カテゴリー「オービス(RS-2000)」の56件の記事

2009年9月11日 (金)

中国人も陰茎を露出するのだ

nineonezero日(木)

clip 13時25分から東京簡裁534号法廷で、9月3日に第1回を傍聴した道路交通法違反」(オービスⅢによる63キロ超過)の判決。
 13時30分から8階の別の法廷で、どうしても傍聴しておきたい判決がある。8階まで2分で行けるか。3分かかるか。こっちが数分前に始まってくれると助かる。
 13時20分、武内晃裁判官が登壇。よっしゃ。いいぞ。続いて弁護人が来た。13時22分、検察官が来た。よっしゃ。
 ところが、被告人が来ない!
 13時25分、被告人が来た。が、いったん傍聴席に座ろうとして…んもぉ。←傍聴人が勝手に焦ってるだけで、被告人に責めはないです。coldsweats01

 判決は罰金9万円。仮にその罰金に相当する金額を納付することを命ずる。
 これで、確定を待つことなく、払う気があれば今日のうちに払うこともできるのだ。
 判決の理由はごく普通だった。

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clip 大廊下を走り、エレベータはパス。小廊下の奥の非常階段を駆け上がり、13時30分からの東京地裁815号法廷、9月3日に第1回を傍聴した道路交通法違反」(女性被告人のびっくりな酒気帯び0.53mg)の判決へ。
 13時30分の30秒ほど前に入ると、もう言渡しが終わるところだった。さっきのが数分前に始まってくれればいいのに、逆だよ、んもぉっ。
裁判官 「あなたの内縁の夫、ルーズだから、よく考えないと(あなたか夫か)どっちか、いつか刑務所へ行くことになりますよ」
 「(あなたか夫か)どっちか」の部分は、私の聞き間違いかもしれない。その部分があってもなくても、裁判官の言うとおりと思う。
 主文は、懲役7月、執行猶予3年だそうだ。訴費負担。

 ちなみにこの吉村典晃裁判官を見るたび、ラーメン大好き小池さんをなぜか私は思い出す…。

clip 大廊下を急ぎ足で、13時30分から「公然わいせつ」の地裁803号法廷(青木美佳裁判官)へ。
 13時35分に入ると、通訳人が起訴状の内容を通訳するところだった。被告人(身柄、拘置所)はたぶん中国人。
 検察官の書証は、甲が3号証まで、乙が外国人登録原票の写しを含めて4号証まで。少なっ。
 甲号証が少ないのは、女性警察官が目撃して逮捕したから、のようだ。乙号証が少ないのは、前科・前歴がないから。

 混み合った電車内での陰茎露出。車内を移動した女性にわざわざつきまとった挙げ句に露出したらしい。
 この被告人質問は、非常に珍しいものだった。
 被告人はほとんどしゃべらないというか、数文字の言葉を通訳人が十数文字の言葉に通訳するというか。その内容がまた…。
裁判官 「今回の直前に感じた衝動とはどういうものですか?」
被告人 「表現できません」
裁判官 「その衝動が出て来る原因について思い当たることはありますか」
被告人 「それもちょっと表現できません」
裁判官 「今後また衝動が生じるとは考えられませんか?」
被告人 「それはないでしょう」
裁判官 「なぜないと言えますか?」
被告人 「とにかくないと思います」
裁判官 「家族を本国に残して日本で生活するのは大変でしたか?」
被告人 「そんなことはありません」
裁判官 「そうすると、今回の原因、あなた自身はわからないのですか?」
被告人 「私がいけなかったのです。もう二度としません」
裁判官 「何がいけなかったのか、というのはわからないですか?」
被告人 「………………衝動的に女性に当たってはいけないと思います」
裁判官 「当たる、とは?」
被告人 「男としてそんなことをしてはいけないと思います」
 全体に、ものすごく強情なのか。あるいは…。
 日本の裁判は(って私は毒人参。さんと違って外国の裁判を知らないが)、犯行の原因を被告人自身に分析・自省させ、では再犯しないため具体的にどうすればいいのか言わせる、というのがお約束だ。これに慣れると、分析・自省や具体案が足りない被告人は更生が難しそうに見える。
 だが、国によっては、たとえば、「庶民は何も考えなくていい。国が決めたことを、処罰を怖れて守ればいい」みたいな考え方もあったりするんじゃないか。そうすると、その国で育った者が日本で被告人になった場合、分析・自省などそもそも頭になく、「反省が足りない。ダメだこりゃ」と見なされる…文化の違いで刑が重くなることもあり得るんじゃないか。
 でもね、通訳の仕方によって裁判官、裁判員への印象がまるで異なるとかいうことも含め、そういう不公平は、裁判という“装置”にとって屁でもないんだと思う。そのことは、「裁判員制度はいらない!大運動」の先日の記者会見で斎藤貴男さんが述べたこととダイレクトにつながる…と言っても、ああいうのは報道されないし、わかんないか。ま、そのうち私のほうで…。

 ともあれ、中国人も陰茎を露出するのか、日本人だけじゃないんだと、妙な気分を感じた。そりゃ当たり前、アメリカ人もイタリア人もインド人も出すよね。
 そういえば先日、若干年配のご婦人方に「公然わいせつ」の話をしたら、「そんなのが犯罪になるの? あら~!」と驚かれてしまった。昔は女学生にぽろっと見せる男、しょっちゅういたんだそうだ。冗談も混じってるんだろうと思うけど。

 求刑は罰金10万円。前科なしだから、そんなもんだろう。けど、そんなのをなぜ地裁で? それはまぁいいとしても、なぜ大きな法廷で?
 事件名に「わいせつ」の4文字があるので傍聴人が集まると思ったから? たしかに20人は優に超えてたけど、しかし、大きく報道された事件だって平気でいつも20席の法廷でやってるじゃないか、大きな法廷が空いてるときでも。
 やっぱ、事件の関係者が多いとあらかじめわかってるとか、マスコミからの問い合わせが多いとか、そういうのは考慮することがあるとしても、また、そういう場合に備えて大きい法廷をぎりぎりまで空けておこう、という準備はあるかもしれないとしても、基本的に裁判所のほうで「この事件は傍聴人が多いだろう、少ないだろう」と考えて法廷を選ぶことはないんだな…と改めて確信を得た。

 被告人がほとんど何もしゃべるつもりがないことが明らかなので、裁判はスムーズに進み、14時03分閉廷。
 終わって小廊下で、聞きのがした犯行日などを、メモしていた女性らに尋ねる。学生さんだそうだ。せっかくの機会なので大運動のパンフなど差し上げる。え? ナンパじゃないよっ。すぐ別れたし、地下で『裁判中毒』を買ってくれとも言わなかったし(笑)。

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smoking 次は15時15分から。いったん1階へ下りると、ユキさんにばったり。久しぶりに雑談。

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clip 15時15分から簡裁728号法廷で、5月29日に第1回を、7月7日に第2回を傍聴した「道路交通法違反」の審理。
 今日は論告・弁論。求刑は罰金9万円。

 たいへんなことが分かった。これは港区赤坂1丁目、首都高速4号線下りのいわゆるオービスによる63キロ超過なのだが、とんでもないことが分かったsign03
 このオービスは三菱のRS-2000のうち、なんとRS-2000K型なのだそうだsign03
 秋田の例のオービスRS-2000B型。あれはいわゆるステルスタイプ。Nシステムと同じナンバー読取機能もあったかな。
 じゃあ、K型は何なのか。
 さっそく警視庁に電話。明日、契約書と仕様書を開示請求に行くと予約したょ。ま、予約はべつに必要ないんだけど、興奮して、ね。coldsweats01

※追記: 翌夕、さらに驚くべきこと、正しくは呆れるべきことが判明するのであったsign01

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 2000K型の事件が終わったのが15時47分。地味な事件をよく傍聴してる女性が、大廊下をすたすた北側へ歩き、北エレベータの手前角をくるっと曲がった。なんだろ…。
 行ってみて良かった! 今日で少なくとも4回目の公判の、前から気になってた「道路交通法違反が、地裁710号法廷(登石郁朗裁判官)で行われていた。
 やはり道交法だけで(しかも地裁で)そんなに審理を重ねるはずがなく、タクシーでひき逃げと報道された事件だった。
 ちょうど遺体を鑑定した医師の証人尋問、の最中だった。医師が手に持つ書類に、被害者の血だらけの頭部の写真があった。ここまでにどういう経緯があるんだか、医師は弁護人に対しけんか腰というか…。

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2009年9月10日 (木)

モノレールの暴走とオービスの暴走

 9日は10時から東京地裁703号法廷で、「「介護疲れた」半身不随の73歳妻を絞殺容疑 59歳夫を逮捕 警視庁」と報じられた「承諾殺人」の新件が、12時までの予定であった。
 11時50分からは、9月2日に第1回を傍聴した「道路交通法違反」(原付バイクによる無免許&酒気帯び0.37mg&無保険)の判決があった。
 が、「承諾殺人」は報道されてるし専門外だし…と裁判所行きを断念。机の上に山積みの書類等の分類・整理を。

 警視庁から開示を受けたまま積んであった文書をファイルに綴じ、その際に思いついた文書の開示請求書をつくり…。
 送付する約束だった文書をスキャンして送信…。
 散らばった名刺を整理するうち、連絡を取り忘れていた件を思い出し…。

 途中、新聞の切り抜き、というか破った断片を発見。
 6月26日付け山陽新聞では「湘南モノレール暴走は装置誤作動 運輸安全委が報告書」と報じられてる件だ。オービス事件に関係しそうか? と破ってあったのだ。
 暴走事故の原因は「変換装置のノイズ(電気信号の乱れ)の影響」と報じられてる。
 「個人的には、家でクーラーをつけたらテレビのチャンネルが変わったようなものだと理解しています」と述べてるサイトもある。
 違法に改造されたCB無線の影響により国道沿いの家屋内の石油ストーブが誰も手を触れないのにボッと火がついたというケースと似てるのか。
 この件については、運輸安全委員会の6月26日付け「鉄道事故調査報告書」が拾える。
発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない
 と冒頭にある。
 この考え方で、道路交通事故の原因も究明されたら、道路交通事故は、若い男性の車離れ現象などを待つ前に、劇的に減少していただろうに。

 ま、オービスについては、モノレールの暴走や火災や道路交通事故(以下まとめて事故という)とは、決定的に異なるものがある。
 それは、事故の結果が、残らないことだ。
 オービス以外の事故の場合、モノが壊れたり焼損したり、人が死傷したり、という目に見えてあとに残る結果が生じるが、オービスの場合、被疑者・被告人が「俺はそんなスピードで走ってない」と口頭で述べるだけ、何も残らない。つか残さない。写真に焼き付けられた測定値(とされる記号)以外に何も残さない。
 そうして、事故を起こしたとバレたら社会的にも損害賠償的にもたぁいへんなことになるオービス製造販売会社の、「オービスは無謬である」との裁判用の書類や証言専門社員の証言をもとに有罪とする、そこが、オービス以外の事故とは決定的に異なる。

 なーんていちいち言及してるから、整理がはかどらない。しょーがないか。

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2009年7月 9日 (木)

法廷証言、今日で270回目!

7月7日(火)

 このピコピコ音は何? 鞄の中から? あっ、デジカメの電源が勝手に入ってる…。
 その数カ月後、あれ、撮影後、電源が切れなくなった。でも、いつの間にか切れてるから、いいか…。
 と思ってたらとうとう、電源が入らなくなってしまった。バッテリー付近をいじると入るけど、こりゃあ、買い換えるしかないのか?

clip 13時20分から東京高裁720号法廷(安廣文夫裁判官)で、6月23日が第1回だった「傷害」の判決。
 原審は東京簡裁。その第1回は昨年12月16日、第2回は今年1月20日、第3回は2月17日、3月12日の第4回(判決)は、罰金20万円、訴費負担。
 今日の控訴審判決は、控訴棄却、訴費負担。
 じつはこの被告人はちょっと変わった氏名で、ネット検索すると、ヤフーで5万1100件、グーグルで1万4100件ヒットする。ヤフーとグーグルでなぜこんなに違うのか…。

 いや、そんなことより、弁護人は原審と同じで、証人調べとかないのに、訴費負担って、おかしくない?
 この控訴審で訴訟費用が発生するってことは、弁護人は国選なわけでしょ。この弁護人が原審で国選だったにせよ私選だったにせよ、控訴審で国選になるって、そんなことあるの?
 偶然なのか、国選のルールが変わったのか、そのどっちでもなく私が無知なだけなのか。うぅむ、これは誰かに聞いてみよう。つか、法テラス、まだ取材に行ってないのかょ、んもぉうっ。angry

clip それが13時31分に終わり、大急ぎで東京簡裁728号法廷(岡野清二裁判官)、5月29日に第1回を傍聴した「道路交通法違反」(首都高速4号線下り赤坂付近の三菱RS-2000による63キロ超過)の、13時30分から第2回公判。
 今日は三菱電機のスガイソウイチさんの尋問なのだ。久しぶりっ。
 法廷に入るとちょうど証人尋問が始まるところだった。

検察官 「これまで、こういう法廷での証言は何回くらいやってきましたか」
証人   「今日が270回目だと思います」
 うっわ~sign03 しばらく前に100回目という聞いたような気がするけど、270回というのはオービスだけでなく、ネズミ捕りのレーダ測定機の事件も含めて、なのかな。
 ま、なんにしても、270回も法廷証言してるって、ものすごいよね。ギネスブック級じゃね?
 だから、世の弁護士諸氏よ、こういう百戦錬磨どころか270戦錬磨の鉄人を前に、測定機ないし測定値が怪しいことを尋問で明らかにしようとするのは、よほどのドンデンネタでも握ってない限り、全くムリなんですょ。
 どう審問したって、微笑とともにさらっとかわされ、オービス無謬の心証を裁判官に与えるだけなんですょ。

 それでだ、今日の主尋問は、すごく良かった。簡潔で明解にして必要十分。素晴らしかったと思う。感動的ですらあった。
 スガイさんが腕を上げたのか、立会の日下部敏検察官のリード(証人テスト)が良かったのか、その両方だったのか。

 14時25分から被告人質問。
 被告人はカタカナの外国人氏名で、国籍はアメリカ。しかし日本語は流ちょう。そして、アメリカの超有名大学を卒業し、物理科学の博士号を持ってるんだという。
 ただ、どんな知識があっても、ブラックボックスたるオービスの誤測定の可能性を外側から指摘してもムダだと思う。

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 論告弁論を9月に決め、15時02分閉廷。
 手帳に9月の期日が入ったのは、私はこれが初めてだ。こうやって1年があっという間に過ぎ去っていくのだ…。

clip 15時から簡裁826号法廷(江波戸直行裁判官)に入ってる「銃砲刀剣類所持等取締法違反」の新件へ。
 検察官からの被告人質問をやってた。
 被告人(31歳、身柄)は小柄で細め、マジメそうなおとなしそうな感じだった。
 強盗する目的で99円ショップでカッターナイフを買い、ショルダーバッグに入れてたんだという。ええっ。

裁判官 「ここまでくるのは、たいへんだったろうけど…」
 「たいへん」の意味を、弁護人が最終弁論で明かした。
 被告人は母子寮で育ち、母親からビール瓶で殴られるなどし、栄養バランスのある食事を与えられず、小学校卒業時で130cm、36kg。絶えずイジメを受けていたんだという。中学のとき都の養護施設に入所したが、そこでも激しいイジメを受け、施設に入ったときから一度も妹とは会っておらず、母親はどこにいるのか分からず、所持金はほとんどないのだという。
 求刑は罰金10万円。次回判決。15時35分閉廷。 
 

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2009年3月14日 (土)

高裁でオービス否認に遭遇

3月11日(水) そのtwo

 地下の食堂でA定食460円。今日は、ゆるい餡かけの白菜炒め、だっけ。悪くない。けして良くはないけど、トレイの上に主菜、味噌汁、麦飯、小鉢、小鉢、漬け物、濃い茶、の7つが載り、良い。

clip 13時10分から東京高裁720号法廷(田中康郎裁判長)で「道路交通法違反」の判決。
 被告人(在宅)は、黒いジャケットに黒いズボン、鮮やかな青のシャツに、赤っぽいネクタイ。つるつる頭のおじいさん乃至おじさん、だった。

 なんと、横浜の保土ヶ谷の、たぶん三菱RS-2000の、否認事件だった。
 それも、略式経由らしかった。
 制限速度は60キロで、超過速度は61キロ。
 争点は測定値ではなく、測定&撮影から約2年を経過しての取調べは、防御権の観点から違法である、というふうなことと、オービス写真の運転席に写っているのは被告人本人ではない(被告人には帽子をかぶる習慣がなく、車には鍵が付いており誰でも乗れた)、ということらしかった。

 控訴棄却。訴費不負担。
 珍しいのを傍聴してしまった。

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2009年2月19日 (木)

オービスの専門家=メーカー社員

2月17日(火) そのtwo

clip 10時30分から東京高裁622号法廷(長岡哲次裁判長)で「道路交通法違反」の判決。
 これ、少なくとも4回目の期日のはず。道交法でそんなに期日を重ねるとは、スピード違反の否認だな? と傍聴してみたわけだが、やっぱりそうだった。てゆっか、1月20日の審理を私は傍聴してたのね。すっかり忘れてた。

 山梨県の笛吹市内の高速走行抑止装置、つまり三菱のオービス、RS-2000による40キロ超過だった。
 オービスマップを見ると、山梨のオービスはぜんぶ三菱。シェア100%。山梨はタイヤチェーンで路面が削れ、ループコイル式は適さないからか。

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 原審でスガイソウイチ社員が証言していたそうな。お~、スガイさん、全国の裁判所を飛び回ってますね~。
裁判長 「…スガイは…(装置)の仕組みについて熟知し、専門的見地から供述…態度は真摯、具体的かつ明確で…信用性に疑問を生じさせるようなものはない…」
 私は可笑しくて、傍聴席でニコニコしてしまった。
 なんとか偽装というのがよくあるが、偽装を疑われた営利企業の社員に「偽装はございません」と真摯に証言させ、丸呑みにする…のと同じだ。

 医療機器の誤作動が問題になったとき、やっぱ裁判官は、その医療機器の製造販売会社の社員に「わが社の装置は絶対大丈夫でございます」と証言させ、「証人は本件医療機器の仕組みについて熟知し、専門的見地から供述…」とやるんだろうか。
 その誤作動による被害が起こったのが、警察とか行政側の病院で、かつ同様の被害があったとの訴えが過去にたくさんあり、そのすべてを(誤作動の動かぬ証拠があった希有なケースを除き)メーカー側のカタログとセールストークだけで有罪にしてきた、という条件がそろえば、やるんだろうね。

memo 東京地検へ行き、「被疑事件罪名別月表」の2008年8月~12月分を開示請求。300円。これがあるとないとでは、傍聴の深みがぜんぜん違う。拙著『裁判中毒』でも引用してるよ~。

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2008年5月14日 (水)

スカッと気持ちの良い否認事件

 じつは昨日(13日)、
  4月8日 第1回公判 534号法廷 風営法違反
  4月10日 第1回公判 728号法廷 銃刀法違反
 の第2回公判がいずれも13時30分からあり、いずれも証人尋問だった。
 どっちを傍聴しよう、どっちもどっちだよな~、と悩み続け、そのうち、地域の活動の当番が回ってきて、しまった、忘れてた! 今さら誰かに交代は頼めないか~となり、二日酔いもあって、じゃあ、いっそ今日は裁判所はサボってしまえ、と寝て13時すぎ、当番は忘れてたんじゃなくて来週だったんだ! これから起きても完全に間に合わない、げぇ~! ということがあったの。
 二兎を追う者は一兎をも得ず…そりゃ違うか(笑)。

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 13時18分、エレベータから534号法廷へ向かう途中に、見慣れぬ立札があり、「5月14日(水)午後1時30分 東京地裁八王子支部 来庁尋問室(530号法廷)」と書かれていた。非公開だから一般傍聴人は入れない旨も書かれていた。へぇ~。そんなの初めて見たよ。
 職員が幹廊下(私が勝手にそう読んでる。枝廊下と区別して)へ出てきて、きょろきょろしてた。証人がなかなか来ないのかな。

 13時30分から東京簡裁・刑事1室3係(八木澤秀司裁判官)534号法廷で、久しぶりの「道路交通法違反」の新件。

【場   所】 首都高速4号線下り 港区元赤坂
【日  時】 2006年5月5日 午前1時9分
【装   置】 三菱電機 RS-2000(俗称Hシステム)と思われる
【測定値】 122㎞/h 制限速度60㎞/hを62㎞/h超過
【被告人】 34歳 内装業 頭は坊主 スーツがけっこうキマってる
【弁護人】 国選(職権) 
【主   張】 そこにオービスがあることはよく知っており、制限は80キロと思い込んでおり、20キロ超過くらいではオービスは光らないと思い、いつもメーターをちらちら見ながら100キロ程度で走っている。ストロボが光った記憶はないが、当時もそうだったはず。

 これも地裁へ移送となるか不安だったが、ならずにホッとする。
 さてこの事件、どう争うのか。
 弁護人は、検察官請求の書証を全部同意。
 そして簡単に被告人質問をやり、弁論で、検察立証の不十分さ等を端的に述べた。
 最終陳述は、
被告人「ないです!」
 14時24分閉廷。
 スカッと気持ちの良い、内容的にも概ね(おおむね)申し分のない争い方と、オービス裁判を百何十件か見てきた私には思えた。
 否認なのに書証全部同意で、1回結審で? と訝る(いぶかる)方もおいでかもしれない。そのへんは、起訴(3月17日付け)がなぜこんなに遅れたのか、首都高の62キロ超過の相場は9万円なのに、なぜ求刑10万円だったのか、等々も含めて、『ラジオライフ』の連載ページに書こうかと思う。雑誌でしっかり書かせてもらいたくなる、良い争い方だった。

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 裁判所内の某所で、「裁判官は死刑にしてやるって言ったのに!」「10年間こんな死刑囚に阻害されてきて、また10年間こんな……(聴き取れず)ならなきゃなんないの!」「みんな弁護士に吸い取られていったじゃん!」などと激しく興奮して職員にまくしたてるご婦人を見かけた…。

 今日は、オービス事件を1つ傍聴しただけで帰る。なんか不思議な感じ。
 帰り、駅の売店で、分不相応にも『プレジデント』6月2日号を買う。650円。電車内の吊り広告に、「保存版!『人の気持ちをギュッと掴む』書き方指南」「一流企業トップ12人が添削!!」「思いを200%伝える起訴状」「被害者の納得感を引き出す論告要旨」「被告人が本気になる判決書き」「気分を害さない完璧な控訴趣意書」とあるのを見て。←傍聴中毒人の幻視ですか?

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2008年3月27日 (木)

中国と日本、どっちが偉い?

 以下、3月24日付け琉球新報の記事。太字は今井。

【中国時報】速度違反 警察の計測器に誤差
2008年3月24日
 あなたは警察の車の速度を測る計測器にどれだけの誤差があるか知っていますか。
 昨年の2月、国光客運の運転手が苗栗県の高速道路を走行中、国道警察局の新型計測器が時速116キロを記録したとし、罰金と違反切符が切られた
 もともと国光客運は速度超過を防ぐため、車にデジタル式走行記録器を搭載しており、最高でも102キロであった。その後、不思議に思った国光客運が地方裁判所に異議を申し立てた。
 裁判では苗栗の制限速度は時速100キロであったため、2キロの超過でも違反は違反としたが、罰金額は軽減された。警察も一応の面目は保たれたものの、毎年検査を通っているはずの機器に10%以上の誤差があったのでは申し開きができない。他の運転手も制限速度内の98キロでも罰金を払わされる可能性があり、注意が必要である。

 ノンキな記事に見えるけど、ワタシ的には大ニュース(笑)。
 太字の部分について、長々マニアックにコメントできる。でも、時間が…(泣)。
 さっそく『ドライバー』の囲み記事で、中国と日本とどっちがエライか、という観点で書いたよ。

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2008年2月13日 (水)

誰も被告人の話をよく聞かなかった?

「原告が『東京航空計器株式会社』(オービスⅢの製造販売会社)の民事訴訟がありますよ。オービスはぜんぜん関係ないようですけど」
 との情報を某氏からもらい(ありがとね)、話のタネにと13時30分、東京地裁・民事7部(山崎勉裁判官)502号法廷へ行ってみた。
 被告は「株式会社藤森技術研究所」。事件名は「機械所有権確認等」。
 確かにオービスは関係ないようだったが、被告代理人弁護士(全員そうだと思う)が5人もいて、1人は書面をノートパソコンで見てた。
 民事は、同じ時刻に数件入れることがよくあり、いろんな事件の関係者が多数来て、狭い法廷(傍聴席20席)だと、後ろに立ち見状態になることがある。この日は立ち見が10人くらいいたよ。

 14時から東京高裁・刑事9部(原田國男裁判長。この人、私のデータでは2003年から9部で裁判長をやってる。長くない? 私の入力間違い?)805号法廷で、「道路交通法違反」の判決。
 13時56分半くらいに法廷に入ったら、もう判決を読み上げていた。で、13時58分に終わった。そういうの、困るんですけどぉ。
 それで、だ。また執行猶予中の無免許か酒気帯びで、実刑は重すぎるから、という主張かと思ったら、なんと、速度違反(ネズミ捕り?)の否認らしかった。おぉ!
 測定値は145キロ。一般道らしい。一審(東京地裁だよね)で懲役3月、執行猶予2年の判決を受け、事実誤認と量刑不当で控訴したらしかった。
 主文は聞けなかったが、控訴棄却と思われる。
 誤測定について被告人側が述べたらしいことを、
「(どれも)抽象的な可能性をいうものにすぎない」
 と退けていた。
 それは、測定装置は無謬であるとするときの、いつもの論法だ。測定機の誤作動・誤表示のどんな可能性を被告人側が言おうが、それが本件測定時に起こったことを被告人側が立証できない限り(そんなことは普通できっこない)日本の裁判では原則(秋田支部の判決を除いて)有罪なのだ。
 裁判がそうだから、警察・検察の立証は、というか測定装置のチェックは、ユルユルの癒し系になるわけね。「捜査能力が落ちた」とか言われるのも、裁判所が甘やかしたからってことが、大きいんだろうと思う。

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 14時21分、東京簡裁・刑事2室3係(長坂和仁裁判官)728号法廷へ。
 今井重夫検察官が2分ほど遅れ、「住居侵入・窃盗」の判決が始まった。
 若い女性が住むマンションに、無施錠のドアから正当な理由なく侵入し、現金2万8000円と、健康保険証など在中の財布1万5000円相当を窃取し、その後また同じマンションに侵入して逮捕されたんだという。
 前科は20年ほど前の「住居侵入」の罰金前科のみだそうで、判決は懲役1年6月、執行猶予3年、訴訟費用負担。

 そして14時30分から、12月5日に第1回を、1月16日に第2回を傍聴した「道路交通法違反」(オービス事件)の第3回公判。
 トヨタ・センチュリーの持ち主を証人尋問。
 そして被告人質問。
 これはあれだな~、こんな証人尋問を重ねるような事件じゃなくて、略式による罰金でも済んだかもしれないのに、警察官も検察官も弁護人も、被告人の話をよく聞かなかったから、こんなめんどくさいことになっちゃったんじゃないの? という印象を受けた。

 簡裁と地裁と高裁の開廷表をチェックし、新宿・思い出横町へ。ある事件のことなどで打ち合わせ。

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2008年2月 6日 (水)

部屋とワイシャツと餃子と冷却水添加剤とオービス

 今日、裁判所へ行かなかったのは、雪がふってたからじゃないよ。
 朝8時頃まで原稿を書き、起きたのが13時頃で、もう傍聴したい公判に間に合わず、仕事場へ戻ってカーテンを開けたら雪がふっていたのだ。という言い訳、ど~でもいいですよぉ~。

 餃子騒動。
 こういうのを見るとき、いつも私はオービス裁判と引き比べてしまう。
 オービスなら、
「製造販売会社が作成した資料および社員の証言によれば、餃子の安全性が十分に認められる。製造販売会社が、見も知らぬ者に害を為そうとするはずがない。しかるに被害者と称する者らは、賠償金を得るため虚偽の被害申告をしており悪質である。一般予防の見地からも厳罰に処する必要が…」
 とかなんとか、片付けられてしまう。
 え? 餃子の場合、餃子から毒物が発見されてる?
 ダメだよ~、そんな、証拠を残すようなことをしちゃ。
 オービスの場合、測定値が焼きつけられた写真(最終的な販売物ともいえるもの)を残すだけ、他には一切の証拠を残さない。
 だからこそ、完全犯罪ならぬ「完全冤罪」はつくられるのだ。

自動車冷却水添加剤、「燃費向上」根拠なし 公取委判断
 自動車のラジエーターに入れるだけで走行燃費が向上するなどの効果をうたった自動車用冷却水添加剤が景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、公正取引委員会は近く、メーカーと販売会社に対し、排除命令を出す方針を固め、事前通知した。表示した効果について、合理的な根拠がないと判断したとみられる。メーカーは「燃費向上の効能を示すデータはある」と反論している。
 関係者によると、排除命令を受けるのは、自動車の冷却水に混ぜて使う添加剤「起爆水」を製造する福岡県の「すばるメディア」と、大阪府の販売会社「ピエラス」。
 ネット上のショッピングサイトなどでも販売されており、効果について「排ガスを浄化し、燃焼効率を上げる」「燃料消費量がガソリン車で3~30%程度減る」などと説明している。
 公取委は、実験データなどの科学的な根拠が不十分だったとして、不当表示と判断したようだ

 と2月6日付け朝日新聞の一部。太字は今井。
 「実験データなど科学的な根拠」が皆無なのが、オービスだ。
 オービスは科学ではないから、というのが裁判所の立場だ。
 オービス無謬神話を暴くのは、公正取引委員会か!?
 いや、この冷却水添加剤だって、オービス裁判の法廷へ出てくれば、十分に信頼性が認められるはず。商品名を「起爆水オービス」とすれば良かったね?

国道新4号にオービス 小山 違反多く取り締まり強化
 小山市塚崎の国道新4号下りに、速度違反自動取締装置(オービス)を県警が設置した。付近では高速道路並みのスピードで疾走する車が後を絶たず、大事故につながりかねないとして、取り締まりを強化する。近く稼働させる予定だ。
 小山署では一昨年夏、国道新4号で死亡事故が3件続発したのを受け、速度調査を実施。その結果、全体の約1割で法定速度を30キロ超過する速度違反があり、中には、法定速度を138キロもオーバーし、198キロで走行する車もあった。
 このため、県警では、昨年9月の県議会にオービスの設置予算を提案、可決されるなど準備を進めてきた。
 小山署管内(小山市・野木町)の昨年中の交通事故死者は20件20人(前年比8人増)で県内署でワースト1位だった。管内の国道新4号、国道4号、国道50号で亡くなった人が半数の10人を占めた。

 と2月3日付け読売新聞。
 こぉれは仰天報道だ!
 新規に設置されるオービスは、三菱電機か東京航空計器の商品のはずで、東京航空計器はもうフィルム式のオービスは製造してないそうなので、国道4号に設置されたというのは、CCDカメラで撮影して画像を伝送するタイプのはず。
 そのタイプは、通過するすべての車両(オービスが測定できたとした車両)を、違反のあるなし、撮影するしないにかかわらず、測定して、データを警察の中央装置へ送っている。データは、1時間刻み、10キロ刻みで、24時間ある。
 そのデータを見られれば、
「全体の約1割で法定速度を30キロ超過する速度違反があり、中には、法定速度を138キロもオーバーし、198キロで走行する車もあった」
 といったことがリアルにショッキングにわかり、交通安全、事故防止に役立つはず。どういう施策をとればいいか、適切に検討できるはず。わかったから、施策の1つとしてオービスを設置したわけだ。
 だが、警視庁も宮城県警も(というか警察庁の意思だろう)、そのデータを出さない。出すけど、各時間毎の合計台数だけしか出さない。それ以外の部分はぜんぶ墨塗り。
 オービスの設置場所を特定されると、設定速度(これ以上だと撮影するよという速度)がわかってしまい、取締り逃れが容易になり、オービスが攻撃・破壊されるからだそうだ。
 ところが、栃木県警は、「小山市塚崎の国道新4号下り」というところまで特定して、発表した。こぉれは、私からすると、すっごい話なのだ。
 これを参考に、いままでとは違う形で情報公開請求をし、また墨塗りとされたら、いよいよ訴訟をやるか。めんどいから、ヤなんだよね~。

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2008年1月17日 (木)

傍聴初めに開示請求初め

1月16日(水)

 この日が、今年の初傍聴、傍聴初め。
 15時から728号法廷と534号法廷と2件重なってるよ~。と思ったら、534号のほうは13時10分からだった。がーん。手帳を新しくして間違えたようだ。

 728号のは、12月5日に第1回を傍聴した、東京都江戸川区西瑞江の、環状七号線内回りの三菱電機RS-2000による、50キロ超過(測定値100キロ)、の否認。「エンジンが止まりそうで必要以上にふかしたのだから刑事責任はない」(?)という、ま、珍しい事件。
 車は、被告人の知人所有のトヨタ・センチュリーだそうで、ディーラーの副店長兼工場長を証人尋問。
 この人は、知人(お客)から直に話を聞いたことも、知人を同乗させての試乗をしたこともなく、整備歴を見て整備士の話を聞いて法廷へ来たのだそうだ。あんまり意味ないような。まぁ、整備歴(12枚)の真正立証、という意味はあるんだろうけど。
 次回、そのセンチュリーをいちばん運転しているその知人を尋問することに。
 検察官は前回は町井裕明さんだったのに、今回は今井重夫さん。どっちかというと暗い感じの役人風。
 面白かったのは、その今井検察官と被告人とのやり取り。
検察官 「××さん(次回の証人)に一切連絡しちゃダメですよ」
被告人 「(××さんと)プール毎日行ってるんで」
検察官 「この事件について話しちゃダメですよ」
 そこまでは、まぁ、いいんだが、閉廷して被告人が帰りぎわ。
検察官 「(弁護人に)弁護人からもよく言っといてくださいね、被告人と××さんと話さないように、事件のこと」
被告人 「わかりました! (マジ怒って)1回聞きゃわかるよ! そんなこと!」
 私は可笑しくて。検察官は、事前にがっつり証人テストをやるので、被告人のほうも同じように事前に証言を固めてくるかと心配になったんだろうか、なんつって。

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 地裁と高裁と簡裁の開廷表をチェック。
 医師法違反(『漫画実話ナックルズ』でもやってたリタリンの事件)とか、猫殺しの事件とか、今年も早々といろんなのが入ってる。
 警視庁へ寄り、開示請求初め。新春早々、誤記・脱記の連発で(とほほ)。警察庁へ寄り、年始のご挨拶。

 1月2日にデパートのバーゲンで買った高価な衣装でせっかく出かけたのに、サラリーマン風だと、3人から言われてしまった。ええ~っ? そんじゃ私は何風が狙いだったのかといわれると、困ってしまうわけだが、う~ん、素敵なオジサマ風?
「被告人は自分をよく見つめ直して、社会に出たら地道に働くんですよ」
 とか言われそう。

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2008年1月11日 (金)

秋田オービス逆転有罪

 9日23時30分、新宿西口発の高速バスに乗り、10日5時頃、仙台着。
 ネットカフェで休んでから、仙台拘置支所へ。
 「北陵クリニック事件」の守大助さんに面会。
 4番面会室で聞いた内容は、別の機会に。

 同日14時15分から、仙台高裁で、例のオービス事件の判決。
 逆転有罪とされるかどうか、もしも賭けの対象になるなら、全財産を逆転有罪に賭けていいっつーくらいのもんで、これ、もしも「オービスが負ける可能性が1%くらいあるんじゃないか」と思ってた人がいるなら、どうかしてるよっつーくらいのもんで…。

 毎日新聞の記事に、

 1審は罰金を命じたが、2審の仙台高裁秋田支部は「測定値が正確だと認める証拠が不十分」として原判決を破棄。最高裁第1小法廷が昨年4月、審理不十分として2審判決を破棄、審理を差し戻していた。

 とある。「測定値が正確だと認める証拠が不十分」。そのとおり。
 仙台名物・牛タンにたとえれば、本件は、「牛タンじゃなくて豚タンじゃないの?」という事件であり、被告人は肉のDNA鑑定を求めたところ、一審でも二審でも、検察は、頑として業者のカタログとセールストークしか出さず、そしたら二審は「牛タンだと認める証拠が不十分」と判決したのだ。
 で、今回の仙台高裁の差戻し審は、検察が、いつもより多めにカタログを出し、業者の証言専門社員を呼んで多めにセールストークさせたので、「はい、十分な証拠が出ました。審理は尽くされました。これは牛タンです」と判決した、そういうことになる。

 守大助さんを無期懲役とした判決も含め、こういうのは法律がどうこうではなく、心理学、精神分析からの検討が必要なんじゃないか。
 「司法心理学」の立場から弁論する…そっちのほうが現実的かつ有効ではないのかと、新しいことを思った。

 じつは3月に私は、角川書店から新書を出すことになってる。
 そのなかに、このオービス事件のことも書く。
 帰りのバス(17時仙台発)でだいぶ寝たので、朝まで原稿書けるかと思ったが、やはり疲れは深いようで、とりあえず寝ます。
 しっかし高速バスは、足が浮腫(むく)むね。
 往路はそうでもなかったが帰路は、わりとがぼがぼの靴なのに、足が入らなくて入らなくて、誰かが靴をすり替えたかと思ったよ。歳のせいか? ぎょっ。

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2007年12月 8日 (土)

女性大学院生のバイクが27回オービスに

速度違反27回 女性大学院生検挙
オービス画像「バイクでも徹底的に追跡」/鹿県警

(12/07 14:38)
 鹿児島県警交通機動隊は7日までに、鹿児島市吉野町の国道10号で、制限速度60キロを40キロ以上超えるスピード違反を27回バイクで繰り返したとして、道交法違反(最高速度)の疑いで、霧島市内の女性大学院生(25)を検挙した。国道には速度違反車両を撮影し取り締まるオービス(高速走行抑止システム)が設置されていたが、大学院生は「バイクなので大丈夫だと思っていた」と供述しているという。
 同隊によると、バイクは前にナンバープレートがないため、摘発されないという認識を持っている人が少なくないという。撮影画像の分析や聞き込み捜査などから大学院生を特定した。

 と12月7日付け南日本新聞(上掲はその一部)。
 こういうのは、ときどきあるよね。
 けど、27回というのは、かつてなく多い。
 「女性大学院生」というのも、目をひく。
 記事自体も長い(文字数が多い)。
 その他、マニア的にこの報道を見ると…。

 「高速走行抑止システム」という名称を出したのは、珍しいんじゃないか。
 拙著の読者ならおわかりのように、これは三菱電機のRS-2000、レーダ式で画像伝送式、オービスマップでは「新H」または「H」と表記されてるやつだね。

 「検挙」とある。逮捕じゃない。
 被疑者は、全違反を素直に認めて反省し、自供し、かつ身元もしっかりしていたので(議員や首長の親族だったのかもしれない)、逮捕まではしなかったんだろうか。

 「バイクなので大丈夫だと思っていた」とは、どういう意味なのか。
 単純に、前にナンバープレートがないから、というだけの意味なのか。
 あるいは、オービスはバイクに反応しない、との情報をどこかから得ていたのか。
 レーダ式だかループコイル式だか、あるいはその両方だったか、いまちょっと忘れたが、メーカー社員の法廷証言によれば、小さいバイクにはオービスの測定センサーは反応しない(ことがある)んだそうだ。
 記事は「オートバイ」ではなく「バイク」としている。
 大きいのはオートバイ、小さいのはバイク、という分け方をする場合もあるようだ。
 でも、小さいバイクで100キロ以上出せるのか。
 ま、普通に想像すれば、前にナンバープレートがないから、というだけの意味だったんだろうね。

 彼女の刑罰はどうなるのか。
 40数キロ超過1件だけなら、略式で罰金7万円くらいだろうか。
 2件だと、併合罪だけども、1件ずつの合計で14万円、という運用をしているようだ。

「確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする」(刑法第45条前段)

「併合罪のうちの二個以上の罪について罰金に処するときは、それぞれの罪について定めた罰金の多額の合計以下で処断する」(刑法第48条2項)

 けど、27件はどうなるのか。
 27件に7万円を掛けたら、189万円。うわぉ!
 略式で処理できる上限の、100万円にするんだろうか。

「簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、百万円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる」(刑事訴訟法第461条)

 あるいは、悪質だってことで、公判請求して懲役刑(上限6月)を求刑し、執行猶予を付すんだろうか。
 どっちにしても、27件全部を起訴したら、書証はたいへんな量になる。起訴は一部にとどめ、迅速に処理するんだろうか…。

 ワタシ的に気になるのは、27件のうち1件くらい、誤測定があったんじゃないかってこと。
「あっ、光ったばい! 撮られたぜよ! でも、そんなにスピード出しとらんかったばってん?」
 ということもあったんじゃないか(方言メチャメチャ? ごめんなさい)。
 あったとして、しかしそれを言えば、逮捕され、言い続ければ、公判廷で罰金刑または執行猶予付きの懲役刑が言い渡されるまで長期間、勾留されることになるんじゃないか…。

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2007年12月 6日 (木)

北陵クリニック事件、逆転無罪か!

 4本目の原稿を仕上げて高速バスに駆け込み、朝5時頃、仙台駅付近着。
 アイカフェのマッサージ椅子で『月刊現代』の裁判員制度についての対談など読み、9時頃裁判所へ。
 木曜日は、いわゆる交通裁判所は、営業してないのね。

 9時40分から、仙台高裁・刑事1部(木村列裁判長)404号法廷で、「ストーカー行為等の規制等に関する法律違反、有印私文書偽造・同行使、電磁的公正証書原本不実記録・同供用」の判決。
 国選弁護人が、なんと阿部泰雄弁護士。こんなところでお会いするとは、びっくり。いや、こんなとこって、ここは阿部さんの地元なわけで。
 被告人は不出頭。控訴棄却。当審における未決60日算入。
 なんと司法書士が、被害女性の郵便物を取るため郵便局に勝手に転居届を出したり、青葉区役所に勝手に婚姻届を出したりしたという事件だった。司法記者らしき若い男性たちがたくさん来てた。

 9時57分閉廷。
 1階へ降りて久しぶりに阿部弁護士とお話。
 現在は最高裁の判断待ちの北陵クリニック事件、筋弛緩剤による病変ではないことはすでに明らかだったわけだが、じゃあ、何による病変なのか、完全に解明されたという。
 あの一審無期懲役のときの裁判長・畑中裁判官は、今回私が傍聴に来たオービス事件(差戻し審)の原審である仙台高裁秋田支部で感動の公訴棄却(実質無罪)判決を書いた裁判官なわけだが、畑中さんは、なぜ北陵クリニック事件で無期懲役を書いたのか、カギは当時の左右陪席にあるらしい。
 あの左右陪席裁判官らが、当時仙台地裁へ移動する前に、どこにいて、その後どこへ行ったか、非常に興味深い。守大助さんを逮捕したときの宮城県警本部長は、逮捕から間もなく警察庁へ戻り…。
 ところで、いま東京高裁の刑事2部にいる安広(安廣)文夫裁判官は、遠藤事件(最高裁で逆転無罪)のときの最高裁の調査官だったんだよね。私は何度も傍聴してるのに、そのこと忘れてた。

 小一時間ほど話し、11時から同じ法廷で、いよいよオービス差戻し審の第3回公判。
 双方の弁論要旨の提出を確認し、年明けに判決と決め、2分で閉廷。うきゃ~。
 でもいいのだ。これはオービス無謬神話の歴史に残る裁判なんだから!

 それらの詳細と、午後のことは、1月20日発売の『ドライバー』で書くことにしよう。
 ともあれ、本日は“俺ミシュラン”で★★★の立ち食いそば屋にて蕎麦湯割りを飲むことなく、新幹線で帰京したのでした~。

※ http://www.news.janjan.jp/living/0705/0705024800/1.php
※ http://www.news.janjan.jp/living/0712/0712066763/1.php

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 帰京してみると、
http://ime.nu/ko-tu-ihan.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_11e5.html
http://plaza.rakuten.co.jp/0709hounddog/diary/200712050001/
 この2つのページからのアクセス数がやたら多かった。
 12月5日に大友康平さんの裁判に触れたせいだ。
 やっぱ芸能ネタは強力なんだねぇ。芸能ネタでアクセス数を増やしアフィリエイトで儲ける…っておい! 当ブログのアフィリエイトはどうなってんだ!? んだけど、どうすりゃ現金化できるのか、よくわかんないんだよぉ(泣)。

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2007年12月 5日 (水)

エンジンが止まりそうで後続車に迷惑をかけないようふかした…

 11月末までと言われていた残り4本の原稿の、3本目を未明に送信し、4本目を半分ほど書いて裁判所へ。
 14時20分から東京簡裁728号法廷(長坂和仁裁判官・町井裕明検察官)で、道路交通法違反の新件。

 その前に、民事の611号法廷で、ハウンドドッグの大友康平さん関係の損害賠償請求訴訟の、証拠調べ(本人・証人)があると、某氏から携帯メールで連絡をもらい、ちらっと611号法廷へ。
 原告(法人)の社長らしき人を尋問してた。
 傍聴席に、普段の傍聴席からすると異質な人たちがいて、メモを取ってた。1人は帽子をかぶってた。刑事の法廷じゃ考えられないことだ。

 10分足らずで出て、階段と廊下で728号法廷へ向かう。
 728号法廷に近いエレベータから、ちょうど団体(黒いスーツの若い男女)が出てきた。げっ、ああいう団体は気まぐれで、どこへドドッと入るかわからない。728号法廷を埋められたら、かなわん!
 と急いで728号法廷へ入ったが、団体は来なかった。…と思ったら来た~! でも7人のみ。分散したらしい。そうそう、小人数で分散してくれるといいんだよね。引率者の指示なんだろうか、出来た人物に違いないっ!←どんだけ勝手なことをほざくんだ(笑)。

 事件は、東京都江戸川区西瑞江の、環状七号線内回りの三菱電機RS-2000による、50キロ超過(測定値100キロ)。
 被告人(在宅)は、白髪混じりのきちんとした短髪のオジサン。会社を経営しているそうだ。
 弁護人は、たしかときどき見かける人。だいぶ高齢そうだが、グレーのダブルのスーツは仕立てが良さそうで、ネクタイもカフスもしゃきっとお洒落。ただ、耳が遠いのだった。

 罪状認否。
被告人「速度オーバーの件は、そのとおりだと思います」
裁判官「ほかに?」
被告人「要するに、その速度オーバーをした原因ですね」
裁判官「簡単に言うと、どういうことですか?」
被告人「エンジンがストール…エンスト状態になりそうで、必要以上にふかしたということで、トヨタの工場に再三言ったんですが、原因がわからないとのことでした」
 だから情状を酌んでほしい、というのだろうか。
 法律的にどうこう言うと、面倒な裁判になるが…。
裁判官「弁護人、ご意見は?」
弁護人「被告人の刑事責任はないというのが、被告人の主張の趣旨ですので、そういうふうにしておきたいと」
 とりあえず面倒コースなのだった。
 こういう否認の理由は初めてかと思う。マニアとしては非常に興味深い。

 年明けに、トヨタの整備の人を誰か証人尋問することになった。
 その期日は、先に、争点を整理するための被告人質問を簡単にやるかもしれない。
 14時45分閉廷。

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 腹へった。この時間ならまだ、農林水産省のそば食堂が間に合う。
 急ぎ裁判所を出て、カレー蕎麦大盛り320円を食べ、一服等して、611号法廷へ。
 社長らしき人の尋問は終わり、大元康平さんを尋問してた。
 「マザー」を辞めたら他のメンバーはどういうことになると思っていたのか、との趣旨を原告代理人(だと思う。以下同)は詰問調でくり返し迫り、大友さんは答に詰まり、一見、大友さんがやりこめられてるように見えるのかもしれないが、でもどうなんだろう、大友さんの考えと、原告代理人の尋問が、噛み合ってないというか、イエスかノーか分けられないところをイエスかノーかで答えろとくり返し詰め寄ってるような、そうやって裁判官に対する相手の心証を悪くさせるテクニックが、民事の弁護士の間では確立されてるんだろうか、とかぼんやり思ったス。
 大友さんは渋い声で、髪を、なんつーの、左右から後ろのほうへ水平に流して固めたような、そんな髪型をしてた。うむぅ、私もマネようか。いや、髪を固める薬が、頭皮に悪いかもしれない…。
 なーんて、事件自体をよく知らないヤジウマは、つまんないことを思うのでした(笑)。

 今日は夜行バスで仙台高裁へ出発する。それまでに4本目の原稿を仕上げねば。と16時前に途中退出。
 1階ロビーで、先日100円を借りた娘さんにばったり会い(そう、やっぱ借りたのよ。もちろんもう返したよ、景品をつけて。ありがとね)、今日は傍聴に来た事件が流れて哀しいと言うので、じゃあ611号法廷へ行っておいでよと…。

 さて、明日12月6日、午前9時45分からのオービス事件の判決、11月15日に書いたように、どなたか傍聴してくれないかなぁ…。傍聴&報告してくれると、うれしいなぁ…。

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2007年11月15日 (木)

検察官はそもそも立証する気がない

 またもギリギリまで原稿を書き、今日は絶対に遅刻は許されないぞと、いつもどおりの早めの電車に。

 15時30分から、東京簡裁・刑事1室2係(後藤征弘裁判官・町井裕明検察官)826号法廷。中央道下り杉並区上高井戸2-18付近の、三菱RS-2000による69キロ超過(測定値129キロ)。
 第1回は7月17日
 第2回は9月4日。菅井宗一さん証人尋問。
 第3回は10月4日。被告人質問。
 そして今日、第4回公判。論告・弁論。

 検察官による論告は、ま、いつもどおり。
「写真の正確性は、製造元である三菱電機、菅井証人の証言から明らか」
 と、簡潔に断言してた。
 へぇ~、三菱って、無辜の何万、何十万の国民を長年にわたり有罪・前科者にしてきたことに気づいたとき、ぜんぜんバレてなくても、確たる証拠をつかまれてなくても、自ら法廷で正直に告白する、素晴らしい企業だったのか、へぇ~、と思ったス。
 いや、べつに町井さんがバカとか言ってるわけじゃない。
 これはもう、何ていうんでしょ、普通の組織人たる個人にはどうにもならんことなんだろうと思う。こんなことで偉そうに人様をバカ扱いする類のバカでは、私はないつもり。私はもっと別の類の大バカだにょ~(笑)。
 求刑は相場どおり罰金9万円。

 で、被告人の弁論というか陳述というか、これは凄かった(弁護人ナシ)。
 メモを見ながら、学生に講義するように、学会で意見発表するように、述べた内容に、私は感動したよ。もう5年ほど東京簡裁へ通ってオービス裁判を見続けてるが、これほど凄い最終意見を聞いたことがない。
 オービスの事件の本質を、非常に冷静で客観的で能率的で誠実な、学者の立場から、ズバリ突いてしまった、とでもいうのか。
 かなりメモできたので、あとで雑誌でレポートしよう。

 結論部分だけ簡潔にいえば、こうだった。
「検察官は立証が十分でない。そもそも立証する気がない」
 そのとおりなのだ。どの事件でも、そうなのだ。
 なるべく手持ちのものは出さない、立証しなくても裁判所は有罪にしてくれるなら、立証しない、ということを超えて、おそらく、オービスの正確性・信頼性は立証できないのだろうと思う。

 判決は、12月6日午前9時45分から。
 10時から別の期日が入ってるそうで、遅くとも10時には終わるだろう。
 だぁが! その日は、仙台高裁のオービス事件の論告・弁論なんだよねぇ!
 傍聴席で、「6日はダメぇ~!」と両手で×印をつくりたかったけど、そうもいかず(笑)。
 6日は私は仙台へ行く。
 東京簡裁826号法廷のこのオービス(RS-2000)の判決、どなたか傍聴してもらえないだろうか。

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 12月6日の判決は、被告人には申し訳ないけれど、
「主文、被告人を罰金9万円に処する。その罰金を完納できないときは、1日を金5千円に換算した期間、被告人を労役場に留置する。訴訟費用(菅井証人の交通費と日当)は被告人の負担とする」
 これ以外にないだろうと思う。
 判決の理由は、
「本件起訴事実は、当法廷で取調べた関係各証拠により、その証明は十分である。それに関係法令を適用して主文のとおり判決した」
 であり、被告人の否認に対する裁判所の判断は、要するに、
「三菱電機作成の原理説明書、確度点検(定期点検)の成績書、菅井証人の証言などにより、本件装置の性能・機能はこれこれであって(ここを長々説明、というかメーカーの言い分を丸写し)、装置の信頼性は十分に認められる。被告人が縷々(るる)述べるのは一般論であって、本件測定時に何らかの誤作動が生じたとの合理的な疑いを抱かせる事実はない。129キロも出していないという被告人の主張には何ら裏付けとなるものがない。そうすると、本件測定値は正確だったと認めるほかない」
 という趣旨のものになるだろうと思う。
 普通の裁判官なら、当然にそう判決するだろうと思う。

 しかし、果たしてそのとおりに後藤さんは述べるのか、どんな表情・口調で述べるのか、裁判官としてではなく人間として、後藤さんはオービス無謬を信じ込んでいるように見えるか、判決とは別にどんな説示をするか、そのへんの機微をしっかり見てメモしてきてほしいのだ。って注文、多すぎ?
 ま、もしも時間があればってことで、ゆるゆると、よろしくお願い申し上げますぅ。

 以上、縷々述べた予測が、どっひゃ~ん!! と裏切られる可能性は…あり得ないと思うんだけど…世の中、あり得ないと思うことが…いや、でも、さすがにこればっかりは…いやいや、でもでも…でもでも、いやいや…もう寝よ。

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2007年11月 8日 (木)

東京簡裁2件目の公務執行妨害

 6日(火)、高速バスで仙台へ行き、秋田のオービス事件の、差戻し審の第2回公判、を傍聴してきた。
 一口でいえば、オービスが正しいと言い張るのはメーカーだけであるなかで、
1、メーカーのカタログとセールストークに、直ちに破綻は見出せない(当たり前だよ)
2、普通の乗用車の運転者には、無実の証拠がない(当たり前だっつーの。笑)
 この確立された採証法則により、つまり、いつものように、有罪にしようとしているらしいことが、ひしひしと感じられた。

「無罪とすべきは無罪に」
 それを刑事裁判に求めるのは、肉屋(魚屋)で魚(肉)を求めるようなもの。
 たまに、変わり者の肉屋(魚屋)が魚(肉)を売ってくれることもあるが、その肉屋(魚屋)はいずれ店を閉めざるを得ないことになる。またはもうすぐ店を閉める肉屋(魚屋)だけがぽろり魚(肉)を売る…。
 そんなものも感じたよ。
 でも、悲観も絶望もべつにない。だからこそ、面白いのだ。
 詳しいことは、次回締切りの『ドライバー』に書くです。

 7日(水)は、朝一から東京の裁判所へ。
 11時15分、簡裁に公務執行妨害の新件が入っており、昨年5月末に公妨(と窃盗)に罰金刑の選択肢が設けられてから、簡裁の公妨は2件目のはず。やった! もしかして駐車監視員への公妨か!? と、高速バスでチョー寝不足の体にムチ打って、てゆっかわくわく出かけたのに、行ってみたら流れてた(取下になってた)。
 が、こればっかりは仕方ない。
 取下になったということがわかっただけも、マニア的には大収穫だ。
 いろんな人に会っていろんな話を聞きもしたし。
 偶然たまたま、世田谷リサイクル条例違反の、検察官控訴の控訴審第1回に出くわしたし。
 以下、ものすごーく簡単に、私の備忘録として。

 10時から、10月31日に第1回を傍聴した詐欺(日高屋(?)でのレモンサワー230円の無銭飲食)の判決。
 懲役1年、未決算入30日、執行猶予3年。

 10時からの窃盗の新件を、途中から傍聴。
 万引。それなりに大きなオモチャを、隠すこともなく持って店外へ出ようとしたんだそうだ。
 被告人は、目をパチパチさせつつ、他人の話にかぶせて早口でやたらしゃべる(しかし問い詰められると黙ってしまう)、だいぶ変わったタイプ。
 岩垂正起裁判官とのやり取りが面白かった。
 懲役1年2月、執行猶予3年。

 それが長引き、10時30分からの予定が10時47分から、窃盗未遂の新件。
 スリ未遂ではなかった。
 住宅の新築現場で、グラインダーとブロワーを盗もうとして警察官に発見された事件。
 被告人(身柄、拘置所。前科24犯)は、73歳だという。
 73歳なのに、じつにしゃっきりしっかり、していた。
「なまじ元気で、気持ちが枯れてない」
 と岩垂さん。そのやり取りが、じつに面白かった。
 「面白かった」って、小学生の日記のようだね、ごめんね。
 住所不定だと生活保護を受けられず(少なくとも役所の担当は申請を蹴り)、何かやって捕まり刑務所で生活するしかないのだ、というのは、関係者以外はみんな感じてるんじゃなかろうか。
 貧富の差(=最後は刑務所で保護されるかしかない人がどんどん増える現実)を、止めるつもりがないなら、刑務所の施設乃至あり方をどう変えていくか、真剣に考えなきゃいけないんじゃないの? セレブの豪邸を見てキャーキャー喜んでばかりいると、足下の崩れは取り返しのつかないことになるのでは?

 高裁で、11時30分からの偽証(珍しい罪名)を、39分から傍聴。
 強制わいせつで公判請求された息子の裁判に、証人出廷し、たぶんアリバイがあることを証言したんだろう母親が、偽証だとされて公判請求され、無罪となり、検察官が控訴した事件らしい。
 3人の弁護人の1人は、村木一郎さん。私の初めての単行本の監修をしてくれた弁護士さんだ。
 ここでCM入りま~す。

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 13時15分から、地裁(津田敬三裁判官)で窃盗未遂の判決。
 複数人で共謀してボッタクリをやり、奪ったクレジットカードでカネを引き出そうしたが失敗、という事件。
 ま、これはね、人にはいろんな表情があり、シチュエーションによって見え方が大きく違う、ということを承知のうえで言うのだが、被告人は口をとがらせ、狡くて悪そうな表情だった。
 顔面が上向きで、相手を見下ろす以外の目つきはできない。これを、背骨を歪めて続けると、人生だいぶ変わってくるかも、悪いほうに。
 懲役2年、執行猶予4年、保護観察付。

 13時30分から、高裁のほうで世田谷リサイクル条例違反の控訴審(検察官控訴)の第1回。
 被告人は3人。事件番号は連番で、併合審理。
 うち2人は、堀内信明裁判官(元東京簡裁刑事1室3係)が無罪にした被告人だ。
 検察官請求の書証を取調べ、弁護人の証拠請求は却下し、次回判決。
 この事件、被告人は複数いて(何人だっけ)、一審は有罪と無罪に分れた。
 堀内さんの無罪判決が、
「これだけ見れば有罪だが、あれもそれも考えれば有罪は躊躇せざるを得ない」
 というものであるとすれば、日本の裁判は、
「有罪とする理由が1つでもあれば、有罪だ」
 であるといえる。逆転有罪は間違いないだろう。堀内さんもそれは承知だろう。

 もうこれで帰ろう、もう寝よう、と思ったのだが、来週の開廷表をチェックしてるうちに14時をまわり…。
 14時30分から高裁・刑事9部・805号法廷で、判決をずるずると連続5件傍聴。

 強盗致傷、有印私文書偽造、同行使、詐欺、大麻取締法違反
 控訴棄却、未決60日算入。原判決は懲役8年(求刑10年)。

 強姦、群馬県青少年保護育成条例違反、栃木県青少年保護育成条例違反
 控訴棄却、未決80日算入。原判決は懲役5年(求刑7年)。
 元教師で、12歳の教え子と5回にわたり性交を、他の少女と19回にわたり性交乃至わいせつ行為をしたんだそうだ。

 住居侵入、強姦致傷、強盗、強姦、強制わいせつ致傷、窃盗、強制わいせつ
 控訴棄却、未決50日算入。原判決は懲役18年(求刑20年)。

 強姦致傷
 原判決破棄、懲役3年、未決90日算入、執行猶予4年。
 原判決は懲役3年6月(求刑は5年)。
 交際中の男女の諍いが原因の事件で、原判決後、300万円を払って示談が成立したそうだ。

 窃盗
 控訴棄却。未決50日算入。原判決は懲役1年(求刑は1年6月)。
 万引で懲役2年6月、執行猶予4年の判決を受けてから、2カ月もたたないうちの万引だそうだ。
 被告人が再び手錠・腰縄をつけられていく姿を、父親らしき男性が立ってじっと見ていた…。

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2007年10月 5日 (金)

午前はオービスⅢLk 午後はRS-2000

10月4日(木) 

 10時45分から東京簡裁826号法廷(後藤征弘裁判官・町井裕明検察官)で、首都高・湾岸線・東行き・羽田空港3-3の、オービス51キロ超過の第4回公判。

 前の窃盗(長野から上京し1週間で20回万引とか。市役所1カ所で500円もらえるんだそうだ)がえらく長引いて、11時7分から始まる。

 まず後藤さんが、
「オートクルーズの作動の関係については、異常ないと、その点はいいんですね? オービスが正しく作動しなかったことが争点でいいんですね?」
 と被告人に念を押した。
「はい」
 と被告人。
 これは、判決に、「被告人はオートクルーズが正常に作動していたと勘違いした」旨、書けるかどうか、確認したんだろうね。

 町井さんの論告は、遅れた時間を取り戻そうとしてか、チョー早口。
 でも結局、オービスの正確性は、具体的で合理的な森成(オービスⅢのメーカー東京航空計器の社員)証言により間違いなく(笑)、被告人の弁解は「虚偽の弁解」なんだそうだ。
 求刑は相場どおり、罰金8万円。
 ただ、続けて珍しいことを、力を込めて言った。
「訴訟費用の全額を負担させるのが相当と思料します」
 「全額」の部分が珍しい。
 アフターサービスの一環として法廷へ出てきたメーカー社員の、交通費と日当も被告人に払わせろってことだ。
 力を込めたのは、オービスの正確性を認める論法が、いかに馬鹿馬鹿しいか、明らかだから、なんだろう。
 声の大きさで、虚ろな偽りは隠せないのに。

 弁護人の弁論は、ズバリ簡潔だった。
 走行試験では、撮影(写真への測定値の焼付け)は行わないこと、測定した速度は端末装置には残らず、端末装置と中央装置の照合はまったく行われていない(立証が尽くされていない)こと、をズバリ突いた。
 つまり、オービスってやつは、メーカーの言い分を全部鵜呑みにしたとしても、写真に焼きつけられた測定値が正しいことの裏付けが、まったくないのだ。
 これで人を有罪・前科者にしようなんて、狂ってるとしか言いようがない。

 被告人の最終陳述はこうだった。
「今回の装置は、ほんとに記録のない装置だなというのがわかりました。ですから、ほんと、記録のある装置で、こういう違反を裁いてほしいと思います」 

 次回判決。
 ま、メーカーの言い分を全部鵜呑みにしたうえで、「本件測定の誤作動を格別疑わせる事情は認められない」との論法で、罰金8万円だろう。
 その論法がいかにバカげているかは、10月20日発売の『ドライバー』に書いた。
 はい、ここでCM入りまーす。

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 午後は、東京高裁で2件傍聴してから、原告:黒木昭雄さん、被告:北芝健こと■■■■さん、の損害賠償請求訴訟の本人尋問(!!)、を途中で出て、午前と同じ826号法廷で15時から、別のオービス事件の第3回公判。被告人質問。

 10分ほど前に入ると、傍聴席はすでにほとんどぎっしり。
 警察・検察やメーカーの関係者ではなさそうな感じ。
 簡裁の道交法違反の審理に、なんで!? ナゾだ…。

 この被告人質問は、非常に見応えがあった。
 こんなの見たことねーよ! だった。
 被告人は科学者(大学の先生)だけあって、お見事、に尽きる。
 午前の弁護人の弁論といい、オービス無謬神話が揺らぎ始めたな、と感じさせる。
 この2件、八丈島簡裁へ行ってしまった浅見牧夫さん、令状の係へ移動になった堀内信明さん、そしていま東京簡裁の別の係で公判を担当している岩垂正起さんが扱ったら、もっと揺らぐんじゃないかと、傍聴マニアとしては思う。
 いや、後藤征弘さんではダメ、と言うのじゃないよ。
 だって、後藤さんはまだ(東京簡裁で)オービス事件の判決を書いてないんだから。
 次回は論告・弁論。

 終わって私はさっきの民事の法廷へ…。

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2007年9月 5日 (水)

自社製品のアフターサービスの経費を国に請求するのか三菱は

9月4日(火) その3

 路線バス内での痴漢の新件を傍聴したのち、15時00分から、今日のメイン、東京簡裁826号法廷(後藤征弘裁判官・町井裕明検察官)で、7月17日に傍聴したオービス事件三菱RS-200069キロ超過)の第2回公判。

 三菱電機、現在はITシステム部品管理課・課長補佐の菅井宗一さん、を証人尋問。
 菅井さんにお会いするのは久しぶりのような気がする。
 東京簡裁のスピード違反の否認事件は、東京航空計器のオービスⅢが多く、森成昭治さんとその部下たちは、よく証人出廷するのだが…。
 いや、全体に、オービス否認事件(法廷でも否認を続ける事件)は、一時期に比べれば減ってるんだよね。
 一時期は、ほんと、534号、728号、826号の3つの法廷で、5つくらいのオービス否認事件が同時進行してたもんねぇ。

 町井さんの主尋問は、25分ほどで終わった。
 そのなかで、
「レーダアンテナから52~42mの範囲に車がある限り、測定し続ける3回の値が一致したときに、それを車の速度とする(測定値とする)」
 という趣旨のことを言わせていた。
 つまり、複数回の測定を行い、慎重・確実に測定値を得ている、というわけだ。

 だが、たとえば、100キロが2回、120キロが2回、140キロが3回のとき、140キロを測定値とするのか、そもそも測定値とした3回の測定以外の測定で、何キロが何回あったのか、そういうことは一切わからない。
 そんなものを、「3回測定した」とは言わないんじゃないの?
 「3回測定したと称する値を、1回出した」と言うべきじゃないの?
 でもまぁ、それは大した問題ではないのだろう、と私は思う。
 というか、例の撮影位置のことで、その問題はおおむねクリアされるだろう(反則・非反則で公訴棄却がからむときは別。って専門的な話でごめんね)。

 大事なのは、3回測って1回出したその測定値が、間違いなく写真に焼きつけられたのか、そこんとこの確認、検証、裏付け、チェックが、一切ないことなのだ。
 オービス事件において、被告人車両の速度とされる唯一の数字は、写真に焼きつけられた数字(記号)のみであり、それ以外に一切なにもないのに。
 このことは、私からすると、信じられない話だ…。

 本件は弁護人がいない。
 被告人が反対尋問を行った。
 被告人は、大学の物理学方面の教員(科学者)だそうで、他の事件の弁護人とは、だいぶ趣(おもむき)の異なる尋問をしてた。
「(菅井証人の)言ってらっしゃることが非科学的と思えるんですが…」
 とも言っていた。
 なるほど、機械装置を用いて測定するのだから、その測定値が正しいとする理由は科学的のはず…。
 でもね、それは違うのだ。
 これは、科学ではなくて、刑事裁判なのだ。
 警察官、検察官が誤った検挙・起訴をするはずがないという前提のもと、紙のうえでそれなりの理屈が立てば(立っているように見えれば)有罪にする、国家の秩序を保つ(保ったかに見せる)、それが刑事裁判なのだ。
 科学ではないうえ、真実を追求するとか、検察が無辜(むこ)を処罰しないようチェックするとか、そういうものでさえないのだ。
 そこを、被告人は勘違いしているように、どうも思えた。
 ま、勘違いするなと言うほうが無理、つーか真っ当な国民ならみんな勘違いするよね。
 私? オービス裁判を何十件か傍聴し続けてきてた私は、何なのか(泣)。

 ほか、突然現れた科学者がかき回した、と言っちゃ失礼だが、普段と様子が異なる展開になり、新しいことが出てきて、私としてはいろいろ勉強になった。

 菅井さんは、町井さんの尋問に答えて、
「(オービスに関して)開発、設計から、実際の機器の評価、およびアフターサービスとしてこのような公判対応に関わってきました」
 と言い、尋問が終わって、書記官から茶封筒(裁判所が支給する旅費日当。有罪判決の場合は、被告人が払うことになるのが普通)を、いつものように受け取っていた(これは東京航空計器の社員も同様)。
 アフターサービスの旅費日当を、裁判所(国)に請求して受領するって、どうなの?
 それは、いずれ大問題になるよ。
 警視庁はもう、旅費日当の請求・受領から撤退してること、知らないんですか?
 会社のほうでよく検討するほうがいいと思う…ってこんなアドバイスをしてくれるのは、私だけですよぅ。

 16時15分頃閉廷。
 それから、楽しいことがいろいろあったのだが、オフレコにしとくほうが良さそうと考え、書かない。
 これまでも、書いてない面白いことが、ずいぶんある。
 だって、「今井とざっくばらんに話したことはみんなブログに書かれちゃう」ってことになったら、私は誰からも相手にされなくなるし、それはいいとしても、「今井にはあんなことを話したそうじゃないか。俺にはなんで話さないんだ。けしからん!」とか食いつく輩(やから)も出るだろうし、ねぇ。
 書かないうちに、たいがい忘れる、ま、それで良かろうと思うのです。

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2007年7月18日 (水)

あーっ! あーっ! あーっ!

7月17日(火)

 東京簡裁・刑事1室2係(後藤征弘裁判官・町井裕明検察官)826号法廷。
 10時45分から道路交通法の新件があるので、原稿書きで眠いのを押して行ったわけ。
 10時39分に法廷に入ると、前の事件の被告人質問をやってるところ。
 銃砲刀剣類所持等取締法違反。

 深夜1時半頃、それが犯罪になるとは知らず、奥の方にナイフ(どんなナイフか不明)が入ったカバンを持ち、通行したらしい。
 被告人(在宅)は、後ろ姿と話しぶりから見る限り、ちょっと公務員風とでもいうのか(公務員といってもいろいろだけどさ)、犯罪傾向はまるでない感じ。
 起訴状を持ってる(受け取ってる)でしょ、と裁判官から言われ、
「さぁ…略式っていう…」
 と答えていたところからみて、いったん略式に応じて罰金の支払命令を受けたけれども、金額か何か不服があって正式裁判の請求をしたんだろうか。

 詳しいことは端折るとして、裁判官は、本筋とは関係ないことで、警察官を呼んで確認する(尋問する)と言い出した。
 私は、実質的には、まったくムダな尋問と思えた。
 が、手続き上、というか裁判の儀式性ないし体面を保つため、必要なんだろう。
 被告人は、呼ばないでほしいという。
「また、脅かされるんですね。会いたくないです。このこと(取調べ時にあったことを)言うんじゃねーぞと脅かされたんです」
 被告人は、泣きそうな声になっていた。
 しかし裁判官と検察官は、とっとと尋問の期日を決めた。
 すると被告人は、また言い出した。
「(その期日は)試験が終わったばっかで…試験を受けられないじゃないですか…こんなにイジメて…」
 指定された期日の数日前に、試験があるのだという。
 ここで、町井さんが「裁判長」と手を挙げて立ち上がり、被告人の言い分をさも不思議そうに、こう言ったんだね。
「それでしたら、(被告人が言う試験日は、尋問期日の)前ですから」
 だから何ら問題ないと、涼しげに言ったのである。
 すると被告人は言った。
「そんなことを…僕は…何度も受からないし…もう死んじゃおうか…」
 そうして、上を向き…。

 あーっ! あーっ! あーっ! あーっ!  あーっ!

 すごい声で、泣いたというか、叫んだというか。
 そして、酸素が足りなくなったのかどうしたのか、体がゆらり右側へ倒れだした。
 書記官が支え、弁護人が支え、検察官も手を出し…。
 そして…。

 いやはや、こういうのは初めて見たよ。
 詳しくは『ドライバー』に書くことにしようか…。

 11時8分から、ようやく、道路交通法違反の新件。
 傍聴席でさっきの様子を見ていた男性が、バーの中へ。
 あら、弁護人がいない…。
 起訴事実は、04年9月23日午前2時20分頃の、中央道下り杉並区上高井戸2-18の、三菱RS-2000による69キロ超過(測定値129キロ)。
 被告人は述べた。
「そのとき、私は、100~110キロでした。40キロ台のスピード違反はしていました。今は反省しています。ただし、129キロというのは事実に反します」
 そうして、検察官提出の書証(オービスの否認事件でいつも出すやつ)について、言うのだった。
「これだけで十分だと思っているのか、皮肉じゃなしに、理解できない。これだけしか出てないのは、私にとって有利じゃないかと」
 そのとおり!
 被告人は、こうも言うのだった。
「(こんな書証やメーカー社員の証言でオービスが信頼できるという論法なら)温泉だって爆発しない。ジェットコースターだって転倒しない」
 そのとおり!
 いや~、こういうマトモなことを言う事件に、初めて遭ったよ!

 銃刀法のも含め、こういうことが法廷で行われていると、テレビや新聞からは絶対にわからないわけで、やっぱ傍聴はヤメられない、止まらない。

 それから、農林水産省の地下食堂、国会図書館、警察庁を巡り(疲れちゃって警察庁で数分熟睡)、16時から、7月9日に傍聴した無免許の判決。

 06年9月に無免許で懲役6月執行猶予2年の判決を受け、その約半年後の07年3月の無免許。
 刑務所行きとなれば、娘3人の学費、老母の介護費などで生活は破綻することを、前回の公判で被告人の妻が泣きながら証言したが、前回の公判の途中で車を買い、本件無免許が発覚したのが、急に右折しようとしてバスに急ブレーキをかけさせ、バスの乗客が転倒、ケガをしたことから、であり、知人から借りて持っていた免許証を見せて助かろうとした、というのでは、さすがにこれは懲役4月(実刑)…。

 通称「監禁王子」の求刑は、懲役15年だったそうだ。

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2007年4月24日 (火)

「審理不尽」じゃなくて「立証不尽」では?

 一夜明けて新聞報道を見る。
 原判決破棄・差戻し、の理由(最高裁の言い分)を、各紙こう書いてるのね。

「高裁で検察官の立証が不十分であると考えるなら、オービスに速度のプラス誤差が生じないことを客観的に裏付けるための立証を検察官に促すなど、さらに審理を尽くした上で判断すべきだった」産経新聞

「2審はオービスの速度測定に誤差が生じる具体的な可能性について審理を尽くしておらず、事実を誤認した疑いがある」「オービスの正確さは1審で一応立証されており、不十分だと考えるなら、検察官に追加立証を求めるなどすべきだった」読売新聞

「審理を尽くさず事実を誤認した疑いがある」「プラス誤差は生じないことが一応立証されている」「検察官の立証がなお不十分だと考えるなら、追加立証の請求を促すなど審理を尽くすべきだった」朝日新聞

「2審は審理を尽くさずに事実を誤認した疑いがある」「1審の証拠でオービスの正確性は一応立証されている」「検察側の立証が不十分だと考えるなら、追加立証を促すなどして審理を尽くすべきだった」毎日新聞

「二審判決は審理を尽くしておらず、事実を誤認した疑いがある」秋田魁新報

 たしかに最高裁はそんなふうに言ったのだが、このままだとたいへんな誤解を招くと思われ、私のほうで少し解説しとくです。

 まず、オービスの正確性は「一応立証されている」ってとこ。
 一審(秋田簡裁)、二審(仙台高裁秋田支部)における検察の「立証」は、メーカー(このケースは三菱電機)の取扱説明書などを出したこと、そしてオービスの点検を行った会社の社員に、点検では各部「良」だったと証言させたこと、それだけなのだ。
 そんなもので「一応立証されている」って、あり?
 最高裁が検察に期待する立証責任って、ゆるゆる!
 だから検察も調子にのるのか、そういう立証で有罪にするのを「確立された採証法則」だと上告趣意書でのたまってる。
 4コマ漫画なら、「ずこっ」とか言ってひっくり返っちゃうところ、だと私は思うのだが。

 次に、「二審は審理を尽くさず事実を誤認した」という言い分。
 これ、非常に面白い。
 起訴前から被告人は、「測定値が正しいという、客観的な裏付けとなるデータを出してほしい」と言い続けていた。
 つまり、「審理を尽くしてくれ」と、被告人のほうが言ってたわけだ。
 被告人側の控訴趣意書を見ると、検察立証をめたくそ「促して」るといえる。
 ところが検察は、どうしても裏付けデータを出さなかった。
 そこで二審は、「もぅいーよ、公訴棄却(実質無罪)とするしかないね」としたわけだ。

 被告人側がさんざん立証を促したのに、検察は立証を尽くさず(立証できず)、しょうがないから公訴棄却。非常にわかりやすい話だ。
 それが、最高裁の手にかかると、二審の裁判官らが悪い(誤判をした)かのような形になるって、何なの?

 審理不尽じゃなくて立証不尽…いや、オービスの正確性は立証不可なんだろうと、百何十件かのオービス裁判を傍聴してきて思わざるを得ない。

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2007年4月23日 (月)

オービス最高裁判決 どっちの上告か最高裁は勘違いした!?

 盛り沢山な1日だった。
 06年5月28日から、窃盗と公務執行妨害に罰金刑の選択肢が設けられ、その後、どれくらいが罰金(略式)で処理されたのか、興味津々だったでしょ。
 東京地検管内分の、その件数がわかる、「被疑事件罪名別月表」を開示してもらってきた。
 そのほか、いくつもあるのだが、やっぱ今日のメインは最高裁のオービス判決だわね。

P1010584  15時30分から、最高裁第1小法廷で、3月29日に弁論が行われた仙台高裁秋田支部で公訴棄却判決を食らったオービス事件の、上告審判決!

 15時28分頃に、ウィーンと正面の自動ドアが開いて5人の裁判官が着席してから、撮影。数えた限り5台のTVカメラが来てた。5台かよっ。地裁では、いつも1台なのに。

「主文。原判決を破棄する。本件を仙台高裁に差し戻す」

 ま、それ自体は予想どおりっつーか、こういう事件で弁論を開いて判決を言い渡すからには、それしか普通考えられないわけだが、その理由は何なのか。

「プラス誤差が生じないことは、いちおう立証されており、その裏付けの存在もうかがえる。ところが原審は、検察官に釈明を求めず立証をうながさず…審理を尽くさず事実を誤認した疑いがある…」

 はあ? いちおう立証された? 点検会社の社員が、プラス誤差は出ないとメーカーから聞いている、と言っただけじゃないの?
 その裏付けの存在もうかがえる? 一、二審で被告人は、裏付けデータを求めたのに、検察が出さなかったから、原審は公訴棄却としたんじゃないの?
※ あとで判決書きを読ませてもらったら、「存在がうかがえる」と記された箇所はなかった。不可解。

 ま、この判決書きの評価、および差戻し審の予想、論点などは某番組スタッフ氏にコメントしたし、あとで雑誌でも書かせてもらうとして、ゴメン、みなさん、私、今、とんでもないことに気づきました!
 判決の冒頭は、こうなってるのね。

「上記の者(※今井註:今回の被告人。運転者)に対する道路交通法違反被告事件について、平成18年3月14日仙台高等裁判所秋田支部が言い渡した判決に対し、被告人から上告の申立てがあったので、当裁判所は、次のとおり判決する。主文…」

 ええーっ!? 原判決は公訴棄却(実質無罪)だよ。上告したのは検察でしょ。
 06年9月6日付けの上告趣意書は、仙台高検の検事長・鈴木芳夫さんが書いてるよ?
 5人も裁判官がいて、気づかないか?
 もしかして最高裁は、上告したのが誰か、誤って、判決を出した?
 いや、それは、あり得る話かも。
 オービス測定値が絶対正しいことの客観的裏付けとなるデータ。これは本来、検察官が出すべきもの。が、本件では被告人が求めていた。被告人が求めて、検察官が出さなかった。考えてみりゃ、おかしな話だ。
 最高裁は、どっちが上告したのか、混乱したのかも。
 それとも、
「誤記でした。ごめんね」
 ですむのか、判決をやり直すことになるのか。ええーっ!?

 こういう珍事が起こるところからも、私は、オービス無謬神話の崩壊を予感する。予感したくなる。したい。させて~(笑)。
 いや、冗談じゃなしに、オービスをめぐる裁判は、ここ1~2年、以前とはちょっと様子が違ってきているように感じられるのだ。
 名古屋高裁でも、間もなく、本気の控訴審が始まるし…。

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2007年3月29日 (木)

オービス事件 最高裁で弁論!

070329_122201 この弁論を見逃してたまるか!
 でも、ほとんど誰も興味持たないだろうな。
 でもでも万が一、傍聴人が詰めかけたら…。

 安心半分、不安半分。いや安心9割、不安1割で、12時15分頃、最高裁へ。
 傍聴券の交付待ちがなんと3人も! ほっ(笑)。

 すごく天気が良くて、付近を見物にきたらしき母子らしき2人が、珍しげに我々と、案内(当記事右上の画像)をしげしげ見てたので、
「最高裁が法廷を開くのは珍しいんですよ。せっかくですから傍聴してみてはどうですか?」
 と私は声をかけた。だぁって、ヒマだったんだもん。
 お2人、傍聴することになったyo。
 これで傍聴待ちは6人。

 12時55分、10人が並んだところで、傍聴券交付開始。
 階段を上って建物(石の砦)に入り、貴重品と筆記具以外をロッカーに入れ、金属探知器(羽田-秋田間の空港より敏感)のチェックを受け、職員8人に案内されて、第一小法廷へ。

 傍聴席は、「い-1」~「い-12」の12席が4列、「に-12」まで合計48席。
 両サイドに、小机と手元灯がある記者席が、3席×4列×左右=合計24席。

 傍聴人はだんだんと増え、合計18人になった。記者席には計6人。
※傍聴人は弁論開始から8分くらい後に2人来て、最終的には計20人。

 しっかしこの最高裁の法廷ってのは、見事だよね。
 豪壮、荘厳、重厚とか、すでにある言葉では表現できない、正義や理知をもじんわり感じさせる、異様なほど見事な造りだ。
 学生時代に心理学をかじった者としては、どうしても、内面はよっぽど自信がないんだな? と思えてしまう…。 

 13時29分、正面右奥のドアから若い職員が現れ、ぺこりと礼をした。
「間もなく開廷します」
 ぺこりと礼をしてもとのドアに下がった。
 時刻を告げる自動機械のよう。

 13時30分。正面の大きな扉がうぃーんと左右に開き、5人の裁判官が登場。
 法廷外の壁には、裁判長涌井、横尾裁判官、甲斐中裁判官、泉裁判官、才口裁判官とあった。
 最高裁は、姓しか表記しないんだね。
 ちなみに開廷表は「刑事弁論期日表」というんだね。

 まず、涌井裁判長が検察官に、上告趣意書を陳述することを確認し(民事と同様、陳述したことにして)、
「さらに付加して陳述することはありますか?」
 と。
 「最高検察庁 検察官 検事 水野美鈴」さんが、立って、弁論要旨を読み始めた。
 しかし…。
 要点は、たぶん来週発売の某週刊誌に書くとして、いや~、呆れたの何の。
 口ぱっくり、途中ぷぷっと吹き出しそうになってしまった。
 ツッコミ期待のボケ、ギャグかと思ってしまった。
 原審(仙台高裁秋田支部)判決に対する、何の反論にもなってない。
 百人が百人、万人が万人、「あんた、バカですか?」と呆れ返る内容というべきだろう。
 そんなことを、なぜ堂々と言える?
 裁判所をよっぽどバカにしてるのか、裁判所を検察の保管機関と見なしてるのか…。
 とにかく、原審判決でオービスの根幹(信頼性の裏付けとなるデータが一切なく、あるのはオービスを疑わしく思わせるものばかり)をずばりえぐられ、それでもオービスは絶対だと言おうとすると、ああならざるを得ないのだろう。
 水野美鈴さん、人前であんなもの読まされて、可哀想。
 哀しいね。

 弁護人(職権で付された国選)が、それに対する反論を朗読して、13時55分、涌井裁判長が、
「双方、これでよろしいですか? これをもって弁論は終結します。判決宣告期日は追って指定します」

 ま~、これは、原審へ差戻しになる、というのが一番考えられる線じゃないのかねぇ。
 しかし、本件はじつは、普通じゃ考えられない落ち度がメーカー&警察側にあり、検察は苦戦を強いられるかもしれない、もちろん、差戻し審の裁判官がどんな人物になるか、にもよるが。

 メーカー&警察&検察にとって、いちばん望ましいのは、法律の要件にあわないからと上告を門前払いされ、
「法律手続き上のことで門前払いされたが、秋田支部の判決は明らかに誤判であり、オービス(本件は三菱RS-2000B型)は絶対正しいのだ」
 と言い張ることだったはず。
 東京航空計器のオービスⅢは、92年に大阪高裁で無罪を食らい、検察は上告できずに(だってあっちの事件は無実の証拠があったので)確定したが、メーカーは、
「あれ(確定判決)は誤判だ」
 と言い張り、警察は今もオービスⅢを使い続けてるんだから。

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 オービスについてよくわからない方は、私の本を読んでね。

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2007年3月28日 (水)

秋田の裁判所の開廷表は!

P1010457  27日(火)、秋田へ行ってきたよ。
 公訴棄却を食らった三菱RS-2000B型を見て、被告人にお会いしてきたよ。
 この日の秋田は寒くてねぇ、風がぴゅーぴゅー吹いて、冷え切ってしまった。

 秋田の裁判所ビル(秋田簡裁、秋田地裁、仙台高裁秋田支部など)も見学。
 かけうどん270円。定食480円。←値段を見ただけ。

 何より驚いたのは、簡裁の開廷表ね。

P1010418 予約 変更等
 時        10:30~10:45
 事件番号    平成19ろ8 
 事件名      建造物侵入
 身柄       勾
 被告人      ■■■■
 収容場所    代用刑事施設秋
 弁護人      私 ●●●●
 検察官      ▲▲▲▲
 通訳人    
 通訳言語
 審理予定    判決
 速記等・警備
 係        2係
 書記官     ◆◆
 法廷       第8号

 そんな具合なのだ。空欄は記入なし。
 身柄拘束場所が、代用刑事施設(警察留置場のことなんだろ)か拘置所か、弁護人は私選か国選か、さらには通訳言語まで、開廷表に載せるってことなんだろうねぇ。
 これはびっくり。秋田の傍聴マニアは恵まれてるよぅ。

 宿はダイワロイネットホテル
 ここは良かったス。
 料金は安いほうなのに、ベッドはセミダブルで、全体にチョーきれい。
 なんと、広めのユニットバスのトイレにウォシュレットがついてるではないか!

P1010505  当然、夜は歓楽街をうろうろ。
 しっかし、代行運転だらけなのね。
 20分50円、終日置いても500円という駐車場もあった。
 入った飲み屋は安くて旨くて。
 ニュークラブというのも今回ちらっと初体験。
 これがまた、安いのに良くて、すっかり秋田が気に入ったyo。 

 28日(水)昼過ぎ、羽田着。
 大急ぎで裁判所へ。
 13時10分から東京簡裁728号法廷で、保管場所法違反の判決。
 …のはずが、ないじゃん!
 あとで手帳をよく見て気づいた。げっ、東京地裁708号法廷で、放置違反金納付命令処分取消請求(民事)の判決だったのだ。しまった! なんのために、重い鞄を持って汗だくになって有楽町から霞が関までひーひー歩いたのか。

 13時30分から、東京簡裁・刑事2室3係(坂本昌弘裁判官)728号法廷で、「世田谷区清掃・リサイクル条例違反」の判決。
 事件番号H17(ろ)2039のやつだ。
 この被告人は身柄(拘置所)。
「主文、被告人を罰金20万円に処する。その罰金を完納できないときは…」

 堀内信明裁判官の無罪判決が、
「そういう面もあるけれども、こういう面を見過ごすことはできず、無罪」
 というものだったとすれば、
「そういう面があるので有罪」
 という判決、のように思えた。
 私は途中で退廷。
 廊下でKさんにばったり。

 トさんやKさんほかから頂いた情報によれば、月曜の午前中の2件は無罪。
 月曜の午後の3件のうち2件は無罪(これは私自身が傍聴した)。
 火曜の3件のうち1件(2件だっけ?)は罰金15万円。
 上限20万円の条例違反で、無罪、罰金15万円、罰金20万円、と判断が分かれたわけだ。
※ 追記  Kさんによると火曜の3件は3件とも罰金15万円。 

 警察庁と警視庁へあたふたと寄ったのち、15時頃から国会議事堂周辺で、フジテレビのスーパーニュースのロケ…。
 ここ2日間、各3時間くらいしか寝てないもんだから、短い移動の間に、ロケ車内で寝そうになってしまった。ちょっと痩せたかもしれない。
 帰るとメールが百数十本…。

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2007年3月 6日 (火)

日本の交通取締りは根底から崩壊している

 3月3日の河北新報に、先に報じられてしまった。下の記事はその一部。

秋田・自動速度取締装置訴訟 公訴棄却見直しへ 最高裁
 最高裁第一小法廷(涌井紀夫裁判長)は2日までに、自動速度取締装置の測定に基づき、道交法違反罪に問われた男鹿市の男性(41)の上告審弁論を29日に開くことを決めた。
 弁論が開かれることから、装置の信用性には疑いが残るとして、一審秋田簡裁の有罪判決を破棄、公訴を棄却した二審仙台高裁秋田支部判決が見直される可能性が高まった。

_44_1  06年3月14日に公訴棄却とされた、三菱電機製RS-2000B型の事件のことだ。
※ 写真は礼田計さん。
 公訴棄却とは、起訴自体を違法とすること。無罪のようなもの。
 その記事中に、こうある。

…二審判決は「実際の速度より高く測定されるプラス誤差も出ると考えるべきだ」などと述べ、一審判決を破棄。検察側は「装置のシステム上、マイナス誤差しか生じない。日本の交通取り締まりを根底から覆しかねない」として上告していた。

 日本の交通取締りを根底から覆しかねない?
 というか、日本の交通取締りはもともと根底から崩壊しているのだ。

 今ちょっと猛烈に忙しいので、簡単にコメントしとく。
 プラス誤差、マイナス誤差、そういう考え方だけに囚(とら)われてると、本質を見誤る。
 たとえば酒を180cc酌むとして、179ccか181ccか、それが誤差でしょ。
 もちろんそういう誤差もあるのかもしれないが、150ccしか酌まなかったのに、機械は180ccを表示した、そこを考えなければならない。
 150ccの酒を、150ccであると正しく測定したのに、写真には180ccと焼きつけられた、その可能性を考えなければならない。
 装置がどう作動してどう測ったか、全く記録がない。オービスは記録を残さない。
 あるのは、表示された数値(とされる写真の陰影模様)だけなのだから!

 ま、警察・検察・最高裁としては、差し戻して、「確立された採証法則」により、他の多くのオービス事件と同じように有罪とする、という筋書きなのだろう。
 「確立された採証法則」とは、学者でも何でもない単なるメーカー社員(サラリーマン)に、「我が社の製品は優秀でして、プラス誤差は絶対に出しません」と、客観的な裏付けデータは一切なしに言わせること、だ。
 そうしないと、日本の交通取締りはもともと根底から崩壊していることに、直面せざるを得なくなる。

 06年3月の公訴棄却判決を書いた3人の裁判官のなかに、寺西和史さんがいた。
 差戻し審が始まる前に、寺西さんは移動になるのな~。

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2007年2月10日 (土)

誤作動を誤作動として認識するシステムになってない…のだけれど

2月9日(金)13時10分~

 13時10分から、東京簡裁・刑事1室3係(堀内信明裁判官)534号法廷。
 06年10月6日が第1回公判だったオービス事件

【場   所】 首都高5号線下り 豊島区南池袋2-41 5.95kp
【日  時】 2005年4月24日 午後0時17分頃
【装   置】 三菱電機 RS-2000
【測定値】 121㎞/h 制限速度60㎞/hを61㎞/h超過
【被告人】 60歳 身なりが良く、背筋が伸びた感じ  
【弁護人】 あり
【主   張】 「121㎞/hで走行した事実はございません。ちょうど抜いてきた車のせいで生じた誤動作の類と確信しております。自分では、流れに乗っておりましたんで、70か80ぐらいじゃないかと推測しております」

 の第5回公判。判決。

 求刑通り罰金9万円。
 訴訟費用のうち、三菱電機の菅井宗一社員が請求して支給を受けた分のみ被告人負担。6千円くらいだそうだ。

 それにしても、堀内さんの今日の言渡しは、いつに増して聴き取りにくかった。
 要するに、菅井社員自身、法廷で、オービス誤作動の可能性は絶無ではない、誤作動を誤作動として認識するシステムになっていない(!!!)と証言しているが、被告人が言うような誤作動が起こったと認めるに足るものはない、こうなると、然るべき法律を適用して主文の刑を言い渡すしかない、という趣旨か。
 仙台高裁秋田支部の公訴棄却判決のことにも触れていた。

 私が長く見てきたところによれば、堀内さんはオービスの怪しさをはっきり認識しており、しかし個々の事件では有罪判決を言い渡さざるを得ないことに、苦渋を感じているのではないかと思われる。
 だから、他の自白事件のときに比べて、聴き取りにくいしゃべりになったのか。
 はたまた私の耳が悪くなったのか。
 ここんとこ寝不足が続き、有酸素散歩も3週間くらいサボってるしなぁ。
 これ絶対、体に悪い。痛風発作の予感もある。

 一方、被告人の着席姿勢は(後ろから見て)じつに堂々としていた。
 かつてビッグコミック・スピリッツで約半年間連載させてもらった『交通被告人 前へ!!』(漫画はウヒョ助。現・塚脇永久。原作が私)の判決シーンを思い出させた。

 13時35分閉廷。

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2007年2月 2日 (金)

ペンギン式起立の被告人

2月1日(木)9時55分~

 9時55分から東京簡裁534号法廷で、1月25日に傍聴したオービス(三菱RS-200)事件の判決。
 これはもう主文も理由も、競輪(やったことねっす)でいえば鉄板だけども、マニアを自称する以上、それでも出かけなければならないのだ。眠くてたまらなくても。

 求刑どおり罰金9万円。訴訟費用は不負担。

          ★

 それから5階の廊下を北へ走り、途中の非常階段を4階へ駆け下り、4階の廊下をさらに北へ走り…。

 10時から、東京地裁・第1刑事部(水野智幸裁判官)408号法廷で、道路交通法違反・有印私文書偽造同行使の新件。
 2分遅れて入ると、冒頭陳述(BOW★CHING)が始まるところだった。

 検察官は若めの女性。
 弁護人も、若めの細い女性で、ばさばさだけども格好良い髪。鼻筋とおって色白。
 被告人(在宅)は、なんと25歳で株式会社の代表取締役。ぴっちりした黒いスーツに、先っちょが尖って上に反った黒靴。斜め後ろから見た顔の感じは、モンキッキーさん風。

 06年2月、無免許で普通乗用自動車を運転中、44㎞/h超過で白バイに捕まり(これが道路交通法違反)、あわてて部下(平取締役)に電話して生年月日と本籍を聞く等し、部下になりすまして違反キップを切られ(交通事件原票の供述書欄に署名。これが有印私文書偽造・同行使)、その後、警察から怪しまれたと知るや、正直に出頭して自白した…という事件。

 その種のなりすましは少なくないようで、警察のほうもチェックするんだろうねぇ。
 求刑は懲役1年6月、事件原票の偽造部分を没収。
 次回判決。
 10時47分閉廷。

          ★

 東京高裁の開廷表を見ると、11時から第6刑事部(池田修・吉井隆平・坂口裕俊裁判官)718号法廷で、強制わいせつの判決。
 ちょうど時間が良いので、傍聴してみることに。

 傍聴席は、若い男女でほとんど一杯。
 とくに若い女性が多かった。
 色情系は人気あるなぁ。

 被告人は、一見テキ屋風の中年男性。身柄(拘置所)。
 控訴の趣意は量刑不当。
 判決は控訴棄却。未決40日算入。訴訟費用不負担。

 飲酒酩酊した被告人は、深夜、帰宅途中の若い女性に背後から近づき、逃げようとした女性を押し倒し、「俺のオンナになれ」などと言いながら、乳房をわしづかみにし、陰部を撫でるなどした、大胆かつ悪質な犯行なのだという。
 女性が、口を塞がれていた手にかみつき、大声を上げたので、被告人は逃げたのだという。
「被告人の脇をすり抜けようとしたとき、いっしょに倒れてしまい、むらむらして」
 などと不自然・不合理な弁解をしていることもあり、前科は2件の略式罰金しかなく、正式裁判は初めてとはいえ、執行猶予を付する事案とは思えず…と池田裁判官。
 11時06分閉廷。

          ★

 廊下の向かい側の720号法廷(第2刑事部。安廣文夫・山田敏彦・前澤久美子裁判官)の開廷表を見ると、11時10分から、公務執行妨害・傷害の第1回。
 せっかくなのでそれも傍聴。

 控訴審の第1回は、傍聴席からは事件の内容がほとんどわからない。
 控訴の趣意は量刑不当、公務執行妨害は警察官に対するもので、傷害は別の女性に対するものらしい、くらいしかわからなかった。

 ただ、被告人(身柄。拘置所)の服が、あれは囚人服というのだろうか、非常に感じの良いグレーの上下で、人定質問で起立するとき、両手をなぜか体の横、20度くらいに開いて指先を伸ばし、すっくと胸を張って規律正しい感じで応答したのが、印象に残った。
 ちょっとペンギンをイメージさせるのだが、コミカルというより気持ちよかった。

裁判官「とくに被告人に聞くことは? (被告人質問の請求は?)」
弁護人「重ねて聞くこともございませんので」
裁判官「それでは、あとは裁判所が判断することになりますので…」
 次回判決。
 11時15分頃閉廷。

 さて、次は、13時30分から業務上過失致死傷の新件、14時30分から道路交通法違反の新件が…。
 しかし待て待て、締切り原稿をほったらかして傍聴三昧ではマズイだろ…。
 ちらっと警察庁へ寄り、国土交通省できつねそば大盛り280円を食って帰る。

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2007年1月26日 (金)

制限40キロの環七で測定値97キロ

1月25日(木)10時45分~

 東京簡裁・刑事2室1係(櫻井廣美裁判官)534号法廷で、道路交通法違反の新件。
 今日はこれが私のメイン。
 検察官は鈴木健一さん。髪、伸びたねー。坊主のほうが似合うですよ。

【場   所】 環七 大田区山王4-19 
【日  時】 2005年3月5日 午前1時55分頃
【装   置】 三菱電機 RS-2000
【測定値】 97㎞/h 制限速度40㎞/hを57㎞/h超過
【被告人】 40歳 会社役員  
【弁護人】 1月17日に地裁の危険運転致傷・道路交通法違反で見た、高齢紳士の弁護士。国選だろう。左耳辺りから細いコードが垂れている。補聴器か。
【主   張】 「取調べのときも申し上げてきたとおり、メーター読みでは96㎞/hは出てなかったんじゃないかと」

裁判官「弁護人のご意見は」
弁護人「ちょっと(被告人と)打ち合わせしたいと」
 …………その場でごにょごにょ…………
弁護人「甲乙いずれも同意致します」
裁判官「公訴事実に対するご意見は」
弁護人「ただ、犯情として被告人が言ったことを考えていただきたいと思います」

 メーター読みでは90㎞/hはどうしても出ていなかったが、測定値については争わない、確定的な意思をもって96㎞/h出したわけじゃないので、どうか寛大な判決を、ということだった。

 どうなんだろうね。
 以前、環七の高円寺南の同じくRS-2000の事件で、警察と親しい関係にあり「何かあったら言ってくれ」と言われていた被告人が、測定値は低すぎると正直に言い続けて…というのを傍聴したっけ。
 誤表示・誤測定は、プラスのほうにだけ起こるとは限らない。
 かつ、メーター速度と大いに違うこともあれば、少ししか違わないこともあるはず。
 運転者は、免停の基準や、オービスのセット速度(それ以上の超過だと撮影するよう設定された速度)、を考えて走行速度を決めがちだ。
「超過50㎞/h台だと12点。免停90日だ。超過40㎞/h台ならオービスは光らない」
 とか考えて速度を調整していたことは、あり得る。が、
日本の裁判の有罪率は99.9%。起訴されたらオシマイだ」
 と考えて争わないことにしたのかもしれない。

検察官「さきほどおしゃったように(本件道路をいつも)60~80㎞/hで走ってるのか」
被告人「他の車がいれば(流れにあわせて)…」
検察官「他に車はいたか」
被告人「いなかった」
検察官「40㎞/hで走れば」
被告人「ま、あそこの通常値(通常の流れ)は…」
検察官「だいたいの人が、みなさん、そう言うんですが、参考までに聞いてください。05年の事故死亡者数はご存知ですか? 東京都内で263人です。6年連続で減少している。1年に263人が事故で死ぬのは、少ないか多いか、どう思う? あくまでこれ、個人的な見解だけど、263人、私は異常な数字だと思う。私の理想では、ゼロ、という数字へもっていきたい。参考までに、今年に入って昨日までにもう19人死んでる。運転する人は、明日は我が身なんですよ。だから、他の車が60だ80だで走ってるからという、そういうふうな考え方は、やめてもらいたい。速度を出せば出すほど、事故は大きくなるんです」

 私も同様に思うのだが、しかし…。
 環七(東京の主要幹線道路)のあそこが、終日40㎞/h規制ってどうなの。
 そんなの誰も守らない。
 ザル法ほど人々の遵法精神を損なうものはないと、元内閣法制局長官も言っている。
 守らないなかで、じゃあどうやって運転者たちは自車の速度を決めるか。
 捕まっても重い免停を食らわない速度、オービスが光らない(撮影しない)速度…。
 こういう、なんというか、遵法環境、自律環境では…。
 40㎞/hを超えない速度で走ることが絶対に必要というなら、その合理的理由を周知徹底させ、かつ、違反したらほぼ必ず捕まるようにする必要がある。
 そうしないで、違反者のごくごく一部を捕まえて処罰してても…。

 求刑は相場どおり罰金9万円。
裁判官「えー、それで、判決ですが、証拠がこれだけなので(少ないので)、すぐにしようと思えばできるんですが、どうしましょうか」
 被告人は、どういうことかまるでわからないようで、弁護人の顔を見た。
 弁護人は、では次回、と。
 来週判決。
 11時19分閉廷。

 1階の喫煙室で(ってまだ煙草やめてないのかよ!)、再び刑裁はうすの方にお会いする。
 13時15分から、公然わいせつ幇助の判決ですね、と言われ、あっ、そうだったのか、となる。
 第1回公判を私は途中で出たし、忙しくて木曜以降の地裁開廷表をチェックしてなかったので、判決期日を知らなかったす。
 今日は『それでもボクはやってない』を観に行く予定にしてたんだけど…。

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2007年1月17日 (水)

腕組みで仁王立ちする被告人

1月16日(火)14時10分~

 東京簡裁・刑事1室2係(横川保廣裁判官)836号法廷で、道路交通法違反の新件。

 開廷表の被告人氏名に見覚えあり。
 06年10月3日13時20分10月26日14時10分、空振りさせられた事件だった。

 3回目なんだけど、第1回公判、新件になるんだね。

 弁護人とともに3分ほど遅れて入ってきた被告人は、態度悪い悪い。
 「俺は、ふてくされてるんだ。文句あっか」感が、ばりばり伝わってきた。
 証言台の前で、頭をかしげ、腕組みして仁王立ちする被告人の、ひざが曲がってる。
 なぜ?
 あとでエレベータのなかで1人マネてみた。
 無理にそっくり返ると、自然とひざが曲がるんだね。
 あなたもパソコンの前で立って、やってみてね。
 そうそう、そんな感じ。 

【場   所】 首都高5号線下り 豊島区南池袋2-41 5.95kp
【日  時】 2005年4月16(?)日 午後4時46分頃
【装   置】 三菱電機 RS-2000
【測定値】 127㎞/h 制限速度60㎞/hを67㎞/h超過
【被告人】 30代 会社員  
【弁護人】 あり
【主   張】 「(起訴状に間違ってるところは)いや、ないです。(起訴事実が)事実とは思ってないですけど、この先争うつもりはないんで、ま、認めます」

 オービス裁判の基本パターンの1つだ。
「絶対126㎞/hも出してないけど、どうせ勝てないから争わない」
「126㎞/h出した事情など、どうせ酌んでくれないだろうから言わない」
 のいずれかで、ムカついてたのかな。
 そりゃ、わからないじゃないけど。

 否認の理由、ないし略式に応じなかった理由が何か、捜査段階での調書にあるはずなのに、検察官は要旨告知しなかった。
 ただ、検面(検察官面前調書)だけ証拠請求され、員面(司法警察員面前調書)が請求されてないようなのが、気になった。なんで?

 被告人質問。
 被告人は、本件後に運転して無免許で罰金25万円となり、免許取消になったそうだ。
 弁護人からの質問は、この先免許を取るつもりはあるか、もし取ったとき二度と違反しないか、のみ。
 検察官は「弁護人からの質問で十分と思います」。
 裁判官は、勤務先の会社のことだけ質問。

 ふてくされてる被告人には、あんまり触らず、所定の手続きだけ踏んで早く終えよう、というものがときどき感じられる。
 まあね、争わないと言ってるのに、やたらつついても、結局、腹立ちを倍加させるだけなのかもしれない…。

 求刑は相場どおり罰金9万円。
※ これは超過60㎞/h台の首都高での相場。一般道だと10万円だよ。

 5分間休廷して判決。罰金9万円。
「全額納めることができないときは、その未納分を、金5000円を1日に換算して被告人を労役場に留置する」
 という言い方を裁判官がしたのが、マニア的には気になった。
 あたかも、全額一括払いでないことが当たり前のようじゃないの。
 くっそう、私が「駐禁の罰金1万5000円のうち1万円分だけ労役場に入れてくれ」と言ったとき、検察庁の徴収課は「罰金は分納できません!」と言い張り、5000円をどうしても受け取らず、1万5000円全額を銀行口座から差押えやがったのに。←あらら、ふてくされてますね。

 訴訟費用は不負担。
 14時37分閉廷。
 判決まで24分間か。

 14時15分からやってる地裁の道路交通法違反、新件をちょっと見に行ったら…!

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2006年12月14日 (木)

「汚名を着たまま墓へ行けない!」事件 とうとう判決

050915r205_1 12月13日(水)13時10~

 13時10分から、東京簡裁・刑事1室3係534号法廷(堀内信明裁判官)で、いわゆるオービス事件、「汚名を着たまま墓へ行けない!」事件(第1回公判は05年6月17日)の、とうとう判決。

【場   所】 甲州街道下り世田谷区給田
【日  時】 2004年2月23日 午後2時15分頃
【装   置】 三菱電機 RS-2000 (俗称・新Hシステム)
【測定値】 90㎞/h 制限速度50㎞/hを40㎞/h超過
【被告人】 78歳 白髪ポニーテール 東京府の大久保村生まれ
【弁護人】 国選 
【主   張】 道路右側のエッソのGSが混んでいたので入らず、第2通行帯から第1通行帯へ車線変更し、オービスの下を通って信号待ち、発進して間もなくのファミレス・ジョナサンに入った。90㎞/hなどまったく出していないし、出せない。昼間の甲州街道で90㎞/hなどきちがい沙汰。車線変更の途中なので、写真には車が切れて写っている。顔がだいぶ不鮮明。

 もしかして無罪か!?
 とはこの事件は思えなかった。
 堀内さんは、だ~いぶていねいにやってくれたのだが、弁護人、被告人のほうが残念ながら迷走しすぎた、まとまりが悪すぎた、と思う。

 求刑どおり罰金8万円。
 訴訟費用中、警察官、三菱の菅井宗一社員、カナデン(点検会社)の社員に支給した部分は被告人の負担とする。合計1万3000円ほどだそうだ。
 国選弁護人の費用は不負担…。
 堀内さんは、半分は負担させようかと思ったそうだ。
 でも、これは全額負担させないほうが良いと私も思う。

 警察官の尋問が行われたのは05年7月22日。
 当時は警視庁の警察官は、私が見る限り、旅費・日当を請求・受領していた
 その後、「それは税金の二重取りじゃないか」という趣旨で私がごちゃごちゃ動き始め、たしか06年の夏頃からだったか、警察官証人が証言後に旅費・日当の茶封筒を受け取るシーンは見られなくなった。
 本件における警察官証人分、どういう扱いになるんだろうか。ま、被告人が払えば終わりとはいえ。

 言渡しは30分ほどかかった。
 被告人は淡々としているように見えたが、腹の中では何を思ったか、聞くのは後日とし、私は急ぎ横浜地裁へ…。

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2006年11月18日 (土)

オービスの測定誤差って何よ!?

11月17日(金)

 某警察署へ被疑者の面会に行ったが、取調べが入ったとのことで面会できず、差入れだけして裁判所へ。

 15時30分から、東京簡裁534号法廷(堀内信明裁判官)で、

【場   所】 首都高5号線下り 豊島区南池袋2-41 5.95kp
【日  時】 2005年4月24日 午後0時17分頃
【装   置】 三菱電機 RS-2000
【測定値】 121㎞/h 制限速度60㎞/hを61㎞/h超過
【被告人】 60歳 身なりが良く、背筋が伸びた感じ  
【弁護人】 あり
【主   張】 「121㎞/hで走行した事実はございません。ちょうど抜いてきた車のせいで生じた誤動作の類と確信しております。自分では、流れに乗っておりましたんで、70か80ぐらいじゃないかと推測しております」

 この事件の第2回公判。
 三菱電機株式会社・鎌倉製作所・ITシステム部・品質管理課の菅井宗一課長補佐を証人尋問。

 濱田立検察官からの尋問は約12分間。
 じつに簡潔。イーネっ! 心のなかで拍手。

 弁護人(国選)からの尋問は、最初のうちは、まあまあよかった。
 しかし、だんだんと、ここ数カ月の間に急速に確信になりつつある私の考えがさらに強まる、そんな感じを覚えたのだよぅ。
 ものすごく簡単に言えばこうだ。

 誤差誤差言うけど、測定誤差って何?
 計量カップで水の量を測って、1cc多い少ない、そんなの関係ねーじゃん。
 測った量を、黒板に間違いなく書いたかどうか、最終的な問題はそこじゃん!
 そこを、警察も検察もメーカーもまったく意に介してないんだよ!
 だいたい、オービスの性能を、法廷でメーカー社員に聞くなよ!

裁判官も書記官も廷吏も検察官も傍聴人も、ときに国選弁護人も同じ法廷へ、次々と見知らぬ被告人がやってきて、みな同じように破れて去っていく
 という旨を常々書いてきたが、ほんっとにそのとおりだなと。
 いちばんがっかりしてたのは、壇上の堀内さんだったかもしれない。
 堀内さんは、日本でいちばん、オービスの怪しさに気づいてる裁判官かもしれない、と私は勝手に妄想してます…。

050915r203_1  具体的な証言内容、そのうち『ラジオライフ』に書こうかな。
 レーダ式のオービス(RS-2000。俗称「H」または「新Hシステム」)とは何なのか、どういう性能を有している(とメーカー社員は法廷でいつも言ってる)のか、いっぺん雑誌で詳しく書きたい、と思いつつ延び延びになってるので。

 裁判所から帰り際、大川興業総裁大川豊さんの姿を発見。
 阿蘇山大噴火さんと、ライブドアの事件を傍聴にきたのかな。
 ちょっとご挨拶。

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2006年10月25日 (水)

DANCES with ORVIS

 10時から地裁510号法廷で道路交通法違反の新件。
 13時30分から地裁420号法廷で道路交通法違反の新件。
 その間に高裁の開廷表で、手帳に★3個付きでメモしてある強盗殺人、たぶん朝日新聞が<<「福島で女性絞殺」4人殺害被告、控訴審で5件目供述>>と報じた事件の時刻を調べておき、傍聴。

 という素敵なスケジュールを組んでいたのだが…。
 いやいや待て待て、と考え直し、中津川簡裁のオービス事件の判決も、山崎松三裁判官はどんな顔で有罪判決を言い渡したのか見たかったのだが、思いきってパス。
 なんもかも捨てて、ぽっかり空きの日をつくり、高尿酸血症の(つまり痛風の)薬が一昨日切れたので病院へ行き、久々の晴天の下、有酸素散歩約1時間。汗に濡れた衣類を洗濯。
 そしてせっせとご相談等に対応…。

 「寺澤オービス事件」の報道は、これ2件だけなのかな?
 埼玉新聞は<<オービス誤作動認めず 被告への罰金支持 富士見の速度違反>>。
 共同通信は<<オービス誤作動認めず 寺沢有被告への罰金支持>>。

 埼玉新聞のほうには、

 寺沢被告は交通行政の問題点や警察、検察などの不祥事を取材テーマにし、著書に「交通取り締まりのタブー!」(共著)「警察庁出入り禁止」などがある。
 判決後「オービスはこれまで内容が全く検証、公表されていない。誤作動しないとする判決には無理がある」と話した。

 とあり(太字は今井)、この事件の特殊性が少しは記されているが、共同通信のほうは、東京簡裁の道路交通法違反をぜんぶ傍聴している私からすれば、ありきたりな判決を報じただけ、何のニュース性もない。
 記者はもっとちゃんと書いたのに、配信の係が切っちゃったのかな。

 「寺澤オービス事件」のニュース性は、一審で、博士号を持つ学者が2人も証人出廷したこと(これはたぶん本邦初)、弁護側の学者証人は「オービスはエセ計測器」と断じ、検察側の証人でさえ「100%正しいとは神様でないと言えない」と述べたこと、そして、高裁判決後の記者会見で弁護側の学者証人(大槻義彦教授)が、「オービスは科学的検証が一切為されていない」旨、くり返し力説したこと、などだと私は思うのだが…。

 ネットでは、
「誤測定があったことは被告人側が立証しなければならない」
 と、まるでそれが決まり(文部省の教科書に書かれている社会の決まり事)であるかのように書かれていたりする。
 なんてこった。
 最高裁のホームページから、一部引用しとこう。

 刑事事件においては,「疑わしきは被告人の利益に」の原則が貫かれていますから,まず,検察官が,証拠によって公訴事実の存在を合理的な疑いを入れない程度にまで証明するための立証活動をしなければならないわけです。

 検察官側の立証に続いて,反対当事者である被告人側の立証が行われます。この立証は,裁判官に対して,公訴事実の存在につき,検察官の立証が合理的な疑いを入れない程度にまでは証明されていない,と考えさせるだけで十分であり,それ以上に,公訴事実が存在しないことまで証明する必要はありません。

 ところで、散歩しながら思った。
 大槻教授は、「オービスは科学的検証が一切為されていない」旨あれほど力説したけれども、警察・検察にとっては屁でもないのかもしれない。
 なぜなら…。
 オービスは計量器ではない。速さ計でも、時間計でもない。
 オービスは、犯罪の証拠を得る目的だけの特殊な装置なのだ。
 したがって、そもそもオービスに科学的検証など不要。オービスは科学とは無縁…。

 なーんてことを、毎日毎日考えている。
 私はオービス裁判を、百何十件か傍聴してきた。回数だと何百回にもなる。
 オービスについてのご相談は多く、「オービス」というタイトルのB5サイズ100枚収容の26穴ファイルが8冊、「オービスⅢLk」に限定したファイルが1冊、「高速走行抑止システム(三菱RS-2000)」のファイルが3冊(うち1冊は200枚収容)にもなる。

 『ダンス・ウィズ・ウルブス(DANCES with WOLVES)』という映画があったが、さしづめ私は「DANCES with ORVIS」か。
 まだまだ踊り足りないぜ。
 おお、なんか格好いいぞ。がはは。

 そういえば、『燃えよ!カンフー』(若い頃のチョー有名俳優がごろごろ出演してるよ)で、盲目の老師が、言ったっけ。
「ケインよ、ドラゴンと果てしなく闘う者は自らもまたドラゴンとなるのだ」

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「今井よ、オービスと果てしなく闘う者は、自らもまたオービスとなるのだ」
 意味わっかんねーよ。

第2話「手裏剣が誤測定の嵐をよんだ」
第3話「呪いのループに人が踊った」
第5話「風塵が因習の谷に無罪をよぶ」
第8話「司法の誉れは臆病風に舞った」
第11話「ガンマンはストロボに泣いた」
第15話「首都高に響く復讐の叫び」
第16話「絞首台をかざった偽りの測定」
第19話「面子は裁判官の心を縛った」
 『燃えよ!オービス』…と言ってみる。

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2006年10月23日 (月)

オービス無謬神話の論法に大槻教授が仰天!

 11時から法務省。
 最新の、といっても6月発行の「検察統計年報」をチェック。秋頃発行じゃなかったのー?
 気を取り直して地下の食堂でラーメン350円。

 13時30分から、東京高裁・第7刑事部(植村立郎・荒川英明・村山浩明裁判官)717号法廷で、「寺澤オービス事件」の控訴審判決
 中央線で人身事故があったそうで、被告人(寺澤さん)が4分ほど遅刻。

「主文。本件控訴を棄却する。控訴棄却です」
 と植村さん。

 要旨のみ3分間ほど述べられたのだが、いやはや…。
 傍聴に来ていた大槻義彦・早稲田大学名誉教授は言うのだった。
「写真が撮影されたから有罪だ、写真が撮られているから誤作動はない。この論理に、私はたいへんびっくりしました! よくぞまかりとおるものだ。ファシズムの世界でもこれほどのことはない!」

 そぉうなのです。
   写真が撮影されているから、有罪である。
   有罪の証拠は、写真が撮影されていることである。
 この論理には、オービスは絶対であることが前提となる。
 ならば、オービスが絶対という根拠は?
 はい、それは、メーカー社員が、
「我が社の製品はこのような優秀な機能になっておりまして、したがって絶対大丈夫」
 と口先で言うことでぇーす。
 メーカー作成の資料に、オービスは優秀で絶対だと文字と図で書いてあることでぇーす。

 だから! 大槻教授は仰天するのである。

 しかしこれが、神国日本の検察庁にとっては、「確立された採証法則」なんだそうだ。
 オービス神話だもの。
 荒川英明裁判官は、心の中で何を思ったろう…。
 可哀想に…。と私は勝手に思うのであった。

 ま、ともあれ、この程度のことで絶望してるようでは、正義とかに目覚め始めた中一男子と変わらない。
 世のなかとは、多かれ少なかれこんなもの。
 完全に救いようがないわけじゃない。仙台高裁・秋田支部の裁判官らは、そんなものを「確立された採証法則」とは認めなかったのだ。当たり前の判決をしたのだ。検察側は上告し、上告趣意書でボロクソに誹謗してるけどさ。
 まったり、ねばねばと、さぁどうしてやろうか、楽しむ心意気が大切だよね。
 中年男子だもの(笑)。

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2006年10月15日 (日)

オービス無謬神話のカラクリ

061015__2  これまでのオービス裁判(測定値を否認する裁判)は、無実の明白な証拠があるケース1件を除いて、なぜ全件負け続けてきたのか。

 ややこしいことを考え続けていると、そのうち頭がすっぽーんとなって真実が突然明瞭に見える、という定理があるように(あるのか?)、私も見えた…ような気がする!
 以下、ごくごく簡単に。

 ほとんどすべての被告人は、要するにこんな争い方をしてきたのだ。

 当時自分の速度は×キロだった(A)。
 オービスは○○などが原因で誤測定したのだろう(B)。

 Aをブチ崩すには、どうすればいいか。簡単だ。

 なぜ「×キロだった」と言えるのか、いつどこで速度計を見たのか見なかったのか、当時の自車の走行状況、周囲の車両の状況等々を、あらゆる角度から徹底的にしつこく何度も何度も問いつめるのだ。
 そうして、齟齬や矛盾を見出せたような形、をつくるのだ。
 それによって、まずAについて、「被告人の説明は信用できない」とするのだ。
 これはもう、確立された方法論かと思われる。

 次に、B。
 東京航空計器のオービスⅢの場合でいうと、ほとんどの被告人は、
「ループコイルの測定(車両感知)時に、何かあったのだろう。車両の通過速度を誤って検知したのだろう」
 と想定する。
 そうして、ああではないか、こうではないか、と言う。

061015__4  そんなの、
「オービス様、どうぞお勝ちください」
 と言ってるに等しいんじゃないか。

 画像上は、オービスⅢの「原理と取扱要領」の表紙。
 これ、よく法廷に出てくる「原理説明資料」の、もすこし詳しいものだ。
 画像下は、その1ページと2ページの一部。
 2ページの下、⑤を見てほしい。
 「原理説明資料」にも同じ記載がある。
 
 これにより、
「オービスⅢは、車両がストップループを通過した直後、タイマーを作動させ、その速度でちょうど撮影ポイントにさしかかったときに、シャッターを切る。ループが誤測定していれば、撮影ポイントでは撮影されない。たとえばループは150㎞/hと測定したのに、実際の速度が100㎞/hなら、車両は撮影ポイントのだいぶ手前で写ることになる。本件写真は、ちょうど撮影ポイント(付近)で撮影されている。ループは正しく測定したのだ」
 とされてしまうのだ。

 毎度毎度、裁判官も書記官も検察官も、そして傍聴人も同じ法廷へ、次から次へと見知らぬ新しい被告人がやってきて、みーんな同じように負けて去っていく…。
 と以前から私は言ってきたが、まさに、上記“ツボ”に嵌っていたのだ。

 じゃあ、どうすりゃいいのか。
 今年3月の、秋田の控訴棄却判決も関係する。
 …のだが、そこはまた別の機会に。
 16日(月)の夜は、新宿ロフトプラスワン裁判傍聴のイベントがあり、それまでに仕上げなきゃいけない原稿が2本あり…。

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2006年10月 7日 (土)

久々のオービス新件 しかも否認!

10月6日(金)その2

 14時10分から、東京簡裁・刑事1室3係(堀内信明裁判官)534号法廷で、2件続けての道路交通法違反の新件。長い空白期間が明けての、5件目。
 最後の男女各1名のうち男性のほうが被告人席へ。
 傍聴席に残った女性は妻らしく、しかし証人尋問は先になる、という趣旨のことを弁護人が書記官に言った。第1回で情状証人までいく、のでないということは、否認なのだな。

【場   所】 首都高5号線下り 豊島区南池袋2-41 5.95kp
【日  時】 2005年4月24日 午後0時17分頃
【装   置】 三菱電機 RS-2000
【測定値】 121㎞/h 制限速度60㎞/hを61㎞/h超過
【被告人】 60歳 身なりが良く、背筋が伸びた感じ  
【弁護人】 あり
【主   張】 「121㎞/hで走行した事実はございません。ちょうど抜いてきた車のせいで生じた誤動作の類と確信しております。自分では、流れに乗っておりましたんで、70か80ぐらいじゃないかと推測しております」

 おお~っ!!
 ようやくオービスの否認事件がきた。
 それも、よりによって、「汚名を着たまま墓へ行けない」事件(やはり三菱RS-2000)を長く審理中の、堀内さんの1室3係へ!!

 堀内さんは、秋田の事件のこと、「寺澤オービス事件」のこと、わかってる。
 被告人、弁護人はわかってるんだろうか。どうも、見た感じでは、わかってないような。
 このままだと、
「抜いてきた車の速度を測定したなら、写真に必ずその車が写る。本件では被告人車両しか写っていない(または被告人車両が写真中央にある)ので、抜いてきた車が仮に存在したとしても、測定値は被告人車両のものである」
「被告人車両は撮影ポイント付近で撮影されているので、測定は正常に行われた」
「被告人が121㎞/hを否認するのは、何の裏付けもない推測にすぎない。しかも(被告人質問でまたくだらない突っ込みを重ねたうえで)被告人の状況説明には矛盾と変遷が見られ、信用できない」
「三菱電機の菅井宗一社員の証言によれば、オービスは撮影が行われた以上は絶対無謬である」
 として、ごくごく普通に有罪(罰金9万円)で終わるのは目に見えている
 もしそうなるとして、いちばん残念に思うのは、堀内さんじゃなかろうか…。

 次回は三菱電機鎌倉製作所の菅井宗一社員を証人尋問と決め、14時32分閉廷。
 菅井さん、相変わらず元気で全国の法廷を飛び回っているようだ。
 この事件でも、やっぱ国に対し旅費・日当を請求・受領するんだろうね。

 ところで、本件は8月末頃の起訴だという。
 前の無免許は8月中頃の起訴だということだった。
 他の3件の起訴日は不明だが、4カ月半ほど、東京区検は道路交通法違反を公判請求しなかったことになるのか…。ふうむ。

 即決裁判手続きが始まっており、簡裁は午前中を空けておくとか、なにかそんなふうなことになってるらしい。
 今度傍聴してみよう。

 交通違反一筋23年の立場から言わせてもらうと、「扱う事件の量が多いから、処理手続きを簡略化しよう」というやり方は、世の中をどんどんダメにすると思う。ま、そのことはまた別の機会に。

 土曜、突然良い天気になったねえ。
 40分ほど有酸素散歩。

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2006年10月 1日 (日)

オービス裁判 空回り…

9月29日(金)

 16時から、東京簡裁・刑事1室3係(堀内信明裁判官)534号法廷で、「汚名を着たまま墓へ行けない」事件の、第11回公判。
 9月13日の第10回は、中津川簡裁へ行ってたため傍聴できなかった。

 今日は、被告人が写真撮影してまとめた現場報告書のようなもの、についての被告人質問。
 いつ誰がどこで何を、何のために撮影し、まとめたのか、どこがポイントなのか、文書として付けときゃ良さそうなものなのに、なんで口頭でやり取りするのか。
 手続き上の問題もあるのかもしれないが、まったく要領を得ない展開。
 堀内さんがいちばんガックリきてたんじゃないかな。

 次回は論告・弁論。
 この事件、他の事件に比べて良い要素がいろいろあるように思えるんだが、どうも迷走というか空回りというか、真っ直ぐ進まない印象を受ける。非常に残念。
 これまでの審理をふり返り、争点および主張・立証を明解に総まとめした、最終弁論、最終陳述を、なんとかやってくれるといいのだが…。

 いったん帰宅して夜、新宿の某キャバクラへ、お仕事で。
 どんな関係の仕事か、現在発売中の『ドライバー』の私の連載記事にヒントがあるよ。
「へえ! そんなことがあったのか! サイコー!」
 という話を聞いたのだが、それはまだ書かないほうがいいんだろう。うふふ。

 終電で帰宅。
 トさんよりビッグニュース。
 なんと、来週、東京簡裁に道路交通法違反の新件が3件も入っているというではないか!

キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!

 このときを待ってたんだよぅ!
 しかも、うち2件は1室3係。つまり堀内信明さんだ。うれぴー! ←おじさん、はしゃぎすぎだってば(笑)
 審理も2件あるし、来週もまた傍聴三昧か。
 締切りどうする?

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2006年9月26日 (火)

オービスは「ニセ科学」であることを裁判所にどう気づかせるか

9月25日(月)

 13時30分から、東京高裁第7刑事部(植村立郎・荒川英明・村山浩昭裁判官)717号法廷で、「寺澤オービス事件」の第2回公判。

 オービスの製造販売会社(本件装置では三菱電機)の社員が「我が社の商品はこれこれ優秀でしてプラス誤差は絶対出ません」と、何の客観的裏付けもなく口先だけで言う、のを鵜呑みにして有罪とする、それが「確立された採証法則」だと(うっきゃ~!)、前回村上満男検察官が答弁(答弁書を提出)したのに対し、堀敏明弁護人が弁論(弁論要旨を提出)。
 次回判決期日を決め、約2分30秒で閉廷。

   *******

 廊下の開廷表を見ると、15時から道路交通法違反の判決。へえ。
 被告人氏名は、あらま! 東京簡裁で真っ向争ってた会社役員氏ではないか。
 4月27日の簡裁判決、当ブログでは書かず、どうも『ラジオライフ』でも詳しくは書かなかったような…。

 東京簡裁(浅見牧夫裁判官)の判決は、求刑通り罰金9万円。訴訟費用は(弁護人は私選なので、東京航空計器の社員らの旅費日当)被告人負担。
 浅見さんは、判決理由の最後に、こんなふうなことを述べていた。
測定データと撮影データとのマッチングが全く行われていない旨の、傾聴すべき論拠がある。定期点検は万全を尽くすべきことは論を待たないことを付言する」

 このオービスは電子式。東京航空計器のオービスⅢLk
 定期点検のとき、現場にテープスイッチ(タイヤの通過に反応してスイッチが入り、2点間の時間差から速度を演算)を貼りつけ、その測定値と、オービスの測定値とを比較して、オービスのほうがすべて若干低いことを理由に、「総合精度 良」とする。
 この点検は、東京航空計器の場合は下請けに出さず社員が行っている。
 本当にすべて若干低かったのかどうか、誰にもわからない。
 しかも! オービスの唯一といっていい証拠は、写真(画像)に焼き付けられた記号(測定値とされるもの)であるのに、写真(画像)の記号とテープスイッチの測定値を照合することを、全く行っていないのだ!
 「傾聴すべき論拠」とは、そのことなのだ。

 で、高裁7部の今日の判決は、「本件控訴を棄却する」。
 植村裁判長は、上記の点についてはこう述べた。
「たしかにその証拠は提出されていない。しかし疑問を呈するようなものはないので、結合(上記マッチング)の証拠がないのは問題ない」

 製造販売会社の社員が何の客観的裏付けもなしに保証する機能・性能を、そのまま鵜呑みにする者に、いったい何を呈すれば疑問を感じるのか。
、測定値の速度で走行していなかったという、確かな証拠
、製造販売会社の社員の証言には、客観的な裏付けが一切ないというその事実

 により無罪としたのは、92年9月宣告の大阪高裁の判決
 により公訴棄却としたのは、06年3月宣告の仙台高裁秋田支部の判決

 のような「確かな証拠」がないのが普通なのだから、そしたら、に習って、「客観的な裏付けが一切ない」というその一点だけを追及する、それしかないように私は思うのだが…。

 たまたま見た朝日新聞9月20日の夕刊、「かがく批評室」に、菊池誠・大阪大教授(物理学)が、こんなことを書いていた。

 見かけは科学のようだが実は科学ではない、「ニセ科学」が蔓延している。代表的な例として血液型性格判断やマイナスイオンを挙げれば、なるほどその手の話かと合点がいくかたも多いのではないだろうか。

 その「代表的な例」の1つに入る資格を、オービスは優に備えている!

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   *******

 2つのオービス事件の間に、「建造物侵入、強盗、営利略取、監禁」という罪名の第1回公判を、地裁第11刑事部(平木正洋・品川しのぶ・高橋明宏裁判官)で少し傍聴。
 なんだと思う?
 スロットの「ゴト」の「打ち子」をやっていた被告人は、他の3人と共謀して、「ゴト」の元締めを襲い、現金とカードを奪い、さらにその元締めを拉致監禁して自宅にあるカネを奪おうとした…という事件。
 しかし被告人は、「一切関与していません」と否認。
 これから共犯者や被害者や、通報したその奥さんや、警察官が、証人として出てくることになるのかな。

   *******

 埼玉県川口市の市道で、脇見運転の車が保育園児らの列に突っ込んだという、なんとも酷く悔しい事件について少し。
 酒気帯びではないようだし、ひき逃げでもないし、危険運転致死傷にも問えず、業務上過失致死傷(上限は懲役5年)になるのだろう。業過も厳罰化を、という世論になるのだろう。だが…。
 運転者にいくら注意や自制を求めても、ほとんど無意味ではないのか。

 人間という生物は、善悪は抜きに生物としての人間は、身勝手で不注意なものなのだ。
 そして車は、一瞬の間違いで簡単に人を殺す、凶器なのだ。
 2つが合体すれば、ある確率で、悲惨な事故・事件が起こる(起こり続ける)のは、悔しいけれど当たり前。
 運転者に注意や自制を求めると同時に(あるいはそれ以上に)、ガードレールなどの構造物で歩車道を分離するとか、つまり運転者が間違いを犯しても簡単に人が死傷しない、そういう環境をつくっていくしかないんじゃないのか。
 道路のペイントや、たとえばハンプ(かまぼこ状の盛り上がり)などで、心理的に注意したくなったり、物理的に速度を落とさざるを得なくなったり、させる方法も有効だろう。

 カネがかかる?
 でも、交通安全施設の設置管理に使途を(以前より若干ゆるやかに)限定された交付金、の原資になる反則金の収入は、年間800~900億円。最新号の『ザッカー』に書いたように、今年度の予算は昨年より多い。
 この使途を見直せば、かなりのカネが出るんじゃないないのかなぁ…。

 とにかく、白線を1本引いて、あっちが車道、こっちは歩道の扱いとする、なんてことが普通である現状が「信じられないっ!」と、こういう無惨な報道に接するたびに驚愕する…。

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2006年9月16日 (土)

オービス公判請求 再開か!?

 ワタシ的には超ビッグニュース!

 東京区検による道路交通法違反事件の公判請求は、今年4月1日以降、多くても1件だったと思われる。
 これは異様だ。
 原因は何か。
 東京簡裁の(つまり区検が公判請求する)道路交通法違反は、ほとんどがオービス事件であるところ…。

① 東京簡裁に、オービス神話を疑う裁判官が出てきた
② 秋には寺澤オービス事件の控訴審が東京高裁で始まる予定
③ 仙台高裁秋田支部の控訴棄却事件について検察は上告、その上告趣意書が同じ頃に提出される予定

 そのへんがあわさって、東京区検はオービス事件の公判請求を躊躇しているのか。そんなことが現実にあり得るのか…。ある元裁判官氏は、「地検が大きな事件を抱えると、区検の検察官が応援にいくので…」旨言っていた…。

 いずれにせよ、否認する被疑者がいても、なんとか略式に応じさせ、どうしても応じないものは、不起訴にするか、公判請求を先延ばしするか…だったことになる。
 だが、そんなことがいつまでも続くはずがない。
 そう思っているうち…。

 9月6日、上記②の事件の控訴審が始まり、検察側の答弁書が出た。
 少しして、③の事件の上告趣意書が出た。
 やっかいなオービス事件について、検察側の最終的な見解、姿勢がはっきり打ち出された、ということだ。
 それは要するに、こういうことだった。
「客観的な裏付けとなるデータは一切なしに、オービスのメーカー社員のセールストークにまんま乗っかって有罪とする、それは確立された採証法則だ! 検察はそこから一歩も退く気も進む気もない!」

 そしてとうとう、来週、来た(来ることがわかった)のだよぅ、2件も、東京簡裁に道路交通法違反の新件が!!!

 もちろん、ラーメン屋台や100円マンガの路上販売など、道路の不正使用かもしれないし、むりやり略式に応じさせられた運転者が自ら正式裁判を請求した事件なのかもしれない。
 だが、オービス事件の正真正銘の新件かもしれない。
 どんな事件か、ああん、わくわくどきどきするよぉぅっ!!

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2006年9月 6日 (水)

裁判所→総務省→裁判所→警視庁

 3時にむりやり起きて『ザッカー』の原稿。
 書き進めるうち、どうしても総務省のあるデータが必要不可欠となり、中断。
 明け方じゃ電話もできんので。
 他の部分を書きつつ、世間が動き出すのを待つ。

 10時30分から東京高裁・第7刑事部で、「寺澤オービス事件」控訴審第1回。
 やっぱ荒川英明裁判官が右陪席。
 傍聴人は、ある通信社の新人研修なのかな、そういうふうな若い人たちが9人ほど来たけど、「寺澤オービス事件」を狙っての取材者は、お1人だけだったような。って私もいるから2人か。
 こんな重要事件なのに、世の中どうなっとるんぢゃ!
 ま、世の中、私の興味を中心に回ってるわけじゃないってことね。
 次回、検察の答弁書に対し弁護人が反論し、その次で判決の予定。

 その公判は13分で終わり、寺澤さんと堀敏明弁護士に少しお話をうかがって、11時30分頃から総務省へ。
 いま世間では駐禁取締りが話題だが、他の取り締まりはどうなるのか、はは~、やっぱり(または意外にも!)そうだったのか、というデータを教えてもらう。びっくり。

 国土交通省の地下で、ラーメン大盛り420円。

 裁判所へ戻ると、報道陣でいっぱい。
 姉歯さんの刑事裁判の第1回公判なのね。
 傍聴券の倍率は、3~4倍だったらしい。違ったかな。
 霞っ子クラブのユキさんん、毒人参さんも、阿曽山大噴火さんも傍聴するんだそうだ。

 私は東京簡裁へ。
 13時20分から、刑事1室3係(堀内信明裁判官)534号法廷。
 事件番号が1つで被告人が男女各1名の、窃盗の新件。
「おや? 今井くん、なぜ窃盗を傍聴するのかね」
 と堀内さんも濱田立検察官も思ったに違いない。

 15時すぎに、また警視庁へ。

 「寺澤オービス事件」の検察官(高検の検事だよ)の答弁書は、見るも無惨な愚かしい内容だったし、窃盗のほうも非常に考えさせられる内容だったのだが、それはまたあとで。
 詳しく書いたのを編集者氏に見られると、「あんた、原稿ほったらかして何やってんの!」と言われるに違いないので。

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2006年9月 1日 (金)

寺澤オービス事件 控訴審が始まる!

 さて、ジャーナリスト寺澤有さんを被告人とする「寺澤オービス事件」について。
 ネットから過去の記事を拾っておこう。

 06年5月2日 検察官を追いつめると求刑が重くなる?

 06年4月25日 「寺澤オービス事件」とうとう判決!

 06年3月25日 初めて「RS-2000」が敗れた日

 06年2月16日 「RS-2000」(三菱電機)裁判が結審

 06年2月9日 川越支部と東京簡裁で三菱RS-2000事件を傍聴

 06年1月3・10日 寺澤裁判もいよいよクライマックス

 05年12月6日 ※大槻義彦教授のブログ

 05年11月29日 ※大槻義彦教授のブログ

 04年5月5日 無人式自動速度取締り機は「えせ計測器」!!

 04年4月20日 寺澤裁判第17回。大槻教授、証人として登場し、新Hを一刀両断!

 03年1月31日 《ESPIO!》 大槻教授VS三菱電機

 その控訴審第1回公判が、9月6日(水)10時30分から東京高裁717号法廷で行われるそうだ。
 717号法廷を水曜に使うのは、高裁第7刑事部
 うわ! 荒川英明さんがいる部じゃないか!

 昔、千葉地裁で、荒川さんが裁判官のオービス事件(東京航空計器のオービスⅢLh)を傍聴したことがある。
 非常に高圧的で、被告人は怒っていた。私もムカついた。弁護人は「あの人は特別ですからねぇ」とか言っていた。

 その後、04年に、横浜地裁小田原支部のオービス事件(三菱RS-2000)を傍聴に行ったところ、壇上に荒川さんがいて驚いた。
 ムカつくところも若干あるのだが、非常にていねいで熱心な印象だった。たしかに有能な人物ではあるんだと思う。なんか好きになりそうになった。

 そして昨年2月、東京簡裁から東京高裁へ上がったオービスⅢLj事件を傍聴したら、荒川さんが壇上にいた。私と目があった(今井と意識してのことではなかったかもしれないが)。

 その荒川さんの部へ、寺澤オービス事件が配点されるとは!
 ワタシ的には運命的なものを感じるよぅ。
 寺澤さんはきっと、仙台高裁秋田支部の控訴棄却事件(三菱RS-2000B)を踏まえて争うのだろう。
 荒川さんは陪席裁判官だけども、さてどう応じるのか。
 普通の職業裁判官とはちょっと違う感じの、ムカつく部分はあるけれども有能そうな人だけに、期待できるような気がするよぅ!

 そういえば秋田支部の事件、検察が上告しており、この秋には上告趣意書が出るはず。
 東京簡裁では、たぶん元名古屋高裁の堀内信明裁判官のもとで、「汚名を着たまま墓へ行けない!」事件(三菱RS-2000)が進行中だし、ドキドキするよぅ!!

 こういう前代未聞の特異な状況なので、東京区検は今年4月以降、道路交通法違反(ほとんどがオービス事件)の公判請求を躊躇している、というのは考えすぎかなぁ…。

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2006年8月19日 (土)

「汚名を着たまま墓へ行けない」事件 第9回公判

8月18日(金)

050915r205  15時30分から、東京簡裁刑事1室3係534号法廷(堀内信明裁判官)で、いわゆるオービス事件、「汚名を着たまま墓へ行けない!」事件の第9回公判。
 ※ 写真は05年9月に撮影。工事がなくても、この場所で月曜の昼間に90㎞/h出すなんて可能か?

【場   所】 甲州街道下り世田谷区給田
【日  時】 2004年2月23日(月) 午後2時15分頃
【装   置】 三菱電機 RS-2000 (俗称・新Hシステム)
【測定値】 90㎞/h 制限速度50㎞/hを40㎞/h超過
【被告人】 78歳 白髪ポニーテール 東京府の大久保村生まれ
【弁護人】 国選 
【主   張】 道路右側のエッソのGSが混んでいたので入らず、第2通行帯から第1通行帯へ車線変更し、オービスの下を通って信号待ち、発進して間もなくのファミレス・ジョナサンに入った。90㎞/hなどまったく出していないし、出せない。昼間の甲州街道で90㎞/hなどきちがい沙汰。車線変更の途中なので、写真には車が切れて写っている。顔がだいぶ不鮮明。

 前回(第8回)は2月24日
 この間、期日外で打ち合わせを重ねていたようだ。

 今回は、現場付近での走行経路について、被告人が精密な図面をつくったので、それに関して被告人質問を小一時間。
 「しんぼく」という言葉が何度も出てきて、いったい何のことかわからなかったところ、堀内さんが「どう書くんですか」と尋ねた。
 「真北(まきた)」だと被告人。
 真北かよ! 真北が「しんぼく」かよ!
 私は、おかしくなってしまった。
 被告人は、ずっと建築・設計に携わってきたそうで、真北を「しんぼく」と読むのは当たり前なわけだ。

 終わって警視庁へ。
 7月分のレッカー移動件数がわかる文書と、渋谷署の確認事務のマニュアルを開示請求。
 じつは、次の月曜発売の『FLASH』(光文社)で、石川県警から公開してもらったマニュアルの、違反者と駐車監視員との想定問答集について、記事を書くことになっている。つか、もう徹夜で書いた。
 そのとき、ジャーナリスト・小谷洋之さんから、警視庁の同じマニュアルを一部見せてもらった。
 石川県警のと警視庁のとは、マニュアル自体は、文字詰めと、そしてなぜか「違反者等」と「運転者等」という表現が1カ所違う以外は、まったく同じだった。
 んが、石川県警から公開された想定問答集の部分は、警視庁が小谷さんに開示したマニュアルでは、全部墨塗りだった(他にも警視庁だけ墨塗りの部分あり)。
 そんなわけで、全体を確認しておこうと、私も開示請求したわけ、遅れ馳せながら。
 ※ 「公開」と「開示」とあるのは誤記ではないよ。ま、どっちも同じようなものだが。

 それから、来週の東京簡裁刑事の開廷予定(金曜17時すぎでないと見られないのだ)を確認しようと、裁判所へ。
 途中、某裁判官とばったり。
「下駄…ですかぁ」
「ええ、夏ですから」
「裁判所、入れる?」
「昔はスリッパに履き替えさせられたんですが、最近はそうでも…」
「ほう…」
 などと。
 ちなみに私は、カラコロ音をたてないよう、だいぶ気を遣ってる。
 足もとを見なければ、私が下駄履きとは誰も気づかないはずだ。

 簡裁刑事の訟廷庶務へ行く途中、さっきのオービス事件の被告人、弁護人とばったり。
 閉廷後、また堀内さんと打ち合わせしていたようだ。
 車で来ている被告人(私とは帰る方向が同じ)に、思い切って同乗をお願いしてみる。

 驚いた。78歳とは到底思えない、安心感のある、スムーズで着実な運転だった。しかも、道をよく知ってる…。

 兵庫、京都、滋賀、福井、富山、長野、静岡の各府県警へ、駐禁取り締まりの民間委託関係と、Tシステムの設置場所について開示請求、の文書をつくり封筒詰め。今回はシステマチクに進行した。切手代は計560円。
 だけど、このあとにかかるカネと時間が、たいへんなんだよなぁ…。

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 来週の簡裁は、継続のオービス事件が1件あるのみ。
 これで8月28日まで、東京区検が今年4月以降に起訴(公判請求)して期日が入った道路交通法違反は0件(または1件のみ)ってことになる。
 東京簡裁の道路交通法違反は、ほとんどがオービス。まさか、堀内さんがオービスの信頼性に疑問を持ってる(または、慎重な審理をやろうとしている)せいで、区検は起訴を躊躇してる!?
 それを言うのはまだ早すぎるかとは思うが、でも、もしも本当にそうだったら…!!
 もしも、そうだとして、堀内さんがこの「汚名を着たまま墓へ行けない」事件を有罪にしたら、区検は大いに安堵し、「どんなケースでも、起訴さえすれば有罪は決まりだ!」と、じゃんじゃん起訴するんじゃないか。
 もしもそうなら、って「もしも」ばかり積み重ねるけども、たぶん元名古屋高裁の堀内さんは、そのへんのことも頭に入れてるんだろうか…。ああ、なんかどきどきするよぅっ!!

 こんなことばっかり考えてるから、皇室のどなたかが近々出産という話をぜんぜん知らなくて、バカにされたとです(泣)。

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2006年5月 3日 (水)

略式は超過速度など外形的な要素だけで量刑を決めるから

 スピード違反裁判の量刑、こんな考え方もできるか。すなわち…。

 スピード違反(のうち反則金で終わらないもの)は、ほぼすべては略式で処理される。
 略式は、超過速度など外形的な(争いのない)要素だけで量刑を決める。情状も何もない。
 検察官が罰金8万円の略式命令請求をすれば、裁判官は8万円の略式命令とする。
 で、ごく一部、正式な裁判手続きになるが、他の同種の事件は8万円なのに公判だと求刑10万円、というわけにもいかない。
 そこで、正式でも8万円を求刑する。
 ここへ「8掛け」を持ち込んではおかしなことになるので、裁判官は求刑どおりの判決とする…。

 ま、あくまで外野の拙い想像ってことで。

 『Caz』の短い原稿はとっくに送信し、『ラジオライフ』の頼まれ原稿(その1)へ。5月末発売の号は、交通違反特集号なんだそうだ。

 ところで、当ブログのアフィリエイトについて、偶然、驚くべき事実がわかった!
 つづく…。

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2006年5月 2日 (火)

検察官を追いつめると求刑が重くなる?

 「寺澤オービス事件」の量刑についてちょっと。
 制限60㎞/hの一般道における37㎞/h超過。相場は罰金7万円だ。

 ところが検察官は10万円を求刑。
 あり得ねー、って感じ。
 検察側としては、「オービスは科学の名に値しないエセ計測器だ」旨、大槻義彦教授からズバリ言われ、対抗して呼んだ澤谷邦男教授(東北大学大学院)にまで「100%正確とは神様でないと言えない」と証言されてしまい、集プレ等で全国に報じられてしまったのだから、相当ムカついただろう。
 「寺澤憎し!」という検察側の思いが伝わり、ワタシ的には、なんつーか、こっけいだった。

 で、判決は、罰金8万円。
 これを私は、
「相場どおり7万円としたら、あまりに検察の顔をつぶすことになる。かといって10万はムチャだ。1万円のせて8万で許してね」
 という量刑と思った。

 が、弁護人の堀敏明弁護士は言うのだった。
「相場の8掛けというのがあってね…」
 判決は求刑のだいたい2割引が基本線。それはよく言われる。
 なるほど、本件も8掛けだったのか。

 でも、私には、なんか違和感がある…。
 というのも、これまで百数十件のオービス裁判を傍聴してきたが、スピード違反の罰金刑は、ごく一部の例外を除いて、必ず求刑どおりの金額なのだ。スピード違反に限っては、8掛けなどないのだ。
 これは、スピード違反は大量ゆえに、超過速度、車種、制限速度、前科といった、いわば外形的な要素だけで処理しなければならず、その要素によって決まった求刑の金額を、正式な裁判であれこれ審理したからといって動かすわけにはいかない、という、大量処理ゆえの事情によるんじゃないのかな。

 だから、私は「8掛け」とは露思わなかったのだが、しかし、うーむ、「8掛け」か…。よくわかんない。
 裁判長も、求刑から2万円も減額する理由を、なんにも言わなかったし。

 そういえば、相場は8万円と思えるところ、求刑は10万円で、判決は9万円。1万円減額の理由を、裁判官は言わなかった、という事件もあった。
 その事件のときも、検察官は被告人質問であれこれ突っ込んだが、結局検察官のほうが言い訳することになり、傍聴席からは、検察官はぼろぼろと見えた。
 メンツをつぶされると求刑の金額を上げる検察官もいる、ってことになるのか、ならないのか…。そういう場合、裁判官は、相場の1万円増しを落としどころとするのか…。
 うーん、1人で悩んでないで、誰かにきいてみよう。誰に?

 『ラジオライフ』の連載原稿を送信し、『ドライバー』の短い原稿を送信し、『Caz』という女性誌の短い原稿がもうすぐ書き上がる。

 ぽちっとね♪の人気blogランキングだが、異変が起きてる。
 5月2日23時45分現在、「日記・雑談」(「日記・雑談(その他)」じゃないです)のジャンルで、なんと162位! あり得ねー。いくらなんでもこのへんが限界…、いや、ちょと待てよ。

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 と昨日の記事に、「きっこのブログ」をマネて載せたのが、功を奏したのか。
 やっぱりみんなそう思ってたと、そういうことか。ううぅ…。

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2006年4月26日 (水)

「寺澤オービス事件」とうとう判決!

 4月25日(火)、さいたま地裁・川越支部へ。

 早めにつき、13時10分からの4号法廷(早川幸男裁判官)の、道路交通法違反の判決を傍聴。
 被告人は、紺色のジャンパーのおじさん。右肩がさがっている。
 今年2月14日の夜、運転して居酒屋へ行き大量に飲酒、0.45mg。
 酒気帯びの累犯前科2件あり。
 懲役10月の実刑。

 13時30分から1号法廷(曽我大三郎、早川幸男、小河好美裁判官)で、いよいよ、ジャーナリスト寺澤有さんを被告人とする「寺澤オービス事件」(平成13年[わ]第661号。詳しくは『交通取り締まりのタブー!』を)の判決。

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 …が、裁判官がなかなか現れない。あれ? また書記官が、ドアを施錠しちゃったのか?
 13時36分、
「別の事件が長引いているので、もうしばらくお待ちください」
 と書記官。

 はああ、と思って席を立ち、4号法廷へ行ってみると、早川さんが道交法違反・業過の判決主文をくり返しているところだった。懲役2年、執行猶予5年、保護観察付き、訴訟費用負担。
 執行猶予は最大5年。保護観察付きで5年とは、実刑ぎりぎりってことだ。被告人の身内らしき男女が喜んでいた。

 それが13時38分に終わり、13時40分、1号法廷に3人の裁判官が登壇。

 曽我裁判長が、主文を読み上げた。
「主文。被告人を罰金8万円に処する。その罰金を完納できないときは、金5千円を1日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。訴訟費用は被告人の負担とする」

 00年10月1日の夜の、三菱電機RS-2000型(高速走行抑止システム。俗称「新H」)による37㎞/h超過の事実を、当法廷で取調べた関係各証拠により認めた、として、争点についての補足説明が始まった。
 言渡しは約25分間…。

 百何十件かのオービス事件を傍聴してきた私からすると、ま、ごく普通の判決だった。
 「ごく普通」とは、オービスのメーカーの、客観的な裏付けとなるデータが何ら存在しない証言(つまりセールストーク)を、そのままオービスの信頼性の理由とすることをいう。
 他の事件と多少違っていた点は、東北大学大学院の澤谷邦男教授の、机上の計算と、三菱電機から聞いたという話が、有罪の理由に加えられていたことくらいか。

 寺澤さんの感想はこうだ。
「呆れた。いつまでカタログを読んでるんだ、と。
 この人(裁判長は)、裁判官じゃなく、三菱電機から来た人なのかと思った。
 24回も(公判を)延々とやって、カタログの要約かよ、と思った。カタログ判決だ。
 あれ(裁判長)が(自分の)父親だったら、やんなっちゃう。
 ほんとに呆れた」

 即日、控訴。舞台は東京高裁へ移ることになる…。

 14時30分~16時、同じ1号法廷で、「強盗致傷、窃盗、傷害、強盗、詐欺、危険運転致傷、道路交通法違反」という罪名の事件の審理があり、少し傍聴してみた。
 被告人(身柄。拘置所)は、坊主頭でメガネの、どこにでもいそうな若者だった。
 追起訴分の冒頭陳述をやっているところ。仲間といっしょに車で、自転車に乗った女性のバッグをひったくることをくり返していたらしい。甲148~152号証の要旨告知の途中で、私は退出。

 帰宅して、大急ぎで生活クラブ生協の荷物を取り、洗い物をし、洗濯物を取り込み、また外出。某雑誌の取材を受けに。

 ※ よかったらぽちっと押してね♪ 人気blogランキング。4月26日4時10分現在、「日記・雑談」のジャンルで369位。
  

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2006年4月11日 (火)

120㎞/hはあり得ないスピード! しかし…

 10時50分から、東京簡裁2室1係(櫻井廣美裁判官)で、道路交通法違反の新件。

 検察官の席に2人。
 若いほうは見習いか何かで(襟にバッヂが見えなかった)、手続きを進めた年配のほうが、開廷表に名前のあった草山哲郎検察官か。
 お初の検察官である。そうは早口でなく、言葉がはっきりして聞き取りやすい。

【場   所】 首都高5号線下り 豊島区南池袋2-41 5.95kp
【日  時】 2004年12月31日 午前3時11分頃
【装   置】 三菱電機 RS-2000
【測定値】 120㎞/h 制限速度60㎞/hを60㎞/h超過
【被告人】 40代 会社員 赤ジャンパー ジーンズ サンダル履き 
【弁護人】 若い国選
【主   張】 争わない 速度違反をしたことは事実

 かなり足が具合悪そう。
 10年ほど前に二輪で瀕死の重傷を負い、片足が(片目も片耳も)不自由となり、不自由ゆえに転落したか物を落としたか何かで、もう片方の足にひどいケガをした、ということらしい。
 そう聞くと、傍聴慣れしている者からすれば「電波系か?」とも思えるのだが、いやいや、電波の片鱗もなく、非常に誠実で地道な感じの人物と見えた。

 奥さんが情状証言ののち、被告人質問。
 捜査段階では「80~90㎞/hだった」と否認していたという。そのことについて…。

「古い車、昭和の車で、100㎞/hを超えると、かなり大きな警告音が鳴る。
 その音を鳴らさず、助手席の友人と息子(8歳。生き甲斐)のことなど話しながらの運転だった。
 夜だし、首都高5号線は延々直線が続く道路でもない。
 自分の能力(体が不自由)で、友人と話しながら120㎞/hも出せない。
 (目も不自由なので)夜はとくに注意している。
 (120㎞/hは)あり得ないスピードだ…」

 しかし、「争わない」と言う。「(120㎞/hを)認める」と言う。
 裁判官も検察官も弁護人も、だーれも何も言わない。
 だーれも何も言わず、11時38分、判決が言い渡された。
 求刑どおり罰金9万円。訴訟費用は負担させない。
   犯罪事実は起訴状記載のとおり。
   その事実は、取調べた証拠から明か。
   それに相当法条を適用のうえ主文のとおりとした。
   これは有罪判決なので控訴できる。
 形式的なこと以外なーんにも言わない判決だった。

 被告人の説明が本当かどうか、誰にもわからない。
 オービスが間違いないことの客観的な裏付けとなるデータは何ら存在しない…。

 警視庁に寄ってから、農林水産省地下第5職員食堂へ。
 やけに混雑。長蛇の列。なんで? とくに変わったメニューもないようなのに。
 第3食堂(裁判所の正面玄関から最も近い大きな食堂)へ行ってみると、改装のため休業だった。それでかぁ。あまり時間がないので、空腹のまま電車に…。 

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2006年4月 6日 (木)

プラス誤差もマイナス誤差も、そんなことは目じゃないのだよぅ

 仙台高裁秋田支部のオービス公訴棄却の件、ABS(秋田放送)ではけっこう大きく報じられたんだね。

1、http://www.akita-abs.co.jp/news/newsbn/2006/060314.htm
2、http://www.akita-abs.co.jp/news/newsbn/2006/060315.htm
3、http://www.akita-abs.co.jp/news/newsbn/2006/060327.htm

 3は、検察が最高裁に上告したニュース。
 1と3のオービスは、レーダ式ではあるけれども、本件のとは違うよぅ。

 ところで、秋田のあの判決の根幹は、「オービスにプラス誤差がある可能性」ではないよ。
 レーダ式の測定機が誤測定するって判決は、すでにある
 秋田のあの判決は、
「プラス誤差もマイナス誤差も、とにかく客観的な裏付けとなるデータ等が何ら存在しない」
 と言ってるとこが凄いんだよ。
 プラスとかマイナスとか、そんなことは目じゃないんだよ。
 そのほかにも、凄い部分がある。詳しくは4月20日発売の『ドライバー』の、私の連載「覆面パトは二度サイレンを鳴らす」を読んでね。

 Nシステムのデータが流出したことについて、今週号の『週刊プレイボーイ』に記事がある。ああいう記事は、電子的な知識のない私には書けないねぇ。勉強させてもらいました。と言いつつあんまり理解してないかも(笑)。

 じつは、私のほうにも、あの流出データに関して、たぶん誰も知らないスクープ(?)情報あり。
 それは明日ね。

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2006年3月28日 (火)

秋田のオービス公訴棄却事件 検察が上告 「先の墓穴より今のメンツ」?

 26日(日)から無謀にも2泊で温泉へ。
 途中、仙台高裁秋田支部で逆転公訴棄却となったオービス事件、検察が上告したと聞いた。
 92年に大阪高裁で逆転無罪を食らったときは、検察は上告せず、その後、メーカー(東京航空計器)社員に「あれは誤判だ」と言い張らせ、なんの問題もなくすべての事件を有罪にしてきているんだが、そうですか、今回は上告しましたか。

 ま、当時と違って近頃は、オービスを取り巻く状況がちぃっと違ってきてることもあり(今発売号の『ラジオライフ』参照)、ここはオービスの負けを確定させたくない、と強く思ったんだろうか…。
 大阪高裁のときは、タコグラフのチャートという動かぬ証拠があって無罪とされたが(それでも一審加古川簡裁は有罪)、秋田の事件はそういうのがないので(被告人側に無実の証拠がなければ有罪というのが鉄則なので)イケると思ったんだろうか…。

 しっかし、どうやって再逆転させるんだろう。
 秋田の公訴棄却の理由は要するに、「わずかなプラス誤差がないことの客観的な裏付けとなるデータが存在しない」ということだった。
 「客観的な裏付けとなるデータ」が、専門の科学者が検討して、「うむ、このデータによればプラス誤差はないと客観的に認められる」というものであれば、そんなものがあるとは到底考えられない。差し戻しになれば、検察は、もっと大きな墓穴を掘ることになる可能性が高いのでは?

_28  先の墓穴より今のメンツ。

 という官僚的な金言(?)にしたがったのか。
 上告理由に当たらないと却下されることを見越し、
「法律手続き上、汚名をすすげなかったが、仙台高裁秋田支部のは誤判だ。オービス(本件では三菱電機RS-2000B型)は絶対無謬だ」
 と言い張る腹なのか。あるいは…。

 とにかく、検察はこれからどんな上告趣意書を書くのか、被告人・弁護人がどう反論するのか、注目される。

 本件現場は、上りというか、南へ向かう方向。つまり海側ではなく内陸側。その第2車線のほうらしい。写真は礼田計さん提供。

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2006年3月20日 (月)

仙台高裁秋田支部のオービス公訴棄却判決を読み、猛烈に感動!

_53  仙台高裁秋田支部、06年3月14日宣告、オービス(やはり三菱電機RS-2000B型!)の公訴棄却の判決書きと、付随する、一審秋田簡裁の判決書き(罰金6万円)、控訴趣意書、それに対する検察官の答弁書、を読んだ。  ※写真は礼田計さん

◆一審判決
 まあ、ごく普通、との印象。
 よくある判決より若干長いので、一審の弁護人はそれなりに説得力ある争いをしたのかなぁ、と想像することができる。
 東京航空計器は、自社の社員が定期点検を行う。が、三菱電機は(全部かどうか私は知らないが)、別会社に点検させる。一審では、その点検会社の社員が証言している。
 判決は、その社員の証言(客観的な裏付けとなるデータが何ら存在しない!)を鵜呑みにしたうえで、「…異常や誤作動があったことを窺わせるような具体的事実や証拠がなく、前記認定に合理的疑いを差し挟むには至らないものである」としている。
 これは卑怯だと思う。普通の運転者には、そんな「具体的事実や証拠」がなくて当たり前ぢゃないか。

◆控訴趣意書
 驚いた! 客観的な裏付けとなるデータが何ら存在しない、そのことしか言ってないのね!
 ごちゃごちゃよけいなことを言わず(もちろん、いろいろ主張・立証するのが悪いとは言わないが)、本質のみズバリ突く…。私が知る限り、前例のない主張ではないかと思う。素晴らしい! 感動した!

◆答弁書
 A4サイズで1枚ちょい。まあ、普通の検察の姿勢が書かれている。つまり、「メーカーや点検会社が大丈夫と言ってるから大丈夫なのだ」と。

◆控訴審判決 
 ほほおぅ! へえ! と驚いた。こういう判決だったのか!
 本件前後の違反者の自白の供述は、測定値の正確性まで認めたことにならない、逮捕された本件被告人が略式に応じたことは、測定値を認めたことにならない、といったところにまで踏み込んでいる。なんと常識的な判断! 感動したよ!

 読んで思い浮かんだのは、
「世間のしがらみのない、曇らない目をもった子どもが、当たり前のことを素直に言った。それをしっかり受け止める、曇らない目をもった王様(裁判官)がいた」
 というふうな童話。そんな童話、なかったっけ?
 詳しくは後日。いま忙しいのだよぅ。日曜に、運動不足を一気に解消しようと(馬鹿だよね)プールでだいぶ泳ぎ、めっちゃ疲れて(血圧の上が100を切ってしまった)だいぶ寝ちゃったこともあり、いろいろ押せ押せになってるのだ。

仙台高裁秋田支部「客観的裏付けがない」と公訴棄却!!
秋田オービス公訴棄却判決「あれは誤判だ」と三菱電機も言い続けるのか
オービス公訴棄却判決を書いた3人の裁判官
公訴棄却を食らった三菱のオービス(高抑)をさっそく礼田計さんが140枚撮影!
秋田のオービス公訴棄却 現場はこんな道路(礼田計さん撮影) 

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2006年3月18日 (土)

秋田のオービス公訴棄却 現場はこんな道路(礼田計さん撮影)

_15

 礼田計さんがさっそく現地へ飛んで撮影してきた写真。
 奥のほうの門型構造物の上に載ってるのが、仙台高裁秋田支部で公訴棄却を食らったオービス(高速走行抑止端末装置。三菱電機RS-2000のたぶんB型か。俗称「新Hシステム」)。

 朝日新聞・秋田版の記事コピーも送ってくれた。
 なぜ無罪ではなく公訴棄却なのか、その参考に、記事は反則・非反則の処理手続きを説明しているのだが…。
「…一方、30㌔以上超過した重い違反の場合は、刑事事件として扱われる。運転者は簡易裁判所に出頭し、略式起訴され罰金を払うか、裁判で争うかを選択することになる」
 後段は違うよぅ。不起訴のことが抜けてるよぅ。

1、略式起訴されて罰金を払うか
2、不起訴か
3、公判請求されて正式な裁判か
 のどれか、なのだ。
 そして、3の場合、秋田のこの事件のように、あるいは中津川簡裁の事件のように、そして多くの事件のように、真っ向から争う人もいるが、「測定値のスピードは絶対に出してないけど、機械が測った以上仕方ない」などと、罪状認否で自白に転じる人もたくさんいる。

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著者:今井 亮一
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2006年3月17日 (金)

公訴棄却を食らった三菱のオービス(高抑)をさっそく礼田計さんが140枚撮影!

Photo_1 おおっ! 載せることができた! (写真の著作権は礼田計さん)

 写真は、礼田計さんがさっそく秋田へ飛んで撮影してきた、仙台高裁秋田支部で公訴棄却を食らったオービスだ。
 礼田計さんはスチル写真だけで140枚も撮影してきたそうだ。マニア魂、おそるべし!

 これは三菱電機の「高速走行抑止端末装置」。この手前にある警告板や警察にある中央装置などをあわせて「高速走行抑止システム(高抑)」という。
 俗称「新Hシステム」。オービスマップでは「H」と表記されるやつだ。

 左側と右側とで、ストロボ、アンテナ、カメラのレイアウトが違う。右側が通常のタイプ…。と思いきや、右側のセットのカメラのそばに小さな筐体が…。と思いきや、え? 右側のセットのさらに右に、ストロボ? なんだこれ?

 ははぁ。「寺澤オービス事件」で、三菱電機の菅井宗一社員は、たしか「RS-2000にはB型がある」とか言ってたが、もしかしてそれがこれか?
 さっそく仕様書を開示請求せねば。

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2006年3月16日 (木)

オービス公訴棄却判決を書いた3人の裁判官

 いろんな方から情報をお寄せいただき、感謝です。
 こんな報道もありました。

 今回の判決、各種報道を見ただけでも、たいへんな判決だと思うですよ。
 だぁって、同じ場所で、いや他の場所でも、反則・非反則ぎりぎりの超過速度で検挙された人たちもみんな公訴棄却になるか、あるいは、すでに略式で罰金を払った人たちが再審請求するとか、すでに受けた行政処分について損害賠償の訴訟を起こすとか、そういうことにもつながり得る判決じゃないの?

 仙台高裁秋田支部の裁判官らは、なんでそんな思い切った(しかし当たり前の)判決を書けてしまったのか。
 じつは、ここだけの話、3月末発売『ラジオライフ』の私の連載のシメは、こういう文章なのだ。

「絶対にプラス誤差はないと言い張るのはメーカー社員だけ。何ら裏付けがない。合理的な疑いがないまでに立証されたとは到底言えず、被告人は無罪」
 という当たり前の判決がいつか出るのか。ドキドキするよぉ。

 「当たり前の判決」が今に出るんじゃないかとドキドキするに足る理由を挙げて、そうシメた。
 そしたら、その号が発売される前に、今回の判決が出たわけだ。びっくりも一塩ってもんさ。←日本語表現、正しい?

 私は前々から、「そういう判決を書くのは、ガンで余命いくばくもないとわかって覚悟を決めた裁判官では?」と冗談半分、本気半分で言ってきた。
 畑中英明裁判長を、ネットで検索すると、仙台地裁にいた2005年3月、北陵クリニック事件で無期懲役の有罪判決を書いた人だそうだ。へえ。
 そんな裁判官だから警察・検察の顔を立てる判決ばかりするとは限らない。
 池上正太郎さんの『鬼平犯科帳』、長谷川平蔵宣以(のぶため)のセリフに、こんなのがある。
「人間というやつ…(中略)…善事をおこないつつ、知らぬうちに悪事をやってのける。悪事をはたらきつつ、知らず識らず善事をたのしむ、これが人間だわさ」(『谷中・いろは茶屋』)

Book 鬼平犯科帳の世界

販売元:文藝春秋
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 畑中さんは、北陵クリニック事件で、おそらくは無実の人を無期懲役の牢獄へ送り、相当に良心の呵責を感じていたのではないか。無意識の奥底で、自我が悲鳴をあげており、そのことが、今回の「当たり前の判決」につながったのではないか…。なーんて傍聴マニアは想像するのだよぅ。

 で…他の2人の裁判官は?
 秋田支部に電話して尋ねてみた。
 寺西和史さんと、西岡繁靖さんだという。
 寺西和史さん? え……………うぎょっ!

愉快な裁判官 Book 愉快な裁判官

著者:寺西 和史
販売元:河出書房新社
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 この本の寺西和史裁判官と、同姓同名の他人ってことはないよね!
 だいぶ前に読んだが、面白い本だったよぉ。たいへん勉強させられたっけ。
 へえ、寺西さん、秋田に…。

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2006年3月15日 (水)

秋田オービス公訴棄却判決「あれは誤判だ」と三菱電機も言い続けるのか

 私は「東京簡裁の道路交通法違反事件をぜんぶ傍聴してやろう!」と東京簡裁へ通い詰めている。同じビル内にある東京地裁、東京高裁ほか、他県の裁判所へも行く。この金曜は岐阜県の中津川簡裁へ行く予定だ。
 3月11日(金)現在で、エクセルに入力済みの事件は387件。そのうち261件が道路交通法違反で、さらにそのうち129件が自動速度取締機、いわゆるオービスによるものだ。

 「検察統計年報」で、交通法違反(「自動車の保管場所の確保等に関する法律」違反を含む)の04年の全国のデータを見ると、略式命令請求61万2337人、公判請求1万1946人、不起訴12万5487人
 公判請求の内訳は、地検が1万1537人、区検が409人。区検のうち東京区検が33人。
 33人というのは、全国の区検でトップだ。2位はさいたま区検で14人、3位は神戸区検で10人。

 3月14日に仙台地裁秋田支部で、原判決破棄、公訴棄却の逆転判決を受けた男性は、一審・秋田簡裁で罰金6万円の有罪判決を受けていたという。
 「検察統計年報」で秋田区検を見ると、

           略式命令請求  公判請求  不起訴
   06年       2168人      1人    523人
   05年       1822人      1人    389人

 ただ、東京地検で聞いたところによると、この「公判請求」には「略式→正式」を含まないという。
 今回の男性は、いったん略式に応じてから、正式裁判を請求したそうだ。
 だから、男性は統計上は「略式命令請求」のほうに含まれるわけだね。

 なーんてマニア以外にはどうでもいい話はさておき、仙台高裁秋田支部の判決である。

 最高裁のホームページで、「裁判手続:刑事事件について→証拠調べ手続き」をクリックすると、こう明記されているのに出くわす。

 刑事事件においては,「疑わしきは被告人の利益に」の原則が貫かれていますから,まず,検察官が,証拠によって公訴事実の存在を合理的な疑いを入れない程度にまで証明するための立証活動をしなければならないわけです。

 検察官側の立証に続いて,反対当事者である被告人側の立証が行われます。この立証は,裁判官に対して,公訴事実の存在につき,検察官の立証が合理的な疑いを入れない程度にまでは証明されていない,と考えさせるだけで十分であり,それ以上に,公訴事実が存在しないことまで証明する必要はありません。

 オービス裁判における検察立証は、ぜーんぶメーカー作成の書類とメーカー社員の口先だけの証言だ。客観的な裏付け・データは一切ない。
 そんなの、「合理的な疑いを入れない程度にまで証明するための立証活動」とは到底いえない。
 しかし、それでも有罪とされ続けてきたのが、オービス裁判なのだ。

 という話もさておき、車の速度メータにたとえれば、今回の判決は、
「メータの針は、絶対マイナス側にしか振れない。プラス側には絶対振れない」
 とメーカーが言うのに対し、
「プラス側に振れる可能性もある」
 ということで、反則・非反則の手続き上のことで公訴棄却にしたわけだ。
 こういうのは、追尾式のスピード違反事件ではよくある。
 測定値が、反則行為(超過30㎞/h未満、高速道路等では超過40㎞/h未満)をちょっと超えるだけの事件は、公訴棄却にしやすいといえる。
 まあ、全部機械任せ(したがって機械は無謬であることが絶対必要)なオービスと、人間の感覚や動作に頼る追尾式とでは、その重みはだいぶ違うけれども。

 だが、私は思うのだ。
 メータの針がどれくらい振れるか、というのは、測定センサー(本件ではレーダ)がどうこうの話にすぎない。
 オービスは、速度メータにたとえるなら、デジタルメータだ。
 私はメカのことはよくわからないが、速度メータがタイヤの回転から速度を拾うとしてだよ、
「タイヤの回転から拾ったのとは違う数字を、どこでどう拾ったのか、デジタルメータが表示しちゃう」
 そういうことがどうもあるんじゃないかと、多数のオービス裁判を傍聴し、傍聴席で「う~ん」とうなり続けてきた私は、思うのだよぅ。
 デジタルメータが、タイヤの回転から拾った速度を、間違いなく表示するのか。
 他の何かを拾って表示する可能性は絶対にないのか。
 そこもまた、客観的な裏付け・データは一切ない。

 もしも、そのことを理由とした公訴棄却判決なら、オービス無謬(むびゅう)神話にとって壊滅的打撃だが、上記「針の振れ」なら、メーカー(本件では三菱電機か)は、
「あれは誤判だ。あの裁判では検察が出さなかったが、プラスに振れないことは確認されているのだ」
 と言いやすいんじゃなかろうか…。
 なんにせよ、たいへんな判決が出たもんだ。判決書きを早く読みたい。

※秋田魁新報「測定装置に疑義、公訴を棄却/速度違反控訴審、高裁秋田支部が判決

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仙台高裁秋田支部「客観的裏付けがない」と公訴棄却!!

 ようやく少し時間ができたので「オービス裁判の手引」(仮題)をしこしこ書き始め、風呂に入ってPCに向かったら、いろんな方から同一内容のメールあり。ええっ!? ととっとんでもないことになりましたな!!

 乗用車で制限速度を32キロ超過したとして、道交法違反罪で秋田簡裁から罰金6万円の有罪判決を受けた秋田県男鹿市の自営業男性(40)の控訴審判決が14日、仙台高裁秋田支部であった。畑中英明裁判長は「自動速度取り締まり装置(オービス)が被告人の車両の速度を正確に測定していたとはいえない」などとして簡裁判決を破棄し、検察側の公訴を棄却した。

 男性は04年8月、同県潟上市内の制限速度60キロの県道を92キロで走行したとするオービスの記録から県警の取り調べを受けたが、出頭を拒否し05年1月に逮捕された。簡裁判決後、男性は「オービスを知っており、通常80キロ程度で走行していた」と控訴していた。

 判決で畑中裁判長は「(同装置の資料に)測定値にはマイナス誤差しか生じないことを意味する記載があるが、根拠となるデータが示されていない」と指摘。「被告人が90キロ未満で走行していたのではないかという疑いが残る」と述べた。

 速度違反は一般道で超過速度30キロ未満の場合は反則金を納付すれば処分が終了するが、30キロ以上の場合は罰金などの刑事処分を受ける。 【馬場直子】

毎日新聞 2006年3月14日 20時42分 (最終更新時間 3月14日 21時54分)   ※太字は今井

                                              
 『別冊ベストカー 全国オービス&ネズミ捕りマップ完璧ガイド』を見ると、「潟上市内」のオービスは、寺澤オービス事件の三菱RS-2000(俗称・新Hシステム)によく似ている。ストロボ、アンテナ、カメラのレイアウトがちょと違うが、三菱電機の商品で間違いないだろう。

 ちなみに、上掲記事の「(同装置の資料に)」という部分、2ちゃんねるの引用記事では「(同装置を製作した三菱電機の資料に)」となっている。投稿者がわざわざマニアックな改ざんをしたとも考えにくい。毎日新聞が三菱電機に配慮してあとから削ったんだろうか。

 「無罪」ではなく「公訴棄却」だという。それはね、こういうわけだ。
1、超過30㎞/h未満の場合、反則通告をしてから(つまり反則金を払うチャンスを与えてから)でないと、刑事事件として扱えない(道路交通法130条)。
2、測定にプラス誤差があった(=超過30㎞/h未満だった)可能性がある。
3、そうすると本件は、反則通告なしに刑事事件として扱ったことになる。
4、公訴の手続きに違法があることになるので、公訴は棄却する。
 ま、実質的には無罪と同じだ。

 問題は、公訴棄却の理由である。
「(同装置の資料に)測定値にはマイナス誤差しか生じないことを意味する記載があるが、根拠となるデータが示されていない」
 朝日新聞の報道では、こうなっている。
「プラス誤差がないという客観的な裏付けがない」

 そぉーなのよ!
 私の表現でいえば、写真に焼き付けられた測定値が、被告人車両の実測度よりプラスになること、つまり「プラス表示」なんだけども、オービス事件における検察立証は、
1、メーカーが作成した、オービスは間違いないという書類
2、メーカーが作成した、点検で正常だったという書類
3、メーカーの社員(全国の裁判所を、旅費日当、裁判所または被告人持ちで飛び回っている特定の社員)の、「我が社のオービスにプラス誤差はない」という証言
4、たまに、メーカーが自分たちで行った実験結果の書類
 それだけなのだ。
 「客観的な裏付け」なんてものは、私がもう口を酸っぱくして言ってきたように、一切ないのだ。
 それでも有罪とされ続けてきたのが、オービス裁判なのだ!

 じゃあ、畑中英明裁判長は、なんで公訴棄却としたのか。

 ふり返れば、これまでの被告人・弁護人はだいたい、「プラス誤差はあり得る」ことを立証しようとしてきた、といえるだろうか。
 だが、それはすべて、メーカー社員の「我が社の商品は優秀でして、そのへんも大丈夫です。これこれの機能になっております」という(当然、なんの客観的裏付けもない)証言に阻まれてきた。
 仮に「プラス誤差はあり得る」ことがわかっても、「それが本件測定において起こったか」という大きなハードルがあった。

 「客観的な裏付けがない」という点については、
「もしも、それを理由に無罪(または公訴棄却。以下同)とすれば、他のすべてのオービス事件も無罪になる。オービスの取り締まりは成り立たなくなる。そんな判決を裁判所が書けるはずがない」
 と、被告人・弁護人の側は消極的だった。
 
 ところが今回、報道を読む限りでは、「客観的な裏付けがない」という、オービス裁判の根幹、フーテンの寅さんいわく「それを言っちゃっちゃぁオシマイよぉ」の論点を突っ込んだのだろうか。
 でも、ただ突っ込んだだけでこんな判決が出るとは思えない。被告人、弁護人がいるなら弁護人、裁判官の個性が関係したんだろうと想像する。

 相手が聞いてくれるはずがないと思っても、いちばん大事なことは、言っていくしかないんだなあ。と、報道を見ただけで興奮し、勝手に人生訓を導き出してしまう私なのであった(笑)。

 さて、検察側はどうするのか。これが地裁・簡裁判決なら、高裁でひっくり返すのは簡単だろうが、本件は高裁判決だ。

 まあね、東京航空計器のオービスⅢは、大阪高裁で無罪が確定しているけれども、その後の法廷でメーカー社員は「あれは誤判だ」とうそぶいている。
 三菱電機も、その線でいくのか。
 しかし! 今回の判決は「客観的な裏付けがない」を理由にしている。ズバリ本質を突いているのだ。
 今後のどの裁判でも、客観的な裏付けなど出せっこないだろう。学者(博士)を呼べば、寺澤オービス事件のようになってしまう(大槻義彦教授のブログ参照)。
 そして、「客観的な裏付けがない」のは、東京航空計器も同様だ!

 現在、東京簡裁では複数件のオービス裁判が進行している。中津川簡裁でも。他の裁判所でも。
 今回の仙台高裁秋田支部の判決は、どう影響するのか。
 いやはや、とんでもないことになったよぅ!

 オービスのことは、この本が詳しいです。大阪高裁の無罪事件のことも詳しく書かれてます。ちょっと古いですが、オービス関係のバイブルですね。最初はアメリカのボーイング社が…とかいう話は全部この本に書かれてます。

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 あと、三菱電機RS-2000については、これが必読!

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著者:寺沢 有,小谷 洋之
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 ついでに宣伝させてもらえば、オービスについてはデマや迷信があふれており、そのへんの基本知識はこちらを。

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著者:今井 亮一
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2006年2月24日 (金)

「汚名を着たまま墓へ行けない!」第8回公判

 15時30分から、東京簡裁刑事1室3係534号法廷(堀内信明裁判官)で、いわゆるオービス事件、「汚名を着たまま墓へ行けない!」事件の第8回公判。

【場   所】 甲州街道下り世田谷区給田
【日  時】 2004年2月23日 午後2時15分頃
【装   置】 三菱電機 RS-2000 (俗称・新Hシステム)
【測定値】 90㎞/h 制限速度50㎞/hを40㎞/h超過
【被告人】 78歳 白髪ポニーテール 東京府の大久保村生まれ
【弁護人】 国選 
【主   張】 道路右側のエッソのGSが混んでいたので入らず、第2通行帯から第1通行帯へ車線変更し、オービスの下を通って信号待ち、発進して間もなくのファミレス・ジョナサンに入った。90㎞/hなどまったく出していないし、出せない。昼間の甲州街道で90㎞/hなどきちがい沙汰。車線変更の途中なので、写真には車が切れて写っている。顔がだいぶ不鮮明。

050915r203

 この事件、第1回公判は05年6月17日。
 第2回は7月22日。被告人宅へ拡大写真を持って訪問した警部補(32歳。見た感じ切れ者風)を証人尋問。旅費日当と思われる茶封筒。この頃はまだ、警視庁警察官は茶封筒を当たり前に受け取っていた。その後、私がごちゃごちゃ動き始めたのを知ってか、受け取らない(つまり裁判所に対し請求しない)ようになった。
 第3回は9月14日。三菱電機鎌倉製作所の菅井宗一社員を証人尋問。三菱も東京航空計器も、全国の法廷を飛び回って何の根拠もない“セールストーク”をする専門の社員(これが裁判所にとっては測定機の専門家。おいおいっ!!)がいて、彼らは旅費日当を請求して受け取る。地方で証言した場合、受取額はかなり高額になる。
 三菱RS-2000と菅井証言についてはこの本が詳しい。関係者は必読!

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 第4回は10月19日。被告人質問。
 第5回は11月18日。被告人質問。
 第6回は06年1月11日。私は中津川簡裁のオービスⅢLj事件を傍聴に行き、パス。なんと、堀内さんが(?)上掲の本に出てくる大槻義彦教授の証人尋問調書と、それから検察側の澤谷邦男教授の証人尋問調書をさいたま地裁・川越支部から取り寄せたらしい。これはだいぶんに驚天動地の展開。
 第7回は2月8日。両教授の証言を検討するには、それら証言の前に川越支部の法廷に提出されていた書面を見る必要があるようだから…という話に。

 そして2月24日の第8回。
 その書面を弁護人は入手したのかしてないのか、よくわからないまま書記官室で打ち合わせ(非公開)をすることに…。せっかく良い展開になってるんだから、ポイントを押さえてぐいぐい押せばいいのに…。

 15時35分頃閉廷。私は単行本(共著)の原稿があり帰宅。ってまだ書いてないのかよっ!! せっかく原稿の依頼がきてるんだから、きりきり書けばいいのに…(泣)。

 今日は結局、13時30分と15時30分のオービス事件を傍聴に裁判所へきて、13時30分のは流れ(期日変更になり)、時間が空いたので他の事件を少し傍聴し、15時30分のは約5分で終了。この5分のために、電車での往復を含め4時間も仕事場を離れたことになる。めっちゃ忙しいのに。しかし、それでも「もったいない」という思いはぜんぜんないんだよなぁ。なぜ?

 ちなみに「ルーシー・ブラックマンさん殺害事件」をちらっと覗いてみようかと425号法廷へ行ったが、「もう一杯で傍聴券はない」と本当か嘘か言われ、ドアの小窓から中を覗こうとしたが小学生みたいに通せんぼされたっけ。

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2006年2月22日 (水)

甲州街道下り給田RS-2000「不公平だ!」

 朝の電車3本のうち1本の運転士(?)が、若そうな女性だった。そんな時代になったのだなあ、と思うたのさ。
 途中の電車内で、国賠ネットの方にばったり。11時30分からの「西山(沖縄密約)国賠」を傍聴にへ行くのだという。定年(の少し前)で退職し、ずっと通っているのだという。うらやましいっ!

 午前11時20分から、東京簡裁刑事2室3係728号法廷(北村幸次裁判官)で、道路交通法違反の新件。

【場   所】 甲州街道下り世田谷区給田
【日  時】 2005年9月6日 午前5時40分頃
【装   置】 三菱電機 RS-2000 (俗称・新Hシステム)
【測定値】 92㎞/h 制限速度50㎞/hを42㎞/h超過
【被告人】 50代 自営業 
【弁護人】 国選 (だいぶ年配。初めて見る弁護士)
【主   張】 測定値に争いはないが、セット速度(『なんでこれが交通違反なの!?』Q022参照)未満は捕まらないのは不公平だ。納得いかない。納得させてもらいたい。

 被告人はその時期、肉親の容態が悪化して(間もなく死去。合掌)帰宅を急いでいたという。10年前に東名高速で受けた取り締まり(車間距離不保持)に対し、納得いかないまま反則金を払ってしまった悔しさが相当に尾をひいるらしく、そんなこんなで怒りが噴出したように見えた。
 北村裁判官、田口照子検察官の、いつもとはちょっと違う対応が、まあ、なんというか、3年間ほど534、728、826号法廷へ通っている者からは、まあ、いろんなことがあるね、という感じだった。

 田口さんは冒陳(冒頭陳述)で「被告人に前科はなく、前歴もありません」と言ったが、弁護人(国選)による被告人質問で、上述の10年前の違反歴が語られた。反則行為の場合、点数(を付した理由として違反)が記録され、それは、免許更新時の講習や有効期限のための記録なので、5年(と40日)をすぎれば記録から外すのかな、いや、どうなのかな、と他人にはどうでもいいマニアックなことを一瞬考える俺だったのさ。

 2分ほど休廷して判決。
 求刑どおり罰金8万円。訴訟費用(本件では国選弁護人の費用)は負担させない。
 11時50分閉廷。
 簡裁は1コマ50分なのに、11時20分に新件を入れて大丈夫かいな、と思ったが、大丈夫だった。

 被告人が納得いったかどうか不明だけれど、まあ、法廷で言いたいことを言えて、それなりに落ち着くものはあったのではないか。略式に応じて、さらなる怒りをためて罰金を払うより、ずっとよかったのだろう、と思った。
 無理に泣き寝入りして、そんな自分への苛立ちも含めて警察を憎むのはよくないよね。

 拙著『なんでこれが交通違反なの!?』のQ003は、<<「みんな違反しているのになぜ自分だけ?」の理屈は通用するか?>>。Q010は<<警察はなぜ「待ち伏せ取り締まり」を公然と行っているのか?>>。
 もしもまだ納得いかなければ、そのあたりを読んでみては如何でしょうか、とは言わず、すぐに「西山国賠」の法廷へ行ったが、もう誰もおらず、その時間の農林水産省地下の第5食堂は押すな押すなだし…。うむぅと思案し、13時30分から地裁民事5部721号法廷で[原告:花田光司 被告:光文社]の証拠調べ(本人・証人)という興味をひく事件があったが霞ヶ関をあとに。新宿思い出横町の岐阜屋でラーメン350円。都内某所で某事件の関係者と面談。帰宅して某事件の書面を一通仕上げる。
 単行本(共著)の原稿が終わらないのに、連載の締切の時期が迫ってくる。嗚呼…。

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2006年2月 9日 (木)

川越支部と東京簡裁で三菱RS-2000事件を傍聴

2月8日(水)

 いつもは車で行くさいたま地裁・川越支部へ、きょうは電車と徒歩で。ちょうど2時間だった。
 11時から「寺澤オービス事件」第23回公判。曽我大三郎裁判長。合議。
 三菱電機のRS-2000(高速走行抑止システム。俗称Hシステム)による37㎞/h超過。測定値97㎞/h。

 まずは弁護人が、今日発売の『週刊プレイボーイ』の記事を証拠申請。
 検察官は、いつものように不同意。
 弁護人は撤回し、被告人質問を30分ほど。
 RS-2000の写真には違反時刻が午後10時49分と焼き付けられているが、寺澤さんは午後10時54分に車を止めて携帯電話で話しており、当該道路へ出たのは午後11時をまわっているはずという。
 その点について興味深い陳述があったが、『ドライバー』で報告することにしよう。

 11時35分から論告。
 メーカーが言うRS-2000の機能を延々と述べた。
 でもそこには、なんの科学的・技術的・客観的根拠もない。メーカーの言い分を鵜呑みにしてるだけ。
 この検察官は低くて威厳のある声だけに、かえって無能さが際だって聞こえるのだった。
 こんな検察で、日本は大丈夫なのかと、心底不安になった。私って愛国者?

 驚いたのが求刑。相場は罰金7万円のところ、なんと10万円!!
 まあね、否認事件のとき、たまに、相場より1万円ほど高かったり、上限である10万円だったりすることはあるが、本件では、いかにも「寺澤憎し」というものが感じられ、なのに懲役は求刑できないところが滑稽だったりしたよ。
 有罪判決の場合、10万円ってことはない。7万円か、検察官の顔も少し立ててせいぜい8万円だろう。

 12時3分から弁護人(堀敏明弁護士)による最終弁論。
「立証責任は検察にある。本件ではそんな立証はない」
 等とツボを押さえた弁論。

 12時37分、寺澤さんが最終陳述。
 12時39分から次回期日を決め、12時42分閉廷。
 注目の判決は4月25日13時30分だ!

 私はすぐに、東京簡裁へ。
 15時から534号法廷(堀内信明裁判官)で、寺澤オービス事件の大槻・澤谷教授(両人とも博士)の尋問調書を取り寄せたオービス事件(甲州街道下り世田谷区給田のRS-2000)の第7回公判があるのだ。前回は中津川簡裁のオービス事件(東京航空計器オービスⅢLj)と期日が重なってパスしたので、今日はどうしても傍聴したく。
 駅まで35分の歩き(ミニ散歩)も含め、ちょうど2時間くらいだった。池袋の駅で迷わなかったらもうちょい早く着けたな(笑)。

 こっちのオービス事件(被告人は78歳。「汚名を着たまま墓へ行けない!」)は、弁護人が大槻教授を証人申請し、大槻教授はすでに川越支部で証言しているので、ではそれを取り寄せてみよう、という話になっているのだった。
 堀内さんは、いつもよく説明してくれるので、ほんと助かる。勉強にもなるし。初めて刑事裁判を傍聴する人には、東京簡裁刑事1室3係の堀内信明裁判官の法廷(534号を使用)がお勧めだよ。

 そして、大槻教授の証言は何かの書類を前提としているので、じゃあそれも取り寄せようか、検察官が今日申請した書証についての意見は次回にしようか、ということで15時21分閉廷。弁護人が5分遅れたので正味16分。

 農林水産省地下の書店で

ホラーハウス社会―法を犯した「少年」と「異常者」たち Book ホラーハウス社会―法を犯した「少年」と「異常者」たち

著者:芹沢 一也
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 を買い、第5食堂でロースカツ定食(半食)420円。
 帰宅して生活クラブ生協の班長さん宅へ。マイコープの品も…。
 前夜は単行本(共著)の原稿で遅くまで起きてたし、疲れた~。久しぶりにプロポリスを。

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2006年2月 5日 (日)

煽られてオービス 新件2件

 昨年から始めよう始めようと思っていたブログ、画面の指示のとおり入力、クリックしてたら簡単にできたよ。
  ただ、有料のコースにするつもりだったのに、できたのは無料のコース。うーん。
 とりあえず金曜の日記を書いてみる。

        ★

 2006年2月3日(金)

 午前中、新宿でちょいと1件、用を済ませ、霞ヶ関へ。
 警察庁で1件、開示請求。
 ついでに国土交通省の地下(?)でラーメン+ミニ酢豚丼、570円。
 ラーメンは、霞ヶ関界隈でこれまで食ったなかで一番イケたかな。でもミニ丼は私にはよけいだった。

 午後1時20分から東京簡裁534号法廷(堀内信明裁判官)で道路交通法違反の新件。
【場   所】 環七・足立区中川4丁目
【日  時】 2005年6月6日 午前0時57分
【装   置】 三菱電機RS-2000(高速走行抑止システム。俗称Hシステム)
【測定値】 100㎞/h 制限速度50㎞/hを50㎞/h超過
【被告人】 25歳 会社員 黒っぽいスーツ 
【弁護人】 なし
【主   張】 異様な追い上げをする車から逃れようとした
【求   刑】 罰金9万円
 1月18日から期日変更になった事件。被告人の仕事の都合で変更したらしい。
 若い被告人の“普通感”が印象的だった。普通のことを普通にしている感じ。
 略式命令を受けてから、被告人自ら正式裁判を請求したケース。検察官は「事件原票記載の公訴事実は…」と読んだ。そういうのは初めて聴く。

※2月17日(金)午後1時10分、判決。罰金9万円。
 「当時の状況について、まるでいい加減なことを言っているとは思わないが、危険が現在している状態とまではいえない。だから緊急避難とはいえない。誤想避難なら軽減することもあり得るが、本件はそこまでとはいえない…」旨、堀内さん。他にも興味深い説示をしていた。堀内さんの法廷はほんと勉強になる。

         ★

 午後2時20分から簡裁728号法廷(北村幸次裁判官)で、道路交通法違反の新件。
【場   所】 首都高・湾岸線東行き・羽田空港3丁目
【日  時】 2005年2月20日 午後9時55分
【装   置】 東京航空計器オービスⅢLk(俗称LHシステム)
【測定値】 135㎞/h 制限速度80㎞/hを55㎞/h超過
【被告人】 38歳 演奏業 緑のブレザーに緑系のズボン 
【弁護人】 国選 ちょっと淀川長治さん似
【主   張】 異様な追い上げをする車から逃れようとした
【求   刑】 罰金8万円
【判   決】 罰金8万円 訴訟費用は負担させない
 珍しく被告人夫妻の子供(1歳くらい?)がいて、起訴状朗読の前に「あぶー、ぶー、あわー」と発言し裁判官から(優しくだけど)退廷を命じられる。なごやか。
 奥さんが情状証人。絶対「女優の誰かに似てる」と言われてると思う。もしかして本当に女優?

        ★

 桜丘法律事務所へ。
 引っ越したばかりの新しい事務所は、前の事務所よりだいぶ広いのだが、レイアウトが前とよく似ていて、なんかくらくらするような妙な感じ。
 浜島望さんから10年前の驚きの話を聞く。

 、、、と初めてこのブログへ記事をアップするのだが、さてどうなるんだろう。so-netのホームページとの関係もこれからどうしよう。

なんでこれが交通違反なの!?―警察は教えない126の基礎知識 Book なんでこれが交通違反なの!?―警察は教えない126の基礎知識

著者:今井 亮一
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