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カテゴリー「交通事故」の182件の記事

2018年1月24日 (水)

秒速28メートルで急接近!

 以下は1月22日付けNHKニュースの一部。

早稲田大教授が中央道ではねられ死亡 事故で車外に出た直後
 22日未明、東京・三鷹市の中央自動車道で、事故を起こして高速道路上で停車していた早稲田大学の男性教授が、車の外に出た直後に後ろから走ってきたトラックにはねられて死亡しました。
 22日午前0時10分ごろ、三鷹市新川の中央自動車道の上り線で、中央分離帯に衝突する事故を起こした男性が、事故処理のため車の外に出て左側の車線に立ち入ったところ、後ろから走ってきたトラックにはねられました。
 トラックにはねられた男性は、東京・中野区の早稲田大学社会科学部教授の西原博史さん(59)で、病院に運ばれましたが全身を強く打って死亡しました。

 ニュース映像を見ると、その付近の中央分離帯はガードレールだけのようだ。追越車線で動けなくなったなら、走行車線を横断して路側帯へ避難しようとする、それ自体は普通のことといえるだろう。
 「高速道路における緊急時の3原則!」は、
  路上に立たない!
  車内に残らない!
  安全な場所に避難する!
 なのだ。

 しかし…。
Img_1642 私が定期購読しているマニア雑誌『月刊交通』(東京法令)の12月号──それが現時点で最新──の「交通警察の基礎知識」、今号のテーマは「高速道路の安全利用について」であり、こんなことが書かれている。

「後続車との距離が相当あったとしても、時速100キロメートルの車両は1秒間で約28メートルと、想像を超えた速さで接近してきます」

「多くのドライバーは、『まさか、高速道路上に歩行者はいないだろう。』……という思い込みで……」

 高速道路において2016年中に、歩行者、または駐停車した車両内の乗員が死亡した事故は27件発生。高速道路における死亡事故の約15%を占めたそうだ。
 その27件について、高速道路を歩いたり、駐停車することになった、理由は…。

  車両故障によるもの 5件
  交通事故によるもの 12件
  高速道路外からの歩行者の立入り 2件
  道路工事などの作業中のもの 3件
  駐停車した理由が不明のもの 5件

 画像は、宇都宮地裁・足利支部へ行く途中の首都高速。西原教授が走行車線を無事に渡り、非常電話等で通報すれば、こうした掲示板にすぐ「事故車あり」等の表示がされただろう。合掌。

 ←1月24日4時50分現在、週間INが80で3位~。happy01 

2017年12月24日 (日)

失われなくていい命が無残に失われていくのは仕方のないことなのか

 自分の過去記事をちょと調べてて、こんなのを発見した。
 2012年6月発売の『ドライバー』に書いた原稿だ。あのとき私はだいぶ熱くなって書いたんだが…。
 以下に転載しよう。写真は本文とは別の事故。ガードレールのおかげで歩道へ突っ込まずに済んだ。

 4月23日の朝、京都府の亀岡市で、集団登校の小学生の列にクルマが突っ込み、多くの死傷者が出るという、とんでもない事故が起こった。
 4月27日の朝には愛知県でも、集団登校中の小学生の列にクルマが突っ込んだ。同日、時間的にはその約15分後に千葉県で、登校のためバスを待っていた小学生の列にクルマが突っ込んだ。同じタイプの事故が3件連続とは!

080811_05250001 とくに京都のケースは死傷者が多いうえ、加害者が無職の少年で無免許だった。報道は過熱した。
 現場にブレーキ痕はなく、居眠り運転と判明! 加害少年は元暴走族の中心メンバー! 仲間とともに夜通し走り回っていた! インターネットではさっそく少年らの実名暴きが始まった。
 さらに、被害者らの氏名や連絡先を無断で、警察が加害少年側に教えたことが発覚! 死亡被害者の父親の携帯電話番号を教えたのは小学校の教頭だった!

 テレビ・新聞を見ると、けしからん! 許せん! わっしょいワッショイと日本中が熱狂しているかのような。私は思った。ああ、いつもこれだから同じタイプの事故、起こらなくていい事故が起こり続けるんだ、と。

 加害少年が無免許だったとか、居眠りだったとか、そんなのはハッキリ言ってどうでもいいのだ。大事なのは、進路を外れたクルマが小学生たちに突っ込んだという事実なのだ。
 警察庁が「原付以上運転者(第1当事者)の法令違反別死亡事故件数」というデータをとっている。事故原因のデータといっていいだろう。
 2011年の総計は4118件。もっとも多いのは「信号無視」でも「最高速度」でもなく「安全運転義務違反」。内訳は、
  漫然運転  733件
  脇見運転  648件
  安全不確認 429件
 などで合計2503件。要するにちょっとした不注意が6割以上を占めるのだ。

 クルマがどんなに高性能になっても、運転する人間のちょっとした不注意は避けられない。クルマが進路を外れることもある。
 ハッと気づいてハンドルを戻せばいいが、気づかず電柱に激突することもある。田んぼや崖下へ落ちることもある。路側帯へハミ出してしまうこともある。

歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう」(道路交通法第2条第1項第3号の4)。

 これが路側帯の定義だ。白線で区画されたにすぎない「帯状の道路の部分」、そこへついうっかりハミ出してしまうことは、いくらでもあり得る。運転者が居眠りした場合、路面が水はけのため左側へやや傾斜していれば、左側の路側帯へハミ出しやすい。
 京都のケースでは、そんな路側帯を集団登校の通学路としていたのである。いつか必ず事故が起こるに決まっているではないか!

 防ぐ方法は明らかだ。ガードレールを設けておけば、うっかり進路を外れた運転者はガードレールに衝突してハッと気づく。路側帯の白線をこえて小学生たちの列にまで進んでしまう、ということが避けられる。
 現場は府道。京都府はどう考えているのか。5月3日付けの産経新聞によれば、京都府の道路管理課はこうコメントしているそうだ。
「ガードレールを付けたことで逆に道幅を狭めて危険が増したり、道路沿いの民家に不便を掛けたりすることもある。どこにでも付けられるわけではない」
 どこにでも付けなくていい。せめて集団登校の通学路には必要だ、との認識はないらしい。

 ガードレール以外にも方法はある。たとえばハンプ、つまり車道に設けるカマボコ型の盛り上がり。道路構造令第31条の2がいう「凸部」だ。騒音対策のためゴム製のハンプもある。
 また、ボラード(頑丈な鉄柱)を車道に設置して「狭窄部」をつくっている場所もある。ボラードや街路樹を利用して車道をわざとじぐざぐにする手もある。
 これらは、運転者の自発的な注意に頼らず物理的にスピードを落とさせ、注意を喚起する方法だ。

 ところがニュースを見る限り、京都の現場にはそんな安全施設はなにもない。ただ白線で区画された「帯状の道路の部分」があるだけだ。つまり、
「人間は不注意な生き物。クルマが進路を外れることは当然にあり得る。しかし、進路を外れたクルマが歩行者(とくに集団登校の小学生)と交錯してはならない」
 という考え方が欠落しているのだ。

 そうして、加害少年が元暴走族だとか言って、世間は(マスコミが先導して?)攻撃する。ずっとそれでやってきた。だから、起こらなくていい事故が起こり続ける、罪もない子どもたちが犠牲になり続ける、私はそれが口惜しくてならない。

 2006年9月、埼玉県で、公園へ出かける途中の園児たちの列にクルマが突っ込み、大勢の死傷者を出す事故があった。運転者(37歳)は、助手席に置いた音楽プレーヤーを左手で操作、脇見していたんだという。やはり路側帯での惨劇だった。あのとき、対策として出てきたのは、ガードレールではなく現場の制限速度を30km/hにすることだった。
 その後も、通学の児童、生徒へクルマが突っ込む事故は全国で起こり続けた。そうして今回の京都の事故に至るわけだ。
 悲惨な事故が起これば加害者を責め、規制強化、取り締まり強化、厳罰化を求めて盛り上がる。どうかしてるよと私は思う。

 ただ、京都の事故に対する熱狂は急激に収束した。4月29日の未明、群馬県内の関越道で、高速ツアーバスが居眠り運転で路側の防音壁に深々と突き刺さり、多数の死傷者が出たのだ。
 インターネットが使える方は「貸切バス事業に関する実態調査」を検索してみてほしい。2007年3月付けの、国土交通省の近畿運輸局とバス協会の調査結果がヒットする。その「自由意見」には、こんな声が噴出している。

「近年バス事業者全体が旅行会社の言いなりにならざるを得ない状況に陥っている…」
「規制緩和により、新規事業者がアルバイト運転手を使い安い運賃で走るために、正社員で運行しているバス会社は大変です…」
「自由競争の奨励は反面弱い所に色々な無理がしわ寄せされる事になり、いずれ事故に…」

 今回の関越道のような事故が起こることは予想されていたのだ。そうして、進路を外れたバスが突き刺さる構造の防音壁が…。
 失われなくていい命が無残に失われていく、それはもう仕方のないことなんだろうか!

 そんなことを長年にわたり言い続けているのは、私が知る限り、どうも私だけらしい。なぜ? 結局、分かりやすいシンプルな“悪”を叩けば十分、叩き尽くしたら次の悪=獲物を追えばよろしい、そういうことなんだろうか。

 私はこっち方面が専門だからこんなことを言うわけだが、他の方面も同様なのかもね。

 upアフィリエイト、つまりここから楽天へ入って何か買うと、その一部が私の手数料収入になる、そういう仕掛けです。

 ←12月24日0時30分現在、週間INが80で2位~。happy01

2017年12月23日 (土)

アメリカの交通事故死者5万人って

 こんなのがあると、また読者氏から教わった。

 そこかよっと笑われそうだが、私が注目するのは「交通事故で去年5万人も死んだんだぞ」という部分(字幕)だ。

 11月25日の当ブログ記事で紹介した2016年の「交通事故統計年報」(警察庁交通局)によれば、2015年のアメリカの交通事故死者は3万5092人。他国に比べ、突出して多い。
 警察庁のそのデータは2000年から載っており、2000年から2007年までアメリカは4万人台が続く。2005年は4万3510人だ。そこからすると、YouTubeで切り取られている映画は1999年以前のものかと思われる。

 アメリカの社会は国民は、交通事故をどう捉えているんだろう。どんな事故が多いんだろう。「危険運転致死傷罪」みたいな処罰規定はあるんだろうか。
 日本はアメリカべったりだとか言われるのに、そういうところは聞こえてこない。残念だ。

 ところが先日、某国大使館の広い会議室で、世界の交通安全思想について3時間以上も話を聞く機会を得られた。スピード抑止対策、スピード違反取締りのあり方についても聞いた。へえ~! ほ~! の連続だった。いずれ『ラジオライフ』に書こうと思う。
 その前にメルマガを書かねば。

1712231、70歳女性は万引きのおかげで夫婦仲が劇的に改善したかに言うのだが、しかしきっとまたやるんじゃないかと、私だけでなく裁判官もたぶん思い…。

2、少年被疑者の「強制性交等致傷」の勾留理由開示。コンビニへ買い物に行っている間にマンションでそんなことが起こっているとは知らなかったと…!

3、公然わいせつ」は駅ホームの待合室内でのチンコ出し。懲役前科だけで9犯。うちの2犯の裁判を私は傍聴している。被告人(60歳)は今回初めて、女性たちはチンコ出しを気持ち悪く思っていることを知ったのだという。

4、窃盗、威力業務妨害、詐欺」。若いときからやんちゃだったらしい男は、特殊詐欺にどう荷担し、報酬はどうだったか、リアル供述。

5、家族も殺すと脅されて日本へ覚せい剤を運んだというアフリカ人をどう有罪にするか、その論法。

6、被告人は大物芸能プロデューサー。一審は、覚せい剤を裁判を甘く考えていることがありあり見えて実刑判決、その控訴審。飛び抜けた美人妻が普通ちょっとあり得ない誠実本気証言を。裁判長の訴訟指揮具合からして、ああ、これは逆転執行猶予だなと私は思った。

 以上のうちどれを次号でレポートするか、悩む!

 暮れは野菜が高い。4分の1のしかも小ぶりな白菜がセールで158円(税別)だったり。
 画像は、農家の直売所で勝った野菜。小松菜100円、ブロッコリ200円、白菜200円。いずれも税無し。白菜はかなりでかく、自転車のおばちゃんから「立派な白菜ね~、どこで買ったの!」と言われ思わずドヤ顔になったのは私である(笑)。

2017年12月15日 (金)

女子学生のスマホ事故

 以下は12月14日付け時事通信。

スマホ自転車で女性死亡=女子大生を書類送検へ―神奈川県警
 スマートフォンを見ながら電動自転車を運転し、女性に衝突して死亡させたとして、神奈川県警麻生署が、重過失致死容疑で川崎市麻生区の大学2年の女子学生(20)を年内にも書類送検する方針を固めたことが14日、分かった。
 同署によると、事故は7日午後3時15分ごろ、同区上麻生で発生。遊歩道から車道へ出ようとした女子学生が、前を横切った無職の女性(77)に衝突。女性は転倒して頭蓋骨を骨折し、2日後に死亡した。
 事故当時、学生は左手にスマホ、ハンドルに添えた右手に飲料カップを持ち、左耳にイヤホンをしていた。「スマホをいじっていた」と話したという。同署は前方不注意が原因とみている。発進直後だったが、電動式で初速が高く、勢いよく衝突したことが死亡の要因になったとみられるという。

 スマホにつながったイヤホンが、もっと深く脳に入り込み、人間に自動ブレーキをかける、そんなアプリが普及しない限り、こうした事故は止まらないように思う。

17080216 この事件は公判請求(正式な裁判への起訴)が為され、禁錮刑が求刑される、かもしれない。
 来年1月の終わり頃から、横浜地裁・川崎支部へ問い合わせてみようか。

 判決はもちろん執行猶予付きとなるはずだ。が、執行猶予付きでも禁錮刑は禁錮刑。猶予期間が終わるまでその女子学生は、国家資格等を取れなかったり、公務員になれなかったりする。
 就職等のため、どうしても禁錮刑は避けたい場合、公判請求されてからいろいろ主張・立証しても、まぁず無駄だ。法廷で主張・立証したいことは、公判請求される前に、捜査段階でしなければならない。という話はメルマガ等でさんざん書いてきた。

 あと、こういう自転車事故の報道を見て私が直ちに思うのは、女子学生は個人賠償責任保険に入っていたのかなぁ、ということだ。
 個人賠償責任保険は、家屋の火災保険や自動車の任意保険の特約として加入している人が多いんじゃないかな。年間の掛け金は1500円前後か。水漏れで大変なことになってしまったとか、商店で誤って高価な商品を壊してしまったとかいう場合に、そして自転車の事故にも保険金が出る。
 私は自転車事故の裁判を狙ってかなり傍聴してきた。痛感するのは、刑罰なんかどうでもいい、被告人(または同居の親)が個人賠償責任保険に加入しているかいないか、そこが加害者側も被害者側も天と地の違いだ! ということである。
 ご自分や同居のお子さんが自転車に乗っていてもし未加入なら、すぐに加入をと、保険会社から金をもらってないのに言いたい。

 ←12月15日2時10分現在、週間INが100で2位~。happy01

2017年11月25日 (土)

交通専門番組、あっていいのに

 以下は9月19日付け Record Chinaの一部。

なぜ日本は交通事故による死亡者が少ないのか―中国ネット
 2017年9月17日、中国のポータルサイト・今日頭条に、なぜ日本は交通事故による死亡者が少ないのか、その理由について分析する記事が掲載された。
 記事は、15年の日本の交通事故による死亡者数は4117人で、1億2000万人の人口からすると非常に少ないと指摘。一方の中国は13億人の人口とはいえ15年には10万人以上が交通事故で死亡しているという。
 日本で交通事故による死亡者数が少ない理由の1つとして、記事は「秩序正しさ」を挙げた。例えば、日本では車道と歩道が完全に分離しており、自転車も自転車専用道を走るため、中国のように人も車も自転車もごっちゃになる現象がないと指摘した。

 関連して、画像は2016年の「交通事故統計年報」(警察庁交通局)の一部だ。
Img_1704 注があり、フランスを除く諸外国の死者数は30日以内死者。フランスの死者数は、一定の係数を乗じて30日以内死者に換算している。日本については、10万人当たりと1万台当たりの数値で30日以内死者数を用いているそうだ。
 このデータに中国は残念ながらない。

 2000年と2014年の、アメリカと韓国と日本の人口10万人当たり死者数を見ると、こうなっている。

      2000年  2014年
 米国  14.9  10.3   
 韓国  21.8   9.4
 日本   8.2   3.8

 韓国と日本は半分以下に減っているのに、アメリカは…。
 アメリカでは、たとえばどの州のどの時間帯のどの年齢層のどんな態様の事故が多く、事故防止のためにどんな手を打っているか、とかそういうことが話題になったりしてるんだろうか。ぜんぜん聞こえてこない。

 というかお隣の韓国、2000年は大変な状況だったのだ。何が原因で半減したんだろう。半減してもアメリカと並んで多い。受験競争だけでなく交通事故も大いに問題なはず。しかしぜんぜん聞こえてこない。

 日本および諸外国の事故や交通規制や取締り、車を使った犯罪、自転車を含む新車情報、ドライブレコーダのスクープ映像等々を専門に扱うテレビ番組があったらいいのに、そしたらもっと事故は減るんじゃないか、と思う。

 昨日、東京地裁の地下の至誠堂書店で、高山俊吉弁護士の新刊を見つけた!

 ←11月25日19時20分現在、週間INが140で久々の1位~。happy01

2017年11月20日 (月)

糖尿病で運転中に意識消失

 「糖尿病で運転中に意識失う、危険運転致死容疑で逮捕」と11月18日付けTBSニュース。
 事件数で約7500件の裁判を傍聴してくると、ニュースを見て「あぁ、その種の裁判を傍聴したことがあるょ」となることが多い。
 糖尿病で運転中に意識喪失の裁判については、メルマガ第1479号「無自覚性の低血糖症による危険運転致傷」で第1回と第2回公判を、第1549号「裁判官なんてどうせロボット、いなくていい?」でその判決をレポートした。

Img_1690 被告人は69歳。「1型糖尿病」で「無自覚性低血糖症」に陥るおそれあり。意識消失を2回経験しており、医師から車の運転は止められていた。しかし仕事のため運転を続けた末…。
 豊島区内の目白通りを運転中、どうも様子がおかしくなった。が、もう少し先で休もうと運転を続け、意識消失! 歩道へ突っ込み、信号待ちしていた21歳女性に衝突したという事件だ。女性のケガは加療約10日間。そこが救いだった。
 以下、第1479号から被告人質問の部分を拾ってみよう。少し加筆等する。

弁護人 「1型の糖尿病、体が糖分を分解することができなくて、インシュリンを打たなければならない…食べた糖分に比べてインシュリンを打ち過ぎるとどうなりますか?」
被告人 「頭がぼけーっとなります」
弁護人 「低血糖になると」
被告人 「はい」
弁護人 「朝ご飯を食べる前にインシュリンを打って、奥さんはクリーニング屋(と聞こえた)の相手をしていて、ご飯が遅れた…それで意識を失ったことがあると…お酒に関連して意識を失ったことは?」
被告人 「サッカーで北朝鮮に勝って、喜び、酒飲みすぎて、インシュリン、2度打った…朝起きなかったので女房が救急車呼んで…」

 その後、インスリン注射は食事の後に打つようにし、医師に報告したところ…。

被告人 「それはいいですねって」

 本件当日、朝食後にインスリンを打ち、昼食は「きゅうりとレタスのサラダ、冷や奴」だったので、普段は「15単位」のところ「8単位」を打った。すると…。

弁護人 「今回、(事故現場の)200m手前に目白警察署が…そのとき…」
被告人 「なんか疲れてが出てるっていうか、昼は食事も少なかったし、休もう休もう…休むとこがなかった…その先にもう1軒、お客さんあるから、チトセバシのところで(路側に)寄せようと思って」

 昼食は糖分がほぼなかったので、インスリン(弁護人いわくインシュリン。どっちでもいいです)を打ち過ぎの状態になったわけだ。
 そうして突然、意識を失った!

 以下は「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」の第3条第2項。

自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。

 第3条ってのは、従来の危険運転の適用範囲を広げたもので、“おそれあり危険運転”と言っていいかな。「制令」とは同法施行令第3条のことで、その第4号にこうある。

自動車の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する低血糖症

 低血糖の影響により「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」との認識が、意識を失う直前にあったかどうか、そこがこの裁判の争点なわけだ。
 被告人質問を聞く限り、被告人は血糖値を適宜調節しており、ヤバイとの認識はなかったように聞こえる。
 しかし…。
 要するに検面調書(検察官面前調書)に、目白署の前辺りで低血糖と認識した、という趣旨のことが録取されているのだった。裁判的にはこれでもうアウトだ。

被告人 「(取調べの検察官は)目白署の書類、見てたんです。検察のケの字も聞かない、私のことは…(聞き取れず)…ないっ! 何も言えません」

 意味がよくとれないのだが、とにかく、それまで気力なくぼそぼそと述べていた被告人が、そこだけ怒ったように力を込めるのだった。よっぽどムカつくことがあったのか。

 だがその後は、気を失う前の認識と、衝突後に警察官から言われて得た認識とがごっちゃになったり…。刑事裁判では通常、どの時点での認識か、時点を特定せずにどんどん質問をぶつけるのだ。
 やがて被告人は、疲れてめんどくさくなったのか、血糖値が下がって頭が働かなくなったのか、「分からない」「覚えてない」の連発になってしまった。

 裁判が必要とすることは、一般生活者の理解や常識とは違う。時点の特定のこともあるし、またたとえば、読んだ小説のあらすじではなく、文字は明朝体だったかゴシック体だったか執拗に問われる、みたいな。そんな被告人質問に長々さらされて、疲れたろうね~。

 求刑は懲役10月。判決は懲役10月、執行猶予3年だった。

 画像は警視庁本部(いわば東京都警察本部)の、皇居に面した正面玄関の外側。この細長い立派なやつは、いつ設けられたんだろ。公安委員会はパブリック・セイフティ・コミッションっていうんだ、へ~。

 ←11月20日0時00分現在、週間INが100で3位~。happy01

2017年9月16日 (土)

出会い系で会った男(女)に運転させたら事故った

 以下は9月13日付け熊本放送。

人身事故で身代わりたてる、28歳の女を逮捕
 今月10日の夜八代市で起きた車同士の交通事故で28歳の女が過失運転傷害の疑いで 当初、女は別の人が運転していたとうそをついていました。
 逮捕されたのは住所不定無職の■■■■■容疑者(28)です。
 警察によりますと今月10日夜、八代市千反町の県道交差点で■■容疑者が運転する乗用車と軽乗用車が衝突し、軽乗用車に乗っていた男性2人が軽いけがをしました。
 ■■容疑者は当初、同乗していた50代の男性が運転していたと警察に話していましたがその後の調べで■■容疑者が運転していた事が判明、また、赤信号で通行していたこともわかり12日に逮捕されました。

 無免許や酒気帯びで事故って逃げ、社員や後輩を身代わり出頭させ、バレて、交通人身事故&措置義務違反(つまりひき逃げ)に「犯人隠避教唆」をくっつけて公判請求(正式な裁判への起訴)をされる、というのは何件も傍聴してきた。

080811_05220001 ところが本件は、逃げたわけじゃないらしい。
 「50代の男性」とは出会い系サイトで知り合った、とか当初は供述してたのかな。そのパターンは珍しい。俺は傍聴したことがないと思う。
 熊本地裁へ電話して期日を調べ、傍聴する? そんな余裕はないうえ、「軽いけが」では略式による罰金刑で終わる可能性が高い。
 もしも公判請求されれば執行猶予付きの禁錮刑。痛くもかゆくもない。まちょとかゆいかも。しかし罰金刑だと「その罰金を完納できないときは1日を金5千円に換算した期間被告人を労役場に留置する」というのが付いてくる。
 その「28歳の女」に金がなければ、労役場留置だ。罰金30万円なら60日。実質、軽作業の懲役2月を意味する。

 それはともあれ、本件に照らせば、ひき逃げ犯のこんな弁解はあり得る。

犯人 「出会い系で知り合った男(女)に運転させたら、事故ってしまい、止まれと言ったのに逃げました。逃げて止まり、私のスマホをとって、やりとりのデータを全部消去し、逃げてしまいました。私は頭の中が真っ白になり、とりあえず帰宅しました。どうしようか困っていたら、警察の人が来ました」

 そんなのすぐバレる? といった理性はしかし、動物のような思考になった人(もとからそういう思考の人)にはないのだ。
 そのタイプの弁解は、すでにとっくにしばしばあるんだろうか。

 しまった、申し訳ない、これを注文するのを忘れてた!

 万引き病を追っかけるなら、こっち方面の専門家の著作も読まねば。弁護士さんたちも、また専門医の方々も、読んどくほうがいいんじゃないでしょうか。
 裁判傍聴にはまり始めた方、エロ裁判は若い男女に任せ、上掲の本、また前回のブログ記事で紹介した本を読みつつ、女性被告人の「窃盗」に注目する、これはやり甲斐があると俺は思いますよぅ、社会的意義もあるし。

 ←9月16 日0時20分現在、週間INが170で久々に1位~。happy01

2017年7月29日 (土)

ひき逃げ被害者を検察送致!

 昨日、スーパーへ行ったら、酒(日本で酒といえば米の醸造酒)のワンカップを配ってた。ちょっぴりの試飲じゃなく、1合(180ミリ)のワンカップを配ってた。
 なんて太っ腹! 俺はもう大喜び、ニコニコ顔でいただいた。happy02
 以下のやつの180ミリサイズだ。ギンパックっていうんだね。

 夜、飲んだ。なんと、尋常じゃなく旨い! ひとくち含んだら、頭部をゆっくり回して、舌全体に広がらせたくなる。俺は毎ひとくちを、そのように広がらせて味わった。至福とはこのことである。ちょっとお高いようだが、絶対買う! もっと飲みたいもの!
 あそうか、だからあんな太っ腹な配布をしたんだな。ちっきしょう、やられたょ(笑)。

 ところで、以下は7月28日付け西日本新聞。非常に珍しい立件・送致かと思う。

ひき逃げされた被害者を書類送検 道路で寝て事故を誘発した疑い
 京都府警川端署は28日までに、道交法違反(道路における禁止行為)容疑で、酒に酔って道路に寝ていてひき逃げされたアルバイト男性(35)=兵庫県芦屋市=を書類送検した。府警によると、ひき逃げ事件の被害者が送検されるのは異例という。
 送検容疑は5月23日午前2時半ごろ、京都市左京区の市道で、道路に寝そべり、トラックに左脚をひかれ、約1カ月の重傷を負う事故を誘発した疑い。
 男性は、友人たちと市内で酒を飲んで別れた帰りだった。同署は「生死にかかわる危険な行為」と判断し、立件した。
 道交法は道路で寝そべったり、座ったりして交通を妨害する行為を禁止している。

 そんなことまで道路交通法は禁止してるのか? してるんである。以下は道路交通法第76条。太字は俺。

(禁止行為)
第七十六条
   何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。
   何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。
   何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。
    何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
一   道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと。
二   道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。
三   交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。
四   石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。
五   前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。
六   道路において進行中の自動車、トロリーバス又は路面電車に飛び乗り、若しくはこれらから飛び降り、又はこれらに外からつかまること。
七   前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為

 この第4項第2号の違反とされたわけだ。第4項の罰則は5万円以下の罰金。
 昔は、新宿駅の地下通路で反戦フォークソングを歌って集まった人たちを、この規定を根拠に排除したんだっけ。

 泥酔して道路に横たわっていた者を轢き、「過失運転致傷」「過失運転致死」で起訴される、そんな事件が刑事裁判の法廷へときどき出てくる。
 横たわっていた側を立件、送致するって、かなり異例かと思う。
 不起訴で終わるだろうけど、こうして報道させることで、若干の、ほんとに若干の抑止効果はあるんだろう。

 ちなみに第4項第7号の、公安委員会が定めた行為とは、たとえば東京都だと、東京都道路交通規則のこれだ。

(道路における禁止行為)
第17条
 法第76条第4項第7号の規定による道路における禁止行為は、次に掲げるとおりとする。
(1) 氷結するおそれのあるとき、道路に水をまくこと。
(2) みだりに道路にどろ土、汚水、ごみ、くず、くぎ、ガラス片等をまき、又は捨てること。
(3) 車両の運転者の目をげん惑するような光をみだりに道路上に投射すること。
(4) みだりに物件を道路上に突き出し、又は車両等の中から身体若しくは物件を出すこと。
(5) 道路において、販売のための車両を陳列し、又は洗車若しくは修理(応急修理を除く。)をすること。
(6) 別表第3に定める道路における電柱、変圧塔その他の工作物に、信号機若しくは道路標識の効用を妨げ、又は車両等の運転者の安全な運転を妨げるおそれのあるような方法で広告の類を表示すること。
(7) 道路において、みだりに発煙筒、爆竹その他これらに類するものを使用すること。
(8) 交通の頻繁な道路に宣伝物、印刷物その他の物を散布し、又はこれに類する行為をすること。
(9) 道路において、大型自動二輪車、普通自動二輪車又は原動機付自転車から鉄パイプ、木刀、金属バットその他これらに類するものを突き出し、又は振り回すこと。

 スマホ歩きを禁止するときは、ここに、
「道路において、携帯電話用装置の画像表示装置に表示された画像を注視または操作しながら歩行すること」
 とかいうのを加えることになるのかな。

 さて、急ぎ『ラジオライフ』の原稿を書かねば。今回のネタは、新型オービス、東京航空計器のLSM-300の取説だ! お楽しみにっ。
 その前に、昨日のスーパーへまた行ってこよう。菊正宗のしぼりたてギンパックを買いに。なにが「買いに」だ、今日もワンカップを配布してないか、期待して行くんだろ? げっ、図星っ!

 ←7月29日11時20分現在、週間INが160で1位~。happy01 

2017年6月14日 (水)

無罪確実で当たり散らす検察官

「注目の判決は11月1日(月)11時と決め、14時閉廷。まだ無罪を傍聴したことがない方は、チャンスかも」
 と書いたのは、2010年10月14日号のメルマガである。判決はずばり無罪だった。何人かの方から感謝の言葉をいただいたっけ。

 その無罪、もちろんメルマガで報告し、同年11月か12月発売の車雑誌『ドライバー』でもレポートした。
 検察は、いったん起訴したからには──動かしがたい証拠とともに真犯人が現れちゃったとか極めて異例で遺憾なことでもない限り──無罪が明らかでも七転八倒、有罪にしようと頑張り抜く、ある意味あっぱれ! な組織である、そのことが分かりやすく分かるケースだ。
 以下、『ドライバー』の原稿に若干加筆等して掲載する。

 「自動車運転過失致死」つまり死亡事故の裁判が東京簡裁(武内晃裁判官)であった。
 俺はもう8年間ほど東京簡裁に張りついているが、簡裁で死亡事故はかなり珍しい。
 被告人は49歳のトラック運転手。起訴状はこんなふうだった。

「片側3車線の信号交差点で、被告人は必要な注意を怠って漫然約15キロの速度で右折。対向車線の第3車線(中央寄りの車線)を直進してきたバイク(普通自動二輪)に自車前部を衝突させた。
 バイクは転倒、滑走し、バイクから見て左側に停車中のクルマに衝突。運転していた25歳男性は両側血気胸(けっききょう)、骨盤骨折、頭蓋骨骨折などの傷害を負い、胸腔内損傷と頭蓋内損傷で死亡…」

 うわぁ、たいへんな事故があったんだな。それにしても、バイクは何キロ出してたんだ?
 裁判官が、起訴状の内容についてどこか違う点はあるか、被告人に尋ねた。

被告人 「え~、ございます。私は過失はないという判断で…過失はないと思います、はい、過失がないので争います」

 おおっ、真っ向否認である!

被告人 「私、信号が黄色から矢印の右折にしたがって右折を…前方、見てましたし、毎日運転してるので、ある程度、確認するのは当たり前になってる…急発進とか絶対してません…」

 裁判官は弁護人の意見を求めた。

弁護人 「被告人は何ら注意義務を怠っておりません。事故の原因はもっぱら、自動二輪車が信号を無視し、制限速度をはるかに超える速度で…」

 被告人が信号無視をしたなら、それは当然、起訴状に記載される。しかし検察官は、被告人の過失は「必要な注意を怠った」だけと言っていた。バイクのほうが本当に信号無視だったようだ。しかもかなりのスピード…。それでなぜ被告人は起訴されたのか。
 はは~、読めたぞ。普通に起訴されたのではなく、これは〝略式経由〟なのだな?

「クルマとバイクが衝突してバイクの側が死んだなら、クルマの側を処罰しなければ。けど、過失はもっぱらバイクの側にありそう。クルマの側に禁錮刑は科せない。略式の裁判で軽い罰金を科しておけば、香典と思って払うだろう。それで一件落着だ」

 警察・検察はそう考え、被告人はよくわからないまま略式に応じて罰金の支払い命令を受け、「自分に落ち度はないのに、なんで罰金なの。納得いかない」と、正式裁判でのやり直しを求めたんだな。
 この読みは当たっていたと、あとで確認できた。

 さぁ、正式裁判はどう展開するのか。しっかり傍聴してやろうと俺は気合いを入れた。だが、裁判官は言った。

裁判官 「事案にかんがみて、この事件については東京地裁で審理するのが相当と認めて…」

 簡裁から地裁へ移送することになり、その日は10分足らずで終わってしまった。裁判所法の規定により地裁へ移送となることはたまにある。

 それから3カ月後、東京地裁(鹿野伸二裁判官)の開廷表にこの被告人氏名を見つけた。地裁での審理がやっと始まったのだ。しかしその日は傍聴できなかった。
 さらに1カ月後、また審理があり、ようやく傍聴できた。

裁判官 「え~、今日は証拠調べを終えて双方のご意見を…」

 あらら、真っ向否認だから、実況見分をやった警察官や目撃者を尋問したり、けっこう長くかかるかと思ってたのに、もうそんな段階なのか。早いね。

 検察官は3人もいた。
 裁判官席に近いほうから順に、いかにも新人風の若者、人相の悪いメタボ中年、プラス簡裁のときの検察官。
 新人君が起立し、カツレツよく堂々と論告(検察側の最終意見)を述べ始めた。被告人の注意義務についてこんな判例を引用した。

検察官 「特別の事情がない限り、信号にしたがって進行すれば足りる…いちいち徐行運転をして左右の安全まで確認する注意義務はない…」

 うん、そりゃそうだよね。っておいっ、検察官は無罪を求刑するのか?
 そうじゃなかった。その判例は交差道路の車両との衝突についてのものであり、本件は対向車線との衝突だから関係ない、ゆえに被告人には注意義務があったと、有罪主張なのである。

 俺は傍聴席で思った。んなアホな話があるかい! 主信号は赤になり、被告人は右折矢印の信号にしたがって右折を開始したんだよ。バイクは実質、交差道路から来たといえる。つまり検察官は、無罪の判例を引用して有罪の論告をしているに等しい! こんな無残な論告を新人君に堂々と述べさせるって、ひどいなぁ!

 求刑は罰金30万円だった。
 交通事故の法定刑は「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」だ。死亡事故で30万円はめっちゃ安い。検察も自信がないんだな?
 亡くなった25歳男性はかわいそうだが、これはムチャな運転による自爆事故というべきじゃないか。無罪かもしれんぞ。

 翌月、判決。
 人相の悪い検察官は、おそろしくご機嫌斜めだった。簡裁のときの検察官に対し、前回とは違う席に座れとえっらそうに鼻息で命じ、新人君に対しては、「なんでわかんねーんだよ!」と押し殺した声で憎々しげに2度ほど言った。あんなふうだから人相が悪くなっていくんだわ(笑)。
 間もなく裁判官が登壇し、判決を言い渡した。

裁判官 「主文、被告人は無罪」

 やっぱ無罪だっ! 要するに、こういう理由だった。

裁判官 「被告人の注意義務については、交差点出口の横断歩道に横断し終えてない歩行者等がいるか、右折した先の道路の状況はどうか、そういったことを確認すれば足りるのである。
 対向車線は、第1車線にトラックがハザードランプを点けて駐車しており、第2車線にはタクシーが信号待ちで停車している。その状態で、第3車線を時速約70キロのバイクが赤信号を無視して突っ込んでくることまで、注視、確認する義務はない。
 相手の方が亡くなったのは残念ですが、あなたに刑事上の過失はないと判断しました」

 言い渡しは10分ちょいで終わった。長い理由を必要としない、ごくシンプルな無罪なのだった。
 そんなことは検察側だって重々承知だったろう。被告人が略式に応じなければ不起訴だったろう。
 しかぁし! 裁判になったからには、あくまで有罪を主張する。無残な論告を新人君に読ませ、判決は無罪に決まってるから不機嫌になって当たり散らす。サイテーだ。
 ちなみにこの無罪判決は報道されていない。

 裁判が公開なのは、こういうシーンを国民に見張らせるためだ。そして裁判傍聴ジャーナリストの役割は、日々見張って広く伝えること。重大な責任に身が震える思いです…って震えはしないけどさ(笑)。

 この話、書けばもっと長くなるけど、今夜はここまで。裁判傍聴ジャーナリストとしてのメルマガ「裁判傍聴バカ一代」の、次号に着手しなければ。週4号の発行なので、大変なのですよっ。
 明日は、高橋ユキさんから教わった、電車内で痴漢して線路へ飛び降り逃走した事件を傍聴予定。じゃねっ。

 ←6月14日23時00分現在、週間INが180で1位~。happy01 

2017年3月27日 (月)

とんでもない最終陳述、どこもノータッチ!?

 今日は、報道された事件を5件も傍聴した。こういうことも珍しい。

1703262 まず10時から、うわ! 佐川急便の身代わり出頭か? と傍聴した「道路交通法違反、犯人隠避教唆」は、「そっくりさん身代わり出頭 速度違反逃れ容疑で逮捕」と報じられたオービスの事件だった。

 それを途中で抜け、同時刻から始まってた、てんかん医師・池袋暴走事件とか大きく報道された「危険運転致死傷」へ。
 被告人が最終陳述ですごいことを述べた! 事件数で7千件以上を傍聴してきて、こんな最終陳述は聞いたことがない、これはニュースになるぞ、大変だ!
 ところがその後、「てんかん5人死傷事故 検察側、懲役8年を求刑 東京地裁」などと各紙報じてるのに、そのすごい最終陳述はどこもノータッチ! ※現時点で俺が探した限りでは。
 うわぁ、ああいうのを新聞は報じないのか。報じるのは俺のメルマガだけなのか。なんか、うーん。

 いや、記者氏らは記事に書いたんだろう。あれを外して書く記者がいるとは俺には思えない。しかし“上”が、日々の新聞報道になじまないとか、ま、自らの新聞観、国民観を忖度して、削った、そういうことかも。忖度(そんたく)という流行語、用いて文章をつくりました(笑)。

 13時30分から「傷害」の判決。メルマガでずっと追っかけてきた、バレエ講師の指を切断した事件だ。「バレエ講師指切断 男に懲役4年6か月判決」と日テレニュース。俺がどこに映ってるか探さないでね。sweat01
 再び手錠・腰縄を付けられ退廷するときの、被告人の表情が印象的だった。

170326 14時から「詐欺、詐欺未遂」の、これは控訴審第1回。「詐欺未遂:80歳「だまされたふり作戦」 「おいの話し方とは違う」 「受け子」の男容疑で逮捕 桐生署/群馬」と報じられたらしい。
 普通にさくさく控訴棄却(実刑維持)へ進むかと思いきや、なんとなんと裁判長は、弁護人請求の書証20点、証人2人を全部採用っ! 逆転執行猶予は決まり? とすればなんでっ? 判決を追っかけねば。  

 14時30分から「暴行」の審理。「ケンコバ男泣き、カレー店給料未払い問題「本当に寂しい」 従業員に生直撃」との記事中に登場する人物が被告人なのだが、記事からは想像もつかない事件なのだった…。

 さてメルマガ次号、急ぎ書こう。明日また裁判所へ行く前に、発行しなければ。じゃねっ。

※画像はいずれもマニア氏より。南相馬市市営原町陣ヶ崎公園墓地にある特攻隊員像と他特攻関係等の慰霊碑。http://www.asahi-net.or.jp/~un3k-mn/riku-hara.htm

 こんなアフィリエイトを貼ってみた。なんかパッとしない気が…。sweat01

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