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カテゴリー「刑事/窃盗」の145件の記事

2024年3月 1日 (金)

病者が持ち始めた病識を、裁判官は捨てさせた!

2402094  細くて小柄な71歳のご婦人、を被告人とする「窃盗」の刑事裁判を、2020年3月10日発行のメルマガ第2381号「病識を持ち始めた病者に、裁判官は病識を捨てさせた!」でレポートした。

 

 東急ストアでの万引きだった。レンコン1袋等4点、販売価格合計1168円。

 自転車で来店し、買い物カゴに商品を入れてから銀色の手提げバッグに移し、会計せずに店外へ出て、自転車の前カゴにあった白色の手提げバッグに商品を移し…。
 それから銀色の手提げバッグを持って、隣接する100円ショップで飲料水3本を同様の手口で万引き。

 外へ出て自転車に乗ろうとした被告人に、一部始終を見ていた保安員が「またお母さんですか」と声をかけた。被告人は「あっ」と絶句してから「すいませんでした」と…。
 その商業施設で万引きするのは、被告人の供述によれば6回目なのだそうだ。

 同種罰金前科2犯、相場的に執行猶予付き懲役刑で決まりの事件だ。


 情状証人は被告人の夫だ。スーツにネクタイ、ずんぐりメタボなお年寄りで、とにかく迫力がある。途中でペロリ舌を出して笑うシーンもあった。

証人  「(関係は)はい、夫婦でございます! (自分は)無職でございます! (今回の件で)なんでこんなことをやるんだ! 叱り飛ばしました!」
弁護人 「これまで何度も万引きを…」
証人  「その都度、なんでやるんだと叱り飛ばしました! 病気じゃないのか! とは言いました!」
弁護人 「(万引きをくり返す)理由は病気と?」
証人  「はいっ!」

弁護人 「どんな病気と?」
証人  「盗むのをヤメようとしてもヤメられない! 分かっているのだけどやめられない! …盗ってくるものがあまり必要のないもの…たとえばネジです! なんでネジなんか! 明快な回答が得られない!」

 依存症についていろいろ情報を集めたが…。

証人  「本人に言ったら、私は病気じゃない! 正常だと怒りだしまして、怒りだしました! 私も体調が悪く、それ以上は言えませんでした!」

 なるほどねえ。自分はまともな人間だ、気味の悪い妙ちきりんな病気であるはずがない、意思の力でヤメられる、そもそもお金はあるし万引きなど本心からしたくない、二度と万引きしない、絶対しません…万引き病者は皆そこから頑なに動かないようだ。

 しかし、万引きできるシチュエーションになると、二度としないとの誓いはすかっと消え、悪霊に取り憑かれたかのようになり、多少キョロキョロするものの、天井の監視カメラのこととか全く気にせず、万引きをやる。
 悪霊どもは近年の監視カメラの性能を知らないのか、いや、知ってて万引きさせるのが悪霊ってものか。

 

 そして被告人質問。被告人は終始、うつむいて暗く固かった。

弁護人 「どうして万引きを」
被告人 「衝動的にやってしまいました…」

 ここで裁判官が、いかにも不愉快そうに介入した。

裁判官 「衝動的に? 何か目的があったんでしょ?」
被告人 「……………わけもなく(手提げバッグに)入れてしまいました…」
裁判官 「説明してください! ちゃんと記憶してるんでしょ?」
被告人 「……………病気だと思います…」
裁判官 「買い物に行ったんでしょ?」
被告人 「……欲しかったのは枝豆豆腐、だけです…」
裁判官 「枝豆豆腐も盗ってる」
被告人 「はい…」

 裁判官の意図が、私はよく分からなかった。「衝動的」という語に、反射的にムカついたように思われた。

弁護人 「(調書では)レジが混んでいたから(精算しなかった)と…」
被告人 「違います」
弁護人 「じゃなぜ調書に署名したのですか」
被告人 「本当の理由を言っても分からないと思いましたので、はいって返事してしまいました」

 じつは私自身、ずいぶん何度も調書を録取されたことがある(※)んで、その感じは分からないじゃない。  ※交通違反で複数回と、交通事故の被害者として1回、傷害事件の事件直前の様子の目撃者として1回。

弁護人 「衝動的にわけもなく盗ってしまう病気と、気づき始めたのは?」
被告人 「10年ぐらい前です…」
弁護人 「なぜこれまで(病院へ)行かなかったのですか?」
被告人 「病気と向き合うのが嫌だったんです」
弁護人 「病気と分かるのが怖かったんですか」
被告人 「はい」

 そうなんだよねえ。万引き病の裁判を私はだいぶ傍聴してきた。病気と向き合うのが嫌、病気と分かるのが怖い、その感じ、すごくよく分かる。
 裁判官はこうぶつけた。

裁判官 「さっきから…正面からあなた自身で責任に向き合っていないんじゃないか…衝動的、病気、しかしそれはあくまで傾向なんですよ…だけど結局、お店へ行って盗るのは、あなた自身の判断なんですよ。だから…向き合って、あなた自身が考える…そうしなければ…薬を飲めば治るようなもんじゃないんです」

 被告人は証言台のところに座り、ずーっと前屈みに固くうつむいている。

裁判官 「あなた自身、今回どういう責任があると思ってますか!?」

 被告人は前屈みに固くうつむいたまま、貝になった。 ※固く沈黙したという昭和の表現。
 どう答えりゃいいのか。「他人の財産権を侵害した刑事責任があると思います」とは、一般生活者には無理でしょ。
 固い沈黙のあと、被告人は答えた。

被告人 「病気のせいではありません。私自身の…」

 私は直ちに赤いペンで傍聴ノートに書いた。「あーあ、言っちゃったよ!」と。

 今回ようやく強く持ち始めただろう病識、ほんとは持ちたくなかった病識を、被告人は、裁判官という偉い絶対者のアドバイスに従って堂々と捨てたのだ!
 内心、晴れ晴れとした気持ちになったんじゃないか。

 私は思った。このご婦人、きっとまたやるだろう!
 そのように超絶マニアックデータの備考欄に書き、またやってまた法廷へ出てくるケースは、実際ときどきあるのだ。

 求刑は懲役1年。そこまで聞いたところで私は出た。あと数分で、「今日はこのために裁判所へ来た!」という裁判が別のフロアの法廷で始まるのでっ。
 判決を見届けてないが、鉄板で懲役1年、執行猶予3年だったはず。

 

 そうして2024年2月29日、東京地裁に、同姓同名の被告人の「窃盗」の第1回公判があった。
 傍聴できなかった。
 この4年間、どうお暮らしだったのか。あの個性的な夫氏はどうしたのか。次回を必ず傍聴しよう。

 私はねえ、有名芸能人の薬物事件より、こういう事件にこそ、こんな言い方をして何だが、惹かれるのだ。
 マイナー街道まっしぐら。ま、こんな奴もいて良かろうと。

 ←3日1日19時10分現在、週間INが110で2位。直近の1週間に11人もの方が、猫のバナーを? びっくりです、ありがとうございます~。

2023年11月 7日 (火)

東京地裁、法廷内の気温は30度か!

2306082  今日は暑かったねえ、裁判所(東京高地簡裁合同庁舎。以下同)が!

 今日の東京の最高気温は27.5度だったという。
 あの観測は、私が知る限り、緑に囲まれた良い環境での測定らしい。

 

 東京地裁の法廷は、窓がない。
 北端と南端の法廷には窓があるが、閉めきりでぶ厚いカーテンに覆われている。
 なのでどの法廷も、暑いのなんの! 南端の法廷はまるで温室だ。
 廊下もだいぶ暑い。
 非常階段室へ入ると、若干涼しく感じる。

 てえことは、法廷は煖房を入れてるのか?
 かもね。

 

 この庁舎の冷暖房は、冷たい空気、暖かい空気がどこかからまとめて送られ、個々の部屋での調節はできないと、だいぶ前に聞いた。
 暑すぎるとき、寒すぎるとき、書記官が壁の装置で調節する、なんてのを見たことがない。

 地下深くに『千と千尋の神隠し』の「釜爺」みたいな御仁がいて、煖房炉にせっせと石炭を放り込んでいる。
 メディア発表の最高気温が27.5度、法廷内はもっと高い、とは誰も釜爺に教えない、のかもしれない。

 

 そんなファンタジーなことはなく、単に、暑くても冷房は使わない、ということにすぎないかも。

裁判官 「暑い寒いは人の感覚である。個人差もある。裁判所が法廷の暑い寒いを気にしなかったことに何ら落ち度はない。一方、11月は晩秋である。煖房の季節である。経費節減の観点から、煖房を控える場合もあるとしても、11月に冷房を使うなど論理則、経験則等に照らしてあり得ないというべきである。冷房を使わなかった手続きに瑕疵(かし)はない。よって傍聴人の請求を棄却する」

 そんな感じですかね。

 

 今日は朝から裁判所にいて、濃ゅいのをいいっぱい傍聴した。

 なのに「無罪」を見逃した。
 マニア氏によれば、事件は賽銭ドロ未遂。
 賽銭箱に針金を突っ込んでいたところを目撃、通報されて逮捕されたが…。
 否認して目撃者を証人尋問したところ、証言があいまい過ぎて無罪、とのこと。
 それ、第1回公判から傍聴したかったなあ!

 大事なものが指の間からぽろぽろと、さらさらとこぼれ落ちていく、それは仕方がない、手に残ったものを大事にしよう、そういう心構えでないと東京地裁の傍聴マニアは生きていけない。
 人生も同じだと気づく、そう、裁判傍聴は哲学なのだ、よし。

 ←11月7日21時30分現在、週間INが60で2位。

2023年10月 2日 (月)

FTD(Frontotemporal Dementia)と万引き

23080110_20231002124601
 「谷口恭の「その質問にホンネで答えます」」という無料のメールマガジンに私は登録している。毎号全部読むわけでは到底ないが。

 その「2023.10.2【Vol.124】」の「最近の医療情報」はこう始まっている。

9月24日(日)から10月1日(日)までの8日間が何の「週間」であったかをご存知でしょうか。答えは「世界FTD啓発週間」です。

 FTDとは「Frontotemporal Dementia」の略だそうだ。
 frontal lobe は前頭葉、temporal lobe は側頭葉、Dementiaは認知症。
 つまり前頭側頭型認知症。日本では昔「ピック病」と呼ばれた。

 谷口恭さんはこう書いている。

 FTDに罹患すると、たとえその人がつい最近まで仏のように穏やかな性格の持ち主で万人から愛される高い倫理観を持った人格者であったとしても、他人に見境なく失礼な暴言を吐き、まったく悪びれずに万引きや無銭飲食を繰り返し、ときには暴力や性暴力をふるうこともあります。「認知症」のひとつであるのにもかかわらず、記憶はさほど衰えず、よって家族や周囲の人たちもなかなか認知症だとは疑えません。

 

 以下、私もFTBと略称しよう、フロントテンポラル・ディメンシア。
 FTBなんてものを私が初めて知ったのは2015年10月、東京高裁の「窃盗」の控訴審でだった。
 万引きの執行猶予中にまた万引きをやり、実刑判決(懲役10月)を受け、どうか再度に執行猶予を、という事件だった。

 

 じつは同年7月、その被告人(50代か60歳前後ぐらいの女性)の、一審の判決を東京簡裁で私は傍聴していた。
 そのとき、FTBなんて話はぜんぜん出なかった。

 一審が終わる頃か、アメリカへ留学中(大学3年生)の娘が帰国した。
 その娘を、控訴審で尋問した。

 母親は明らかにおかしいと思った娘は、母親(保釈中)をクレプトマニア方面のクリニックへ連れて行った。
 どうも違う、認知症の疑いがあると言われ、そっちの専門医へ。
 すると、脳の側頭部に萎縮が見られ、FTBと診断された。

 放っておけば必ず万引きをくり返す!

 娘は警察に相談。警察官は真剣に相談にのってくれた。
 娘は行政の福祉担当にも相談。母親が勝手に外出してしまった場合に備え、近隣の商店をまわって母親の病気のことを伝えた。
 なんという行動力、こんな娘はいねえよ! と私は感動した。

 万引きを防ぐ態勢が完全に整う前、一審判決から控訴審第1回の前にかけて、母親は3度万引きした。
 しかし、商店側はわかってくれて、事件にはならなかった。

 

 「情状に特に酌量すべきものがあるとき」は再度の執行猶予を付すことができる(刑法第25条第2項)。
 本件ほどに、特に酌量すべき事情があるケースは、滅多にないよ、そう思えた。

 

 ところが…。
 私は当時のメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」で2号にわたりレポートした。
 結局、日本の司法は、

犯行を病気のせいにしてはならない。
事情はどうあれ、やったことの責任は取ってもらう(行為責任主義)。

 この縛りから逃れられない、逃れたくない、しがみつきたい、ということのようだと傍聴席からはしみじみ感じる。
 そんな統治の仕方もあるのだろう。
 谷口恭さんによると、「世界FTD啓発週間」のこと、日本の報道は見当たらないそうだ。

 メルマガのあのレポート、どこかに再掲したいのだが…。

 ←10月2日12時40分現在、週間INが402位。

2023年8月21日 (月)

検察官が立証に失敗した、ただそれだけです!

23080113  最近、すごいのを傍聴した。

 第1回は2022年9月20日。気になっていたのだが、たまたま1度も傍聴できず、今年8月某日、論告・弁論の期日を傍聴した。

※ 画像は、普段あんまり見ない角度からの、東京高地簡裁合同庁舎。窓がほぼない階がだいぶある。4~8階が、いわゆる法廷階だ。

 

 罪名は「窃盗」。被告人は身柄(拘置所)。40歳代だろうか。
 同種懲役前科3犯。うち2犯は本件と累犯関係。
 釣具店で、ルアーを大量万引きして懲役1年。出所して約4カ月後…。

 都内某所の有名釣具店でルアーを大量万引き。
 すぐに近所の、やはり有名な中古釣具店へ行き、転売。
 店内の監視カメラ(通称防犯カメラ)等々により犯罪事実は明らかなんだという。
 求刑は懲役2年6月。

 

 すごかったのは、弁護人による最終弁論だ。
 なんというか、犯罪事実は明らかなんだけども、法律手続き上、検察官は立証に失敗していると、法廷中央、証言台のところに出てきて、ようくとおる大声で、ろうろうと語るのだった。
 そんな弁護人を、被告人が被告人席で、ぽかーん、という感じで見上げているのが印象的だった。

 弁護人は最後をこう結んだ。

弁護人 「最後に…弁護人には今回の事件の歴史的な(そう聞こえた)事実に興味ありません。検察官が立証に失敗した、ただそれだけです!」

 判決期日を決めるに当たり、こんなやりとりがあった。

裁判官 「10月×日…」
弁護人 「遠すぎませんか!」
裁判官 「検討をする…」
弁護人 「いいじゃないですか、無罪判決書けばいい!」

 

 私は審理の期日を1回も傍聴してない。今回の期日を傍聴しただけ、での率直な印象を言わせてもらえば、こんな弁護人、見たことない、双極性障害みたいなやつの、ハイな時期なのでは? もしそうだとすれば、ローな時期に自殺へ傾かないか、心配だ…。

 まさか、そんな、外れだよね、と思いつつ、率直な印象を記録する、そのやり方なのだ、私の場合。
 審理が始まれば人定質問で被告人の年齢は分かるんだけども、入廷したときの見た目の年齢を、私は記録する、外れることもある、そゆこと。

 10月の判決を傍聴しよう。

 ←8月21日20時20分現在、週間INが602位。

2023年4月19日 (水)

「盗める!」と思ったらもう

Img_1201  「「万引きしたらネットで拡散」相次ぐ窃盗被害にSNSで対抗の店も 防犯カメラに一部始終 少額支払い男も…狙われる無人販売店」と4月14日付け北海道放送(YAHOO!ニュース)。

 コロナ禍で無人の販売店が増えた。
 無人ゆえ監視カメラ(俗称防犯カメラ)がしっかりある。
 でも盗みは絶えない。
 同種の窃盗事件が続々と報道される。

 

 主に刑事裁判を1万事件以上も傍聴してきた者として、これはもう防げないと思う。

 1万人に何人か、500人か200人か、そこは分からないけれども、

1、「盗める!」と思ったらもう、ほかのことは目に入らない。監視カメラは意識から消える。

2、店の被害、相手の痛みに対する想像力がない。自分が捕まるかもという想像力もない。

3、簡単に盗(と)れるのに盗らないのは損でしょ。べつに要らなくても取るでしょ(笑)。

 そういう人が、あるシチュエーションで頭の中がそうなってしまう人が、んもうこれは確実に存在する。
 続々と刑事裁判の法廷へ出てくる、被告人として。

 

 人格の偏りが度を超したモンスターも、ある割合で必ず社会に混じっている。
 そんなことも刑事裁判の傍聴からは学べる。今回、オチはないです。

 ←4月19日6時10分現在、週間INが502位。

2021年9月 7日 (火)

最高裁、約55分前に満員御礼とは!

20210907  今日は最高裁へ行ってきたよ。
 最高裁の開廷期日情報にある、「窃盗」の判決を傍聴に。

 たかが「窃盗」で最高裁がなんで判決期日をもうけるのか。
 最高裁が「傍聴人の皆様へ 最高裁判所広報課 窃盗被告事件について」という文書をアップしている。

 この被告人の、なんというか本件前の「窃盗」を私は傍聴している。メルマガ第2156号「骨格標本のような万引き病女性、22kg!」でレポートした。尋常じゃないのである。
 だからどうしても傍聴したかったのだ。

20210907-1  開廷は13時30分。私は東京地裁での傍聴が11時40分頃に終わり、「おいしい昼食のおにぎり(正しくはおにぎらず)を、じゃあ最高裁で食べようか」と12時04分に着いた。

 それから続々と傍聴人が来て、12時35分頃には傍聴席数に達した。
 約55分前に満員御礼とは、私は想像もしなかった。世の中どうなってるんだ!

 20年ほど前は、傍聴人なんてほとんどいなかった。
 法廷に入ると書記官から「被告人の方ですか?」と言われる、それは何度もあった。

 ところが今や…。
 そこんとこ、気象災害とあわせて破滅論的に語りたいんだが、また今度(笑)。

 ←9月7日22時20分現在、週間INが30で3位。

2020年10月19日 (月)

行ってきました前橋簡裁!

 10月19日(月)、午前6時頃に起きて原稿を仕上げ、送信した。1週間前に書き始めていた、ものすごーく長くなりそうな原稿を、削りに削るのに四苦八苦、ようやく「えいやっ」と完成させたのだ。

20101915  その原稿が「ベテラン警部補が速度データ偽造を繰り返して逮捕…レーザーパトカー「LSM-100」の実績を上げるため?」としていつアップされたのか、私は知らない。
 送信後、すぐに着替えて出かけ、前橋簡裁へ向かったのだ。

 前橋へ行くのは私は3度目だ。1度目と2度目は2015年、地裁のほうへ、大報道されたあの事件を傍聴に行ったのだ。メルマガ第1557号「オービス3回YouTubeに投稿事件、前編!」等でレポートした。

 1度目のときは早朝に自家用車で出かけ2時間ほどで着いた。今回は電車で出かけ、前橋駅から県庁前(裁判所のすぐ近く)までバスに乗った。3時間半ほどかかった。バス内で、少女漫画で使えそうなシチュエーションで素敵なご婦人と言葉を交わし、交流しちゃった(笑)。

 いやはや興味深い裁判を傍聴した。
 メルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」で、傍聴席のことも含めレポートするが、重要な部分は伏せて書こうと思う。伏せても十分に興味深い裁判だった。まさかこんな展開になるとは思わなかった。

 帰りは電車が遅れたり乗換の待ち時間が長かったり、帰宅は19時頃になってしまった。東京は冷たい雨が降っていた。 ※画像は前橋の裁判所。

 ←10月19日22時00分現在、週間INが90で3位~!

2020年6月15日 (月)

88歳爺ちゃんの万引き、統治者に都合の良い勘違いへ導く報道

 烏賀陽弘道さんのTweetで知った、昨年10月9日付けの徳島新聞の以下の記事を。■は私。

88歳無職の男、スーパーで卵1パックを盗み懲役1年の実刑/徳島地裁
 徳島地裁は8日、徳島市■■■■、無職の男(88)に窃盗罪で懲役1年(求刑同1年6月)の判決を下した。7月30日午後4時45分ごろ、徳島市下助任町1のスーパーで卵1パック(販売価格245円)を盗んだ。

 なんちゅう短報。読者にいったい何を伝えたいのだろう(笑)。
 裁判傍聴マニア、裁判傍聴師として以下コメントしてみよう。

200612c  万引きは、イッパツで懲役の実刑とはならない。
 微罪処分、起訴猶予をそれぞれ1回乃至複数回 → 略式で罰金20万円か30万円 → 罰金40万円か50万円 → 公判請求(正式な裁判への起訴)をされて執行猶予付き懲役刑 → 懲役刑の実刑、というふうに階段をのぼっていく、通常は。
 以下、万引き以外に前科・前歴がないものとして考えてみる。

 卵1パック(販売価格245円)の万引きで、初めての公判請求で求刑1年6月ってことは普通ない。
 本件は、執行猶予付きかどうか、懲役前科があったのだろう、とストレートには推認される。

 前刑の執行猶予が取り消されてダブルで服役、かつ初めての服役であれば、懲役10月か8月まで下げておかしくない。
 88歳なのに懲役1年までしか下げなかったってことは、服役前科があるのかも。 

 昔から手癖が悪くて万引きをくり返してきたなら、求刑1年6月、判決1年ってこたぁない。だいぶ高齢になってから万引きをくり返したのかなぁ、とまぁ大雑把には推認される。
 だとすれば、なぜ?

 加齢に伴う脳の萎縮により、自己コントロール能力に問題が生じた、のかもしれない。
 孤立、孤独の境遇で、万引きで得たドキドキ感、達成感が、衰えた脳に焼き付き、病みつきになってしまったのかもしれない。

 しかし、そういうことは考えず、外形的な事実(前科・前歴も含む)により量刑相場の階段をのぼらせる、それが刑事司法だ。

 そして記者クラブメディアにとって、前科・前歴はタブーらしい。
 何も知らない読者、裁判傍聴マニアじゃない読者は、「卵1パックで刑務所行きかぁ!」とだけ印象するだろう。
 でもそれは、国家の治安的には好ましい勘違いといえる。万引きを軽く考えている多くの国民らが、勘違いでびびってくれたら、素晴らしいじゃないか。
 上掲徳島新聞の記事は、その勘違いを導くためだけの報道、といえるんじゃないか。

 私はなぜそんなことに気づいたのか、じつはそのへんを今月下旬に発売となる『ラジオライフ』に書いたのだ、可搬式オービスにからむ話として。
 可搬式オービスや、「反則金払わず逮捕」と読める報道など、私はそっちが専門だから見破る。万引きについても分かる。だが、専門外のジャンルでは、私もだいぶ勘違いへ導かれてるんじゃなかろうか、という話。

 画像は、最近ドラッグストアで買った、いわば携帯式小型人力扇風機だ。198円+税。音はうるさいし両手がふさがるが、けっこう強力だ。この夏、だいぶ流行るかもねっ。

 今回の爺ちゃん、死なずに刑務所を出れば、また万引きをやるんじゃないかと私は見る。でも大丈夫、そのときはまた刑務所へぶち込みますから?

 ←6月15日21時50分現在、週間INが90で3位~!

2020年4月 5日 (日)

懲役4月、司法の良心!

 クレプトマニアの女性に対し家令和典裁判官が懲役4月の判決を言い渡したと、3月3日、東京地裁にいたマニア氏からメールあり。
 翌4日、朝日新聞が「独自」としてこう報じた。以下は一部だ。

保釈中の万引き、異例の減刑 窃盗症による心神耗弱認定
 万引き事件の保釈中に再び万引きをしたとして窃盗罪に問われた無職の女(53)に対し、東京地裁は3日、懲役4カ月(求刑懲役1年6カ月)の判決を言い渡した。家令和典裁判官は女が犯行時、重度の「窃盗症」(クレプトマニア)による心神耗弱状態にあったと認め、減刑する異例の判断を示した。

 マニア氏のメールには被告人氏名があった。私はぶっ飛んだね。
 メルマガ第2156号「骨格標本のような万引き病女性、22kg!」でレポートしたあの女性ではないか!
 勾留中に体重が22キロまで落ち、救急搬送されたのだそうだ。
 ヘアも、黒を基調とした服装もお洒落なのだが、顔は骸骨、体躯(たいく)は骨格標本というか。「ガリ痩せっ! よく生きてるねっ!」と私は傍聴ノートに書いた。

 万引きで執行猶予判決 → その執行猶予中に万引き → 懲役10月(求刑1年6月。※これを私は傍聴した) → 控訴 → 控訴棄却 → 上告。

 その上告中にまた万引きしたのが今回の事件なのだ。
 懲役4月は、異例どころか前代未聞のはず。私が知る限り、最高に下げても懲役8月だ。
 滅多に見られない、精一杯の「司法の良心」を、マニア氏と朝日新聞の記者、根津弥さんは目撃したわけだ。

2003311-2  朝日新聞の記事には赤い文字で「独自」とある。裁判所内で林大悟弁護士を見かけて傍聴してみたら、とかいうことかもしれない。
 なんであれ、記者発表を垂れ流すのではなく独自に取材し、記事を打つ。素晴らしい! 「弥」1文字はどう読むのだろう。わたるさん?

※ 新型コロナウイルス(COVID-19)でみなさん家飲みへ移行したのか、安い酎ハイが消えているスーパーもあった。
 画像は、ある日の私の家飲みの酒肴(というか夕食)だ。鰹のたたき、ほうれん草のごまかけ、鯖の竜田揚げ、白菜の漬け物、すき焼き煮、しめ鯖、わかめときうりの酢の物。鯖の味噌煮と鰯の甘辛煮。全部は食べきれず、少し翌日の酒肴になった。

 ←4月5日11時30分現在、週間INが60で4位~。

2020年1月21日 (火)

昭和のあのトップモデルがまた法廷へ出てきた!

 朝一で、普段は裁判所へ行く時刻に、今日は都心の眼科医へ行った。なぜ行き、どんな診断を受けたか、その話は、申し訳ない、メルマガの編集後記に書く。近々眼科へ行くとメルマガのほうで言っていたので。

 午後、裁判所(東京高地簡裁合同庁舎)へ行った。
 この日傍聴予定だった2件がなんと2件とも期日がなかった。がっくり~!

 だがっ! おかげでとんでもない事件を見つけ、傍聴することができた。
 昭和の時代、テレビでカラーのCMをやり始めた時代にトップモデルだった女性の事件だ。
 しかし女性はその後、私が言うところの万引き病、窃盗症に罹患し、カネは十二分にあるのに刑務所を出たり入ったり。
 今回、「常習累犯窃盗」の被告人として開廷表に氏名を見つけたのだ!

 その女性の過去の万引き「窃盗」を、メルマガ第853号、第1264号でレポートしてきた。
 当時は、さすが昔のトップモデル! という面影があったのだが、今回はぜんぜん違っていた。うわぁ、なんてこった! という話はメルマガ次号、第2360号か以降の号でレポートさせてもらいたい。

 この日、ほかに興味深いことがあった。
 ちょっと時間が空いたので、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」の新件を傍聴しようと、早々並んで傍聴席を確保したのね。
 だが、現れた被告人はヤクザ系に見えた。こりゃあ、客引きか?
 私はしばし考え、出て、別の法廷へ急いだ。
 じつは迷惑条例違反は、けっこうディープなところがある。客引きとは限らないかも。失敗したか? と後悔しつつ別の法廷へ急いだ。

 別の法廷で、「道路交通道法違反」の新件を傍聴した。ななっ、なんと! あっちを抜けたおかげでこんなのに当たるとは!

Dsc_0748-2  そうしてまた警察庁へ寄り…。
 画像は警察庁が入る合同庁舎2号館。そこに秘密の喫煙所があることを発見! 私は禁煙中なのだが、秘密の場所へは行かねばならないじゃないか、ねぇ。喫煙者のふりをして一服しました~(笑)。

 さぁメルマガ次号を書かねば。じゃねっ。

 ←1月21日21時30分現在、週間INが90で3~。

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