜7時間ほど寝たが、その前が3時間ほどだったせいか。それとも気圧と湿度のせい? もう帰ろうよ、いや、もう少し…。
 ダレた気分を盛り上げようと、一方通行の地下通路を通って、滅多に行かない家裁の地下食堂へ
 悩んだ末、広東麺470円。職権もとえ食券を買って配膳口に並んだとき、とんでもないことが起こった! 私の前のスーツの紳士(60代後半か70歳くらい?)が、体を前に折り、配膳口のステンレスの部分に顔面を…。どういうギャグ? 変な人ぉ…と思ったら次の瞬間、紳士は、体から何かが抜けてしまったように、ぐにゃりと後ろへ崩れた! うわ! 私はあわてて支えたが、何かが抜けた体は重く…。紳士は仰向けに倒れた。気道が塞がれないよう、紳士のあごが少し上を向くようにし、呼びかけたが、反応がない。胸を触ってみると、動いてない!? げっ、心肺停止!? それは早合点で、間もなく紳士は意識を取り戻し、もっと経ってから起き上がれたのだが、や~、焦ったよぅ。  
 じつは私は、家裁の食堂は慣れなくて、中華と和麺とどっちに並ぶのかよくわからず、ちょうど紳士の真後ろにいたのね。慣れてれば横にいて、その場合、突然のことに呆気にとられるばかり、支えられなかったかもしれない。そしたら紳士は固くつるつるの床にゴツンと禿頭(とくとう)の後頭部を打ち付け、大変なことになってたかも。私も、いつ倒れるか知れない。倒れるときは幸運な状況で、と思ったよぅ。
 広東麺を食べてから14階の医務室へ行ったら、「倒れた瞬間は誰も見ていない」とのことで、119番通報したのは私ですと、状況を説明…。

 というわけで、東京地裁・刑事16部(後藤眞理子裁判官)726号法廷で、13時30分から「道路交通法違反等」の、13時40分から「覚せい剤取締法違反」の、13時50分から「道路交通法違反」の、判決。
 13時前に、そばの一般待合室で求刑もとえ休憩してたら、若い学生風の男女がいて、「さっきの司法修習生じゃない?」「俺も来年あれになるのかぁ」「あたしはこの部に配属になるかも」とか談笑してた。法科大学院の学生なんだろうか。

 彼ら彼女らの目当ては、726号法廷のお隣、東京高裁・刑事8部(朝山芳史裁判長)725法廷での、13時15分からの「殺人未遂」(被告人は女性氏名)の新件だ。
 私も傍聴してみた。被告人は黒いタイトスカートのスーツの、ハンカチを握りしめときどき涙を押さえる若い女性。おっそろしく声が小さくて、私は最前列で身を乗り出したけど、人定質問はほとんど聴き取れなかった。。
 裁判員裁判に備えて、検察官は後ろの巨大スクリーンを使って冒頭陳述を行った。文字や矢印が、びわわ~んと(そんな音は出ないけど)現れて大きくなる、という技(わざ)も用いられていた。
 以下は、2008年2月2日付け産経ニュース。■部分は記事では実名。

夫婦げんかで夫刺す 東京・江東
 2日午前1時15分ごろ、東京都江東区東砂のマンション住人から「夫を刺した」と110番があった。警視庁城東署員が駆けつけたところ、タクシー運転手の男性(39)が背中から血を流しており、妻が包丁で刺したことを認めたため、傷害の現行犯で逮捕した。夫は病院に運ばれたが重傷。
 逮捕されたのは無職、■■■■容疑者(31)。
 調べでは、■■容疑者は同日午前1時10分ごろ、夫とけんかになり、台所にあった柳刃包丁(刃渡り約20センチ)で夫の背中を刺した。■■容疑者は「首を絞められるなどの暴行を受けた」と供述している。

 だが冒陳で語られた内容は、要するに…。被告人は夫以外の男性といわゆる不倫関係にあった。夫は疑った。1月30日未明に被告人が帰宅したところ、夫は使用済みの避妊具を発見。被告人は、相手は行きつけのスナックの客で名前も知らない、今回だけだと言い逃れた。夫は被告人を殴ったり蹴ったりした。翌31日夜、夫はそのスナックへ行ったが休みだった。翌2月1日にも行ったが客はおらず、被告人の言い分はウソと夫は思った。翌2月2日の午前1時すぎ、夫は被告人を暴行、詰問した。夫は包丁を持ち出したが、危ないと思ってダイニングテーブルの上に置いた。その後、夫がそのテーブルのそばにしゃがんで娘と会話していたとき(娘が2人いる。両親の激しい諍いに起きてきたんだろうか。ここで私のそばの若い女性傍聴人が、声帯を震わせずに「えーっ!」と小さく発した)、被告人はテーブルの包丁、刃体長20.7センチの、細身の鋭い柳刃包丁をつかみ、夫の背中のほぼ中心を刺した。包丁は、深さ16~18センチ、刃の大半が突き刺さった。被告人は次女を連れてマンションを飛び出した。が、夫や長女が気になり、戻って110番通報。包丁は夫の肺、横隔膜、胃袋を貫通しており、1万cc近い出血(ここでまた若い女性傍聴人が「えーっ!」と発した)。夫は全治約3週間の胸肺部刺創等…。
 続いて弁護人による冒頭陳述が始まった。これは公判前整理手続きの裁判なんだろう、13時15分から17時まで取っている。裁判員制度がスタートすると、午前中に裁判員と補充裁判員の選任手続きを行い、その後さっそく、こういう審理が始まるのだ。
 検察官の冒陳を聞けば、被告人はまったく悪質きわまりない不倫妻! ではあるけれど、弁護人は何を言うのか。たとえば、被告人は数年来、夫から激しい虐待を受けており、そのことで相談した優しい男性と、つい肉体関係を持ってしまい、それがバレて、今回は娘が起きてきたので夫は包丁を置いたが、次は必ず殺される、とパニックになり発作的に刺した…とか言うかもしれない。

 しかしもう13時26分、私はそっと傍聴席を立った。満席の暑い法廷で、素人への印象づけが勝負ともいえる公判を、みんなといっしょに長々見ててもしょーがない。私は私の持ち場へひっそり戻ろうと。

 725号法廷(20席)は、ガラガラ。傍聴人は、いちばん多いときで私の他に2人しかいなかった。
 13時30分からの「道路交通法違反等」は、酒気帯び・自動車運転過失傷害・措置義務違反(ひき逃げ)だった。判決は懲役1年6月、執行猶予4年
 13時40分からの「覚せい剤取締法違反」は、累犯前科ありで、懲役1年6月、未決算入30日
 13時50分からの「道路交通法違反」は無免許で、懲役5月、執行猶予3年、訴訟費用負担。

 終わって14時53分、726号法廷のドアの覗き窓から覗くと、さっき私が座っていた席も埋まっていた。
 埋まっていなくても戻るつもりはなく、早々帰って少し仮眠。幸運を願う前に、ムリして倒れないようにしなければ、と。

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2008年5月19日 (月)

手首のひじに近いほうをつかんだと証言しながら…

 803号法廷は、この廊下のいちばん北のほう。ずんずん歩いていくと、周囲は暗くなり、なぜか左右に赤ちょうちんやスナックが。裁判員制度の関連の、工事かしらん。803号法廷はどこだっけ、中華店の女性従業員に尋ねたところ、そこを右に折れた先だという。あそう、ありがとう。…んが、ここって中華店の店内ではないか。そこをぐるっと回ったところですよ、と女性従業員。窓外に、なるほど、ぐるっと回る通路が…って、大きな池の周囲の、あの朽ち木の柵みたいなのを伝って行くのか? ま、いいや。外へ出ると、雪。おぉう、これも風流か。朽ち木の柵を伝って行くと、やっぱしねぇ、足を滑らせ、池へどぶん。でも、幸い池は浅く、片足ですんだ。なんのこれしき。秋の枯葉が積もり腐ったような地面は柔らかく、気持ちが良い…。
 それから、もう忘れてしまったが、これじゃあ開廷時刻に間に合わないかも! となる事件があって、目が覚めた。3時間しか寝てないにょ! 3日連続、裁判所の夢。かつてこんなことはなかった。裁判中毒、いよいよヤバイぞ(笑)。

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 11時30分から、5月9日に第1回を傍聴した「住居侵入・ストカー行為等の規制等に関する法律違反の判決。
 12分ほど前に行くと、すでに法廷前に10人近く。11時25分には満席(20席)。
 判決は、懲役1年、保護観察付き執行猶予3年
 裁判官は、執行猶予と保護観察の意味を長々説明し、事件の内容には一言も触れなかった。好奇の目を輝かせる傍聴人の前で、被告人(身柄、拘置所)の所行を晒したくなかったとか? もしそうだとすれば、傍聴人の存在は刑罰効果となる、ともいえるんじゃないか。ふぅん。
 11時35分閉廷。直ちに傍聴席に背を向けそそくさと奥のドアへ去る被告人を、その関係者(母親?)らしき女性が、ずっと立って見送っていた…。

 警視庁へ寄り、8件開示請求。
 国土交通省の地下の、新しい食堂で、和定食A。500円。うーん、悪くないとは思うのだが、懐かしの第5食堂ほどの満足感はない。第5食堂に魅入られし者の、これから放浪の旅が始まるのだ、なんつって。

 13時10分から、東京高裁・刑事11部(池田耕平裁判長)715号法廷で、「道路交通法違反」の判決。
 被告人は、チョーお年寄り。被告人席から証言台の前へ、よろよろ伝っていく、という感じ。2006年10月に無免許運転で懲役5月、執行猶予3年の判決を受け、本件は2007年6月の無免許。原判決は懲役5月控訴棄却、当審の訴訟費用不負担。
裁判官「歳も歳だし、体も体だから、つらいとは思いますが、2度目は、やはり罪を償ってもらえわねば、というのが裁判所の判断です」
 刑務所内で寿命を全うすることになるんだろうか。

 その判決が始まる前に、あらま! 『裁判中毒』の175ページに登場する、元裁判官の弁護士さんが。次の「詐欺」の弁護人なのだという。
 13時13分閉廷。

 しかし私は715号法廷を出て、13時30分から、向かいの717号法廷(高裁刑事7部、植村立郎裁判長)、「埼玉県迷惑防止条例違反」の控訴審第1回へ。
 埼玉から東京への電車内において、埼玉で痴漢して東京に入って逮捕された事件かな。否認かな。と傍聴してみたところ、電車内の痴漢かどうか不明なものの、否認だった。
 検察官が、埼玉県の同条例を証拠調べ請求。原審ではそんなもの当然わかってる前提で、証拠としては調べなかったので、と。弁護人は同意。
 弁護人も証拠調べ請求。被害女性の供述の変遷について。それは原審で主張すべきことなのだが、弁護人のほうは、そんなもの当然わかってると思ったら判決では無視されたと、どうもそういうふうなことらしかった。
 その取調請求に対する検察官の意見は、「異議はございません」。私は驚いた。そこは「不必要」と述べるのが決まりじゃないの?
 植村裁判長は、検察官に異議がないことも理由に挙げ、続行となった。あの検察官、なんで「不必要っ」としなかったんだろう。腹に一物ある、見所アリの人物?
 13時46分閉廷。

 一服しに降りた1階で、さっきの弁護士さんにばったり。
 未決算入のこと、高齢服役者の処遇のこと、裁判になる度に反省・悔悟を誓い、しかしくり返す者を、有罪にして刑務所へ送ればいいのかということ、そういう人たちに対し、エリート検察官・裁判官がいくら偉そうに反省・悔悟を強いてもダメだということ、じゃぁどうあるべきか、等々の話を、楽しく興味深くさせてもらいました。勉強になるな~。つか、「じゃぁどうあるべきか」について、意見が一致したのが、ね。その話はまた今度。

 14時から東京地裁・刑事20部(齋藤千恵裁判官?)431号法廷で、「器物損壊」の新件。
 被告人(身柄、拘置所)は63歳。外見は暴力団っぽいのだが(実際、過去に暴力団員だったという)、背が高く小顔で、格好いい。人定質問で生年月日を言うとき、あれ? この訛り(なまり)は…と思ったらそうだった、本籍は石川県だった。おぉ~。
 要するに、酒に酔って勤務先(建築・解体関係?)の事務所のアクリル看板(電灯入り)を、観葉植物の幹を持って叩くなどして損壊したんだという。
 監禁致傷等で前科9犯、うち3犯は本件と同種の建造物損壊等。2007年10月に建造物損壊(等?)で懲役6月、執行猶予3年の判決を受けての、本件は2008年3月の犯行。
 私も石川県出身。身びいきで言うわけじゃないが、この被告人の法廷供述は、非常に、なんというか、損得抜きで誠実に真摯に、真情を吐露しているものと思えた。
 ただ、弁護人が弁12号証まで出したのには、おどろいた。

 14時22分、被告人質問の途中で、私はそっと退廷。
 東京高裁410号法廷で、5月12日に第1回を傍聴した「脅迫・威力業務妨害の判決。広い法廷に、傍聴人は私を含め7人だったかな。
 14時28分、弁護人が来た。被告人が来ない。弁護人が外へ出て、戻って書記官に「今連絡したんだけど…とれない…」と。14時31分、弁護人の携帯がブブブと鳴ったような音が聞こえ、弁護人は「もしもし~、あ~はいはい」とまた外へ。すぐ戻り、書記官に「出廷しない…」と。やり取りからして、出頭する予定だったのに、急に来ないことになったらしい。
 14時31分、3人の裁判官が登壇。
 主文、本件控訴を棄却する。
 聴き取れたところによると、控訴の趣意は、審理不尽、事実誤認だったようだ。脅迫の構成要件不該当、脅迫の結果の不発生、脅迫の故意の不存在、威力業務妨害の構成要件不該当、認識の不存在といったことを争ったらしいが、中川武隆裁判長は1つひとつおそろしく簡潔に斬り捨てた。「(被告人側は)白と解釈すべき主張するが、事実自体が黒であることは明らか、よって白と解釈できず黒である」というふうな論法と聞こえた。当たり前すぎて…みたいな。「ねたみ」という言葉が判決中に何度か出てきていた。

 14時41分閉廷。
 急ぎ、さっきの「器物損壊」へ。なぜか529号法廷と間違えて回り道してしまったが、14時43分、そっと431号法廷へ戻ると、まだ弁護人からの被告人質問の途中だった。長っ。
 前述のとおり、この被告人は非常に好印象で、検察官2人(男女)が、例によっての、失礼ながらエリート坊ちゃん、嬢ちゃんが机の上で考えました、みたいなパターン化した突っ込みをするのが、哀れに思えた。

 14時55分、私はまた途中で退廷。
 廊下を走って、冒頭の夢に出てきた803号法廷(高裁刑事5部。中山隆夫裁判長)へ。4月21日に控訴審第2回を傍聴した「窃盗未遂」(電車内でのスリ未遂)の、被告人質問なのだ!
 睡眠不足で、途中少し、気を失うように眠ってしまったものの、16時16分までの長い被告人質問のなかで、決定的だったのは、犯行時は冬で被告人はダウンジャケットを着ていたのに、ゴトー巡査は現行犯逮捕する際、被告人の手首のひじに近いほうを両手で掴んだと、ダウンジャケットのことに一切触れずに証言してたことだ。真実は、ゴトー巡査とウチダ警部補が、被告人はスリ犯だ! と固く見込み、よっしゃパクってやろうと追尾し、被告人がリュックを持ち替えるため身動きしたところを、慣れないゴトー巡査がカーッとなって「スリだ!」とやってしまった(被告人の手の甲の部分を強く掴んだ)、ということである可能性が大いにある。被告人の供述には、かなり説得力があったと思う。
 しかし、解釈じゃなくてそもそも事実認定については、「無罪の可能性については徹底的に疑い抜き