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カテゴリー「刑事/その他刑事」の535件の記事

2023年9月26日 (火)

妄想の圧倒的影響下にあっても有罪は可能か

Screenshot-20230926-at-110731-25  「2審も被告に「無罪判決」神戸5人殺傷事件「妄想の圧倒的影響下にあった疑い払拭できない」『心神喪失疑い』で刑事責任能力なしと再び判断 大阪高裁が検察の控訴棄却」と9月25日付けTBS NEWS DIG。毎日放送の転載か。画像はそのスクリーンショット。

 以下は刑法だ。

(心神喪失及び心神耗弱)
第三十九条 心神喪失者の行為は、罰しない。
 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

 弁護人はよくこれを主張する。裁判所はもう簡単に退ける。
 「精神的状態が犯行に影響を及ぼしたと認められるが。その影響は小さい…」、それが決まり文句といえるか。

 

 刑事行政は検察が担っている。39条で無罪とすべきような事件は検察のほうで不起訴とする。
 罰すべきと判断したから検察は起訴したのだ。検察が起訴して法廷へ出てきたからには、有罪とする理由をしっかり立てる、それが裁判所の役割…。
 そんな感じだろうかと私は傍聴席から見ている。

 

 

 そうしてさらに、こんなことも妄想するのだ。

 大量に飲酒して脳の前頭葉の辺りが一時的に壊れたというか、突拍子もない無茶苦茶をやらかし、刑事裁判の被告人として法廷へ出てくる者がよくいる。
 よくこんなふうな供述をする。

被告人 「正直、まったく記憶がないのですが、防犯カメラ(監視カメラ)に写っているのは私だと思います。私がやったことで間違いないと思います」

 こういうのを39条で争う弁護人は、いない。
 少しのひっかかりもなく、みな有罪とされる。
 被告人が自分の意思で飲酒したのだから、結果の責任はとれ、ということかと。

 そうするとだよ、こういう認定もできるんじゃないか。

裁判官 「犯行時は妄想の圧倒的影響下にあったとしても、初期の時点おいて病識はあったと認められる。その時点で治療すべき義務があったのに怠り、本件犯行に至ったものである」

 として有罪、可能じゃなかろうか。

 ただ、都合が悪いことがある。


 心の病気で万引きをくり返す者がいる。ついに病識を持ち、ようやく治療を始めることがある。
 しかし! 量刑相場的に懲役の実刑なら、治療を断ち切って刑務所へぶち込む。
 出所した病者はすぐにまた万引きを、ということがある。

 また、刑務所は「徹底した矯正教育を行なう矯正施設」という建前になっている。検察官は法廷でいつもそのように言う。
 ところが、刑務所を出て再犯に至る者が多いことは、広く知られているとおりだ。

 治療すべき義務を怠った、そこを問題にしては、いろいろ不都合が生じてしまう…。

 

 傍聴席でそんなことも思ったりなんかしている傍聴人は、私だけじゃないですよね? ねっ?

 ←9月26日19時40分現在、週間INが402位。

2023年9月19日 (火)

あのミュージシャンが薬物で捕まってた?

23032254  ある日、ある薬物事件(刑事裁判)を傍聴した。初犯で普通に執行猶予判決だった。

 帰宅後、被告人氏名でネット検索してみた。珍しめの氏名だ。

 ヒットした、あるプロミュージシャンが! うわあ、スキャンダルじゃん。

 画像があり、見てみた。
 べっ、別人じゃーん。
 もうね、年齢がね、少なくとも2倍、一方からすれば2分の1も違うんだもん、もちろん見た目も。

 今回の被告人本人のヒットはないのか。探してみた。
 あった、あの匿名の実名晒し魔の、匿名投稿がヒットした。

 

 プロミュージシャン氏に仕事を頼むに当たり、ネット検索した人は、驚くだろう。

「うわ、こいつ、薬物で捕まってたのか! ネットに名前が晒されてるんじゃ、使えねーよ」

 

 

 「匿名の実名晒し魔、復活!」とのタイトルの9月7日付けの記事で、私はこう書いた。

 自分は匿名のそんな実名晒しを、いったい誰がやっているのか。
 たぶん、“あの数人”のうちの1人なんだろうな、と私は推測している。

 「あの数人」とは誰か、もう書いてしまおう、と思ったんだけど…とりあえず今夜は寝ます、もう疲れちゃったので。

 実名晒しで被害を受けた方の代理人弁護士から依頼があれば、私のほうで知ってることを全部話します、面談で。金は取りません。警察にも話します。

 ←9月19日21時20分現在、週間INが302位。

2023年9月 5日 (火)

京アニ放火殺人事件、傍聴券抽選は

Screenshot-20230905-at-052651  「迎える初公判...青葉真司被告の半生 京都アニメーション放火殺人事件前の『もう一つの事件の捜査資料』を独自入手 そこで見える社会への不満と『小説』というキーワード」と9月4日付けMBSNEWS。

 そこかよ話(ばなし)で恐縮だが。

 

 いちばん大きい法廷を使うのだろう。
 本来の傍聴席は何席で、傍聴券抽選に付される傍聴席は何席か、つまり抽選の当たり券は何枚か。

 傍聴券抽選に何人が並ぶか。
 リストバンド方式かどうか。
 メディアが雇った“並び屋さん”はおおむね何百人で、日当はいくらか。

 あんなに大勢が並んだのに、傍聴席には空席がいくつかある。なんで?
 ははあ、ひとつの番組、週刊誌等が、当て過ぎちゃったんだな、ということもある。
 今回も空席はあるか。それは何席か…。

 世間的にはどうでもいいことが気になる者がいるみたい、ということで。

 

Dsc_0020_20230905054601  左の画像は京都地裁。

 2021年に、京都、大阪、スキャンレーザー式オービス探しの旅の、終わりの1日を今日地裁での裁判傍聴にあてたのだ。
 京都地裁にも当然、傍聴マニア諸氏がおいでだった。

  ←9月5日5時40分現在、週間INが402位。

 

追記:  「京都地方裁判所/検定/公式ガイドブック」によれば、京都地裁でいちばん広いのは101号法廷、傍聴席は88席だという。
 この法廷を今回は使うのだろう。

 「「被告の謝罪の言葉気になる」 京アニ事件、一般傍聴席の35人決定」と9月5日10時00分付け朝日新聞。
 これによると、当たり券は35枚。

 つまり、88-35=53席が、遺族・被害者と主に記者クラブ記者、そしてもしかしたら被告人の身内のための特別傍聴席、取置席と考えられるわけだ。
 遺族・被害者およびその代理人弁護士が、検察官席と、その後ろにも何人も座るだろう。

Screenshot-20230905-at-104629  「速報中14分前に更新 「被告の謝罪の言葉気になる」 京アニ事件まもなく初公判」では、こうなっている。

「傍聴整理券」と書かれたリストバンドの配布が午前9時15分で終了した。400人以上が受け取った。午前9時半の当選発表まで、木陰で待つ人たちの姿が目立った。
 (そして)
 地裁近くの京都御苑富小路広場では午前9時40分ごろ、一般傍聴席の抽選結果が発表された。400人以上が整理券を受け取っており、当選者35人の番号が掲示された。

 当選者はリストバンド型の傍聴券を受け取り、地裁の中へと入っていった。

 整理券としてのリストバンドを手首に取り付け、そののち、傍聴券としてのリストバンドを手首に取り付けたわけだ。
 二度手間かと思えるが、うむぅ…。

 というか、「リストバンド型の傍聴券を受け取り 」てことは、手首に取り付けず、配布したのか?
 それだと、「傍聴券あるよ、5万円、どうだ!」と売る者が現れそう。
 裁判所はタテマエとしては娯楽のための施設ではない、けれども、「京都府迷惑行為等防止条例」第8条第2項の「転売する目的で得た入場券等 に該当するとして、検挙するかどうか、警察の一存では到底決められないと思う。

2023年8月24日 (木)

右翼暴力団ではなく、子ども連れ去りがらみの!

23080110  東京地裁。傍聴席20席の警備法廷を使い、傍聴券抽選、手荷物預かり、つまり厳重警備な「公務執行妨害」の新件があった。

 いったいなんだろ、予め被告人氏名でスマホ検索、するよね。したよ。
 あっ、右翼暴力団の事件か、なるほど! ただ、詳しくはスマホでは分からなかった。

 

 傍聴券抽選、当たり券は20枚。
 締切り5分ほど前に行き、私に配布された整理券は20番だった。
 ほか19人は、見た感じ、男子学生さん、夏休みの母子連れ、ほか女性たち…。
 右翼暴力団らしき男たちがいない。そっち方面の私服警察官らしき男たちもいない。あれっ?

 定員ぴったり。20人全員に傍聴券が、と思ったらぎりぎりで3人来て、抽選となった。
 5番、17番、19番が外れだった。ぎりぎりで来た21番、22番、23番は当たった。なんか理不尽な気がした。抽選ゆえ仕方ないのだが。

 

 被告人は非身柄。20歳代後半、シンプルにお洒落で長身で、髪を染め、イケメーン!
 右翼暴力団って今どきはこうなの?。

 

 若めの男性検察官が起訴状を読み上げた。

検察官 「平成5年(2023年)×月×日午後6時41分頃…××区…110番…応援…××署地域課…××××34歳…捜査車両に無断で乗り込もうとして制止され…その胸部を両手で突き飛ばす暴行を…」

 「応援」ってことは、ま、何か相当なもめ事があったらしい。
 被告人の認否(公訴事実に対する意見)は…。

被告人 「えーと、車に乗り込もうとしたってのが違う…発進しようとしたのを阻止するために、ドアを開けた…その際、腕をつかまれ、放してくれ…振り払った…そのこと…(警察官が)縁石につまづいて転倒したって話です」

 検察官の冒頭陳述を聞いて私は驚いた!
 右翼暴力団関係のスマホヒットは、全然関係なかったようだ。
 じゃあ、なんだったのか。

 1年ほど前、被告人の妻が子を連れて家を出た。
  子どもの連れ去りについての何か集まりで某氏と知り合った。

 今年×月×日、某氏の妻に対する民事訴訟を被告人は傍聴した。
 それからその妻の家へ(多数人で?)押しかけた。
 インタホンを鳴らしても妻が出なかったことから、子どもが誘拐されたと騒ぎ、110番通報した。

 某氏が妻宅の門扉を損壊し、警察官らが現行犯逮捕した。
 某氏を捜査車両に乗せようとしたところ、被告人が阻止しようとした。
 捜査車両の発進を阻止しようとした際、警察官の胸を突き飛ばし、門扉に衝突させた…。

 真実が何であれ、今回の裁判期日の厳重警備ぶりからして、外形的には相当な騒動があったと推察される。仲間たちが押しかけて騒ぐことを、裁判所は警戒したんじゃないか。

 

 検察官の請求書証、甲は1号証から9号証まで。
 弁護人は、甲1~8号証を不同意とした。甲9号証は、開示が月曜だったので検討が間に合わず、意見を留保。
 次回期日は追って指定となった。

 

 帰宅後、「実子連れ去り」でPC検索してみた。
 被告人氏名があるものはノーヒット。
 某氏の氏名(漢字は不明)でも検索してみたが、ノーヒットだった。
 ただ、「実子誘拐」「実子誘拐ビジネス」というのがたくさんヒットした。

 夫婦のうち、妻が、子を連れて、夫婦宅から逃げ出す、そりゃもういろんなケースがあるんだろうと思う。

 夫のDV(肉体的、精神的暴力)からの逃亡、避難、それがけっこうありそう。
 その場合、一般的にDV男の側に罪の意識などあるはずもなく、子を奪われた被害者として、甘美な被害者意識から、その妻を、妻の弁護士を、ときに仲間を集めて攻撃しまくる…。
 そういう面があるんじゃないかと、現時点で私は認識している。

 本件はどうなのか。全く違うものが見えてくるのか、これは追っかけて傍聴しよう。

 ←8月24日19時50分現在、週間INが402位。

2023年8月 2日 (水)

特殊詐欺を支え続ける「他人事バイアス」

2308016  裁判傍聴マニア、裁判傍聴師として、こういう発信をしておかねばならぬだろうょと、ちょっと。

 

 「上半期の特殊詐欺認知件数9464件で過去10年最多に 被害額は193億円」と8月2日付けテレ朝news。
 長年にわたり報道され続け、注意喚起され続けているのに、なんで毎年毎年何百億円も騙し取られ続けるのか。

 いくつか大きな原因があるなかで、私としては「他人事バイアス」というものを、刑事裁判の傍聴席から感じる。

 特殊詐欺被害も、窃盗など他の犯罪被害も、色情犯罪の被害も、交通事故の被害も、飲酒交通事故の加害も、どんだけ報道されても、他人事なのである。
 いちいち自分の身にもいつ起こるか知れないとひりひりしていては、ストレスが大きい。
 その意味で「他人事バイアス」は必要な脳の働き、普通のことといえる。

 ゆえに、特殊詐欺の被害は普通に延々起こり続ける

 

 どうすればいい?
 「他人事」ではなく「自分事」に切り替えればいいんである。
 どうやって?

 詐欺グループ(かけ子)からの電話を録音して警察に渡したら×万円。
 受け子らしき者が住宅街を歩いているのを見つけて通報したら×万円。
 携帯電話で通話しながら銀行ATMを操作しているお年寄りを見つけ、送金を未然に防いだら×万円。
 コンビニで高額プリペイドカードを買おうとしているお年寄りを見つけ、通報したら×万円。

 詐欺メールを所定のフォームで警察に送ったら1件×円。
 PCウイルス感染詐欺について同様に送ったら1件×円。

 いわば懸賞金制度により、自分事として捉えてもらうのである。

 

 お年寄り諸姉(諸兄。以下諸姉)が、電話がかかってくると目を輝かす。
 「あんた、録音オッケー?」「オッケー!」。

 受け子を探して住宅街を、多数の諸姉が散歩しまくる。銀行をコンビニを諸姉が見張る。

「なかなかいないわねえ」
「聞いた? 〇丁目の奥さん、間違えて空き巣(空き巣ねらい)を見つけたんだって」
「えー、ほんと?」

 生き甲斐を得て歩き回り、健康寿命がのびて医療費大幅減、なんてね。 

 もちろん、危ない橋をわたって殺されたら困る。
 住宅街を歩き回って熱中症で倒れたら困る。
 そのへんの手当ては、もちろんしましょう。

 特殊詐欺の被害総額は劇的に減ると私は思うんですけどね。

 

 しかし、それで引っ込むような特殊詐欺グループではあるまい。
 スマホ(イヤホン)で操るリモート強盗、リモート誘拐へと“転進”し、今よりもっとやばいことになるかも。

 じゃあどうするか。今回はここまで。

 ←8月2日18時40分現在、週間INが302位。

2023年7月31日 (月)

7月31日、東京地裁、夏休みの行列レポート

1804272 7月31日(月)。午前から裁判所(東京高地簡裁合同庁舎。画像奧)へ行った。

 午後の私の狙いは14時から、東京簡裁の「傷害」の審理だ。
 事情があって818号法廷(52席)を使う。簡裁の審理など不人気に決まってる。それまで何か傍聴して過ごそう。

 

 13時15分~13時30分、東京地裁の816号法廷(20席)で「窃盗、詐欺」の判決。
 この法廷前へ、私は12時48分頃に行った。
 さすが夏休み、すでに行列があった。私は9番目だ。
 行列はどんどんのびた。13時前には20人を超えた。

 超えた頃、有名傍聴人、と言っていいだろう傍聴マニア氏が来た。なんと22番目に並んだ。
 この法廷は20席。立ち見は許されない。長年にわたりご存知だろうに、なぜ22番目に並ぶ!?

 “雑踏整理”の職員が来て、マニア氏とちょっとやり取りがあった。
 それを聞いて私はぶっ飛んだ。マニア氏はここが20席と知らなかったのだ!!!

 私は強く思った。いやそういうことってあるよね。興味を向ける場所、ぜんぜん興味を向けない場所、人それぞれだよね~、と。
 私も「今井のくせしてなぜそれを知らない!」ということあるかもしれない。一杯あるかも。

 

 行列はどんどんのびる。
 待てよ? 私は816号法廷の開廷表をよく見てみた。

 13時30分~14時30分、「麻薬及び向精神薬取締法違反」の新件、被告人は女性氏名。
 あーっ、ほぼみんなこれが目当てで行列してるんだ~。「ほぼ」じゃなく全員でしょ、私以外。

 

 13時07分頃、ドアの施錠が解かれた。
 どどっと傍聴席が埋まる、かと思いきや、立ち止まって傍聴席を見渡し、どこに座ろうか、という人が多かった。

 弁護人側に1席、特別傍聴席(取置席)があった。「麻薬及び向精神薬取締法違反」の弁護人が請求したのかな。

 

 「窃盗、詐欺」の被告人は身柄(拘置所)。見事な和彫りが見える、スリムな若者だ。
 判決は懲役4年、未決320日算入
 特殊詐欺の受け出し子のリクルートと、監視役と、現金運搬役、前科なし。
 前科なしの若い人たちが続々と軽々と刑務所へ行く。

 

 終わって出ると、まだ行列があった。
 1番目と2番目は若いカップル。3番目(つまりさっきの22番目)は上記マニア氏。
 取置席が1席あったから、そういうことになるのだ。

 私が出たあと、どうなったか、私はふり返らなかった。
 一般にカップルは並んで座りたがる。
 私の1席しか空かず、カップルは去り、その1席にマニア氏が座ったかもね~。

 ←7月31日20時40分現在、週間INが502位。

2023年7月24日 (月)

高級腕時計は「ルフィ」が海外でさばいてくれるので

Dsc_0067  「建造物侵入」、事件番号的に今年1月の起訴だ。
 期日を重ねている。なんだろう。女子トイレ侵入か、女装しての女湯侵入か、気になる。
 どんな事件かだけでも知りたい。次の期日を調べた。

 そうして今日、それだけのために行ったわけ、東京地裁へ。 ※画像、広い道路(桜田通り)の向こう側に見えるのが東京高地簡裁合同庁舎だ。

 

 ところが、な、ないっ!!!
 その時刻、その法廷に開廷はあるが、知らない被告人氏名の「建造物侵入、窃盗、建造物損壊、建造物侵入未遂、詐欺」の審理なのだった。
 期日を私が手帳に間違って記載したと、のちに判明した。んもぉ、ちゃんと書けよぅ💦


 しょーがないのでその「建造物侵入、窃盗、建造物損壊、検察官未遂、詐欺」を傍聴した。

 いやはやびっくり。メルマガをやってた頃なら、詳しいレポートを興奮のままに書いたろう。
 ここでは、ものすごく簡潔に。

 被告人は現在21歳。マスク装着だがなかなかの男前で、とにかくきっぱりハキハキしている。嘘のない、真っ直ぐな若者と見える。
 特殊詐欺の受け子、出し子を18歳のときにやった。被害額は合計120万円。
 19歳のとき、深夜に時計店、宝石店の戸締まりを破壊しての侵入盗2件をやった。被害額は1370万円相当。

 少年院へ行けばチャラだ、との思いがあったという。
 腕時計等は海外でさばけば捕まらない、「ルフィ」なる者が海外でさばいてくれると知り…。
 本件被告人は、ルフィと電話でやりとりしたらしい。へえ~。

 求刑は懲役6年。判決言渡しは9月。
 こんな真っ直ぐな若者を、クズのたまり場というべき(らしい)刑務所に長く浸からせるのは良くない。刑務所の色に染める(規則や命令に従うだけの人格を育てる)のも…。
 しかし、やったことがやったことだし、何より量刑相場は絶対だ。
 被害弁償がまったく出来ておらず、見込みもない。判決が懲役4年まで下げたらびっくりだと思う。傍聴しなければ。

 

 このあと2件だけ傍聴した。
 「建造物侵入、窃盗(変更後の訴因 常習特殊窃盗)」と「建造物侵入、暴行、威力業務妨害」だ。
 間違えて「建造物侵入」を傍聴しに行き、罪名に「建造物侵入」がある事件のみ3件傍聴したという、これは奇跡的な体験だと思う。

 

 ちなみに今日の地裁刑事の開廷は22件、地裁民事の開廷は149件。
 先週火曜は地裁刑事が67件、地裁民事が442件、水曜は地裁刑事が86件、地裁民事が398件だった。
 遅くとも今週月曜から、夏期休暇の期間に突入したと推認できる。

 今日は、親子連れと、若い女子の2人連れ、3人連れがやたら多かった。
 女子学生は夏休みの始まりの時期に多く、男子学生は終わりの時期に多い、これは東京地裁の毎年のあるあるだ。

 ←7月24日19時50分現在、週間INが402位。

2023年7月16日 (日)

トー横キッズ、人体破壊!

22040215  7月13日(木)、たとえば高知新聞が「トー横暴行死、懲役12年 26歳男「責任最も重い」」と報じた。

 その「傷害致死」(裁判員裁判)の判決、東京地裁、813号法廷、傍聴した。
 開廷表では、15時~17時、の期日となっていた。裁判員裁判ではよくある。
 判決言渡しに2時間も要するなんてあり得ない。15時を過ぎても評議は紛糾、主文が決まらない、なんてことが予想されたんだろうか。

 

 私は14時33分頃に法廷前へ行った。
 すでに行列ができており、私は9番目。先に並んでいた8人のうち7人がご婦人だった。お~。

 それからどんどん傍聴希望者が集まってきた。
 813号法廷の傍聴席は52席。司法記者クラブや関係者などに何席が取り置きされるか、とにかく席自体は52席だ。

 どんどん集まってきた。14時51分頃には60人を超えた。立ち見は許されない。
 席数を超えてもなぜ並ぶか、さまざま理由はおありだろうけど、結局は席数を知らない人が多いんじゃないか。
 20席の法廷前に40人、50人が行列をつくることも珍しくない、東京地裁のあるあるだ。

 

 裁判員6人は、向かって左(1番さん)から順に、私の一瞥(いちべつ)印象によれば、40代男、40代女、40代女、20代男、20代女、10代女…。
  4~6番さんがノーマスクだ。島戸純裁判長と赤瀬柚紀左陪席もノーマスク。
 検察官は、中年男性のほうがノーマスク。弁護人は2人ともノーマスク。

 被告人は身柄(拘置所)。やけに腹が出ている。左手の第1指と第2指の間にタトゥーが見える。

 

裁判長 「主文。被告人を懲役12年に処する。未決勾留日数中400日をその刑に算入する」

 上掲報道では「頭や腹を多数回、蹴るなどし、外傷性ショックで死亡させた」とされている。
 外傷性ショック、そんなことで人はぽっくり死んじゃうんだろうかと感じてしまう。
 裁判長が、事実認定を述べ始めた。

裁判長 「被告人は…らと共謀のうえ…(被害者に対し)こもごも、頭部、胸部、腹部、背部を多数回蹴るなどの暴行…さらに…こもごも…蹴りつけるなど…よって多発性頭蓋内損傷…全身…皮下出血…組織挫滅…両側血気胸…前後肋骨、多発骨折……外傷性ショックにより死亡させた…」

 全身の皮下だけでなく筋肉内にも出血しており、肋骨は30カ所以上が折れていたという。
 最初のうちは被害者を正座させ、取り囲み、謝罪の言葉を述べ無抵抗な被害者に対し、7時間近くにわたり、それをやったんだという。

 よってたかってなぶり殺した、というよりは、というよりは? 特段の道具を用いることなく人体を破壊した、のほうがふさわしいのではないか。
 共犯者6人は、1人を除いて少年(少年法により20歳未満)だという。
 もう人間じゃない、動物、ドーブツ…。

 こんなのがなぜ「殺人」でないのか。
 被告人がいくら殺意を否認しても、たとえば鋭利頑丈な刃物で身体の枢要部を深々と複数回突き刺せば、その行為自体から殺意が認定される。
 本件は、1発1発の打撃は致命傷から遠い、ゆえに殺意が認定されなかった?
 だとすれば理不尽じゃないかと私は思う。

裁判長 「不合理な弁解に終始し…賠償はおろか謝罪すらしていない…最終前科の執行猶予中…」

 最終前科は無免許での人身事故等かと。
 本件の未決算入は400日だが、執行猶予が取り消されることにより、400日の算入分は軽くふっとぶだろう。

 本件の求刑は懲役12年だという。求刑12年で判決12年。
 普通、判決は求刑より少し下げる。前刑の執行猶予の取消しが見込まれる場合は、もっと下げる。
 なのに求刑どおりってことは、求刑が安すぎた、と普通には解される。

 言渡しは15時18分に終わった。
 ぎっしり満席の傍聴人たちは、起立したまま動かない。再び手錠腰縄を付けられて去る被告人を、最後まで見ようとてか。

 

 私はすぐに出て、向かいの812号法廷、東京高裁民事の法廷へ。
 15時30分から「選挙無効請求事件」。事件番号は「令和5年(行ケ)第14号」。だからつまり、高裁を一審とする行政事件なのだ。

Screenshot-20230716-at-120317  傍聴席はけっこう埋まった。ほとんどノーマスクだ。
 選挙自体が無効と主張するのか、特定の当選が無効と主張するのか、原告のほうで固まっていない、かに聞こえるやり取りがあった。
 「アルフィア」「アリフィア」「アルフィーヤ」といった語がでてきた。

 帰宅後、ネット検索してみた。
 「自民党アルフィヤ氏 開票結果の無効を求める裁判」というのがヒットした。ずばりこれだ! 右はそのスクリーンショット。

 選挙開票の立会人をやったことが私はある。
 候補者の氏名をストレートに書いてない票をどう扱うか、そのとき教わった。

 今思うに、自民に投票する人は一般に政策とかどうでもいいわけで、候補者の氏名も正しく記銘、想起できなくて仕方ない。
 正しくは「アルフィヤ」のところ「アルフィア」でも「アリフィア」でも「アルフィーヤ」でもいいんじゃないですかね。

 ←7月16日12時10分現在、週間INが602位。

2023年7月 2日 (日)

警察庁主催、詐話大会、やればいいのに

230702-2  詐欺メール等々を1秒に2本の速さで削除し続ける私だが、たまに目を留めることがある。
 今回は、「e-Tax(国税電子申告・納税システム) <info@e-tax.nta.go.jp>」を差出人とするこんな詐欺メールに目がとまった。

e-Taxをご利用いただきありがとうございます。

あなたの所得稅(または延滞金(法律により計算した客勛 について、これまで自主的に納付されるよう催促してきましたが、まだ納付されておりません。

もし最終期限までに納付がないときは、税法のきめるところにより、不動産、自動車などの登記登録財産や給料、売掛金などの值権などの差押処分に着手致します。

納稅確認番号:****5374

滯納金合計:30000円

⇒ 支払いの詳細リンクエント

※ 本メールは、「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」にメールアドレスを登録いただいた方へ配信しております。

なお、本メールアドレスは送信専用のため、返信を受け付けておりません。ご了承ください。

※本メールに心当たりがない場合は、どなたかが誤ってあなたのメールアドレスを入力されたものと思われます。
本メールを破棄してくださいますようお願いいたします。

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TAX AGENCY ALL Rights Reserved.
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 なぜ詐欺メールと看破できたか?
 んなことぐずぐず言ってるようじゃダメでしょ。
 こんなものはだいたい詐欺メールに決まってるんである。

  
 しっかし、詐欺の連中は次々いろんなことを考えつくよねえ。
 考えつくのは上のほうの奴で、実際にこういうメールを大量送信するのは、末端のアルバイトか、または、詐欺メールの本文と大量のメールアドレスなどを大金で購入させられ、一攫千金を狙う困った人、かなと私はちらっと想像したりなんかする。

 女子でも男子でもアイドルグループのメンバーを集め、各自が奇想天外な面白詐話(さわ)を披露する(もちろん放送作家さんがつくる)、あるいは、警察庁がどかんと詐話コンテストを開催とか、やればいいのに。

「今きたメール、こないだの詐話大会の準々決勝で審査員がぼろくそ酷評してたやつに似てる。しょーもねー(笑)」

 みたいな感じで詐欺の被害防止に貢献できるんじゃないですかねえ。

 ←7月2日21時10分現在、週間INが402位。

2023年6月14日 (水)

統合失調症、無罪!

Screenshot-20230613-at-182453 6月13日(火)。右の画像は同日夕方の、裁判所のWebサイトからのスクショだ。

 15時から東京地裁の815号法廷(52席)で「殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反」(裁判員裁判)の判決。
 前に当ブログで「異常者は無罪放免でいいのか!」として書いた事件だ。
 被告人は完全に統合失調症の幻聴、幻視のもとにあったようだ。が、刑事責任能力は医師が決めるんじゃない、裁判所(実質は検察)が決めるのだ。
 無残に有罪とされるシーンを目撃したい。 ←歪んでるう💦

 15時30分からは710号法廷(52席)のほうで「窃盗」の審理がある。
 コロナで登場した無人店舗で大量に万引きしたと、大きく報道されている。
 無人店舗の事件は傍聴したい。

 傍聴したいのが2件続けてあるとは。こいつは出かけねばなるまいよ。

 

 14時30分頃に815号法廷の前へ行けばOK、と思うのだけれど、どうせ行くならと13時前に行った。
 1階の開廷表を見た。
 びっくり、15時からの裁判員裁判の判決が、13時30分からとなっていた!
 重ねて言うが、上掲画像は同日夕方、帰宅してとったスクショだ。

 

 12時50分頃、私は815号法廷の前へ行った。無人~。
 13時を過ぎて、少しずつ傍聴人が集まってきた。

 

 「殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反」の被告人は身柄(拘置所)。容姿が非常に特徴的だが、描写は控える。
 裁判長は浅香竜太裁判官、右陪席は鎌倉正和裁判官、左陪席は村上亜優裁判官。
 裁判員6人は、向かって左から、私の一瞥印象によれば20代男性、30代男性、40代男性、裁判官3人を飛ばして30代女性、60前後の男性、20代男性。女性は1人のみだ。

 被告人を証言台のところの椅子に座らせ、裁判長が主文を述べた。

裁判長 「主文。被告人は無罪

 えーっ!!!!!

 

 この被告人は、2013年にも「殺人未遂」(裁判員裁判)で東京地裁の法廷へ出てきている。
 そっちも統合失調症の影響下にあったのか不明だが、あったとしても「病気の影響は否定できないが限定的。刑事責任能力あり」と有罪に押し込むのが倣い(ならい)だ。

 被告人は懲役刑をくらって服役。つまり、徹底した矯正教育を行なう矯正施設において徹底した矯正教育を何年も受けた。

 2021年11月に出所(2013年の「殺人未遂」での服役か不明)。
 統合失調症は増悪し、入退院をくり返した。
 暴れに暴れてついに強制退院となった。
 幻視・幻聴に苛(さいな)まれ、境界知能ゆえその幻視・幻聴を批判的に吟味する能力がなく、自己をコントロールする能力もない者が、いわば野に解き放たれた。
 そうして、幻視・幻聴に操られ、通りすがりの女性(48歳)を路上で刺したのである。

裁判長 「カシワギ医師による精神鑑定…非常にわかりやすく、納得できる説明…くつがえす材料もない…」

 普通、検察は、御用医師にも御用鑑定をさせるはず。
 けどその話は判決理由になかった。
 幻視・幻聴があまりに本格的で、御用医師たちも有罪方向の鑑定はできなかったのか。

 

 本格の病者を有罪にする際の「病気の影響は否定できないが限定的。刑事責任能力あり」というテンプレートは、私だって傍聴マニアになり立ての頃は大いに違和感を覚えたものだ。「なんだそれ!」とムカついたもんだ。

・テンプレートに慣れない裁判員たちが首をかしげた。
・カシワギ医師の説明に説得力がありすぎた。
・何より、被害者のケガが軽かった。
・もっと言えば、被告人の容姿が特徴的で…。

 そのへんが無罪の理由だったのかなあ、と。

 

 検察はどうするんだろ。
 ここまできっぱりした無罪だと、控訴しにくいんじゃないか。
 いやいやちゃんと控訴し逆転有罪を勝ち取るか。

 しっかし、それにしても、である。
 この判決を是非とも傍聴したい人はいたはず。
 15時から判決、是非とも傍聴したいので14時頃から張り付こう、そんな方もいたんじゃないか。

 ところ裁判所へ行ってみたら、判決は13時30分から始まり、13時52分に終わりましたって!
 しかも無罪だったなんて!

 悔しすぎるでしょ。めちゃくちゃムカつくでしょ。
 この精神的損害は10万円をくだらない! と損害賠償の訴訟をやったらどうなるんだろう。
 やっぱりこういう判決になるんだろうか。

判決 「裁判を傍聴する権利は国民にない。裁判を傍聴させる義務は裁判所にない。よって裁判所側に何ら違法はない」

 ←6月14日1時30分現在、週間INが502位。

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