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カテゴリー「交通事故」の192件の記事

2018年12月17日 (月)

東名あおり危険運転、控訴審はどうなる

 そもそも「国民の常識」とやらを裁判官も存分に持っている。すなわち、警察が逮捕したら犯人で間違いし、マスコミがこぞって犯人視して世間が盛り上がった事件がまさか冤罪とは考えない、という常識だ。
 たとえ再審無罪になっても「ほんとはやってんじゃねーの?」との憶測を捨てきれない、それが世間の常識ってやつだろうと思う。

05081553_2 そんななかで、東名あおり危険運転である。
 国民が世間がこれだけ盛り上がる事件は滅多にない。司法の威信のためにも危険運転を適用せざるをない。結論を正当化するレトリックを立てる、それが裁判官の重要な仕事のひとつだし。

 ただ、何度も言うけど法律上は現場へ突っ込んだトラックの運転手の責任がいちばん重いのだ。
 なので私は、危険運転を適用しても、求刑23年のところ判決は懲役2年程度、世間の盛り上がりに目一杯押されてもせいぜい3年じゃないかと考えていた。

 念のため言っておくけど、これは「裁判的には」という話だ。本件被告人の罪が軽いとは毛ほども思っていない。被告人が懲役何十年に処されようと被害者の命は戻らず、空しいだけかもしれないが、しかし重罰に処されてほしいとは私も思う。

 14日の判決は懲役18年(未決算入は不明)。控訴はあるのか。

 控訴は被告人も弁護人も、そして日本では検察官もできる。
 検察官は、23年を求刑したのに18年は軽いからと控訴することは、ないはずだ。危険運転の認定と18年を勝ち取ったんだもの。

 被告人は控訴するか。
 自分がやったことの重さを反省悔悟し、控訴せず粛々と刑務所へおちる…。しかし私が8千件ほど傍聴してきたところによれば、そうじゃない被告人がよくいる。
 被告人が控訴したため、被害者・遺族の怒りが強まる、そんな控訴審をよく傍聴してきた。

 控訴は、被告人もできるし弁護人もできる。
 被告人は控訴しないのに弁護人がすることもある。被告人が控訴の取下げを求めることもある。
 本件は、被告人の意思にかからわず弁護人が控訴し、被告人は取下げを求めないんじゃないか。なんにしても、このまま確定に至るとはちょっと考えにくい。

 控訴審はどうなるのか。
 そこはほんと分からない。定年(65歳)間近の裁判官に当たるかどうかにもよるだろう。

1、危険運転についての、反対論も強くある解釈適用を定着させる。
2、原判決破棄、軽い量刑として、危険運転についての新たな法条をつくる。
3、本件は特例的にそのままとし(懲役18年を維持し)、新たな法条をつくる。

 司法の威信的には、3が落ち着きがいいのかなと思う。

 なんにしても! 控訴審は被告人の出頭を要しない。被告人は出頭せず、弁護人が法律論を述べる書面を提出したことを口頭で確認しておしまい、となる可能性が高い。
 だから! 傍聴してもたぶんつまらないです。傍聴券抽選になっても、並ばないようにしましょう! でないと私が傍聴できないかもしれないので。 ←それが言いたかったのだね、よしよし(笑)。

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 画像は、2005年8月15日に靖国神社でデジカメ撮影したもの。

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2018年12月14日 (金)

東名あおり危険運転、重罰のために安全運転義務を捨てた

 交通ジャーナリストで裁判傍聴師でもある私から少しコメントしとこう。以下は12月14日付けTBSニュースの一部。 

“危険運転”認め懲役18年、両親失った長女「危険運転認定に感謝」
 去年6月に東名高速で起きた夫婦死亡事故の裁判で、横浜地裁は危険運転致死傷罪の成立を認め、石橋和歩被告に対し、懲役18年を言い渡しました。
 石橋和歩被告(26)は去年6月東名高速で萩山嘉久さん夫婦の車を追い越し車線に無理矢理止めさせ、追突事故を招き夫婦を死亡させたとして、危険運転致死傷などの罪に問われています。

 私は、せいぜい懲役3年程度の実刑、の可能性ありと思っていた。なぜなら、何度も言うように、法律上もっとも重い落ち度は現場へ突っ込んだ後続のトラック運転手にあるからだ。
 ところが! 以下は2018年1月6日付け産経新聞。これを私は知らなかった。読者氏から教わった。ありがとうございます!

追突のトラック運転手を不起訴 東名夫婦死亡事故
 神奈川県大井町の東名高速道路で昨年6月、静岡市の夫婦が死亡した事故で、横浜地検は大型トラックで夫婦のワゴン車に追突したとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で書類送検された男性運転手(63)を不起訴処分とした。地検は処分の理由を明らかにしていない。
 この事故では、夫婦のワゴン車の進路をふさぐなど妨害行為を繰り返し、無理やり追い越し車線に停止させて事故を誘発したとして、福岡県中間市の建設作業アルバイト、石橋和歩被告(26)が同法違反の危険運転致死傷罪などで起訴されている。

 もっとも重い落ち度があるはずの者を、検察は不起訴にしたのである。なぜ?
 はは~、追い越し車線に停車していれば後続車が突っ込むのは当たり前=停車させた石橋和歩は極めて悪質! という形をつくりたかったのか! 私は直ちにそう思ったね。 ※念のため付言すると、こういう場合の「処分の理由」とは、起訴猶予とか嫌疑不十分とかそういう数文字だ。

05102111 だがそうなると今後、交通の状況に応じて安全に運転する義務(道交法第70条)は空文、ザル法ってことにならないか。
 というか、「後続車が突っ込むのは当たり前」なら、未必の故意による「殺人」で起訴し、「危険運転致死傷」を予備的訴因とするほうがすっきりストレートなんじゃないか。
 「後続車が突っ込むのは当たり前」という点について検察官は論告で、裁判官は判決で、どう言及したのかしなかったのか、そこが大事なのにっ。

 昼間ちらっとテレビを見たところによれば、求刑23年のところ懲役18年に下げた理由を裁判長は述べなかったそうな。
 量刑の理由に触れないってことはないはず。普通は、悪い情状と良い情状と並べ「以上を総合勘案して主文の刑が相当と判断しました」とか述べるものだが、下げる理由=良い情状に触れなかった、てことなのだろうか。
 私が傍聴していれば、そういったところもしっかり見て、他の多くの事件と比べてレポートできたろう。もちろん未決勾留日数の算入もお伝えできたのに、残念。

 評議において裁判官と裁判員はどんな意見を述べたのか、強硬な厳罰意見が出てモメたりとかあったんじゃないか、モメにモメ、“8掛け原則”に落ち着いたのか、すごく気になる。もし本当に、5年下げた理由を述べなかったなら、評議でかなりモメ、言えなかった、のかもね。
 しかしそこは制度上、永遠の秘密だ。裁判官は何も語らず、裁判員は表面的な当たり障りのないことしか言えない。この秘密は墓場まで持っていかねばならないのだ。

 控訴は、被告人も弁護人もできる。検察官もできる。東京高裁でひっくり返る可能性はありだと思う。
 ま、とりあえずそのへんで。忙しいのだよぅ。

 画像は今回の事件とは関係ありません。

 ←12月14日18時30分現在、週間INが180で3位~。happy02

2018年12月11日 (火)

東名あおり運転、似た事件は懲役1年4月だった

 どうもおかしい、そう感じているのは私だけじゃなかろうと思うのだが。以下は12月10日付けFNNPRIME。

東名あおり運転 「反省していない」懲役23年を求刑
 神奈川県の東名高速であおり運転の末、一家4人が死傷した事故で、危険運転致死傷などの罪に問われている男の裁判で、検察側は、懲役23年を求刑した。
   (中略)
 一方、弁護側は、最終弁論で「あおり運転と死傷との因果関係は認められず、法の解釈は曲げられない」などと、危険運転致死傷罪は適用されないとして、重くて懲役7年が相当と主張した。
   (後略)

 弁護人の主張がそれっぽっちのはずがないと私は思うのだ。

181211 そもそも高速道路の本社線上に、故障か事故か理由を問わず、車両が動けなくなっていることはあり得る。ハシゴとかタイヤとか落下物があることもあり得る。
 そして運転者には安全運転の義務がある。ハンドルやブレーキを適切に操作し、交通の状況に応じて安全に運転しなければならない(道交法第70条)。

 東名高速での本件事故というか事件で、いちばん悪いのは法律上は現場へ突っ込んだ後続車なのだ。後続車の運転者の処罰はどうなったのか。どれくらいの刑に処されたのか、また処されなかったのか。
 本件被告人を、後続の運転者より重い刑に処することは相当とは言い難い。弁護人ならそのへんを主張したはず。「いやいや、後続の運転者に大した責任はない。いちばん悪いのは本件被告人だ」と弁護人自身が密かに思っている場合を除いて。

 また、一連の報道を見ていて私が感じるのは、この石橋和歩被告人は幼少期に虐待を受け、中学生頃からはヤンキー仲間から理不尽に殴られ蹴られてきたのではないかということだ。
 もしそうなら、弁護人はそこも主張したはず。生育歴、生育環境に同情すべき点があった、と。

 しかしそういう話は、私が見た限りでは、一切出ない、どうもおかしい、と思うわけ。
 私自身が傍聴すればいいんだが、傍聴券抽選でかつ横浜地裁としては珍しく“並び屋さん”が大挙動員されているそうで、とても出かける気になれず…。

 ちなみに私は2012年に東京高裁で、よく似た事件を傍聴している。
 東北道で44歳の男が、高速バスの車線変更に腹を立て、高速バスの前に回り込んで走行車線に停車させ、その運転手に対して降りてこいと執拗に食いつき、そこへ後続のトラックが突っ込み、トラックの運転手が死亡、高速バスの乗客多数が負傷したという事件だ。
 原審は宇都宮地裁で、懲役1年4月、未決30日算入。東京高裁の判決は控訴棄却だった。
 控訴審の中で、民事の賠償責任は、死亡したトラック運転手の側が7割、残り3割を高速バスの運転手と男が分け合うが、その割合がまだ決まらないという話が出てきた。メルマガ第1989号でレポートした。

 東北道のその事件と、東名高速の本件と、どこがどう違うか、すると予想される判決は…。ずっと勾留されているから、未決算入が250日か300日かあって…。そうなった場合、これまでタブーだった未決算入をマスコミは初めて報じるかも。

 とにかく、危険運転に新しいカテゴリーが設けられることになるのだろう。死傷事故にまで至らないけれどもチョー悪質な行為はあるわけで、道交法に新しい禁止規定が設けられることも十分に考えられる。

※ 画像は今朝自転車で農家の直売所(庭先販売)を回って買い集めたもの。ブロッコリーのみ2個で100円。ほか各100円。すべて税なしまたは税込み。黄色いのはゆず。こいつを3個、絞り器でぎゅうぎゅう絞ってグラスに入れ、25度の焼酎甲類を200㏄注ぐ、旨いよぅ。
 今朝も寒かった。自転車で頑張って走ると汗が出て、それはいいのだけど、頭が寒いっ。寒いのを通り越して痛くなり、頭蓋内の血管が収縮するのか軽く頭痛が。やばい。なんとかしなければ。

 どれがいいと思う? にっ2番かなぁ。これかぶって裁判所へ行ったら、玄関に入った瞬間ばかうけするだろうなぁ。そんで私は、ウィッグを外してX線手荷物検査のトレイに乗せるのだ。検査機を通過したトレイからウィッグを取り、かぶるのだ、恥ずかしげに顔を赤らめ。おお、その者、青き衣をまといて金色(こんじき)のウィッグをかぶるべし…言い伝えは本当ぢゃった。大婆(おおばば)様! なんの話やねん(笑)。

 ←12月11日13時10分現在、週間INが130で3位~。happy02

2018年12月 3日 (月)

もうひとつの“撃墜あおり運転”

 9月3日(月)10時から横浜地裁で「危険運転致死傷及び暴行(予備的訴因監禁致死傷)、器物損壊、強要未遂」の第1回公判があると、マニア氏から早くに聞いていた。
 昨年、東名高速で悪質あおり運転の末、とんでもない死亡事件を引き起こした、メディア報道によれば動物のような男、を被告人とする事件だ。

18113014 傍聴席98席の法廷を使う可能性ありという。メディアの動員は東京地裁ほどは多くないはず。よし、行こう! 横浜は拙宅からは遠いけど、行って余人にマネのできないディープなレポートをしてやろう!

 ところが、前日にマニア氏からメールあり。いちばん広い法廷を使うものの、傍聴券抽選の当たり券は40枚ぽっちだという。
 記者クラブ等が58席もとるとは考えにくい。死傷被害者の関係者が、被害者参加人として検察官の横に座るほかに、傍聴席にもかなりの方が座るのだな? そうでなければ、裁判所は大きな法廷を使わないはず。

 嗚呼、と息を吐いて私はあきらめた。今月は、秘密の重要事件であちこちの裁判所へ行かねばならぬ。雑誌原稿も単行本原稿もある。3日(月)はあきらめよう。

 ところで、あおり運転は上記事件のようなものばかりじゃない。
 狙った相手に速度を上げさせるためのあおり運転もあるように思われる。いやネットを見ると、そういう者が確かにいるようだ。
 以下は、車雑誌『ドライバー』に以前書いた原稿の一部だ。若干加筆等する。

 午後10時半ころ、首都高速・都心環状線の外回り、新富町付近(制限50㎞/h)のオービスにより97㎞/hと測定・撮影された被告人の主張は、要するにこうだった。

被告人 「友人と、別の友人の幼児を乗せて、いちばん左の車線を走行中、フルスモークのグレーのベンツが右側に並んだ。ベンツの窓ガラスが開き、刺青のある腕が鉄パイプ様の棒を振り回してきた。棒は1度、こちらのガラスにゴンと当たった。私のクルマはランサー・エボリューションだ。私は〝走り屋〟ではないが〝走り屋つぶし〟がいると聞いていたため、パニックにおちいり、とにかく逃げなければとスピードを上げた。そのときオービスに撮影された」

 午後10時半ころ、首都高速7号線下り(制限60㎞/h)をスカイラインで走行中、錦糸町ランプ先のオービスⅢにより131㎞/hと測定された被告人はこうだった。

被告人 「当時の交通の流れにのった程度で走っていたら突然、黒いクルマが前方に割り込んで急ブレーキをかけた。そこで追い抜いたら、その黒いクルマはあおるようにくっついてきた。正直、あそこまで迫られたことは初めてだ。速度を上げて遠ざかるしかなかった。あの道路はほぼ毎日とおっておりオービスがあることは知っていたが、それさえ忘れるほど恐怖を感じた」

 環状7号線(一般道)内回り、高円寺付近(制限40㎞/h)のオービスにより93㎞/hで捕まった被告人はこうだった。

被告人 「新青梅街道のあたりから後ろのトラックがクラクションを鳴らしたり幅寄せしたりしてきた。無視していたが、トラックの窓から木刀か何かがふり回され始め、あんなもので殴られたらたいへんなことになる、これは逃げるしかないと思ってスピードを上げた」

 そうしたことを、どの被告人も法廷で必死に語る。でも、ほんとうかウソかわからない。どっちにしても確かな証拠がない。
 じつはそれは当然というか、そもそもオービスは、犯行に至る状況には関係なく、オービス設置地点にさしかかった瞬間のスピードだけで処罰しようとする機械なのである。そういう機械が全国に600基以上も設置され、日々粛々と取り締まりを行っているのである。

 もちろんパニック状態での大幅なスピード超過は危険だが、酌むべき事情は酌まなければならない。緊急避難とか正当防衛とか難しいことをいう以前に、刑法第66条がこう規定している。

第66条 「犯罪の情状に酌量すベきものがあるときは、その刑を減軽することができる」

 刑法の規定を無視するわけにはいかない。ではどうするか。検察官、裁判官は、こういう形へ持ち込もうとする。

裁判官 「暴走車が存在したという証拠がない。パニックだったという被告人の説明は、細かな点に矛盾を見出すことができる。よって暴走車は存在しなかったのだ。
 仮に暴走車が存在したとしても、地図によれば付近に交番や警察の寮がある。そこへ駆け込めばよかったのだ。停止してやりすごすこともできた。わざわざ追突するクルマなどいるはずがないし、追突すれば追突したほうが処罰されるなりすればいいのだ。相手はヤクザだと思ったと言うが、止まって確認したのか。確認せずにスピードを上げたのは悪い」

 この論法で、どの被告人もあっさり負けていく。相場どおりの罰金刑とされて終わる。

 こうして、いわば警察、検察、裁判所の協力を得て、狙った獲物を“撃墜”して遊ぶ者が、確かにいるようだ。
 しかし裁判所等は、そんなことを国民に伝えたりは絶対にしない。
 そこを伝え、国家の治安ではなく国民の安全を図る、それが裁判傍聴師のひとつの役割だ。 ←おお、風呂敷を広げたな~(笑)。

 冒頭の横浜地裁の事件で私が気になることのひとつは、死傷被害者の車両後部に激突した車両の、その運転手の処罰はどうなったか、である。
 法律上は、そっちの運転者(以下後続車)がいちばん悪い。私が過去に傍聴した事件では、民事の賠償責任は後続車が7割だったそうだ。
 本件では、被告人の罪を軽くするために弁護人が後続車の落ち度に言及するかもしれない。しかし世間は被告人をひたすら悪く言う流れなので(いや私も被告人がいちばん悪いと強く思うが)、メディアは後続車に触れない可能性がある。そのへん、横浜のマニア諸氏にお任せしたい。

※ 画像は、11月29日(木)だっけか「昭和」の帰りに裏路地の質店で買った腕時計。700円ぽっきり、皮革のバンドの色もつやもいい。これはお得だ。
 なぜ右手左手の内側なのか。高校生の頃、ヨーロッパ映画にかぶれた影響だ(笑)。 ※赤色部分、読者氏から指摘され誤記を訂正。ありがとうございます!

 ←12月3日0時50分現在、週間INが140で3位~。confident 

2018年10月28日 (日)

同じパターンの事故が起こり続けるわけ

 交通事故がなぜ起こり続けるか、典型的に分かる報道だと思う。
 以下は10月25日付け福井新聞。

交通違反者「大丈夫だと思った」 横断歩道事故受け取り締まり強化
 福井県福井市栗森町の県道交差点で10月16日、横断歩道を歩いて渡っていた女子中学生2人が車にはねられた事故などを受け、福井県警は道交法違反(横断歩行者妨害)の取り締まりを強化している。24日には同市若杉4丁目の県道で、横断歩道を渡ろうとする歩行者がいるにもかかわらず一時停止しなかった運転手11人を摘発した。
 栗森町の事故は、生徒が歩行者用信号が青で渡っていたのに、軽乗用車が横断歩道に進入したとみられる。道交法では、横断しようとする人がいる時は一時停止が義務付けられている。
 24日の取り締まりは登校時間の午前7時半~同8時半、見通しのよい直線道路で行われた。横断歩道の脇に中高生らがいるにもかかわらず一時停止しなかった運転手に、福井南署員が青切符を切った。横断歩行者妨害の違反点数は2点で、反則金は9千円(普通車)。
 署員によると、違反者は「歩行者に気付かなかった」「気付いていたが通過しても大丈夫だと思った」などと話した。同署の西山晋太郎交通課長は「ルールを知りつつ守らない運転手が多い。取り締まりと周知を強化していく」と語った。
 このほか携帯電話使用2件、シートベルト装着義務違反4件を摘発した。県警によると、横断歩道での人身事故は昨年、県内で47件あった。

18102613 青信号の横断歩道を横断中の歩行者(および自転車、以下同)へ、不注意な車が突っ込む、刑事裁判の法廷へ出てくる交通事故のほとんどがそのパターンだ。
 元「モーニング娘。」の吉澤ひとみさんの事故は、まさにそのパターンだった。

 1、横断歩道は聖域と、歩行者は完全にすり込まれている。
 2、人間に不注意はつきもの。不注意な運転者は必ずいる。普段は注意深いのにある一瞬、不注意になってしまうことは必ずある。

18102617 そのふたつが重なって、同じパターンの事故が起こり続けるのである。
 どうすれば防げるか。
 横断歩行者妨害の取締りを強化すべし、というのが上掲記事、福井県警の取締りなわけだ。

 「歩行者に気づかなかった」。これがいちばんヤバイ、と言いたいところだが、どこにいる歩行者に気づかなかったのかによって話が違ってくる。そこは話が長くなるので省く。
 「気付いていたが通過しても大丈夫だと思った」。気づいているのだから上述のパターンから外れる。上述のパターンの事故を防ぐためには役に立たない取締りといえる。

 なんにしても、この取締りおよび報道によって得られる最も大きなものは、横断歩道は聖域とのすり込みの温存か、強化か、どっちかだろう。
 かくして同じパターンの事故がくり返される。

18102622 でも、警察がバカなんじゃないと思う。
 横断歩道での事故を防ぐにはどうしたらいいか、国民アンケートをやれば「厳しく取り締まれ!」が圧倒的1位になるでしょ。

 国民とはなにか。1人ひとりはまともでも、国民の立場を得た途端、無責任な匿名大衆になる、そういう定義の仕方もあり得るんじゃないかと。

 袴田事件北陵クリニック事件について、そんな国民の大多数はこう思ってるでしょ。

国民 「日本の警察、検察は優秀と聞いている。どんどん増える凶悪犯罪者をやっつけるため頑張ってもらわないといけない。そんな警察、検察が冤罪をでっち上げるとか、冤罪と気づいたけど認めず突き進むとか、あり得ない。まして日本は三審制だ。地裁、高裁、最高裁の立派な裁判官たちが冤罪と気づかないはずがない。冤罪なのに、全テレビ、全新聞があそこまで報道する?」

 そのように思うのは良いほうで、以下のように思う人がかなりいるだろう。

国民 「結局ほんとは殺してるのさ。共産党とか左翼が冤罪だぁ冤罪だぁと騒いでるだけなんだってば(笑)」

 そういう国民の常識を、裁判官は国民と同様に、あるいは国民以上に強く持っており、だから袴田巌さんは未だに死刑囚のままであり、守大助さんは無期懲役の牢獄にも今もつながれている、という見方もあるんじゃないかと。
 いやこの話、長くなる。このへんで。まだ旅の疲れが抜けなくて。

 ガッツレンタカーを初めて利用し、1泊4日で金沢と輪島へ行ってきたのだ。 ※1時間前後の仮眠は数回とりました。1回は3時間ほど寝たんだっけ。
 画像は近江町市場。いやはや外国人のカップル、家族、団体さんが多かった。そういう時代なのですね。
 どじょうの蒲焼きが、1本120円でその場で食べられるようになっていた。せっかくだからと私も食べた。私が子どもの頃は1本15円だったと記憶するが、ま、それはしょーがないとして、昔のせいぜい2分の1ほどしか串に刺さってないのだった。これで120円かーい!
 1尾600円のボタンエビか何かを食べ、スマホで撮影している女性グループもいた。立ち食いで1尾600円、私はムリだ~!
 一方、1杯1万円とかのカニを販売するだけの店には、誰も寄りつかない。おじさんがムスッと観光客をながめていた…。

 ←10月28日23時30分現在、週間INが140で1位~。confident 

2018年10月23日 (火)

酒酔い運転の「大丈夫バイアス」

 以下は10月22日付け朝日新聞、の一部。

4人死亡事故、飲酒運転130キロで追突か 男性聴取へ
 青森県つがる市の国道101号で9月、車4台が絡み4人が死亡した事故で、4台のうち1台の乗用車が飲酒運転の上に時速約130キロで暴走し、他の車に次々にぶつかったとみられることが、捜査関係者への取材でわかった。県警は自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いで、この乗用車を運転していた30代男性から事情を聴く。
        (中略)
 最初に追突した乗用車には30代の男性3人が乗っていた。関係者によると、3人は小中学校の同級生で、前日から運転者の自宅でバーベキューをして飲酒。さらに酒を飲もうと別の場所に移動する際に事故を起こしたという。運転者を含む2人が胸などを骨折する重傷、残りの同乗者1人は軽傷を負った。同乗者は朝日新聞の取材に「酔っていて覚えていない」と話した。

 この種の事件の裁判を私は何件か傍聴している。 
Img_1427 2008年のあの事件については、運転者本人の裁判と、同乗者2人の裁判を傍聴した。世間が思う悪質さとは異次元のレベル。運転者は懲役16年、同乗者は2人とも懲役2年とされたが、そんなことに何の意味があるのか、と思った。

 飲酒運転者への車両提供罪と要求依頼同乗罪を初めて適用された事件も、発生は2008年だった。
 その裁判について当時の『ラジオライフ』でレポートした。若干筆を入れて以下に再掲しよう。

 さらりと長い茶パツの、面長の女性(35歳)が、被告人席にひとりぽつんと座っていた。服装は上から下まで真っ黒。3人が死亡した事件の被告人として、喪に服しているのか。
 けれどよく見れば、襟元が大きく開いた膝丈のワンピースらしき服には、何やら目立つヒラヒラが。その下は、網目模様のストッキング、足首にストラップが付いたヒール。どれも真っ黒ではあるが、それって「シックに決めてパーティへ♪」の格好なのでは?

 この裁判を私は第2回公判から傍聴した。事件名が、1日に何件もある「道路交通法違反」のため、第1回公判をつい見逃してしまったのだ。
 だが、ただの道交法違反ではなかった!

 2007年9月19日、飲酒運転者への罰則が大幅強化。同時に“周辺者”の処罰規定が道路交通法に新設された。
 すなわち、①飲酒運転者への車両提供、②飲酒運転の車への要求・依頼しての同乗、③これから運転をする者への酒類提供、その3つが新たに処罰の対象とされたのである。最高刑は懲役5年。重い。
 今回の「道路交通法違反」は①と②の罪による、全国初の裁判なのだった。

 事件の内容は、すでに大きく報道されていた。東京都江戸川区内のアパートで2008年1月の夜、被告人は隣室の男性N(35歳)方で一緒に飲酒した。
 その後、自分の車をNに運転させ、被告人の子3人とNの子2人を乗せ、定員オーバーの合計7人でファミレスへ行き、さらに飲酒した。
 翌日未明、泥酔して猛スピードで運転したNはカーブを曲がりきれず街路樹に激突。Nと、被告人の長女(15歳)と次男(8歳)の3人が死亡。ほかは重軽傷…。

 ほぼ満席の傍聴人の前で、被告人質問が始まった。

弁護人 「前回(の裁判で)、あなたは『車で行こうよ』とは言ってないと、運転を依頼したこともないということでしたね?」

 N宅で酒を飲んでいるとき、「サイゼ(ファミレスのサイゼリア)へ行こう」という話になり、子どもが「チャリで行こう」と言ったが、被告人は「寒いからヤだよ。行くならタクシーで」と言い、最終的にNが被告人の車(日産グロリア)を運転して行くことになったというのだ。

被告人 「『車で行こうよ』と言葉では言ってないですけど、事実上依頼した事になるって(捜査段階で)言われました」
弁護人 「サイゼリアへ自分も乗って行くつもりだった、そこはお互い了解していたんだろうと?」
被告人 「はい」
弁護人 「そのことをもって依頼した事になるのは、よろしいか?」

  そう、「要求依頼同乗」は黙示の場合でも成立するとされている。
 しかし警察官は、習性とでもいうか、明示の要求依頼をしたと調書に取りたがる。

弁護人 「『車で行こうよ』と言ったと調書に書かれて、それは違うという話はしましたか?」
被告人 「しました」
弁護人 「訂正を求めましたか?」
被告人 「でも、結局はこういうことでしょって言われて…」
弁護人 「調書全体を読み聞かせてもらって、そのとき訂正は?」
被告人 「それまで直してくれなかったから、もう出来上がっちゃったし仕方ないかなって…」
弁護人 「調書には署名しないことができるって知ってましたか」
被告人 「知りませんでした」

 この点について、検察官は苛立った調子でこう責めた。

検察官 「調書に署名・指印するってどういう意味があるか、分かりますか!? それは常識的に知ってる事じゃないんですか。あなた、警察が書いたら何でも署名するんですか!?」

 あ~、またこれだ。調書でのこういうやり取りはしょっちゅうある。
 調書に署名・指印したら、そこに書かれたことが事実と違っていてももうオシマイ、とは一般人は知らないこと、警察は調書の訂正にはなかなか応じないことを、若いエリート検察官は知らないのだ。調書絶対信仰は根深い。

 Nが運転したグロリアは、ずばり被告人の所有とは言えないようだった。

被告人 「最初はNが欲しいって言って買って(カネを払ったのもN)、なかなか名義を変えてくれなくて、車検のとき、じゃ車検代は私が出すからって、私の100%所有になりました」

 しかしNはその後も自由にグロリアを運転し、いつも給油して返していたのだという。
 始まってから45分ほどで被告人質問が終わり、これで証拠調べは終了。
 検察官が論告・求刑を行った。

検察官 「Nは(サイゼリアで)次々と生ビールや焼酎のフルーツ割を飲酒し、血液中のアルコールは2.7ミリグラムもの酒酔い状態だった…」

 ええっ! 呼気1リットル中0.15ミリグラムまたは血液1ミリリットル中0.3ミリグラムのアルコールを保有していれば酒気帯び運転とされる。血液中2.7ミリグラムは基準の9倍だ!
 『図解交通資料集』(立花書房)に「飲酒酩酊度の区分表」がある。血液中2.5~3.5ミリグラムは「第三度(麻酔期・泥酔」とされ、「運動や知覚の中枢のほか、大脳や脊髄の反射機能は完全にマヒし、無意識無感覚の状態となり、水をかけても、針で刺しても全く感じなくなる…」とある。それを超えると「所かまわず倒れ、昏睡状態になり…大小便は垂れ流し…」だそうだ。

 Nの検査値はもう運転など到底できる状態ではなかったのだ。なのに運転し、毎時30キロ制限の道路を毎時80キロ近い速度で飛ばしたのだ、それもグロリアという大きな重い乗用車で。うわぁ! である。

 求刑は懲役3年。続いて弁護人が弁論。

弁護人 「車の名義は被告人だが、共同で支配していたとも言える。単独で所有する者が自由意志で車を提供したのとは大いに違う。被告人は悔やんでも悔やみきれない日々を過ごしている。残された長男に母親の存在は不可欠で、執行猶予の判決を…」

 最後に、被告人が証言台の前に立って最終陳述。

被告人 「私の軽はずみな行動がこんな事件を起こしてしまい、ほんとに申し訳ないと…」

 被告人の後ろ姿は、背が高くて足がすらりときれいだった。
 3週間後、判決が言い渡された。この日は報道のテレビカメラが入った。

裁判官 「主文。被告人を懲役3年に処する。この裁判が確定した日から5年間、その執行を猶予する。その猶予の期間中、被告人を保護観察に付する」

 懲役3年は執行猶予を付けられる上限だ。それを超えると猶予は付けられない。そして猶予期間は1~5年と決まっている。5年は最長。かつ保護観察付き。だからこれは、猶予付きでは一番重い、実刑ギリギリの判決と言える。
 この日の被告人は、膝丈のワンピースの下に、網目模様のレギンスだった。そんな服装に違和感を覚えるのは、私がオヤジだからであり、被告人の反省や悔悟にウソはないのだろう、とは思うのだが。

 あとになれば「悔やんでも悔やみきれない」ことを、つい調子に乗って、あるいは特に考えずやってしまう、それが人間ってものなのだろうと思う。
 どうすればいいのか。他人の事件・事故のニュースを見て、自分の行動を戒める?
 いやそれは期待できない。

検察官 「飲酒運転による悲惨な事故が度々ニュースになっている。あなたは見たことがないのですか」
被告人 「見ました」
検察官 「じゃあなぜ今回の飲酒運転を!」
被告人 「自分は大丈夫と思いました。結局(ニュースは)他人事だったというか…」

 これがまぁお決まりのパターンだ。
 正常性バイアスに似た「大丈夫バイアス」か。

 ←8月23日10時20分現在、週間INが170で1位~。confident 

2018年9月21日 (金)

普通は死ぬ量の酒を飲まされ強姦され

1809191 第2155号の「道路運送法違反」の法廷へ、私は開廷8分ほど前に行った。
 被告人氏名は中国人風だし、傍聴席は52席だし、エロの匂いは全くないし(笑)、こんなのどうせガラガラだろうと。

 ところが、ぎょっ、傍聴席の奥のほう(検察官席側)に白黒ウエアの若い男女が20人ほどお行儀良く固まっていた。 ※白黒ウエア=ワイシャツまたは白ブラウスに黒ズボンまたは黒スカート。
 団体見学で外国人の事件を傍聴って、あんまりないんじゃないか。52席の法廷の新件がほかにないんだろうか。

1809192_2 傍聴席最前列へ進みつつ私は、二度見、三度見、眉をつり上げ「ふんがぁ!」となった。
 引率と思しきスーツにネクタイの中年男性は、紛うことなくあの稗田雅洋裁判官だったのだ。
 一般人風の服装で、なんで引率をやってるの。あっ、退官したのか?

 そのとおり、新日本法規の裁判官検索によれば昨年3月末で依願退官しているのだった。そして早稲田大学の法学学術院の教授になっているのだった。
 裁判官としてかなりのエリートコースだったのに、なんでっ? ちょと考えられない。
 瀬木比呂志さんの小説を思い出すなら、最高裁とモメ、高額年俸で教授にしてやるからと追い出された? あるいはもしや不倫とかでしくじった? 裁判員の女性と恋に落ち…?

 一般に裁判官は、退官を目前にすると良心に目覚め、すごい裁判をやってのけることがある。なのに私は稗田裁判官の裁判をあんまり傍聴していなかった。仕方のないこととはいえ、しまったなぁ!

 なーんて失礼っぽいこともちらり書くメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代」、9月は以下の9号を発行した。

第2155号 中国人の白タク営業、微信のチャットから
 インバウンド旅行客の急増とともに増えた外国人向けの白タク営業。報道された事件だ。大きな業者から委託されてやる仕事と、ウイーチャット(微信)を通じての仕事とがあり、前者は欧米人が多く、前者は中国人が多く…。はは~、いろいろ勉強になりました。

第2154号 普通は死ぬ量の酒を飲まされ強姦され
 リアルナンパ塾のメンバーの「準強制性行等、集団準強姦」の、今日は2人の被害女性の意見陳述から始まった。凄い内容だった。被告人の反省が口先だけと浮き彫りになるような。そして論告・弁論。弁護人が「今回に限り執行猶予を」と結んだのには驚いた。どう転んでも長い実刑は決まりなのに…。

 以下の3号は9月18日にお知らせした

第2153号 リアルナンパ塾、イエーガーで泥酔させ強姦
第2152号 性嗜好障害等は人生を台無しにする難病!
第2151号 じつは私も池上彰さんの番組に関わった件

 以下の4号は9月11日にお知らせした

第2150号 弁護士が裁判所のトイレに“放火”した事件
第2149号 自動二輪が90キロで信号無視、死亡事故
第2148号 息子を殺害、「鑑定留置理由開示」の裁判は
第2147号 重過失傷害、赤信号見落としの自転車事故

1809193 いま購読登録すると以上9号がどどっと送信される。そして月末までにあと4号が順次送信される。毎月どんな感じか、バックナンバーのページもちらっとご参照いただければ。

 画像は、法務省の掲示板にひっそり掲示された、司法試験の合格発表。だ~れもいなかった。いずれも9月19日(水)の夕方撮影。言っちゃ何だが、有名芸能人の裁判の傍聴券抽選よりだいぶ倍率が低い、むちゃくちゃ低い。
 有名芸能人の裁判を傍聴するのは司法試験に合格するより遙かに難しい、知られざる真実である、うむっ。pout

 ←9月21日13時30分現在、週間INが130で2位~。happy02

2018年9月16日 (日)

あおり運転、予備的訴因のほうが重い?

 以下は9月7日付けNHKニュースの一部。太字は私。

「あおり運転」で死亡事故 検察が監禁致死傷罪も加える方針
 去年、神奈川県の東名高速道路でいわゆる「あおり運転」を受けたワゴン車の夫婦が死亡した事故で、危険運転致死傷などの罪で起訴された男が、車をその場にとどまらせたことも事故につながったとして、検察が監禁致死傷の罪を加える方針を固めたことが関係者への取材でわかりました。
 危険運転にあたらないと判断される可能性があり、裁判が注目されます。
 去年6月、神奈川県大井町の東名高速道路で、「あおり運転」を受けたワゴン車が高速道路上で停車したあとに大型トラックに追突され、ワゴン車に乗っていた静岡市の夫婦が死亡、娘2人がけがをし、危険な運転で事故を引き起こしたなどとして福岡県中間市の石橋和歩被告(26)が危険運転致死傷などの罪で起訴されています。

 「加える」ってどういうことなんだろう。書きぶりからして、事件名は「道路交通法違反、危険運転致死傷(予備的訴因 監禁致死傷)」になるってことなんだろうか。
 それって珍しいような気がするけど、いいの? という話をしよう。

 「道路交通法違反」の部分はいろいろ考えられる。
 車間距離不保持は5万円以下の罰金。進路変更禁止違反も5万円以下の罰金。割込み等違反も同じ。
 本車線道での駐停車違反は10万円以下の罰金。放置駐車、すなわち運転者が車両を離れて直ちに運転できない状態の駐車とされれば15万円以下の罰金だ。

 やむを得ない理由がないのに故意に本車線道に駐停車したら、また他車両に駐停車を余儀なくさせたら10年以下の懲役または100万円以下の罰金とか、そういう規定は存在しないのだ。

 本件の「危険運転致死傷」は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」の第2条第4号だ。以下、太字は私。

(危険運転致死傷)
第二条
 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
  一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
  二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
  三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
   人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
  五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
  六 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

 「かつ」は「または」ではない。「重大な交通の危険を生じさせる速度」という部分もなければ、2条4号には該当しないのだ。
 「速度」については15キロだっけもっと下だっけ、それでもアウトとする解釈で固まっているが、しかし本件は…。
 検察はどんな論法で2条4号に該当すると言うのか、弁護人はどんな論法で該当しないと言うのか、ぜひ傍聴したい。しかし傍聴券抽選になり、並び屋さんが大挙動員され…。

 泣き言はさておき(笑)、以下は「刑法」。

(傷害)
第二百四
条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
(傷害致死)
第二百五条
 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

(逮捕及び監禁)
第二百二十条
 不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
(逮捕等致死傷)
第二百二十一条
 前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

180914 「監禁致死傷」は第221条、だからつまり3年以上の有期懲役より重い感じで処断されるわけだ。ちなみに有期懲役の上限は20年。

 「危険運転致死傷」は1年以上の有期懲役…。あれっ? そしたら予備的訴因のほうが重いじゃないか。
 軽いほうの罪で起訴しておいて、それがダメなら重いほうの罪にしたい、普通なかなかないことのように思う。

 おっと、冒頭の報道の「加えて」が予備的訴因と決まったわけじゃないのだ。いやでもでもしかし、じゃあ「加えて」はどういう意味なのだろう。
 嗚呼、第1回公判の検察官の冒頭陳述を、ついでに弁護人の冒頭陳述を傍聴したい…。

※ 画像は本文とは無関係。マニア氏からのいただきもの。14日(金)のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」より。いちおうジャケットを着て行ったのに、局に着く前に暑いからと脱ぎ、着るのをころっと忘れたのです。この画像がなぜ横向きなのか、分かりません~。sweat01

 ←9月16日1時30分現在、週間INが150で1位~。happy02

2018年8月 9日 (木)

ブレーキ踏み間違い事故、最新データ

 メルマガ第2133号「組織的な“妊娠詐欺”、一部無罪の理由は!」の編集後記で速報したデータを、ここでもちらっと明かしておこう。

 ブレーキとアクセルの踏み間違い事故の、第一当事者(※)年齢層別の事故件数の最新データをゲットした。 ※第一当事者=過失の重いほう、過失の程度が同じなら死傷が軽いほう。

 2017年の踏み間違い事故の、全年齢の事故件数は4722件。うち死亡事故は50件。
 年齢層別のトップ5はこうだ。丸括弧内は死亡事故件数。

 1位 75歳以上 867件 (26件)
 2位 16~24歳 865件 (0件)
 3位 65~74歳 817件 (15件)
 4位 40~49歳 532件 (4件)
 5位 30~39歳 526件 (0件)

 一目瞭然、踏み間違い死亡事故50件のうち41件が65歳以上! 極端な偏りといえる。
180808 高齢になるほど、踏み間違いに気づくのが遅れる、つまりアクセルを強く踏み続ける、そこがひとつの大きな原因と警察のほうでは分析しているようだ。

 間違えてアクセルをぐわっと踏めば、機械的にまた電子的にアクセルがパカッと外れる、そんなふうなアイデア装置、踏み間違い事故の防止に特化したアイデア装置を複数の中小企業が考案し、販売している。
 しかし国家は興味がないようだ。

 ここまでの高齢社会になりながら、足下の暗がりにアクセルとブレーキ、正反対の働きをするペダルを2つ並べ、目視することなく的確に踏ませようとする、そのこと自体に無理があるのだと思う。

 編集後記でそんなデータの速報もするメルマガ「裁判傍聴バカ一代」、8月は以下の2号を発行した。

第2136号 薄い微笑みがつらかった人生を想像させ
 ホストクラブに体験入店し、先輩ホスト2人のマンションに同居するや、現金を盗んで逃走した事件。なんと同種前科があり…。  プラス、同種で執行猶予中の万引き、こちらは再度の執行猶予に。なぜ? その理由が…。  編集後記は、交通違反についてネット情報の明らかな間違いを。

第2135号 乳児を虐待殺と報じられ事件、傍聴してみた
 早々と大行列ができた。夏休みだもの。そうとは知らずそばの待合室に被告人の両親がのんびり座っており、傍聴できない状況になった。嗚呼、またか。そこで私はどうしたか、びっくりなことをしたのだった(笑)。それから満席の法廷で裁判が始まり…。

第2134号 学校でイジメられ、中2でシャブをおぼえ
 同種服役前科あり、また覚せい剤をやった被告人は、グラマーで姿勢の良い女性だった。その生い立ちは、北原ミレイさんの名曲『ざんげの値打ちもない』(阿久悠さん作詞!)を彷彿とさせ…。結審して被告人席へ戻った被告人は静かに泣きに泣き、透明な涙がこぼれにこぼれた。

 いま購読登録すると以上3号がどどっと送信される。そして8月末まであと10号が順次送信される。そこまで無料だ。
 単なる傍聴記、傍聴レポートではぜんぜんない。じゃあ何なのか。私自身どう宣伝していいのかよく分からないのだが、類似のものがなく唯一無二の読み物、ですかね。

※ 画像は昨夜の家飲みの酒肴。きうりと、長芋をすったやつ。そして殻から外してたてのぷりっぷりの牡蛎を片栗粉にまぶしてバターのみで焼いたのと、同じく殻から外したての丸々としたホタテをバターと醤油で焼いたの。ホタテは小さな皿に載りきらず、下の大きな皿の右上にも1個載っている。大きな皿のは家人手作りの肉ピー。黄色いのは、肉ピーを焼いて肉汁だらけのフライパンに落とした卵だ。これがまた旨くて。豪華でしょ~。

 ←8月9日00時50分現在、週間INが180で1位~。happy02

2018年7月12日 (木)

川崎支部の自転車死亡事故、傍聴券は12枚…

2 漠然といえば自転車の事故。
 少し詳しくいえば、自転車を運転中に事故を起こして起訴された事件。それが刑事裁判の法廷へ出てくることがたまにある。
 事件名は主に「重過失致死」または「重過失傷害」だ。 
 犬の咬みつきや、駅のホームを走って人にぶつかり線路へ転落させた等々もその事件名で出てきたっけ。

 超絶マニアックデータその1を調べてみた。
 現時点で私は、自転車事故の「重過失致死」を6件、自転車事故の「重過失傷害」を25件、傍聴していた。
 合計31件。被告人の年齢は21歳から68歳までさまざま。女性は6人だ。電動アシスト自転車あり、スポーツタイプの自転車あり。
 単に不注意の過失だけじゃなく、信号無視とか悪質な違反もあると「重過失」になるのだ。

 これだけの数を傍聴したのは日本で私だけじゃないかと思う。だぁって私の場合、別の法廷で「強制わいせつ」や「殺人」や女性被告人の「ストーカー行為等の規制等に関する法律違反」があっても、真っ直ぐ「重過失致死」「重過失傷害」の法廷へ行くから(笑)。

1 それでだ、7月11日の夜、お世話になってる若いマニア氏から情報をいただいた。横浜地裁川崎支部で12日、あの、スマホとドリンクを持ちつつ電動アシスト自転車を運転、死亡事故を起こしたとされる女子大生の「重過失致死」の第1回公判があると。
 私は7月2日に川崎支部へ問い合わせるべく手帳に書き、ころっと忘れてた。ありがとう。よし、32件目を傍聴しようっ。

 だが、傍聴券抽選だという。
 うわぁ、前橋地裁・太田支部みたいなクソバカ野郎なことになりそう。記者クラブマスコミはどうせ横並びの短報しかしないくせに──それぞれ役割ってもんがあるのでそれはそれでべつにいいけど──なんで傍聴席を埋めたがる、ちっきしょぉ。
 地団駄踏んで断念した。

 12日の朝、念のため川崎支部へ電話してみた。
 傍聴券抽選の当たり券は、案の定、たった12枚ぽっち…。

※ 画像は那覇地裁。別のマニア氏の撮影による。

 ←7月12日14時50分現在、週間INが180で1位~。happy02

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