2008年7月15日 (火)

“狂犬”裁判官がまた爆発

 ようやく、とりあえずいま目の前にある締切り原稿が終わった、ので今日の傍聴メモを。

clip 9時50分から東京地裁・刑事8部(川本清厳裁判官)716号法廷で、「脅迫」の判決。
 ピンクの半袖ワイシャツに、オレンジ系のネクタイに、白系の綿パン(チノパンっていうの?)で、上半身の横幅がえらく広い被告人だった。
 交際していた女性から別れ話を持ちかけられ、その理由を知りたいとの思いから、「俺はあんたを許さない」「今日からあんたとあんたの周りの破滅を祈るよ」「してもらったこと、いつか利息をつけて返すからよ」等々の、暗に本人・周囲に危害を及ぼすことを告げる電子メールを送信して閲読・領置させ…というふうな事件らしかった。ドアを叩くなどのストーカー的な行為にも及んでいたらしい。
 判決は、懲役1年、執行猶予3年。9時54分閉廷。

thunder 次は7階の720号法廷で10時10分からだ。その前に、今週の東京簡裁の開廷予定をチェックに。今週はまだチェックしておらず、もしも午前中に何かあったら大変だよと。
 おお~! 今週は「道路交通法違反」の新件が3件もあり、1件は今日11時15分からではないか!
 数分でチェックを終え、2階から7階へ行くため、エレベータへ。
 東京・霞が関のこの裁判所合同庁舎のエレベータは、北側と南側にそれぞれ、
   地階~8階のが数基、
   地階・1階←(途中通過)→8階以上のが数基、
 互いに向かい合ってあるところ(720号法廷は南側)、南側の「地階~8階」へのエレベータは、1基(新しくなった)を残して、ずいぶん前から工事中で、残った(つまり新しい)1基は、きれいなのだけど、ムカつくほど動きが遅いのだ。4~8階の法廷へ行く人がどっと乗るから混む、という事情もあるが、そもそも「閉」ボタンを押してもすぐにはドアが閉まらないとか、あらゆる部分が、昔のエレベータに比べて遅く遅く出来上がっているのだ。ちなみに日立製。
 だから私は、通りかかったらたまたまドアが開いた(または、もうすぐドアが開くことが明らかな)ときしか、利用しない。たとえば1階から南側の5階の法廷へ行くに当たり、北側のエレベータを利用しないときは、南側の「地階・1階←(途中通過)→8階以上」のエレベータで8階へ行き、非常階段で5階へ下りるとか、そんなふうにしてる。
 でも、今日は10時10分まで十分に時間があるから、少々待つのもたまには良かろうと、待ったわけ。
 私が2階南側のそのエレベータの前へ立ったとき、階数表示のランプは4階あたりに点灯してたかな。それから1階ずつ、各階につきたっぷりの時間をかけて止まりつつ8階へ行き、同様に1階ずつ止まって地下1階へ行き、2階へ上がってくる…。うわぁ、こぉれは、時間に余裕があるときでないと、利用できねーよ!

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clip 10時10分から、東京高裁・刑事2部(安廣文夫裁判長)720号法廷で、「道路交通法違反」の控訴審第1回。原審は八王子支部のやつだ。
 法廷に入ると、もう審理が始まっていた。あれ? 時計を見ると10時11分! うわ、あのエレベータを9分ほど待ったことになるのか?
 南側の各フロアのエレベータの前で、土産物とか軽食とか売ったら、絶対大金持ちになれる予感。ビジネスチャンスは、どこにでも転がってるのだなぁ(笑)。

 審理は、途中からなんで(たぶん10時10分より少し早く始まってたんだろう)よくわからなかったが、どうも、測定機(日本無線の光電式JMA-181)を設置した警察官を、控訴審で証人尋問することになるような…。
 スピード違反で測定値を否認しての争いなんて、そんなもの高裁にとっちゃ、1回結審、2週間後に控訴棄却判決で十分、のはずなのに、ここんとこ続けて3件、証拠調べのため、しかも検察側の証人調べのため続行となってる。うーん…。
 10時22分閉廷。

clip 高裁の今週の予定をチェックしたのち、11時から東京地裁・刑事6部(合田悦三裁判官)724号法廷で、「道路交通法違反」の判決。
 これもビックリ! 被告人は、見た目50代 or more の、背中の丸い、腕の太いオジサン乃至お爺ちゃん。
「主文、被告人を懲役6カ月に処する。こういう結論です」
 つまり実刑である。配送業務に就いていながら、前夜から翌午前4時頃まで、ビールと大量の焼酎を飲酒し、その1時間後に仕事のため中型貨物の運転を開始。昼食時に焼酎2杯440ミリリットルを飲酒、20分後にバイクと衝突する物損事故を起こしたんだそうだ。アルコール中毒(依存症)かと思われる。
 検査値は0.99ミリグラム。しかし、歩行能力、直立能力には格別の異常はなかったそうだ。検査がいい加減だった可能性がある。けど裁判的には、そんなことは認められない。検査値は甚だしく高く、悪質である、とせざるを得ない。
 聴き取れたところによると、前科は同種罰金前科が1犯のみらしい。それで懲役6月の実刑って、従来と比べると、かなり重いよ!
 で、ビックリはその言い渡し中に起こった。
 被告人は証言台の前で、最初からちょっと震えてる風だったのだが、やがて、震えを通り越して揺れ始め、揺れを通り越して、突き上げられるようにガクンガクンと上下し始めた。もう立ってられない。弁護人が横へ来て、合田裁判官が壇上から声をかけ、椅子に座らせた。
 11時08分閉廷。

clip 11時15分から、東京簡裁・刑事2室2係(小川利行裁判官)728号法廷で、「道路交通違反違反」の新件。
 久々のオービス事件だった。首都高速・中央環状線・外回り、足立区2-39付近のオービスⅢによる、超過56キロ(測定値116キロ)。
 ところが、争いは何もないのだった。最初に警察へ出頭したときから、争いはなかったらしい。しかし、略式に応じず、正式なほうの裁判を求め、公判請求されたのだという。なぜ? 私みたいに、公判廷で被告人を経験してみたかったから? いや、そうではないらしい。だったらなぜ?
 どうやら、取調べに当たった警察・検察の対応がぞんざいで、不信感を持ち、おそらくは警察・検察が正式な裁判になるのを嫌がる風が見て取れ、それで、略式でも正式でも結果は変わらないことを確認し、正式を求めて公判廷まで来てしまったと、そういうことらしかった。
 説明不足とか、警察・検察の対応にムカつき、争いなどぜんぜんないのに公判廷へ出てきてしまう、そういうケースがときどきある。警察・検察にムカっ腹を立て、憎悪しつつ略式で終えてるケースは、何倍、何十倍もあるんだろう。
 バカげてる。つか警察、検察が、個々の国民の実体験をとおして憎悪されるって、治安的にも非常に良くないでしょ。スピード違反の被疑者にどう対応すべきか、私が講演しましょうか?
 11時43分、被告人の最終陳述が終わり、
「はい、じゃ、結審して…通常ですと1週間後に判決するんですけど、記録も少ないんで、若干休廷して、言い渡すことにします」
 と小川裁判官。壇上でしばし記録をぺらぺらめくり、判決。求刑どおり罰金8万円、訴訟費用は不負担。妥当な訴訟指揮だと思う。
 11時48分閉廷。

restaurant 最近お気に入りの、厚生労働省(などが入ってる合同庁舎)の地下の食堂へ。あそこは、前と変わったよね? 本日は、冷やし稲庭うどんとミニ丼(牛丼)のセット、480円。うどんには煮た油揚げと刻み海苔とほうれん草のおひたしとカマボコ1切れが乗り、大満足。

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clip 13時ちょうどから、地裁・刑事13部(戸倉三郎裁判官。きれいな白髪)510号法廷で、「傷害、建造物侵入、横領、道路交通法違反」の判決。
 13時ちょうどからって珍しいな、と思ったら、ほんとは13時10分からなのに書記官が間違えて13時00分という開廷表をつくった(つくらせた?)らしい。
 被告人(在宅。保釈中?)は、ひょろっと痩せて細く、妙な感じ。
 公訴事実は、4ヶ月間あまりの間の、①杉並区下高井戸の中央道での80キロ超過と、②長野県内の中央道・西宮線での76キロ超過と、③オリックス・レンタカーを返還せず約1カ月半にわたり勝手に乗り回した件(横領)と、④下北沢のポーカーゲーム店でトラブルになり、店の者に対し催涙スプレーをかけ、殴った件(傷害)と、⑤ポーカーゲーム店へ侵入した件(建造物侵入)と、⑥茨城県内の常磐道での45キロ超過、の計6件。
 ポーカーゲーム店については、現時点に至るも、相手がイカサマを謝罪するのが先だとの主張を維持し、自分のほうからは謝罪してないのだという。
 被告人質問等がどんな具合だったのか知らないが、戸倉裁判官はこんなことを言ってた。
「実力以上の結果を求め、背伸びしては挫折を繰り返し、無軌道な生活に…」
 前科はないそうで、判決は、懲役2年6月、未決20日算入、保護観察付き執行猶予4年、訴訟費用負担。
 13時19分閉廷。

clip 13時30分から、同じ法廷で「道路交通法違反」の新件。
 被告人は50歳の会社役員。2005年に免許取消処分を受け、2007年に無免許で罰金20万円の前科あり、で2008年3月、ベンツを無免許&酒気帯び運転。以前だと、今度も罰金ですんでおかしくない。もしかして、2007年の酒気帯び厳罰化以降、わりと簡単に公判請求するようになったのか。いや、本件は酒気帯びと合体なので、なんとも言えないが…。
 14時21分、被告人質問の途中で出て…。

clip 14時30分から、地裁の別々の法廷で「名誉毀損」と「危険運転致傷」の各新件があり、どっちを傍聴しようか悩んだのだが、自分が何者かをよく考え、後者へ。
 地裁・刑事5部(山口雅髙裁判官)531号法廷で「危険運転致傷」の新件。
 2008年5月、12時45分頃、足立区の谷中で、中型貨物を運転して信号交差点を直進する際、80メートル手前で赤信号を認めたが、帰宅を急ぐあまり、停止せず60キロメートル毎時の速度で進行、交差点出口横断歩道を左から右へ横断中の被害者(35歳)を見つけて制動措置を講じたが間に合わず、自車前部を衝突させ、全治約3カ月の骨盤骨折等を負わせたのだという。
 被告人は“全赤”の間に通過できると思った、と言うのだが、時速60キロで距離80メートル…無理があるのでは? 警察がつくり上げた調書や報告書、どこまで信じられるのか、という気がした。でも、日本の裁判は、警察がつくって検察が法廷へ出してきたものは絶対に正しい、との前提で進行する。
 弁護人による被告人質問が、だらだらしてた。山口裁判官が、不機嫌さをむき出しに、口を挟んだ。
「もうよろしいんじゃないですか? 次の質問にしてください」
 弁護人は、次の質問へ行く前に、さっきの質問の答を被告人に言わせようとしたのか、同じ質問をしかけた。
 すると、さすが傍聴人の間で“狂犬”の異名をとる山口裁判官、もっのすごい剣幕で食いついた。
「いや次の質問を!!」
 文字にすれば大したことないが、ま~、ものすっごかったよ!!
 そのあと、被告人に対しても、さらに激しく食いついてた。爆発的激情…のあとはいつも、人が変わったように穏やかになるんだよね。この人は、どこかで一歩道を誤ったら被告人席に座るはずだった人物かも…とドキドキしながら思ったよん。
 被害者の症状がどうとかで、続行…。

pen 青信号で横断歩道を渡っていた被害者には、法的には何の落ち度もないわけだが、本件で突っ込んできたような車は、ある確率で必ずいるのだ。それを意識しない人は(つまり、たぶん、ほとんどすべての歩行者は)、法的には何の落ち度もなくても、ある確率で必ず、突然に死傷させられることになる…。ま、これはねぇ、いつも警戒注意してても、そのときだけ注意を怠ってしまうこともあるし、小さな子どもがどこまでそんな警戒注意をできるのかという問題もあるわけだが、少なくとも、「法的には何の落ち度もないのだから警戒注意など不要」と言う人がいるとすれば、その人は凄い…。

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2008年7月10日 (木)

道路交通法違反で勾留理由開示!

 10時から「公務執行妨害」の新件があったがパスして、原稿を1本送信し、11時から「道路交通法違反」の新件があったがパスして、交通違反のご相談1件に返信し…。

clip 11時30分から、東京高裁・刑事10部(須田贒裁判長)805号法廷で、「道路交通法違反」の控訴審第1回。これ、一審は東京地裁・八王子支部の、三菱のレーダ式(RS-720DR)による50キロ超過の否認事件だ。
 定刻ちょうどに須田裁判長らが登壇したが、被告人が現れない。直前に弁護人が携帯電話で確認した時点において、まだ電車内で調布駅付近なんだという。
 控訴審は被告人の出頭は不要なので、そのまま開廷。
 弁護人は、いくつか取調べ請求し、そのなかに被告人質問があった。けど被告人不出頭では被告人質問はできない。しょーがないよね。
 被告人質問の請求は取り下げ、ほかの取調べ請求はみな却下され、1回で終わる…のかと思ったら! 検察官が停止係の巡査部長を証人尋問したいと請求し、続行となった。あらま。
 「当時の取締りは間違いなく適正・妥当でした」と証言させなければ格好がつかない事情が生じたらしい。つい先日も、控訴審で検察官請求によりメーカー社員を尋問することになったし…ふぅん。
 弁護人による「検証」について、須田裁判長がこんなこと言ってた。
「この種の検証は、しなくても、経験上、職務上、知り得ている知識なんで、その種の本にはいろいろ書かれてますんでね(可愛くニヤリっ)」
 弁護人がどんな「検証」を請求したのか知らないが、ふぅん、そうなんだ~。
 11時42分閉廷。

clip この日は同じ11時30分から、そばの804号法廷(東京地裁・刑事14部)で、「道路交通法違反」の勾留理由開示(事件番号の記録符号は「む」)があり、すぐにそっちへ。
 勾留理由開示はときどきあるが、「道路交通法違反」でのは、かなり珍しい、つか初めて遭遇する。けどやっぱ速度違反の否認が最優先だろう、と805号法廷のほうを傍聴しつつ、そわそわしてたのだ(笑)。
 804号法廷に入ると、官らしき40代前後の男たちが傍聴席に多数いて、証言台のところで被告人が大きな声で何やらまくしたててた。
 内容はさっぱりわからなかったが、なんつーか非常にややこしそうな被告人だな、という印象を受けた。刑務官が4人もいたし。
 裁判官は14部(じつは担当裁判官一覧のページに記載のない、幻の部)の「國井」という女性。勾留理由開示の公判における被告人の陳述は10分間だけ許されているらしく、それ以上言いたいことがあるなら書面で出すように、とのこと。
 この被告人の氏名に、どうも見覚えあるな…と思ったら、アタリだった。私の期日メモによると、7月8日(火)の11時~12時、401号法廷に審理が入ってた。審理ってことは否認かな? という思いはここんとこ毎回空振りで、その日は同時刻からの「道路交通法違反等」の、「等」に惹かれて724号法廷のほうを傍聴してたのだ。しまった! ま、しょーがないけどね。
 いったいどういう事件なのか、次は逃がさず傍聴しよう。

restaurant 今日も、厚生労働省(が入ってる合同庁舎5号館)の地下の食堂へ。
 中華定食Aのつもりが誤って洋定食Aの食券を買ってしまったようで、ポークジンジャーの定食を。マカロニサラダとキャベツ千切り、の小鉢(いろいろ選べる)と、味噌汁付きで、白米か麦飯(?)か選べて、480円。
 おお~! 懐かしの第5食堂には敵(かな)わないものの、久々の満足。次は中華定食Aに挑戦するか。オムライス400円も捨てがたい。これからここへ通うことになりそうだ!

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clip 13時15分から東京地裁810号法廷で、7月3日に第1回を傍聴した「道路交通法違反」(無免許)の判決。
 1998年に無免許と無免許・速度で罰金前科が計2犯、2003年に盗んだナンバーをつけた車を無免許・無車検・無保険で運転して懲役1年6月、執行猶予4年、罰金20万円の刑を受け、その猶予中に著作権法違反で実刑を食らい、前の猶予も取り消され、服役前科2犯(本件無免許と累犯の関係)で…本件の判決は懲役4月(実刑)。
 直ちに検察庁の職員2人がバーのなかへ入り、保釈取消の手続きを。
 被告人は被告人席から、前回も来ていた女性(前妻?)になにか言った。よく聴き取れなかったが、「すぐ出れる」だったような。
 そういえば以前、暴力団員が無免許か酒気帯びで懲役3月くらいを言い渡され、傍聴席の男たちと、「しょんべん刑だよ」というふうにニヤリ笑ってたっけ…。

clip 13時30分から地裁・刑事19部(角田正紀裁判官。角の字は下の部分が用、紀の字は右部分が巳)719号法廷で、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」の新件。
 傍聴しようか迷いつつ法廷の前へ行くと、やけに人が多い。前の覚せい剤か何かの判決が通訳付きで、えらく時間がかかってる。どんどん人が集まってくる。検察庁の職員もいる。なんだろう。気になって傍聴することに。
 13時37分から始まり、ごく普通の電車内の痴漢らしかった。被告人は、一般犯罪の傾向のない会社員(正確には会社役員)で、同種罰金前科3犯あり(つまり常習)で、妻が情状証人。
 前にも言ったけど、最近は傍聴人がやたら多く、それら傍聴人は色情系へ押し寄せるから、痴漢を続けると、満席の男女傍聴人から好奇と蔑(さげす)みの目でジロジロ見られることになるよ。

clip 妻の証人尋問が始まる前に私は出て、簡裁728号法廷、銃砲刀剣類取締法違反」(秋葉原でナイフ4本携行)の第4回公判へ。
 今日は論告・弁論。洋定食Aが効いてきたか、猛烈に眠くなり…。
 求刑を聞きのがしたけど、「被告人は罰金10万円の略式命令に異議を申し立て…」と検察官が言ってたから、求刑は罰金10万円なんだろう。
 13時20分頃閉廷。幹廊下へ出ると、さっきの痴漢事件の被告人と妻と弁護人が出てきて、同じエレベータに私も乗り…。
 15時から地裁404号法廷で、女性被告人の「死体遺棄」(乳児の遺体をコインロッカーに遺棄)の判決があり、それは第1回公判が7日7日(月)で、もう判決って、どんな事件だったの? なのだけれども、そこまで手を広げてられない、眠くて眠くて、と帰る。

book 帰りの電車で『脳内汚染』を、少し読んでは眠り、少し読んでは眠り。傍聴を重ねてると、「被告人のこういう行為をどう考えればいいんだろう」と悩むことがあるんだが、この本はもしかしたら参考になるかと、京王線つつじが丘の駅前の、半地下の書店「書源」で買ったのだ。ここの「書源」は、拙著『裁判中毒』を良い場所に置いてくれてるよ~。

脳内汚染 (文春文庫 お 46-1) Book 脳内汚染 (文春文庫 お 46-1)

著者:岡田 尊司
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2008年7月 3日 (木)

弁護人のナイスボケに全員ずっこけ

080425_15000001clip  ぎりぎりなんとか原稿を1本送信し、11時から東京高裁・民事2部(寺田逸郎・辻次郎・齋木敏文裁判官)822号法廷で、第2次Nシステム訴訟(「損害賠償控訴事件」)の第2回弁論。
 あれ? 寺田逸郎裁判官って、初めてのお名前…? だいたい、なんで民事2部なの? 国賠とか行政事件は3部か38部じゃないの? と思ったら私は第1回の期日に出廷しておらず(だからお初)、そしてこれは地裁ではなく高裁なのだった。あ~、もう眠くて疲れて頭が…。
 双方の準備書面提出を確認して、結審。9月25日判決となった。
 N訴訟について詳しいことは、6月20日発売の『ドライバー』を参照。7月5日に次の号が発売されるが、まだ書店等にあるかも。

clip 同じ階の810号法廷(東京地裁・刑事7部、高橋徹裁判官)で11時から始まってる、「道路交通法違反」の審理を、11時30分頃から傍聴。
 地裁の「道路交通法違反」の審理には注目してるのだが(その理由は『裁判中毒』の110ページ参照)、な~かなか否認に当たらない。本件も否認ではなかった。かつて暴力団に所属し、服役前科のある、無免許運転の常習、らしかった。求刑は懲役5月。服役前科が本件と累犯の関係にあるかは不明。

pig 早めに地下で、かけそば210円+大盛り80円+かき揚げ100円。
 ここは、開店当初(って今年4月だっけ? もう忘れたよぅ)、汁(つゆ)が、ちょっと味のついたぬるい湯、みたいだった。そのとき、かけそばは200円だった。で、10円値上げした頃からだと思うのだが、汁の味が濃くなった。そばを食べ終えてから、テーブル上の薬缶(やかん)に入ったそば湯で割って飲むとちょうど良いくらいの味になった。

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phoneto 次は13時30分から地裁・刑事7部(大村陽一裁判官。この人、『ドライバー』の現編集長によく似てる)401号法廷で、「道路交通法違反」の審理。これは東京簡裁から移送になった、略式経由の否認事件だ。
 少し居眠りしておこうと、近くの一般待合室へ行くと、K君がいた。え? 何やってんの? と思ったら、K君も401号の審理を傍聴に来たのだった。K君と話すうち、そういえばあれを開示請求せねば、これもせねばと思いつき、警視庁へ何度か電話。裁判所にいた別の人から電話もあり、結局、居眠りできず…。

clip で、401号法廷。
 13時30分の時点で、証人(日本無線のヨシナガアキオさん)とK君と私を含めて、傍聴席(20席)に傍聴人10人。検察官、裁判官、書記官、被告人がそろい、みんなちらちら壁の時計を見上げた。弁護人が来ないのだ。少し遅れると連絡があったとか、そんな話も出ない。
 ありゃ~、あの大男の弁護人、期日を間違えたとかで、すっぽかすのかな? そのほうが助かるな~。←こういうとき、いつも私はそう思うのだ。ダメだよねぇ(笑)。

 13時36分、弁護人がズボンのファスナーをピッと上げながらやってきた。
弁護人 「すみません、お腹がゆるくて」
 グレーのTシャツ(見事な太鼓腹)、草色の半ズボン(腿の外側にポケット付き)、サンダル履きだった。ありゃりゃ~。って、猛暑の時期は半ズボンに下駄履きで来ることもある今井が言うか。いや、私の場合、国産伝統工芸の、お洒落な鼻緒の良い下駄だし、Tシャツの上に、フィリピンならそれなりに正装とされるはずの、襟付きの半袖オーバーシャツ(1万円くらい)を着るし。ってそんなとこで張り合うなっつーの(crying)。

 すぐにヨシナガさん(黒系のスーツにネクタイ)の証人尋問が始まった。
 本件は光電式(JEM-340)のネズミ捕りによる、超過30キロの事件。超過29キロなら反則行為であり、反則通告を経ない公訴は違法となる。なので、直の測定値に0.975を乗じて、小数点以下を切り捨てており、スタート光路とストップ光路の3mが、7.5cm以上短くなければ、表示測定値が真の速度よりプラスになることはない、という証言を引き出し、検察官からの主尋問は23分間で終了。
 続いて弁護人から反対尋問。ところが、
弁護人 「尋問の前に、事務所で関数電卓、叩かせる必要があるんで…」
 と言い出した。なるほど、今の証言をもとに、超過30キロをわずかでも割る可能性を計算しようということか。裁判官は14時15分までの休廷を宣した。

clip このスキに私は、高裁・刑事6部(永井敏雄裁判長)410号法廷へ。6月17日に偶然傍聴した、日本無線のレーダ測定機の「道路交通法違反の判決が14時からあるのだ。
 14時5分頃に入ると、40数席の傍聴席に傍聴人が1人しか居ないなかで、判決が言い渡されていた。被告人車両は二輪車、制限40キロの規制(指定最高速度)に気づかず、測定値は71キロ、法定最高速度60キロを11キロオーバーしたと考えるべきだと、そういうふうな争点らしかった。
 永井裁判長は、道路標示(指定最高速度を示す路面のペイント)が駐車車両の下になっていたとしても、そのことは道路標示の適法・有効性を左右せず、かつ、道路標示の全部が駐車車両の下になっていたとは思えず、指定最高速度違反の未必の認識はあったはずだ、というふうな理由で、31キロ超過として処罰することは妥当である、とした。原判決は罰金6万円だそうだ。
 控訴棄却。当審における訴訟費用負担。14時15分閉廷。
 指定最高速度違反と法定最高速度違反との関係、制限速度違反の故意と過失については、『交通事犯と刑事責任』(岡野光男著・成文堂)を参照。

交通事犯と刑事責任 交通事犯と刑事責任

著者:岡野 光雄
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clip 14時16分頃、401号法廷へ戻ると、反対尋問が始まっていた。弁護人は、事務所に関数電卓を叩かせた結果をもとに、かな、ものすごく細かいことを突っ込んでいた。証人は、どうも理解できないふうだった。私も理解できない。そもそも私は生徒時代、「関数」という熟語が登場するたいぶ前に、数学はオチコボレてるんで(笑)。
 ところが、14時24分頃…。
弁護人 「そうすると、先ほど15cm以上ないと…」
証人   「そうは言ってない。7.5cmと…」
弁護人 「あっ、そうでしたか、すんません、じゃ、撤回します」
 前提となる距離を間違えて、難しい尋問をしていたのだった。
 もう全員、どどーっとずっこけて、床に寝転がって手足をばたばた…させはしないけど、明らかに全員、内心でずっこけてた。
 しかし弁護人は、そんなことまったく気にせず、しらっとしてた。あれは大したもんだと思った、いや、べつに皮肉じゃなしに。
 ま、私としては、結局、警察、検察、メーカー側が、よっぽど間抜けなミスを犯さない限り、証人尋問で誤測定を立証するのは不可能であり、かつ、“誤差”による誤測定だけ想定してる限りは、裁判では絶対に勝てないだろうと思う。ま、超過速度がぴたり30キロでは、“誤差”を攻めたくなるのはわかるけれども。

 被告人質問で、検察官は、なぜ略式に応じたのかと責めたてた。机上のエリート風に。弁護人のボケを鼻で笑ってる場合じゃないよ、と思いますた。
 あと、証拠の整理をして、15時29分閉廷。次回、論告・弁論。

 この公判は、途中何度も、30~40代くらいの男性が入れ替わり立ち替わり、出たり入ったりしたね~。被告人氏名が、趣深い女性氏名だから傍聴に来て、機械装置のわけ分かんない内容だから出て、だったのかな。

smoking 某氏と喫煙所で楽しいお話をしてから、警視庁と最高検へ行き、また裁判所へ戻り…。
 今日は、だいぶ前に買った小説、『クロカミ』を往復の電車で読み始めた。失礼ながら、今井恭平さん、小説なんて大丈夫? と思っていたが、いやはやびっくり、面白いじゃん。5分の2まで、引き込まれて読んで、先がどうなるんだか、まったく予想できない。電車に乗るのが楽しみ。

クロカミ The Black Slipー国民死刑執行法 Book クロカミ The Black Slipー国民死刑執行法

著者:今井 恭平
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cat 風邪ぎみだったのは、たっぷりの刻みネギとおろし生姜(いずれも国産)を国産大豆の豆腐にのせて食べたのが効いたか、だいぶ良くなったよ~。

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2008年6月17日 (火)

レーダ式速度違反の否認に遭遇!

clip 13時30分から東京簡裁・刑事2室1係(武内晃裁判官)534号法廷で、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反」の審理。
 これは、4月8日に第1回を傍聴した、キャバクラの無許可営業の事件だ。第2回の5月13日は、いろいろごちゃごちゃあって裁判所行きをサボった。手帳を見ると、その後の期日が入ってないので、だから今日が第3回だろうと思う。

 ほんとは同時刻からの、東京高裁の「脅迫、名誉毀損」の判決を傍聴してからこっちへ来ようと思ったのに、コロッと忘れて最初からこっちを傍聴した。
 ちなみにその「脅迫、名誉毀損」は、被告人氏名で検索してもヒットなし。高裁判決を見逃したらもう、闇の底に沈んだようなもの。大失敗である。

 で、風営法の今日の期日は、論告・弁論。
 第1回公判よりも多くのことがわかった。被告人(女性)は2002年に、キャバクラ営業も可能と言われて開店しようとしたら、近所に学校法人の幼稚園があり、しかしすでに開店のために借金しており、後戻りできず開店した。何度か警察から警告を受け、2007年5月には、もうダメだ、ダイニングバーに切り替えようと思い、店の造作も変えた。が、店を任せていた店長はキャバクラ畑の人間だった。しかも、オーナーである被告人に月々50万円払うことになっており、売り上げ減少が直に響く立場にあった。そこで店長は、ずるずるとキャバクラ営業を続け、2009年9月に店は摘発された。店長はすぐに認めて略式で罰金50万円。被告人も、オーナーとしての責任を感じて略式に応じたところ、罰金100万円の略式命令を受けてしまった。100万円なんてないし、そもそもキャバクラ営業をヤメようとした自分がなぜ!? と正式裁判を請求した…とまぁ、縮めればそんな事件のようだった。
 すべての発端は、キャバクラ営業は可能と警察が言った、と少なくともそう被告人が思った、ことにある。警察は、間違ったことを断言調で言い切ることがときどきある、鵜呑みにしちゃいけないと、私は交通違反のご相談者にはよく言ってるんだが。
 求刑は罰金100万円。
 14時1分閉廷。

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restaurant 地下のそば食堂へ。
 昨日気づいたんだが、かき揚げそば大盛りは、注文の仕方(食券の買い方)によって値段が違うんだね!
   かけそば210円 + 大盛り80円 + かき揚げ100円 = 390円
   かき揚げそば370円 + 大盛り80円 = 450円
 前者のかき揚げは、小皿でもらい、自分でそばの上に載っける。
 後者のかき揚げは、最初からそばの上にあり、その上に汁がかかり、かつ、ワカメがつく。かき揚げ自体は同じようだ。
 うーん。特別空腹員食券濫用罪…す、すんません。
 今日は、
   かけそば210円 + 大盛り80円 = 290円
 とした。通風の痛みがまだ完全には退かず、ときどきヤバイ痛みを感じるので。

clip 15時から東京高裁・刑事6部(永井俊雄裁判長)410号法廷で、「道路交通法違反」の審理。被告人氏名に見覚えナシ。
 ま、どうせ無免許か酒気帯びの常習で実刑を食らい、情状証人の都合か、車の売却かでずるずる続行になった…程度だろう。でも、空振り覚悟で傍聴を重ねないとね。
 と法廷に入ると、暗色のスーツの男性が証人カードに記入してた。はは~、会社の上司が情状証人で出るのかな、と思ったら、ぬゎんと! 3月に東京簡裁と東京地裁・八王子支部で尋問を傍聴し、7月3日には東京地裁で尋問予定の、日本無線のヨシナガアキオさんではないか! これは日本無線のレーダ式測定機、JMA-240の否認事件だったのだ。大ヒット! こんなこともあるんだよね~。
 私はたいてい、検察官席に近いのほう傍聴席に座る。ヨシナガさんもそばに座り、私は我慢できずに(笑)尋ねた、一審でも証人出廷したんじゃないですか? と。答えはイエス。一審で尋問した証人を、高裁でも尋問する、しかもスピード違反の事件で。相当レアなことでは?
 審理が始まってわかった。一審は横浜地裁・川崎支部だという。控訴審での証人申請は、検察官のほうからだった。スタートスイッチの押し遅れが、どうも争点になってるらしかった。私は、そんなことで誤測定しないだろうと思うんだけど…。
 次回判決。最初に裁判官が提案した期日は、弁護人が差し支えとのこと。そして決まった期日は、上述の東京地裁での尋問の途中。なんだよ~。しょーがない。途中で抜けてこっちの判決を傍聴し、すぐ戻ることにしよう。
 15時19分閉廷。
 検察側の証人と親しそうにしてる私を見て、被告人はどう思っただろうか。まさかアレが今井亮一とは、夢にも思わないよねぇ。そのへん、語ると楽しいのだが、またにしとこう。

clip 15時30分から、東京地裁・刑事9部(秋葉康弘裁判官)422号法廷で、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反」の新件。
 若い奴がネットでインチキしたのか、と思ったらぜんぜん違った。
 これは、どうレポートしていいのか、うわぁ…。ばりばり週刊誌的な事件と思うが、ネットでちらっと検索した限りでは、どっこも報道してないような。
 私は傍聴中ずっと、堤未香さんのあの本を思い出していた。

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 あの本に出てくる、アメリカ流のえげつない医療ビジネスを。被告人はその、一種の犠牲者なのか…と。検察官もそう思ったのかどうか知らないが、被告人質問はゆるかった。普通、
「その言い訳を聞いてると、ぜんぜん反省してるとは思えないんですよ!」
 とか偉そうに突っ込みまくるとこなのに。
 ま、すごいのを傍聴してしまった…。
 今日は昨日と違って充実してたなと、私は傍聴席を出たのだった。

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2008年6月12日 (木)

簡裁から移送された光電式否認事件を地裁で傍聴

 第1回公判は、2月21日(木)10時から、東京簡裁・刑事1室2係(後藤征弘裁判官)826号法廷で、だった。
 一般道でのネズミ捕り。制限50キロのところ超過30キロぴたり。
 場所は、杉並区下高井戸5-12。首都高4号線上りの高井戸入口、をそれたアソコだ。しばしばネズミ捕りをやってる。
 被告人の主張は、要するに納得いかないというもので、弁護人は、超過30キロ未満の可能性があること、及び緊急避難を主張した。

 第2回公判は4月10日(木)。裁判官が永瀨進さんに替わり、永瀨裁判官は東京地裁へ移送を決めた。こんなの、いつも普通に簡裁でやってるのに、なんで!? と私は訝(いぶか)った。その後、永瀨裁判官は、もう1件、地裁へ移送した。その時点で丸5年は東京簡裁へ通ってた私は思った、否認はじゃんじゃん移送しちゃう裁判官が来たのかな~、と。

 地裁の開廷表も私は全日チェックしてる。そのうち期日が入ったら傍聴しよう。
 …ところが、地裁での第1回公判を、なぜか見逃してしまった。

 そうして今日、6月12日(木)13時30分から、たぶん第2回公判が、地裁・刑事7部(大村陽一裁判官。八重洲出版の『ドライバー』の編集長に15%くらい似てる)401号法廷で、あったわけ。

 被告人は女性。開廷表の氏名も、もろ女性風。でもって401号は、いちばん端っこの、傍聴席20席の狭い法廷。13時20分頃、4階へ上がるエレベータに、多数の女子高生。4階で降りると、エレベータ1台に乗りきれなかったお仲間が、待っていた。やばっ!! 狭い法廷を一瞬で埋められちゃう可能性がある。私は、反対方向にある冷水器へ寄らず、これで血がどろどろになって脳卒中で倒れたら、どうしてくれるんだ、とブツクサ言いつつ(笑)、一目散に401号法廷へ。
 でも、女子高生たちは来なかった。ほっ。先に座れたならいいじゃん、と言うかもしれないが、団体の傍聴人が見向きもしない簡裁に慣れた私には、窮屈なのはカンベンしてよね、なのだ。法廷内の気温も上がって蒸し蒸しするし。

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 どうでもいいことを長々書きすぎてしまったので、あとは簡潔にいこう。coldsweats01
 弁護人は、簡裁のときと同じで、しかし今日は、ダレた白いTシャツにジーンズに、そしてなんとサンダルだった。法廷でサンダルって、身柄の被告人のほかには、2ちゃんねるの「ひろゆき」と、この弁護人しか見たことないよ! ってときどき下駄で来る私が驚くのもナンだが(笑)。

 被告人は、何ともいえない良い水色の(たぶん高いんだろう)、あれはカーディガンというんだろうか…当時の車両も水色だったそうだ。
 開廷前に、弁護人が被告人に、当時の状況について少し尋ねてた。私としては、当時の状況及び被告人本人の思いについては、たっぷり時間をかけて徹底的に尋ねておくことが基本中の基本、と考えているのだが、しかしそれは、多くの否認事件を傍聴してきて生じた考えであり、というのは、つまり、それをやってない弁護人がほとんどと思えるからであり、本件の弁護人も、もしかしたらそうだったのか、即断はできない…。

 この期日は、警察官2人、測定現認係と記録係、の尋問だった。その係がどんな役割かは、拙著『改訂新版 なんでこれが交通違反なの!?』を山椒もとえ参照。

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 昔の忍者顔、と私はメモしてる(つまり、ある意味カッコイイのだ。忍者は昔の小学生の憧れだからね)、よく見る検察官が、主尋問。申し訳ないけど、ちょっとだらだら長く感じた。区検の、速度違反事件に慣れた検察官のほうが、手際良い尋問をすることがあるよ。  

Jem340  測定装置は、日本無線のJEM-340、と聞こえた。JEM? そんなのあったっけ。JMAをメモし間違えたのか? マニアの礼田計さんにあとで確認しよう。その写真を、あとでアップできるかも。
※ 2008年6月14日、礼田計さんから画像をいただき、アップ。画像はいずれもストップ側の送受光器。「JEM-340」で間違いないそうだ。

 そして次回、日本無線のヨシナガアキオ証人の尋問と、被告人質問を行うことなった。ヨシナガアキオさん! 3月4日に東京簡裁で、続いて3月13日に東京地裁・八王子支部で、傍聴させてもらいましたがな! こんなに短い間隔で1社の証人にお会いできるのも珍しい。ヨシナガさんは知的だし。私は、うれしくって、もうニコニコ。

Jem340_2  測定値の否認(だけじゃないけど)が、せっかく東京地裁の法廷に出てきたわけだが、弁護人は、こうした事件は普通に争えば必ず、
「弁護人があれこれ言うことは、一般的な可能性にすぎない。その可能性による誤測定が本件で起こったと疑うに足る事情はない…」
 といった論法で退けられることを、わかってるんだろうか。仙台高裁・秋田支部の公訴棄却判決を、読んでるんだろうか。

 15時25分閉廷。途中、若い人たちが、来ては出ていき、来ては出ていき。被告人氏名が女性だから来て、何をやってるんだかわからず、出ていったんだろう。速度違反事件は、基礎知識がないと、傍聴しても(とくに途中から傍聴しても)わからないよね~。証人尋問の期日は、被告人が発言する機会は(通常は)ないし。
 だから! 『改訂新版 なんでこれが交通違反なの!?』を読んどいてね。『裁判中毒』も読んでから傍聴すると、とても良いレポートを書けて、満点もらえるよ(笑)。

 さぁ、明日13日(金)は18時から、日比谷公会堂で、裁判員制度をヤメさせる大集会だ。開会の挨拶を、どういうわけだか! 私がやることになってる、もう逃げられない、どうする!? それまでに、読み切りの漫画原作を1本書けと、催促の電話が入ってるし…。

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2008年4月12日 (土)

スピード違反の否認事件、地裁へ移送!

4月10日(木)13時30分~ ネズミ捕り超過30キロ

 2月21日に第1回を傍聴した、杉並区下高井戸の、首都高4号線上り入り口の脇の一般道、におけるネズミ捕りによる30キロ超過の、第2回公判。

 第1回は、後藤征弘裁判官、町井裕明検察官でスタートしたのだが、今回は新しい永瀨進裁判官と宮本幸司(?)検察官。

 13時30分頃、巨体の弁護人が最後に、フーフー荒い息でやってきた。
「一方的に1時10分と言われても、こっちも都合があるんで」
 と、巨体から大きな声を発した。
 ん? 13時10分と聞こえたけど? 私の聞き違いでなければ、開廷の前に打ち合わせするんで早めに来てくれ、と裁判所から言われたんだろう。

 弁護人が、リュックを下ろして、ごわごわうるさい上着(バイク用?)を脱ぐと、裁判官が言った。
「私、新しくこちらの裁判所へ来ました、永瀨と申します」
 そして、双方の主張が従前どおりである(つまり双方真っ向争う)ことを確認してから、裁判官、検察官、弁護人が「話」をするため奥のドアから消えた。
 すぐに戻ってきて、裁判官が被告人に言った。
「この際、東京地方裁判所で、あなたの言い分、きちっとやってもらったほうがいいと思いますので…。期日は追って連絡しますから、よろしいですか」

刑事訴訟法第332条  簡易裁判所は、地方裁判所において審判するのを相当と認めるときは、決定で管轄地方裁判所にこれを移送しなければならない。

 ええ~っ!? 速度違反で東京簡裁から東京地裁へ移送は、初めてでは!?
 と思ったら違った。データ(私が何年もせっせとエクセルに入力したデータ)を見ると、2005年の7月に、小島裕史裁判官(横浜簡裁で三菱自動車の事件で無罪を書いた人)が、オービス56キロ超過を地裁へ移送している。小島裁判官は、オービスの否認事件をいくつも扱ってたのに、なんでその事件だけ移送したのか、当時、私は不思議に思った…んじゃないかと思う(傍聴ノートは今、確認してない)。
 ほか、業過致死の否認を石井清弘裁判官が、電車内痴漢の否認を櫻井廣美裁判官が、児童買春の否認を松本弘裁判官が、東京地裁へ移送したシーンを見た。

 東京簡裁では、測定値を否認するす速度違反も、緊急避難を主張する速度違反も、よくある。さんざん傍聴してきた。永瀨裁判官は、なぜ移送したの!?
 簡裁は、相場どおりの判決となる、簡単な事件しか扱わず、争いがあるものはどんどん地裁へ移送、という考え方の人なんだろうか。
 いや、1人だけが突然、そんな考え方を貫くとも、考えにくいっちゃ考えにくい。
 もしかして、速度違反について、
   ・罰金刑は簡裁
   ・懲役刑は地裁
 というこれまでの原則(東京・霞が関の原則)を変更し、
   ・自白で罰金刑は簡裁
   ・懲役刑および罰金でも否認は地裁
 という原則に変更したとか?
 そっ、それは困るよぅ!
 2006年の検察統計年報(これが現時点では最新)によれば、道路交通法違反の公判請求の人員は、
   ・東京区検は46人
   ・東京地検は3350人(八王子支部も含む)
     ※区検は簡裁に、地検は地裁に公判請求をする

 東京簡裁の道路交通法違反事件は、毎年数十件だから、全件傍聴できたのだ。23区内の速度違反の否認を、おそらくほぼ全件傍聴することができたのだ。
 地裁でやられた日にゃ、よほどラッキーでないと傍聴できなくなる!

 どうなんだろう。一般の傍聴人は、簡裁には目もくれず、地裁の法廷へ行く傾向がある。地裁でオービスの否認を扱えば、人気の裁判官たちが、メーカーのカタログとセールストークを鵜呑みにして有罪にする様が(←これについてはいろいろ説明したいことがあるけど、とりあえず簡潔に言えばそういういことが)、一般傍聴人の目に触れやすくなってしまう。それはマズイんじゃないか。
 う~ん、どうなんだろ、小島裁判官がぽろっと1件、移送したように、今回の移送も、ぽろっと1件、で終わるのかなぁ…。う~ん、本件が他の事件と違うところといえば、超過速度が30キロぴたりであり、ナマの測定値が29.99999999キロ超過なら端数切り捨てで超過29キロとなり、反則手続きを経てないからと公訴棄却になる、という微妙な部分を抱えている、といえる。いや、でも、それだってねぇ、う~ん、と深刻に悩む私って、へん?

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2008年4月 9日 (水)

この論法で有罪にできる以上は

4月8日(火)10時~ 光電式78キロ超過

 20分近く前に着けるよう出かけたのに、なんでか知らないけど電車が遅れて遅れて、霞が関の駅のホームでドアが開いたのがちょうど10時。東京簡裁・刑事1室2係の826号法廷へ入ったとき、10時5分を過ぎていた。

 1月24日第1回 否認 同意書証の要旨告知
 2月28日第2回 被告人が仕事のほうを選択
 3月4日第3回 警察官と日本無線社員を証人尋問、被告人質問
 3月18日第4回 論告・弁論

 という経過を辿った光電式78キロ超過の判決。
 826号法廷の、傍聴席の椅子は、新型になっていた。全法廷、替えたんだろうね。

 廊下の開廷表では、永瀬進裁判官と宮本幸司検察官のコンビになってたが、本件言い渡しは、後藤征弘裁判官と町田裕明検察官。

 傍聴席に着くと、壇上で後藤裁判官が、判決の理由を述べていた。
「…というところで点検されて、点検の結果、異常がなかったと、そういう事実が確認されてますんで、裁判所としましてはね、誤測定・誤作動があったとは到底考えにくい、そういう結果になったということです。…本件公訴事実の認定を妨げるものは見当たらないと、そういう結論に達したということです」
 などと、非常にていねいに、素人でもよぉ~くわかるように述べていた。
 ま、要するに、メーカーが大丈夫と言ってるから大丈夫なんだ、という論法である。
 しかし私には、
「あなたは本当に測定値の速度を出していないのかもしれないけれども、この論法で有罪にできる以上、そしてこの論法で有罪にしてしまうこと自体がダメと、がっちり争ってくれない限り、裁判所としてはこの論法で有罪にせんといかんのです。許してね」
 と、聞こうと思えば聞こえるように思えた。
 10時13分閉廷。
 終わって被告人に尋ねたところ、主文は罰金10万円、訴訟費用のうち証人分のみ負担、だったそうだ。
 警視庁の警察官は、旅費日当を請求しないようになってるはずなので、証人の旅費日当が発生してるということは、日本無線の社員が請求したんだろう。

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 同じ10時から、地裁531号法廷で、何度も見逃していた「虚偽告訴」の審理があり、急ぎ行ってみる。
 が、ちょうど、書記官が内側からドアをロックしているところだった。もう終わったのだ。開廷表では10時30分までとなっていた。論告・弁論の予定だったんだろうね。
 そうすると、あとはもう判決しか傍聴できないことになる…。

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2008年3月30日 (日)

それらを所与のものとしたうえで正確だとメーカーが言ってるから

 ちょっとどうにも時間がとれなくて、遅れてしまった…。

3月28日(金)9時40分~

 3月13日に日本無線のヨシナガアキオ証人の尋問と被告人質問を傍聴し、3月24日の論告・弁論は霞が関の本庁へ行って傍聴しなかった、光電式43キロ超過の、東京地裁・八王子支部(小原春夫裁判官)で判決。

 9時40分に霞が関の裁判所へ行く電車は、通勤ラッシュでたいへんだけど、八王子支部は逆方向。最初から座れて、八王子へ近づくにつれ、がらがらになる。いいな~。

 論告・弁論の4日後に判決、というこの期日は、遅くとも3月13日には決まっており、小原裁判官は遅くとも証拠調べが終わった時点で(おそらくは最初から、年度内に)有罪と決めていたんだろうと想像される。

 あとで被告人に尋ねたところ、第1回期日は今年2月中旬で、第2回は測定現認係と現場責任者(いずれも警察官)の証人尋問。今日は第5回になるんだという。私が記憶する限り、最高のスピード裁判じゃないかな。スピード違反だけにスピード裁判…すんません。

 判決は、罰金7万円、訴訟費用負担。
 罰金額は、拙著『交通違反でつかまっても困らない本 (ワニ文庫 P- 147)』に表で示したとおり、自動二輪の相場だ。

 被告人は測定値について争っていたのだが、有罪の理由は、測定機のメーカーの言い分によれば「適正に作動していたことが認められる」というもの。ま、ごくごく普通の判決だ。
 知らない人は信じられないかもしれないが、ある商品の作動が問題になったとき、その商品のメーカーの言い分だけを聞いて、「この商品の作動に問題はない」とするのが、日本の裁判所なのだ。
 それだけで有罪にしてもらうことを、検察は「確率された採証法則」だと豪語している。

 光電式のビームの閾値(しきいち)のことと、光路をタイヤではなく枯葉などの異物が遮った場合のこと、について被告人側の指摘に対しては、
「それらを所与のものとしたうえで適正に測定できるようになっている(とメーカー側は言っている)」
 という言い方でズバリ斬り捨てたのが、ちょっと印象的だった。この便利な斬り捨て方は、今後、他の裁判官へも広がるんじゃないか。
 あと、被告人を「あなた」と何度も表現し、法廷中央の、証言台とも発言台とも呼ばれるあの…なんていえばいいんだろう、あの家具? あれを単に「台」と呼んでたのが、珍しかった。
 言い渡しは、すっごく朗読調だった。私がこれまで傍聴してきたなかで、朗読調ナンバーワンかも。

 傍聴人は、私を含めて3人。
 1人は、電車に途中から乗ってきた男性だった。
 先日いっしょにプールへ行った小学生とよく似てて、彼のパパ? いや彼のパパは知ってるけど、この男性とはぜんぜん違うよ、それにしても似てるな~、と強く印象に残ってたのだ。
 わざわざ電車に乗って、9時40分から裁判所へ来て、こう言っちゃ申し訳ないけどたかが道路交通法違反事件を傍聴するなんて、どういうこと? そうとうマニアックな傍聴マニア?

 ついでに言えば、地裁の刑事の事務室にいた人、どぉ~も、どこかでお会いしてるような。東京簡裁か東京地裁で、かな?

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 被告人としばし話し、せっかく八王子へ来たんだから他の事件も傍聴しようかと思ったが、やはりこの時期、開廷がものすごく少なくて…。
 「業務上過失致死傷」があったので傍聴しようとしたら、ぎっしり満席だった。なんだったんだろう…。

 八王子支部は、地裁と簡裁の翌週の開廷表を、それぞれファイルに綴じて、当日の開廷表とはべつに、1階ロビーの机に置いてあるんだね。すばらしい。

 食堂は、どなたかから「ない」と聞いてたが、ほんとになかった。
 1階ロビーの一角に、ちらっと衝立(ついたて)で仕切られた場所があり、売店でパンとか弁当とか買ってそこで食べるんだそうだ。そっ、そんな~(笑)。
 でも、それもこれも、あと1年。八王子のこの庁舎は閉店し(とは言わないか)、立川のあっちのほうの立派な新庁舎へ移るのだ。

 その夕方、某氏より重大情報!
 農林水産庁地下の第5食堂は、とうとう31日(月)で閉店するそうだ!
 もしかしたら、昼間の営業で終わるかもしれないという。
 31日は傍聴の予定がないけど、これは行かねばならないか。行って、「長い間、感動を与えてくれてありがとう。サイコーでした」と、あのオジサンに礼を述べねば、人間失格か!?

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2008年3月19日 (水)

有罪の蟻地獄

3月18日(火)

 3月4日に第3回公判を傍聴した、日本無線の光電式ネズミ捕り78キロ超過の、東京簡裁826号法廷で第4回公判。

 早めに入ったら、窃盗の判決が言い渡されるところ。
 被告人(身柄。警察留置場。警察官は男女とも巡査部長)は、背の丸い、小柄なお婆ちゃん風のオバサン。
 スーパーなどで置き引き3件。
 懲役2年、執行猶予3年。
 勾留場所が警察留置場だから、官品のサンダル(健康サンダル?)を履いたまま、ここで釈放されることになる。
 傍聴席にいた夫らしきオジサンが、紙袋から靴を出して被告人に履き換えさせた。おお~、そういうのを初めて見た! 美しき老夫婦愛?

 光電式の論告・弁論は、弁護人が1分遅れ、なぜか後藤征弘裁判官が壇上で何か書類をめくってて始めず、13時34分に開廷。
 今日は論告・弁論。
「測定結果の正確性は関係証拠から明らかである。製造元従業員の証言によれば…」
 と検察官が述べ始めた辺りから、あ~、またそれか~となり、ほとんど寝てしまったよぅ。ラーメン大盛り食ったあととはいえ、最近どうも、やたら眠いのだ。こういうのを美しい日本語で「春眠(しゅんみん)暁(あかつき)を覚えず」と言うのか言わないのか…。
 求刑を聞き逃したけど、ま、78キロ超過の簡裁事件だから、罰金10万円以外にあり得ないはず。

 13時40分、最終弁論が始まったが、傍聴ノートに書き留めたのは1行だけ。しかも文字がニョロってる。まだ覚醒してないんだな~。

 最終陳述。書いてきたものを被告人が読んだ。
「私は138キロという速度を出しておりません」
 と、きっぱり言い切ってた。
 書記官の指示で、被告人がその書面に署名・押印して「陳述書」とタイトルをつけ、13時50分閉廷。

 被告人のきっぱりした陳述を聞き、半覚醒の頭にハッキリ見えた気がした。
 測定値の速度を出したのかどうか、被告人つか一般の人にとっては、そこが最重要なんだろうが、しかし裁判所にとっては重要ではないのだ。
 重要なのは、双方の主張・立証(紙に書かれたもの、起こされたもの、のうち特に検察官が出したもの)を並べて、紙だけを見る人にとってそれなりにまぁまぁスジのとおった有罪判決を書くことに、特段の不都合(いわば紙的な不都合)があるかどうか、なのだ。
 だから、被告人と裁判所との感覚の相違を、被告人のほうでよく意識して埋めなければならない。
 もちろん、そこを埋めたからといって直ちに「有罪の蟻地獄」から這い上がれるものではないが、確かな足場をひとつ踏むことにはなるだろう、と思う。

 有罪の蟻地獄…。
 いったん放り込まれたら、どうあがいても有罪虫に食われちゃう仕掛け…。
 おぉ、なかなかうまい喩えじゃん?

 なーんてノンキに言ってられるのは、「道路交通法違反」はとりあえず被害者がいなくて刑も軽い犯罪だから。「北陵クリニック事件」をデッチ上げられて無期懲役の牢獄へ落とされた守大助さんやその家族にとっては到底…。
 しかし私は、「道路交通法違反」の場所から、蟻地獄、有罪虫の生態を研究していきたい。そんな者が1人くらい、いてもいいだろう、いるべきじゃないのか、と。

 被告人と裁判所の間には、暗くて深い川がある。誰も渡れぬ川なれど、エンヤコラ今夜も船を出すぅ…という唄もあるじゃないか。
 いくつもの船着き場があるなか、私は「道路交通法違反」の船着き場から、エンヤコラ今夜も船を出すのだ。振ぅり返るな、row、row。

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2008年3月14日 (金)

八王子支部で光電式ネズミ捕り事件

3月13日(木)午後 八王子支部

 新宿から京王線の準特急で京王八王子へ。
 ぐっすり眠ってしまい、目を覚ましたのは、乗り換えの北野駅ですでにドアが閉まったときだった。次のめじろ台で降り、反対方向の電車が早めにきたのは良かったが、めじろ台駅のホームは線路がやけに近くに見えると思ったら、じっさいホームは低くて、電車の入り口は1段高くなってるんだね。気づかず、つまづいて無様(ぶざま)に転びかけ、車内へドタドタドタッと入り込んだ。「このオッサン、大丈夫?」との視線を浴びる。

 腹へったな~。と裁判所へ歩く途中、「伝説のすた丼屋」を発見。店外の食券販売機等を、うむむぅ~と見て、すたみなカレー600円を食ってみることに。
 ご飯少なめと注文したが、農林水産省地下・第5食堂の半食の3倍くらいあった。ランチタイムだとかで、ミニサラダがついた。味噌汁もついた。
 お味は、うぅむ、だったが、これは面白い飯屋と思った。次はミニすた丼450円を食ってみよう。てゆっか、あのニンニク臭い豚焼肉でビールを飲んだら旨そう。

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  八王子支部は久しぶりだ。
 開廷表を見たら、13時20分~14時で「道路交通法違反」が入っていた。205号法廷、松原里美裁判官。
 それを、13時30分すぎから傍聴。
 被告人(在宅)は、飲酒運転で「高額の罰金」を払った前科があり、本件も飲酒運転なのだという。
 同種罰金前科1犯で公判請求?
 2件、近接してるんだろうか。本件の検査値が高かったんだろうか。酒気帯びではなく酒酔いなんだろうか。そのへん、途中からの傍聴なんで、ぜんぜんわからなかった。
 検察官は当然、いつも飲んで運転してるんだろと責めるが、被告人は、捕まった2回しか飲酒運転してないと言い張る。←ほんとかウソか知らないが、そういうシーンはよくある。
 求刑は懲役10月。うわ! 昨年9月19日に改定道路交通法が施行されて飲酒運転が厳罰化される前は、酒気帯びの相場はせいぜい懲役5月。
 その後の飲酒運転を私は傍聴してない。厳罰化以降の懲役の量刑相場を私は知らない。東京地裁の「道路交通法違反」は無免許がやたら多くて、飲酒運転は少ないのだ。「懲役10月」は、酒気帯びなのか酒酔いなのか、次回の判決を傍聴に来ようかどうしようか…。
 私にとっては霞が関より八王子が近いことが今回わかった(いつも八王子支部へは車かバイクで来てたので、電車の速さを知らなかったのだ)。これから八王子支部へ通うことにしようかどうしようか。

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 そして14時から、202号法廷(小原春夫裁判官)で、「道路交通法違反」の審理。
 被告人は、3月4日に東京簡裁の傍聴席にいた彼。
 こっちの弁護人も、スレンダーな若めの女性。
 検察官は、おばさんになりかけ風の(ってごめんよぅ)の女性。
 まずは3月4日と同じ日本無線のヨシナガアキオ証人を尋問。
 装置はJMA-181。香典式もとえ公電もとえ光電式。ネズミ捕り。43キロ超過(測定値83キロ)。測定値を否認。
※ 古いパソコンに記憶させたATOKの機能を新しいパソコンに引き継いでない(やり方わかんない)ので、「光電式」とすぐ変換されないとか、「証人」ではなく「承認」とまず変換されるとか、めんどくさい。文字変換をとおして、私ってよっぽど変な世界に居るんだろうか、という気になってくる(笑)。

 ヨシナガ証人は、証人出廷は「約30回近くございます」と言ってた。
 私はメーカー社員の証言をずいぶん聞いてきた。こう言っちゃ何だが、東京航空計器より三菱電機より、良い。
 証言の内容が明瞭でわかりやすいし、専門用語については速記者が尋問調書をつくりやすいよう、どの漢字を当てるか付言するし。頭が良くて気働きがある、そんな漢字じゃなくて感じ。
 3月4日と違い、こっちの法廷では、光電式は前輪が2本の光路を遮断したときと2本の光路が復帰したときの時間を計ってることを述べてた(拙著『改訂新版 なんでこれが交通違反なの!?―警察では教えない126の基礎知識』のQ017参照)。
 それだと、枯葉とタイヤによる遮断とでは遮断時間が違うから、枯葉による誤測定はあり得ないことになる。
 …が、枯葉は垂直に落下してくるとは限らない。風で路面を這い、タイヤを模擬することになる場合も、あり得ないとは言えないんじゃないか。…でも、そんな可能性だけを突然に持ち出しても、説得力はないよね。

 あと、オービスの場合、被告人車両の速度について、写真に焼き付けられた測定値以外に一切なにも残さず、かつ、測定した速度をちゃんと写真に焼き付けたかのチェックを定期点検でやらないわけだが、日本無線の光電式は、そのへんどうなのか。
 たとえば、2本の光路を遮断した時刻、あるいは1本目と2本目の光路を遮断する時間、復帰の時間を、記録として残してる(測定値と照合できるようになってる)んだろうか。あるいは、現認係、記録係のところに表示された測定値を記録する(プリントアウトされた測定値と照合できる)ようになってるのか、なってないのか。
 それらがなくて、速度記録紙の数字だけを信じろというのは、人に刑罰を科して前科者とするための装置として、如何なものか。
 まぁね、ネズミ捕りの測定機は、警察官による現認・検挙を助ける、補助的なものといえるから、そこまでの念入りは不要だと、言おうとすれば言えないこともないんだろうけど。
 オービスと、ネズミ捕りの測定機とは、根本的に違うんだよね。

 続いて被告人質問。
 被告人は、なんつーかだいぶ変わったタイプ。
検察官「雨は降ってなかったんですね?」
被告人「え~~~、1ミリ以上の雨は降ってなかったです」
 なんて答えてた。
 現場で取られた調書は、署名する部分までに余白があり、それだと改ざんのおそれがあるため棒線で余白を埋めるよう求めたが、前例がないからと応じてもらえず、余白がない調書を改めて取られ、署名したんだという。
 検察官は、そんなことで調書を2回取るとは考えられないようで…。
検察官「訂正を求めてないんじゃないですか?」
被告人「え~、棒線で空白を埋めることを訂正と表現するんですか?」
 なんてやり取りがあったり。
 こういう正確さは気持ち良い。
 裁判って、どうとも解釈できる曖昧な言葉をやり取りするとこ、けっこうあるんだよね。甲が言ってる意味と、乙が受け取って答えた意味と、似てるけど違うんじゃない? とか。それでも裁判が成り立つのは、拙著『裁判中毒』の「あとがき」で書いたことも関係するんだろうか。
 次回、論告・弁論。
 16時21分閉廷。

 外へ出て、ある方とある意味ばったり。そして…。
 何があったか、書かないことにしよう。こんなふうに書かないことは、ほんといっぱいあるのyo。
 書かずに申し訳ないが、いや~、今日は朝から楽しい1日だった。道路交通法違反で1日を埋め、これだけ喜べる私は、幸せだ~。帰りの電車でまたぐっすり眠り、遠くの駅まで行ってしまった(笑)。

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2008年3月 4日 (火)

いっぱっぱー、にぃろく

Photo_2 午前、『裁判中毒』の見本刷りが送られてきた。ちらっと読んだ。いや~、こぉれは面白いよ。各エピソードが簡潔で、読み出したら止まらない。   

 裁判所への電車内で、昔なじみの弁護士さんにばったり。
 少年院から出てすぐの犯行でまた少年院行きとなった少年が、本当は良い子なのだそうだ。ただ、意志が弱く流されやすいのだそうだ。
 社会には必ず、ある割合で、そういう人も含む、なんつーか困った人たちがいるものであり、昔はそれを、地元のヤクザ(日曜のイベントで初めて「役座」と聞いた)、任侠の親分が拾って面倒をみた、それなりに社会に適応させた、のではなかったのか。
 ところが今、ぜんぶひとくくりに「暴力団」と呼び、街の無許可屋台を取り締まったりする(そもそもなかなか許可しない)方向では…とか思ってみたり。

 13時30分から、2月22日に第1回を傍聴した威力業務妨害」の判決。
 第1回と同じ地裁521号法廷に入った瞬間、ギョッとなった。
 5人掛けのクリーム色(または汚れた白)のベンチで20席だった傍聴