2008年5月14日 (水)

スカッと気持ちの良い否認事件

 じつは昨日(13日)、
  4月8日 第1回公判 534号法廷 風営法違反
  4月10日 第1回公判 728号法廷 銃刀法違反
 の第2回公判がいずれも13時30分からあり、いずれも証人尋問だった。
 どっちを傍聴しよう、どっちもどっちだよな~、と悩み続け、そのうち、地域の活動の当番が回ってきて、しまった、忘れてた! 今さら誰かに交代は頼めないか~となり、二日酔いもあって、じゃあ、いっそ今日は裁判所はサボってしまえ、と寝て13時すぎ、当番は忘れてたんじゃなくて来週だったんだ! これから起きても完全に間に合わない、げぇ~! ということがあったの。
 二兎を追う者は一兎をも得ず…そりゃ違うか(笑)。

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 13時18分、エレベータから534号法廷へ向かう途中に、見慣れぬ立札があり、「5月14日(水)午後1時30分 東京地裁八王子支部 来庁尋問室(530号法廷)」と書かれていた。非公開だから一般傍聴人は入れない旨も書かれていた。へぇ~。そんなの初めて見たよ。
 職員が幹廊下(私が勝手にそう読んでる。枝廊下と区別して)へ出てきて、きょろきょろしてた。証人がなかなか来ないのかな。

 13時30分から東京簡裁・刑事1室3係(八木澤秀司裁判官)534号法廷で、久しぶりの「道路交通法違反」の新件。

【場   所】 首都高速4号線下り 港区元赤坂
【日  時】 2006年5月5日 午前1時9分
【装   置】 三菱電機 RS-2000(俗称Hシステム)と思われる
【測定値】 122㎞/h 制限速度60㎞/hを62㎞/h超過
【被告人】 34歳 内装業 頭は坊主 スーツがけっこうキマってる
【弁護人】 国選(職権) 
【主   張】 そこにオービスがあることはよく知っており、制限は80キロと思い込んでおり、20キロ超過くらいではオービスは光らないと思い、いつもメーターをちらちら見ながら100キロ程度で走っている。ストロボが光った記憶はないが、当時もそうだったはず。

 これも地裁へ移送となるか不安だったが、ならずにホッとする。
 さてこの事件、どう争うのか。
 弁護人は、検察官請求の書証を全部同意。
 そして簡単に被告人質問をやり、弁論で、検察立証の不十分さ等を端的に述べた。
 最終陳述は、
被告人「ないです!」
 14時24分閉廷。
 スカッと気持ちの良い、内容的にも概ね(おおむね)申し分のない争い方と、オービス裁判を百何十件か見てきた私には思えた。
 否認なのに書証全部同意で、1回結審で? と訝る(いぶかる)方もおいでかもしれない。そのへんは、起訴(3月17日付け)がなぜこんなに遅れたのか、首都高の62キロ超過の相場は9万円なのに、なぜ求刑10万円だったのか、等々も含めて、『ラジオライフ』の連載ページに書こうかと思う。雑誌でしっかり書かせてもらいたくなる、良い争い方だった。

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 裁判所内の某所で、「裁判官は死刑にしてやるって言ったのに!」「10年間こんな死刑囚に阻害されてきて、また10年間こんな……(聴き取れず)ならなきゃなんないの!」「みんな弁護士に吸い取られていったじゃん!」などと激しく興奮して職員にまくしたてるご婦人を見かけた…。

 今日は、オービス事件を1つ傍聴しただけで帰る。なんか不思議な感じ。
 帰り、駅の売店で、分不相応にも『プレジデント』6月2日号を買う。650円。電車内の吊り広告に、「保存版!『人の気持ちをギュッと掴む』書き方指南」「一流企業トップ12人が添削!!」「思いを200%伝える起訴状」「被害者の納得感を引き出す論告要旨」「被告人が本気になる判決書き」「気分を害さない完璧な控訴趣意書」とあるのを見て。←傍聴中毒人の幻視ですか?

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2008年3月27日 (木)

中国と日本、どっちが偉い?

 以下、3月24日付け琉球新報の記事。太字は今井。

【中国時報】速度違反 警察の計測器に誤差
2008年3月24日
 あなたは警察の車の速度を測る計測器にどれだけの誤差があるか知っていますか。
 昨年の2月、国光客運の運転手が苗栗県の高速道路を走行中、国道警察局の新型計測器が時速116キロを記録したとし、罰金と違反切符が切られた
 もともと国光客運は速度超過を防ぐため、車にデジタル式走行記録器を搭載しており、最高でも102キロであった。その後、不思議に思った国光客運が地方裁判所に異議を申し立てた。
 裁判では苗栗の制限速度は時速100キロであったため、2キロの超過でも違反は違反としたが、罰金額は軽減された。警察も一応の面目は保たれたものの、毎年検査を通っているはずの機器に10%以上の誤差があったのでは申し開きができない。他の運転手も制限速度内の98キロでも罰金を払わされる可能性があり、注意が必要である。

 ノンキな記事に見えるけど、ワタシ的には大ニュース(笑)。
 太字の部分について、長々マニアックにコメントできる。でも、時間が…(泣)。
 さっそく『ドライバー』の囲み記事で、中国と日本とどっちがエライか、という観点で書いたよ。

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2008年2月13日 (水)

誰も被告人の話をよく聞かなかった?

「原告が『東京航空計器株式会社』(オービスⅢの製造販売会社)の民事訴訟がありますよ。オービスはぜんぜん関係ないようですけど」
 との情報を某氏からもらい(ありがとね)、話のタネにと13時30分、東京地裁・民事7部(山崎勉裁判官)502号法廷へ行ってみた。
 被告は「株式会社藤森技術研究所」。事件名は「機械所有権確認等」。
 確かにオービスは関係ないようだったが、被告代理人弁護士(全員そうだと思う)が5人もいて、1人は書面をノートパソコンで見てた。
 民事は、同じ時刻に数件入れることがよくあり、いろんな事件の関係者が多数来て、狭い法廷(傍聴席20席)だと、後ろに立ち見状態になることがある。この日は立ち見が10人くらいいたよ。

 14時から東京高裁・刑事9部(原田國男裁判長。この人、私のデータでは2003年から9部で裁判長をやってる。長くない? 私の入力間違い?)805号法廷で、「道路交通法違反」の判決。
 13時56分半くらいに法廷に入ったら、もう判決を読み上げていた。で、13時58分に終わった。そういうの、困るんですけどぉ。
 それで、だ。また執行猶予中の無免許か酒気帯びで、実刑は重すぎるから、という主張かと思ったら、なんと、速度違反(ネズミ捕り?)の否認らしかった。おぉ!
 測定値は145キロ。一般道らしい。一審(東京地裁だよね)で懲役3月、執行猶予2年の判決を受け、事実誤認と量刑不当で控訴したらしかった。
 主文は聞けなかったが、控訴棄却と思われる。
 誤測定について被告人側が述べたらしいことを、
「(どれも)抽象的な可能性をいうものにすぎない」
 と退けていた。
 それは、測定装置は無謬であるとするときの、いつもの論法だ。測定機の誤作動・誤表示のどんな可能性を被告人側が言おうが、それが本件測定時に起こったことを被告人側が立証できない限り(そんなことは普通できっこない)日本の裁判では原則(秋田支部の判決を除いて)有罪なのだ。
 裁判がそうだから、警察・検察の立証は、というか測定装置のチェックは、ユルユルの癒し系になるわけね。「捜査能力が落ちた」とか言われるのも、裁判所が甘やかしたからってことが、大きいんだろうと思う。

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 14時21分、東京簡裁・刑事2室3係(長坂和仁裁判官)728号法廷へ。
 今井重夫検察官が2分ほど遅れ、「住居侵入・窃盗」の判決が始まった。
 若い女性が住むマンションに、無施錠のドアから正当な理由なく侵入し、現金2万8000円と、健康保険証など在中の財布1万5000円相当を窃取し、その後また同じマンションに侵入して逮捕されたんだという。
 前科は20年ほど前の「住居侵入」の罰金前科のみだそうで、判決は懲役1年6月、執行猶予3年、訴訟費用負担。

 そして14時30分から、12月5日に第1回を、1月16日に第2回を傍聴した「道路交通法違反」(オービス事件)の第3回公判。
 トヨタ・センチュリーの持ち主を証人尋問。
 そして被告人質問。
 これはあれだな~、こんな証人尋問を重ねるような事件じゃなくて、略式による罰金でも済んだかもしれないのに、警察官も検察官も弁護人も、被告人の話をよく聞かなかったから、こんなめんどくさいことになっちゃったんじゃないの? という印象を受けた。

 簡裁と地裁と高裁の開廷表をチェックし、新宿・思い出横町へ。ある事件のことなどで打ち合わせ。

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2008年2月 6日 (水)

部屋とワイシャツと餃子と冷却水添加剤とオービス

 今日、裁判所へ行かなかったのは、雪がふってたからじゃないよ。
 朝8時頃まで原稿を書き、起きたのが13時頃で、もう傍聴したい公判に間に合わず、仕事場へ戻ってカーテンを開けたら雪がふっていたのだ。という言い訳、ど~でもいいですよぉ~。

 餃子騒動。
 こういうのを見るとき、いつも私はオービス裁判と引き比べてしまう。
 オービスなら、
「製造販売会社が作成した資料および社員の証言によれば、餃子の安全性が十分に認められる。製造販売会社が、見も知らぬ者に害を為そうとするはずがない。しかるに被害者と称する者らは、賠償金を得るため虚偽の被害申告をしており悪質である。一般予防の見地からも厳罰に処する必要が…」
 とかなんとか、片付けられてしまう。
 え? 餃子の場合、餃子から毒物が発見されてる?
 ダメだよ~、そんな、証拠を残すようなことをしちゃ。
 オービスの場合、測定値が焼きつけられた写真(最終的な販売物ともいえるもの)を残すだけ、他には一切の証拠を残さない。
 だからこそ、完全犯罪ならぬ「完全冤罪」はつくられるのだ。

自動車冷却水添加剤、「燃費向上」根拠なし 公取委判断
 自動車のラジエーターに入れるだけで走行燃費が向上するなどの効果をうたった自動車用冷却水添加剤が景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、公正取引委員会は近く、メーカーと販売会社に対し、排除命令を出す方針を固め、事前通知した。表示した効果について、合理的な根拠がないと判断したとみられる。メーカーは「燃費向上の効能を示すデータはある」と反論している。
 関係者によると、排除命令を受けるのは、自動車の冷却水に混ぜて使う添加剤「起爆水」を製造する福岡県の「すばるメディア」と、大阪府の販売会社「ピエラス」。
 ネット上のショッピングサイトなどでも販売されており、効果について「排ガスを浄化し、燃焼効率を上げる」「燃料消費量がガソリン車で3~30%程度減る」などと説明している。
 公取委は、実験データなどの科学的な根拠が不十分だったとして、不当表示と判断したようだ

 と2月6日付け朝日新聞の一部。太字は今井。
 「実験データなど科学的な根拠」が皆無なのが、オービスだ。
 オービスは科学ではないから、というのが裁判所の立場だ。
 オービス無謬神話を暴くのは、公正取引委員会か!?
 いや、この冷却水添加剤だって、オービス裁判の法廷へ出てくれば、十分に信頼性が認められるはず。商品名を「起爆水オービス」とすれば良かったね?

国道新4号にオービス 小山 違反多く取り締まり強化
 小山市塚崎の国道新4号下りに、速度違反自動取締装置(オービス)を県警が設置した。付近では高速道路並みのスピードで疾走する車が後を絶たず、大事故につながりかねないとして、取り締まりを強化する。近く稼働させる予定だ。
 小山署では一昨年夏、国道新4号で死亡事故が3件続発したのを受け、速度調査を実施。その結果、全体の約1割で法定速度を30キロ超過する速度違反があり、中には、法定速度を138キロもオーバーし、198キロで走行する車もあった。
 このため、県警では、昨年9月の県議会にオービスの設置予算を提案、可決されるなど準備を進めてきた。
 小山署管内(小山市・野木町)の昨年中の交通事故死者は20件20人(前年比8人増)で県内署でワースト1位だった。管内の国道新4号、国道4号、国道50号で亡くなった人が半数の10人を占めた。

 と2月3日付け読売新聞。
 こぉれは仰天報道だ!
 新規に設置されるオービスは、三菱電機か東京航空計器の商品のはずで、東京航空計器はもうフィルム式のオービスは製造してないそうなので、国道4号に設置されたというのは、CCDカメラで撮影して画像を伝送するタイプのはず。
 そのタイプは、通過するすべての車両(オービスが測定できたとした車両)を、違反のあるなし、撮影するしないにかかわらず、測定して、データを警察の中央装置へ送っている。データは、1時間刻み、10キロ刻みで、24時間ある。
 そのデータを見られれば、
「全体の約1割で法定速度を30キロ超過する速度違反があり、中には、法定速度を138キロもオーバーし、198キロで走行する車もあった」
 といったことがリアルにショッキングにわかり、交通安全、事故防止に役立つはず。どういう施策をとればいいか、適切に検討できるはず。わかったから、施策の1つとしてオービスを設置したわけだ。
 だが、警視庁も宮城県警も(というか警察庁の意思だろう)、そのデータを出さない。出すけど、各時間毎の合計台数だけしか出さない。それ以外の部分はぜんぶ墨塗り。
 オービスの設置場所を特定されると、設定速度(これ以上だと撮影するよという速度)がわかってしまい、取締り逃れが容易になり、オービスが攻撃・破壊されるからだそうだ。
 ところが、栃木県警は、「小山市塚崎の国道新4号下り」というところまで特定して、発表した。こぉれは、私からすると、すっごい話なのだ。
 これを参考に、いままでとは違う形で情報公開請求をし、また墨塗りとされたら、いよいよ訴訟をやるか。めんどいから、ヤなんだよね~。

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2008年1月17日 (木)

傍聴初めに開示請求初め

1月16日(水)

 この日が、今年の初傍聴、傍聴初め。
 15時から728号法廷と534号法廷と2件重なってるよ~。と思ったら、534号のほうは13時10分からだった。がーん。手帳を新しくして間違えたようだ。

 728号のは、12月5日に第1回を傍聴した、東京都江戸川区西瑞江の、環状七号線内回りの三菱電機RS-2000による、50キロ超過(測定値100キロ)、の否認。「エンジンが止まりそうで必要以上にふかしたのだから刑事責任はない」(?)という、ま、珍しい事件。
 車は、被告人の知人所有のトヨタ・センチュリーだそうで、ディーラーの副店長兼工場長を証人尋問。
 この人は、知人(お客)から直に話を聞いたことも、知人を同乗させての試乗をしたこともなく、整備歴を見て整備士の話を聞いて法廷へ来たのだそうだ。あんまり意味ないような。まぁ、整備歴(12枚)の真正立証、という意味はあるんだろうけど。
 次回、そのセンチュリーをいちばん運転しているその知人を尋問することに。
 検察官は前回は町井裕明さんだったのに、今回は今井重夫さん。どっちかというと暗い感じの役人風。
 面白かったのは、その今井検察官と被告人とのやり取り。
検察官 「××さん(次回の証人)に一切連絡しちゃダメですよ」
被告人 「(××さんと)プール毎日行ってるんで」
検察官 「この事件について話しちゃダメですよ」
 そこまでは、まぁ、いいんだが、閉廷して被告人が帰りぎわ。
検察官 「(弁護人に)弁護人からもよく言っといてくださいね、被告人と××さんと話さないように、事件のこと」
被告人 「わかりました! (マジ怒って)1回聞きゃわかるよ! そんなこと!」
 私は可笑しくて。検察官は、事前にがっつり証人テストをやるので、被告人のほうも同じように事前に証言を固めてくるかと心配になったんだろうか、なんつって。

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 地裁と高裁と簡裁の開廷表をチェック。
 医師法違反(『漫画実話ナックルズ』でもやってたリタリンの事件)とか、猫殺しの事件とか、今年も早々といろんなのが入ってる。
 警視庁へ寄り、開示請求初め。新春早々、誤記・脱記の連発で(とほほ)。警察庁へ寄り、年始のご挨拶。

 1月2日にデパートのバーゲンで買った高価な衣装でせっかく出かけたのに、サラリーマン風だと、3人から言われてしまった。ええ~っ? そんじゃ私は何風が狙いだったのかといわれると、困ってしまうわけだが、う~ん、素敵なオジサマ風?
「被告人は自分をよく見つめ直して、社会に出たら地道に働くんですよ」
 とか言われそう。

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2008年1月11日 (金)

秋田オービス逆転有罪

 9日23時30分、新宿西口発の高速バスに乗り、10日5時頃、仙台着。
 ネットカフェで休んでから、仙台拘置支所へ。
 「北陵クリニック事件」の守大助さんに面会。
 4番面会室で聞いた内容は、別の機会に。

 同日14時15分から、仙台高裁で、例のオービス事件の判決。
 逆転有罪とされるかどうか、もしも賭けの対象になるなら、全財産を逆転有罪に賭けていいっつーくらいのもんで、これ、もしも「オービスが負ける可能性が1%くらいあるんじゃないか」と思ってた人がいるなら、どうかしてるよっつーくらいのもんで…。

 毎日新聞の記事に、

 1審は罰金を命じたが、2審の仙台高裁秋田支部は「測定値が正確だと認める証拠が不十分」として原判決を破棄。最高裁第1小法廷が昨年4月、審理不十分として2審判決を破棄、審理を差し戻していた。

 とある。「測定値が正確だと認める証拠が不十分」。そのとおり。
 仙台名物・牛タンにたとえれば、本件は、「牛タンじゃなくて豚タンじゃないの?」という事件であり、被告人は肉のDNA鑑定を求めたところ、一審でも二審でも、検察は、頑として業者のカタログとセールストークしか出さず、そしたら二審は「牛タンだと認める証拠が不十分」と判決したのだ。
 で、今回の仙台高裁の差戻し審は、検察が、いつもより多めにカタログを出し、業者の証言専門社員を呼んで多めにセールストークさせたので、「はい、十分な証拠が出ました。審理は尽くされました。これは牛タンです」と判決した、そういうことになる。

 守大助さんを無期懲役とした判決も含め、こういうのは法律がどうこうではなく、心理学、精神分析からの検討が必要なんじゃないか。
 「司法心理学」の立場から弁論する…そっちのほうが現実的かつ有効ではないのかと、新しいことを思った。

 じつは3月に私は、角川書店から新書を出すことになってる。
 そのなかに、このオービス事件のことも書く。
 帰りのバス(17時仙台発)でだいぶ寝たので、朝まで原稿書けるかと思ったが、やはり疲れは深いようで、とりあえず寝ます。
 しっかし高速バスは、足が浮腫(むく)むね。
 往路はそうでもなかったが帰路は、わりとがぼがぼの靴なのに、足が入らなくて入らなくて、誰かが靴をすり替えたかと思ったよ。歳のせいか? ぎょっ。

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2007年12月 8日 (土)

女性大学院生のバイクが27回オービスに

速度違反27回 女性大学院生検挙
オービス画像「バイクでも徹底的に追跡」/鹿県警

(12/07 14:38)
 鹿児島県警交通機動隊は7日までに、鹿児島市吉野町の国道10号で、制限速度60キロを40キロ以上超えるスピード違反を27回バイクで繰り返したとして、道交法違反(最高速度)の疑いで、霧島市内の女性大学院生(25)を検挙した。国道には速度違反車両を撮影し取り締まるオービス(高速走行抑止システム)が設置されていたが、大学院生は「バイクなので大丈夫だと思っていた」と供述しているという。
 同隊によると、バイクは前にナンバープレートがないため、摘発されないという認識を持っている人が少なくないという。撮影画像の分析や聞き込み捜査などから大学院生を特定した。

 と12月7日付け南日本新聞(上掲はその一部)。
 こういうのは、ときどきあるよね。
 けど、27回というのは、かつてなく多い。
 「女性大学院生」というのも、目をひく。
 記事自体も長い(文字数が多い)。
 その他、マニア的にこの報道を見ると…。

 「高速走行抑止システム」という名称を出したのは、珍しいんじゃないか。
 拙著の読者ならおわかりのように、これは三菱電機のRS-2000、レーダ式で画像伝送式、オービスマップでは「新H」または「H」と表記されてるやつだね。

 「検挙」とある。逮捕じゃない。
 被疑者は、全違反を素直に認めて反省し、自供し、かつ身元もしっかりしていたので(議員や首長の親族だったのかもしれない)、逮捕まではしなかったんだろうか。

 「バイクなので大丈夫だと思っていた」とは、どういう意味なのか。
 単純に、前にナンバープレートがないから、というだけの意味なのか。
 あるいは、オービスはバイクに反応しない、との情報をどこかから得ていたのか。
 レーダ式だかループコイル式だか、あるいはその両方だったか、いまちょっと忘れたが、メーカー社員の法廷証言によれば、小さいバイクにはオービスの測定センサーは反応しない(ことがある)んだそうだ。
 記事は「オートバイ」ではなく「バイク」としている。
 大きいのはオートバイ、小さいのはバイク、という分け方をする場合もあるようだ。
 でも、小さいバイクで100キロ以上出せるのか。
 ま、普通に想像すれば、前にナンバープレートがないから、というだけの意味だったんだろうね。

 彼女の刑罰はどうなるのか。
 40数キロ超過1件だけなら、略式で罰金7万円くらいだろうか。
 2件だと、併合罪だけども、1件ずつの合計で14万円、という運用をしているようだ。

「確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする」(刑法第45条前段)

「併合罪のうちの二個以上の罪について罰金に処するときは、それぞれの罪について定めた罰金の多額の合計以下で処断する」(刑法第48条2項)

 けど、27件はどうなるのか。
 27件に7万円を掛けたら、189万円。うわぉ!
 略式で処理できる上限の、100万円にするんだろうか。

「簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、百万円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる」(刑事訴訟法第461条)

 あるいは、悪質だってことで、公判請求して懲役刑(上限6月)を求刑し、執行猶予を付すんだろうか。
 どっちにしても、27件全部を起訴したら、書証はたいへんな量になる。起訴は一部にとどめ、迅速に処理するんだろうか…。

 ワタシ的に気になるのは、27件のうち1件くらい、誤測定があったんじゃないかってこと。
「あっ、光ったばい! 撮られたぜよ! でも、そんなにスピード出しとらんかったばってん?」
 ということもあったんじゃないか(方言メチャメチャ? ごめんなさい)。
 あったとして、しかしそれを言えば、逮捕され、言い続ければ、公判廷で罰金刑または執行猶予付きの懲役刑が言い渡されるまで長期間、勾留されることになるんじゃないか…。

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2007年12月 6日 (木)

北陵クリニック事件、逆転無罪か!

 4本目の原稿を仕上げて高速バスに駆け込み、朝5時頃、仙台駅付近着。
 アイカフェのマッサージ椅子で『月刊現代』の裁判員制度についての対談など読み、9時頃裁判所へ。
 木曜日は、いわゆる交通裁判所は、営業してないのね。

 9時40分から、仙台高裁・刑事1部(木村列裁判長)404号法廷で、「ストーカー行為等の規制等に関する法律違反、有印私文書偽造・同行使、電磁的公正証書原本不実記録・同供用」の判決。
 国選弁護人が、なんと阿部泰雄弁護士。こんなところでお会いするとは、びっくり。いや、こんなとこって、ここは阿部さんの地元なわけで。
 被告人は不出頭。控訴棄却。当審における未決60日算入。
 なんと司法書士が、被害女性の郵便物を取るため郵便局に勝手に転居届を出したり、青葉区役所に勝手に婚姻届を出したりしたという事件だった。司法記者らしき若い男性たちがたくさん来てた。

 9時57分閉廷。
 1階へ降りて久しぶりに阿部弁護士とお話。
 現在は最高裁の判断待ちの北陵クリニック事件、筋弛緩剤による病変ではないことはすでに明らかだったわけだが、じゃあ、何による病変なのか、完全に解明されたという。
 あの一審無期懲役のときの裁判長・畑中裁判官は、今回私が傍聴に来たオービス事件(差戻し審)の原審である仙台高裁秋田支部で感動の公訴棄却(実質無罪)判決を書いた裁判官なわけだが、畑中さんは、なぜ北陵クリニック事件で無期懲役を書いたのか、カギは当時の左右陪席にあるらしい。
 あの左右陪席裁判官らが、当時仙台地裁へ移動する前に、どこにいて、その後どこへ行ったか、非常に興味深い。守大助さんを逮捕したときの宮城県警本部長は、逮捕から間もなく警察庁へ戻り…。
 ところで、いま東京高裁の刑事2部にいる安広(安廣)文夫裁判官は、遠藤事件(最高裁で逆転無罪)のときの最高裁の調査官だったんだよね。私は何度も傍聴してるのに、そのこと忘れてた。

 小一時間ほど話し、11時から同じ法廷で、いよいよオービス差戻し審の第3回公判。
 双方の弁論要旨の提出を確認し、年明けに判決と決め、2分で閉廷。うきゃ~。
 でもいいのだ。これはオービス無謬神話の歴史に残る裁判なんだから!

 それらの詳細と、午後のことは、1月20日発売の『ドライバー』で書くことにしよう。
 ともあれ、本日は“俺ミシュラン”で★★★の立ち食いそば屋にて蕎麦湯割りを飲むことなく、新幹線で帰京したのでした~。

※ http://www.news.janjan.jp/living/0705/0705024800/1.php
※ http://www.news.janjan.jp/living/0712/0712066763/1.php

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 帰京してみると、
http://ime.nu/ko-tu-ihan.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_11e5.html
http://plaza.rakuten.co.jp/0709hounddog/diary/200712050001/
 この2つのページからのアクセス数がやたら多かった。
 12月5日に大友康平さんの裁判に触れたせいだ。
 やっぱ芸能ネタは強力なんだねぇ。芸能ネタでアクセス数を増やしアフィリエイトで儲ける…っておい! 当ブログのアフィリエイトはどうなってんだ!? んだけど、どうすりゃ現金化できるのか、よくわかんないんだよぉ(泣)。

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2007年12月 5日 (水)

エンジンが止まりそうで後続車に迷惑をかけないようふかした…

 11月末までと言われていた残り4本の原稿の、3本目を未明に送信し、4本目を半分ほど書いて裁判所へ。
 14時20分から東京簡裁728号法廷(長坂和仁裁判官・町井裕明検察官)で、道路交通法違反の新件。

 その前に、民事の611号法廷で、ハウンドドッグの大友康平さん関係の損害賠償請求訴訟の、証拠調べ(本人・証人)があると、某氏から携帯メールで連絡をもらい、ちらっと611号法廷へ。
 原告(法人)の社長らしき人を尋問してた。
 傍聴席に、普段の傍聴席からすると異質な人たちがいて、メモを取ってた。1人は帽子をかぶってた。刑事の法廷じゃ考えられないことだ。

 10分足らずで出て、階段と廊下で728号法廷へ向かう。
 728号法廷に近いエレベータから、ちょうど団体(黒いスーツの若い男女)が出てきた。げっ、ああいう団体は気まぐれで、どこへドドッと入るかわからない。728号法廷を埋められたら、かなわん!
 と急いで728号法廷へ入ったが、団体は来なかった。…と思ったら来た~! でも7人のみ。分散したらしい。そうそう、小人数で分散してくれるといいんだよね。引率者の指示なんだろうか、出来た人物に違いないっ!←どんだけ勝手なことをほざくんだ(笑)。

 事件は、東京都江戸川区西瑞江の、環状七号線内回りの三菱電機RS-2000による、50キロ超過(測定値100キロ)。
 被告人(在宅)は、白髪混じりのきちんとした短髪のオジサン。会社を経営しているそうだ。
 弁護人は、たしかときどき見かける人。だいぶ高齢そうだが、グレーのダブルのスーツは仕立てが良さそうで、ネクタイもカフスもしゃきっとお洒落。ただ、耳が遠いのだった。

 罪状認否。
被告人「速度オーバーの件は、そのとおりだと思います」
裁判官「ほかに?」
被告人「要するに、その速度オーバーをした原因ですね」
裁判官「簡単に言うと、どういうことですか?」
被告人「エンジンがストール…エンスト状態になりそうで、必要以上にふかしたということで、トヨタの工場に再三言ったんですが、原因がわからないとのことでした」
 だから情状を酌んでほしい、というのだろうか。
 法律的にどうこう言うと、面倒な裁判になるが…。
裁判官「弁護人、ご意見は?」
弁護人「被告人の刑事責任はないというのが、被告人の主張の趣旨ですので、そういうふうにしておきたいと」
 とりあえず面倒コースなのだった。
 こういう否認の理由は初めてかと思う。マニアとしては非常に興味深い。

 年明けに、トヨタの整備の人を誰か証人尋問することになった。
 その期日は、先に、争点を整理するための被告人質問を簡単にやるかもしれない。
 14時45分閉廷。

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 腹へった。この時間ならまだ、農林水産省のそば食堂が間に合う。
 急ぎ裁判所を出て、カレー蕎麦大盛り320円を食べ、一服等して、611号法廷へ。
 社長らしき人の尋問は終わり、大元康平さんを尋問してた。
 「マザー」を辞めたら他のメンバーはどういうことになると思っていたのか、との趣旨を原告代理人(だと思う。以下同)は詰問調でくり返し迫り、大友さんは答に詰まり、一見、大友さんがやりこめられてるように見えるのかもしれないが、でもどうなんだろう、大友さんの考えと、原告代理人の尋問が、噛み合ってないというか、イエスかノーか分けられないところをイエスかノーかで答えろとくり返し詰め寄ってるような、そうやって裁判官に対する相手の心証を悪くさせるテクニックが、民事の弁護士の間では確立されてるんだろうか、とかぼんやり思ったス。
 大友さんは渋い声で、髪を、なんつーの、左右から後ろのほうへ水平に流して固めたような、そんな髪型をしてた。うむぅ、私もマネようか。いや、髪を固める薬が、頭皮に悪いかもしれない…。
 なーんて、事件自体をよく知らないヤジウマは、つまんないことを思うのでした(笑)。

 今日は夜行バスで仙台高裁へ出発する。それまでに4本目の原稿を仕上げねば。と16時前に途中退出。
 1階ロビーで、先日100円を借りた娘さんにばったり会い(そう、やっぱ借りたのよ。もちろんもう返したよ、景品をつけて。ありがとね)、今日は傍聴に来た事件が流れて哀しいと言うので、じゃあ611号法廷へ行っておいでよと…。

 さて、明日12月6日、午前9時45分からのオービス事件の判決、11月15日に書いたように、どなたか傍聴してくれないかなぁ…。傍聴&報告してくれると、うれしいなぁ…。

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2007年11月15日 (木)

検察官はそもそも立証する気がない

 またもギリギリまで原稿を書き、今日は絶対に遅刻は許されないぞと、いつもどおりの早めの電車に。

 15時30分から、東京簡裁・刑事1室2係(後藤征弘裁判官・町井裕明検察官)826号法廷。中央道下り杉並区上高井戸2-18付近の、三菱RS-2000による69キロ超過(測定値129キロ)。
 第1回は7月17日
 第2回は9月4日。菅井宗一さん証人尋問。
 第3回は10月4日。被告人質問。
 そして今日、第4回公判。論告・弁論。

 検察官による論告は、ま、いつもどおり。
「写真の正確性は、製造元である三菱電機、菅井証人の証言から明らか」
 と、簡潔に断言してた。
 へぇ~、三菱って、無辜の何万、何十万の国民を長年にわたり有罪・前科者にしてきたことに気づいたとき、ぜんぜんバレてなくても、確たる証拠をつかまれてなくても、自ら法廷で正直に告白する、素晴らしい企業だったのか、へぇ~、と思ったス。
 いや、べつに町井さんがバカとか言ってるわけじゃない。
 これはもう、何ていうんでしょ、普通の組織人たる個人にはどうにもならんことなんだろうと思う。こんなことで偉そうに人様をバカ扱いする類のバカでは、私はないつもり。私はもっと別の類の大バカだにょ~(笑)。
 求刑は相場どおり罰金9万円。

 で、被告人の弁論というか陳述というか、これは凄かった(弁護人ナシ)。
 メモを見ながら、学生に講義するように、学会で意見発表するように、述べた内容に、私は感動したよ。もう5年ほど東京簡裁へ通ってオービス裁判を見続けてるが、これほど凄い最終意見を聞いたことがない。
 オービスの事件の本質を、非常に冷静で客観的で能率的で誠実な、学者の立場から、ズバリ突いてしまった、とでもいうのか。
 かなりメモできたので、あとで雑誌でレポートしよう。

 結論部分だけ簡潔にいえば、こうだった。
「検察官は立証が十分でない。そもそも立証する気がない」
 そのとおりなのだ。どの事件でも、そうなのだ。
 なるべく手持ちのものは出さない、立証しなくても裁判所は有罪にしてくれるなら、立証しない、ということを超えて、おそらく、オービスの正確性・信頼性は立証できないのだろうと思う。

 判決は、12月6日午前9時45分から。
 10時から別の期日が入ってるそうで、遅くとも10時には終わるだろう。
 だぁが! その日は、仙台高裁のオービス事件の論告・弁論なんだよねぇ!
 傍聴席で、「6日はダメぇ~!」と両手で×印をつくりたかったけど、そうもいかず(笑)。
 6日は私は仙台へ行く。
 東京簡裁826号法廷のこのオービス(RS-2000)の判決、どなたか傍聴してもらえないだろうか。

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 12月6日の判決は、被告人には申し訳ないけれど、
「主文、被告人を罰金9万円に処する。その罰金を完納できないときは、1日を金5千円に換算した期間、被告人を労役場に留置する。訴訟費用(菅井証人の交通費と日当)は被告人の負担とする」
 これ以外にないだろうと思う。
 判決の理由は、
「本件起訴事実は、当法廷で取調べた関係各証拠により、その証明は十分である。それに関係法令を適用して主文のとおり判決した」
 であり、被告人の否認に対する裁判所の判断は、要するに、
「三菱電機作成の原理説明書、確度点検(定期点検)の成績書、菅井証人の証言などにより、本件装置の性能・機能はこれこれであって(ここを長々説明、というかメーカーの言い分を丸写し)、装置の信頼性は十分に認められる。被告人が縷々(るる)述べるのは一般論であって、本件測定時に何らかの誤作動が生じたとの合理的な疑いを抱かせる事実はない。129キロも出していないという被告人の主張には何ら裏付けとなるものがない。そうすると、本件測定値は正確だったと認めるほかない」
 という趣旨のものになるだろうと思う。
 普通の裁判官なら、当然にそう判決するだろうと思う。

 しかし、果たしてそのとおりに後藤さんは述べるのか、どんな表情・口調で述べるのか、裁判官としてではなく人間として、後藤さんはオービス無謬を信じ込んでいるように見えるか、判決とは別にどんな説示をするか、そのへんの機微をしっかり見てメモしてきてほしいのだ。って注文、多すぎ?
 ま、もしも時間があればってことで、ゆるゆると、よろしくお願い申し上げますぅ。

 以上、縷々述べた予測が、どっひゃ~ん!! と裏切られる可能性は…あり得ないと思うんだけど…世の中、あり得ないと思うことが…いや、でも、さすがにこればっかりは…いやいや、でもでも…でもでも、いやいや…もう寝よ。

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2007年11月 8日 (木)

東京簡裁2件目の公務執行妨害

 6日(火)、高速バスで仙台へ行き、秋田のオービス事件の、差戻し審の第2回公判、を傍聴してきた。
 一口でいえば、オービスが正しいと言い張るのはメーカーだけであるなかで、
1、メーカーのカタログとセールストークに、直ちに破綻は見出せない(当たり前だよ)
2、普通の乗用車の運転者には、無実の証拠がない(当たり前だっつーの。笑)
 この確立された採証法則により、つまり、いつものように、有罪にしようとしているらしいことが、ひしひしと感じられた。

「無罪とすべきは無罪に」
 それを刑事裁判に求めるのは、肉屋(魚屋)で魚(肉)を求めるようなもの。
 たまに、変わり者の肉屋(魚屋)が魚(肉)を売ってくれることもあるが、その肉屋(魚屋)はいずれ店を閉めざるを得ないことになる。またはもうすぐ店を閉める肉屋(魚屋)だけがぽろり魚(肉)を売る…。
 そんなものも感じたよ。
 でも、悲観も絶望もべつにない。だからこそ、面白いのだ。
 詳しいことは、次回締切りの『ドライバー』に書くです。

 7日(水)は、朝一から東京の裁判所へ。
 11時15分、簡裁に公務執行妨害の新件が入っており、昨年5月末に公妨(と窃盗)に罰金刑の選択肢が設けられてから、簡裁の公妨は2件目のはず。やった! もしかして駐車監視員への公妨か!? と、高速バスでチョー寝不足の体にムチ打って、てゆっかわくわく出かけたのに、行ってみたら流れてた(取下になってた)。
 が、こればっかりは仕方ない。
 取下になったということがわかっただけも、マニア的には大収穫だ。
 いろんな人に会っていろんな話を聞きもしたし。
 偶然たまたま、世田谷リサイクル条例違反の、検察官控訴の控訴審第1回に出くわしたし。
 以下、ものすごーく簡単に、私の備忘録として。

 10時から、10月31日に第1回を傍聴した詐欺(日高屋(?)でのレモンサワー230円の無銭飲食)の判決。
 懲役1年、未決算入30日、執行猶予3年。

 10時からの窃盗の新件を、途中から傍聴。
 万引。それなりに大きなオモチャを、隠すこともなく持って店外へ出ようとしたんだそうだ。
 被告人は、目をパチパチさせつつ、他人の話にかぶせて早口でやたらしゃべる(しかし問い詰められると黙ってしまう)、だいぶ変わったタイプ。
 岩垂正起裁判官とのやり取りが面白かった。
 懲役1年2月、執行猶予3年。

 それが長引き、10時30分からの予定が10時47分から、窃盗未遂の新件。
 スリ未遂ではなかった。
 住宅の新築現場で、グラインダーとブロワーを盗もうとして警察官に発見された事件。
 被告人(身柄、拘置所。前科24犯)は、73歳だという。
 73歳なのに、じつにしゃっきりしっかり、していた。
「なまじ元気で、気持ちが枯れてない」
 と岩垂さん。そのやり取りが、じつに面白かった。
 「面白かった」って、小学生の日記のようだね、ごめんね。
 住所不定だと生活保護を受けられず(少なくとも役所の担当は申請を蹴り)、何かやって捕まり刑務所で生活するしかないのだ、というのは、関係者以外はみんな感じてるんじゃなかろうか。
 貧富の差(=最後は刑務所で保護されるかしかない人がどんどん増える現実)を、止めるつもりがないなら、刑務所の施設乃至あり方をどう変えていくか、真剣に考えなきゃいけないんじゃないの? セレブの豪邸を見てキャーキャー喜んでばかりいると、足下の崩れは取り返しのつかないことになるのでは?

 高裁で、11時30分からの偽証(珍しい罪名)を、39分から傍聴。
 強制わいせつで公判請求された息子の裁判に、証人出廷し、たぶんアリバイがあることを証言したんだろう母親が、偽証だとされて公判請求され、無罪となり、検察官が控訴した事件らしい。
 3人の弁護人の1人は、村木一郎さん。私の初めての単行本の監修をしてくれた弁護士さんだ。
 ここでCM入りま~す。

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 13時15分から、地裁(津田敬三裁判官)で窃盗未遂の判決。
 複数人で共謀してボッタクリをやり、奪ったクレジットカードでカネを引き出そうしたが失敗、という事件。
 ま、これはね、人にはいろんな表情があり、シチュエーションによって見え方が大きく違う、ということを承知のうえで言うのだが、被告人は口をとがらせ、狡くて悪そうな表情だった。
 顔面が上向きで、相手を見下ろす以外の目つきはできない。これを、背骨を歪めて続けると、人生だいぶ変わってくるかも、悪いほうに。
 懲役2年、執行猶予4年、保護観察付。

 13時30分から、高裁のほうで世田谷リサイクル条例違反の控訴審(検察官控訴)の第1回。
 被告人は3人。事件番号は連番で、併合審理。
 うち2人は、堀内信明裁判官(元東京簡裁刑事1室3係)が無罪にした被告人だ。
 検察官請求の書証を取調べ、弁護人の証拠請求は却下し、次回判決。
 この事件、被告人は複数いて(何人だっけ)、一審は有罪と無罪に分れた。
 堀内さんの無罪判決が、
「これだけ見れば有罪だが、あれもそれも考えれば有罪は躊躇せざるを得ない」
 というものであるとすれば、日本の裁判は、
「有罪とする理由が1つでもあれば、有罪だ」
 であるといえる。逆転有罪は間違いないだろう。堀内さんもそれは承知だろう。

 もうこれで帰ろう、もう寝よう、と思ったのだが、来週の開廷表をチェックしてるうちに14時をまわり…。
 14時30分から高裁・刑事9部・805号法廷で、判決をずるずると連続5件傍聴。

 強盗致傷、有印私文書偽造、同行使、詐欺、大麻取締法違反
 控訴棄却、未決60日算入。原判決は懲役8年(求刑10年)。

 強姦、群馬県青少年保護育成条例違反、栃木県青少年保護育成条例違反
 控訴棄却、未決80日算入。原判決は懲役5年(求刑7年)。
 元教師で、12歳の教え子と5回にわたり性交を、他の少女と19回にわたり性交乃至わいせつ行為をしたんだそうだ。

 住居侵入、強姦致傷、強盗、強姦、強制わいせつ致傷、窃盗、強制わいせつ
 控訴棄却、未決50日算入。原判決は懲役18年(求刑20年)。

 強姦致傷
 原判決破棄、懲役3年、未決90日算入、執行猶予4年。
 原判決は懲役3年6月(求刑は5年)。
 交際中の男女の諍いが原因の事件で、原判決後、300万円を払って示談が成立したそうだ。

 窃盗
 控訴棄却。未決50日算入。原判決は懲役1年(求刑は1年6月)。
 万引で懲役2年6月、執行猶予4年の判決を受けてから、2カ月もたたないうちの万引だそうだ。
 被告人が再び手錠・腰縄をつけられていく姿を、父親らしき男性が立ってじっと見ていた…。

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2007年10月 5日 (金)

午前はオービスⅢLk 午後はRS-2000

10月4日(木) 

 10時45分から東京簡裁826号法廷(後藤征弘裁判官・町井裕明検察官)で、首都高・湾岸線・東行き・羽田空港3-3の、オービス51キロ超過の第4回公判。

 前の窃盗(長野から上京し1週間で20回万引とか。市役所1カ所で500円もらえるんだそうだ)がえらく長引いて、11時7分から始まる。

 まず後藤さんが、
「オートクルーズの作動の関係については、異常ないと、その点はいいんですね? オービスが正しく作動しなかったことが争点でいいんですね?」
 と被告人に念を押した。
「はい」
 と被告人。
 これは、判決に、「被告人はオートクルーズが正常に作動していたと勘違いした」旨、書けるかどうか、確認したんだろうね。

 町井さんの論告は、遅れた時間を取り戻そうとしてか、チョー早口。
 でも結局、オービスの正確性は、具体的で合理的な森成(オービスⅢのメーカー東京航空計器の社員)証言により間違いなく(笑)、被告人の弁解は「虚偽の弁解」なんだそうだ。
 求刑は相場どおり、罰金8万円。
 ただ、続けて珍しいことを、力を込めて言った。
「訴訟費用の全額を負担させるのが相当と思料します」
 「全額」の部分が珍しい。
 アフターサービスの一環として法廷へ出てきたメーカー社員の、交通費と日当も被告人に払わせろってことだ。
 力を込めたのは、オービスの正確性を認める論法が、いかに馬鹿馬鹿しいか、明らかだから、なんだろう。
 声の大きさで、虚ろな偽りは隠せないのに。

 弁護人の弁論は、ズバリ簡潔だった。
 走行試験では、撮影(写真への測定値の焼付け)は行わないこと、測定した速度は端末装置には残らず、端末装置と中央装置の照合はまったく行われていない(立証が尽くされていない)こと、をズバリ突いた。
 つまり、オービスってやつは、メーカーの言い分を全部鵜呑みにしたとしても、写真に焼きつけられた測定値が正しいことの裏付けが、まったくないのだ。
 これで人を有罪・前科者にしようなんて、狂ってるとしか言いようがない。

 被告人の最終陳述はこうだった。
「今回の装置は、ほんとに記録のない装置だなというのがわかりました。ですから、ほんと、記録のある装置で、こういう違反を裁いてほしいと思います」 

 次回判決。
 ま、メーカーの言い分を全部鵜呑みにしたうえで、「本件測定の誤作動を格別疑わせる事情は認められない」との論法で、罰金8万円だろう。
 その論法がいかにバカげているかは、10月20日発売の『ドライバー』に書いた。
 はい、ここでCM入りまーす。

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 午後は、東京高裁で2件傍聴してから、原告:黒木昭雄さん、被告:北芝健こと■■■■さん、の損害賠償請求訴訟の本人尋問(!!)、を途中で出て、午前と同じ826号法廷で15時から、別のオービス事件の第3回公判。被告人質問。

 10分ほど前に入ると、傍聴席はすでにほとんどぎっしり。
 警察・検察やメーカーの関係者ではなさそうな感じ。
 簡裁の道交法違反の審理に、なんで!? ナゾだ…。

 この被告人質問は、非常に見応えがあった。
 こんなの見たことねーよ! だった。
 被告人は科学者(大学の先生)だけあって、お見事、に尽きる。
 午前の弁護人の弁論といい、オービス無謬神話が揺らぎ始めたな、と感じさせる。
 この2件、八丈島簡裁へ行ってしまった浅見牧夫さん、令状の係へ移動になった堀内信明さん、そしていま東京簡裁の別の係で公判を担当している岩垂正起さんが扱ったら、もっと揺らぐんじゃないかと、傍聴マニアとしては思う。
 いや、後藤征弘さんではダメ、と言うのじゃないよ。
 だって、後藤さんはまだ(東京簡裁で)オービス事件の判決を書いてないんだから。
 次回は論告・弁論。

 終わって私はさっきの民事の法廷へ…。

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2007年9月 5日 (水)

自社製品のアフターサービスの経費を国に請求するのか三菱は

9月4日(火) その3

 路線バス内での痴漢の新件を傍聴したのち、15時00分から、今日のメイン、東京簡裁826号法廷(後藤征弘裁判官・町井裕明検察官)で、7月17日に傍聴したオービス事件三菱RS-200069キロ超過)の第2回公判。

 三菱電機、現在はITシステム部品管理課・課長補佐の菅井宗一さん、を証人尋問。
 菅井さんにお会いするのは久しぶりのような気がする。
 東京簡裁のスピード違反の否認事件は、東京航空計器のオービスⅢが多く、森成昭治さんとその部下たちは、よく証人出廷するのだが…。
 いや、全体に、オービス否認事件(法廷でも否認を続ける事件)は、一時期に比べれば減ってるんだよね。
 一時期は、ほんと、534号、728号、826号の3つの法廷で、5つくらいのオービス否認事件が同時進行してたもんねぇ。

 町井さんの主尋問は、25分ほどで終わった。
 そのなかで、
「レーダアンテナから52~42mの範囲に車がある限り、測定し続ける3回の値が一致したときに、それを車の速度とする(測定値とする)」
 という趣旨のことを言わせていた。
 つまり、複数回の測定を行い、慎重・確実に測定値を得ている、というわけだ。

 だが、たとえば、100キロが2回、120キロが2回、140キロが3回のとき、140キロを測定値とするのか、そもそも測定値とした3回の測定以外の測定で、何キロが何回あったのか、そういうことは一切わからない。
 そんなものを、「3回測定した」とは言わないんじゃないの?
 「3回測定したと称する値を、1回出した」と言うべきじゃないの?
 でもまぁ、それは大した問題ではないのだろう、と私は思う。
 というか、例の撮影位置のことで、その問題はおおむねクリアされるだろう(反則・非反則で公訴棄却がからむときは別。って専門的な話でごめんね)。

 大事なのは、3回測って1回出したその測定値が、間違いなく写真に焼きつけられたのか、そこんとこの確認、検証、裏付け、チェックが、一切ないことなのだ。
 オービス事件において、被告人車両の速度とされる唯一の数字は、写真に焼きつけられた数字(記号)のみであり、それ以外に一切なにもないのに。
 このことは、私からすると、信じられない話だ…。

 本件は弁護人がいない。
 被告人が反対尋問を行った。
 被告人は、大学の物理学方面の教員(科学者)だそうで、他の事件の弁護人とは、だいぶ趣(おもむき)の異なる尋問をしてた。
「(菅井証人の)言ってらっしゃることが非科学的と思えるんですが…」
 とも言っていた。
 なるほど、機械装置を用いて測定するのだから、その測定値が正しいとする理由は科学的のはず…。
 でもね、それは違うのだ。
 これは、科学ではなくて、刑事裁判なのだ。
 警察官、検察官が誤った検挙・起訴をするはずがないという前提のもと、紙のうえでそれなりの理屈が立てば(立っているように見えれば)有罪にする、国家の秩序を保つ(保ったかに見せる)、それが刑事裁判なのだ。
 科学ではないうえ、真実を追求するとか、検察が無辜(むこ)を処罰しないようチェックするとか、そういうものでさえないのだ。
 そこを、被告人は勘違いしているように、どうも思えた。
 ま、勘違いするなと言うほうが無理、つーか真っ当な国民ならみんな勘違いするよね。
 私? オービス裁判を何十件か傍聴し続けてきてた私は、何なのか(泣)。

 ほか、突然現れた科学者がかき回した、と言っちゃ失礼だが、普段と様子が異なる展開になり、新しいことが出てきて、私としてはいろいろ勉強になった。

 菅井さんは、町井さんの尋問に答えて、
「(オービスに関して)開発、設計から、実際の機器の評価、およびアフターサービスとしてこのような公判対応に関わってきました」
 と言い、尋問が終わって、書記官から茶封筒(裁判所が支給する旅費日当。有罪判決の場合は、被告人が払うことになるのが普通)を、いつものように受け取っていた(これは東京航空計器の社員も同様)。
 アフターサービスの旅費日当を、裁判所(国)に請求して受領するって、どうなの?
 それは、いずれ大問題になるよ。
 警視庁はもう、旅費日当の請求・受領から撤退してること、知らないんですか?
 会社のほうでよく検討するほうがいいと思う…ってこんなアドバイスをしてくれるのは、私だけですよぅ。

 16時15分頃閉廷。
 それから、楽しいことがいろいろあったのだが、オフレコにしとくほうが良さそうと考え、書かない。
 これまでも、書いてない面白いことが、ずいぶんある。
 だって、「今井とざっくばらんに話したことはみんなブログに書かれちゃう」ってことになったら、私は誰からも相手にされなくなるし、それはいいとしても、「今井にはあんなことを話したそうじゃないか。俺にはなんで話さないんだ。けしからん!」とか食いつく輩(やから)も出るだろうし、ねぇ。
 書かないうちに、たいがい忘れる、ま、それで良かろうと思うのです。

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裁判員制度はいらない!大運動 

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2007年7月18日 (水)

あーっ! あーっ! あーっ!

7月17日(火)

 東京簡裁・刑事1室2係(後藤征弘裁判官・町井裕明検察官)826号法廷。
 10時45分から道路交通法の新件があるので、原稿書きで眠いのを押して行ったわけ。
 10時39分に法廷に入ると、前の事件の被告人質問をやってるところ。
 銃砲刀剣類所持等取締法違反。

 深夜1時半頃、それが犯罪になるとは知らず、奥の方にナイフ(どんなナイフか不明)が入ったカバンを持ち、通行したらしい。
 被告人(在宅)は、後ろ姿と話しぶりから見る限り、ちょっと公務員風とでもいうのか(公務員といってもいろいろだけどさ)、犯罪傾向はまるでない感じ。
 起訴状を持ってる(受け取ってる)でしょ、と裁判官から言われ、
「さぁ…略式っていう…」
 と答えていたところからみて、いったん略式に応じて罰金の支払命令を受けたけれども、金額か何か不服があって正式裁判の請求をしたんだろうか。

 詳しいことは端折るとして、裁判官は、本筋とは関係ないことで、警察官を呼んで確認する(尋問する)と言い出した。
 私は、実質的には、まったくムダな尋問と思えた。
 が、手続き上、というか裁判の儀式性ないし体面を保つため、必要なんだろう。
 被告人は、呼ばないでほしいという。
「また、脅かされるんですね。会いたくないです。このこと(取調べ時にあったことを)言うんじゃねーぞと脅かされたんです」
 被告人は、泣きそうな声になっていた。
 しかし裁判官と検察官は、とっとと尋問の期日を決めた。
 すると被告人は、また言い出した。
「(その期日は)試験が終わったばっかで…試験を受けられないじゃないですか…こんなにイジメて…」
 指定された期日の数日前に、試験があるのだという。
 ここで、町井さんが「裁判長」と手を挙げて立ち上がり、被告人の言い分をさも不思議そうに、こう言ったんだね。
「それでしたら、(被告人が言う試験日は、尋問期日の)前ですから」
 だから何ら問題ないと、涼しげに言ったのである。
 すると被告人は言った。
「そんなことを…僕は…何度も受からないし…もう死んじゃおうか…」
 そうして、上を向き…。

 あーっ! あーっ! あーっ! あーっ!  あーっ!

 すごい声で、泣いたというか、叫んだというか。
 そして、酸素が足りなくなったのかどうしたのか、体がゆらり右側へ倒れだした。
 書記官が支え、弁護人が支え、検察官も手を出し…。
 そして…。

 いやはや、こういうのは初めて見たよ。
 詳しくは『ドライバー』に書くことにしようか…。

 11時8分から、ようやく、道路交通法違反の新件。
 傍聴席でさっきの様子を見ていた男性が、バーの中へ。
 あら、弁護人がいない…。
 起訴事実は、04年9月23日午前2時20分頃の、中央道下り杉並区上高井戸2-18の、三菱RS-2000による69キロ超過(測定値129キロ)。
 被告人は述べた。
「そのとき、私は、100~110キロでした。40キロ台のスピード違反はしていました。今は反省しています。ただし、129キロというのは事実に反します」
 そうして、検察官提出の書証(オービスの否認事件でいつも出すやつ)について、言うのだった。
「これだけで十分だと思っているのか、皮肉じゃなしに、理解できない。これだけしか出てないのは、私にとって有利じゃないかと」
 そのとおり!
 被告人は、こうも言うのだった。
「(こんな書証やメーカー社員の証言でオービスが信頼できるという論法なら)温泉だって爆発しない。ジェットコースターだって転倒しない」
 そのとおり!
 いや~、こういうマトモなことを言う事件に、初めて遭ったよ!

 銃刀法のも含め、こういうことが法廷で行われていると、テレビや新聞からは絶対にわからないわけで、やっぱ傍聴はヤメられない、止まらない。

 それから、農林水産省の地下食堂、国会図書館、警察庁を巡り(疲れちゃって警察庁で数分熟睡)、16時から、7月9日に傍聴した無免許の判決。

 06年9月に無免許で懲役6月執行猶予2年の判決を受け、その約半年後の07年3月の無免許。
 刑務所行きとなれば、娘3人の学費、老母の介護費などで生活は破綻することを、前回の公判で被告人