2008年7月15日 (火)

“狂犬”裁判官がまた爆発

 ようやく、とりあえずいま目の前にある締切り原稿が終わった、ので今日の傍聴メモを。

clip 9時50分から東京地裁・刑事8部(川本清厳裁判官)716号法廷で、「脅迫」の判決。
 ピンクの半袖ワイシャツに、オレンジ系のネクタイに、白系の綿パン(チノパンっていうの?)で、上半身の横幅がえらく広い被告人だった。
 交際していた女性から別れ話を持ちかけられ、その理由を知りたいとの思いから、「俺はあんたを許さない」「今日からあんたとあんたの周りの破滅を祈るよ」「してもらったこと、いつか利息をつけて返すからよ」等々の、暗に本人・周囲に危害を及ぼすことを告げる電子メールを送信して閲読・領置させ…というふうな事件らしかった。ドアを叩くなどのストーカー的な行為にも及んでいたらしい。
 判決は、懲役1年、執行猶予3年。9時54分閉廷。

thunder 次は7階の720号法廷で10時10分からだ。その前に、今週の東京簡裁の開廷予定をチェックに。今週はまだチェックしておらず、もしも午前中に何かあったら大変だよと。
 おお~! 今週は「道路交通法違反」の新件が3件もあり、1件は今日11時15分からではないか!
 数分でチェックを終え、2階から7階へ行くため、エレベータへ。
 東京・霞が関のこの裁判所合同庁舎のエレベータは、北側と南側にそれぞれ、
   地階~8階のが数基、
   地階・1階←(途中通過)→8階以上のが数基、
 互いに向かい合ってあるところ(720号法廷は南側)、南側の「地階~8階」へのエレベータは、1基(新しくなった)を残して、ずいぶん前から工事中で、残った(つまり新しい)1基は、きれいなのだけど、ムカつくほど動きが遅いのだ。4~8階の法廷へ行く人がどっと乗るから混む、という事情もあるが、そもそも「閉」ボタンを押してもすぐにはドアが閉まらないとか、あらゆる部分が、昔のエレベータに比べて遅く遅く出来上がっているのだ。ちなみに日立製。
 だから私は、通りかかったらたまたまドアが開いた(または、もうすぐドアが開くことが明らかな)ときしか、利用しない。たとえば1階から南側の5階の法廷へ行くに当たり、北側のエレベータを利用しないときは、南側の「地階・1階←(途中通過)→8階以上」のエレベータで8階へ行き、非常階段で5階へ下りるとか、そんなふうにしてる。
 でも、今日は10時10分まで十分に時間があるから、少々待つのもたまには良かろうと、待ったわけ。
 私が2階南側のそのエレベータの前へ立ったとき、階数表示のランプは4階あたりに点灯してたかな。それから1階ずつ、各階につきたっぷりの時間をかけて止まりつつ8階へ行き、同様に1階ずつ止まって地下1階へ行き、2階へ上がってくる…。うわぁ、こぉれは、時間に余裕があるときでないと、利用できねーよ!

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clip 10時10分から、東京高裁・刑事2部(安廣文夫裁判長)720号法廷で、「道路交通法違反」の控訴審第1回。原審は八王子支部のやつだ。
 法廷に入ると、もう審理が始まっていた。あれ? 時計を見ると10時11分! うわ、あのエレベータを9分ほど待ったことになるのか?
 南側の各フロアのエレベータの前で、土産物とか軽食とか売ったら、絶対大金持ちになれる予感。ビジネスチャンスは、どこにでも転がってるのだなぁ(笑)。

 審理は、途中からなんで(たぶん10時10分より少し早く始まってたんだろう)よくわからなかったが、どうも、測定機(日本無線の光電式JMA-181)を設置した警察官を、控訴審で証人尋問することになるような…。
 スピード違反で測定値を否認しての争いなんて、そんなもの高裁にとっちゃ、1回結審、2週間後に控訴棄却判決で十分、のはずなのに、ここんとこ続けて3件、証拠調べのため、しかも検察側の証人調べのため続行となってる。うーん…。
 10時22分閉廷。

clip 高裁の今週の予定をチェックしたのち、11時から東京地裁・刑事6部(合田悦三裁判官)724号法廷で、「道路交通法違反」の判決。
 これもビックリ! 被告人は、見た目50代 or more の、背中の丸い、腕の太いオジサン乃至お爺ちゃん。
「主文、被告人を懲役6カ月に処する。こういう結論です」
 つまり実刑である。配送業務に就いていながら、前夜から翌午前4時頃まで、ビールと大量の焼酎を飲酒し、その1時間後に仕事のため中型貨物の運転を開始。昼食時に焼酎2杯440ミリリットルを飲酒、20分後にバイクと衝突する物損事故を起こしたんだそうだ。アルコール中毒(依存症)かと思われる。
 検査値は0.99ミリグラム。しかし、歩行能力、直立能力には格別の異常はなかったそうだ。検査がいい加減だった可能性がある。けど裁判的には、そんなことは認められない。検査値は甚だしく高く、悪質である、とせざるを得ない。
 聴き取れたところによると、前科は同種罰金前科が1犯のみらしい。それで懲役6月の実刑って、従来と比べると、かなり重いよ!
 で、ビックリはその言い渡し中に起こった。
 被告人は証言台の前で、最初からちょっと震えてる風だったのだが、やがて、震えを通り越して揺れ始め、揺れを通り越して、突き上げられるようにガクンガクンと上下し始めた。もう立ってられない。弁護人が横へ来て、合田裁判官が壇上から声をかけ、椅子に座らせた。
 11時08分閉廷。

clip 11時15分から、東京簡裁・刑事2室2係(小川利行裁判官)728号法廷で、「道路交通違反違反」の新件。
 久々のオービス事件だった。首都高速・中央環状線・外回り、足立区2-39付近のオービスⅢによる、超過56キロ(測定値116キロ)。
 ところが、争いは何もないのだった。最初に警察へ出頭したときから、争いはなかったらしい。しかし、略式に応じず、正式なほうの裁判を求め、公判請求されたのだという。なぜ? 私みたいに、公判廷で被告人を経験してみたかったから? いや、そうではないらしい。だったらなぜ?
 どうやら、取調べに当たった警察・検察の対応がぞんざいで、不信感を持ち、おそらくは警察・検察が正式な裁判になるのを嫌がる風が見て取れ、それで、略式でも正式でも結果は変わらないことを確認し、正式を求めて公判廷まで来てしまったと、そういうことらしかった。
 説明不足とか、警察・検察の対応にムカつき、争いなどぜんぜんないのに公判廷へ出てきてしまう、そういうケースがときどきある。警察・検察にムカっ腹を立て、憎悪しつつ略式で終えてるケースは、何倍、何十倍もあるんだろう。
 バカげてる。つか警察、検察が、個々の国民の実体験をとおして憎悪されるって、治安的にも非常に良くないでしょ。スピード違反の被疑者にどう対応すべきか、私が講演しましょうか?
 11時43分、被告人の最終陳述が終わり、
「はい、じゃ、結審して…通常ですと1週間後に判決するんですけど、記録も少ないんで、若干休廷して、言い渡すことにします」
 と小川裁判官。壇上でしばし記録をぺらぺらめくり、判決。求刑どおり罰金8万円、訴訟費用は不負担。妥当な訴訟指揮だと思う。
 11時48分閉廷。

restaurant 最近お気に入りの、厚生労働省(などが入ってる合同庁舎)の地下の食堂へ。あそこは、前と変わったよね? 本日は、冷やし稲庭うどんとミニ丼(牛丼)のセット、480円。うどんには煮た油揚げと刻み海苔とほうれん草のおひたしとカマボコ1切れが乗り、大満足。

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clip 13時ちょうどから、地裁・刑事13部(戸倉三郎裁判官。きれいな白髪)510号法廷で、「傷害、建造物侵入、横領、道路交通法違反」の判決。
 13時ちょうどからって珍しいな、と思ったら、ほんとは13時10分からなのに書記官が間違えて13時00分という開廷表をつくった(つくらせた?)らしい。
 被告人(在宅。保釈中?)は、ひょろっと痩せて細く、妙な感じ。
 公訴事実は、4ヶ月間あまりの間の、①杉並区下高井戸の中央道での80キロ超過と、②長野県内の中央道・西宮線での76キロ超過と、③オリックス・レンタカーを返還せず約1カ月半にわたり勝手に乗り回した件(横領)と、④下北沢のポーカーゲーム店でトラブルになり、店の者に対し催涙スプレーをかけ、殴った件(傷害)と、⑤ポーカーゲーム店へ侵入した件(建造物侵入)と、⑥茨城県内の常磐道での45キロ超過、の計6件。
 ポーカーゲーム店については、現時点に至るも、相手がイカサマを謝罪するのが先だとの主張を維持し、自分のほうからは謝罪してないのだという。
 被告人質問等がどんな具合だったのか知らないが、戸倉裁判官はこんなことを言ってた。
「実力以上の結果を求め、背伸びしては挫折を繰り返し、無軌道な生活に…」
 前科はないそうで、判決は、懲役2年6月、未決20日算入、保護観察付き執行猶予4年、訴訟費用負担。
 13時19分閉廷。

clip 13時30分から、同じ法廷で「道路交通法違反」の新件。
 被告人は50歳の会社役員。2005年に免許取消処分を受け、2007年に無免許で罰金20万円の前科あり、で2008年3月、ベンツを無免許&酒気帯び運転。以前だと、今度も罰金ですんでおかしくない。もしかして、2007年の酒気帯び厳罰化以降、わりと簡単に公判請求するようになったのか。いや、本件は酒気帯びと合体なので、なんとも言えないが…。
 14時21分、被告人質問の途中で出て…。

clip 14時30分から、地裁の別々の法廷で「名誉毀損」と「危険運転致傷」の各新件があり、どっちを傍聴しようか悩んだのだが、自分が何者かをよく考え、後者へ。
 地裁・刑事5部(山口雅髙裁判官)531号法廷で「危険運転致傷」の新件。
 2008年5月、12時45分頃、足立区の谷中で、中型貨物を運転して信号交差点を直進する際、80メートル手前で赤信号を認めたが、帰宅を急ぐあまり、停止せず60キロメートル毎時の速度で進行、交差点出口横断歩道を左から右へ横断中の被害者(35歳)を見つけて制動措置を講じたが間に合わず、自車前部を衝突させ、全治約3カ月の骨盤骨折等を負わせたのだという。
 被告人は“全赤”の間に通過できると思った、と言うのだが、時速60キロで距離80メートル…無理があるのでは? 警察がつくり上げた調書や報告書、どこまで信じられるのか、という気がした。でも、日本の裁判は、警察がつくって検察が法廷へ出してきたものは絶対に正しい、との前提で進行する。
 弁護人による被告人質問が、だらだらしてた。山口裁判官が、不機嫌さをむき出しに、口を挟んだ。
「もうよろしいんじゃないですか? 次の質問にしてください」
 弁護人は、次の質問へ行く前に、さっきの質問の答を被告人に言わせようとしたのか、同じ質問をしかけた。
 すると、さすが傍聴人の間で“狂犬”の異名をとる山口裁判官、もっのすごい剣幕で食いついた。
「いや次の質問を!!」
 文字にすれば大したことないが、ま~、ものすっごかったよ!!
 そのあと、被告人に対しても、さらに激しく食いついてた。爆発的激情…のあとはいつも、人が変わったように穏やかになるんだよね。この人は、どこかで一歩道を誤ったら被告人席に座るはずだった人物かも…とドキドキしながら思ったよん。
 被害者の症状がどうとかで、続行…。

pen 青信号で横断歩道を渡っていた被害者には、法的には何の落ち度もないわけだが、本件で突っ込んできたような車は、ある確率で必ずいるのだ。それを意識しない人は(つまり、たぶん、ほとんどすべての歩行者は)、法的には何の落ち度もなくても、ある確率で必ず、突然に死傷させられることになる…。ま、これはねぇ、いつも警戒注意してても、そのときだけ注意を怠ってしまうこともあるし、小さな子どもがどこまでそんな警戒注意をできるのかという問題もあるわけだが、少なくとも、「法的には何の落ち度もないのだから警戒注意など不要」と言う人がいるとすれば、その人は凄い…。

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2008年7月 9日 (水)

元検察事務官、控訴棄却

7月8日(火)

 電車に乗り、乗り換えてから気づいた。
 火曜と水曜を間違えた! 今日は午後“出勤”でよかったのだ!
 眠くて眠くてたまんないのに。ま、そんなこともあるよね~。happy01

clip 10時から東京地裁・刑事18部(戸刈左近裁判官。それが実名って凄くない?)719号法廷で、久しぶりに「強制わいせつ」の新件を傍聴。
 4年前に迷惑防止条例違反(電車内の痴漢)で罰金50万円前科ありぃの、電車(JR常磐線)内での、22歳女性への痴漢。50万円で示談し、寛大な処分を求める嘆願書を書いてもらったそうだ。保釈の制限事項に、痴漢をしたその路線に乗らないことも入ってるそうだ。被告人の妻を証人尋問。弁護人は、たぶん初めて見る男性で、相当有能と思えた。
 求刑は懲役2年。相場からして執行猶予がつくだろう。しかし、この被告人、またやるんじゃないかな、という気がした。逮捕されて裁判になり、心底反省、再犯しないことを誓っても、満員電車で近くに女性の尻があれば、反省も後悔も誓いも妻子もぜんぶ脳からすっ飛んでしまうのが、色情系の常習者なのだ…。もちろん、全員が常習犯へと墜ちていくわけじゃないわけで…。

clip 11時から地裁・刑事6部(合田悦三裁判官)724号法廷で、「道路交通法違反等」の新件。「等」の部分は、業務上過失傷害と、私印偽造・同使用なのだった。
 被告人(中古車販売業)は2006年5月に点数の累積で免許取消処分になっていたところ、2007年9月、麻布十番で、路上のパーキングエリアに同棲相手の名義の車(セルシオ?)を駐車、右後方をよく確認しないままドアを開けたところに、ちょうどやってきたバイク便(41歳)のバイクが衝突(全治約1カ月)、麻布署で取調べを受ける際、実弟の氏名を謀用し(何のためらいもなくすらすら答えたので警察官は信じてしまった)、調書に実弟の氏名を書いて指印、被告人は実弟に口止め等しなかったため、今年1月、実弟は行政処分で警察へ出頭することになり、“なりすまし”が発覚、5月に逮捕→保釈。
 昨年9月の交通事故なら、自動車運転過失傷害(刑法211条2項)のはず。なんで業過傷害(211条1項前段)なの? ず~っと悩んでたが、あっ、そうか、駐車してエンジンを切ったあとの事故だから、か。ふぅん。
 求刑は懲役1年6月、被疑者供述調書の偽造部分を没収。

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clip 13時40分の前に、地裁710号法廷(登石郁朗裁判官)で2件、高裁720号法廷(安廣文夫裁判長)で1件、判決を傍聴。
 地裁の2件うち1件、2007年1月に同種犯行により罰金50万円に処されていながら、10代の児童に現金を供与して性行為を行ったという、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反」。懲役1年6月、執行猶予3年、訴訟費用負担。
 地裁のもう1件は、信号交差点を左折する際の、横断歩道上での歩行者との事故。被害者は全治約6カ月。被告人は女性。禁錮1年2月、執行猶予3年。
 高裁のは、練馬区の路上で9歳の男児の胸ぐらをつかみ顔面を殴打(全治約3日)したという「傷害」。そのような暴行には及んでいないという事実誤認の主張。控訴棄却、当審における訴訟費用負担。

clip ようやく13時40分から高裁・刑事8部(阿部文洋裁判長)717号法廷で、今日はこれだけ傍聴すればよかった「有印公文書偽造・同行使、公務員職権濫用」の判決。
 6月24日に第1回を傍聴した、被告人が犯行時検察事務官の事件だ。さすが、記者が何人も来ていた。
 前科・前歴は当然ないし、元直属の上司(元副検事)の情状証人が効いて、原判決(懲役1年6月)は破棄され、執行猶予が付されるのかな、と思ったらなんと、控訴棄却、うわ!
 報道では、ストーカー被害の女性は「飲食店勤務」となっていたが、勤務先は「風俗店」だったんだそうだ。営業のための甘言を用いられて被告人は通い詰め、結婚を望み、多額の支出をし、すると女性は風俗店をやめ、被告人からの誘いをいろいろな理由で断り、それで被告人は職権を濫用して女性の身元を突き止め、女性が結婚していることを知り、さらに…という、聞いた感じどろどろの事件なのだった。
 人生、山あり谷あり。転落の先にこそ、幸せの門(それも格別の味わいの)が開けているはず…。

 同じ法廷で13時50分からの、「窃盗」の判決(寝泊まりの場所にするため、かつての勤務先の自動車を窃取。原判決は懲役10月。控訴棄却)を傍聴し、帰る…。

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2008年6月20日 (金)

開廷表の間に期日簿が1枚!

 13時頃、裁判所に入るとき、玄関右側に制服の男女高校生らしきが多数いた…。

 13時15分から東京地裁・刑事19部(角田正紀裁判官。角は下の部分が用、紀は右側が巳)719号法廷で、「自動車運転過失傷害」の判決。
 考え事に気を取られて信号赤色表示を看過、時速約50キロで交差点に進入し、右方からきた2人乗りの自動二輪車の左前部に自車右前部を衝突させ、自二の運転者(33歳)に左大腿骨開放骨折、自二の同乗者(21歳女性)に左大腿骨骨折の重傷を負わせたんだという。前科なし。
 禁錮1年6月、執行猶予5年、訴訟費用負担(10万円前後)。
 13時18分閉廷。

 非常階段を駆け下り、今日のメイン、地裁418号法廷の「威力業務妨害」へ。
 ところが、20席の傍聴席はすでに完全満席。さっき玄関で見た男女生徒らが10席を埋めていた。あ~~~っ。狭い法廷へ、10人もまとまって来んなよ! としかし叫ぶわけにもいかず。
 裁判所内で団体を見かけたらもう、彼らが興味を示さないだろう事件を除き(彼らは気まぐれなので、それもなかなか難しいが)、30分ほど前に法廷の前に居なきゃいけないのか! 昔はこんなことなかったのに。

 気を取り直し、13時30分から東京高裁・刑事7部(植村立郎・青沼潔・國井恒志裁判官)717号法廷、「道路交通法違反」の控訴審第1回へ。
 こっちは傍聴席40数席で、がらがら。私が入ったとき車椅子の男性が1人しかおらず、その後せいぜい5人くらいしか来なかったと記憶する。
 被告人(29歳。保釈中)を見て、一瞬女性かと思った。それも、モデル系のミュージシャン、みたいな。だが、拒食症だそうで、腕はまさに骨と皮…。
 控訴の趣意は量刑不当。執行猶予を付してくれ、というものなんだろう。
 被告人質問が行われた。内容は、再犯の虞れはなさそうと感じさせるものだった。4分ほど休廷して合議。そして判決。原判決を破棄して…かな?
 と思ったら違った。控訴棄却
 判決理由を聞いて納得した。2006年に無免許で罰金2回、2007年8月に無免許で携帯メールを見て物損事故を起こして逃げ、懲役6月、執行猶予3年に。それから5カ月も経たない2008年1月、携帯電話の画面を見ながら運転して無免許で捕まったのだった。
 原判決は懲役8月。併せて懲役1年2月の刑期で服役することになるのだ…。
 14時閉廷。

 そのあとも、傍聴しようと思えばできる事件がいくつかあったが、地裁と高裁の来週の予定をチェックして早々帰る。昨日の会議で弁護士さんに約束した“作業”を何ひとつやってないし、新たに雑誌連載が始まることにもなったので。

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 ただ、ひとつご報告しとこう。
 今日は、東京地裁のいつもの開廷表の間に「期日簿」なるものが1枚、挟まっていた。「臨時」と手書きされて。
 そこには、予約、変更等、時、事件番号、事件名、被告人、身柄、収容場所、弁護人、検察官、通訳人、通訳言語、審理予定、速記等、警備、係、書記官、法廷、の欄があった。
 以前、秋田の裁判所で見たのと同じだ。秋田のあれも、じつは「期日簿」となっていて、私が「開廷表」と思い込んだのかもしれない。
 今日、東京地裁は、なんであんなものを挟んだんだろう。急に開廷することになり、開廷表をつくらず、部にある期日簿をコピーして一般閲覧用へまわしたんだろうか。
 ともあれ、事件名は「現住建造物等放火」で、被告人は女性氏名、弁護人は国選で、審理は「鑑定人尋問」だった。
 時間は16時~16時30分。傍聴せずに帰る。

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2008年6月18日 (水)

裁判員制度で日本の犯罪処理は崩壊する!

 目が覚めたら8時半頃!
 寝たのは0時過ぎ。8時間以上まとめて眠ったのは久しぶり。寝過ぎた!
 なんとか9時58分に、東京簡裁・刑事1室3係(八木澤秀司裁判官)534号法廷に入ると、人定質問が終わったところ。
 定刻前に始まることはよくあるけど、検便もとえ勘弁してほしい。何のために裁判は公開かを考えれば、バーの内側の人員だけそろえばいいってもんじゃないはず。ま、私が早めに傍聴席にいて、かつ私が忙しいときは、定刻前に始めてもいいけど、ってオイっ(笑)。

clip 定刻だと10時からのはそれは、「売春防止法違反」の新件。
 東京簡裁では、わりと珍しい罪名なうえ、同じ法廷で10時45分から同じ罪名の新件が入ってるので、もしかしたら何か関連が見いだせるのかと、傍聴にきたのだ。昨日、阿曽山大噴火さんと同意見を確認したのに、2件とも阿曽山さんの姿はなかった。10時から地裁のほうで「貸金業法違反」の新件がある、そっちへ行ったんだろうか。私だってそっちが興味津々だけど、やっぱ私は軸足を簡裁に置こうと、こっちへきたのだ。

 10時からのは、新宿・歌舞伎町の北のほう、大久保病院前でのポン引き(つまり不特定の遊客に売春を周旋する行為)。
 被告人(身柄、警察留置場。58歳か59歳らしい)は、鳶工(とびこう)として1日1万5000円~1万8000円稼げるのだが、同僚とトラブルがあって飛び出し、1月の中頃から、カプセルホテル(3300円)かサウナ(1900円)に泊まりつつ、27年くらい前にやってたポン引き(その罰金前科5犯)を始めたんだという。

clip 10時45分からのは、これも大久保病院の付近でのポン引き。
 被告人(身柄、拘置所。52歳)は、空き缶やマンガを集めて「1日1000円ちょっと」で暮らしつつ、「キャバクラに勤めないかと声をかけ」ることを、いつもなのかときどきなのか、やっており、その日、街娼の女の子に「こういうことヤメてキャバクラ行かないか」と声をかけたがダメで、すると、その街娼に男性が声をかけて去ろうとしたので、周旋すればカネになるかと思いつき、「やるんだったら1万5000円、本番できるよ、やりたいんだろ、女の子を紹介してやるよ」などと申し向けたんだという。
 こっちの被告人は、私のメモに間違いがなければ、2005年7月に川崎支部で「公務執行妨害」により懲役1年6月、執行猶予3年、同年11月に東京簡裁で「窃盗」(勤務先の自動車を無断使用)により懲役1年、保護観察付き執行猶予3年を受けており、本件はそれら執行猶予中の犯行。

 10時からのは、4月11日の犯行。10時45分からのは4月16日の犯行。いずれも、声をかけた相手が私服刑事だったことから、現行犯逮捕。いずれも求刑は罰金5万円
 そういう検挙はよくあるんだろう。住所不定・無職、どうせ罰金払えないから、勾留しといて「満つるまで算入」とする、そういう処理もよくあるんだろう。でも、「売春防止法違反」が1日2件はもちろん、1週間に2件入ることも、珍しいといえるんじゃないか。
 売春のスタイル、歌舞伎町の性風俗が変わってきて、かつ、顔を知られてない新しい刑事が4月に入ってきた…ということなのか、それとも…たった2件であれこれ傍聴マニアは想像を巡らすのであった。

 10時45分からのが終わったのが、11時40分。11時15分から簡裁728号法廷に、これが男だったら怒るよ、という氏名の被告人の「占有離脱物横領」(普通は放置自転車のチョイ乗り)の新件が入ってるが、今頃行ってもなぁ、と534号法廷に居残ることに。

clip 11時45分から、「建造物侵入・窃盗」の判決。
 被告人は身柄(警察留置場)。50~60歳と思しき、ちょっとぽっちゃりした年配男性。他の2人と共謀し、2007年10月にゼロエミッション・オフハウスの出入り口ドアの施錠を破り、腕時計など19点、時価208万8000円相当を窃取、2008年1月、シャノアールの出入り口ドアをバールでこじ開け、現金119万2307円などを窃取。傷害の罰金前科1犯、財産犯の前歴1件あり。
 懲役1年2月、未決50日算入。訴訟費用不負担。

clip 11時55分から(12時05分までの予定で!)、「住居侵入、窃盗」の判決。
 再開して弁護人(若めの女性)が、債務整理の進行について立証。
 被告人(身柄、拘置所)は、坊主頭で若めの男。文京区大塚のマンションの自室ドアで、針金を曲げてつくった道具でサムターン回しの練習をし(!)、同じマンションの4つの部屋に侵入して現金等々を窃取しまくったのだという。被害者の一部(?)は、示談が成立して宥恕の情あり。前科・前歴なし。
 懲役2年6月、執行猶予4年。訴訟費用不負担。
 12時11分閉廷。

P1020528 train 電車で財団法人全日本交通安全協会へ行き、最新の『交通の教則』など6冊、合計811円を買う。
 もう帰って寝ようかと思ったが、16時から某弁護士事務所で打ち合わせが入り、それまで裁判所に居ることに…。

clip 14時から東京高裁・刑事5部(中山隆夫裁判長)803号法廷で、「神奈川県迷惑行為防止条例違反」の判決。
 被告人(30代かと思しきスーツの男性。日に焼けてカッコイイ系)の家族らしき傍聴人が多く、弁護人は3人で、司法記者らしき若者もいて、これは否認か、と思ったらそうだった。
 被害女性(18歳)と被告人との説明が真っ向から食い違っており、結局どっちが信用できるかに尽きるところ、被害女性の説明を完全に信じて控訴棄却。
 真実がどうか私は知らないが、被害女性の説明というのは、裁判官が有罪にしやすいよう、警察・検察により完全につくり上げられる面がある。そこを差し引くどころか、喜んで迎え入れ、そして被告人の説明については徹底的に疑い抜く、のが刑事裁判の鉄則といえる…。

clip 14時30分から東京地裁・刑事5部(山口雅髙裁判官)532号法廷で、「自動車運転過失傷害・道路交通法違反」の新件。この罪名の書き方は、前にも説明したが、いわゆる“ひき逃げ”である可能性が高い。ひき逃げは2007年9月19日から厳罰化された…。
 被告人は、女優のような洒落た氏名。それでか、14時26分頃に法廷(傍聴席20席)に入ると、もう数席しか空いてなかった。男が多く、ぎっしり感あり。
 ところが、被告人席についたのは、マジメなサラリーマン風の男性(47歳)だった。兄が経営する飲食店で働いてるのだという。仕事は早め早めにやらないと気が済まない質(たち)だそうで、肉の仕込みにわざわざ出かけてその帰り道の早朝3時47分頃、環状7号線の世田谷区・羽根木あたりを通過した際、道路に散乱した新聞を拾い集めていた新聞販売店の若者に、カーナビに脇見して気づかず、自車右前部を漫然時速50~60キロで衝突させ、左眼窩(がんか)骨折、尾骨骨折など1カ月の重傷を負わせ、一度は止まったものの、救護義務、報告義務(道路交通法第72条1項前段、後段)に違反して走り去ったんだという。
 動転したから? いや、何か硬いものにぶつかってミラーが取れたので、止まって見たけれども、散乱した新聞も被害者も見えず、まさか人をハネたとは思わず帰ったんだという。
 そこが、霞っ子クラブの毒人参さんの表現を借りれば「最近注目の狂犬・山口さん」「公家顔の狂犬裁判官・山口さん」の逆鱗(げきりん)に触れた! サイドミラーが取れたのに気づいて15~16メートル走って止まったなら、散乱した新聞等が見えないはずがない、この期に及んでウソをつくとは許せないと、ま~、怒るわ怒るわ、すっごい責め方。毒人参さんの表現はうなづける。
 …だけどさ、傍聴席で聴く限り、ありゃりゃ? であった。「衝突したのは人じゃないよな」と思ったのは、「人かもしれない」という認識があったからだ! と山口裁判官は断定するのだが、環7(東京の主要幹線道)の真ん中に人がいる(屈んでた?)とは露思わず、それでも、万が一にも人だったら大変と思い、念のため「人じゃないよな」と思うのは、別段不合理とはいえないのでは? だいたい、時速50~60キロで衝突して、サイドミラーが取れたのに気づき、明け方の環7で、15~16メートルで止まれる? その距離は、72条違反の故意が成立するよう警察がつくった距離じゃないの?
 結局、被告人は、人との認識はなかったと最後まで言い、弁護人は、困った末、未必的故意はあったかもしれないと言い、その線で結審した。山口裁判官の法廷で、故意を争っても、量刑が重くなるだけだろう。
 前科・前歴なし。被害者への見舞いや賠償は、かなり誠実にやっており、求刑は懲役1年2月。
 15時19分閉廷。

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著者:今井 亮一
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pen 事件数でもう1000件近く傍聴してきた。
 検察立証の中心は、警察がつくった調書や報告書だ。それらは、検察官が起訴しやすいよう、裁判官が有罪にしやすいよう、ポイントを押さえてつくられている。ほぼすべての被告人は、要領よくポイントを押さえた自白をした形になっている。
 裁判官は、ま、すべての裁判官があらゆる場面でとはいわないが、原則として疑わない。そんなもの疑ってたら、次から次へとぎっしりの事件を裁けない、じゃなくて、捌けない(←荷捌きの捌き、ね)。
 ここは、「警察官たる者が見も知らぬ被疑者をあえて罪に陥れるはずがない」という机上の斬り捨て文句でスパッと斬り捨て、目をつむり、警察調書は(暴行・脅迫等があったという録画・録音でも存在しない限り)疑わないことを前提に、右から左へ次々捌き流していかねば。でないと未済事件が溜まり、無能裁判官の烙印を押されてしまう…。
 したがって現実問題、警察捜査の段階で、もう有罪は決まり、といってよく、そうやって日本の犯罪処理は成り立っているわけだ。
 ところが、裁判員制度のからみで、捜査段階での調書等より公判廷の供述等を重視しよう、なんて話が出てるとか? もしもそんなことになったら、日本の犯罪処理は破綻し崩壊しちゃうんじゃないのか…。という見方は、当たってるのか外れてるのか。

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2008年6月16日 (月)

自分を見失うな!

 午前の「脅迫」(10時~12時)の審理はパスして…。
clip 13時15分から東京地裁・刑事2部(神田大助裁判官)533号法廷で、「道路交通法違反」の審理。
 もしや否認? と出かけたのだが、違った。追起訴だった。
   2003年    無免許で罰金刑
   2004年10月 無免許で執行猶予(3年)付き懲役刑
   2006年10月 無免許で罰金刑
   2007年08月 無免許で捕まり、公判請求(本件)
   2008年05月 その公判請求の後に無免許(追起訴分)
 2008年05月のは、原付の速度超過と思われて停止させられ、自二とわかって速度違反は免れたものの、無免許でとうとう現行犯逮捕されたのだという。身柄、警察留置場。
 求刑は懲役8月。
 交通違反以外に前科はないそうだが、いくらなんでも実刑だろう。
 傍聴人は私1人だった。13時47分閉廷。

clip 14時から東京高裁・刑事11部で、どこかで見たような女性氏名の被告人の、「過失傷害」の控訴審第1回。
 もしかして自転車の事故かな、と思ったらズバリそうだった、というか、どこかで見たも何も、3月12日に東京簡裁で罰金15万円を言い渡された事件の控訴審だった。
 被告人質問を長々やって、結審。
 雰囲気からすると、原判決を破棄して被告人に有利に自判するのか? とも思えたが、うーん…。14時40分閉廷。

clip 同じ法廷で14時30分から、「傷害致死」の控訴審第1回。いったん裁判官らは下がり、証人(若めの女性)が証人カードに記入。この事件、3歳の長男を殴る等して死なせたと、3月13日にさいたま地裁で懲役4年を言い渡されたやつだ。これから証人尋問するんじゃ、15時を軽くまわってしまう。
 15時から地裁419号法廷で、「殺人」の新件がある。これも報道されたやつだ、「俺が死んで、あいつが生きてるのが許せない」とか。貧困系とでもいうべき事件に、最近ちょっと興味があるので、そっちを傍聴しよう。14時30分から地裁510号法廷で、これも報道された“セレブの飲み会”がどうとかいう「準強制わいせつの審理があるけど、そっちはいいや。とりあえず一服すっか…。

clip と1階へ降りたところ、霞っ子クラブのユキさんと毒人参さんにばったり。「殺人」は期日取消になったという。ええ~っ。
 そのお2人と、霞が関倶楽部の大先輩から、14時~16時の予定で入ってる地裁528号法廷の「強盗殺人、銃刀法剣類所持等取締法違反」の審理は、事件番号が「平成13年」のとんでもない事件なのだと聞き、そういえば私は一度も傍聴したいことないな、一度は見ておくかと、15時07分頃、その法廷へ。私の斜め後ろの傍聴席に、府中刑務所へ福井雅樹さんの面会へ行ったときばったりお会いしたご婦人が。あら、こんなところで。coldsweats01
 被告人質問の最中だった。被告人(身柄)は、大きな虎の絵が入った白いセーター。ユキさんが言ってたとおりだ。弁護人は、ややこしい事件でよく見る、太めでヒゲの大男2人。兄弟? なわけないよね?
 15時24分、弁護人の1人からの質問が終わり、もう1人が続いて質問するのか思ったら、その弁護人が言った。
「今日のところは、これでキリがいいので…」
 裁判長は、スムーズに次回へ続行とした。え~っ? いちおう16時まで取ってあるんだから、普通、あと30分やるんじゃない? 裁判の目的は早く終えることそのものか…と思えることも少なくないのに、この事件はもう裁判所もあきらめてるの? 事件番号が「平成13年」って、東京地裁の“主(ぬし)”みたいな…。

 終わってすぐに、15時30分からの地裁813号法廷の「殺人」の判決へ行ってみたが、もう完全に満席だった。これも報道されたやつだ、“介護殺人”として

 先週急がしすぎてチェックしきれなかった今週火曜以降の、地裁と高裁と簡裁の予定をチェック。なんとなく813号を覗くと、1席空いていたが、途中から窮屈なところに座ってもしょーがないナと、帰る。じゃ覗くなよ。

punch 今日は、14時からの「過失傷害」のあとは、行方定まらずただただウロウロしてたような。こんなことしてたら、ダメじゃん! 最近、自分を見失ってる!
 己(おのれ)が何者であるか知り、バカと呼ばれても己の道だけ突き進む、そうやって私はきたんじゃないのか。そうだ、私は、「道路交通法違反」だけに集中しよう!
 そして、たまに余裕があるときに、地裁の「自動車運転過失致死傷」と「危険運転致死傷」と、簡裁の否認と思しき罪名の事件と、地裁の「脅迫」「威力業務妨害」「ストーカー規制法違反」「公然わいせつ」と、その他珍しい罪名の事件を傍聴することに…ってそれが欲張りすぎだっつーの!

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2008年6月11日 (水)

検事さんよォ、人を騙してよォ、笑ってんじゃねーぞ、この野郎!

 昨日書いた、「ストーカー判事」のメールの件。産経ニュースほど詳細ではないが、朝日新聞でも内容が一部紹介されており、そこに「検察発表資料から抜粋」とある。ふぅん。もしかして検察は、メールの詳細な内容等を、つまり捜査資料乃至書証(とする予定の文書)の少なからぬ一部を、記者らに撒いてたわけ?
 被告人が書証の写しを求めても、「写させて良いとの法律がないからダメ」と断り、被告人の防御を妨害するくせに、記者には出すわけ? ふぅん…。
※ 2007年11月11日の記事「裁判員制度の本質とは」も関連。

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 さて、9時50分から東京地裁510号法廷で(中村昌史裁判官)で「公務執行妨害」の判決。
 4月8日、公園のベンチの前で、無灯火の自転車に乗って警察官2人から職務質問を受けた際、右手に持っていたシュークリームを1人の警察官の顔面に押しつけ、もう1人の警察官に投げつけたんだという。被告人は身柄(拘置所)。前科・前歴なし。
 判決は、罰金30万円、未決勾留中40日を、その1日を金5000円に換算して、その罰金額に算入。払うのは10万円でいいよってことだ。
 だけど、ええっ!? 地裁で罰金!? 確認したところ、求刑も罰金だったそうだ。そんなの簡裁でやればいいのに、なんで!? 起訴後に何か事情が変わった~とか?

           ★

 10時から地裁724号法廷(合田悦三裁判官)で「道路交通法違反」の判決。
 2月18日に(そのときも審理を)傍聴して、ひき逃げ死亡事件なのに、なぜ「道路交通法違反」なのか、ナゾだった事件だ。
 理由がわかった。被害者(5歳男児)は被告人の車(報道によれば米国製の四輪駆動車。戦争用のアレ?)に衝突されて転倒、背部から頭部を少なくとも1回轢かれて死亡した(可愛そうに! 戦争用の米車で日本の街路へ乗り入れるな!)が、それについては起訴されておらず、救護義務も報告義務も怠ったという「道路交通法違反」のみの、本件は起訴だったのだ。被害者は、米国製四輪駆動車の直前へ飛び出し、被告人には過失すらないとされたんだろう、と推測するのが最もストレートか。
 被告人は、衝突・礫過したことに気づかなかった、と否認していたわけだが、合田裁判官は、未必的認識はあったと認め、有罪とした。
 懲役2年、執行猶予4年。訴訟費用(証人費用)負担。
 黒いスーツの被告人は若く、小泉純一郎元首相の息子にどこかしら似てる。顔立ちやたたずまいが、根っからの“金持ち階級”そう、に見えた。

           ★

 約5分遅れて、10時30分からの「窃盗未遂」の審理を傍聴に、東京高裁803号法廷(中山隆夫裁判長)へ。拙著『裁判中毒』で一審・東京簡裁の様子を書いた、スリ未遂の真っ向否認だ。
 今日は弁護人、検察官、双方の最終意見。
 被告人の妻が、いつもの最前列で、顔を赤くして泣いていた。
 壇上の裁判官らは、気のせいか、なーんか、つまらなさそうというか、ま、これはものすごい妄想的憶測だが、無実らしいのに控訴棄却とせざるを得ない気持ちを黙って噛みしめているような…。
 次回判決。

           ★

 約11分遅れて、11時からの「器物損壊」の新件を傍聴に、東京地裁409号法廷(小川賢司裁判官。去年、高裁刑事3部、中川武隆裁判長のとこで陪席をやってた)へ。
 被告人(身柄、警察留置場)の氏名は女性風なのに、男性だった。
 入ると、第2の起訴事実についての甲号証の要旨告知が始まるところで、起訴事実は第5まであった。ぜんぶ、コンビニ等のトイレの電気コードを切断したというもの。“トイレ壊し魔”か。無職でイライラがつのっており、最初は犯行時ビクビクしていたが、切断したら気持ちがスッと楽になり…。
 店側は、水が流れなくなって気づいたんだという。電気仕掛けで水を流し、そのコードが露出してる? よくわかんなかったが、他に14件、同種のことをやっており、かつ、現在は偽計業務妨害で再逮捕中で、追起訴をどこまでやるか、続行。
 11時32分閉廷。
 終わってから、隣の傍聴人が霞っ子クラブの毒人参さんだと気づいた。被告人氏名が女性風だったので傍聴に来たんだという。私もだよ~。

 霞っ子クラブといえば、ユキさんが書いてる昨日の「犯人隠避、組織犯罪処罰法違反」って、私が2006年7月28日に第1回を傍聴したやつじゃないかな。私は昨日は武蔵野区検と府中刑務所へ行ってて…。

           ★

 13時10分から、地裁425号法廷(林正彦裁判官)で「化製場等に関する法律違反」の判決。
 懲役6月、執行猶予3年。「猟犬飼育の個人的な趣味乃至興味から…」と林裁判官は言ってたが、そうだったの? 前回5月19日は、上記「窃盗未遂」と完全にダブり、傍聴できなかった…。

           ★

 さぁ、もう帰ろうか、眠くて眠くて。
 けど、もうちょっと、と13時30分から、高裁720号法廷(田中康郎裁判長)で「犯人隠避、証拠隠滅」の判決。隠避と隠滅、ダブルの罪名は東京地裁では見たことないはず、原審は地方なんだろう、と。
 入ってきた被告人(身柄、拘置所)を見て驚いた。あれ、この人知ってる!! どこで会ったんだっけ。すぐにわかった、5月12日に第1回を私は傍聴してたのだ。なぜ私的な知人と、一瞬とはいえ勘違いしちゃったんだろう。
 さらに驚いた、同時刻から高裁410号法廷で「傷害致死、証拠隠滅教唆」の第1回があり、どっちを傍聴しようかと悩んで720号へ来たのだが、こっちの被告人の申告により410号の事件が発覚したのだった。
 もう少し詳しく言うと、被告人が銃刀法違反(実弾付き拳銃所持)で鹿児島地裁に服役しているとき、ある人物の死亡はじつはある男(410号の被告人)が金属バットで殴打する等して死なせたものであり、被告人も協力して証拠となる車に灯油をかけて燃やしたことを、白状し、それにより、410号の被告人および一緒に車を燃やした2人は逮捕された…と。
 判決は、控訴棄却。
 被告人は判決理由を聞きながら首をひねり、終わって裁判長に食いついた。
被告人 「じゃ、自分が言ったことは、バカみたいことだったんですか!」
 被告人と裁判長とで、けっこう長いやり取りがあった。
被告人 「刑事、検事は、俺の事件を解決して、地位が上がってるんですよね」
 いっしょに車を燃やした2人は懲役1年、自首した自分は懲役1年2月、納得いかないわけだ。裁判長は、1年は証拠隠滅の分であり、死亡した被害者について病院や警察に虚偽の説明をした犯人隠避のほうは2カ月、ものすごく軽くしてあると言い、更生のためのプロフェッショナルぽい人生訓みたいなものを言うのだが、被告人は納得いくはずもない。だって、一審で自首の主張がなかったのでと、控訴審での自首(刑法42条1項)の主張は封じられてるわけだし。
 13時48分、被告人は再び手錠・腰縄につながれ、
被告人 「検事さんよォ、人を騙してよォ、笑ってんじゃねーぞ、この野郎!」
 と出て行った。
 私は傍聴していて、思った。自首すれば、自首により逮捕された者(本件では暴力団員)から激しく恨まれるはず。自首なんかしないほうがいいよね…。
 痴漢やスリ未遂の疑いをかけられたら、やってなくても直ちに認めてヘコヘコしまくるほうが絶対にお得だよとか、裁判傍聴を重ねてると、そんな知恵ばかりついてくる。いいのか!?

 同じ法廷で、「住居侵入、暴行」の判決と、「窃盗、強盗未遂」の第1回を傍聴して、私も帰る…。

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2008年5月13日 (火)

前日から酒を飲み続け、もう飲めなくなったので車へ戻り

5月12日(月)

 10時から東京高裁・刑事3部(中川武隆・小原春夫・吉玉正紀裁判官)410号法廷で、昨年12月14日に東京地裁で一審判決(懲役1年6月、執行猶予4年)があった「脅迫・威力業務妨害の控訴審第1回。
 小原春夫裁判官って、八王子支部にいた人だね。
 被告人は、一審の第1回のとき45歳だったが、46歳になっていた。
 以下、言葉は完全に正確ではないかと思うが…。
弁護人「被告人質問と、あと学者さんに意見書を書いていただくよう…これについては今日、ちょっと…」
裁判長「検察官、ご意見は」
検察官「被告人質問については、必要なし。意見書については、すでに数カ月を経ております。必要性はないものと思料します」
 裁判官3人、壇上でひそひそ。
裁判長「え~、それでは、裁判所の裁定を示します。被告人質問は必要性ないものと認め、意見書は予定ということで正式な請求と認められませんが、待つことはなく本日これで結審することとします」
 来週判決となった。早っ。
 被告人側のあの無罪主張の、味方になる意見を持つ学者って誰? どんな「意見」? 大いに興味あったので、ちょと残念。ま、意見書を今日出せない理由は、学者が引き受けたが締切りに間に合わなかったと、そんな学者が見つからないと、2通りあるわけだが…。
 10時4分閉廷。

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 10時から始まっていた「公務執行妨害」を傍聴に、東京地裁・刑事6部(高橋正幸裁判官)418号法廷へ。
 酔っぱらってタクシーで寝てたのを起こされ、腹を立てて警察官に頭突きした、という事件だった。被告人は、不動産業でマジメに働いているという若者。酔っぱらっての「暴行」の罰金前科があるそうだ。
 私なんぞからすると、「よりによってなんで頭突き? 頭突きが飛び出す背景は?」なのだが、誰もそこは突っ込まなかった。
 求刑は懲役1年。
 10時44分閉廷。

 418号法廷は次も「公務執行妨害」。被告人の氏名はカタカナ。通訳がつくのは時間がかかる、腹へった、午前の傍聴は切り上げてどこかで食事を、となったところへ、黒いスーツの被告人らしき黒人がきた。弁護人と日本語で話してる。じゃあ…と傍聴することに。
 ところが通訳付きだった。裁判所でよく見かける、ちょと美人のあの人だ。つーことは英語なのだな。ま、たまには英語の勉強をしようかと、席を立つのをヤメた。
 「はい」は「イエス」で、「そのとおりです」は「コレクト」なんだね。知らなかった。
 被告人は3週間を「テレウィークス」と言い、通訳人は何度も「スリーウィークス?」と確認してた。昔、フィリピンの電話交換手が、何度聞き直しても「(ザラインイズ)ビーシー」と言い、それが「ビジー」だとわかるまでにだいぶ時間がかかった…そんな思い出を遠く思い出したよ。
 被告人(輸入販売会社を経営。日本人と婚姻。前科なし)は、3週間前に知り合った「ボビー」と名乗る男から、買い物につきあうよう頼まれ、ハード・オフへ行ったところ、不正なカードを持った外国人がいるとの110番通報を受けて警察官が臨場、たちまち「ボビー」は姿を消し、パニくった被告人は逃げようと警察官の肩を押した、という事件だった。
 なるほど、不正なカードで商品を詐取しようとするとき、被告人のような、情を知らず、かつ、なるべく警察官に関わりたくない者を連れていくと逃げるときに便利なのだな、と思った。
 求刑は懲役1年。
 12時13分閉廷。

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 あ~、腹へった。どこで何を食べようか悩んだ末、向かいの合同庁舎2号館で、唐揚げの黒酢あんかけ丼530円。懐かしの第5食堂に慣れた私には、野菜が少なく、これは410円が適当だろうと…。

 今日は傍聴券抽選の事件が2つあった。有名タレントの弟の事件と、妹殺しの事件。私はそういう有名事件は普段傍聴しないのだが、礼田計さんが当たり券をくれるというので、せっかくだから、たまにはと、東京地裁・刑事9部(秋葉康弘・建石直子・古賀秀雄裁判官)104号法廷で、13時30分から「殺人・死体損壊」。
 今日は論告・弁論。寝不足と満腹とで、だ~いぶ居眠りしてしまい、求刑を聞き漏らした。報道によれば懲役17年。
 14時27分、最終陳述。
 私は後ろのほうの席だったので、定かではないが、何も読まずに述べたように見えた、よく整理された簡潔・明解な内容を、一語一語ゆぅ~っくりと。頭が良い、というのを通り越してるような…。
 ただ、最後に、
「ご静聴ありがとうございました」
 と述べたのが、どこか幼く感じたっけ。5月27日判決。

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 14時45分から東京高裁・刑事1部(田中康郎・福士利博・島戸純裁判官)720号法廷で、「犯人隠避・証拠隠滅」の控訴審第1回。
 被告人は受刑中で、現在の住所は東京拘置所だという。原審は前橋だという。
 田中裁判長が言った、控訴趣意書、補充書の、「自首が成立する」という部分は、原審で主張されてないので不適法な主張となり、消除(しょうじょ)してよろしいか、と。
 被告人は、友人の死亡(殺害された?)に関することについて、ウソをついており、のちに白状に及んだことは明白なので当然、自首として扱われると思い込んでおり、しかし一審の弁護人が自首を主張しなかったらしい。それを控訴審で言い出すのは不適法って、前からそうだったの? 「裁判員制度」を目玉に国と自民党が「司法改革」だと言い出し、素人(裁判員)にわかやりやすくをキャッチフレーズに手続きをぐじゃぐじゃにしたようだけど、その一環でこれもそうなったの?
 受刑中の事件の判決について…。
検察官「共犯の人たちと量刑が違う(たぶん被告人がすごく軽い)ことはどう思いますか?」
 これ以上軽くしろとは、ふてぇ奴だ、という趣旨なのだろう。
 被告人は笑って即答した。
被告人「それは当たり前だと思ってるんで。あの人たちはヤクザなんで」
 検察官も苦笑。

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 15時30分から東京地裁・刑事13部(戸倉三郎裁判官、だと思う)510号法廷で、今日の午後のメイン、「危険運転致傷」の新件。
 被告人は36歳。でも若く見える。「昭和51年」と聞こえたのは「58年」か「57年」の誤り?
 トサカ、とまではいかないけど、つんつん髪。もみあげが長く、うっすらヒゲ。細いストライプの黒スーツ。身ごろが鮮やかな青のストライプで、えりが真っ白の、しゃきっとしたシャツ。ネクタイはグレー。先が反り返った靴。大学の若いサークル仲間の、原宿のフレンチレストランで開かれた結婚披露宴…にお出かけするイメージ。精一杯“正装”してきたのだろうが、「危険運転致傷」の罪で裁かれにくる服装とは到底思えない。
 3月7日長野県内で酒を飲み(長野在住。父親が社長の保険代理店の、被告人は役員)、友人と車で東京へ出かけ、早朝、新宿の西口駐車場に車を入れ、築地、お台場、歌舞伎町などで酒を飲みまくり、もうそれ以上飲めなくなった(最後のキャバクラはまったく記憶にないという)15時半頃、駐車場代がかさむ、外のパーキングに移動して仮眠しようと、西口駐車場へ千鳥足で向かい(通路の防犯カメラに録画あり)、インテリジェントキーでロックを解いてエンジンをかけ、出口へ向かって蛇行し、3号精算機の前にいた被害者へ時速20キロくらいで突っ込み(これも防犯カメラに録画あり)、左下腿骨骨折等、全治3カ月の重傷(そうとうの出血もあり)を負わせ、しばらくして車を降り、呆然としていた、友人を帰らせた(友人は高速バスで長野へ)という事件…。
 書証の写真を確認させるとき、
検察官「(裁判官に)被害者の足の写真、けっこうアレなんですよ…」
被告人「いや、警察で見てますんで」
検察官「じゃ(今ここで)見ていいですね」
被告人「あ、それはちょっと…(手で遮る)」
 というシーンがあった。
 被害者の骨は、まだくっついてないそうだ。
 裁判員は、そういう写真も見ることになるのだ。さすがに上記「死体損壊」の写真は裁判長の判断になるかもしれないが。
 示談のことで続行。次回は情状証人と被告人質問。
 16時3分閉廷。

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 いったん帰宅して生活クラブ生協の供給品を取りに班長さん宅へ。
 それから阿佐ヶ谷ロフトAへ。「裁判傍聴マガジン創刊記念・元木編集長の裁判ってこういうことだったのか会議」。

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2008年4月26日 (土)

青信号の横断歩道は鬼門

4月25日(金)その1

 9時50分から傍聴の予定だったが、あれこれたまっており、すぱっと断念。退くことによるデメリットに目をつむり、退くべきところはすぱっと退かないと。

 13時30分から、東京簡裁・刑事1室3係(八木澤秀司裁判官)534号法廷で、今年度初めての、「道路交通法違反」の新件。気合いを入れて早めに裁判所へ。
 ところが、期日が取消になってた。げ~。そんなことなら今日は裁判所へ来なかったのにぃ~。でも、取消が1件あったと知ったことは収穫だ。略式から正式裁判請求→やっぱり取り下げ、かと推測できる。ときどきあるんだよね。

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 13時15分から、東京地裁・刑事21部(半田靖之裁判官)421号法廷で、「自動車運転過失致死・道路交通法違反」の判決。

 昨年6月12日以降に発生した交通人身事故は、「業務上過失致死傷」(上限は懲役5年)ではなく「自動車運転過失致死傷」(同7年)で裁かれることになった。同年9月19日以降、措置義務違反(いわゆるひき逃げ)の罰則の上限が、5年から10年へ引き上げられた。
 その後の量刑の相場がよくわからない。検察庁には求刑基準が、裁判所には量刑基準があるはずなんだが、なかなか漏らしてくれないので(開示請求しても非開示)、傍聴を重ねて相場を知るしかない。
 裁判所の開廷表は、私が見てきた限りでは、「自動車運転過失致死傷」と「道路交通法違反」が併合罪の場合、「道路交通法違反」が前にくるときは、無免許か酒気帯び、後ろにくるときは措置義務違反のようだ。
 というわけで、ひき逃げ事故の量刑を見に、傍聴したわけ。
 ところが、2分遅れて法廷に入ると、髪もじゃもじゃで蛾次郎さんみたいな弁護人が、「相続人が…」「不明な状況で…」と言っていた。どうも、死亡した被害者の正しい相続人がわからず、示談を進められない状況になってるらしい。
 そんで続行…。

 13時30分から、東京地裁・刑事1部(西連寺義和裁判官)706号法廷で、4月11日に第1回を傍聴した「自動車運転過失致死」(この記事の3番目)の判決。
 禁錮3年、執行猶予5年、訴訟費用負担。
 5年は猶予期間の上限だ。重い。2002年に「業務上過失致死」で罰金前科があり、その後も違反歴が5回あるせいだろう。
 この量刑が重いか軽いか、論じると長くなるが、私を含めまだ生きてる者は、歩行者にとって青信号の横断歩道は鬼門、いちばん死傷させられやすいのだということを、国はそうは教えてくれない(逆に「歩行者優先」とばかり周知させる)から、自身で肝に銘じなければならない。そんなことは、いくらだってあると思う。国は国の立場や都合で政(まつりごと)を行うのであり、民は民で自治・自律しなければならない…裁判傍聴を重ねてると、そんな重いが深くなる。だから私は、吉野屋の牛丼を食べない。って話とびすぎですか?

 13時35分から、続けて「覚せい剤取締法違反」の判決。
 懲役2年4月、未決20日算入、訴訟費用負担。
 3回の服役前科があり、前刑の仮釈放から2年余りでの、注射器による自己使用。幻聴を初めて体験した怖ろしさから、二度と使用しないと約束してるんだそうだ…。

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2008年4月18日 (金)

元警察官が現職警察官を平手打ち

4月17日(木)

 手帳には午前中も傍聴予定があったが、さすがに踏みとどまり、ご相談等に対応。1時間ほど仮眠。久しぶりに昼過ぎの電車で裁判所へ。

clip 13時30分から、東京簡裁・1室2係、826号法廷で、3月6日に第1回を傍聴した「業務上過失傷害」(否認)の第2回公判。
 第1回は後藤征弘裁判官だったが、4月から永瀨進裁判官に。
 この永瀨裁判官は、4月10日、ネズミ捕りのどうってことない否認事件を、地裁へ移送した。今回もまさか…と思ったらズバリ、
「東京地裁でやったほうが、よりベターと思いますので」
 と地裁へ移送してしまった。ええ~っ。
 この2件だけで判断するのは早計かとも思えるが、しかし、永瀬裁判官は今後も否認をさくさく移送する可能性あり。
 もしそうだとして、これは永瀬裁判官だけの方針なのか、東京簡裁全体の新しい方針なのか。丸5年間、定点観測してきた私としては、もうね、これからね、否認の可能性が高い罪名は全室全件傍聴せねばイカンじゃないの! たぁ~いへんだ!

clip おかげでちょいと時間が空いたので、地下で、かけそば大盛り280円食って、14時から東京地裁・刑事13部(佐藤晋一郎裁判官)802号法廷で、「公務執行妨害」の審理。
 じつは、次の午後の狙いは15時からであり、これは、こう言っちゃ申し訳ないけど、時間つぶしで傍聴したのだ。もしや万が一、駐車監視員への公妨だったら、と思って。

 20席の傍聴席に、10数人いた。
 しかも多くは黒っぽいスーツの中年男性。警察官?
 始まってビックリ。泥酔して電車内で乗客とトラブルを起こし、駅長室へ連れて行かれ、巡査長から事情を聴かれるとき、わけもわからず腹を立て、その左頬を右手で1回平手打ちしたという、ま、裁判的にはありがちな事件なのだけれども、体が大きくて素朴な顔立ちの被告人(身柄。拘置所)は、ピシッと伸ばした両の手を両腿の外側にピシッと添え、起立の姿勢が良いのだ。服役経験ありか? と思ったらそうじゃなかった。前科・前歴一切なくて、ある国立大学の大学院で博士課程を全課程終了し、別の国立大学の法学部を卒業、空手をやっており、北海道警察で警察官を1年ほどやったんだという。
 なぜ警察を辞めたのか、検察官が質問した。被告人は答えた。
「交通違反の取締りに重点をおいていたんですが、自分としては治安のほうの仕事をしたく、それで上司と衝突してしまい…」
 交通違反の取締り(=ノルマ消化のための取締り)などやってられるか、そんなことのために警察官になったんじゃない! ということだったんだろうか。
 現在、「思想的な活動」(弁護人)、「民族家の活動」「この国のためにある活動を、街宣ですとか…」(被告人)をやってるんだという。
 求刑は懲役1年。14時41分閉廷。『裁判中毒』に出てくる“懲役前科1犯の主婦”と同じ求刑だ。判決も同じになるはず。

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人気blogランキング ← 4月18日7時50分現在、ぎょっ! 530で21位~happy02

 「名古屋地方裁判所やじうま傍聴記」の、「かわいいおばあちゃんめぐって大混乱! 狂犬病予防法ってナニ?」、
  http://chisai.seesaa.net/article/92635932.html
  http://chisai.seesaa.net/article/92142285.html
 『裁判中毒』のコラムでちらっと紹介した、チョー珍しい事件の、詳報だ。こういうのをお手軽に読めるとき、インターネットはすごいと思う。「(2)」の「ケンケンパ」に、不覚にも爆笑してしまった。くっ、悔しいっ。

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2008年4月13日 (日)

傍聴席であわや乱闘

4月11日(金)

 今日は東京簡裁に傍聴したい事件はなかった。ないのに、東京地裁に「自動車運転過失…」の公判が何件かダブらずに入ってた、というだけの理由で、つか勢いで、またもいろんなこと放り出して、裁判所へ。
 私ゃほんとにもう、いろんなことがパンクしそうなので、かつ、今日の1日は珍しいことがいろいろあったので、まとめて『ドライバー』の連載で書こうかと思う。以下、手短に備忘録(それが当ブログの役割の1つ)としてまとめとくです。

(1)10時30分~10時35分 自動車運転過失致死 判決
 被告人は在宅。禁錮2年6月、執行猶予4年、訴訟費用負担。
 被害者は横断歩道を横断中の69歳男性。足立区内の事故。
 検察官は、長めの後れ毛はらりの女優のような女性。
 開廷前に、遺族とそうではない傍聴人とが、あわや乱闘になるかというシーンを目撃。

(2)10時45分~10時50分 覚せい剤取締法違反 判決
 遺族と乱闘しそうだった男性とその「お袋」が傍聴に来たのはこの事件らしかったので、なんだろうと興味が湧いて傍聴。
 被告人(身柄。警察留置場)は若めの、これもちょっと女優のような女性。
 懲役1年6月、未決20日算入
 傍聴席のその男性が激しく泣いた。

(3)11時~12時5分 自動車運転過失致死 新件
 足立区内で、大型貨物(20トン)で左折する際に、左後輪が縁石に接触するかどうかに気を取られ、横断歩道を横断中の89歳女性を…。私が傍聴してきた限り、事故はほとんどすべて横断歩道上で起こっている。
 被告人(在宅)は2002年にも死亡事故で罰金50万円に処されているんだという。今後運転しないことを誓っていた。
 遺族の1人(娘さん?)が陳述する間、他の遺族が激しく泣いた。
 求刑は禁錮3年。次回判決。閉廷後、遺族と被告人が廊下で…。

(4)12時30分頃~
 国土交通省の地下で、前から気になってたスパゲティの店(いつも長蛇の列)で、A(溶き卵の和風味とかいうの)大盛り550円。霞が関での昼食に500円以上払うのは、私にとっては大奮発なのに、失敗! 680円のCか、“あいがけ”にすれば良かった。いや、霞が関で680円も払うのは、あまりに掟破り。今後、どうしたものか、ってそこまで悩むか(笑)。

(5)13時20分~13時22分 道路交通法違反 判決
 開廷前に一般控え室で、被告人、その知人、弁護人らしき3人が判決を予想しあってた。内容からして、“犯罪慣れ”してるらしかった。そこへ、最近私が気になってる傍聴人(ずんぐりした年配でダボダボつんつるてんのズボン)が話しかけた。どうやらこの人、傷害致死で服役したことがあり、裁判所に恨みがあるらしい。
 道路交通法違反の判決は、懲役7月、訴訟費用不負担。
 累犯前科が2つあり、前刑の仮釈放後2年5カ月足らずの、本件は酒酔い(0.74ミリグラム)。

(6)13時30分~14時2分 公務執行妨害・器物損壊 審理
 被告人(身柄。拘置所)は、見た感じ20代? 半ズボンでひょこひょこ入ってきた。障害者なのだった。
 被告人質問と論告・求刑。生後間もなくから施設で育ち、頼るべき家族もなく、難病に罹患しているのだという。窃盗か何かで服役後、戻ろうとした施設は未成年者用で、別の施設へ行ったが、そこは長く居られない施設で、紹介されたさらに別の施設は嫌で、こうなれば刑務所へ戻るしかないと、パトカーを何度も蹴ったのだという。損害額は8万3745円。弁償の見込みなし。
 求刑は懲役1年6月。次回判決。

(7)14時30分~15時10分 自動車運転過失傷害・道路交通法違反
 被告人(在宅)は、痩せて背が高い、というより“薄い”男性。57歳。タクシー運転手。背がやたら丸く、立つとき膝が曲がってるような…。
 タクシーで、右折違反の取締りを受け、お客を乗せているからあとで駅前の交番へ出頭すると言い、交番へ行く途中、板橋区内の信号のない横断歩道を歩行中の夫婦をハネ、逃げたのだという。約10カ月前に、窃盗で懲役1年4月、執行猶予3年の刑が確定。本件による行政処分はまだで、現在タクシーの運転者として稼働してるんだという。
 なぜ前を見なかったのか、警察・検察がつくった調書と被告人の法廷供述が、まるで違うのだった。法廷供述のほうが、とんでもない運転者と思えるものだった。
 求刑は懲役2年。次回判決。

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 これで今週の傍聴は終わり。今週は裁判所へ通いすぎた。来週はなるべく行かないようにしたいけど、どうなることやら。角川の本、『裁判中毒』というタイトルになると聞いて「ええっ、それはちょっと…」と思ったが、タイトルのとおりなのかもしれない…。

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2008年4月12日 (土)

ひき逃げ 懲役10月、猶予3年

4月10日(木)13時10分~ 自動車運転過失傷害・道路交通法違反

 かつて交通事故は「業務上過失致死傷罪」で裁かれていた。仕事での運転でなくても、自動車の運転は高度な注意を要する業務だから、と。
 2007年6月12日、ようやく、交通事故に限っての「自動車運転過失致死傷罪」が設けられ、懲役又は禁錮の上限が5年から7年へ引き上げられた。罰金の上限は100万円のまま。

 開廷表で、「自動車運転過失…」の前に「道路交通法違反」があるとき、私が傍聴してきた限りそれは、酒気帯びか無免許での事故だ。後ろに「道路交通法違反」があるときは、救護義務&報告義務違反(いわゆるひき逃げ)だ。
 ちなみに、「自動車運転過失…」だけなら禁錮刑だが、「道路交通法違反」がくっつくと懲役刑になる、私が傍聴してきた限りでは。

 ひき逃げの罰則は、2007年9月19日、それまでの「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」から「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」へと引き上げられた