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カテゴリー「刑事/詐欺」の63件の記事

2026年6月14日 (日)

出し子の報酬は3%、リクルーターは1.5%、受け子は7.5%

 東京地裁の傍聴席20席の法廷で「窃盗、電子計算機使用詐欺」の、審理の期日を傍聴した。この日は追起訴だった。

1、高齢者宅へ架け子が次々に電話し、介護保険料の還付金がある、医療費の還付金があると騙す
2、騙された高齢者を銀行やコンビニへ誘導し、ATMを操作させる
3、高齢者が指示に従って操作すると、高齢者の口座から詐欺グループの口座へ数十万円が振込入金される
4、その詐取金を、他人名義のキャッシュカードを用いて出し子が引き出す

 本件被告人(体のあちこちにタトゥーあり。身のこなしがヤンキー)はその出し子だ。

 リクルーター(既に逮捕)から誘われ、2つのグループの出し子をやったという。
 どっちのグループも、出し子の報酬は、引き出した金額の3%。リクルーターは、出し子が引き出した金額の1.5%だという。

 追起訴が続々あるそうで、30分かからず閉廷。

 

 別の20席の法廷で「詐欺未遂、詐欺」の、これも審理の期日を傍聴した。やはり追起訴。

1、高齢者宅へ、警察官等々に成りすました架け子が次々に電話し、「犯罪に関与していないか調べる必要がある」などと騙す
2、警察官に成りすました受け子がその高齢者宅を訪問し…

 という手口で、本件被告人(がっちり大柄。怖~い顔で女性検察官を見つめてる)は受け子。77歳の女性から現金100万円とキャッシュカード3枚を受け取り、自分の取り分を抜いた残りを、運搬役に渡したという。

 この事件の報酬は、受け取った現金の7.5%、だから7万5千円か。
 ATMを操作して現金を引き出すだけより、被害者宅へ出かける受け子のほうが、報酬は格段に高いんだね。勉強になります。ま、グループによっても違うんだろうけど。

 本件も追起訴続々、30分かからず閉廷。

 

 どうです、どっちも特殊詐欺としてごくごくありふれた手口、詐話(さわ)だよね。
 そんなしょぼい詐欺に、ころっと引っかかる高齢者が続々と、ほんとにもう続々といる。馬鹿なの?

 

 いや、馬鹿なんじゃない!

 そのこと、https://x.com/zousan202201/status/2064674141463290287/video/1、この動画に出てくる長谷部参考人が言う「無関心」、ずばりそこだと私は思う。

 自分の仕事、恋愛、身近な人間関係、家事育児、家賃等の支払い、暮らし、将来等々のことで、いわば心のメモリーは埋まっており、その他のことは、程度の差はあるものの、無関心。人として普通でしょ。

 特殊詐欺に無関心な人たちには、警察やメディアがどんなに注意を呼びかけても届かない。注意のチラシや何かをちらっとでも見る人は、もともと少しは関心があるのだ。まったく無関心な者は、一瞥(いちべつ)して通り過ぎる、あるいは一瞥さえしない。

 

 こっちの動画(https://x.com/zousan202201/status/2057002717680468033)で奥田ふみよ議員は「平和の最大の敵は無関心である」と言っている。
 詐欺被害の最大の敵も、無関心、間違いない。

 関心の領域を、少しずつ広げる、それが結局、人生を社会を良くするんではないか。メモリーがいっぱいに思えても、くだらないことを捨てるか、圧縮してゴミ箱フォルダへ移せば、だいぶ空きができるのでは。

 なーんてことを傍聴席でしみじみ思ったりするタイプの、私は裁判傍聴マニアなのである。きゃー、ヘンタイ、あはは。

2026年5月 6日 (水)

春節でハッカー休暇、GWで詐欺メール休暇?

 「中国の春節期サイバー攻撃7割減 大型連休、ハッカー休暇?」と5月1日付け共同通信。こんな部分がある。太字は私。

 プルーフポイント社が2~3月、契約している日本の企業や個人に、アマゾンやマイクロソフトPayPay(ペイペイ)などをかたって送り付けられたメールを分析。その結果、1月下旬から2月上旬にかけて、1日平均計約130万通のメールが送られていたが、春節に入ると約35万通に激減していたことが判明。春節が終わった後も平日には攻撃が多く、土日になると減る傾向がみられた。

 

 そうか、結局、生身の人間がやってる部分が大きいのかと、なんかほっとするよね。

 

 とか言ってたら、ぎょぎょっ! PCのメールソフトに日々着信する大量の詐欺メールが、5月の連休(GW)に入って急減、激減! ここ1、2日か、ゼロって! ※少し見落としてたらごめんなさい。

 てぇことは、あの日々大量の詐欺メールは、GWに家族でかお出かけするような、生身の日本人がやっている、とすればこれも、なんかほっとするよね。

 

 いや、お出かけなんぞしない、ひきこもりの詐欺メール師もいるはず。中国からの詐欺メールもあるはず。
 それらもゼロになるって、おかしくない? うーん、どうなってんだろ。

 内情に詳しい人がいて、貴重な情報なので、有料の媒体に書いてたりするのかな。

 

 最近受信した、ちょっとおニューな詐欺メールを、Twitter(旧X)に投稿しときます。当ブログは残り容量がヤバく、画像を載せられないのだ💦

2026年4月 7日 (火)

人気TV番組からの出演依頼詐欺!?

 東京から遠い某都市の、ローカルテレビ局、というのか、そこのある番組(生放送)へ出演依頼の、というか出演の打診のメールがあった。「自転車に反則金」の件で。

 

 私でさえ聞いたことのある、人気番組のはず。交通費、宿泊費が出るという。おお、ご当地へは久しく行ってない。前日朝から行ってご当地の裁判所で傍聴、いいね。

 2025年の自転車取締りについてのデータ(情報公開でゲット)が手元にある。都道府県別の取締り件数の、ご当地はX位です、ご当地で圧倒的に多い取締りは信号無視です…などと話したらウケるよね。

 

 けど、待て待て、詐欺グループはプロフェッショナルだ。次々いろんな詐話(さわ)をつくり出す。詐話創作スタッフを高給優遇してるはず。

 人気番組への出演をエサに「うひょー」と舞い上がらせ、「スタッフのパソコンがウィルスにやられた。会計処理のために、申し訳ないが新幹線グリーン車と高級ホテルの宿泊代を先に仮払いしてほしい」とか何とか、まずは10万円ほど振り込ませ、カモ認定できたらさらに…という新手(あらて)の詐欺かもっ!

 そう思ってメールを何度も読み返した。添付ファイルを開かせようとするのは怪しいが、うむぅ、そこ以外は、どうも、日本語的にも、疑うに足るものは特にない、かな。

 

 いやいや、それ以前に、私のほうには、絶対に遅れちゃならぬ大事な締切り原稿が、じつはあるのだ。そっちを完遂すると、テレビ用の準備が間に合わない、バタバタするとろくなことはない…。

 なので、申し訳ないけれどもと、お断りのメールをした。
 その後、その番組スタッフから返信はなかった。無反応だった。お忙しいのかしら。

 

 番組の放送日から数日が過ぎ、あっ! と思い至った。
 やっぱり詐欺メールだったのか!? 出演をお断りしたあと無反応なのは、詐欺だから? 詐欺は効率が大事。引っかからない者は相手にせず、次のカモを狙うはず。

 有名芸能人を名乗って近づき、舞い上がらせ、金を巻き上げる詐欺もある。テレビ出演の依頼で舞い上がらせる詐欺、十分にあり得る。私が最初の、未遂の被害者か? すっごいネタを拾ったぞ!

 

 まずは、詐欺であることを確認しなければ。

 メールには、担当者名、プロダクション名、電話番号等があった。が、もしも詐欺ならそんなものは信用できない。

 私はTV局へ電話した。詐欺の可能性がある、確認したい、要件を話すと、ずーいぶん待たされた。そのTV局独特の保留音がいい加減うんざりするほどに。
 やっと保留音が終わったと思ったら、担当者は不在だという。さらに長々待たされた。ははあ、やっぱり詐欺メールだったんだね~!

 

 だが…。

 長々待たされた末、番組のディレクター氏だっけ、話すことができた。出演者のアポ取りはプロダクションのアポ取り担当がやっており、だったかな、とにかくそのアポ取り担当氏が、私にそんなメールを送信したらしい。

 一件落着、詐欺メールではなかった。んもぉ、勘弁してよねっ。 ←あんたが勝手に興奮しただけやん(笑)。

2026年4月 1日 (水)

医療費見直し、差額分給付系の詐欺電話がきたよっ!

 諸君、まーた面白い電話、と言っちゃ申し訳ないか、興味深い電話を受けましたぞ!

 21時過ぎ、家電に「非通知」の着信あり。普通はそんなもの無視するんだが、お晩酌がちょと進んだか、つい受話器を取っちゃった。

 

 取ったらすぐ切れる、かと思いきや、意外にも人間(そうだなあ、40歳前後の日本人男性)の声が。

 あっ、詐欺電話か、なのに非通知って大胆。ま、いいや、せっかくなので、どんな手口か知ろうと、話を合わせることに。

 ここ、も少し言っておくと、私は最初っから詐欺電話と見切ってる。まずは詐欺かどうか見極めねば、なんて人は今時ちょと困ったもんだと私は思う。

 

 架け子は「今井さん」と言い、私が住む自治体名を言った。そこまでは知ってるわけだ、ま、いいでしょ。
 そんで、おそらく外国からの電話なのだろう、声がかすれて割れて、聴き取りにくいのなんの。尋ね尋ねてメモったところによれば、おおよそこんな内容だった。

 こちらは夜間対応窓口です。医療費の見直しについて、提出が必要な書類を1月7日付けで送った。提出は3月16日まで。

 えーっ、ぜんぜん知らなかったです。

 厚生労働省…軽減措置…見直し…差額分を戻す…給付金という形で…2万8369円…。

 ほんとですか、ありがとうございます!

 本日中までの手続きだったので、この時間帯の電話になってしまった…。

 うわー、お手数かけて申し訳ないです。

 銀行口座に振り込む…どの銀行に口座があるか…あとで銀行の対応窓口から電話がある…携帯電話の番号は…。

 ははあ、それをまず知りたいわけですか。ほかに何を知りたいんですか?

 なに言ってんですか。

 この電話、ミャンマーからですか? カンボジア? そこでふつっと切れると思った。以前は切れた。が、今回の架け子は頑張った。

 ミャンマー? そんなのありません!

 ないって、ビルマ? 私はつい笑ってしまった、だってもうバレバレですよぅ。そこでふつっと切れた。悪態をつくことなく切れた。

 

 切れてから、私は反省した。小馬鹿にするようなことを言ってしまった。申し訳ない。架け子氏は本当に追い詰められ、切羽詰まっていたのかも。そういえば、何度も聞き直す私に対し、ひたすらてきぱき先を急ぎたいことがその口調から感じられた。

 

 今後、非通知の電話にもなるべく出てみようと思った次第…。

2026年1月22日 (木)

駐車車両のタイヤの上に、現金105万2千円を置き!

 東京地裁で「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反」の新件(第1回公判)を傍聴。

 被告人は身柄(留置場)、40代前半、無職、なーんか偉そうで悪そうな感じが。銀行等の預金通帳とキャッシュカードを匿流詐欺グループに売ったんだろうか。

 いや、違った。初めて聞く手口の犯行だった!

1、 親族が至急に現金を必要としている、というあるあるの詐欺電話を詐欺グループ(の架け子)がかけた。

2、 その親族の上司を名乗る受け子が、埼玉県の和光市だっけ路上で、騙された被害者から現金を受け取った。

3、 被告人は指示を受け、黒色のアルファードを運転して埼玉県和光市のコインパーキング、三井のリパークへ行き、指示された枠に駐車。

4、 受け子はそのコインPへ行き、指示にしたがい、赤いカラーコーンのある枠に駐車した白色のライトバン、の助手席側のタイヤの上に、現金105万2千円が入った紙袋を置いた。

5、 被告人はその紙袋を回収し、駐車料金を精算機で精算してアルファードを発進させ…。

 

 弁護人は2人。何度かお見かけしたような中堅男性と、ずいぶん昔からお見かけする、長身でお洒落ぇ~な中年男性。
 最近受任したばかりなのか「まだ整っておらず」と、公訴事実に対する認否は留保。証拠意見も留保。

 次回期日がなかなか決まらない。私はそっと出て…。

 

 そばの非常階段を3フロア降り、東京地裁の別の法廷で「傷害」の審理を傍聴。

 これ、さっきスマホ検索したところ、自転車の男性(61歳)を車道上で転倒させ殺人未遂で逮捕、という報道がヒットした。交通トラブルなら私のジャンルといえる。

 被告人は非身柄。スーツにネクタイ、普通に会社員か公務員風のおじさんだ。弁護人が少なくとも2人。もう1人は弁護士か司法修習生か。
 今日は、同意書証の要旨告知から。甲9号証、被害者は「回復見込みのない意識障害」と出てきた。ええっ。
 今後どうするか、とりあえず打ち合わせの日程を長々検討しはじめた。私はそっと出て…。

 

 エレベーターで3フロア上がり、南側へ70mほどか歩き、東京地裁の別の法廷へ。ドアは施錠されておらず、「過失運転致傷」の新件の、最終弁論が始まるところだった。

 被告人は黒スーツの、がっちした若者だ。こう言っちゃなんだが、ネクタイが若者風で安そう。
 どうやらバイクとの事故で、被害者は鎖骨を骨折したらしい。

 治療費は保険で支払い済み(または支払い見込み)だが、そのほかに誠意を示すべく「弁護人を通じて示談の打診」をしており、次回判決の期日に、再開を請求したい旨を弁護人は述べた。

 被告人は前科前歴なし、交通違反が1件のみ、姉が証人出廷したという。執行猶予で決まりのシンプルな事件だ。

裁判官 「どうしましょうか、今日判決することも…」

 示談ができてもできなくても判決に影響しない、ゆえにそんなことを言うわけだ。検察官は応じた。
 ところが弁護人は、あくまで示談にこだわり、1カ月ほど先の期日を求めた。うーん。

 

 同じ法廷で続けて「道路交通法違反」の新件。

 被告人は60代前半の「飲食店従業員」。俳優顔のお洒落な男性だ。弁護人の隣の席から、法廷中央、証言台へ歩く際、靴がカツカツと良い音をたてた。

 前科4犯、うち2犯は同種。昨年2月確定、無免許運転、懲役5月、執行猶予3年…。
 同年10月、飲食店関係者が運転する車両に同乗して出かけ、その関係者は、被告人が無免許であることを知らなかったようで、降車して被告人に買い物を頼み、被告人は運転してドラッグストアへ。その駐車場でか倉庫にぶつけ、申告せず歩いて立ち去り、戻って車両を運転して移動させ…。

 今回は執行猶予なしの拘禁刑、前刑の猶予は取り消され、ダブルで服役、間違いないだろう。粛々と行くのだ刑務所へ。
 「乙号証の一部不同意、任意性は争いませんが…」と若めの弁護人が言うのを聞きながら、私はそっと出た。もう帰らねば。帰って原稿を書かねば。

2025年12月 8日 (月)

おいしい仕事へうほうほ出かけたら

 「海外で良い仕事がある。こんな日本から飛び出し、稼いでみないか」とか言われたら、若い頃の私なら行っちゃいそう、と12月6日に書いた。

 今、思い出した。私は行っちゃったことがあるのだ、若い頃、外国じゃなく千葉へ。その話をしとこう。

 

 社長の運転手で月30万円だっけ、そんな求人を何かで見たわけ。私が20代前半で、日当7500円のトラック運転手のアルバイトを週に3日ほどやってた頃だったか。

 30万円なんて大金、どう使う? ビールの大びんを2ケース買っちゃうか? なーんて舞い上がったもんだ。
 それで、まずは都内の某ビルへ面接に行き、千葉の某旅館へ行けと言われた。交通費として2千円か、出た。おお~、と思った。

 私はホンダCB250RSを運転して、行ったさ。

 

 安そうな和風旅館の一室に、こたつを囲んで、私のような男たちが数人。要するにこんな話を聞いたと記憶する。

「外国製の腕時計やオーストリッチの財布を安く仕入れ(親玉から買い)、車で田舎へ行き、売る。5千円で仕入れて1万円で売れば5千円の儲け。2万円で売れば1万5千円の儲け。■■■■(有名芸能人)は(有名になる前だったか、人気が萎んでからだったか)この仕事で稼ぎ、リンカーンコンチネンタルを買った」

 安価で仕入れたまがい物、模造品を、高額で押し売りしてまわる、そういう仕事なのだ。
 どの地域へ売りに行くか、指示された。すでに荒らした地域じゃなく、無垢(むく)な地域をまわれというのだ。

 なんだそれ~! 社長の運転手と違うじゃーん! 私はCB250RSに乗り、逃げ帰った。他の男たちはどうしたか、知らない。

 

 なぜ私は逃げ帰ったのか。やっぱ、農家の爺ちゃんたちを騙して現金をつかむ、そういう自分が想像できなかった。死語かもしれないが、良心(りょうしん)、てやつか。

 因みにリンカーンコンチネンタル。見栄っ張りな男たちの、あこがれのアメ車(アメリカ車)だったよね~。リンカーンコンチネンタル、響きがいいよ。

2025年12月 6日 (土)

特殊詐欺の架け子と話した件

 いつだっけ、昼間の詐欺電話をメモった。

 メモ紙とペンを取り出す前にどんなやり取りがあったか、ごめん、忘れた。
 以下、メモをもとに。だいぶ抜けがあるし、このとおりの文言ではない。■■、●●を伏せる理由は言わない。

 

架け子「■■■■を知っていますか…知人にいますか…」

 断っておくが、私は最初っから詐欺電話と確信している。架け子と話すのは裁判傍聴の役に立つ。

今井 「さあ、どうだろ、わかりません。関係ないと思います」

架け子「■■■■はマネーロンダリングのグループです…他人名義のキャッシュカードを…楽天銀行に口座がありますか」

今井 「楽天…どうだっけ」

架け子「あなたは■■■■グループに加担した…カードを紛失したことがありますか…あなたの口座が振込詐欺の口座として使われています…被害者が出ています…資金洗浄の可能性…あなたあてに被害届けが出ています」

今井 「えーっ、知りません知りません…被害届け…いくらの被害ですか」

架け子「金額は言えません…口座の売買は…」

今井 「加担、してません、してません」

架け子「調書をとります…調書…よくある取調室で、調書を…そこにハンコがあれば証拠になります」

今井 「えーっ、調書ですか、いつですか」

架け子「リモートも可能です。リモートの環境、ありますか」

 リモートで調書、面白すぎっ。爆笑をこらえて…。

今井 「リモート、どうやるんですか」

架け子「■■■■グループ詐欺事件…事件番号があります…令和7号、平仮名のわ、××××…」

 一般に地裁刑事の通常第一審の事件番号は「令和7年(わ)第×××号」だ。「令和7号(わ)…」なんてない。架け子のマニュアルの作成者は起訴状を受け取った経験がある、けれどもよく憶えてない、のかな。

 電話でも調書をとれるという。奇想天外な発想、面白いよね~。

架け子「転送するので、切らずにお待ちください」

 このあと、しーんとなってしまった。保留音も呼出音もない、あれっ? なにかボタンを押したら、切れてしまった。

 ここまでの通話は16分25秒、架け子の電話番号の頭は「+969」だった。

 

 すぐにまたかかってきた。今度の番号の頭は「+1877」。●●●●と名乗った。今度は19分7秒も通話した。

架け子「警視庁から転送…楽天銀行…開設してない? ■■■■、全く知らない人? なるほど…■■■■は、偽名かもしれませんが、年齢は45歳、身長は175cm前後、やせ型、顔の、正面、鼻の右側に、小豆(あずき)大のほくろ…」

 それって変装用のほくろでは。「鬼平犯科帳」にそんな話があったよ、などと私は言わず、話を聞いた。

架け子「記憶がないのですか…不特定多数と接するお仕事ですか?」

 その意味がよくわからない。

架け子「楽天銀行に開示をかけたら、あなたの電話と住所が出てきました。6千万円…19人が300万から数千万円…被害届けが出ています…強制捜査がかかると大変です…あなたは嘘を言ってる傾向がないかな…ご足労をかけるのも…」

 だから温情で、リモートか電話でやってあげる、ということか。なのに私は阿呆なことを口走った。

今井 「暇だから行きますよ」

架け子「あなたは大丈夫そうだから、では被害届けの先を■■■■か誰かへ向けます…丸の内署へ来られますか」

今井 「いつ」

架け子「丸の内署へ、月曜、4時に」

 普通は行けない、怖いとか言うのだろう。私はこう言ってしまった。

今井 「月曜、16時ですか、行きます。丸の内署のどなたに?」

架け子「署内へ行けば…生活安全課…捜査2課が出てくると思う。電話は、03-3581-4321、これは警視庁、丸の内署は03-3213-0110…4時を過ぎたら電話しますよ」

今井 「私がかけるんですか」

架け子「こちらから電話します」

今井 「あのう、これ詐欺でしょ」

架け子「ああ、なるほど」

 電話はぷつんと切れた。丸の内署へ行くと言い出すなどおかしいと思い、それで「なるほど」だったのかな。
 月曜日、ころっと忘れて丸の内署へ行かなかった。電話はなかった。

 結局、なに名下(めいか)で金を詐取するのか、そこまで話が進まなかった、残念~。

 

 ところで、私はねえ、どうも架け子を罵倒する気になれない。
 「海外で良い仕事がある。こんな日本から飛び出し、稼いでみないか」とか言われたら、若い頃の私なら行っちゃいそう

 ところがタコ部屋に囲われ、個人情報をとられて「裏切ったら殺す。家族も殺す」と脅され、ノルマを課されて毎日日本へ電話をかけまくってるんでは。逃げようとして凄絶なリンチの果てに殺された者もいて、目撃してるんでは。生きて日本へ帰れないのでは。

 今の私は熟練の(笑)裁判傍聴マニアだからそんな想像をするが、若い頃の私だったら、ねえ。

2025年9月16日 (火)

15歳の闇バイトは欺罔電話をかけるか

 「闇バイトに応募」と、タイトルも含め3回出てくる。「闇バイト」のヤバさが伝わる、そこは良いと思う。しかし…。以下は9月5日付けABCニュースだ。

「遊ぶ金欲しさに闇バイトに応募」 15歳専門学生を逮捕 80代女性からキャッシュカードだまし取ったか

 警察官になりすまして、高齢女性からキャッシュカードをだまし取ったとして、15歳の専門学生の少年が逮捕されました。少年は、「闇バイトに応募した」などと話しているということです。

 詐欺の疑いで逮捕されたのは、大阪府内に住む、専門学生の少年(15)です。

 少年は1日、大阪府警布施警察署の警察官になりすまし、府内に住む80代女性の自宅に「口座から現金が不正に引き出されている。キャッシュカードを裁判所に持って行くので自宅に行きます」などと電話で告げた上で、女性宅を訪問し、キャッシュカード3枚をだまし取った疑いが持たれています。

 警察によりますと、少年はその後、ATMで女性のキャッシュカードを使用し、現金200万円を引き出していたということです。

 少年は警察の調べに対し、「遊ぶ金欲しさに闇バイトに応募した」と容疑を認めています。

 警察は余罪も含め捜査しています。

 

少年は…警察官になりすまし…などと電話で告げた上で、女性宅を訪問し…だまし取った…

 ここである。少年自身が欺罔(ぎもう)電話をかけたとしか読めない。そう報じている。

 もし本当なら、高度な分業で成り立ってきた特殊詐欺業界が、かけ子と受け出し子(受け子と出し子が分業なことも)を合体させたわけで、大きな構造変革が起こったことになる。

 だが、欺罔電話は特殊詐欺の勘所(かんどころ)といえる。「遊ぶ金欲しさ」に闇バイトに応募した程度の15歳に務まるかな。
 特殊詐欺の統括者(裁判的にはいつも氏名不詳者)がそんな間抜けな変革を実行するとは考えにくい。

 

 その15歳の少年は、高額バイトに応募 → 荷物の受取りで高収入と言われ → 住所氏名、親の氏名等の個人情報を取られ → 秘匿性の高い詐欺犯御用達の通信アプリをインストールさせられ → 服装を指定され → 電車でどこそこの駅へ行けと言われ → どこで待機しろと言われ → どの家へ行けと言われ → この身分と偽名を名乗れと命じられ → 指示されたとおりにキャッシュカードを受け取り → どこのATMへ、次はどこのATMへ行けと命令され → 暗証番号を告げられ、次々に現金を引き出し → 指定されたコインロッカー(番号式)へ現金とカードを入れ(又は公衆トイレの個室に入って待機、ドアの上部から現金運搬役に現金とカードを渡し) → 次の指示を待ち → 逃げれば家族も殺すと脅され → 同様のことを繰り返し → 必ず逮捕され → 「末端とはいえ不可欠な役割を果たしており刑事責任は重大」とか言われ、特殊詐欺の共犯者(刑法的には正犯)として詐取金全部の責任を問われ → 刑務所へ → 出所後、「大変だったな。今度のは絶対大丈夫だから」と言う者が寄ってきて、、、

 ということになるんだとは、報道からは全くうかがえない、想像もできない。
 逆に、「遊ぶ金欲しさ」の者たちをして、こう安心させるんじゃないか。

「俺はそんな電話かけねーし、知らねーし、荷物運ぶだけだもん、大丈夫だよな?」

 

 「オレオレ詐欺の“受け子”調達は…ニュース報道が支えている?|裁判傍聴マニアからのひと言|」と私は2021年5月に書いた。変わってないね~。

 どうしてこうなのか。やっぱ、警察にとっては上述のとおり受け出し子は共犯者(正犯)なのだから詐欺全体の責任を当然に問い、一方、記者クラブメディアの報道は、警察発表(記者レク)の内容を要約して発表するのみ、なんにも考えずそこに徹する、今井みたいによけいなことを言うのは邪道であり避けねばならない、そゆことかなあ、と。

 

 私はどうして以上のようなことを言えるのか。ずばり、(交通違反マニア、開示請求マニアであると同時に)裁判傍聴マニアだから、だ。うむ。

 この本は2014年初犯もとい初版だ。今でも十分に面白い読み物とは思う。外国語に翻訳され、毎年ちょっぴりだけど印税が入る。そうして今、これを遥に超える、時代的にベストセラー狙いの本を執筆中だ。急がねば、じゃねっ。

2025年6月 3日 (火)

特殊詐欺も人手不足、中国に人員供給ルートが?

 最近、「へえ!」となったことが2つ。

 

 「詐欺、詐欺未遂」、東京地裁、判決。

 この事件名は普通、特殊詐欺の使い捨ての末端者、受け子だ。

裁判官 「主文。被告人を懲役4年6月に処する。未決勾留日数中70日をその刑に算入する」

 複数の者と共謀して警察官等を名乗り、金地金や現金などを騙し取ったのだという。役割分担しての組織的犯行で、被害額は合計3500万円余り。
 金額がだいぶ大きめだが、まあ普通の特殊詐欺だ。

 

 ところが! 中国語の通訳が入った。被告人(身柄、拘置所、若い)は中国人なのだ。
 片言の日本語で、受け子をやった? いや、日本国在住の中国人を騙す特殊詐欺が広がってる?

 どっちでもなかった。

裁判官 「指示を受ける立場…報酬目当てにわざわざ来日…(携帯電話をどうこうする)サポート役…金品の回収役…不可欠の役割を…」

 なるほど、それならやれる!

 いちばん捕まりやすいのは最末端の受け子、出し子だ。サポート役、回収役は捕まりにくい。ゆえに被害額の合計が3500万円にまでふくらんだのだね。

 特殊詐欺業界も人手不足。中国に人員供給ルートを開拓した、つーことなんだろうか。へえ、である。

 

 「住居侵入、窃盗」、東京簡裁、新件。

 被告人(身柄、拘置所)は67歳、住所不定、無職。いかにも高齢者風のスリムな男性だ。
 前科13犯、福島の刑務所を出て、土地勘がある東京の池袋へ。所持金の多くをパチンコで費消。

 DVD鑑賞店に宿泊中、別の客が個室に施錠せずトイレへ。被告人は個室を見て、財布があることを確認。
 午前1時52分頃、その客が無施錠で就寝した隙に、財布を持ち去った。
 現金を抜き取り、現金を窃取。防犯(監視)カメラの録画から発覚…。

 DVD鑑賞店? なんだ?
 店名が出たので、あとでネット検索してみた。

 多種大量のDVDが棚にずらーっと並び、さまざまなタイプの個室あり。狭いけど1人だけならゆったり、大きなモニターでDVDを鑑賞できる。ナイトコースは12時間約3千円とか各種コースあり。シャワーは数百円。

 漫画喫茶、ネットカフェに続く、そんな“亜”宿泊施設があるとは、私は知らなかった。へえ。

 

 人生で大事なことはみんな裁判傍聴で学んだ。なんつって💦

2025年5月31日 (土)

手コキ30分1.5万円の15歳少女をレイプ、中出しで妊娠させ

 マニア氏から情報をいただき(ありがとうございます!)、5月30日(金)13時30分~14時30分、「占有離脱物横領、邸宅侵入、窃盗」の新件を傍聴した。

 すでに報道されている。「涙ながらに「家の買い換えや老後の不安が…」警視庁蒲田警察署の元巡査部長が起訴内容認める アパートから現金計約3000万円盗むなどした罪 東京地裁」などと。

 警察官の犯罪を、狙ってだいぶ私は傍聴してきた。10年以上前、何件かまとめてレポートさせてもらったこともある。

 

 今回の事件は、まじめな警察官が本当に「その瞬間、魔がさした」ということだったのか。
 どうなんだろ、組織内でイジメられていた、なんて事情があったのでは、とは私独自の妄想的深読みである。

 求刑は懲役2年6月。判決は執行猶予がつく、とは私独自の予想である。


 

 それが終わって同じ法廷で14時30分~15時30分、「道路交通法違反」の新件があった。
 続けて傍聴した。たまげた!

 首都高9号線下り、江東区木場付近の固定式オービス(TKKのループコイル式)による、なんと63キロ超過(測定値123キロ)の事件だった。

 求刑は罰金10万円! 判決も罰金10万円、しかも訴費(8万円ほどか)負担!

 もう30年近く、首都高のオービス裁判を傍聴し続けてきた私にとって、ちよと震撼する事件だった。 ※ちよと池波正太郎さんの時代小説風。

 

 15時30分~17時、3つ下のフロアの法廷で「不同意性交等、児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反」の新件があった。

 帰り際、ボーチン(冒頭陳述)まで聞いて帰ろう、とっとと帰らねば、と傍聴してみた。
 しかし出られなくなり、17時07分まで傍聴してしまった。

 要するに、X(Twitter)に「プチ30分1万5千円、今からこられる人」とか手コキの客を、15歳少女が募集。
 被告人(長身でイケメン。現在保釈中)はこれに応じ、自宅(渋谷のタワーマンション)へ呼び、要するにレイプ、中出しで妊娠させたという、いやはやなんともな事件だった。

 求刑は懲役6年。だいぶ高額を支払って示談したというが、実刑は動かないのではないか。たとえば…。

裁判官 「主文。被告人を懲役3年に処する…」

 執行猶予は主刑が3年以下のとき付することができる。3年まで下げ、執行猶予5年、実刑ぎりぎりで助かった、ほっ、と普通は安堵する。ところが…。

裁判官 「主文は以上です」

 どうなるか、次回判決は見届けたい。
 あとで、被告人氏名でネット検索してみた。報道ヒットなし。被告人の仕事のヒットは複数あった。

 

 私はねえ、なるべく裁判所行きを減らしたいと思ってるの。あれもこれも、いろんな期日をあきらめてるの、強い心で。
 しかし、なかなか、そういうことってあるよね💦

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