遺産相続詐欺の被害高齢者、さらに騙され覚醒剤の運び屋を
最近傍聴した中から、特に印象深かった事件を、2件だけ。
東京地裁、「電子計算機使用詐欺」、新件。
恐怖の夏休みに加え、開廷表の被告人氏名が女性名、42席の傍聴席はぎっしり満席!
と思いきや1席だけ空いていた。レジ袋がくしゃっと置かれ、隣の席に、なんというかちょっと個性的な大柄男性が…。黄色い腕章を付けて裁判所の職員(若い女性)が1人いたが、声をかけなかった…。
被告人は、可愛い少女のような、でも大卒で、ある国家資格を有する、30代の女性だった。
179円の飲料水のバーコードを、洋生菓子等、販売価格合計3390円相当に貼り付け、セルフレジでそのバーコードをスキャンし、合計3211円の支払いを免れた…。
従業員に声をかけられ、発覚したんだという。
値引きシールを惣菜に貼って店員を騙した「詐欺」は傍聴したことがある。セルフレジを騙すと「電子計算機使用詐欺」になるんだぁ。初めて傍聴する。
この手口を、被告人はネットで知ったらしい。すでに流行してるのか?
前科はないそうで、執行猶予は決まりと私なんかは思う。でも弁護人(もしや私選?)は万全の弁護活動を考えており、続行となった。
被告人はぶかぶかの衣服を着ていたが、首を見て私は感じた、重い摂食障害!? その関係の情状立証をするのかも。
8月12日からこの裁判官は夏期休暇に入るという。次回は9月となった。
東京高裁、「覚醒剤取締法違反、関税法違反」、判決。
被告人は身柄、半袖ワイシャツに黒ズボンの、お年寄り~。80歳代か。補聴器のポウチを腰に巻き、耳にイヤホンを。
裁判長 「主文。本件控訴を棄却する。当審における未決勾留日数中150日を原判決の刑に算入する」
覚醒剤の密輸入で、事実誤認の主張。原判決は不明だが、懲役10年±2年、罰金300万円±100万円、てとこじゃないかな相場的に。
おっどろいた。遺産詐欺というのか、数億円、数十億円の遺産をあなたに受け取ってほしい、あなたが指名された、とかメールがきて、「間違いかと思います」とか何でも返信したら、カモ認定され、とことんむしりとられる、ならまだいいほうで、違法薬物の運び屋にされることもある。
本件はまさにそれだった!
被告人は現役時代に外国語を普通に使う仕事に従事していたようだ。「ハッサン」なる者が遺産相続の窓口だったようで、400万円を送金、そのうえで、手続きがどうとかで南アフリカへ渡航し、何かの書類にサインし、スーツケース(被告人が見た限り、中身は何やら書類と子ども用の古着)を日本へ持ち帰るよう言われた。
そのスーツケースに覚醒剤が隠匿されていたのだ。量は、申し訳ない、この日の私はひどい睡眠不足で、少し気を失ったらしく、メモできてない、記憶にもない。
そんなのがなぜ有罪で、控訴審は被告人(弁護人)の無罪主張を退けたのか。
ずばり、最初に有罪と決め、なのであらゆことを有罪方向へ傾け、歪め、有罪と解釈しまくって有罪とする、ばりばりそのパターンと私は呆れた。
高額の遺産相続などあり得ない、騙されるはずがない、違法なブツの運び屋としての認識があったはずだ、違法なブツから覚醒剤だけ除外できる理由はない、よって覚醒剤の密輸入の故意が認められる、みたいな。
そういえば、何年か前、香港のお年寄りだっけ、その種の詐欺にまんまと騙され、家族が止めるのも聞かず、大金を送金したうえに、覚醒剤の運び屋に仕立て上げられ…。
欧州のどこかの国の女性が、ラブラブ詐欺っていうのか、まんまと騙され、彼氏の仕事の通訳のため日本へ行ってくれと言われ、スーツケースを託され…。
東南アジアの若い女性が、彼氏の親か親戚から、誕生日に日本旅行をプレゼントされ、憧れの日本旅行、親友(同じく若い女性)を誘い…。
そんなのもあったよねえ。それらを通じて、私は痛感したもんだ。
「どんな理由であれ、運び屋が無罪になれば、犯罪組織の宣伝に使われる。どんな事情があろうと、覚醒剤を運んだという外形的な事実だけで有罪にするのだ。日本をナメんな!」
ま、そんな感じなのかな、と。

