12月7日(木)、5分前にのんびり法廷へ行くと、行列ができていた。裁判所の職員も複数人いた。簡裁のたかが侵入盗の判決なのに、なんでっ!?
あとで分かった、「窃盗で裁判所に出廷した元アイドルが誰か画像も判明?判決の裁判日程は?」などとネットで話題になっていたのだった。ひ~。
その判決を第2022号「元声優アイドル、判決が終わり廊下で…!」でレポートした。以下はその一部だ。
んなことよりこの事件で大事なのは、被告人の勾留場所が警察留置場だったことだ。
他の裁判所はまた違うが、東京地裁、東京簡裁で執行猶予判決を言い渡された場合、勾留場所が拘置所か留置場かで決定的に違う点がある。
拘置所=官の車両に乗せられ、拘置所へ戻り、それから釈放される。
留置場=直ちにその場で釈放される。留置場にある私服等を自力で取りに戻る。
本件被告人は、言渡しが終わって傍聴人たちが去ったのち、傍聴席の後ろのドアから廊下へ出た。
あら~、あの上下グレーのジャージと便所サンダルで電車に乗るのかぁ。
後ろ姿を見送ろうと、私も廊下へ出た。
するとっ…。
そういうこともあり、メルマガで私は、被告人の身柄の別に必ず言及している。こんな具合に。
被告人は非身柄…。
被告人は身柄(拘置所)…。
被告人は身柄(警察留置場)…。
それらは私独自の表現なのかもしれない。ここで少し解説しておこう。以下は、東京における基本的なあり方だ。例外的なこともある。
非身柄 いわば自由な身。逮捕、勾留されたが釈放、保釈された場合と、最初っから逮捕、勾留されてない場合とがある。
身柄(拘置所) 勾留中の身であり、勾留場所は拘置所。手錠と腰縄を付けられ、刑務官2人に挟まれ、奥のドアから入廷する。判決が罰金刑でも懲役刑でも、実刑でも執行猶予でも、いったん拘置所へ連れ戻される。
身柄(警察留置場) 勾留中の身であり、勾留場所は警察の留置場。この場合の留置場を代用監獄という。手錠と腰縄を付けられ、警察官2人に挟まれ入廷する。東京地裁、東京簡裁では執行猶予判決の場合、その場で釈放される。被告人は、私物を取りに自力で警察署へ行くことになる。困っている被告人に地下鉄の回数券をあげたことが私はある。
入廷した被告人の勾留場所が拘置所か留置場か、同行の2人の官の階級章や制服で分かる。
警視庁の場合、被告人の腰に太く頑丈なベルトをがっちり巻き、そこに腰縄を取り付ける。何年か前に被疑者が腰縄を外して逃走したことがあったせいだろう。
ベルトではなく“拘束衣”を着せ、そこに腰縄を取り付けることもある。
どっちにしても、被告人からすれば屈辱だという。
以上で解説は終わり。
そんなことも踏まえてしまうメルマガ「裁判傍聴バカ一代 」、12月は以下の4号を発行した。
第2022号 元声優アイドル、判決が終わり廊下で…!
ぎょっ、たかが簡裁の侵入盗なのに傍聴人の行列が! なんとネットで騒ぎになっている事件なのだった。判決の言渡しが終わると、傍聴人たちはどっと去った。執行猶予判決のためその場で自由の身となった元声優アイドルは廊下へ出て…。
第2021号 店員が外で待ち構えていたので万引き無罪
東京オリンピックのロゴを不正使用したピンバッヂをネットで売り無罪主張の事件の判決。 プラス、お金持ち風なおばさんの「窃盗」。よその中国人と間違えて犯人にされた、自分の弁護士は「これは事件じゃないから動けない」と言い、いま法廷にいるのは自分の弁護人じゃない等々と、無限ループのように…。
第2020号 覚せい剤も速度違反も戦争もなし崩しで
「覚醒剤捜査「違法」と認定 裁判官、被告ねぎらう一幕も」と朝日新聞報道。うわぉ、無罪か! いやそうじゃない。捜査は違法と認定しながら判決は有罪、なのに美談感がある。その不思議さについて解説。違法だけどOKというのは、スピード違反の追尾式取締りでとっくに確立されているのだという話。
第2019号 国民に知らせたくない国民の義務とは
本当かどうか現金だけで80億円の資産があるという父親、の殺害を依頼したとされる息子の判決。 プラス、覚せい剤の密売人を捕まえボコボコにした「傷害、逮捕」の判決。被告人は傍聴席の母親をふり返りガッツポーズを。 編集後記は、恋愛感情由来じゃないつきまとい等を処罰する条例について。
いま購読登録すると、以上4号がどどっと送信される。そして月末まであと13号が順次送信される。そこまで無料。無料だからと試し読みをすると、面白くてヤメられない仕掛けになってます。
しかしこのメルマガ、あまり知られてないようだ。
“ネットの人”は基本的にただの情報しか見ない傾向があるのかと。たかが月額108円でも、有料は超高いハードルだ。あと、メディアの人はこのメルマガの存在を同業者に知られたくないらしい。そんな話をぽろり聞いた。うれしいけど困るんだよね~(笑)。
次号は、「強制わいせつ」、原判決破棄、逆転執行猶予にしようかと。原判決後に100万円ほど払って示談を成立させ…か? いやそうじゃないんである! たぶん私にしかできないレポートをしよう。
※ 画像上は、ある夜の家飲みの酒肴だ。キャベツの千切りに米酢をかけ、家人からご下賜いただいた賞味期限切れのスモークサーモン(解凍)を載せ、思いついてブロッコリを配してみた。右側は豚肉と青梗菜を炒め、思いついて卵でとじてみようとしたもの。美しくはないが、どれも旨かった~。
画像下は、姫ゆずをグラスに絞る直前。このサイズが7個くらい100円(税無し)のところ、だいたい3個くらい絞り、焼酎甲類25度を200ccくらいだぼっと入れてちびちび飲む。旨いのですよ。
←12月9日16時00分現在、週間INが120で2位~。
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